JP2013258251A - ショットキーバリアダイオードおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、耐圧性能を一層向上させた、ショットキーバリアダイオードおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 GaN層2が露出するように開口3tがあけられた下層絶縁膜3と、拡大開口5tがあけられた上層絶縁膜と、金属電極7aを含むフィールドプレート電極7とを備え、下層絶縁膜は、拡大開口において上層絶縁膜側から開口の端に向かって薄くなるように傾斜していることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 GaN層2が露出するように開口3tがあけられた下層絶縁膜3と、拡大開口5tがあけられた上層絶縁膜と、金属電極7aを含むフィールドプレート電極7とを備え、下層絶縁膜は、拡大開口において上層絶縁膜側から開口の端に向かって薄くなるように傾斜していることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明はショットキーバリアダイオードおよびその製造方法に関し、とくに耐圧性能に優れたショットキーバリアダイオードおよびその製造方法に関するものである。
ショットキーバリアダイオードは、pn接合ダイオードに比べて順方向の電圧降下が小さく、少数キャリアの蓄積が少ないためにスイッチングが高速度で行えるなどの利点を有する。このため、高速スイッチ、高周波帯域での周波数変換、検波などに適している。とくに高電圧・大電流のスイッチング(パワーデバイス)に適した化合物半導体を用いたショットキーバリアダイオードの開発が推進されている(特許文献1)。
しかしながら、パワーデバイスとしてのショットキーバリアダイオードは、オフ時の耐圧性能にボトルネックがある。パワーデバイスにおいて耐圧性能は、もっとも重視される性能の一つである。オフ時の耐圧性能を向上させることで、従来の用途が拡大されるだけでなく、パワーデバイスの分野で新しいキーデバイス素子となる可能性も秘めている。
本発明は、耐圧性能を一層向上させた、ショットキーバリアダイオードおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のショットキーバリアダイオードは、III−V族系半導体と金属電極とのショットキー接触を含むショットキーバリアダイオードであって、半導体の表面に接し、半導体が露出するように開口があけられた下層絶縁膜と、下層絶縁膜に接し、半導体および下層絶縁膜の開口の周縁部が露出するように、拡大開口があけられた上層絶縁膜と、下層絶縁膜の開口から露出する半導体と、下層絶縁膜および上層絶縁膜とに接して位置する、金属電極を含むフィールドプレート電極とを備える。そして、下層絶縁膜は、拡大開口において上層絶縁膜側から開口の端に向かって厚み薄くなるように傾斜していることを特徴とする。
ショットキーバリアダイオードではオフ時の耐圧性能は、逆方向電圧を印加したときのリーク電流で評価される。そのリーク電流に対しては、絶縁膜材料等が同じ場合、電極もしくはフィールドプレート電極と半導体との間の電界の強さが大きく影響する。フィールドプレート電極と半導体との間の電位差はほぼ一定であるが、絶縁膜(上層および下層)を挟んで、距離が変化する場合、距離が急激に変化する箇所や表面の粗度が大きい箇所(凹凸箇所)で、局所的に大きな電界変化が生じる。この電界の局所的な変化は、電界の強さの定義式E=V/y、(y:間隔)より、当然、絶縁膜の厚みが薄い箇所、すなわちショットキー接触の近くで生じやすい。リーク電流は、このような電界の局所変化する箇所で、かつ欠陥部である局所的な導電箇所で、生じる傾向がある。絶縁膜中の欠陥部の導電率をσ、電界の強さEとすると、電流密度j=σEが成り立つからである。
本発明では、下層絶縁膜が、上層絶縁膜の拡大開口端の箇所から開口の端へと厚みが薄くなるように緩く傾斜している。もともと下層絶縁膜は上層絶縁膜に比べて厚みを薄くする。厚みは薄いものの、この下層絶縁膜の傾斜部の傾斜の角度が小さいため、下層絶縁膜の厚み分、上層絶縁膜の拡大開口端の箇所から開口の端まで降りるのに大きな距離を要する。すなわち、下層絶縁膜の傾斜部の開口径方向の長さ、もしくは幅は、当該下層絶縁膜の厚みの2倍以上、さらには50倍以上あるいはそれ以上(たとえば数百倍)となる場合がある。その上で、このような長い傾斜部の幅の全体にわたって厚みを徐々に単調に変化させる。この結果、III−V族系半導体から見て、フィールドプレート電極との距離は、開口の端から上層絶縁膜の傾斜壁面まで、緩やかに変化する。下層絶縁膜の傾斜部は、厚みの局所的な大きな変化なしに、上層絶縁膜へと厚みが緩やかに変化して、電界の強さが小さくなる上層絶縁膜に至って、III−V族系半導体とフィールドプレート電極との間の距離を分担する領域へと移行する。このため、逆方向リーク電流は確実に抑制される。
III−V族系半導体層としては、たとえば、GaN層、AlGaN層、AlN層などを挙げることができる。このうち、とくにGaN層が好ましいものとして挙げることができる。
本発明では、下層絶縁膜が、上層絶縁膜の拡大開口端の箇所から開口の端へと厚みが薄くなるように緩く傾斜している。もともと下層絶縁膜は上層絶縁膜に比べて厚みを薄くする。厚みは薄いものの、この下層絶縁膜の傾斜部の傾斜の角度が小さいため、下層絶縁膜の厚み分、上層絶縁膜の拡大開口端の箇所から開口の端まで降りるのに大きな距離を要する。すなわち、下層絶縁膜の傾斜部の開口径方向の長さ、もしくは幅は、当該下層絶縁膜の厚みの2倍以上、さらには50倍以上あるいはそれ以上(たとえば数百倍)となる場合がある。その上で、このような長い傾斜部の幅の全体にわたって厚みを徐々に単調に変化させる。この結果、III−V族系半導体から見て、フィールドプレート電極との距離は、開口の端から上層絶縁膜の傾斜壁面まで、緩やかに変化する。下層絶縁膜の傾斜部は、厚みの局所的な大きな変化なしに、上層絶縁膜へと厚みが緩やかに変化して、電界の強さが小さくなる上層絶縁膜に至って、III−V族系半導体とフィールドプレート電極との間の距離を分担する領域へと移行する。このため、逆方向リーク電流は確実に抑制される。
III−V族系半導体層としては、たとえば、GaN層、AlGaN層、AlN層などを挙げることができる。このうち、とくにGaN層が好ましいものとして挙げることができる。
下層絶縁膜の傾斜の角度を、30°以下とすることができる。
これによって、下層絶縁膜の厚みを緩やかに変化させることができる。この傾斜の角度は、より好ましくは10°以下、さらに5°以下とするのがよい。
ここで傾斜の角度は、中間製品もしくは製品の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察することで特定することができる。また、走査型電子顕微鏡に限らず、観察に適した観察装置を用いることができる。下層絶縁膜の傾斜角を小さくすることで電界集中を緩和することができる。
これによって、下層絶縁膜の厚みを緩やかに変化させることができる。この傾斜の角度は、より好ましくは10°以下、さらに5°以下とするのがよい。
ここで傾斜の角度は、中間製品もしくは製品の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察することで特定することができる。また、走査型電子顕微鏡に限らず、観察に適した観察装置を用いることができる。下層絶縁膜の傾斜角を小さくすることで電界集中を緩和することができる。
下層絶縁膜の、拡大開口から露出する傾斜している部分(傾斜部)の長さもしくは幅と、上層絶縁膜に覆われている非傾斜部の厚みと、の比を、2倍以上とするのがよい。
