JP2013255368A - 消費電力の調節システム - Google Patents

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Abstract

【課題】総消費電力の設定に合わせて自動的に家電機器・住宅機器の電源オン・オフ等を制御する。
【解決手段】制御部及び通信部を有するコントローラと、入力部及び通信部を有する少なくとも一つの指示装置とを備え、電気で稼働する機器の運転状態が入力されると共に総消費電力を把握し、指示装置の入力部を介してユーザからの消費電力上限の設定値の変更指示が与えられたときに、指示装置の通信部及びコントローラの通信部を介して消費電力上限の設定値の変更指示がコントローラの制御部に与えられ、コントローラの制御部が電気で稼働する機器毎の効用を計算すると共に当該効用に基づいて電気で稼働する機器の運転制御指令を決定し、コントローラの通信部が運転制御指令を送信するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、消費電力の調節システムに関する。さらに詳述すると、本発明は、例えば住宅内において電気で稼働する各種家電機器や住宅機器の運転を制御して消費電力の合計を調節するための技術に関する。
住宅内において電気で稼働する各種家電機器や住宅機器の運転を制御する従来の制御システムとして、例えば、各家電機器・住宅機器に通信機能が付与され、無線端末装置からの無線通信情報によって各家電機器・住宅機器の電源オン・オフの制御を行うものがある(特許文献1)。
特開2006−140691号
しかしながら、特許文献1の家電機器・住宅機器の制御システムでは、居住者(ユーザ)の意志に基づいて個々の機器を個別に電源を入れて或いは電源を切って制御することはできても、消費電力の抑制量即ち節電の目標(例えば「15%節電」など)が設定された場合にその時点において稼働していること或いはその時点における運転状態(空調の設定温度や照明の明るさなど)をそのまま維持することの効用が低い機器の電源を切る制御或いは運転状態を変更する制御を行うことによって、さらに言えば必要に応じて複数の機器を一括して電源を切る制御或いは運転状態を変更する制御を行うことによって、家電機器・住宅機器群全体として節電目標を達成するための状況を自動的に且つ簡易に作り出すことはできない。このため、特に消費電力の抑制に対する貢献度や汎用性が高いとは言えない。
そこで、本発明は、家電機器・住宅機器群全体についての総消費電力の設定に合わせて自動的に家電機器・住宅機器の電源オン・オフ等を制御することができる消費電力の調節システムを提供することを目的とする。言い換えると、本発明は、家電機器・住宅機器の電源オン・オフ等を制御して家電機器・住宅機器群全体についての総消費電力の目標(節電目標)を自動的に且つ簡易に達成することができる消費電力の調節システムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1記載の消費電力の調節システムは、制御部及び通信部を有するコントローラと、入力部及び通信部を有する少なくとも一つの指示装置とを備え、コントローラの通信部を介してコントローラの制御部に電気で稼働する機器の運転状態が入力されると共にコントローラの制御部が電気で稼働する機器を少なくとも含む機器群全体での総消費電力を把握し、指示装置の入力部を介してユーザからの消費電力上限の設定値の変更指示が与えられたときに、指示装置の通信部及びコントローラの通信部を介して消費電力上限の設定値の変更指示がコントローラの制御部に与えられ、コントローラの制御部が電気で稼働する機器毎の効用を計算すると共に総消費電力及び消費電力上限の設定値並びに効用に基づいて電気で稼働する機器の運転制御指令を決定し、コントローラの通信部が運転制御指令を送信するようにしている。
したがって、この消費電力の調節システムによると、ユーザからの消費電力上限の設定値の変更指示が与えられたときに、総消費電力及び消費電力上限の設定値並びに電気で稼働する機器毎の効用に基づいて運転制御指令を決定するようにしているので、消費電力の抑制量を達成するための機器の運転制御の内容が自動的に決定され、個々の機器を個別に操作することなしに機器群全体についての総消費電力の抑制量の目標(節電目標)の状態が作り出される。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の消費電力の調節システムにおいて、電気で稼働する機器毎の効用に、手動で操作した時からの経過時間によって変化する効用を含むようにしている。この場合には、頻繁に操作される機器や最近において操作された機器の効用が高くなるので、このような機器が本発明による自動的な運転制御の対象になる可能性が低減する。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の消費電力の調節システムにおいて、指示装置が表示部を更に有し、当該表示部に総消費電力及び消費電力上限の設定値が表示されるようにしている。この場合には、その時々における総消費電力及び消費電力上限の設定値を視覚によって確認しながらユーザは消費電力上限の設定値を変更することができる。
本発明の消費電力の調節システムによれば、消費電力上限の設定値を変更するだけという非常にシンプルな操作により、消費電力の抑制量を達成するための機器の運転制御の内容を自動的に決定し、個別の機器を操作することなしに機器群全体についての総消費電力の抑制量の目標(節電目標)の状態を作り出すことができるので、総消費電力量の監視・制御ツールとしての操作性・取り扱い易さを向上させ、特に総消費電力量の抑制即ち節電ツールとしての汎用性の向上を図ることが可能になる。
請求項2記載の消費電力の調節システムによれば、さらに、頻繁に操作される機器や最近において操作された機器が本発明による自動的な運転制御の対象になる可能性を低減させることができるので、ユーザにとって不都合な運転制御を防止することができ、特に総消費電力量の抑制即ち節電ツールとしての快適性の向上を図ることが可能になる。
請求項3記載の消費電力の調節システムによれば、さらに、総消費電力及び消費電力上限の設定値を視覚によって確認しながら消費電力上限の設定値を変更することができるので、状況・状態の把握を容易にすると共に消費電力抑制の達成感を実感することができ、特に総消費電力量の抑制即ち節電意識向上ツールとしての意義を高めることが可能になる。
本発明の消費電力の調節システムの実施形態の一例を説明するフローチャートであり、消費電力の調節システム全体としての処理ステップを説明するフローチャートである。 本発明の消費電力の調節システムの実施形態の一例を説明するフローチャートであり、コントローラと指示装置とのそれぞれにおける処理内容を分けて説明するフローチャートである。 実施形態の消費電力の調節システムの機能ブロック図である。 指示装置の一例を説明する図である。 指示装置の他の一例を説明する図である。 指示装置の更に他の一例を説明する図である。 照明器具・装置の効用関数の例を示す図である。(A)はインタラクション効用を表す効用関数の例を示す図である。(B)は人間状態効用を表す効用関数の例を示す図である。(C)は環境効用を表す効用関数の例を示す図である。 空調器具・装置の効用関数の例を示す図である。(A)はインタラクション効用を表す効用関数の例を示す図である。(B)は人間状態効用を表す効用関数の例を示す図である。(C)は環境効用を表す効用関数の例を示す図である。 環境効用を表す効用関数を説明する図である。 本発明の消費電力の調節システムの具体的な構成例(実施例1)を説明する機能ブロック図である。 本発明の消費電力の調節システムの具体的な他の構成例(実施例2)を説明する機能ブロック図である。 本発明の消費電力の調節システムの具体的な更に他の構成例(実施例3)を説明する機能ブロック図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1から図8に、本発明の消費電力の調節システムの実施形態の一例を示す。この消費電力の調節システムは、制御部1a及び通信部1bを有するコントローラ1と、入力部2a及び通信部2dを有する少なくとも一つの指示装置2とを備え、コントローラ1の通信部1bを介してコントローラ1の制御部1aに電気で稼働する機器3A,3B,…の運転状態が入力されると共にコントローラ1の制御部1aが電気で稼働する機器3A,3B,…の総消費電力Pnを把握し、指示装置2の入力部2aを介してユーザからの消費電力上限の設定値Pu(Pug)の変更指示が与えられたときに、指示装置2の通信部2d及びコントローラ1の通信部1bを介して消費電力上限の設定値Pu(Pug)の変更指示がコントローラ1の制御部1aに与えられ、コントローラ1の制御部1aが電気で稼働する機器3A,3B,…毎の効用Uを計算すると共に総消費電力Pn及び消費電力上限の設定値Pu(Pug)並びに効用Uに基づいて電気で稼働する機器3A,3B,…の運転制御指令を決定し、コントローラ1の通信部1bが運転制御指令を送信するものとして構成される。
