JP2013253121A - 遅延蛍光材料、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子および化合物 - Google Patents

遅延蛍光材料、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子および化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2013253121A
JP2013253121A JP2012091348A JP2012091348A JP2013253121A JP 2013253121 A JP2013253121 A JP 2013253121A JP 2012091348 A JP2012091348 A JP 2012091348A JP 2012091348 A JP2012091348 A JP 2012091348A JP 2013253121 A JP2013253121 A JP 2013253121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
general formula
fluorescent material
substituted
delayed fluorescent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012091348A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5828518B2 (ja
Inventor
Tetsuya Nakagawa
哲也 中川
Chihaya Adachi
千波矢 安達
Wong Ken-Tsung
ツン ワン ケン
Sung-Yu Ku
ユ クゥ サン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyushu University NUC
Original Assignee
Kyushu University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyushu University NUC filed Critical Kyushu University NUC
Priority to JP2012091348A priority Critical patent/JP5828518B2/ja
Publication of JP2013253121A publication Critical patent/JP2013253121A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5828518B2 publication Critical patent/JP5828518B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】発光効率が高い新規遅延蛍光材料の提供。
【解決手段】下記一般式で表される化合物からなる遅延蛍光材料。
Figure 2013253121

[R1〜R8の少なくとも1つは電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基で、他は水素原子を表し、R9〜R16の少なくとも1つはシアノ基で、他は水素原子を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、発光効率が高い新規遅延蛍光材料とそれを発光層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)に関する。また本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に用いる化合物にも関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率を高める研究が盛んに行われている。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する電子輸送材料、ホール輸送材料、発光材料などを新たに開発して組み合わせることにより、発光効率を高める工夫が種々なされてきている。その中には、スピロビフルオレン骨格を有する化合物を利用した有機エレクトロルミネッセンス素子に関する研究も見受けられ、これまでにも幾つかの提案がなされてきている。
例えば特許文献1には、スピロビフルオレン骨格を有する化合物を正孔遮蔽層に用いたリン光有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。また、特許文献2には、カルバゾール基が2つ結合したスピロビフルオレン骨格を有する化合物を発光層のホスト材料として用いた有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。さらに、特許文献3には、フェニルビニル基やフェニル基で置換されたスピロビフルオレン骨格を有する化合物を発光層のホスト材料として用いた有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。また、特許文献4には、ビフェニル基で置換されたスピロビフルオレン骨格を有する化合物だけで構成される発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。また、特許文献5には、1〜3個のスピロビフルオレン環で置換されたベンゼンまたはナフタレン化合物だけで構成される発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。また、特許文献6には、3〜6個のスピロビフルオレン環で置換されたベンゼン化合物だけで構成される発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。
特表2006−528836号公報 特開2010−27681号公報 特開2001−307879号公報 特開平7−278537号公報 特開2002−121547号公報 特開2006−256982号公報
このようにスピロビフルオレン骨格を有する化合物については、これまで種々の検討がなされており、有機エレクトロルミネッセンス素子への応用に関する幾つかの提案がなされている。しかしながら、スピロビフルオレン骨格を有する化合物のすべてについて網羅的な研究がされ尽くされているとは言えない。特に、スピロビフルオレン骨格を有する化合物の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料としての用途については、ほんの一部の化合物について有用性が確認されているに過ぎない。また、スピロビフルオレン骨格を有する化合物の化学構造とその化合物の発光材料としての有用性の間には、明確な関係が見出されるに至っておらず、化学構造に基づいて発光材料としての有用性を予測することは困難な状況にある。さらに、スピロビフルオレン骨格を有する化合物は、合成が必ずしも容易ではないことから、化合物を提供すること自体に困難が伴うこともある。本発明者らはこれらの課題を考慮して、スピロビフルオレン骨格を有する種々の化合物を合成して、その有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料としての有用性を詳細に評価することを目的として検討を進めた。また、発光材料として有用な化合物の一般式を導きだし、発光効率が高い有機エレクトロルミネッセンス素子の構成を一般化することも目的として鋭意検討を進めた。
上記の目的を達成するために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、スピロビフルオレン骨格を有する特定の化合物に、有機エレクトロルミネッセンス素子の遅延蛍光材料として優れた性質があることを見出した。本発明者らは、この知見に基づいて、上記の課題を解決する手段として、以下の本発明を提供するに至った。
[1] 下記一般式(1)で表される化合物からなる遅延蛍光材料。
Figure 2013253121
[一般式(1)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、各々独立に水素原子、または電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であって、少なくとも1つは電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基を表す。R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、各々独立に水素原子またはシアノ基であって、少なくとも1つはシアノ基を表す。]