これによって、下層絶縁膜における傾斜部による電界集中の緩和効果を、上記角度による特定、および/または、この、下層絶縁膜傾斜部の幅/下層絶縁膜の厚み、という指標で特定することができる。下層絶縁膜傾斜部の幅/下層絶縁膜の厚み、は、より好ましくは25倍以上、さらに好ましくは50倍以上とするのがよい。この指標は、下層絶縁膜の厚みが薄いときに下層絶縁膜の傾斜を、高い感度で特定することができる。たとえば、下層絶縁膜が、数原子層〜数十原子層の厚みの場合で、傾斜部の角度を測定しにくい場合に、よい指標となる。厚みの測定などは、微小部分の測定に適したあらゆる測定装置を用いることができる。
これによって、下層絶縁膜における傾斜部による電界集中の緩和効果を、上記角度による特定、および/または、この、下層絶縁膜傾斜部の幅/下層絶縁膜の厚み、という指標で特定することができる。下層絶縁膜傾斜部の幅/下層絶縁膜の厚み、は、より好ましくは25倍以上、さらに好ましくは50倍以上とするのがよい。この指標は、下層絶縁膜の厚みが薄いときに下層絶縁膜の傾斜を、高い感度で特定することができる。たとえば、下層絶縁膜が、数原子層〜数十原子層の厚みの場合で、傾斜部の角度を測定しにくい場合に、よい指標となる。厚みの測定などは、微小部分の測定に適したあらゆる測定装置を用いることができる。
下層絶縁膜の非傾斜部の厚みは、100nm以下とするのがよい。
下層絶縁膜は、III−V族系半導体の結晶に損傷を与えないように運動エネルギの垂直方向の成分を抑えて成長させるため成長速度は小さいものとなる。また、緻密な膜となるため、厚みを厚くすると高い応力が発生して、III−V族系半導体の結晶性を劣化させる。100nm以下の厚みの緻密な下層絶縁膜とすることで、III−V族系半導体の結晶性を良好に保ちながら、リーク電流を生じにくくすることができる。
下層絶縁膜は、III−V族系半導体の結晶に損傷を与えないように運動エネルギの垂直方向の成分を抑えて成長させるため成長速度は小さいものとなる。また、緻密な膜となるため、厚みを厚くすると高い応力が発生して、III−V族系半導体の結晶性を劣化させる。100nm以下の厚みの緻密な下層絶縁膜とすることで、III−V族系半導体の結晶性を良好に保ちながら、リーク電流を生じにくくすることができる。
上層絶縁膜の拡大開口端の壁面を、下層絶縁膜に終端する底部において、80°以下の傾斜の角度を有するようにできる。
これによって、開口の端付近の電界集中が強く起きやすい箇所で下層絶縁膜が緩やかな厚み変化により電界集中を緩和し、ある程度フィールドプレート電極とIII−V族系半導体との距離が十分大きくなった領域で、上層絶縁膜が上記距離を担保することができる。また、上層絶縁膜の拡大開口端の壁面も、ある程度、傾斜する角度を持つので、電界集中は生じにくい。
これによって、開口の端付近の電界集中が強く起きやすい箇所で下層絶縁膜が緩やかな厚み変化により電界集中を緩和し、ある程度フィールドプレート電極とIII−V族系半導体との距離が十分大きくなった領域で、上層絶縁膜が上記距離を担保することができる。また、上層絶縁膜の拡大開口端の壁面も、ある程度、傾斜する角度を持つので、電界集中は生じにくい。
上層絶縁膜の非傾斜部の厚みを1μm以下とするのがよい。
厚みが上記範囲の下層絶縁膜と協働して、フィールドプレート電極とIII−V族系半導体との距離を、拡大開口〜その外側の領域にかけて、電界集中が生じにくい範囲に保つことができる。
厚みが上記範囲の下層絶縁膜と協働して、フィールドプレート電極とIII−V族系半導体との距離を、拡大開口〜その外側の領域にかけて、電界集中が生じにくい範囲に保つことができる。
下層絶縁膜は、上層絶縁膜よりも高い応力を生じ、下層絶縁膜の厚みを、上層絶縁膜の厚みの1/5以下とするのがよい。
下層絶縁膜については緻密で、欠陥密度が小さいことが求められる。絶縁膜が緻密でなく粗雑な場合、導電性の変動が生じ、導電性の高い箇所が生じやすく、高い導電性の箇所でリーク電流が生じる。一方、緻密な膜は、短所として高い応力を生じる。このため、厚みを厚くすると、たとえば半導体層上で、下層絶縁膜自らにクラックを生じる場合がある。クラックが入っては絶縁膜の役割を果たすことはできないので、厚みを薄くすることで応力を下げてクラックを防止するのがよい。上層絶縁膜は、それほど緻密である必要はないので、バンドギャップが大きいことを緻密性に優先させて材料選択することができる。その上で、上層絶縁膜および下層絶縁膜を合わせた絶縁膜に必要とされる厚みを、上層絶縁膜の厚みで満足させることができる。下層絶縁膜の厚みが、上層絶縁膜の厚みの1/5を超えると、絶縁膜全体に要求される絶縁性を確保しようとすると下層絶縁膜の厚みが過大となりクラックが発生するおそれが増大する。下層絶縁膜の厚みは、非常に薄くする場合、3nm〜5nm程度あればよい。
下層絶縁膜については緻密で、欠陥密度が小さいことが求められる。絶縁膜が緻密でなく粗雑な場合、導電性の変動が生じ、導電性の高い箇所が生じやすく、高い導電性の箇所でリーク電流が生じる。一方、緻密な膜は、短所として高い応力を生じる。このため、厚みを厚くすると、たとえば半導体層上で、下層絶縁膜自らにクラックを生じる場合がある。クラックが入っては絶縁膜の役割を果たすことはできないので、厚みを薄くすることで応力を下げてクラックを防止するのがよい。上層絶縁膜は、それほど緻密である必要はないので、バンドギャップが大きいことを緻密性に優先させて材料選択することができる。その上で、上層絶縁膜および下層絶縁膜を合わせた絶縁膜に必要とされる厚みを、上層絶縁膜の厚みで満足させることができる。下層絶縁膜の厚みが、上層絶縁膜の厚みの1/5を超えると、絶縁膜全体に要求される絶縁性を確保しようとすると下層絶縁膜の厚みが過大となりクラックが発生するおそれが増大する。下層絶縁膜の厚みは、非常に薄くする場合、3nm〜5nm程度あればよい。
下層絶縁膜を、窒化ケイ素とするのがよい。
窒化ケイ素を用いて下層絶縁膜を形成することで、開口の周縁部を構成する上記形態の(上層絶縁膜/下層絶縁膜)を得ることができる。
逆方向リーク電流に対しては、この下層絶縁膜の形態が非常に重要である。下層絶縁膜における開口端から傾斜部における形状が、逆方向リーク電流を抑制する上で、決定的に重要となる。何故ならば、下層および上層絶縁膜に形成されるオフ時の電界Eは、フィールドプレート電極とIII−V族系半導体との距離y、オフ時の電圧をVとして、E=V/yである。距離yの変動による電界変化|ΔE|=|(V/y2)Δy|で与えられる。距離yが小さい部分で大きな電界変動が生じることを示している。リーク電流は、下地絶縁膜の導電性が高い欠陥部、かつ電界変化が大きい箇所、において生じやすい。電界強さの変化が生じる箇所は上記の距離yが小さい範囲でかつ変動Δyが大きい箇所に対応する。半導体と電極との間の距離yの変動Δyは、下層絶縁膜の端の立ち上がり勾配、表面の凹凸、欠陥などで大きく生じる。上層絶縁膜の拡大開口端の立ち上がり勾配も重要であるが、距離yが、傾斜部によって大きくなっていて電界強さがそれほど高くないので、重要性は下層絶縁膜の開口端に比べれば小さくなる。
上記のように下層絶縁膜の開口に面する端が半導体表面へと厚みを無くすようにして繋がっており、さらにその端が傾斜部へと連続する形態は、上記のように、逆方向リーク電流の抑制に非常に有効である。ショットキー接触に近接する高い電界強さの箇所において、下層絶縁膜が上記の形態をとることによって、電極と半導体との距離が非常に緩やかに変化するからである。これまで、絶縁膜の厚みの変化について、観察手段(電子顕微鏡など)の大きな進歩があり、観察および特定が容易になったにもかかわらず、ここまでミクロ的な形状にこだわったショットキーバリアダイオードの発明は提案されていない。
ここで、窒化ケイ素は、化学式でSi3N4の組成であるが、完全に前記組成と同じである必要はなく、異なる組成の窒化ケイ素を含んでもよい。また、たとえば組成比は問題にしないで構成成分(組成)のみを問題にするときはSiNなどと記す。
窒化ケイ素を用いて下層絶縁膜を形成することで、開口の周縁部を構成する上記形態の(上層絶縁膜/下層絶縁膜)を得ることができる。
