JP2013256236A - ステアリングホイール及びステアリングホイールの製造方法 - Google Patents

ステアリングホイール及びステアリングホイールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被覆部と芯金の露出部を備えたステアリングホイールの製造時に、ステアリングホイールの外観を損なうのを防止する。
【解決手段】ステアリングホイール1は、段部13を有する芯金10と、被覆部20と、露出部6を備える。被覆部20は、芯金10に被覆した被覆材からなる。露出部6では、芯金10を被覆材で被覆せずに、芯金10が露出する。段部13は、露出部6に隣接する被覆部20の縁部23に沿って、かつ、被覆部20の縁部23側に位置する底面14から露出部6の表面6Aまで形成される。芯金10への被覆時に被覆部20の縁部23に生じる不要部25は、段部13の底面14側で切り取られて被覆部20から除去される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両の操縦に使用されるステアリングホイールと、ステアリングホイールの製造方法に関する。
運転席の前方に配置される車両用のステアリングホイールに関しては、その機能に加えて、外観も重要視されている。ステアリングホイールの表面は、一般に、芯金を覆う外側部材からなり、芯金は、ステアリングホイールの内部に設けられる。このステアリングホイールを被覆材(例えば、樹脂材)の被覆により製造するときには、被覆材を芯金に被覆しつつ成形して、芯金を被覆材からなる被覆部により覆う。これに対し、従来、スポークの芯金の一部を露出することで、軽快な外観を維持したステアリングホイールが知られている(特許文献1参照)。
この芯金の露出部を備えたステアリングホイールを被覆材の被覆により製造するときには、被覆材を芯金の一部に被覆することで、被覆部と露出部がステアリングホイールに設けられる。その際、被覆材からなる不要部(バリ等)が、露出部に隣接する被覆部の縁部に生じることがある。
図11は、従来のステアリングホイール100の製造手順を示す断面図であり、被覆部101と露出部102の境界付近を示している。また、図11Aは被覆材を被覆する際の芯金103を示す図、図11Bは被覆材を被覆した芯金103を示す図、図11Cは図11BのX部を拡大した図である。
ステアリングホイール100の製造時には、芯金103(図11A参照)を一対の金型110、111の間に配置して、金型110、111を組み合わせる。その際、芯金103の露出部102を金型110、111の間に挟み込み、被覆材を充填する空間112を金型110、111と芯金103の一部(被覆部101を形成する部分)の間に形成する。
続いて、被覆材を空間112に充填し、空間112内で、被覆材を芯金103に被覆しつつ成形する。これにより、被覆材からなる被覆部101(図11B参照)が、ステアリングホイール100に形成される。その後、金型110、111を離して、ステアリングホイール100を金型110、111から取り出す。ただし、被覆材の被覆時には、被覆材が、金型110、111と露出部102の間に入り込み、不要部(ここでは、バリ)104(図11C参照)が、被覆部101の縁部に生じることがある。
この不要部104は、ステアリングホイール100の外観を維持するために、カッター等により、被覆部101の縁部から切り取り除去する必要がある。ところが、不要部104の切り取りに伴い、露出部102が傷付いて、ステアリングホイール100の外観が損なわれる虞がある。また、不要部104は、被覆部101の縁部から逸れないように縁部に沿って切り取り、縁部から確実に除去する必要がある。そのため、不要部104の除去には面倒な作業を要し、作業の手間と時間が増加する。
特開平10−119791号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、被覆部と芯金の露出部を備えたステアリングホイールの製造時に、露出部に隣接する被覆部の縁部に生じる不要部を簡易に除去するとともに、ステアリングホイールの外観を損なうのを防止することである。
本発明は、芯金と、芯金に被覆した被覆材からなる被覆部と、被覆材で被覆せずに芯金が露出する露出部を備えたステアリングホイールであって、芯金が、露出部に隣接する被覆部の縁部に沿って、かつ、被覆部の縁部側に位置する底面から露出部の表面まで形成された段部を有し、芯金への被覆時に被覆部の縁部に生じる不要部が、段部の底面側で切り取られて被覆部から除去されるステアリングホイールである。