[2] 一般式(1)のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の少なくとも2つが電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であることを特徴とする[1]に記載の遅延蛍光材料。
[3] 一般式(1)のR1、R2、R3およびR4の少なくとも1つが電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であって、R5、R6、R7およびR8の少なくとも1つが電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であることを特徴とする[1]に記載の遅延蛍光材料。
[4] 一般式(1)のR2およびR3の少なくとも1つが電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であって、R6およびR7の少なくとも1つが電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であることを特徴とする[1]に記載の遅延蛍光材料。
[5] 一般式(1)のR2またはR3が電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であって、R6またはR7が電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であることを特徴とする[1]に記載の遅延蛍光材料。
[6] R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の少なくとも1つは、下記一般式(2)で表される基であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の遅延蛍光材料。
Figure 2013253121
[一般式(2)において、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29およびR30は、各々独立に水素原子、または電子供与基を表す。]
[7] 一般式(2)のR21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29およびR30が、各々独立に水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基であることを特徴とする[6]に記載の遅延蛍光材料。
[8] 一般式(1)のR9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16の少なくとも2つがシアノ基であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の遅延蛍光材料。
[9] 一般式(1)のR9、R10、R11およびR12の少なくとも1つがシアノ基であって、R13、R14、R15およびR16の少なくとも1つがシアノ基であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の遅延蛍光材料。
[10] 一般式(1)のR10またはR11がシアノ基であって、R14またはR15がシアノ基であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の遅延蛍光材料。
[11] 一般式(1)のR2およびR7が電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であって、R10およびR15がシアノ基であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれか一項に記載の遅延蛍光材料。
[12] 陽極、陰極、および前記陽極と前記陰極の間に発光層を含む少なくとも1層の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の遅延蛍光材料を前記発光層に含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
[13] 下記の構造を有する化合物。
Figure 2013253121
本発明の遅延蛍光材料は、スピロビフルオレン骨格を有する初めての遅延蛍光材料である。本発明の遅延蛍光材料を発光材料として用いれば、発光効率が高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成を示す概略断面図である。 実施例1における共蒸着膜の発光スペクトルである。 実施例1におけるPL過渡減衰を示すグラフである。 実施例1における有機エレクトロルミネッセンス素子の発光スペクトルである。 実施例1における温度と発光効率の関係を示すグラフである。 実施例1における長寿命発光の単寿命発光に対する強度比と温度の逆数との関係を示すグラフある。 実施例1における電流密度と外部量子効率の関係を示すグラフである。 実施例1における電流密度−電圧−輝度(J-V-L)特性を示すグラフである。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[一般式(1)で表される化合物]
本発明の遅延蛍光材料は、下記一般式(1)で表される化合物からなることを特徴とする。そこで、一般式(1)で表される化合物について、まず説明する。
Figure 2013253121
一般式(1)のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、各々独立に水素原子、または電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基を表す。ただし、これらの少なくとも1つは電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基を表す。これらの2つ以上がジアリールアミノ基を表すとき、2つ以上のジアリールアミノ基は同一であっても異なっていてもよい。好ましいのは、同一である場合である。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8のうち、ジアリールアミノ基を表すものはR2、R3、R4、R5、R6およびR7のいずれか1つ以上、望ましくは2つ以上であることが好ましく、R2、R3、R6およびR7のいずれか1つ以上、望ましくは2つ以上であることがより好ましい。さらに好ましくは、R2、R3、R6およびR7のいずれか1つ以上、望ましくは2つ以上であり、2つである場合はR2およびR3のいずれか1つと、R6およびR7のいずれか1つであることが好ましい。
ジアリールアミノ基に置換基として結合していてもよい電子供与基は、芳香環に結合したときに電子を芳香環に対して供与する性質を有する基である。電子供与基は、芳香族基、ヘテロ芳香族基、脂肪族基のいずれであってもよく、これらの2つ以上が複合した基であってもよい。電子供与基の例として、アルキル基(直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよく、好ましくは炭素数1〜6であり、より好ましくは炭素数1〜3であり、具体例としてメチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基を挙げることができる)、アルコキシ基(直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよく、好ましくは炭素数1〜6であり、より好ましくは炭素数1〜3であり、具体例としてメトキシ基を挙げることができる)、アミノ基または置換アミノ基(好ましくは芳香族基で置換されたアミノ基であり、具体例としてジフェニルアミノ基、アニリル基、トリルアミノ基を挙げることができる)、アリール基(単環でも融合環でもよいし、さらにアリール基で置換されていてもよく、具体例としてフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基を挙げることができる)、複素環構造を含む電子供与基(好ましくは窒素原子または硫黄原子を含む複素環構造を含む電子吸引基であり、具体例として、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、ジュロリジル基、ピロリル基、インドリル基、カルバゾリル基を挙げることができる)等を挙げることができる。これらの中では、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。電子供与基は、例えばσp値が−0.06以下であるものが好ましく、−0.14以下であるものがより好ましく、−0.28以下であるものがさらに好ましい。