逆方向リーク電流に対しては、この下層絶縁膜の形態が非常に重要である。下層絶縁膜における開口端から傾斜部における形状が、逆方向リーク電流を抑制する上で、決定的に重要となる。何故ならば、下層および上層絶縁膜に形成されるオフ時の電界Eは、フィールドプレート電極とIII−V族系半導体との距離y、オフ時の電圧をVとして、E=V/yである。距離yの変動による電界変化|ΔE|=|(V/y2)Δy|で与えられる。距離yが小さい部分で大きな電界変動が生じることを示している。リーク電流は、下地絶縁膜の導電性が高い欠陥部、かつ電界変化が大きい箇所、において生じやすい。電界強さの変化が生じる箇所は上記の距離yが小さい範囲でかつ変動Δyが大きい箇所に対応する。半導体と電極との間の距離yの変動Δyは、下層絶縁膜の端の立ち上がり勾配、表面の凹凸、欠陥などで大きく生じる。上層絶縁膜の拡大開口端の立ち上がり勾配も重要であるが、距離yが、傾斜部によって大きくなっていて電界強さがそれほど高くないので、重要性は下層絶縁膜の開口端に比べれば小さくなる。
上記のように下層絶縁膜の開口に面する端が半導体表面へと厚みを無くすようにして繋がっており、さらにその端が傾斜部へと連続する形態は、上記のように、逆方向リーク電流の抑制に非常に有効である。ショットキー接触に近接する高い電界強さの箇所において、下層絶縁膜が上記の形態をとることによって、電極と半導体との距離が非常に緩やかに変化するからである。これまで、絶縁膜の厚みの変化について、観察手段(電子顕微鏡など)の大きな進歩があり、観察および特定が容易になったにもかかわらず、ここまでミクロ的な形状にこだわったショットキーバリアダイオードの発明は提案されていない。
ここで、窒化ケイ素は、化学式でSi3N4の組成であるが、完全に前記組成と同じである必要はなく、異なる組成の窒化ケイ素を含んでもよい。また、たとえば組成比は問題にしないで構成成分(組成)のみを問題にするときはSiNなどと記す。
上層絶縁膜を、酸化物からなる絶縁膜とすることができる。
上層絶縁膜は、III−V族系半導体と接触しないので、バンドギャップが大きいこと、および成膜速度が大きいことなどを条件に選ぶことができる。このため、酸化ケイ素、二酸化アルミニウムなどを用いることができる。
また、上層絶縁膜の役割の一つ(全部ではない)は、下層絶縁膜の上記の形態を形成するために存在する。すなわち上層絶縁膜は、下層絶縁膜の上記の形態を形成する上で必須である。この理由については、このあとの製造方法において説明する。
上層絶縁膜は、III−V族系半導体と接触しないので、バンドギャップが大きいこと、および成膜速度が大きいことなどを条件に選ぶことができる。このため、酸化ケイ素、二酸化アルミニウムなどを用いることができる。
また、上層絶縁膜の役割の一つ(全部ではない)は、下層絶縁膜の上記の形態を形成するために存在する。すなわち上層絶縁膜は、下層絶縁膜の上記の形態を形成する上で必須である。この理由については、このあとの製造方法において説明する。
本発明のショットキーバリアダイオードの製造方法は、III−V族系半導体に設けられるショットキーバリアダイオードの製造方法である。この製造方法は、表層をIII−V族系半導体層とする半導体基部を準備する工程と、III−V族系半導体層の表面に、所定の成膜法によって、下層絶縁膜を厚み100nm以下に形成する工程と、下層絶縁膜に接して上層絶縁膜を厚み1000nm以下に形成する工程と、上層絶縁膜上に、III−V族系半導体層を露出する開口をあけるためのレジストパターンを設ける工程と、レジストパターンが設けられた積層体中間品に対し、III−V族系半導体層を露出させるように、上層絶縁膜および下層絶縁膜に開口をあける、ウエットエッチング工程とを備え、ウエットエッチング工程において、上層絶縁膜に対し、露出するIII−V族系半導体の開口の直径より大きくした拡大開口を形成し、該拡大開口から露出する下層絶縁膜の厚みを上層絶縁膜の拡大開口端から開口に向かって薄くして、傾斜を付けることを特徴とする。
また、下層絶縁膜の形成工程において、窒素(N)のECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマ流を固体ケイ素(Si)ターゲットに照射して該固体ケイ素ターゲットからのスパッタを、窒素のECRプラズマ流とともに、III−V族系半導体層の表面に付着・反応させて下層絶縁膜である窒化ケイ素膜を形成するのがよい。
窒素のECRプラズマ流を固体ケイ素ターゲットに照射してスパッタを半導体基部に堆積して窒化ケイ素膜を形成すると、硬さがダイヤモンド並みの非常に緻密な窒化ケイ素膜を得ることができる。このとき半導体基部は、常温でもよいが100℃〜300℃に加熱しておくことが望ましい。このような緻密で高い硬さの窒化ケイ素膜は、次のプロセスを経て形成される。
(S1)窒素のECRプラズマ流を珪素ターゲットへ照射する。
(S2)珪素ターゲットからスパッタを生成させる。
(S3)該ECRプラズマ流とともにそのスパッタを半導体基部に付着させ反応さて窒化ケイ素膜を形成する。
緻密で高い硬さの窒化ケイ素膜は、上記の(S1)〜(S3)というプロセスに特有のものである。他の形成方法ではこれほど緻密で高い硬さの窒化珪素膜は得られない。かつ、ECRプラズマ流のターゲット照射によるスパッタによって他の化合物の絶縁膜を形成しても、上記窒化ケイ素膜ほどの緻密さと高い硬さの絶縁膜を得ることはできない。
窒素のECRプラズマ流を固体ケイ素ターゲットに照射してスパッタを半導体基部に堆積して窒化ケイ素膜を形成すると、硬さがダイヤモンド並みの非常に緻密な窒化ケイ素膜を得ることができる。このとき半導体基部は、常温でもよいが100℃〜300℃に加熱しておくことが望ましい。このような緻密で高い硬さの窒化ケイ素膜は、次のプロセスを経て形成される。
(S1)窒素のECRプラズマ流を珪素ターゲットへ照射する。
(S2)珪素ターゲットからスパッタを生成させる。
(S3)該ECRプラズマ流とともにそのスパッタを半導体基部に付着させ反応さて窒化ケイ素膜を形成する。
緻密で高い硬さの窒化ケイ素膜は、上記の(S1)〜(S3)というプロセスに特有のものである。他の形成方法ではこれほど緻密で高い硬さの窒化珪素膜は得られない。かつ、ECRプラズマ流のターゲット照射によるスパッタによって他の化合物の絶縁膜を形成しても、上記窒化ケイ素膜ほどの緻密さと高い硬さの絶縁膜を得ることはできない。
ECRプラズマ流のスパッタを用いて形成した(「ECRプラズマ成膜法)と記す)窒化ケイ素膜は、上記のように緻密で硬いため、所定のエッチングによるウエットエッチングによってエッチングレートは非常に小さくなる。たとえば、上層絶縁膜に酸化ケイ素を用いた場合、窒化ケイ素/酸化ケイ素/レジストパターン、におけるレジストパターンの開口を所定のエッチャントでエッチングすると、酸化ケイ素の上層絶縁膜は高いエッチングレートでエッチングされるが、窒化ケイ素は緻密で硬いためエッチングレートは非常に低い。このため、酸化ケイ素膜は、ほとんどエッチングが進まない窒化ケイ素膜上で、エッチングが進行し、開口に面する壁面は、酸化ケイ素膜の全厚みがエッチングされて無くなり、さらに開口から後退するようにエッチングされてゆく。このようなエッチングが進行すると、窒化ケイ素膜の上面はレジストの直下で露出され、窒化ケイ素膜の傾斜部が形成される。エッチャントとしては、とくに限定する必要はないが、たとえば、バッファードフッ酸(BHF:Buffered Hydrogen Fluoride)を用いるのがよい。
上記の窒化ケイ素の傾斜部の幅もしくは径方向の長さは、たとえば窒化ケイ素膜の厚みが50nmのとき、3000nm(3μm)〜5500nm(5.5μm)になる。
上記のエッチングの進行中、下層絶縁膜である窒化ケイ素膜は、酸化ケイ素膜に比べて非常に小さいエッチングレートであるがエッチングはされる。とくに、レジストパターンの開口に対応する部分からエッチングされてゆき、最終的には、III−V族系半導体層を露出する開口があけられ、下層絶縁膜の傾斜部が形成される。当然のことながら、下層絶縁膜の傾斜部の上層絶縁膜に終端される位置ではエッチングはほとんどまったく生じない。このため、下層絶縁膜の傾斜部において、上層絶縁膜で終端される位置から開口端にかけて厚みが徐々に薄くなるテーパがつく。また、上層絶縁膜については、下層絶縁膜の傾斜部に終端する底部位置では、下層のSiN膜の小さいエッチングレートに引きずられて、酸化ケイ素のエッチングレートは、底部では上方よりも小さくなる。底部を基準に、高さが高い位置では、エッチングレートは高くなる。その結果、上層絶縁膜の側壁では、底部から上方へ所定の高さ位置まで、高い位置ほど開口から大きく後退する傾斜壁面となる。この結果、上層絶縁膜は、下層絶縁膜の傾斜部から大きな傾斜角変化を生じずに、なだらかに下層絶縁膜と繋がる。傾斜部の領域において、電極とIII−V族系半導体層との間の距離yは大きくなり、上層絶縁膜が距離yを分担する位置では、電界の強さはショットキー接触の近くの部分よりは小さくなっている。