そして、本発明の消費電力の調節システムのプロセスの要点は、図1に示すように、管理・制御対象の電気で稼働する機器3A,3B,…毎の運転状態を把握する(P1)と共に電気で稼働する機器3A,3B,…群全体での総消費電力を把握して(P2)総消費電力が変化している場合に消費電力上限の設定値を更新し(P3)、そして、消費電力上限の設定値の変更指示がユーザから与えられない間(P4:No)はこれらP1からP3までのプロセスを繰り返す一方で消費電力上限の設定値の変更指示がユーザから与えられた場合(P4:Yes)には管理・制御対象の電気で稼働する機器3A,3B,…毎の効用を計算して(P5)電気で稼働する機器3A,3B,…の運転制御を行う(P6)ことである。
本発明における電気で稼働する機器3A,3B,…は特定の機器に限定されるものではなく、住宅内に設置され電気の供給を受けて稼働する機器(家電機器と呼ぶ)や住宅に取り付け・備えられ電気の供給を受けて稼働する機器(住宅機器と呼ぶ)であればあらゆるものが対象になり得る。あくまでも一例として挙げれば具体的には例えば、家電機器としてはテレビ,ステレオ,移動可能な空調器具(扇風機,加湿器・除湿器等),冷蔵庫,電気ポット,移動可能な照明器具(卓上電気スタンド等)などが挙げられ、住宅機器としては天井や壁などに取り付けられた固定的な照明装置(シーリングライト等),天井や壁などに取り付けられた固定的な空調装置(エアコン等)などが挙げられる。なお、家電機器と住宅機器という区分はあくまでも説明の便宜上のものであって区分自体に特に意味はなく、以下においては両者を対象にするものとして家電等機器3A,3B,…と表記する。なお、以下において、これら家電等機器3A,3B,…のそれぞれを区別する必要がない場合及びこれら家電等機器3A,3B,…の全体を指す場合には単に家電等機器3と表記する。
本発明では、例えば住宅や各種建物などの制御対象施設にコントローラ1が備えられると共に、制御対象施設の居住者や利用者などが使用する指示装置が備えられる。本実施形態では、複数の指示装置2A,2B,…が備えられる。なお、以下において、これら指示装置2A,2B,…のそれぞれを区別する必要がない場合及びこれら指示装置2A,2B,…の全体を指す場合には単に指示装置2と表記する。また、以降の説明では、或る制御対象施設における複数の指示装置2の使用者の集合を、ユーザグループと呼び、単にグループとも表記する。
コントローラ1は、管理・制御対象の家電等機器3の一群に対して一台備えられ、指示装置2からの制御指示に基づいて各家電等機器3の運転状態(具体的には、機器の電源オン/オフの状態,エアコンの設定温度や設定風量,照明の設定照度等)の決定に纏わる処理を行う制御部1aと、指示装置2,家電等機器3,計測機器4との間で通信を行う通信部1bとを有する。
指示装置2は、ユーザの制御指示を処理部2bに与えるためのインターフェイスである入力部2aと、当該入力部2aから入力された制御指示に基づく処理を行う処理部2bと、消費電力に関連する情報を表示する表示部2cと、コントローラ1との間で通信を行う通信部2dとを有する。
指示装置2は、管理・制御対象の家電等機器3の一群に対して一台のみ備えられるようにしても良いし複数台備えられるようにしても良い。また、指示装置2は、施設内に固定的に取り付けられる固定型でも良いし、ユーザが自由に持ち運べる携帯型でも良い。
各家電等機器3は、家電等機器としての本来の機能のほかに、自身の運転状態を把握すると共にコントローラ1からの運転制御指令に基づいて運転状態を制御する制御部3aと、コントローラ1との間で通信を行う通信部3bとを有する。
ここで、本発明における家電等機器3は、運転状態の把握と制御とを行うための制御部3a及び通信部3bを備える点を除いて通常の機器と同じである(そして、制御部3a及び通信部3bが内蔵されている必要はなく、付加的にユニット等として取り付けられるものや家電等機器3と接続して制御部3a及び通信部3bに相当する機能を発揮し得るものであっても構わない)。したがって、各家電等機器3は、コントローラ1からの運転制御指令に基づく運転状態の制御のほか、通常の機器と同様に機器自体のスイッチ操作やリモコン操作によっても運転状態が切り替えられるようになっていても構わない。ただし、本発明による運転状態の制御のみを行う家電等機器であっても良く、その場合には、機器自体のスイッチ等を有しない一方で、運転状態の制御に用いられる制御部3a及び通信部3bを有するようにしても良い。
また、本発明においては、各家電等機器3の効用を計算するために必要なデータを計測・取得するための各種の計測機器4が適宜設けられる(なお、図3においては計測機器4は一つのみ図示しているが、効用の計算に用いるデータ項目に合わせて計測機器4が複数設けられる場合もある)。この効用の計算に必要なデータの収集のための計測機器4の種類は効用の計算方法にも因るので特定の機器に限定されるものではなく、あくまでも一例として挙げれば具体的には例えば、家電等機器3が設置されている部屋に人が居るか居ないかを検知するセンサや、部屋の中において人が居る場所或いは人と家電等機器3との間の距離を計測するセンサや、寝ているやテレビを見ているや或いはうちわを使っているなどの人の状態や活動内容を判別する計測機器や、部屋の室温や湿度を計測するセンサや、部屋の明るさを計測するセンサなどが挙げられる。
そして、各家電等機器3の効用を計算するために必要なデータを計測・取得するための各種の計測機器4は、計測機器としての本来の機能のほかに、計測状態(具体的には、計測の開始/終了,計測値の保持等)を制御する制御部4aと、コントローラ1との間で通信を行う通信部4bとを有する。ここで、計測機器4によって計測されたデータは、計測機器4からコントローラ1に直接送信されるようにしても良いし、計測機器4から外部記憶装置としての例えばサーバなどに送信して当該サーバに集積された計測データをコントローラ1が必要に応じて適宜読み込むようにしても良い。
なお、本発明においては、例えば住宅や各種建物などの制御対象施設内の全ての家電等機器を管理・制御対象にしなくても良く、すなわち、制御対象施設内の家電等機器のうちの一部のみを本発明による管理・制御対象とするようにしても良い。例えば医療機器などのように、本発明の消費電力の調節システムによる運転状態の管理・制御対象に含めて自動的に電源オン/オフが切り替えられると支障がある機器は管理・制御対象に含めなくても構わない。
コントローラ1の制御部1a,指示装置2の処理部2b,家電等機器3の制御部3a,計測機器4の制御部4aはそれぞれ、例えばマイクロコンピュータ(種々の処理や演算を実行する際の作業領域や状態等の記憶領域になるメモリ或いはメモリに相当するものを適宜含む)によって構成される。
コントローラ1の通信部1b,指示装置2の通信部2d,家電等機器3の通信部3b,計測機器4の通信部4bを含む通信に纏わる構成は、コントローラ1と指示装置2との間,コントローラ1と家電等機器3との間,コントローラ1と計測機器4との間でデータや制御指令等の信号の送受信を行い得るものであれば特定のものに限定されず、種々の無線による通信手段でも良いし、有線による通信手段でも良く、そして勿論、家電等機器3の種類や設置・取り付け状態などに応じて無線通信手段と有線通信手段とを使い分ける(言い換えると、混在させる)ようにしても良い。