ジアリールアミノ基を構成する2つのアリール基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、アリール基はベンゼン環を有するものであっても、融合環を有するものであってもよい。融合環としては、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環を挙げることができる。
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、水素原子、または下記一般式(2)で表される基であることが好ましい。
Figure 2013253121
一般式(2)において、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29およびR30は、各々独立に水素原子、または電子供与基を表す。ここでいう電子供与基の説明と好ましい範囲については、上記の一般式(1)における電子供与基の説明と好ましい範囲を参照することができる。一般式(2)が電子供与基を有するときの電子供与基の置換位置は、R21、R22、R23、R24およびR25のいずれか1つ以上と、R26、R27、R28、R29およびR30のいずれか1つ以上であることが好ましい。電子供与基の置換位置の具体例として、R21およびR26の2つ、R22およびR27の2つ、R23およびR28の2つ、R21、R25、R26およびR30の4つ、R21、R23、R26およびR28の4つ、R22、R24、R27およびR29の4つ、R21、R23、R25、R26、R28およびR30の6つなどが挙げられる。
一般式(1)におけるシアノ基の置換位置は、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16のうち、R10、R11、R12、R13、R14およびR15のいずれか1つ以上、望ましくは2つ以上であることが好ましく、R10、R11、R14およびR15のいずれか1つ以上、望ましくは2つ以上であることがより好ましい。さらに好ましくは、R10、R11、R14およびR15のいずれか1つ以上、望ましくは2つ以上であり、2つである場合はR10およびR11のいずれか1つと、R14およびR15のいずれか1つであることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の分子量は、例えば該化合物を含む有機層を蒸着法により製膜して利用することを意図する場合には、1500以下であることが好ましく、1200以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、800以下であることがさらにより好ましい。分子量の下限値については、例えば350以上とすることができる。
以下において、一般式(1)で表される化合物の具体例を例示するが、本発明において用いることができる一般式(1)で表される化合物はこれらの具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。なお、表中において、CNはシアノ基を表し、Hは水素原子を表す。
Figure 2013253121
Figure 2013253121
Figure 2013253121
一般式(1)で表される化合物のうち、上記化合物1は後掲の合成例1にしたがって合成することができる。すなわち、2,7−ジシアノスピロビフルオレンをヨウ化剤でジヨード化することにより2’、7’−ジヨウ化−2,7−ジシアノスピロビフルオレンとし、さらにジp−トリルアミンと反応させることによって合成することができる。
一般式(1)で表される化合物は、既知の化合物合成法を組み合わせることにより合成することも可能である。また反応条件は、公知の反応条件を選択して採用することができる。
[有機エレクトロルミネッセンス素子]
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極、陰極、および陽極と陰極の間に有機層を有する構造を備えている。有機層は、少なくとも発光層を含むものであり、発光層のみからなるものであってもよいし、発光層の他に1層以上の有機層を有するものであってもよい。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光層に一般式(1)で表される化合物を含むものである。
一般式(1)で表される化合物を、熱活性化遅延蛍光材料として有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層に用いれば、高い発光効率を従来よりも安価に達成しうる。従来は、発光効率が高い有機エレクトロルミネッセンス素子を製造するために、励起子生成効率が高いリン光材料を用いた研究が活発に行われてきた。しかしながら、リン光材料を用いる場合は、IrやPtといった希少金属を利用する必要があるため、コストが高くなるという問題があった。遅延蛍光材料を用いれば、このような高価な材料を必要としないため、発光効率が高い有機エレクトロルミネッセンス素子を安価に提供することが可能になる。特に一般式(1)で表される化合物は、T1レベルとS1レベルのエネルギー差(ΔEST)が従来の遅延蛍光材料と比べて極めて小さい。そして、一般式(1)で表される化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、従来は低かった外部量子効率を飛躍的に高めることができる。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、電流効率、電力効率、輝度のいずれも極めて高く、現時点における世界最高水準に達するものであり、極めて有用である。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも陽極と有機層と陰極を積層した構造を有するものである。単層型有機エレクトロルミネッセンス素子の場合は、陽極と陰極の間に発光層だけを備えているが、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子には複数の有機層を備えていることが好ましい。発光層以外の有機層は、その機能に応じて、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロック層、発光層、ホールブロック層、電子輸送層、電子注入層などと呼ばれ、既知の材料を適宜組み合わせて用いることができる。陽極と陰極を含めた具体的な構成例として、陽極\発光層\陰極、陽極\ホール注入層\発光層\陰極、陽極\ホール注入層\ホール輸送層\発光層\陰極、陽極\ホール注入層\発光層\電子注入層\陰極、陽極\ホール注入層\ホール輸送層\発光層\電子注入層\陰極、陽極\ホール注入層\発光層\電子輸送層\電子注入層\陰極、陽極\ホール注入層\ホール輸送層\発光層\電子輸送層\電子注入層\陰極、陽極\発光層\電子注入層\陰極、陽極\発光層\電子注入層\電子輸送層\陰極、陽極\ホール注入層\発光層\ホール阻止層\電子注入層\陰極を挙げることができる。これらの陽極\有機層\陰極の構造は、基板の上に形成することができる。なお、本発明で採用することができる構成はこれらに限定されるものではない。また、一般式(1)で表される化合物は発光層に用いることが特に好ましいが、一般式(1)で表される化合物を電荷輸送材料等として発光層以外の有機層に用いることを排除するものではない。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する各有機層や電極を製造する際には、既知の製造方法を適宜選択して採用することができる。また、各有機層や電極には、既知の有機エレクトロルミネッセンス素子に採用されている種々の材料を選択して用いることができる。さらに、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子には、公知の技術や公知の技術から容易に想到しうる様々な改変を必要に応じて加えることができる。以下において、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する代表的な材料について説明するが、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子に用いることができる材料は以下の記載によって制限的に解釈されることはない。