また、本発明は、芯金と、芯金に被覆した被覆材からなる被覆部と、被覆材で被覆せずに芯金が露出する露出部を備えたステアリングホイールの製造方法であって、露出部を露出しつつ芯金に被覆材を被覆し、露出部に隣接する被覆部の縁部を、芯金に設けられた段部に沿って段部の底面側に形成する被覆工程と、被覆部の縁部に生じる不要部を、段部の底面側で切り取り被覆部から除去する除去工程と、を有するステアリングホイールの製造方法である。
本発明によれば、被覆部と芯金の露出部を備えたステアリングホイールの製造時に、露出部に隣接する被覆部の縁部に生じる不要部を簡易に除去することができる。また、ステアリングホイールの外観を損なうのを防止することができる。
第1実施形態のステアリングホイールの斜視図である。 図1に示すステアリングホイールの内部構造を示す斜視図である。 ステアリングホイールのスポーク部を拡大して示す図である。 第1実施形態の被覆部の形成手順を示す断面図である。 不要部を除去したスポーク被覆部を示す断面図である。 第2実施形態のステアリングホイールの正面図である。 第3実施形態のステアリングホイールの製造手順を示す断面図である。 不要部を除去したスポーク被覆部を示す断面図である。 第4実施形態のステアリングホイールの製造手順を示す断面図である。 不要部を除去したスポーク被覆部を示す断面図である。 従来のステアリングホイールの製造手順を示す断面図である。
本発明のステアリングホイールとステアリングホイールの製造方法について、その一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態のステアリングホイールは、車両用の操縦部材であり、運転席の前方に配置されて、車両の操縦に使用される。また、このステアリングホイールは、従来のステアリングホイールと同様に、被覆材の被覆により製造される。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のステアリングホイール1の斜視図であり、ステアリングホイール1を車両の乗員側からみて示している。図2は、図1に示すステアリングホイール1の内部構造を示す斜視図である。
ステアリングホイール1は、図示のように、金属製のボス部2と、中央部に設けられたカバー3と、環状のリム部4と、3つのスポーク部5を備えている。また、ステアリングホイール1は、芯金10と、芯金10の一部に設けられた被覆部20と、芯金10の一部からなる露出部6を備えている。
ボス部2は、リム部4の内側に配置され、ステアリングシャフト(図示せず)に連結される。カバー3は、樹脂により椀状に形成され、ボス部2を覆うようにステアリングホイール1に取り付けられる。リム部4は、ステアリングホイール1の操作時に乗員に握られるグリップであり、ボス部2を囲む。スポーク部5は、ボス部2とリム部4の間に設けられて、ボス部2とリム部4に固定される。ボス部2とリム部4は、放射状に配置された3つのスポーク部5により連結される。
芯金10は、ステアリングホイール1の金属製の骨格部材であり、環状のリム芯金11と3つの板状のスポーク芯金12を有する。リム芯金11は、リム部4に設けられてボス部2を囲む。スポーク芯金12は、スポーク部5に設けられてボス部2とリム芯金11を連結する。芯金11は、金属(例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金)の鋳造により一体に形成され、或いは、リム芯金11とスポーク芯金12の接合により形成される。
被覆部20は、芯金10に被覆した被覆材からなり、環状のリム被覆部21と3つのスポーク被覆部22を有する。リム被覆部21は、リム芯金11に被覆したリム部4の被覆材からなる。スポーク被覆部22は、スポーク芯金12に被覆したスポーク部5の被覆材からなる。ここでは、被覆材は、成形可能な樹脂材であり、芯金10の表面の一部に被覆されつつ所定形状に成形される。リム被覆部21とスポーク被覆部22は、金型により一体に成形され、リム芯金11とスポーク芯金12を包み込む。
露出部6では、芯金10の一部を被覆材で被覆せずに、芯金10の一部が露出する。露出部6は、ステアリングホイール1の乗員からみえる部分に設けられ、ステアリングホイール1の表面に意匠として露出する。ここでは、3つのスポーク芯金12の一部を被覆材で被覆せずに、スポーク芯金12の一部を露出する。また、スポーク被覆部22がスポーク芯金12のリム芯金11側の部分に形成され、スポーク芯金12のボス部2側の部分が露出する。その結果、スポーク部5の表面は、リム部4側のスポーク被覆部22とボス部2側の露出部6からなる。