なお、家電等機器3の制御部3a及び通信部3bは、家電等機器3自体の家電等機器としての本来の機能の動作に関する電源供給系統とは異なる独自の電源供給系統を備え、家電等機器3自体の主電源が切られている状態でも動作可能に構成される。
そして、本実施形態では、図3に示す機器構成によって図1のプロセス(P1〜P6)を図2に示すステップ(S1〜S18)によって実行するようにしている。なお、図1のプロセスと図2のステップとを対応させると、P1はS1〜S2,P2はS3,P3はS4〜S10,P4はS11〜S15,P5はS16,P6はS17〜S18にそれぞれ対応する。
そして、本実施形態では、まず、システムの稼働に際して用いられる変数について初期設定が行われる(S1)。
具体的には、前回の総消費電力Ppの値,総消費電力更新基準時間Tso,前回の消費電力上限のユーザ設定値Pup,消費電力上限更新基準時間Tco,制御閾値Ptについて初期値の設定が行われる。
なお、「前回の」とは、本発明は所定の処理(本実施形態ではS1からS18までの処理)を繰り返して行うものであるところ、S1からS18までの一通りをターンと呼ぶと、「前回ターンでの」という意味である。それに対して「現在の」とは、「今回ターンでの」或いは「最新の」という意味である。
各変数の初期値は特定の値に限定されるものではないが、以降の処理を考慮すると、前回の総消費電力Ppの値,前回の消費電力上限のユーザ設定値Pupは十分に小さいことが適当であり、本実施形態ではいずれもゼロに設定される(即ち、Pp=0,Pup=0)。
総消費電力更新基準時間Tsoは、少なくとも電源周波数の1サイクル以上の時間とすることが適当であり、具体的には電源周波数が50〔Hz〕区域であれば1/50〔秒〕以上とすることが適当である。そして、総消費電力更新基準時間Tsoは、きめの細かい消費電力の調節を行うためには短い方が好ましいので、具体的には例えば1/50〜3〔秒〕程度の範囲で適宜設定される。また、消費電力上限のユーザ設定値Puを変更した場合の家電等機器3の運転状態の切り替えに即応性があった方が消費電力上限のユーザ設定値Puを変更したことによる影響を即時的・直感的に理解・把握できる点で好ましく、この点からも総消費電力更新基準時間Tsoは短い方が好ましい。
また、消費電力上限更新基準時間Tcoも、消費電力上限の設定値Pu(Pug)が変更された場合の家電等機器3の運転状態の切り替えに即応性があった方が消費電力上限の設定値Pu(Pug)を変更したことによる影響を即時的・直感的に理解・把握できる点で好ましいので、短い方が好ましい。このことも考慮し、消費電力上限更新基準時間Tcoは、具体的には例えば1/60〜3〔秒〕程度の範囲で適宜設定される。
また、制御閾値Ptは、或る時点における総消費電力Pnとユーザによって設定された消費電力の上限との間の差に基づいて本発明による消費電力の調節を行うか否かを決定するための閾値であり、リアルタイムで計測される消費電力のノイズを含む細かい変動によっては本発明による消費電力の調節を行わないようにする程度の大きさで適宜設定される。例えば、管理・制御対象の家電等機器3の中での最小の消費電力を僅かに下回る程度に設定され、具体的には5〜20〔W〕程度で設定されることが考えられる。
そして、コントローラ1に対しては前回の総消費電力Ppの値,総消費電力更新基準時間Tsoの値,制御閾値Ptの値について初期値の設定が行われ、それぞれの値がコントローラ1の制御部1aに保持される。
また、指示装置2に対しては前回の消費電力上限のユーザ設定値Pup,消費電力上限更新基準時間Tcoの値について初期値の設定が行われ、それぞれの値が指示装置2の処理部2bに保持される。
次に、管理・制御対象の家電等機器3の各々についての運転状態の把握が行われる(S2)。
具体的には、各家電等機器3の制御部3aが運転状態(本発明による運転制御の対象になり得たり家電等機器の効用の計算において考慮の対象になり得たりする機器の運転・設定の内容で、具体的には機器の電源オン/オフの状態,エアコンの設定温度や設定風量,照明の設定照度等)を把握し、コントローラ1からの問合せに応じて各家電等機器3の通信部3bが運転状態をコントローラ1に対して送信する。
そして、各家電等機器3から送信された家電等機器3の各々についての運転状態がコントローラ1の通信部1bによって受信されて制御部1aに入力され、これら運転状態がコントローラ1の制御部1aに保持される。
次に、制御対象施設における現在の総消費電力の把握が行われる(S3)。
制御対象施設における総消費電力の把握は、特定の方法に限定されるものではなく、施設や家電等機器3の状況に応じて適当な方法によって行われる。具体的には例えば、施設の分電盤に変流器を電気的に接続させて計測するようにしても良いし、各家電等機器3の消費電力が予め把握されている場合にはS2の処理において把握された家電等機器3の運転状態としての電源オン/オフの状態に基づいて電源が入っている家電等機器3の消費電力を足し合わせて算定するようにしても良い。
なお、制御対象施設内の家電等機器のうちの一部のみを本発明による管理・制御対象とするようにしている場合には、このS3の処理で把握する総消費電力は、例えば消費電力の制御の目的に合わせて、制御対象施設内の全ての家電等機器による消費電力でも良いし、管理・制御対象としている家電等機器のみによる消費電力でも良い。すなわち、総消費電力は、本発明による管理・制御対象にしている家電等機器を少なくとも含む機器群による消費電力であれば良い。
そして、把握された総消費電力の値は、現在の総消費電力Pnとしてコントローラ1の制御部1aに入力され、現在の総消費電力Pnの値がコントローラ1の制御部1aに保持される。
続いて、現在の総消費電力Pnの値が前回の総消費電力Ppの値よりも大きい場合に消費電力上限のグループ設定値Pugの更新が行われる(S4)。
具体的には、コントローラ1の制御部1aは、S3の処理において把握されて制御部1aに入力され保持されている現在の総消費電力Pnの値と、初回ターンのS1の処理若しくは前回ターンのS6の処理において定められて保持している前回の総消費電力Ppの値とを比べ、Pn>Ppの場合に、消費電力上限のグループ設定値Pugを現在の総消費電力Pnの値に更新して保持する。
次に、現在の総消費電力Pnと前回の総消費電力Ppとの対比が行われると共に、コントローラ1から指示装置2に対して現在の総消費電力Pnの値を前回送信してからの経過時間Tsと総消費電力更新基準時間Tsoとの対比が行われる(S5)。
まず、コントローラ1の制御部1aは、S3の処理において把握されて制御部1aに入力され保持されている現在の総消費電力Pnの値と、その時点において制御部1aに保持されている前回の総消費電力Ppの値とを比べる。
そして、Pn≠Ppの場合に(S5:Yes)、コントローラ1の制御部1aは、現在の総消費電力Pnの値及び消費電力上限のグループ設定値Pugの値を通信部1bによって指示装置2に対して送信し、また、前回の総消費電力Ppの値を現在の総消費電力Pnの値に更新して保持する(S6)。さらに、コントローラ1の制御部1aは、現在の総消費電力Pnの値の送信が行われてからの経過時間Tsの計測を開始する。そして、コントローラ1はS13の処理に進む。
一方、Pn=Ppの場合には、コントローラ1の制御部1aは、S1の処理において設定されて保持している総消費電力更新基準時間Tsoの値と、現在の総消費電力Pnの値の前回の送信が行われてから計測が開始されている経過時間Tsとを比べる。
そして、Ts≧Tsoの場合に(S5:Yes)、コントローラ1の制御部1aは、現在の総消費電力Pnの値及び消費電力上限のグループ設定値Pugの値を通信部1bによって指示装置2に対して送信し、また、前回の総消費電力Ppの値を現在の総消費電力Pnの値に更新して保持する(S6)。さらに、コントローラ1の制御部1aは、現在の総消費電力Pnの値の送信が行われてからの経過時間Tsの計測を開始する。そして、コントローラ1はS13の処理に進む。
一方、Pn=Pp且つTs<Tsoの場合には(S5:No)、コントローラ1はS13の処理に進む。
そして、指示装置2では、現在の総消費電力Pn及び消費電力上限のグループ設定値Pugを受信した場合に(S7:Yes)、現在の消費電力上限のユーザ設定値Puが消費電力上限のグループ設定値Pugに更新される(S8)。
