JP2013255484A - 食用油脂 - Google Patents

食用油脂 Download PDF

Info

Publication number
JP2013255484A
JP2013255484A JP2012274084A JP2012274084A JP2013255484A JP 2013255484 A JP2013255484 A JP 2013255484A JP 2012274084 A JP2012274084 A JP 2012274084A JP 2012274084 A JP2012274084 A JP 2012274084A JP 2013255484 A JP2013255484 A JP 2013255484A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
fat
oils
fats
edible
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012274084A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6125819B2 (ja
Inventor
Hidetaka Uehara
秀隆 上原
Yoshiyuki Shono
喜之 將野
Masako Shimada
雅子 島田
Yuto Nakazawa
祐人 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Oillio Group Ltd
Original Assignee
Nisshin Oillio Group Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Oillio Group Ltd filed Critical Nisshin Oillio Group Ltd
Priority to JP2012274084A priority Critical patent/JP6125819B2/ja
Publication of JP2013255484A publication Critical patent/JP2013255484A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6125819B2 publication Critical patent/JP6125819B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

【課題】あっさりとした中にも程よい風味・コク味があり、加熱調理に適した食用油脂を提供する。
【解決手段】油脂Aを0.1〜50質量%、油脂Bを50〜99.9質量%含む食用油脂。油脂A:ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経た菜種油。油脂B:ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満である動植物油脂。前記油脂Aは脱臭処理の脱臭温度が200℃未満であることが好ましく、前記油脂Bはパーム系油脂を20質量%以上含むことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は食用油脂、特に加熱調理に適した食用油脂に関する。
食用油脂の主な用途は、揚げ物、炒め物等の加熱調理であり、加熱調理の際に生じる臭気の抑制が、家庭用業務用を問わず作業環境改善の面で求められて来た。また、消費者の嗜好としても、あっさりとした風味が好まれる傾向にあり、加熱調理に使用される食用油脂は、精製工程の改善により、より雑味が取り除かれたものとなっている。また、近年では、酸化安定性に強く加熱臭の少ない高オレイン酸系の植物油脂が市場に浸透している。
一方で一面においては、揚げ物等があっさりとした風味であるがために物足りなさを感じる消費者もあり、あっさりとした中にも程よい風味・コク味が求められているのも事実である。
風味調整された加熱調理に使用する食用油脂としては、例えば、ラード及び/又は融点20〜40℃の硬化油を添加した加熱調理用油脂(特許文献1)や、微量の酸化した長鎖高度不飽和脂肪酸を含有した植物油脂組成物(特許文献2)が提案されている。しかしながら、特許文献1の加熱調理油脂は、水素添加臭を特徴とするものであり、獣肉類のフライ物には比較的無難であるが、葉物や海産物の揚げ物には風味が合わないものであった。また、特許文献2の植物油脂組成物は、海産物の揚げ物には比較的無難であるが、獣肉類のフライ物には風味が合わないものであった。
従って、あっさりとした中にも程よい風味・コク味があり、加熱調理に適した食用油脂の開発が求められていた。
特開2009−5681号公報 WO2003/094633号公報
解決しようとする課題は、あっさりとした中にも程よい風味・コク味があり、加熱調理に適した食用油脂を開発することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、食用油脂を製造するために行う精製処理条件を調整し、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるように調製した菜種油と、食用油脂を製造するために行う精製処理条件を調整し、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満であるように調製した動植物油脂とを、特定量で含む食用油脂が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の態様の1つは、以下の油脂Aを0.1〜50質量%、油脂Bを50〜99.9質量%含む食用油脂である。
油脂A:ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経た菜種油
油脂B:ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満である動植物油脂
好ましい態様としては、前記油脂Aのロビボンド比色計におけるY+10R値が40以上である食用油脂であり、前記油脂Aの脱臭処理の脱臭温度が200℃未満である食用油脂であり、前記油脂Bがパーム系油脂を20質量%以上含む食用油脂である。
本発明のまた別の態様としては、上記の食用油脂を使用した食品であり、好ましい態様としては、スパイスを含む食品であり、加熱調理された食品である。
本発明のまた別の態様としては、前記油脂Aを0.1〜50質量%、前記油脂Bを50〜99.9質量%含むように混合する食用油脂の製造方法である。
本発明によれば、あっさりとした中にも程よい風味・コク味があり、加熱調理に適した食用油脂を提供することができる。また、本発明の食用油脂は、特にスパイスを含有する食品に使用することにより、スパイス立ちの良い香り豊かな食品を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の食用油脂は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経た菜種油(以下、油脂Aと表記することがある)を0.1〜50質量%含有する。ここで、ロビボンド比色計におけるY+10R値とは、1インチセル(25.4ミリセル)を使用して測定したY値と、同じく1インチセル(25.4ミリセル)を使用して測定したR値とから、Y値にR値の10倍の数を加えることによって導き出される値である。ロビボンド比色計におけるY値及びR値の測定は、日本油化学協会、基準油脂分析法2.2.1.1−1996のロビボンド法に準拠して行うことができる。色度が濃い(ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である)菜種油を使用することで、食用油脂に良好な風味・コク味を付与することができる。
本発明の食用油脂に使用する油脂Aは、菜種種子より圧搾乃至圧搾抽出により得られるものであるが、少なくとも脱臭処理を経たものである。菜種種子は焙煎処理されたものでも良いが、未焙煎油である方がよりマイルドな風味であり、広く一般に受け入れられ易くなるので好ましい。脱臭処理は、揮発性物質等を除去することができれば、その脱臭方法は特に限定されないが、例えば、油脂の精製に通常用いられる減圧水蒸気蒸留にて脱臭することが好ましい。