(基板)
基板は、陽極\有機層\陰極の構造を支える支持体として機能するとともに、陽極\有機層\陰極の構造を製造する際の基板として機能するものである。基板は、透明材料で構成されていても、半透明ないし不透明な材料で構成されていてもよい。陽極側から発光を取り出す場合は、透明な基板を用いることが好ましい。基板を構成する材料として、ガラス、石英、金属、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリスルホンを挙げることができる。可撓性を有する基板を用いれば、フレキシブルな有機エレクトロルミネッセンス素子とすることができる。
(陽極)
陽極は、有機層へ向けてホールを注入する機能を有する。そのような陽極としては、仕事関数が高い材料を用いることが好ましく、例えば4eV以上の材料を用いることが好ましい。具体的には、金属(例えば、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金)、金属酸化物(例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムと酸化スズの混合物[ITO]、酸化亜鉛と酸化インジウムの混合物[IZO])、ハロゲン化金属(例えば、ヨウ化銅)、カーボンブラックを挙げることができる。また、ポリアニリン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール等の導電性ポリマーを用いることも可能である。陽極側から発光を取り出す場合は、ITOやIZOなどの発光に対する透過率が高い材料を用いることが好ましい。透過率は、10%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。また、陽極の厚みは、通常は3nm以上であり、10nm以上であることが好ましい。上限値は、例えば1μm以下とすることができるが、陽極に透明性が要求されない場合はさらに厚くてもよく、例えば、上記の基板としての機能を陽極が兼ね備えるようにすることもできる。陽極は、例えば蒸着法、スパッタリング法、塗布法により形成することができる。導電性ポリマーを陽極に用いる場合は、電解重合法を用いて基板上に陽極を形成することも可能である。陽極の形成後は、ホール注入機能を向上させること等を目的として表面処理を行うことができる。表面処理の具体例として、プラズマ処理(例えば、アルゴンプラズマ処理、酸素プラズマ処理)、UV処理、オゾン処理などが挙げられる。
(ホール注入層およびホール輸送層)
ホール注入層は、ホールを陽極から発光層側へ輸送する機能を有する。ホール注入層は、一般に陽極の上に形成されることから、陽極表面との密着性に優れた層であることが好ましい。このため、薄膜形成能が高い材料で構成されることが好ましい。ホール輸送層は、ホールを発光層側へ輸送する機能を有している。ホール輸送層には、ホール輸送性に優れた材料から構成される。
ホール注入層およびホール輸送層には、ホール移動度が高くてイオン化エネルギーが小さいホール輸送材料を用いる。イオン化エネルギーは、例えば4.5〜6.0eVのものを好ましく選択することができる。ホール輸送材料としては、有機エレクトロルミネッセンス素子のホール注入層またはホール輸送層に用いることができるとされている種々の材料を適宜選択して用いることができる。ホール輸送材料は、繰り返し単位を有するポリマー材料であってもよいし、低分子化合物であってもよい。
ホール輸送材料として、例えば、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、シラン系重合体、アニリン系共重合体、チオフェン系重合体、ポルフィリン化合物を挙げることができる。
好ましいホール輸送材料として芳香族第三級アミン化合物を挙げることができ、具体的には、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−フェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−(メチルフェニル)−N,N’−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン、N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N’−ジフェニルベンジジン、N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−フェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン、N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−フェニル)−N,N’−ジ(1−ナフチル)ベンジジン、N,N’−ビス(4’−フェニル(1−ナフチル)アミノ−4−フェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン、N,N’−ビス(4’−フェニル(1−ナフチル)アミノ−4−フェニル)−N,N’−ジ(1−ナフチル)ベンジジン等を挙げることができる。また、好ましいホール輸送材料としてフタロシアニン系化合物を挙げることもでき、具体的には、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPcを挙げることができる[Pcはフタロシアニンを表す]。さらに、ポリ(エチレンジオキシ)チオフェン(PEDOT)、酸化モリブデン等の金属酸化物、公知のアニリン誘導体も好ましく用いることができる。
本発明で用いるホール輸送材料は、1層に1種のみを選択して用いてもよいし、1層に2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ホール注入層やホール輸送層は、例えば蒸着法、スパッタリング法、塗布法により形成することができる。ホール注入層やホール輸送層の厚みは、通常は3nm以上であり、10nm以上であることが好ましい。上限値は、例えば5μm以下とすることができる。
(発光層)
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層は、ホスト材料とドーパント材料を含むものであってもよいし、単一材料のみからなるものであってもよい。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層は、一般式(1)で表される化合物を含む。
発光層がホスト材料とドーパント材料を含むとき、濃度消光を防ぐために、ドーパント材料はホスト材料に対して10重量%以下で用いることが好ましく、6重量%以下で用いることがより好ましい。ドーパント材料およびホスト材料は、いずれも1種の材料を単独で用いてもよいし、2種以上の材料を組み合わせて用いてもよい。ドーピングは、ホスト材料とドーパント材料を共蒸着することにより行うことができるが、このときホスト材料とドーパント材料はあらかじめ混合しておいてから同時に蒸着してもよい。
発光層に用いられるホスト材料として、カルバゾール誘導体、キノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ジフェニルアントラセン誘導体等が挙げられる。これら以外にも、発光層のホスト材料として提案されているものを適宜選択して用いることができる。好ましいホスト材料として、例えば下記一般式(10)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2013253121
一般式(10)において、Zはq価の連結基を表し、qは2〜4のいずれかの整数を表す。R101およびR102は各々独立に置換基を表し、n101およびn102は各々独立に0〜4のいずれかの整数を表す。n101が2〜4のいずれかの整数であるとき、n101個のR101はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく、n102が2〜4のいずれかの整数であるとき、n102個のR102はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。さらに、q個の各構造単位におけるR101、R102、n101およびn102は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(10)におけるR101およびR102が表す置換基として、例えば置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基を挙げることができる。好ましいのは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基であり、より好ましいのは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基である。