具体的には、指示装置2の処理部2bは、S6の処理においてコントローラ1から送信された現在の総消費電力Pnを通信部2dによって受信した場合に(S7:Yes)、受信した現在の総消費電力Pnの値を処理部2bに保持し、また、表示部2cにおける現在の総消費電力Pnに纏わる表示を更新させる。
そして、指示装置2の処理部2bは、現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値を、S6の処理においてコントローラ1から送信されて通信部2dによって受信した消費電力上限のグループ設定値Pugの値に更新して保持する(S8)。また、指示装置2の処理部2bは、表示部2cにおける現在の消費電力上限のユーザ設定値Puに纏わる表示を更新させる
続いて、指示装置2において、現在の総消費電力Pnと現在の消費電力上限のユーザ設定値Puとの対比が行われる(S9)。
具体的には、指示装置2の処理部2bは、S8の処理において更新されて処理部2bに保持されている現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値と、S7の処理において受信されて処理部2bに保持されている現在の総消費電力Pnの値とを比べる。
そして、Pn>Puである場合に(S9:Yes)、指示装置2の処理部2bは、現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値を現在の総消費電力Pnの値に更新して保持すると共に、表示部2cにおける現在の消費電力上限のユーザ設定値Puに纏わる表示を更新させる(S10)。そして、指示装置2はS11の処理に進む。
一方、S7の処理として指示装置2が現在の総消費電力Pn及び消費電力上限のグループ設定値Pugを受信していない場合(S7:No)並びにS9の処理においてPn≦Puである場合(S9:No)に、指示装置2はS11の処理に進む。
そして、指示装置2において、現在の消費電力上限のユーザ設定値Puと前回の消費電力上限のユーザ設定値Pupとの対比が行われると共に、指示装置2からコントローラ1に対して現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値を前回送信してからの経過時間Tcと消費電力上限更新基準時間Tcoとの対比が行われる(S11)。
まず、指示装置2の処理部2bは、その時点において処理部2bに保持されている現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値と、その時点において処理部2bに保持されている前回の消費電力上限のユーザ設定値Pupの値とを比べる。
そして、Pu≠Pupの場合に(S11:Yes)、指示装置2の処理部2bは、現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値を通信部2dによってコントローラ1に対して送信し、また、前回の消費電力上限のユーザ設定値Pupの値を現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値に更新して保持する(S12)。さらに、指示装置2の処理部2bは現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値の送信が行われてからの経過時間Tcの計測を開始し、そして、指示装置2はS7の処理に戻る。
一方、Pu=Pupの場合には、指示装置2の処理部2bは、S1の処理において設定されて保持している消費電力上限更新基準時間Tcoの値と、現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値の前回の送信が行われてから計測が開始されている経過時間Tcとを比べる。
そして、Tc≧Tcoの場合に(S11:Yes)、指示装置2の処理部2dは、現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値を通信部2dによってコントローラ1に対して送信し、また、前回の消費電力上限のユーザ設定値Pupの値を現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値に更新して保持する(S12)。さらに、指示装置2の処理部2bは現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値の送信が行われてからの経過時間Tcの計測を開始し、そして、指示装置2はS7の処理に戻る。
なお、現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値は、S8の処理において消費電力上限のグループ設定値Pugによって更新される(これは即ち、他の指示装置2を使用するユーザによって消費電力上限が変更されたことを機会(トリガー)とする更新)或いはS10の処理において現在の総消費電力Pnによって更新されるほかに、当該指示装置2を使用するユーザが入力部2aを操作することによっても変更され得る。当該指示装置2の入力部2aの操作による現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの変更はコントローラ1や当該指示装置2の処理ステップ(言い換えると、処理の段階)に関係なく受け付けられ、その変更の内容(具体的には、変更された現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値)がS11の処理が行われるまで当該指示装置2の処理部2bに保持されてS11及びS12の処理によって反映される。
一方、Pu=Pup且つTc<Tcoの場合には(S11:No)、指示装置2はS7の処理に戻る。
ここで、指示装置2の入力部2aは少なくとも現在の消費電力上限のユーザ設定値Puをユーザが変更できるように構成され、表示部2cは例えば現在の総消費電力Pn及び現在の消費電力上限のユーザ設定値Puを表示することができるように構成される。
具体的には例えば図4に示すような円弧状の帯グラフを基調とする態様が考えられる。図4に示す例では、消費電力上限のユーザ設定値Puの変更が指示されていないときには同図(A)に示すように現在の総消費電力Pnを円弧状の帯6aによって表示する。なお、円弧状の帯6aは、現在の総消費電力Pnの大きさに合わせて、図面において左下の端部を起点として時計回りに伸長する。
一方、消費電力上限のユーザ設定値Puの変更が指示されたときには同図(B)に示すように、現在の総消費電力Pnを表示する円弧状の帯6aの先端(図面において右上の端部)を起点として当該帯6aに沿ってPuの大きさに合わせて反時計回りに伸長する遡上範囲6bとして消費電力上限のユーザ設定値Puを表示する。
また、表示部2cはタッチパネル式の入力部も兼ねており、現在の総消費電力Pnを表示する円弧状の帯6aのベース部分である環状帯部6cに触って当該環状帯部6cを左に回すように操作することによって消費電力上限のユーザ設定値Puが小さく変更(即ち、消費電力の抑制強化の方向であって削減量が大きくなるように変更)され、一方、環状帯部6cを右に回すように操作することによって消費電力上限のユーザ設定値Puが大きく変更(即ち、消費電力の抑制緩和の方向であって削減量が小さくなるように変更)される。すなわち、図4に示す例では、環状帯部6cが入力部2aに該当する。なお、消費電力上限のユーザ設定値Puを表す遡上範囲6bは、ユーザの操作に合わせて伸長したり短縮したりする。
また、図5に示すような直線状の帯グラフを基調とする態様も考えられる。図5に示す例では、消費電力上限のユーザ設定値Puの変更が指示されていないときには同図(A)に示すように現在の総消費電力Pnを直線状の帯6aによって表示する。なお、直線状の帯6aは、現在の総消費電力Pnの大きさに合わせて、図面において左側の端部を起点として右向きに伸長する。
一方、消費電力上限のユーザ設定値Puの変更が指示されたときには同図(B)に示すように、現在の総消費電力Pnを表示する直線状の帯6aの先端(図面において右側の端部)を起点として当該帯6aに沿ってPuの大きさに合わせて左向きに伸長する遡上範囲6bとして消費電力上限のユーザ設定値Puを表示する。