上記の窒化ケイ素の傾斜部の幅もしくは径方向の長さは、たとえば窒化ケイ素膜の厚みが50nmのとき、3000nm(3μm)〜5500nm(5.5μm)になる。
上記のエッチングの進行中、下層絶縁膜である窒化ケイ素膜は、酸化ケイ素膜に比べて非常に小さいエッチングレートであるがエッチングはされる。とくに、レジストパターンの開口に対応する部分からエッチングされてゆき、最終的には、III−V族系半導体層を露出する開口があけられ、下層絶縁膜の傾斜部が形成される。当然のことながら、下層絶縁膜の傾斜部の上層絶縁膜に終端される位置ではエッチングはほとんどまったく生じない。このため、下層絶縁膜の傾斜部において、上層絶縁膜で終端される位置から開口端にかけて厚みが徐々に薄くなるテーパがつく。また、上層絶縁膜については、下層絶縁膜の傾斜部に終端する底部位置では、下層のSiN膜の小さいエッチングレートに引きずられて、酸化ケイ素のエッチングレートは、底部では上方よりも小さくなる。底部を基準に、高さが高い位置では、エッチングレートは高くなる。その結果、上層絶縁膜の側壁では、底部から上方へ所定の高さ位置まで、高い位置ほど開口から大きく後退する傾斜壁面となる。この結果、上層絶縁膜は、下層絶縁膜の傾斜部から大きな傾斜角変化を生じずに、なだらかに下層絶縁膜と繋がる。傾斜部の領域において、電極とIII−V族系半導体層との間の距離yは大きくなり、上層絶縁膜が距離yを分担する位置では、電界の強さはショットキー接触の近くの部分よりは小さくなっている。
本発明によれば、耐圧性能を一層向上させた、ショットキーバリアダイオードおよびその製造方法を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態におけるショットキーバリアダイオード10を示し、(a)は断面図、(b)は平面図である。GaN半導体基板1にエピタキシャルGaN層2が位置し、そのエピタキシャルGaN層2にショットキー電極7aがショットキー接触している。ショットキー電極7aは、フィールドプレート7bと一体的に連続して形成されており、そのフィールドプレート7bとともにフィールドプレート電極7を構成している。ショットキー電極7aとGaN層2とのショットキー接触は、開口Hにおいてなされている。III−V族系半導体層は、本実施の形態ではGaN層であるが、GaN層以外のIII−V族半導体層であってもよい。たとえば、AlGaN層、AlN層などであってもよい。開口Hの周囲においてGaN層2とフィールドプレート電極7との間には、下層絶縁膜3と、上層絶縁膜5とが積層されている。GaN基板1の裏面にはオーミック接触するオーミック電極12が位置している。オフ時の耐圧は、ショットキー電極7aとオーミック電極12との間に逆極性の電圧を印加したときのリーク電流によって評価する。耐圧性能に対しては、開口Hの周囲の絶縁膜の形態が大きな影響を及ぼす。本発明の実施に形態では、開口Hの回りに位置する、下層絶縁膜3および上層絶縁膜5の形態、とくに下層絶縁膜3の形態に特徴がある。この点について以下に詳細に説明する。
1.下層絶縁膜3:
(1)材料:
緻密で高い硬さの窒化ケイ素膜である。硬さはダイヤモンド並みの硬さを有する。この窒化ケイ素膜3は、窒素のECRプラズマ流を固体ケイ素のターゲットに照射して生じるスパッタを、その窒素のECRプラズマ流とともにGaN層2に付着させ反応させて形成させる。
(2)形態:
図2(a)は、図1(a)の下層絶縁膜3の部分の部分拡大図であり、図2(b)は下層絶縁膜3の先端3hの部分の拡大図である。下層絶縁膜3の形態については、つぎの特徴が重要である。
(F1)開口Hに露出する下層絶縁膜の傾斜部3tは、上方に向かって凸状の湾曲部などは有さず、半導体の表面に沿うように小さい傾斜角で、ほぼ直線(斜線)状であり、厚みを無くすようにしてGaN層2の表面に繋がっている。
(F2)開口Hのまわりにおいて、拡大開口5hにおいて露出する下層絶縁膜の傾斜部3tが大きな径方向長さg、もしくは幅gをもって、位置している。下層絶縁膜3は、先端3hにおいてGaN層2から、厚み無しから徐々に立ち上がり、小さい一定の上り勾配で傾斜部3tへと繋がる。傾斜部3tを経て、上層絶縁膜5の直下まで、その小さい上り勾配を維持するので、下層絶縁膜3の厚みは緩やかに増大する。これが下層絶縁膜3における傾斜部3tである。
(F3)下層絶縁膜の傾斜部3tの幅g、もしくは径方向の長さgは、下層絶縁膜3の非「開口周縁部」または傾斜部の部分以外における厚みdの2倍以上、さらには50倍以上ある。すなわち、g≧50dである。この傾斜部3tの大きな寸法は、これまでのショットキーバリアダイオードにない独特な形態である。下層絶縁膜3は、もともと、非常に薄い膜なので、厚みを徐々に増大させることは難しいが、このあと詳細に説明するように、この形態を確実に実現することができる、巧妙な製造方法がある。
(F4)上層絶縁膜5が、フィールドプレート電極7とGaN層2との間の距離yを分担する位置では、下層絶縁膜の窒化シリコン膜3が、先端3hから傾斜部3tの上り勾配の傾斜部を経ることで、既に距離yを十分大きくしている。このため、上層絶縁膜5の端5hでは、大きな電界強さの変化は生じにくくなっている。
(3)ECRプラズマ成膜:
本発明の実施の形態において、下層絶縁膜3を構成する窒化ケイ素膜をECRプラズマ流によるスパッタリングによって形成(ECRプラズマ成膜法)することが重要である。ECRプラズマは、磁界強度70テスラ〜100テスラの磁力線を発生し、その磁力線の回りを回転する電子を2GHz〜3GHzの交流電界で共振させる(ECR:Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロン共鳴)。電子はこの共振(共鳴)によってエネルギを受け取って高速で磁力線の周りを回転する。プラズマ化対象の気体分子と高い頻度で、高い運動エネルギで衝突するため、放電が難しい低圧の気体でも、効率よくその気体種のプラズマを発生することができる。ECRプラズマ流は、回転方向(面内方向)成分には大きな運動エネルギを持つが、その回転面に直交する回転軸方向に対しては低い運動エネルギとすることができる。特徴は、回転の運動エネルギは極めて大きいが、回転軸方向の運動エネルギを非常に小さく制御でき、かつプラズマ密度(イオン種の密度)を小さくできるという点にある。すなわち回転軸方向にかける電界を小さくすることで、回転軸方向の運動エネルギを容易に小さく制御することができる。かつ低圧の気体からプラズマ化してそのプラズマ状態を維持することができる。したがってプラズマ密度を小さくすることは容易である。このため、ECRプラズマ流を固体ケイ素ターゲットに照射した場合、ターゲットには面垂直方向には低エネルギで、かつ希薄プラズマ密度で衝突させることができる。ターゲットから反跳的に放射されるスパッタも、窒素のECRプラズマ流れにのせられて、回転面成分のエネルギは大きいが、回転運動の軸方向のエネルギは小さくできる。また、スパッタのサイズが微細であるなどの希薄プラズマ密度の影響を反映した特徴をもつ。スパッタのサイズ等については、完全に解明されていない。また、スパッタ自体の性状も解明されていない特徴を有している。GaN層2の表面に到達するスパッタはGaN層2の表面に衝突するというより、GaN層2の表面に回転しながら滑るように付着する。