減圧水蒸気蒸留の条件は、脱臭処理する油脂の臭気の強さにより適宜変更されるが、通常の食用油脂の精製における脱臭温度(200〜270℃)より低い温度、すなわち、脱臭温度が200℃以上とはならない(200℃未満である)ことが好ましい。例えば、20トール未満の減圧下(好ましくは2〜10トールの減圧下)、脱臭温度180℃以下で行うことが好ましく、100〜170℃で行うことがより好ましく、120〜160℃で行うことが更に好ましい。脱臭時間は、10〜120分間であることが好ましく、20〜90分間であることがより好ましい。上記脱臭条件で脱臭処理することにより、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である、雑味・エグ味が取れ、適度なコク味・香味が残った菜種油が得られるので好ましい。
本発明の食用油脂に使用する油脂Aの態様の1つとしては、菜種種子より圧搾乃至圧搾抽出された菜種油を、脱ガム、脱臭処理した菜種油であることが好ましい。脱ガム処理としては、例えば、温度70〜80℃、水添加量約3質量%(対圧搾油乃至圧搾抽出油)の条件下、必要に応じてクエン酸もしくはリン酸を添加して、遠心分離機で遠心分離することでリン脂質の除去がなされる。必要に応じて水洗い、乾燥後、再度ろ過する等方法が挙げられるが、これに限定するものではない。
通常食用油脂の製造で行われる、脱酸、脱色処理は特に必須ではないが、脱酸、脱色処理を行うことで、脱臭後の菜種油の品質はより安定したものとなる。
脱酸処理においては、例えば、80〜90℃程度に加温した脱ガム処理油に、油脂中の遊離脂肪酸に対して中和当量で5〜40質量%過剰のアルカリ水溶液を添加攪拌し、遠心分離により、沈殿物を除去することにより、油脂中に含まれる遊離した脂肪酸を除去することができる。脱酸処理で使用するアルカリ水溶液は、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等公知の種々のアルカリ水溶液を使用することができる。
脱酸処理に付随する後工程として、必要に応じて油脂中に含まれる石鹸(アルカリ成分)を除去するために水洗を行う(水洗工程)。水洗工程は、アルカリ成分を除去することができれば水洗でなくてもよく、例えば、湯を使用してアルカリ成分を除去してもよい。なお、水洗工程後必要に応じて、脱酸水洗された油脂を乾燥させてもよい。
脱色処理は、油脂に吸着剤を添加することにより行う。油脂に添加する吸着剤は、適宜変更することができるが、例えば、モンモリロナイトを主成分とする白色から黄褐色の粘土鉱物である白土を酸処理した活性白土、活性炭等公知の種々の吸着剤を使用することができる。これらは単独で使用してもよいが、複数組み合わせて使用してもよい。
吸着剤の添加量は、油脂中に含まれる着色成分量によって適宜変化させることができるが、例えば、活性白土の場合、油脂に対して0.05〜0.5質量%であることが好ましく、0.1〜0.4質量%であることが更に好ましい。吸着剤の添加量が上記範囲であると、脱臭処理後の風味が適度なものとなり好ましい。油脂と吸着剤との接触条件は、油脂によって適宜変更することができるが、例えば90〜120℃で10〜40分間接触させることが好ましい。この条件で効率的に脱色処理を行うことができる。
また、油脂と吸着剤とを接触させる際、水分の存在による吸着剤の吸着効率の低下を防止するとともに、酸素の存在による油脂の酸化を防止するために、減圧下で油脂と吸着剤とを接触させ、脱色処理を行うことが好ましい。脱色処理の終了には、フィルタープレス等によりろ過し、吸着剤を除去する。
本発明の食用油脂に使用する油脂Aは、未焙煎の菜種種子から圧搾乃至圧搾抽出した油脂を、上記記載の条件で、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭処理したものが、食用油脂に配合した場合、良好な風味・コク味を付与することができるので好ましい。
本発明の食用油脂に使用する油脂Aは、食用油脂に良好な風味・コク味を付与するために、ロビボンド比色計におけるY+10R値が30以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、50以上であることが更に好ましく、55以上であることが更により好ましい。Y+10R値の上限値は特に制限はないが、品質をより安定したものとするために、150以下であることが好ましく、120以下であることがより好ましく、100以下であることが更に好ましい。また、本発明の食用油脂は、油脂Aを、0.5〜40質量%含有することが好ましく、1〜30質量%含有することがより好ましく、2〜20質量%含有することが更に好ましい。
本発明の食用油脂は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経た菜種油(油脂A)の他に、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満である動植物油脂(以下、油脂Bと表記することがある)を50〜99.9質量%含有する。本発明でいう動植物油脂は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満であり、食用に適したものであれば、どのようなものであっても構わないが、あっさりとした風味をベースとするには、植物油脂であることが好ましい。例えば、従来食用に供される大豆油、菜種油、綿実油、ヒマワリ種子油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、イリッペ脂、サル脂、シア脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油等、並びに、これらに、硬化、分別、エステル交換(油脂と脂肪酸または脂肪酸エステルとのエステル交換も含む)等の加工を加えた加工油脂の中から1種あるいは2種以上を選択して使用できる。硬化油は、水素添加臭(水添臭)が出る恐れがあるので使用しないか、極度硬化して使用するのが好ましいが、使用したとしても30質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下である。
本発明の食用油脂は、油脂Bとして、パーム系油脂を含有することが好ましい。パーム系油脂を含有することで、油脂Aにより付与される良好な風味・コク味がより引き立つので好ましい。また、本発明の食用油脂を、スパイスを含む食品に使用した場合、スパイス立ちのすぐれたものとなるので好ましい。本発明の食用油脂に使用する油脂B中のパーム系油脂の含量としては、20質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70〜100質量%であることが更に好ましい。
本発明でいうパーム系油脂とは、パーム油、パーム油の分別油及びそれらの加工油(硬化、エステル交換及び分別のうち1以上の処理がなされたもの)であれば何れでもよく、具体的には、1段分別油であるパームオレイン、パームステアリン、パームオレインの2段分別油であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)及びパームミッドフラクション、パームステアリンの2段分別油であるパームオレイン(ソフトパーム)及びパームステアリン(ハードステアリン)等が例示できる。また、それらの1種以上とパーム系油脂以外の油脂との混合油のエステル交換油や硬化油の場合、原料油脂中のパーム系油脂含量に応じた量をパーム系油脂として扱うことができる。なお、パーム核油はパーム系油脂には含まれない。
本発明の食用油脂に使用する油脂Bは、食用油脂の精製工程に通常を用いられる、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭等の各処理を経て製造することができる。特に、脱色処理における吸着剤の添加量と、脱臭処理における脱臭温度を、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経た菜種油よりも強めの条件で精製することにより得ることができる。例えば、脱色処理の場合、吸着剤が活性白土の場合の添加量は、油脂に対して0.3〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましい。例えば、脱臭処理の場合、脱臭温度は、200〜270℃であることが好ましく、220〜260℃であることがより好ましい。