また、表示部2cはタッチパネル式の入力部も兼ねており、現在の総消費電力Pnを表示する直線状の帯6aのベース部分である直線帯部6cに触って当該直線帯部6cを左に動かすように操作することによって消費電力上限のユーザ設定値Puが小さく変更され、一方、直線帯部6cを右に動かすように操作することによって消費電力上限のユーザ設定値Puが大きく変更される。すなわち、図5に示す例では、直線帯部6cが入力部2aに該当する。なお、消費電力上限のユーザ設定値Puを表す遡上範囲6bは、ユーザの操作に合わせて伸長したり短縮したりする。
さらに、図6に示すような直線状の帯グラフとボタンとからなる構成を基調とする態様も考えられる。図6に示す例は、直線状の帯グラフ部分(6a,6b)については図5に示す例と同様である。一方で、図6に示す例では、入力部2aに該当するタッチパネル式の上下一対のボタン部6d,6dを有し、上のボタン6dを触ることによって消費電力上限のユーザ設定値Puが大きく変更され、下のボタン6dを触ることによって消費電力上限のユーザ設定値Pが小さく変更される。
なお、図4から図6までに示す例においては図示していないが、現在の総消費電力Pnの数値を数字でも表示するようにしたり、現在の総消費電力Pnに対する消費電力上限のユーザ設定値の減少率(言い換えると、節電率)をパーセンテージ(数値)を数字でも表示するようにしても良い。
また、図4から図6までに示すいずれの例においても、操作方式は、タッチパネル方式に限られるものではなく、マウスを用いて操作するようにしても良い。
そして、コントローラ1が指示装置2から送信された現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値を受信した場合に(S13:Yes)、消費電力上限のグループ設定値Pugの値が現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値に更新される(S14)。
具体的には、コントローラ1の制御部1aは、消費電力上限のグループ設定値Pugの値を、S12の処理において指示装置2から送信されて通信部1bによって受信した現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値に更新して保持する。
一方、コントローラ1が現在の消費電力上限のユーザ設定値Puの値を受信しない場合には(S13:No)、コントローラ1はS2の処理に戻る。
S14の処理に続いて、コントローラ1において、現在の総消費電力Pnと消費電力上限のグループ設定値Pugとの差の絶対値と制御閾値Ptとの対比が行われる(S15)。
具体的には、コントローラ1の制御部1aは、S3の処理において把握されて制御部1aに入力され保持されている現在の総消費電力Pnの値と、その時点において制御部1aに保持されている消費電力上限のグループ設定値Pugの値と、S1の処理において設定されて保持している制御閾値Ptの値とを用いて、|Pn−Pug|の値とPtの値とを比べる。
そして、|Pn−Pug|≦Ptの場合には(S15:No)、コントローラ1はS2の処理に戻る。
一方、|Pn−Pug|>Ptの場合には(S15:Yes)、管理・制御対象の家電等機器3の各々について効用が計算される(S16)。
家電等機器3の効用Uは、本実施形態では数式1によって計算される。
(数1) U=UE
ここに、U:家電等機器の効用,
I:インタラクション効用,
H:人間状態効用,
E:環境効用 をそれぞれ表す。
インタラクション効用UIは、家電等機器3と人間(ユーザ)との対話(インタラクション)履歴から導出される効用である。例えば、最近において人間が手動で操作した家電等機器3のインタラクション効用UIは高く、最後の手動の操作から時間が経過するに従って家電等機器3のインタラクション効用UIが低減するように設定される。
人間状態効用UHは、家電等機器3と人間(ユーザ)との物理的な関係から導出される効用である。例えば、人間が近くにいる家電等機器3の人間状態効用UHは高く、家電等機器3と人間との間の距離が長くなるに従って家電等機器3の人間状態効用UHが低減するように設定されたり、或いは、その時点における人間の活動内容に対して必要性が高い家電等機器3の人間状態効用UHは高く、人間の活動内容に対する必要性が低くなるに従って家電等機器3の人間状態効用UHが低減するように設定されたりする。
環境効用UEは、家電等機器3の周囲の環境(当該家電等機器3が稼働していないときの自然のままの状態での環境)と当該家電等機器3によって実現される環境との関係から導出される効用である。例えば、当該家電等機器3によって実現(提供)される環境と周囲の自然のままの状態での環境との乖離が大きいほど家電等機器3の環境効用UEは高く、当該家電等機器3によって実現(提供)される環境と周囲の自然のままの状態での環境との乖離が小さくなるに従って家電等機器3の環境効用UEが低減するように設定される。
上述のいずれの効用(UI,UH,UE)についても、どのような要因とどのように関係づけられるかは、言い換えると、家電等機器3の効用を被説明変数とする効用関数の説明変数及び関数形としてそれぞれ何が採用され得るか(何を採用することが適当か)は、家電等機器3の具体的な種類によって多様なパターンが考えられ、管理・制御対象の家電等機器3の種類を踏まえて適宜選択・設定される。
具体的に例えば、図7に、家電等機器3が照明器具・装置である場合の各効用UI,UH,UEを表す効用関数の例を示す。図7に示す例では、インタラクション効用UIは、手動による電源オンからの経過時間という要因と関係づけられ、手動によって電源オンをした瞬間(即ち、経過時間が0)において効用が最も高く、電源オンからの経過時間が長いほど効用が低くなり、一定の時間を経過すると効用がゼロになるように設定される。なお、「手動による」とは、本発明の仕組みによって自動的に電源がオンされた場合と区別する意味である。
また、人間状態効用UHは、照明器具・装置と人間との間の距離という要因と関係づけられ、照明器具・装置の直近(即ち、距離が0)に人間がいる場合に効用が最も高く、照明器具・装置と人間との間の距離が遠いほど効用が低くなり、一定の距離を超えると効用がゼロになるように設定される。
さらに、環境効用UEは、照明器具・装置の周囲の明るさ(即ち、照明が点灯していないときの自然のままの状態での明るさ)という要因と関係づけられ、周囲が暗いほど効用が高く(明るさが0において効用が最も高い)、周囲が明るいほど効用が低くなり、一定の明るさを超えると効用がゼロになるように設定される。
また、図8に、家電等機器3が空調器具・装置である場合の各効用UI,UH,UEを表す効用関数の例を示す。図8に示す例では、インタラクション効用UIは、手動によるリモコン操作(例えば運転開始や設定温度の変更など)からの経過時間という要因と関係づけられ、手動によってリモコン操作をした瞬間(即ち、経過時間が0)において効用が最も高く、リモコン操作からの経過時間が長いほど効用が低くなり、一定の時間を経過すると効用がゼロになるように設定される。
また、人間状態効用UHは、人間が部屋を出てからの経過時間という要因と関係づけられ、人間が部屋にいるときは効用が最も高く(経過時間が0において効用が最も高い)、人間が部屋を出てからの経過時間が長いほど効用が低くなり、一定の時間を経過すると効用がゼロになるように設定される。
さらに、環境効用UEは、室温(即ち、空調が作動していないときの自然のままの状態での室温)という要因と関係づけられ、室温が適温であるときは効用がゼロであり、適温から寒いほど若しくは暑いほど効用が高くなるように設定される。
ここで、図7(C)における環境効用UEの効用関数のグラフは或る周囲の明るさ(横軸)であるときに照明器具・装置によって或る明るさを実現する効用であり、図8(C)における環境効用UEの効用関数のグラフは或る室温(横軸)であるときに空調器具・装置によって或る室温を実現する効用を表している。すなわち、図7(C)や図8(C)における環境効用UEは、家電等機器3が稼働していないときの自然のままの状態での環境によって変化すると共に、家電等機器3によって実現される環境によって変化するものであり、照明器具・装置の環境効用UEは例えば図9のように表されるものである(図9では、実現される明るさは投入されるワット数に対応するとしている)。つまり図7(C)は、図9における照明器具・装置への或る投入ワット数p1での断面における効用の変化を表したものである。