付着したシリコンスパッタは、面に平行に水平方向に拡がって、非常に緻密な窒化シリコン膜3を形成する。GaN層2の表面は、通常のスパッタリングで生じるような損傷はなく、ほとんど損傷を受けない。さらに、窒化シリコンという材料上の作用も相乗して、このあと説明するように、ウエットエッチングに対して、エッチングされにくい(高耐食性)という特徴も有する。
上記の下層絶縁膜はECRプラズマ成膜法による窒化ケイ素膜によって良好なものが得られるが、本発明において最も広くは、プラズマCVD法、ALD(Atomic Layer Deposition)法などで成膜した窒化ケイ素膜であってもよい。
(1)材料:
緻密で高い硬さの窒化ケイ素膜である。硬さはダイヤモンド並みの硬さを有する。この窒化ケイ素膜3は、窒素のECRプラズマ流を固体ケイ素のターゲットに照射して生じるスパッタを、その窒素のECRプラズマ流とともにGaN層2に付着させ反応させて形成させる。
(2)形態:
図2(a)は、図1(a)の下層絶縁膜3の部分の部分拡大図であり、図2(b)は下層絶縁膜3の先端3hの部分の拡大図である。下層絶縁膜3の形態については、つぎの特徴が重要である。
(F1)開口Hに露出する下層絶縁膜の傾斜部3tは、上方に向かって凸状の湾曲部などは有さず、半導体の表面に沿うように小さい傾斜角で、ほぼ直線(斜線)状であり、厚みを無くすようにしてGaN層2の表面に繋がっている。
(F2)開口Hのまわりにおいて、拡大開口5hにおいて露出する下層絶縁膜の傾斜部3tが大きな径方向長さg、もしくは幅gをもって、位置している。下層絶縁膜3は、先端3hにおいてGaN層2から、厚み無しから徐々に立ち上がり、小さい一定の上り勾配で傾斜部3tへと繋がる。傾斜部3tを経て、上層絶縁膜5の直下まで、その小さい上り勾配を維持するので、下層絶縁膜3の厚みは緩やかに増大する。これが下層絶縁膜3における傾斜部3tである。
(F3)下層絶縁膜の傾斜部3tの幅g、もしくは径方向の長さgは、下層絶縁膜3の非「開口周縁部」または傾斜部の部分以外における厚みdの2倍以上、さらには50倍以上ある。すなわち、g≧50dである。この傾斜部3tの大きな寸法は、これまでのショットキーバリアダイオードにない独特な形態である。下層絶縁膜3は、もともと、非常に薄い膜なので、厚みを徐々に増大させることは難しいが、このあと詳細に説明するように、この形態を確実に実現することができる、巧妙な製造方法がある。
(F4)上層絶縁膜5が、フィールドプレート電極7とGaN層2との間の距離yを分担する位置では、下層絶縁膜の窒化シリコン膜3が、先端3hから傾斜部3tの上り勾配の傾斜部を経ることで、既に距離yを十分大きくしている。このため、上層絶縁膜5の端5hでは、大きな電界強さの変化は生じにくくなっている。
(3)ECRプラズマ成膜:
本発明の実施の形態において、下層絶縁膜3を構成する窒化ケイ素膜をECRプラズマ流によるスパッタリングによって形成(ECRプラズマ成膜法)することが重要である。ECRプラズマは、磁界強度70テスラ〜100テスラの磁力線を発生し、その磁力線の回りを回転する電子を2GHz〜3GHzの交流電界で共振させる(ECR:Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロン共鳴)。電子はこの共振(共鳴)によってエネルギを受け取って高速で磁力線の周りを回転する。プラズマ化対象の気体分子と高い頻度で、高い運動エネルギで衝突するため、放電が難しい低圧の気体でも、効率よくその気体種のプラズマを発生することができる。ECRプラズマ流は、回転方向(面内方向)成分には大きな運動エネルギを持つが、その回転面に直交する回転軸方向に対しては低い運動エネルギとすることができる。特徴は、回転の運動エネルギは極めて大きいが、回転軸方向の運動エネルギを非常に小さく制御でき、かつプラズマ密度(イオン種の密度)を小さくできるという点にある。すなわち回転軸方向にかける電界を小さくすることで、回転軸方向の運動エネルギを容易に小さく制御することができる。かつ低圧の気体からプラズマ化してそのプラズマ状態を維持することができる。したがってプラズマ密度を小さくすることは容易である。このため、ECRプラズマ流を固体ケイ素ターゲットに照射した場合、ターゲットには面垂直方向には低エネルギで、かつ希薄プラズマ密度で衝突させることができる。ターゲットから反跳的に放射されるスパッタも、窒素のECRプラズマ流れにのせられて、回転面成分のエネルギは大きいが、回転運動の軸方向のエネルギは小さくできる。また、スパッタのサイズが微細であるなどの希薄プラズマ密度の影響を反映した特徴をもつ。スパッタのサイズ等については、完全に解明されていない。また、スパッタ自体の性状も解明されていない特徴を有している。GaN層2の表面に到達するスパッタはGaN層2の表面に衝突するというより、GaN層2の表面に回転しながら滑るように付着する。
付着したシリコンスパッタは、面に平行に水平方向に拡がって、非常に緻密な窒化シリコン膜3を形成する。GaN層2の表面は、通常のスパッタリングで生じるような損傷はなく、ほとんど損傷を受けない。さらに、窒化シリコンという材料上の作用も相乗して、このあと説明するように、ウエットエッチングに対して、エッチングされにくい(高耐食性)という特徴も有する。
上記の下層絶縁膜はECRプラズマ成膜法による窒化ケイ素膜によって良好なものが得られるが、本発明において最も広くは、プラズマCVD法、ALD(Atomic Layer Deposition)法などで成膜した窒化ケイ素膜であってもよい。
2.上層絶縁膜5:
(1)材料:
上層絶縁膜5は、ECRプラズマ成膜法による窒化ケイ素膜3ほど緻密で、ウエットエッチングされにくい膜でなければよい。要は、製造方法で説明するように、レジストパターンを用いて、開口Hをウエットエッチングするとき、ECRプラズマによる窒化ケイ素膜3よりもウエットエッチングされやすく、窒化ケイ素膜3に傾斜部3tが形成されるような材料であればよい。そのような材料として酸化ケイ素を挙げることができる。酸化ケイ素膜は、ECRプラズマ成膜法によって成膜されても、窒化ケイ素よりも格段にウエットエッチングされやすい。
酸化ケイ素のバンドギャップエネルギは8.5eVであり、窒化ケイ素のバンドギャップエネルギ5eVよりも大きい。しかし、酸化ケイ素は、それほど緻密ではない。また、二酸化アルミニウム(Al2O3)なども用いることができる。また、上層絶縁膜5は、最も広くは、下層絶縁膜3と同じ窒化ケイ素で形成してもよいが、少なくとも成膜法はECRプラズマ成膜法ではなく、上層絶縁膜として成膜された窒化ケイ素膜が、下層絶縁膜ほど緻密でないことが必要である。ウエットエッチングのとき、上層絶縁膜5がより容易にエッチングされなければならないからである。
酸化ケイ素については、SiO2の組成を対象にするが、その他の組成比の酸化ケイ素を含んでもよい。
(2)形態:
図2(a)に示すように、上層絶縁膜5の壁面は、下層絶縁膜3の傾斜部3tを終端させる底部5hから、所定の高さ位置までは高くなるほど開口Hから後退する傾斜のついた傾斜壁面5tを形成する。これによって傾斜部3tから大きな傾斜角度変化をすることなく、下層絶縁膜3と上層絶縁膜5の表面どうしを底部5hにおいて繋げることができる。この結果、電界の変化をマイルドにすることができる。距離yを下層絶縁膜3の厚みが担保する部分よりも、距離yが大きくなって電界の強さ自体は低下してはいるものの、電界の局所的な急激な変化を防止して、オフ時のリーク電流を小さくすることができる。
(1)材料:
上層絶縁膜5は、ECRプラズマ成膜法による窒化ケイ素膜3ほど緻密で、ウエットエッチングされにくい膜でなければよい。要は、製造方法で説明するように、レジストパターンを用いて、開口Hをウエットエッチングするとき、ECRプラズマによる窒化ケイ素膜3よりもウエットエッチングされやすく、窒化ケイ素膜3に傾斜部3tが形成されるような材料であればよい。そのような材料として酸化ケイ素を挙げることができる。酸化ケイ素膜は、ECRプラズマ成膜法によって成膜されても、窒化ケイ素よりも格段にウエットエッチングされやすい。