本発明の食用油脂に使用する油脂Bは、食用油脂の風味のベースをあっさりとしたものにするために、ロビボンド比色計におけるY+10R値が10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、2以下であることが更に好ましい。Y+10R値の下限値は特に制限はないが、過剰精製による品質の劣化を防止するために、0より大きいことが好ましい。また、本発明の食用油脂は、油脂Bを、60〜99.5質量%含有することが好ましく、70〜99質量%含有することがより好ましく、80〜98質量%含有することが更に好ましい。
なお、通常市販されているキャノーラ油(菜種油)やサラダ油(菜種油と大豆油の混合油)等の食用油脂は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が1程度であり、油脂Bとして好適に使用できる。
本発明の食用油脂は、本発明の特徴を損なわない限りにおいて、油脂Aと油脂B以外の油脂(以下、油脂Cと表記することがある)を含有しても差し支えないが、本発明の食用油脂の特徴を再現する上で、油脂Aと油脂Bとからなる油脂であることが好ましい。すなわち、本発明の食用油脂においては、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経た菜種油(油脂A)以外の油脂は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満である動植物油脂(油脂B)であることが好ましい。
本発明の食用油脂は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経た菜種油(油脂A)の含量が0.1〜50質量%であり、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満である動植物油脂(油脂B)の含量が50〜99.9質量%である範囲において、例えば、各油脂を混合し、必要に応じて加熱攪拌して全体を均一にすることによって、特に制限なく製造することができる。
本発明の食用油脂は、本発明の特徴を損なわない限りにおいて、必要に応じて通常の食用油脂に用いられる添加剤を適宜添加することができる。具体的には、保存安定性向上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温化での結晶抑制等を目的としたポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンE、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、コエンザイムQ、オリザノール、ジグリセリド、シリコーン、トコフェロール、レシチン、着色料、香料等が挙げられる。添加剤の添加量は食用油脂100質量%に対して、3質量%以下であることが好ましい。
本発明の食用油脂は、食品の加熱調理用に適している。例えば、素揚げ、から揚げ、フライ、フリッター、天ぷら等の揚げ物や炒め物等の加熱調理、もしくは、食材の表面にコーティングしてオーブン等で輻射乃至対流加熱する加熱調理に好適に使用することができる。
また、本発明の食用油脂は、可塑性、乳化性等の加工性を付与することでフライ用ショートニングとして用いることができる。フライ用ショートニングは、例えば、常法により融解した食用油脂を急冷可塑化することにより製造できる。
次に、本発明の食用油脂を使用した食品について説明する。本発明の食用油脂を使用した食品は、あっさりとした中にも程よい風味・コク味を有するものである。具体例としては、例えば、素揚げ、から揚げ、竜田揚げ、カツ、コロッケ、フライ、ナゲット、フリッター、天ぷら、ドーナツ、せんべい、あられ、パン、ケーキ、ビスケット、クラッカー、クッキー、プレッツェル、コーンチップス、コーンパフ、コーンフレークス、ポップコーン、ポテトチップス、ナッツ、バターピーナツ、スナック菓子等が挙げられる。
また、本発明の食用油脂は、程よい風味・コク味を有するにも係らず、意外にもスパイス(香辛料及び/又は香草類)を含む食品のスパイス立ちを良くするので、スパイスを含む食品に使用するのが好ましい。スパイスとしては、コショウ、パセリ、カルダモン、ターメリック、ジンジャー、ガーリック、キャラウェー、マスタード、パプリカ、アジョワン、アニス、サボリ、バジル、オレガノ、セージ、タイム、トウガラシ、ローズマリー、ゴマ、ナツメグ、メース、ローレル、シナモン、桂皮、山椒、陳皮、クミン、クローブ、オールスパイス、コリアンダー、フェンネル、花椒等を例示することができる。また、それらを適宜混合した、七味唐辛子、ガラムマサラ、カレー粉等を例示できる。
以下、具体的な実施例に基づいて、本発明について詳しく説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例の内容に、何ら限定されるものではない。
ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経た菜種油(油脂A)、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満である動植物油脂(油脂B)及びその他油脂(油脂C)を、表1〜2に示した配合で混合し、実施例1〜8の食用油脂及び比較例1〜4の食用油脂を得た。油脂A、油脂B及び油脂Cの調製は以下のように行った。調製した油脂の色度Y値及びR値の測定は、ロビボンド比色計(ティントメーター社製、TINTOMETER MODEL F)で25.4ミリセル(=1インチセル)を用いて測定した。
(油脂Aの調製)
〔菜種油1〕
未焙煎の菜種種子から圧搾抽出された菜種粗油を、常法に従って、脱ガム、脱酸処理した後、活性白土を対油0.3質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、140℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が62である菜種油1を得た。
(油脂Bの調製)
〔菜種油2〕
未焙煎の菜種種子から圧搾抽出された菜種粗油を、常法に従って、脱ガム、脱酸処理した後、活性白土を対油0.7質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、255℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が0.1である菜種油2を得た。
〔大豆油1〕
大豆から抽出された大豆粗油を、常法に従って、脱ガム、脱酸処理した後、活性白土を対油0.7質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、255℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が0.1である大豆油1を得た。
〔パーム系油脂1〕
RBDパームオレイン(ヨウ素価65、マレーシアISF社製)に、活性白土を対油2質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、255℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が0.3であるパーム系油脂1を得た。
〔パーム系油脂2〕
RBDパーム油(ヨウ素価53、マレーシアISF社製)に、活性白土を対油2質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、255℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が0.2であるパーム系油脂2を得た。
(油脂Cの調製)
〔パーム系油脂3〕
RBDパームオレイン(ヨウ素価65、マレーシアISF社製)をパーム系油脂3とした。ロビボンド比色計におけるY+10R値は65であった。
Figure 2013255484
Figure 2013255484
(天ぷらの評価)
実施例1〜5、8の食用油脂、比較例1〜2の食用油脂を、揚げ油として使用し、以下の方法により、実施例9〜14及び比較例5〜6のえびの天ぷらを調製した。
えびの天ぷらは、えび8尾に対して、卵1個、冷水3/4カップ(175mL)、小麦粉1カップ(200mL)の配合で調製したバッターを用いて、上記各実施例・比較例の食用油脂で、180℃で揚げることにより調製した。