n101およびn102は、各々独立に0〜3のいずれかの整数であることが好ましく、0〜2のいずれかの整数であることがより好ましい。また、n101およびn102がいずれも0であるものも好ましい。
一般式(10)におけるZは、芳香環または複素環を含む連結基であることが好ましい。芳香環は、単環であっても、2以上の芳香環が融合した融合環であってもよい。芳香環の炭素数は、6〜22であることが好ましく、6〜18であることがより好ましく、6〜14であることがさらに好ましく、6〜10であることがさらにより好ましい。芳香環の具体例として、ベンゼン環、ナフタレン環を挙げることができる。複素環は、単環であっても、1以上の複素環と芳香環または複素環が融合した融合環であってもよい。複素環の炭素数は5〜22であることが好ましく、5〜18であることがより好ましく、5〜14であることがさらに好ましく、5〜10であることがさらにより好ましい。複素環を構成する複素原子は窒素原子であることが好ましい。複素環の具体例として、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環を挙げることができる。一般式(10)におけるZは、芳香環または複素環を含むとともに、非芳香族連結基を含んでいてもよい。そのような非芳香族連結基として、以下の構造を有するものを挙げることができる。
Figure 2013253121
上記の非芳香族連結基におけるR107、R108、R109およびR110は、各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表し、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。
好ましいホスト材料として、例えば下記一般式(11)で表される化合物も挙げることができる。
Figure 2013253121
一般式(11)において、R111、R112およびR113は各々独立に置換基を表し、n111およびn112は各々独立に1〜4のいずれかの整数を表し、n113は1〜5のいずれかの整数を表す。少なくとも1つのR111、少なくとも1つのR112、および少なくとも1つのR113は、アリール基である。n111が2〜4のいずれかの整数であるとき、n111個のR111はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく、n112が2〜4のいずれかの整数であるとき、n112個のR112はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく、n113が2〜5のいずれかの整数であるとき、n113個のR113はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(11)におけるn111、n112およびn113は1〜3であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。
以下において、一般式(10)または一般式(11)で表される化合物の具体例を例示するが、本発明において用いることができる一般式(10)または一般式(11)で表される化合物はこれらの具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。
Figure 2013253121
(ホールブロック層)
ホールブロック層は、発光層を経由したホールが陰極側へ移動するのを防げる機能を有する。発光層と陰極側の有機層との間に形成されることが好ましい。ホールブロック層を形成する有機材料としては、アルミニウム錯体化合物、ガリウム錯体化合物、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体、キノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体を挙げることができる。具体的には、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(4−フェニルフェノラート)ガリウム、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等を挙げることができる。ホールブロック層には、1種の有機材料を選択して単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ホールブロック層は、例えば蒸着法、スパッタリング法、塗布法により形成することができる。ホールブロック層の厚みは、通常は3nm以上であり、10nm以上であることが好ましい。上限値は、例えば5μm以下とすることができる。
(電子注入層および電子輸送層)
電子注入層は、電子を陰極から発光層側へ輸送する機能を有する。電子注入層は、一般に陰極に接するように形成されることから、陰極表面との密着性に優れた層であることが好ましい。電子輸送層は、電子を発光層側へ輸送する機能を有している。電子輸送層には、電子輸送性に優れた材料から構成される。
電子注入層および電子輸送層には、電子移動度が高くてイオン化エネルギーが大きい電子輸送材料を用いる。電子輸送材料としては、有機エレクトロルミネッセンス素子の電子注入層または電子輸送層に用いることができるとされている種々の材料を適宜選択して用いることができる。電子輸送材料は、繰り返し単位を有するポリマー材料であってもよいし、低分子化合物であってもよい。
電子輸送材料として、例えば、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体、キノキサリン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体等を挙げることができる。好ましい電子輸送材料の具体例として、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5 −フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4’−tert− ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム等が挙げられる。
本発明で用いる電子輸送材料は、1層に1種のみを選択して用いてもよいし、1層に2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、電子注入層や電子輸送層は、例えば蒸着法、スパッタリング法、塗布法により形成することができる。電子注入層や電子輸送層の厚みは、通常は3nm以上であり、10nm以上であることが好ましい。上限値は、例えば5μm以下とすることができる。
(陰極)
陰極は、有機層へ向けて電子を注入する機能を有する。そのような陰極としては、仕事関数が低い材料を用いることが好ましく、例えば4eV以下の材料を用いることが好ましい。具体的には、金属(例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀)、合金(例えば、アルミニウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金)を挙げることができる。陰極側から発光を取り出す場合は、透過率が高い材料を用いることが好ましい。透過率は、10%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。また、陰極の厚みは、通常は3nm以上であり、10nm以上であることが好ましい。上限値は、例えば1μm以下とすることができるが、陰極に透明性が要求されない場合はさらに厚くてもよい。陰極は、例えば蒸着法、スパッタリング法により形成することができる。陰極の上には、陰極を保護するために保護層を形成することが好ましい。そのような保護層は、仕事関数が高くて安定な金属からなる層であることが好ましく、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属層を形成することができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、さらに様々な用途へ応用することが可能である。例えば、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いて、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を製造することが可能であり、詳細については、時任静士、安達千波矢、村田英幸共著「有機ELディスプレイ」(オーム社)を参照することができる。また、特に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、需要が大きい有機エレクトロルミネッセンス照明に応用することができる。