酸化ケイ素のバンドギャップエネルギは8.5eVであり、窒化ケイ素のバンドギャップエネルギ5eVよりも大きい。しかし、酸化ケイ素は、それほど緻密ではない。また、二酸化アルミニウム(Al2O3)なども用いることができる。また、上層絶縁膜5は、最も広くは、下層絶縁膜3と同じ窒化ケイ素で形成してもよいが、少なくとも成膜法はECRプラズマ成膜法ではなく、上層絶縁膜として成膜された窒化ケイ素膜が、下層絶縁膜ほど緻密でないことが必要である。ウエットエッチングのとき、上層絶縁膜5がより容易にエッチングされなければならないからである。
酸化ケイ素については、SiO2の組成を対象にするが、その他の組成比の酸化ケイ素を含んでもよい。
(2)形態:
図2(a)に示すように、上層絶縁膜5の壁面は、下層絶縁膜3の傾斜部3tを終端させる底部5hから、所定の高さ位置までは高くなるほど開口Hから後退する傾斜のついた傾斜壁面5tを形成する。これによって傾斜部3tから大きな傾斜角度変化をすることなく、下層絶縁膜3と上層絶縁膜5の表面どうしを底部5hにおいて繋げることができる。この結果、電界の変化をマイルドにすることができる。距離yを下層絶縁膜3の厚みが担保する部分よりも、距離yが大きくなって電界の強さ自体は低下してはいるものの、電界の局所的な急激な変化を防止して、オフ時のリーク電流を小さくすることができる。
ショットキー電極7aおよびフィールドプレート7bからなるフィールドプレート電極7には、GaNとショットキー接触する材料であれば何でもよいが、Ni/Auなどを用いることができる。また、オーミック裏面電極12には、GaNとオーミック接触する金属ならばなにでもよいが、Ti/Al/Ti/Auなどを用いることができる。
つぎに、図1に示すショットキーバリアダイオード10の製造方法について説明する。図3は、製造方法を示すフローチャートである。まず、図4(a)に示すように、GaN基板1にGaN層2をエピタキシャル成長する。
ここで、GaN基板1は、支持基体上にオーミック接触するGaN層を有する基板であってもよい。また、製品状態では、GaN基板等の相当の厚み部分が除去されてGaN系積層体のエピタキシャル成長の下地膜としての薄いGaN層のみが残った状態でもよい。もちろん、自立するGaN基板であってもよい。これら、GaN基板、支持基体上にオーミック接触するGaN層を有する基板、製品に薄く残された下地のGaN層などを、単にGaN基板と表記していると解釈すべき場合もある。
ここで、GaN基板1は、支持基体上にオーミック接触するGaN層を有する基板であってもよい。また、製品状態では、GaN基板等の相当の厚み部分が除去されてGaN系積層体のエピタキシャル成長の下地膜としての薄いGaN層のみが残った状態でもよい。もちろん、自立するGaN基板であってもよい。これら、GaN基板、支持基体上にオーミック接触するGaN層を有する基板、製品に薄く残された下地のGaN層などを、単にGaN基板と表記していると解釈すべき場合もある。
次に、図4(b)に示すように、上述のECR窒素プラズマを用いて下層絶縁膜である窒化ケイ素膜3を形成する。厚みは50nm以下とするのがよく、より好ましくは30nm以下とするのがよい。次いで、上層絶縁膜の酸化ケイ素膜5を、形成する。酸化ケイ素膜5の成膜方法は、酸素ECRプラズマを用いてもよいし、他のどのような成膜方法でもよい。
このあと、オーミック電極12を、GaN基板1の裏面にEB(Electron Beam)蒸着法で、(Ti/Al/Ti/Au)をそれぞれの厚み(20nm/100nm/20nm/200nm)に形成する。このあと窒素雰囲気で約2分間600℃加熱を行い、オーミック接触を実現する。
このあと、オーミック電極12を、GaN基板1の裏面にEB(Electron Beam)蒸着法で、(Ti/Al/Ti/Au)をそれぞれの厚み(20nm/100nm/20nm/200nm)に形成する。このあと窒素雰囲気で約2分間600℃加熱を行い、オーミック接触を実現する。
次いで、窒化ケイ素膜3/酸化ケイ素膜5のウエットエッチングを行う。このプロセスは、本発明の実施の形態にとって非常に重要である。まず、図4(c)に示すように、開口Hを設ける部分に開口のあるレジストパターンR1を上層絶縁膜5に形成する。次いで、エッチャントによって開口Hを設ける。エッチャントとしては、バッファードフッ酸を用いるのがよい。
図5(a)は、バッファードフッ酸によって、レジストパターンR1の開口で、エッチングが始まった状態を示す図である。バッファードフッ酸19は、酸化ケイ素膜5を大きなエッチングレートでエッチングし、レジストパターンR1の開口に露出している酸化ケイ素膜5の側壁を厚み全体にわたってエッチングして除去してゆく。さらに、酸化ケイ素5は、エッチングを受けて開口に面する壁面を、開口から大きく後退させてゆく。これに対して窒化ケイ素膜3は、エッチングされにくく、レジストパターンR1の開口の中央付近でエッチングにより減厚されている程度である。
図5(b)は、さらにエッチングが進行した状態を示す図である。開口Hに対応する部分の窒化ケイ素膜3は、ようやく除去されて、GaN層2が露出するようになる。この間、酸化ケイ素膜5は、それほど低下しない大きなエッチングレートでエッチングされて後退を続行させる。この結果、窒化ケイ素膜3の表面3tは、エッチングされ続けるため、酸化ケイ素膜5の開口側の先端3hから上層絶縁膜5の底部5hにかけて厚みが漸増する傾斜部3tとなる。
上記のウエットエッチングを続けることで、窒化ケイ素膜3/酸化ケイ素膜5に開口Hを設けることができる。ショットキー電極7aがGaN層2とショットキー接触する部分は、窒化ケイ素膜3の開口3hによって限られる。上層絶縁膜5の酸化ケイ素5には、窒化ケイ素膜3の開口3hより大きな拡大開口5hがあけられる。拡大開口5hから露出する窒化ケイ素膜3は傾斜部3tである。そして、傾斜部3tの径方向長さgもしくは幅gは、窒化ケイ素膜3の傾斜部以外の領域での厚みdの2倍以上、さらには50倍以上となる。
次いで、ショットキー電極7aを含むフィールドプレート電極7を形成する。ショットキー電極の形成方法は、大別して2つの方法がある。リフトオフ法とエッチング法である。まずリフトオフ法では、開口部にレジストを塗布し、次いでリソグラフィによりそのレジストにフィールドプレート電極7の形状に合致した開口をあける。このあと、Ni/Au、またはNiを、EB蒸着し、次いでリフトオフによってレジストを除去する。他方のエッチング法では、まず、NiもしくはNi/AuをEB蒸着し、その後、レジストを全面に塗布する。次いで、リソグラフィによってレジストをフィールドプレート電極7の形状に残し、その残したレジストをマスクにしてNiもしくはNi/Auをエッチングして、フィールドプレート電極7を形成する。レジストは除去する。
上記のリフトオフ法およびエッチング法ともに、この後、425℃〜475℃で、1分間〜5分間程度の加熱をする。
図5(a)は、バッファードフッ酸によって、レジストパターンR1の開口で、エッチングが始まった状態を示す図である。バッファードフッ酸19は、酸化ケイ素膜5を大きなエッチングレートでエッチングし、レジストパターンR1の開口に露出している酸化ケイ素膜5の側壁を厚み全体にわたってエッチングして除去してゆく。さらに、酸化ケイ素5は、エッチングを受けて開口に面する壁面を、開口から大きく後退させてゆく。これに対して窒化ケイ素膜3は、エッチングされにくく、レジストパターンR1の開口の中央付近でエッチングにより減厚されている程度である。
図5(b)は、さらにエッチングが進行した状態を示す図である。開口Hに対応する部分の窒化ケイ素膜3は、ようやく除去されて、GaN層2が露出するようになる。この間、酸化ケイ素膜5は、それほど低下しない大きなエッチングレートでエッチングされて後退を続行させる。この結果、窒化ケイ素膜3の表面3tは、エッチングされ続けるため、酸化ケイ素膜5の開口側の先端3hから上層絶縁膜5の底部5hにかけて厚みが漸増する傾斜部3tとなる。