えびの天ぷらの風味を以下の基準で点数化し、パネル5名の評点の平均値を算出することにより、得られたえびの天ぷらの評価を行った。結果を表3、4に示す。
評価基準
コク味が感じられ、くどさや雑味が無い 4点
コク味がやや弱いか、ややくどさや雑味が感じられる 3点
コク味が弱い、または、くどい 2点
コク味が感じられない 1点
Figure 2013255484
Figure 2013255484
(フライドチキンの評価)
実施例3、6〜7の食用油脂、比較例3、4の食用油脂を、フライ油として使用し、以下の方法により、実施例15〜17及び比較例7〜8のフライドチキンを調製した。
フライドチキンは、市販のから揚げ粉(日清製粉株式会社製)100質量部に対してガラムマサラを5質量部加えたものを適量塗付した鶏モモ肉を、上記各実施例・比較例の食用油脂で、180℃で4分間フライすることにより調製した。
フライドチキンの風味を以下の基準で点数化し、パネル5名の評点の平均値を算出することにより、得られたフライドチキンの評価を行った。結果を表5に示す。
評価基準
コク味があり、スパイス立ちがよい 4点
コク味がやや弱いか、スパイス立ちがやや弱い 3点
コク味が弱いか、スパイス立ちが弱い 2点
コク味が弱く、スパイス立ちが弱い 1点
Figure 2013255484