以下に合成例、試験例および製造例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下に示す材料、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(合成例1)
以下のスキームにしたがって、化合物1を合成した。
Figure 2013253121
化合物a(7.32g,20.00mmol)、I2(6.88g,27.20mmol)、ヨウ素酸(1.65g,9.40mmol)、濃硫酸(2mL)、クロロホルム(20mL)および酢酸(80mL)の混合物を60℃で12時間加熱した。室温に冷却した後に、クロロホルムと水に分配して有機相を取り出した後、水と炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン,Rf=0.33)で精製することにより、化合物bの白色粉末を得た(9.88g、収率80%)。
融点:373℃(DSC)
IR(KBr,cm-1):ν=825,932,999,1378,1444,1603,2217
1H NMR(400MHz,CDCl3,25℃):δ(ppm)=7.99(dd,3H,H=8.0,5H,H=0.8Hz,2H),7.78(dd,3H,H=6.4,4H,H=1.2Hz,2H),7.76(dd,3H,H=6.0,4H,H=1.6Hz,2H),7.61(d,3H,H=8.0Hz,2H),7.05(d,4H,H=0.8Hz,2H),6.94(d,4H,H=1.2Hz,2H)
13C NMR(100MHz,CDCl3,25℃):δ(ppm)=148.6,147.0,143.7,140.3,138.1,133.0,132.9,132.7,128.0,122.3,122.0,121.9,118.1,113.1,93.9,64.8,53.4
MS(FAB+)m/z(%):617.9(100)
質量分析(C271222):計算値617.9090;実測値617.9066
パラジウムジアセテート(0.02g,0.09mmol)、ジ−p−トリルアミン(0.68g,3.50mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.38g,3.95mmol)、1−ビフェニルジシクロヘキシルホスフィン(0.050g,0.15mmol)および化合物b(0.93g,1.50mmol)を混合して、110℃で24時間反応させることにより、化合物1を得た(680mg,収率56%)。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン,Rf=0.33)で精製した。
融点:313℃(DSC)
IR(KBr,cm-1):ν=809,1265,1465,1506,1598,2217
1H NMR(400MHz,CDCl3,25℃):δ(ppm)=7.80(d,3H,H=8.0Hz,2H),7.65(dd,3H,H=8.0,4H,H=1.2Hz,2H),7.54(d,3H,H=8.4Hz,2H),7.20(d,4H,H=0.8Hz,2H),7.96−7.93(m,10H),6.83(d,3H,H=8.4Hz,8H),6.32(d,4H,H=2.0Hz,2H),2.24ppm(s,12H)
13C NMR(100MHz,CDCl3,25℃):δ(ppm)=150.6,147.6,146.3,145.0,143.8,135.5,132.4,132.0,129.7,127.8,124.0,123.7,121.8,120.3,118.6,117.9,112.3,65.4,20.7
MS(FAB+)m/z(%):756.8(100)
HRMS(C59364):計算値756.3253;実測値756.3245
元素分析(C55404,%):計算値C87.27,H5.33,N7.40;実測値C87.33,H5.36,N7.29
(実施例1)
本実施例において、化合物1を用いて試験を行うとともに、図1に示す構造の有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(1)遅延蛍光の観測
6重量%の化合物1とmCPを共蒸着することにより石英基板上に製膜し、発光スペクトルを測定した(図2)。共蒸着膜は黄色発光を示し、PL量子収率は27%と高い値を示した。次に化合物1の熱活性化遅延蛍光特性を検討するために、ストリークカメラを用いて共蒸着膜のPL過渡減衰を300Kで測定した(図3)。PL過渡減衰曲線は2成分のフィッティングによく一致し、24nsの短寿命成分と24μsの長寿命成分が観測された。すなわち、化合物1によって、短寿命の蛍光に加え、長寿命成分に由来する熱活性化遅延蛍光が観測された。
(2)有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
ガラス1上にインジウム・スズ酸化物(ITO)2をおよそ30〜100nmの厚さで製膜し、さらにその上にN,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)3を60nmの厚さで製膜した。次いで、6重量%の化合物1と4,4−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)]ビフェニル(mCP)を共蒸着することによって発光層4を20nmの厚さで製膜した。さらにその上に、4,7−ジフェニル−1,10−フェノアントロリン(Bphen)5を厚さ40nmで製膜した。次いで、マグネシウム−銀(MgAg)6を100nm真空蒸着し、次いで銀(Ag)7を20nmの厚さに蒸着して、図1に示す層構成を有する有機エレクトロルミネッセンス素子とした。
製造した有機エレクトロルミネッセンス素子の発光スペクトルを測定した結果を図4に示す。最大電流で黄色発光を示した。温度と発光効率の関係を測定したところ図5に示すグラフが得られた。図5において、ΦTOTALは全発光、ΦTADF長寿命発光(遅延蛍光)、ΦPromptは単寿命発光を示す。温度上昇に伴ってΦTADFが大きくなっていることが確認され、T1からS1へ効率良く変換されていることが示された。図6は、温度の逆数と長寿命発光の単寿命発光に対する強度比との関係を示すグラフである(Berberan-Santos Plot)。T1レベルとS1レベルのエネルギー差(ΔEST)は0.057eVであり、従来の遅延蛍光材料と比べて極めて小さいことが確認された。図8は、電流密度と外部量子効率の関係を示すグラフである。従来1.4%程度であった外部量子効率は、本実施例では4.4%に達した。図9は、半導体パラメータ−アナライザーおよびパワーメータを用いて電流密度−電圧−輝度(J-V-L)特性を測定した結果を示すグラフである。電流効率13.5cd/A、電力効率13.0 lm/W、駆動電圧15Vにおいて12000cd/m2を達成した。
Figure 2013253121
(実施例2〜40)
実施例1と同様にして、化合物2〜40についても有用性を確認することができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、低コストで製造することが可能であり、高い発光効率で高輝度を実現しうるものである。また、本発明の遅延蛍光材料は、そのような有機エレクトロルミネッセンス素子用の発光材料として有用である。このため、本発明は産業上の利用可能性が高い。
1 ガラス
2 ITO
3 mCP
4 発光層
5 Bphen
6 MgAg
7 Ag

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物からなる遅延蛍光材料。
    Figure 2013253121