なお、図7や図8に例として示した効用関数は直線であるが、効用関数の関数形は直線には限られない。具体的には例えばロジスティック曲線などを用いることも考えられる。
そして、インタラクション効用UIや人間状態効用UHは、効用関数が特定され、また、家電等機器3の効用Uを算定する時点における効用関数の説明変数の値(例えば、電源オンからの経過時間,照明と人間との間の距離など)が特定されることによって効用が算定される。
一方、環境効用UEは、家電等機器3の効用Uを算定する時点における自然状態での環境が特定されると共に家電等機器3によって実現される環境の変化分が与えられることによって効用が算定される。この、環境効用UEを算定するための環境の変化分は、機器の運転状態に関する設定内容の変更として予め規定される。運転状態に関する設定内容は、具体的には例えば、照明器具・装置であれば当該器具・装置に投入されるワット数や当該器具・装置自体が備えている設定照度とすることが考えられ、空調器具・装置であれば設定温度変更のピッチとすることなどが得られる。
また、運転状態の変更としての電源オフは、家電等機器3によって実現されている環境が自然のままの状態での環境になる(即ち、それらの差分が環境の変化分になる)と捉える。また、運転状態の変更としての電源オンは、自然のままの状態での環境が家電等機器3によって実現される環境(当該家電等機器3が前回電源オフされたときに実現していた環境としても良いし、電源オンされたときに当初に実現する環境を初期設定として規定しておくようにしても良い)になる(即ち、それらの差分が環境の変化分になる)と捉える。
そして、消費電力上限の設定値Pu(Pug)が小さく変更(即ち、消費電力の抑制強化の方向に変更)された場合の環境効用UEは、家電等機器3の効用Uを算定する時点における自然状態での環境において、当該家電等機器3の当該時点における運転状態が変更されることによる(言い換えると、実現される環境の変化分による)効用の減少分として算定される。例えば、図9に示す照明器具・装置の環境効用UEの例において、自然状態での周囲の明るさがieであるときに、投入されるワット数がp1からp2(p1>p2)に変更される場合には運転状態変更による効用の減少分としてΔu1が算定され、機器自体の電源がオフされる場合には運転状態変更による効用の減少分としてΔu2が算定される。なお、環境効用UEにおける効用の減少分とは、言い換えると、当該時点における自然状態での環境において、当該家電等機器3の設定を低下(悪化)させないで現状の運転状態を維持することの効用(Δu1)であり、或いは、当該家電等機器3の稼働を維持することの効用(Δu2)である。
一方で、消費電力上限の設定値Pu(Pug)が大きく変更(即ち、消費電力の抑制緩和の方向に変更)された場合の環境効用UEは、家電等機器3の効用Uを算定する時点における自然状態での環境において、当該家電等機器3の当該時点における運転状態が変更されることによる(言い換えると、実現される環境の変化分による)効用の増加分として算定される。例えば、図9に示す照明器具・装置の環境効用UEの例において、自然状態での周囲の明るさがieであるときに、投入されるワット数がp2からp1(p2<p1)に変更される場合には運転状態変更による効用の増加分としてΔu1が算定され、機器自体の電源がオンされて投入されるワット数p1による環境が実現される場合には運転状態変更による効用の増加分としてΔu2が算定される。なお、環境効用UEにおける効用の増加分とは、言い換えると、当該時点における自然状態での環境において、当該家電等機器3の設定を現状から向上(改善)させることの効用(Δu1)であり、或いは、当該家電等機器3の稼働を開始することの効用(Δu2)である。
ここで、例えば電子レンジや炊飯器などのように電源オン状態が一定の時間継続していることが重要である家電等機器3については、手動による電源オンからの経過時間についての効用を、電源オンから一定の時間は低減しないで一定であり且つ他の家電等機器3よりも高めに設定することにより、本発明の仕組みによって自動的に電源がオフされてしまうことを防ぐことができる。
図7や図8に示す例の他に、家電等機器3の具体的な種類と効用の種類との組み合わせ毎に考えられる、効用の種類別に関係づけられることが考えられる要因(即ち、効用関数の説明変数)の例を表1に示す。
Figure 2013255368
本実施形態では、インタラクション効用UIを表す効用関数と人間状態効用UHを表す効用関数と環境効用UEを表す効用関数とがコントローラ1の制御部1aに規定されている。そして、コントローラ1の制御部1aは、各効用UI,UH,UEを計算するために必要なデータを各種の計測機器4からそれぞれの通信部1b,4bを介して適宜取得し、各効用UI,UH,UEを計算して数式1によって家電等機器3毎の効用Uを算定する。
なお、家電等機器3の効用Uを計算するための効用の区分は上述のインタラクション効用UI,人間状態効用UH,環境効用UEには限られない。また、管理・制御対象の施設や家電等機器3の種類・特性に合わせて他の区分(分野)の効用を考慮するようにしても良いし、上述の三つの区分のうちの一つ若しくは二つのみを考慮するようにしても良い。また、効用の種類も表1に整理したものには限られない。
例えば、後述のS17及びS18の処理において本発明の仕組みによって自動的に電源がオフされた場合には回復させる(即ち、あらためて電源をオンにする)効用が高いとして、自動的に電源がオフされた家電等機器3については家電等機器の効用Uに対して所定の効用を上乗せするようにしても良い。
また、数式1ではインタラクション効用UIと人間状態効用UHと環境効用UEとを掛け合わせて家電等機器3の効用Uを算出するようにしているが、これら個別の効用UI,UH,UE(若しくは、これら個別の効用の一部)を足し合わせて家電等機器3の効用Uを算出するようにしても良い。なお、数式1のように個別の効用を掛け合わせて家電等機器3の効用Uを算出する場合には、効用の値の範囲にゼロを含めるようにすると、個別の効用のうちのいずれかがゼロの場合には家電等機器3の効用Uが必ずゼロになるので、個別の効用のうちのいずれかがゼロであれば稼働している若しくはその状態を維持している必要性は低いと考えられるという実感にあった制御が行われる。
そして、S17の処理として、Pn−Pug>Ptの場合には、コントローラ1は、S2の処理において把握されて制御部1aに入力され保持されている各家電等機器3の運転状態に基づいて電源がオンになっている家電等機器3のうち家電等機器の効用Uが最も低いものを特定し、特定された家電等機器3の運転状態を変更する運転制御指令を通信部1bによって家電等機器3に対して送信する(S17)。なお、各家電等機器3の消費電力が予め把握されている場合には、Pn≦Pugになるまで家電等機器の効用Uが低い順に場合によっては複数の家電等機器3の運転状態を一括して変更するようにしても良い。
一方、Pug−Pn>Ptの場合には、コントローラ1は、S2の処理において把握されて制御部1aに入力され保持されている各家電等機器3の運転状態に基づいて電源がオンになっている家電等機器3についての運転状態の変更による家電等機器の効用U及び電源がオフになっている家電等機器3についての電源オンによる家電等機器の効用Uのうち効用Uが最も高いものを特定し、特定された家電等機器3の運転状態を変更する若しくは電源をオンにする運転制御指令を通信部1bによって家電等機器3に対して送信する(S17)。なお、各家電等機器3の消費電力が予め把握されている場合には、Pn≦Pugの範囲で家電等機器の効用Uが高い順に場合によっては複数の家電等機器3の運転状態を一括して変更するようにしても良い。
このように、家電等機器3の運転制御としては、電源のオフやオンに限らず、種々の運転状態の変更が対象になり得る。具体的には例えば、空調器具・装置であれば設定温度を変更するようにしても良いし、照明器具・装置であれば設定照度を変更するようにしても良い。