Claims (9)

  1. 以下の油脂Aを0.1〜50質量%、油脂Bを50〜99.9質量%含む食用油脂。
    油脂A:ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である
    脱臭処理を経た菜種油
    油脂B:ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満である
    動植物油脂
  2. 前記油脂Aのロビボンド比色計におけるY+10R値が40以上である請求項1に記載の食用油脂。
  3. 前記油脂Aの脱臭処理の脱臭温度が200℃未満である請求項1または2に記載の食用油脂。
  4. 前記油脂Bがパーム系油脂を20質量%以上含む請求項1〜3の何れか一項に記載の食用油脂。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の食用油脂を使用した食品。
  6. スパイスを含む食品である請求項5に記載の食品。
  7. 加熱調理された食品である請求項5または6に記載の食品。
  8. 以下の油脂Aを0.1〜50質量%、油脂Bを50〜99.9質量%含むように混合する食用油脂の製造方法。
    油脂A:ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である
    脱臭処理を経た菜種油
    油脂B:ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満である
    動植物油脂
  9. 前記油脂Aのロビボンド比色計におけるY+10R値が40以上である請求項8に記載の食用油脂の製造方法。
JP2012274084A 2012-05-15 2012-12-14 食用油脂 Active JP6125819B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012274084A JP6125819B2 (ja) 2012-05-15 2012-12-14 食用油脂