    [一般式(1)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、各々独立に水素原子、または電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であって、少なくとも1つは電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基を表す。R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、各々独立に水素原子またはシアノ基であって、少なくとも1つはシアノ基を表す。]
  2. 一般式(1)のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の少なくとも2つが電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であることを特徴とする請求項1に記載の遅延蛍光材料。
  3. 一般式(1)のR1、R2、R3およびR4の少なくとも1つが電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であって、R5、R6、R7およびR8の少なくとも1つが電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であることを特徴とする請求項1に記載の遅延蛍光材料。
  4. 一般式(1)のR2およびR3の少なくとも1つが電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であって、R6およびR7の少なくとも1つが電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であることを特徴とする請求項1に記載の遅延蛍光材料。
  5. 一般式(1)のR2またはR3が電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であって、R6またはR7が電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であることを特徴とする請求項1に記載の遅延蛍光材料。
  6. 1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の少なくとも1つは、下記一般式(2)で表される基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の遅延蛍光材料。
    Figure 2013253121
    [一般式(2)において、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29およびR30は、各々独立に水素原子、または電子供与基を表す。]
  7. 一般式(2)のR21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29およびR30が、各々独立に水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基であることを特徴とする請求項6に記載の遅延蛍光材料。
  8. 一般式(1)のR9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16の少なくとも2つがシアノ基であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の遅延蛍光材料。
  9. 一般式(1)のR9、R10、R11およびR12の少なくとも1つがシアノ基であって、R13、R14、R15およびR16の少なくとも1つがシアノ基であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の遅延蛍光材料。
  10. 一般式(1)のR10またはR11がシアノ基であって、R14またはR15がシアノ基であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の遅延蛍光材料。
  11. 一般式(1)のR2およびR7が電子供与基で置換されていてもよいジアリールアミノ基であって、R10およびR15がシアノ基であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の遅延蛍光材料。
  12. 陽極、陰極、および前記陽極と前記陰極の間に発光層を含む少なくとも1層の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、請求項1〜11のいずれか一項に記載の遅延蛍光材料を前記発光層に含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 下記の構造を有する化合物。
    Figure 2013253121
JP2012091348A 2011-07-15 2012-04-12 遅延蛍光材料、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子および化合物 Active JP5828518B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012091348A JP5828518B2 (ja) 2011-07-15 2012-04-12 遅延蛍光材料、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子および化合物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011157031 2011-07-15
JP2011157031 2011-07-15
JP2012091348A JP5828518B2 (ja) 2011-07-15 2012-04-12 遅延蛍光材料、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子および化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013253121A true JP2013253121A (ja) 2013-12-19
JP5828518B2 JP5828518B2 (ja) 2015-12-09

Family

ID=49950933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012091348A Active JP5828518B2 (ja) 2011-07-15 2012-04-12 遅延蛍光材料、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子および化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5828518B2 (ja)

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014532050A (ja) * 2011-09-28 2014-12-04 ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) 発光素子用のスピロビフルオレン化合物
JPWO2013011955A1 (ja) * 2011-07-15 2015-02-23 国立大学法人九州大学 遅延蛍光材料およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2015029964A1 (ja) * 2013-08-30 2015-03-05 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子、発光材料、発光性薄膜、表示装置及び照明装置
JP2015508568A (ja) * 2011-12-22 2015-03-19 サイノーラ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング Oled及び他の光電子デバイスのための有機分子
CN105778891A (zh) * 2016-03-11 2016-07-20 中节能万润股份有限公司 有机光电材料、其制备方法以及包括该有机材料的有机电致发光器件
US9660198B2 (en) 2011-07-15 2017-05-23 Kyulux, Inc. Organic electroluminescence element and compound used therein