すなわち、本発明では、運転制御の対象となる家電等機器3の特定と運転制御の内容(例えば、電源オン/オフの切り替え,設定温度や設定風量の変更,照明の設定照度変更等)とが家電等機器3の運転制御指令として決定され、コントローラ1の通信部1bによって送信される。
続いて、運転制御指令の対象である家電等機器3において運転制御が行われる(S18)。
具体的には、S17の処理においてコントローラ1から送信された運転制御指令を通信部3bによって受信した当該運転制御指令の対象である家電等機器3の制御部3aは当該運転制御指令の内容に沿った運転制御を行う。
このS18の処理において運転制御の対象になる家電等機器3の名称及び運転制御の内容を指示装置2の表示部2cに表示し、ユーザの承認が得られてから運転制御を実際に行うようにしても良い。指示装置2の表示部2cに予め表示することにより、ユーザから見えない家電等機器3や運転状態が変更されたことが分かりづらい家電等機器3の運転制御が勝手に行われてしまうというユーザの不安を低減させることができる。
なお、このS18の処理によって運転状態が変更された家電等機器3の運転状態が変更されたまま(例えば、電源が切られたまま,設定温度が変更されたまま,設定照度が変更されたまま等)では支障がある場合などには、当該家電等機器3が当該家電等機器3自体のスイッチやリモコン操作部を有していれば、ユーザは当該家電等機器3の運転状態を手動で変更することもできる。そして、インタラクション効用UIの手動による操作からの経過時間についての効用を設定して家電等機器3の効用Uの算定において考慮するようにすることにより、手動で運転状態を変更することによって効用Uが非常に高くなるので、手動で運転状態が変更された家電等機器3が次回以降のターンにおいて再び運転状態が変更される可能性を小さくすることができる。
また、本発明の上述の仕組みによれば、消費電力上限のユーザ設定値Puを小さくすることによって或る家電等機器3の運転状態が自動的に変更されたとしても、消費電力上限のユーザ設定値Puを元に戻すことによって当該家電等機器3の運転状態を変更前の状態に戻すことができる。このように、家電等機器3の運転状態を自動的に元に戻すことができるということは、消費電力の抑制に対する抵抗感を低減させると共に安心感を向上させる効果が期待される。
そして、S18の処理の後、コントローラ1はS2の処理に戻り、S2以降の処理が繰り返される。
以上のように構成された本発明の消費電力の調節システムによれば、ユーザからの消費電力上限の設定値Puの変更指示が与えられたときに、総消費電力Pn及び消費電力上限の設定値Pu(Pug)並びに家電等機器3毎の効用Uに基づいて運転制御指令を決定するようにしているので、消費電力の抑制量を達成するための家電等機器3の運転制御の内容が自動的に決定され、個々の家電等機器3を個別に操作することなしに機器群全体についての総消費電力の抑制量の目標(節電目標)の状態を作り出すことができる。
さらに、上述の実施形態のように構成された消費電力の調節システムによれば、頻繁に操作される家電等機器3や最近において操作された家電等機器3の効用Uが高くなるので、このような家電等機器3が本発明による自動的な運転制御の対象になる可能性を低減させることができる。
また、上述の実施形態のように構成された消費電力の調節システムによれば、その時々における総消費電力Pn及び消費電力上限の設定値Pu(Pug)を視覚によって確認しながらユーザは消費電力上限の設定値Pu(Pug)を変更することができ、操作性を向上させて活用の促進を図ることができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では本発明を実行するための各処理の順番が図1のプロセス図及び図2のフロー図に従うとして説明したが、本発明を実行するための各処理の順番は図1のプロセス図及び図2のフロー図に限定されるものではない。具体的には例えば、各家電等機器3の運転状態の把握(P1,S2)の処理は運転制御する家電等機器の決定(P6,S17)の処理よりも前であればいずれの段階でも良い。
また、コントローラ1と指示装置2との処理(作業)分担は上述の実施形態における分担に限定されるものではない。具体的には例えば、指示装置2は、S7〜S12の処理のうち消費電力上限のユーザ設定値Puの値の表示及びユーザによる消費電力上限のユーザ設定値の変更指示のコントローラ1への送信のみを行い、他の処理は全てコントローラ1が行うようにしても良い。この場合には、指示装置2は少なくとも上述の実施形態における処理を行うような処理部2bは必要ない。この場合には、また、指示装置2が複数在る場合には必要に応じ、各指示装置2に対して識別子を付与してコントローラ1において当該識別子毎に管理するようにする。
また、上述の実施形態では指示装置2が表示部2cを有するようにしているが、指示装置2は表示部2cを有しなくても良い。すなわち、指示装置2には表示部2cがなくても入力部2aがあれば、消費電力の抑制量を視覚で確認することはできないものの、本発明による消費電力の抑制自体は行うことができる。
また、上述の実施形態ではコントローラ1は表示部を有しないようにしているが、コントローラ1を表示部を有するものとして構成し、当該表示部に現在の総消費電力Pnの値や消費電力上限のグループ設定値Pugの値などを表示するようにしても良い。コントローラ1を表示部を有するものとして構成することは、上記のように指示装置2が表示部2cを有しないようにする場合に特に有益である。
また、上述の実施形態ではコントローラ1と指示装置2とが別体として各々備えられることを前提として説明したが、コントローラ1と指示装置2とを一体として構成するようにしても良い。すなわち、消費電力の調節システムの一つの系に対して一つのコントローラ1を備える一方で指示装置2は備えないようにし、上述の実施形態における指示装置2の入力部2aに相当する機能をコントローラ1が更に備えると共に指示装置2の処理部2bが行っていた処理をコントローラ1の制御部1bが行うようにしても良い。なおこの場合にはコントローラ1が表示部を備えるようにしても良い。
また、上述の実施形態では指示装置2が例えば図4から図6までに示されるような携帯端末型であって複数在る場合を例として挙げたが、指示装置2の形態は図4から図6までに示される形態に限られるものではなく、また、携帯端末型に限られるものではなく、さらに、消費電力の調節システムの一つの系に対して指示装置2は一つのみであっても構わない。具体的には例えば、指示装置2の表示部2cは表示のみの機能を有する液晶画面であると共にダイヤルやボタンによって入力部2aが構成されるようにしても良い。また、消費電力の調節システムの一つの系に対して指示装置2を一つのみ設けるようにすると共にこの場合の指示装置2を卓上設置型や壁面取付型にしても良い。
また、上述の実施形態では家電等機器3毎に計算される効用Uに基づいて運転制御を行う家電等機器3を決定するようにしているが、運転制御を行う家電等機器3の決定に学習機能も適用するようにしても良い。具体的には例えば、消費電力上限のユーザ設定値Puが小さい値に変更された際に効用が低いので本発明の仕組みによって自動的に電源をオフしたにもかかわらず電源オフ直後に手動で電源がオンされる回数が多い家電等機器3については、家電等機器の効用Uを割り増したり、或る特定の効用(例えば、機器と人間との間の距離についての効用)を割り増したりするようにしても良い。
また、上述の実施形態ではS17の処理において家電等機器3毎の効用Uは相互に独立であるとして各効用Uを単純に比較して運転制御の対象とする家電等機器3を特定するようにしているが、運転制御の対象とする家電等機器3の特定の方法はこれに限られるものではなく、家電等機器3の効用Uは家電等機器3相互に影響し合って変化し得るものであることを考慮し、各家電等機器3の運転状態を個別に変更した場合の他の家電等機器との関係を考慮した家電等機器3の効用Uの変化を比較して運転制御の対象とする家電等機器3を特定するようにしても良い。
本発明の消費電力の調節システムの具体的な構成例を図10を用いて説明する。