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012111284 2012-05-15
JP2012111284 2012-05-15
JP2012274084A JP6125819B2 (ja) 2012-05-15 2012-12-14 食用油脂

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013255484A true JP2013255484A (ja) 2013-12-26
JP6125819B2 JP6125819B2 (ja) 2017-05-10

Family

ID=49952525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012274084A Active JP6125819B2 (ja) 2012-05-15 2012-12-14 食用油脂

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6125819B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018166444A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 日清オイリオグループ株式会社 炒め調理用油脂組成物
JP2019058146A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 日清オイリオグループ株式会社 チョコレート
JP2019126307A (ja) * 2018-01-25 2019-08-01 日清オイリオグループ株式会社 ケーキ類用生地、及びケーキ類
JP2020014434A (ja) * 2018-07-27 2020-01-30 日清オイリオグループ株式会社 ベーカリー食品用生地、及びベーカリー食品
JP2020156405A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 太陽油脂株式会社 加熱調理用油脂組成物

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03244344A (ja) * 1990-02-23 1991-10-31 Morinaga Milk Ind Co Ltd 乳幼児食品用油脂組成物
JP2003061577A (ja) * 2001-08-24 2003-03-04 Nisshin Oillio Ltd 食用油脂製造方法及び食用油脂脱臭方法
JP2009050234A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 J-Oil Mills Inc 加熱耐性に優れた揚げ物用油脂組成物の製造方法
JP2009095313A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Kaneka Corp 精製なたね油及び精製なたね油を利用した油脂加工食品及び食品
JP2010142148A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Kaneka Corp タマネギエキスおよびタマネギエキスの製造方法並びにそれを用いた食品
JP2012016348A (ja) * 2010-06-07 2012-01-26 Fuji Oil Co Ltd 減脂豆乳及び大豆乳化組成物、並びにそれらの製造法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03244344A (ja) * 1990-02-23 1991-10-31 Morinaga Milk Ind Co Ltd 乳幼児食品用油脂組成物
JP2003061577A (ja) * 2001-08-24 2003-03-04 Nisshin Oillio Ltd 食用油脂製造方法及び食用油脂脱臭方法
JP2009050234A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 J-Oil Mills Inc 加熱耐性に優れた揚げ物用油脂組成物の製造方法
JP2009095313A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Kaneka Corp 精製なたね油及び精製なたね油を利用した油脂加工食品及び食品
JP2010142148A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Kaneka Corp タマネギエキスおよびタマネギエキスの製造方法並びにそれを用いた食品
JP2012016348A (ja) * 2010-06-07 2012-01-26 Fuji Oil Co Ltd 減脂豆乳及び大豆乳化組成物、並びにそれらの製造法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"資料1-2:食品安全確保総合調査報告", 食品安全委員会,食品安全総合情報システム,会議資料詳細,第4回化学物質専門調査会,[ONLINE], JPN6014013748, 5 June 2007 (2007-06-05), ISSN: 0003314867 *
食品と味, vol. 再版, JPN6016016984, 2010, pages 133 - 139, ISSN: 0003314866 *