露出部6は、スポーク芯金12の一部からなり、スポーク被覆部22とカバー3の間に設けられる。芯金10(スポーク芯金12)は、このスポーク被覆部22と露出部6の間に段部13を有する。各スポーク部5の段部13は、スポーク被覆部22と露出部6の境界に沿って、かつ、境界の近傍に形成されている。
図3は、ステアリングホイール1のスポーク部5を拡大して示す図である。図3Aはスポーク部5の正面図、図3Bはスポーク部5を図3AのY方向からみて模式的に示す側面図である。
段部13は、図示のように、露出部6に隣接する被覆部20(スポーク被覆部22)の縁部23に沿って形成され、縁部23の全体の近傍に配置される。また、段部13は、スポーク被覆部22の外部に位置するように、縁部23から所定の間隔をあけて形成されており、段部13とスポーク被覆部22の間には、凹部(溝)7が形成されている。
凹部7の底は、スポーク芯金12に形成された底面14であり、スポーク被覆部22の縁部23に沿って配置される。段部13は、その縁部23側に位置する底面14から露出部6の表面6Aまで形成された1つの段からなり、底面14から突出するように形成されている。スポーク被覆部22の縁部23は、凹部7に位置し、段部13の底面14に接する。或いは、縁部23は、凹部7で、底面14に対向するように配置される。
上記したように、被覆材の芯金10への被覆時に不要部がスポーク被覆部22の縁部23に生じたときには、不要部を、段部13の露出部6側で切り取らずに、段部13の底面14側で切り取る。即ち、不要部は、露出部6の表面6Aで切り取らずに、段部13よりも底面14(縁部23)側の位置で段部13に沿って切り取る。これにより、不要部が段部13に近接する位置で切り取られて縁部23から除去され、段部13が露出する。同時に、凹部7が、スポーク被覆部22と露出部6の間において、段部13に沿って形成される。ここでは、後述するように、段部13は、スポーク被覆部22と露出部6の境界に形成された溝部30の一部からなる(図2参照)。
次に、ステアリングホイール1の製造手順について説明する。
まず、芯金10を作製し、表面処理(塗装、メッキ等)を芯金10に施す。続いて、金型を用いた射出成形により、被覆部20を芯金10に形成する。
図4は、第1実施形態の被覆部20の形成手順を示す断面図であり、被覆部22と露出部6の境界付近を示している。また、図4Aは被覆材を被覆する際の芯金10を示す図、図4Bは被覆材を被覆した芯金10を示す図、図4Cは図4BのX部を拡大した図である。
芯金10は、図示のように、スポーク芯金12に設けられた溝部30を有する。溝部30は、スポーク被覆部22の縁部23に沿って、かつ、スポーク被覆部22(縁部23)内の位置からスポーク被覆部22外の位置まで形成されている。スポーク被覆部22内の位置は、スポーク被覆部22により覆われる位置であり、スポーク被覆部22外の位置は、スポーク被覆部22により覆われない露出部6側の位置である。溝部30は、スポーク被覆部22の縁部23の内外に位置するように、縁部23が形成される位置に設けられる。また、溝部30(図4C参照)は、底部31及び一対の壁部32、33を有し、一対の壁部32、33は、底部31を挟んで対向する。芯金10の段部13は、溝部30の露出部6側の壁部32を含む段からなり、溝部30の一部を含む芯金10の段状の部分が、段部13になっている。また、芯金10の段部13に設けられた底面14は、溝部30の底部31からなる。
被覆材を被覆する前に、射出成形機(図示せず)が備える一対の金型40、41を離して、芯金10を金型40、41の間に配置する(図4A参照)。続いて、金型40、41を組み合わせて芯金10に密着し、芯金10の露出部6を金型40、41の間に挟み込む。同時に、被覆材を充填する空間42を、金型40、41と芯金10の一部(被覆部20を形成する部分)の間に形成する。金型40、41は、溝部30の露出部6側の一部を覆うように、露出部6から芯金10の溝部30が形成された部分まで配置する。
その状態で、射出成形機により、軟化した被覆材を空間42に射出して空間42に充填し、被覆材を空間42内で成形する。これにより、露出部6を露出しつつ芯金10に被覆材を被覆し、被覆材を硬化させる。その後、金型40、41を離して、芯金10を金型40、41から取り出す(図4B参照)。