上記のウエットエッチングを続けることで、窒化ケイ素膜3/酸化ケイ素膜5に開口Hを設けることができる。ショットキー電極7aがGaN層2とショットキー接触する部分は、窒化ケイ素膜3の開口3hによって限られる。上層絶縁膜5の酸化ケイ素5には、窒化ケイ素膜3の開口3hより大きな拡大開口5hがあけられる。拡大開口5hから露出する窒化ケイ素膜3は傾斜部3tである。そして、傾斜部3tの径方向長さgもしくは幅gは、窒化ケイ素膜3の傾斜部以外の領域での厚みdの2倍以上、さらには50倍以上となる。
次いで、ショットキー電極7aを含むフィールドプレート電極7を形成する。ショットキー電極の形成方法は、大別して2つの方法がある。リフトオフ法とエッチング法である。まずリフトオフ法では、開口部にレジストを塗布し、次いでリソグラフィによりそのレジストにフィールドプレート電極7の形状に合致した開口をあける。このあと、Ni/Au、またはNiを、EB蒸着し、次いでリフトオフによってレジストを除去する。他方のエッチング法では、まず、NiもしくはNi/AuをEB蒸着し、その後、レジストを全面に塗布する。次いで、リソグラフィによってレジストをフィールドプレート電極7の形状に残し、その残したレジストをマスクにしてNiもしくはNi/Auをエッチングして、フィールドプレート電極7を形成する。レジストは除去する。
上記のリフトオフ法およびエッチング法ともに、この後、425℃〜475℃で、1分間〜5分間程度の加熱をする。
上記の製造方法上の観点からみて、本実施の形態におけるSBDのリーク電流が低い理由として、ウエットエッチングにおいて拡大開口5tを形成し、窒化ケイ素膜3の傾斜部3tを広く露出させ、かつ厚みを上層絶縁膜5の拡大開口5tから開口の端へと、非常に緩く(徐々に)、単調に、薄くなるようにした点が大きい。
本発明の実施の形態のショットキーバリアダイオードにおいて、オフ時の低いリーク電流を実現した要因は次の点にある。
1.下地絶縁膜:
(1)緻密で、比較的バンドギャップエネルギが大きい、すなわち耐圧性能に優れた窒化ケイ素膜を、ショットキー接触の周囲に、当該ショットキー接触近くの厚みの小さい位置に配置する。この窒化ケイ素膜3は、ECRプラズマ成膜法という特別な成膜法と窒化ケイ素膜3との組み合わせにより、緻密で耐圧性能に優れた絶縁膜である。
(2)この窒化ケイ素膜3は、ショットキー接触の位置近くから上層絶縁膜5の拡大開口(底部)5hまで、厚みyを、これ以上望めないほど緩やかに増す。その厚みyが漸増する部分である傾斜部3tの径方向長さgは、実に、傾斜部以外の領域での窒化ケイ素膜の厚みdの2倍以上、さらには50倍以上に達する。すなわちg≧50d、を満たす。この傾斜部3tの領域において、電界は面積的にも集中を緩和されつつ、電界の強さ自体、距離もしくは厚みyの増大により、確実に低下する。
(3)ショットキー接触の位置近くで下層絶縁膜3が上記の形態をとる場合、電界の局所変動は小さい。オフ時の電界の強さEは、電位差V一定のとき、E=V/yであり、下層絶縁膜3の厚みyが薄いほど大きな電界が生じ、厚みの変動Δyに対して、電界強さの変動|ΔE|=|(V/y2)Δy|、となる。これは、下層絶縁膜3における厚みyの局所的な変化や凹凸が、局所的に大きなΔyを生じ、結果的に局所的に大きな電界強さの変動を生じることを意味する。本発明における窒化ケイ素膜3は、開口3hから上層絶縁膜5の拡大開口底部5hまで、厚みを漸増させ、しかも緻密であり、局所的な凹凸は生じにくい。この結果、局所的な電界強さの変動を抑えることができ、オフ時のリーク電流を画期的に抑えることが可能になる。
2.上層絶縁膜5:
ウエットエッチングにおいて、下層の窒化シリコン膜3に上記のような形態をとらせることができる酸化ケイ素膜5を、上層絶縁膜5に用いている。酸化ケイ素膜および窒化ケイ素膜が、ともにECRプラズマ成膜法で成膜された場合でも、酸化ケイ素膜は、窒化ケイ素膜よりもエッチングレートが大きく、図5(a),(b)に示す形態の窒化ケイ素膜を形成するのに大きな役割を果たす。さらに酸化ケイ素膜5は、バンドギャップエネルギも大きく耐圧性能の向上に寄与することができる。
1.下地絶縁膜:
(1)緻密で、比較的バンドギャップエネルギが大きい、すなわち耐圧性能に優れた窒化ケイ素膜を、ショットキー接触の周囲に、当該ショットキー接触近くの厚みの小さい位置に配置する。この窒化ケイ素膜3は、ECRプラズマ成膜法という特別な成膜法と窒化ケイ素膜3との組み合わせにより、緻密で耐圧性能に優れた絶縁膜である。
(2)この窒化ケイ素膜3は、ショットキー接触の位置近くから上層絶縁膜5の拡大開口(底部)5hまで、厚みyを、これ以上望めないほど緩やかに増す。その厚みyが漸増する部分である傾斜部3tの径方向長さgは、実に、傾斜部以外の領域での窒化ケイ素膜の厚みdの2倍以上、さらには50倍以上に達する。すなわちg≧50d、を満たす。この傾斜部3tの領域において、電界は面積的にも集中を緩和されつつ、電界の強さ自体、距離もしくは厚みyの増大により、確実に低下する。
(3)ショットキー接触の位置近くで下層絶縁膜3が上記の形態をとる場合、電界の局所変動は小さい。オフ時の電界の強さEは、電位差V一定のとき、E=V/yであり、下層絶縁膜3の厚みyが薄いほど大きな電界が生じ、厚みの変動Δyに対して、電界強さの変動|ΔE|=|(V/y2)Δy|、となる。これは、下層絶縁膜3における厚みyの局所的な変化や凹凸が、局所的に大きなΔyを生じ、結果的に局所的に大きな電界強さの変動を生じることを意味する。本発明における窒化ケイ素膜3は、開口3hから上層絶縁膜5の拡大開口底部5hまで、厚みを漸増させ、しかも緻密であり、局所的な凹凸は生じにくい。この結果、局所的な電界強さの変動を抑えることができ、オフ時のリーク電流を画期的に抑えることが可能になる。
2.上層絶縁膜5:
ウエットエッチングにおいて、下層の窒化シリコン膜3に上記のような形態をとらせることができる酸化ケイ素膜5を、上層絶縁膜5に用いている。酸化ケイ素膜および窒化ケイ素膜が、ともにECRプラズマ成膜法で成膜された場合でも、酸化ケイ素膜は、窒化ケイ素膜よりもエッチングレートが大きく、図5(a),(b)に示す形態の窒化ケイ素膜を形成するのに大きな役割を果たす。さらに酸化ケイ素膜5は、バンドギャップエネルギも大きく耐圧性能の向上に寄与することができる。
図1(a)に示す本発明例のショットキーバリアダイオードを試作して、オフ時のリーク電流を測定した。本発明例の試験体は、図1に示すものであるが、製造方法はつぎのとおりとした。自立GaN基板1を用い、そのGaN基板1にSiドープn型GaN層2を厚み7.5μmにエピタキシャル成長した。Siドープは、2.5E16cm−3とした。次いで、ECRプラズマ成長法によって、下層絶縁膜である窒化ケイ素膜3を厚み30nmに形成した後、上層絶縁膜の酸化ケイ素膜5を、酸素ECRプラズマを用いて厚み270nmに形成した。このあと、オーミック電極12を、GaN基板1の裏面にEB(Electron Beam)蒸着法で、(Ti/Al/Ti/Au)をそれぞれの厚み(20nm/100nm/20nm/200nm)に形成し、窒素雰囲気で約2分間600℃加熱を行った。次いで、レジストパターンを形成し、バッファードフッ酸をエッチャントに用いて開口を設けた。次いで、電子ビーム蒸着によって、Ni(80nm)/Au(300nm)による、ショットキー電極7aを含むフィールドプレート電極7を蒸着し、ランプアニール炉により450℃×2分間の熱処理を行った。さらに外部配線を接続するためのパッドをEB蒸着で形成した。このあと、ショットキーバリアダイオードが複数形成されたGaN基板であるウエハを、個々のショットキーバリアに個片化(チップ化)し、個々のチップをショットキーバリアダイオードに実装した。
比較のために、図6に示す酸化シリコン膜103を一層、開口端から厚みを漸増させる形態で配置したショットキーバリアダイオード110を作製した。試験体は同じものを4体、作製した。オーミック電極112/GaN基板101/GaNエピタキシャル層102/酸化ケイ素絶縁膜103/フィールドプレート電極107、の積層構造を有し、絶縁膜が一層であり、酸化ケイ素膜である点で、本発明例と相違する。
本発明例および比較例のショットキーバリアダイオードのオフ時のリーク電流を、図7および図8に示す。横軸の「電圧」の表示は、逆方向の電圧である。