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018166444A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 日清オイリオグループ株式会社 炒め調理用油脂組成物
JP2019058146A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 日清オイリオグループ株式会社 チョコレート
JP6995551B2 (ja) 2017-09-28 2022-01-14 日清オイリオグループ株式会社 チョコレート
JP2019126307A (ja) * 2018-01-25 2019-08-01 日清オイリオグループ株式会社 ケーキ類用生地、及びケーキ類
JP2020014434A (ja) * 2018-07-27 2020-01-30 日清オイリオグループ株式会社 ベーカリー食品用生地、及びベーカリー食品
JP7158814B2 (ja) 2018-07-27 2022-10-24 日清オイリオグループ株式会社 ベーカリー食品用生地、及びベーカリー食品
JP2020156405A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 太陽油脂株式会社 加熱調理用油脂組成物
JP7406923B2 (ja) 2019-03-27 2023-12-28 太陽油脂株式会社 加熱調理用油脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6125819B2 (ja) 2017-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101854807B (zh) 制备具有良好热稳定性油炸用油脂组合物的方法
JP4713673B1 (ja) 揚げ物用油脂組成物
JP4905999B2 (ja) 食感改良油脂組成物
JP5439180B2 (ja) 油脂組成物
JP5209148B1 (ja) 油脂組成物及びその製造方法
JP6232325B2 (ja) 加熱調理用油脂組成物とその製造方法及び食品
JP4786586B2 (ja) 加熱調理用油脂組成物
JP6125819B2 (ja) 食用油脂
JP2017029044A (ja) 食用油脂
WO2020066708A1 (ja) 油脂組成物の製造方法、油っぽさ低減剤、加熱臭抑制剤、調理用食用油脂の製造方法、油っぽさ低減方法、加熱臭抑制方法、食品の製造方法
JP2015073453A (ja) 食用油脂の製造方法および食用油脂
JP7171577B2 (ja) 加熱調理食品の油っぽさ低減剤及び加熱調理食品の油っぽさ低減方法
JP5901136B2 (ja) ルウ用油脂及びそれを用いたルウ
JP7118070B2 (ja) 加熱調理用油脂組成物の加熱臭抑制剤、加熱調理用油脂組成物の加熱臭抑制方法、及び加熱調理用油脂組成物の製造方法
JP5823894B2 (ja) 被覆用油脂
JP6366258B2 (ja) 肉加工食品
JP5850647B2 (ja) ルウ用油脂及びそれを用いたルウ
JP5823684B2 (ja) 加熱調理用油脂
JP7214310B2 (ja) 加熱調理用油脂組成物およびその製造方法
WO2021172034A1 (ja) 油っぽさ低減剤、食用油脂組成物、油っぽさ低減剤の製造方法及び食品の油っぽさ低減方法
WO2022163370A1 (ja) 着色抑制剤、着色抑制剤の製造方法、食用油脂組成物、及び食品の着色抑制方法
JP2017112908A (ja) 焙煎油及びその製造方法、食用油脂組成物、並びに加熱調理品の製造方法
JP2022046129A (ja) フライ調理食品のサクミ感向上方法
JP2019024405A (ja) 吸油低減剤、吸油低減方法および揚げ物用油脂組成物
JP2022046130A (ja) 油脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150803

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6125819

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250