被覆材の被覆により、被覆材からなる被覆部20が芯金10に形成される。その際、被覆材をリム芯金11の全体に被覆して、リム被覆部21をリム芯金11の全体に形成する。同時に、被覆材をスポーク芯金12の一部に被覆して、スポーク被覆部22をスポーク芯金12の一部に形成する。スポーク部5には、スポーク被覆部22と露出部6が設けられる。芯金10に設けられた段部13(図4C参照)では、被覆材の被覆により、スポーク被覆部22の縁部23を、段部13に沿って段部13の底面14側に形成する。ここでは、縁部23を、芯金10の溝部30が形成された部分(区域)内で溝部30に沿って形成しており、縁部23は、段部13の近傍、かつ、溝部30の区域内に形成される。
また、被覆材の芯金10への被覆時には、被覆材が溝部30内に入って溝部30を埋める、或いは、被覆材が溝部30を埋めて溝部30から溢れる。この被覆材が金型40、41と露出部6の間に入り込むと、バリ24が縁部23に生じる。このように、被覆部20(スポーク被覆部22)の縁部23には、被覆材からなる余分な部分(不要部25)が生じる。不要部25は、スポーク被覆部22に不要な部分であり、縁部23の余分部(バリ24、縁部23からはみ出した溝部30内の被覆材等)からなる。即ち、不要部25は、被覆材の被覆時に、余剰な被覆材により縁部23に形成される余剰部である。
スポーク被覆部22の縁部23に生じる不要部25は、切断手段(カッター、ナイフ等)(図示せず)により切断されて縁部23から切り取られる。切断時には、切断手段により露出部6の表面6Aが傷付かないように、不要部25を、段部13の底面14側で切り取り、スポーク被覆部22の縁部23から除去する。ここでは、スポーク被覆部22の不要部25を、芯金10の溝部30に向かって切断し、溝部30内で溝部30に沿って切り取る。これにより、不要部25をスポーク被覆部22から除去し、スポーク被覆部22の縁部23を所定形状に形成する。
図5は、不要部25を除去したスポーク被覆部22を示す断面図であり、スポーク被覆部22の縁部23を図4Cに対応する図により示している。
不要部25の除去時には、図5Aに示すように、不要部25を、溝部30の底部31に向かって切断して、底部31で切り取る。不要部25は、底部31で、溝部30の長手方向に沿って切り取られて、スポーク被覆部22及び芯金10から除去される。これに対し、図5Bに示すように、不要部25を、溝部30の露出部6側の壁部32に対向するスポーク被覆部22側の壁部33に向かって切断して、壁部33で切り取るようにしてもよい。不要部25は、壁部33で、溝部30の長手方向に沿って切り取られて、スポーク被覆部22及び芯金10から除去される。不要部25の切り取りにより、不要部25が、溝部30(ここでは、壁部32側の溝部30の一部)と段部13から除去されて、溝部30の一部と段部13が露出する。また、露出部6の表面6Aの縁部が露出するとともに、凹部7が段部13に沿って形成される。
その後(図1、図2参照)、ボス部2を芯金10に固定し、カバー3等を芯金10とボス部2に取り付ける。また、必要に応じて、エアバッグ装置がステアリングホイール1に搭載される。これにより、芯金10と、被覆部20と、露出部6を備えたステアリングホイール1の製造が完了する。
以上説明したように、不要部25がスポーク被覆部22の縁部23に生じたときには、不要部25を段部13の底面14側(ここでは、溝部30内)で切り取る。そのため、不要部25の切り取りに伴い露出部6が傷付くのを防止することができる。また、切り取りの傷は、底面14又は溝部30に付くため、乗員から見え難く、目立つことはない。従って、ステアリングホイール1の外観を損なうのを防止でき、良好な外観を維持することができる。不要部25を溝部30の壁部33で切り取るときには、傷は、目立たない壁部33に付き、スポーク被覆部22により隠れる位置に形成される。その結果、ステアリングホイール1の外観が損なわれるのを、より確実に防止できる。
不要部25の切り取り時には、段部13又は溝部30がガイドとなるため、不要部25を容易かつ正確に切り取ることができる。また、露出部6から外れた位置で、不要部25を円滑に切り取ることができる。従って、不要部25を簡易に除去することができ、作業の手間と時間を削減することができる。
なお、段部13と溝部30は、スポーク被覆部22の縁部23の全体に沿って形成してもよく、縁部23の一部に沿って形成してもよい。段部13と溝部30を縁部23の一部に沿って形成する場合には、段部13と溝部30を、少なくとも芯金10の乗員側の部分に形成する。これにより、段部13と溝部30が少なくなるため、ステアリングホイール1の外観を維持しつつ、芯金10の強度を高くできる。段部13と溝部30を芯金10の乗員側の部分のみに形成することで、芯金10の強度をより高くすることができる。