本発明例における、下層絶縁膜の傾斜部の幅/非傾斜部の厚み、の平均値は約50であった。また、傾斜部の傾斜角の平均値は、1.2°であった。
(1)逆方向電圧数ボルトでの対比:
本発明例では4体とも、1E−8Acm−2の付近である。これに対して、比較例では、1E−7Acm−2の付近であり、本発明例よりも1オーダー大きい。
(2)逆方向電圧50ボルトでの対比:
本発明例では4体とも、5E−8Acm−2以下である。これに対して、比較例では、1E−4Acm−2の付近であり、本発明例のよりも2千倍程度大きい。
(3)逆方向電圧100ボルトでの対比:
本発明例では4体とも、1E−7Acm−2以下である。これに対して、比較例では、2〜3E−3Acm−2の付近であり、本発明例のよりも2〜3万倍程度大きい。
上記のとおり、本発明例のショットキーバリアダイオードは、比較例に対して、オフ時のリーク電流を大きく減らすことができる。
比較のために、図6に示す酸化シリコン膜103を一層、開口端から厚みを漸増させる形態で配置したショットキーバリアダイオード110を作製した。試験体は同じものを4体、作製した。オーミック電極112/GaN基板101/GaNエピタキシャル層102/酸化ケイ素絶縁膜103/フィールドプレート電極107、の積層構造を有し、絶縁膜が一層であり、酸化ケイ素膜である点で、本発明例と相違する。
本発明例および比較例のショットキーバリアダイオードのオフ時のリーク電流を、図7および図8に示す。横軸の「電圧」の表示は、逆方向の電圧である。
本発明例における、下層絶縁膜の傾斜部の幅/非傾斜部の厚み、の平均値は約50であった。また、傾斜部の傾斜角の平均値は、1.2°であった。
(1)逆方向電圧数ボルトでの対比:
本発明例では4体とも、1E−8Acm−2の付近である。これに対して、比較例では、1E−7Acm−2の付近であり、本発明例よりも1オーダー大きい。
(2)逆方向電圧50ボルトでの対比:
本発明例では4体とも、5E−8Acm−2以下である。これに対して、比較例では、1E−4Acm−2の付近であり、本発明例のよりも2千倍程度大きい。
(3)逆方向電圧100ボルトでの対比:
本発明例では4体とも、1E−7Acm−2以下である。これに対して、比較例では、2〜3E−3Acm−2の付近であり、本発明例のよりも2〜3万倍程度大きい。
上記のとおり、本発明例のショットキーバリアダイオードは、比較例に対して、オフ時のリーク電流を大きく減らすことができる。
上記開示された本発明の実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明によれば、特別な、成膜法と化合物(窒化ケイ素)との組み合わせにより、緻密で耐圧性能が高い下層絶縁膜を、さらに形態的にショットキー接触の周囲においてこれ以上望めないほど緩やかに厚みを漸増させる。このような形態と、耐圧性に優れたECRプラズマ法による窒化ケイ素膜の膜質とが、協働して、ショットキーバリアダイオードのオフ時のリーク電流を確実に小さくすることができる。
1 GaN基板、2 GaN層、3 下層絶縁膜(窒化ケイ素膜)、3h 開口、3t 傾斜部、5 上層絶縁膜(酸化ケイ素膜)、5h 拡大開口、5t 傾斜壁面、7 フィールドプレート電極、7a ショットキー電極、7b フィールドプレート、10 ショットキーバリアダイオード、12 オーミック電極(裏面電極)、19 エッチャント(バッファードフッ酸)、d 下層絶縁膜の傾斜部以外での厚み、g 傾斜部の径方向長さ(幅)、H 開口(ショットキー接触開口)、R1 レジストパターン。
Claims (11)
- III−V族系半導体と金属電極とのショットキー接触を含むショットキーバリアダイオードであって、
前記半導体の表面に接し、前記半導体が露出するように開口があけられた下層絶縁膜と、
前記下層絶縁膜に接し、前記半導体および前記下層絶縁膜の開口の周縁部が露出するように、拡大開口があけられた上層絶縁膜と、
前記下層絶縁膜の開口から露出する半導体と、前記下層絶縁膜および前記上層絶縁膜とに接して位置する、前記金属電極を含むフィールドプレート電極とを備え、
前記下層絶縁膜は、前記拡大開口において前記上層絶縁膜側から前記開口の端に向かって厚みが薄くなるように傾斜していることを特徴とする、ショットキーバリアダイオード。 - 前記下層絶縁膜の傾斜の角度が、30°以下であることを特徴とする、請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記下層絶縁膜の、前記拡大開口から露出する傾斜している部分(傾斜部)の長さもしくは幅と、前記上層絶縁膜に覆われている非傾斜部の厚みと、の比が、2倍以上であることを特徴とする、請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記下層絶縁膜の前記上層絶縁膜に覆われている非傾斜部の厚みが100nm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記上層絶縁膜の前記拡大開口端の壁面が、前記下層絶縁膜に終端する底部において、80°以下の傾斜の角度を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記上層絶縁膜の非傾斜部の厚みが1μm以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記下層絶縁膜は、前記上層絶縁膜に比べて高い応力を生じ、前記下層絶縁膜の厚みが、前記上層絶縁膜の厚みの1/5以下とすることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記下層絶縁膜が、窒化ケイ素であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記上層絶縁膜が、酸化物からなる絶縁膜であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のショットキーバリアダイオード。
- III−V族系半導体に設けられるショットキーバリアダイオードの製造方法であって、
表層をIII−V族系半導体層とする半導体基部を準備する工程と、
前記III−V族系半導体層の表面に、所定の成膜法によって、下層絶縁膜を厚み100nm以下に形成する工程と、
前記下層絶縁膜に接して上層絶縁膜を厚み1000nm以下に形成する工程と、
前記上層絶縁膜上に、前記III−V族系半導体層を露出する開口をあけるためのレジストパターンを設ける工程と、
前記レジストパターンが設けられた積層体中間品に対し、前記III−V族系半導体層を露出させるように、前記上層絶縁膜および下層絶縁膜に開口をあける、ウエットエッチング工程とを備え、
前記ウエットエッチング工程において、前記上層絶縁膜に対して前記露出するIII−V族系半導体の開口の直径より大きくした拡大開口を形成し、該拡大開口から露出する前記下層絶縁膜の厚みを前記上層絶縁膜の拡大開口端から前記開口に向かって薄くして、傾斜を付けることを特徴とする、ショットキーバリアダイオードの製造方法。 - 前記下層絶縁膜の形成工程において、窒素(N)のECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマ流を固体ケイ素(Si)ターゲットに照射して該固体ケイ素ターゲットからのスパッタを、前記窒素のECRプラズマ流とともに、前記III−V族系半導体層の表面に付着・反応させて下層絶縁膜である窒化ケイ素膜を形成することを特徴とする、請求項10に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
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- 2012-06-12 JP JP2012132922A patent/JP2013258251A/ja active Pending
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