本実施例では、家電等機器3としてエアコン3A,テレビ3B,照明(居間)3C,照明(寝室)3D,照明(台所)3E,電気ポット3Fが設けられている。そして、エアコン3A,テレビ3B,各照明3C,3D,3Eは分電盤7から配電されるコンセントから電力の供給を受けていると共に、電気ポット3Fは分電盤7から配電されるコンセントに取り付けられるリモコンコンセント8を介して電力の供給を受けている。
また、エアコン3A,テレビ3B,各照明3C,3D,3Eは赤外線リモコンによって操作可能な機器であり、これら家電等機器3A,3B,3C,3D,3Eの通信部3bは各家電等機器3に元より備えられている赤外線リモコン信号受信部によって構成される。
一方、電気ポット3Fはリモコンコンセント8に接続されて電力の供給を受けている。このリモコンコンセント8は、赤外線リモコンから発信されるリモコンコード(赤外線リモコン信号)によって、接続されている家電等機器3への電力の供給と遮断との操作が可能な機器である。そして本実施例においては、電気ポット3Fの通信部3bがリモコンコンセント8が有する赤外線リモコン信号受信部によって構成されている。
また、本実施例では、コントローラ1の制御部1a並びに指示装置2の処理部2b及び表示部2cがパソコンによって構成されていると共に、コントローラ1の通信部1bがパソコンに接続された赤外線発信装置によって構成されている。
この赤外線発信装置1bは、各家電等機器3A,3B,3C,3D,3E及びリモコンコンセント8を操作するためのリモコンコードを予め学習し、パソコン1aからの家電等機器3の運転制御指令の入力を受け、エアコン3A,テレビ3B,各照明3C・3D・3E,リモコンコンセント8に接続している電気ポット3Fを運転制御指令の内容に沿った運転状態にするように操作するリモコンコード(赤外線リモコン信号)を発信する。
また、本実施例では、指示装置2の入力部2aがパソコン1aに接続された回転式のつまみによって構成されている。そして、回転式のつまみ2aとパソコンとは信号回線(有線)で接続され、指示装置2としての回転式のつまみとコントローラ1としてのパソコンとの間の通信に係る指示装置2の通信部2dとコントローラ1の通信部1bとが当該信号回線を含む双方の信号入出力機構によって構成されている。
また、本実施例では、各家電等機器3の消費電力として定格若しくは機器毎に個別に計測した値をパソコンに予め入力して記憶させておく。そして、現在の総消費電力Pnは、消費電力の調節システムの稼働開始時において各家電等機器3の運転状態がパソコンに入力され、前記定格若しくは個別計測値の合計として与えられる。
本発明の消費電力の調節システムの具体的な他の構成例を図11を用いて説明する。
本実施例では、家電等機器3としてエアコン3A,テレビ3B,照明(居間)3C,照明(寝室)3D,照明(台所)3E,電気ポット3F,電気冷蔵庫3G,電気スタンド3Hが設けられている。そして、エアコン3A,テレビ3B,各照明3C,3D,3Eは分電盤7から配電されるコンセントから電力の供給を受けていると共に、電気ポット3F,電気冷蔵庫3G,電気スタンド3Hは分電盤7から配電されるコンセントに取り付けられるスマートタップ9を介して電力の供給を受けている。
また、本実施例では、コントローラ1の制御部1a並びに指示装置2の処理部2b及び表示部2cがパソコンによって構成されていると共に、コントローラ1としてのパソコンとエアコン3A,テレビ3B,各照明3C,3D,3Eとの間の通信に係るコントローラ1の通信部1bがパソコンに接続された赤外線発信装置によって構成されている。この赤外線発信装置1bに纏わる構成は上述の実施例1と同様である。
また、指示装置2の入力部2a及び通信部2dに纏わる構成も上述の実施例1と同様である。
そして、エアコン3A,テレビ3B,各照明3C,3D,3Eは赤外線リモコンによって操作可能な機器であり、これら家電等機器3A,3B,3C,3D,3Eの通信部3bは各家電等機器3に元より備えられている赤外線リモコン信号受信部によって構成される。
一方、電気ポット3F,電気冷蔵庫3G,電気スタンド3Hはスマートタップ9に接続されて電力の供給を受けている。このスマートタップ9は、複数のコンセント差込口を有し、外部から入力された指令信号に基づいて、接続されている家電等機器3それぞれへの電力の供給と遮断との操作を個別に行うことが可能な機器である。本実施例では、スマートタップ9は、パソコン1aと接続され、コントローラ1の制御部1aとしてのパソコン1aからの指令信号に基づいて電気ポット3Fと電気冷蔵庫3Gと電気スタンド3Hとのそれぞれへの電力の供給と遮断との操作を個別に行う。なお、パソコン1aとスマートタップ9とは、図11に示すように例えばUSBケーブル等の有線によって接続されるようにしても良いし、無線通信機能によって接続されるようにしても良い。
そして本実施例においては、コントローラ1としてのパソコンと電気ポット3F,電気冷蔵庫3G,電気スタンド3Hとの間の通信に係るコントローラ1の通信部1b及び前記の家電等機器3に係る通信部3bがパソコンとスマートタップ9との間の通信機構・信号入出力機構によって構成されている。
また、本実施例では、分電盤7に接続された変流器10によって電流が計測されると共に当該変流器10に接続された無線通信器によって電流値がパソコン1aに入力され、当該電流値に基づいて現在の総消費電力Pnが算定される。
本発明の消費電力の調節システムの具体的な更に他の構成例を図12を用いて説明する。
本実施例は、各家電等機器3の効用Uを計算するために必要なデータを計測・取得するための計測機器4として温度計・湿度計4A,照度計4B,レーザセンサ4C並びにこれら計測機器4によって計測・取得された各種データを記憶するためのサーバ11を更に備えるほかは、上述の実施例2と同様である。
本実施例では、計測機器4として温度計・湿度計4A,照度計4B,レーザセンサ4Cを備え、これら計測機器4A,4B,4Cによって計測・取得されたデータが無線通信によってデータサーバ11に入力されて記憶される。
温度計・湿度計4Aは室温や室内湿度を計測し、これらデータが例えば空調器具・装置の環境効用UEを計算する際に利用される。また、照度計4Bは室内照度を計測し、このデータが例えば照明器具・装置の環境効用UEを計算する際に利用される。
また、レーザセンサ4Cは、当該センサが設置された例えば部屋内に人間が居るか居ないかや人間が居る場合にその位置を計測する。そして、これらデータが例えば照明器具・装置や空調器具・装置の人間状態効用UHを計算する際に利用される。
なお、本実施例では、各計測機器4によって計測されたデータが外部記憶装置であるサーバ11に集積されるようにしているが、各計測機器4からコントローラ1の制御部1aとしてのパソコンに直接送信するようにしても良い。
1 コントローラ
1a 制御部
1b 通信部
2 指示装置
2a 入力部
2b 処理部
2c 表示部
2d 通信部
3 家電等機器
3a 制御部
3b 通信部
4 計測機器
4a 制御部
4b 通信部

Claims (3)

  1. 制御部及び通信部を有するコントローラと、入力部及び通信部を有する少なくとも一つの指示装置とを備え、前記コントローラの通信部を介して前記コントローラの制御部に電気で稼働する機器の運転状態が入力されると共に前記コントローラの制御部が前記電気で稼働する機器を少なくとも含む機器群全体での総消費電力を把握し、前記指示装置の入力部を介してユーザからの消費電力上限の設定値の変更指示が与えられたときに、前記指示装置の通信部及び前記コントローラの通信部を介して前記消費電力上限の設定値の変更指示が前記コントローラの制御部に与えられ、前記コントローラの制御部が前記電気で稼働する機器毎の効用を計算すると共に前記総消費電力及び前記消費電力上限の設定値並びに前記効用に基づいて前記電気で稼働する機器の運転制御指令を決定し、前記コントローラの通信部が前記運転制御指令を送信することを特徴とする消費電力の調節システム。
  2. 前記電気で稼働する機器毎の効用に、手動で操作した時からの経過時間によって変化する効用を含むことを特徴とする請求項1記載の消費電力の調節システム。
  3. 前記指示装置が表示部を更に有し、当該表示部に前記総消費電力及び前記消費電力上限の設定値が表示されることを特徴とする請求項1記載の消費電力の調節システム。
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