溝部30の壁部32、33(図4C参照)は、底部31を基準にして、同じ高さに形成してもよく、異なる高さに形成してもよい。壁部32、33を異なる高さに形成するときには、露出部6側の壁部32を高くしてもよく、スポーク被覆部22側の壁部33を高くしてもよい。ここでは、スポーク被覆部22の表面22A(図4B参照)を、露出部6の表面6Aよりも、底部31から離れた位置に形成する。これに対し、スポーク被覆部22の厚さを変更することで、スポーク被覆部22の表面22Aを、底部31(露出部6の表面6A)に接近させてもよい。スポーク被覆部22側の壁部33を露出部6側の壁部32よりも低くして、スポーク被覆部22の表面22Aを、露出部6の表面6Aに相当する位置に形成してもよい。また、露出部6側の壁部32の高さを変更することで、表面6A、22Aの位置関係を変更してもよい。
次に、ステアリングホイール1に関して、第1実施形態と一部が異なる他の実施形態について説明する。以下説明する第2〜第4実施形態は、基本的には、第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の効果を発揮する。そのため、以下では、既に説明した事項とは異なる事項を説明し、既に説明した事項と同じ事項の説明は省略する。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態のステアリングホイール1の正面図であり、スポーク部5とリム部4の一部を示している。
このステアリングホイール1では、図示のように、露出部6の表面6Aがヘアライン加工面6Bになっている。ヘアライン加工は、並列する多数の微細な線(ヘアライン)を形成するための加工であり、露出部6の表面6Aに施されている。ヘアライン加工面6Bのヘアラインは、芯金10の段部13(溝部30、スポーク被覆部22の縁部23)に沿う方向の線からなり、段部13に並列して表面6Aの全体に形成されている。ステアリングホイール1の製造時には、被覆材の被覆前に、段部13に沿う方向のヘアライン加工を露出部6の表面6Aに施す。これにより、不要部25の切り取りに伴う傷を、より目立たなくすることができる。
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態のステアリングホイール1の製造手順を示す断面図である。図7A〜図7Cは、それぞれ図4A〜図4Cに対応する図である。
この金型40、41(図7A参照)は、溝部30に沿って形成された凸部(凸条)40A、41Aを有する。芯金10を金型40、41内に収容したときに、凸部40A、41Aは、溝部30に挿入される。溝部30の露出部6側の一部は、凸部40A、41Aにより埋められる。スポーク被覆部22の縁部23(図7B、図7C参照)において、被覆材が溝部30の一部に入り、バリ24を含む不要部25が溝部30内に生じる。
図8は、不要部25を除去したスポーク被覆部22を示す断面図であり、スポーク被覆部22の縁部23を図7Cに対応する図により示している。
不要部25は、図示のように、芯金10の溝部30内で切り取られてスポーク被覆部22から除去される。その際、不要部25は、溝部30の底部31(図8A参照)で、又は、溝部30のスポーク被覆部22側の壁部33(図8B参照)で切り取られる。
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態のステアリングホイール1の製造手順を示す断面図である。図9A〜図9Cは、それぞれ図4A〜図4Cに対応する図である。
このステアリングホイール1では、図示のように、芯金10の段部13が、第1実施形態(図4参照)と相違する。芯金10は、溝部30を有さず、芯金10の底面14は、スポーク芯金12の被覆材が被覆される部分の全体に形成されている。段部13は、底面14と露出部6の表面6Aとの間の1つの段からなる。不要部25は、第1実施形態と同様に、スポーク被覆部22の縁部23に生じる。
図10は、不要部25を除去したスポーク被覆部22を示す断面図であり、スポーク被覆部22の縁部23を図9Cに対応する図により示している。
不要部25は、図示のように、段部13の底面14側で切り取られてスポーク被覆部22から除去される。その際、不要部25は、底面14に向かって切断されて、底面14で切り取られる。また、不要部25は、縁部23の表面に合わせて(図10A参照)、又は、縁部23の内側に向かって(図10B参照)、切り取られる。
以上、露出部6をスポーク部5に設ける例を説明したが、露出部6は、ステアリングホイール1のスポーク部5以外の部分に設けるようにしてもよい。例えば、露出部6をリム部4に設ける場合には、被覆材をリム芯金11の一部に被覆して、リム被覆部21をリム芯金11の一部に形成する。また、リム芯金11の他の部分を被覆材で被覆せずに、リム芯金11が露出する露出部6をリム部4に設ける。不要部25が、露出部6に隣接するリム被覆部21の縁部23に生じたときには、不要部25を、上記と同様に、リム被覆部21から切り取り除去する。このように、被覆部20と芯金10の露出部6をステアリングホイール1に設けて、被覆部20の縁部23に生じる不要部25を被覆部20から除去する。
1・・・ステアリングホイール、2・・・ボス部、3・・・カバー、4・・・リム部、5・・・スポーク部、6・・・露出部、6A・・・表面、6B・・・ヘアライン加工面、7・・・凹部、10・・・芯金、11・・・リム芯金、12・・・スポーク芯金、13・・・段部、14・・・底面、20・・・被覆部、21・・・リム被覆部、22・・・スポーク被覆部、23・・・縁部、24・・・バリ、25・・・不要部、30・・・溝部、31・・・底部、32・・・壁部、33・・・壁部、40・・・金型、40A・・・凸部、41・・・金型、41A・・・凸部、42・・・空間。

Claims (10)

  1. 芯金と、芯金に被覆した被覆材からなる被覆部と、被覆材で被覆せずに芯金が露出する露出部を備えたステアリングホイールであって、
    芯金が、露出部に隣接する被覆部の縁部に沿って、かつ、被覆部の縁部側に位置する底面から露出部の表面まで形成された段部を有し、
    芯金への被覆時に被覆部の縁部に生じる不要部が、段部の底面側で切り取られて被覆部から除去されるステアリングホイール。
  2. 請求項1に記載されたステアリングホイールにおいて、
    芯金が、被覆部の縁部に沿って、かつ、被覆部内の位置から被覆部外の位置まで形成された溝部を有し、
    芯金の底面が、溝部の底部からなり、
    芯金の段部が、溝部の露出部側の壁部を含む段からなるステアリングホイール。
  3. 請求項2に記載されたステアリングホイールにおいて、
    被覆部の不要部が、芯金の溝部内で切り取られて被覆部から除去されるステアリングホイール。
  4. 請求項3に記載されたステアリングホイールにおいて、
    被覆部の不要部が、溝部の底部で、又は、溝部の露出部側の壁部に対向する被覆部側の壁部で切り取られるステアリングホイール。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載されたステアリングホイールにおいて、
    段部に沿う方向のヘアライン加工が、露出部の表面に施されたステアリングホイール。
  6. 芯金と、芯金に被覆した被覆材からなる被覆部と、被覆材で被覆せずに芯金が露出する露出部を備えたステアリングホイールの製造方法であって、
    露出部を露出しつつ芯金に被覆材を被覆し、露出部に隣接する被覆部の縁部を、芯金に設けられた段部に沿って段部の底面側に形成する被覆工程と、
    被覆部の縁部に生じる不要部を、段部の底面側で切り取り被覆部から除去する除去工程と、
    を有するステアリングホイールの製造方法。
  7. 請求項6に記載されたステアリングホイールの製造方法において、
    芯金の底面が、被覆部の縁部に沿って芯金に形成された溝部の底部からなり、
    芯金の段部が、溝部の露出部側の壁部を含む段からなるステアリングホイールの製造方法。
  8. 請求項7に記載されたステアリングホイールの製造方法において、
    被覆工程が、被覆部の縁部を、芯金の溝部が形成された部分内で溝部に沿って形成する工程を有し、
    除去工程が、被覆部の不要部を芯金の溝部内で切り取り被覆部から除去する工程を有するステアリングホイールの製造方法。
  9. 請求項8に記載されたステアリングホイールの製造方法において、
    除去工程が、被覆部の不要部を、溝部の底部で、又は、溝部の露出部側の壁部に対向する被覆部側の壁部で切り取る工程を有するステアリングホイールの製造方法。
  10. 請求項6ないし9のいずれかに記載されたステアリングホイールの製造方法において、
    段部に沿う方向のヘアライン加工を露出部の表面に施す工程を有するステアリングホイールの製造方法。
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