JP2018501660A (ja) * 2014-12-31 2018-01-18 北京維信諾科技有限公司 有機エレクトロルミネッセンス素子
US10559757B2 (en) 2014-09-03 2020-02-11 Kyulux, Inc. Host material for delayed fluorescent materials, organic light-emitting device and compound
WO2020076796A1 (en) 2018-10-09 2020-04-16 Kyulux, Inc. Novel composition of matter for use in organic light-emitting diodes
TWI694065B (zh) * 2014-12-12 2020-05-21 德商麥克專利有限公司 具有使溶性基團之有機化合物
US10825992B2 (en) 2011-09-28 2020-11-03 Sumitomo Chemical Co., Ltd Spirobifluorene compounds for light emitting devices
WO2021157593A1 (ja) 2020-02-04 2021-08-12 株式会社Kyulux 組成物、膜、有機発光素子、発光組成物を提供する方法およびプログラム
US11101440B2 (en) 2015-07-01 2021-08-24 Kyushu University, National University Corporation Organic electroluminescent device
WO2021235549A1 (ja) 2020-05-22 2021-11-25 株式会社Kyulux 化合物、発光材料および発光素子
WO2022025248A1 (ja) 2020-07-31 2022-02-03 株式会社Kyulux 化合物、発光材料および発光素子
US11335872B2 (en) 2016-09-06 2022-05-17 Kyulux, Inc. Organic light-emitting device
WO2022168956A1 (ja) 2021-02-04 2022-08-11 株式会社Kyulux 化合物、発光材料および有機発光素子
US11476435B2 (en) 2017-08-24 2022-10-18 Kyushu University, National University Corporation Film and organic light-emitting device containing perovskite-type compound and organic light-emitting material
US11482679B2 (en) 2017-05-23 2022-10-25 Kyushu University, National University Corporation Compound, light-emitting lifetime lengthening agent, use of n-type compound, film and light-emitting device
WO2022244503A1 (ja) 2021-05-20 2022-11-24 株式会社Kyulux 有機発光素子
WO2022270602A1 (ja) 2021-06-23 2022-12-29 株式会社Kyulux 有機発光素子および膜
WO2022270354A1 (ja) 2021-06-23 2022-12-29 株式会社Kyulux 化合物、発光材料および有機発光素子
WO2023282224A1 (ja) 2021-07-06 2023-01-12 株式会社Kyulux 有機発光素子およびその設計方法
WO2023053835A1 (ja) 2021-09-28 2023-04-06 株式会社Kyulux 化合物、組成物、ホスト材料、電子障壁材料および有機発光素子
WO2023090288A1 (ja) 2021-11-19 2023-05-25 株式会社Kyulux 化合物、発光材料および発光素子

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108807709A (zh) * 2018-07-02 2018-11-13 京东方科技集团股份有限公司 一种发光二极管及其制作方法、显示基板、显示装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07278537A (ja) * 1994-04-07 1995-10-24 Hoechst Ag スピロ化合物およびエレクトロルミネセンス材料としてのそれらの使用
JPH11273863A (ja) * 1998-03-25 1999-10-08 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 有機電界発光素子
JP2004083483A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Canon Inc スピロ化合物及びそれを用いた有機発光素子
JP2006528836A (ja) * 2003-07-21 2006-12-21 メルク パテント ゲーエムベーハー 有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2009084268A1 (ja) * 2007-12-28 2009-07-09 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 芳香族アミン誘導体及びそれらを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07278537A (ja) * 1994-04-07 1995-10-24 Hoechst Ag スピロ化合物およびエレクトロルミネセンス材料としてのそれらの使用
JPH11273863A (ja) * 1998-03-25 1999-10-08 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 有機電界発光素子
JP2004083483A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Canon Inc スピロ化合物及びそれを用いた有機発光素子
JP2006528836A (ja) * 2003-07-21 2006-12-21 メルク パテント ゲーエムベーハー 有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2009084268A1 (ja) * 2007-12-28 2009-07-09 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 芳香族アミン誘導体及びそれらを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6015040733; Yuh-Yih Chien, Ken-Tsung Wong, Pi-Tai Chou and Yi-Ming Cheng: 'Synthesis and spectroscopic studies of spirobifluorene-bridged bipolar systems; photoinduced electro' Chemical Communications , 2002, 2874-2875 *
JPN6015040734; Wen-Yi Hung, Tsung-Cheng Tsai, Sung-Yu Ku, Liang-Chen Chi and Ken-Tsung Wong: 'An ambipolar host material provides highly efficient saturated red PhOLEDs possessing simple devices' Physical Chemistry Chemical Physics 10, 2008, 5822-5825 *
JPN6015040735; Ken-Tsung Wong, Sung-Yu Ku, Yi-Ming Cheng, Xiauo-Yun Lin, Ying-Yueh Hung, Shih-Chieh Pu, Pi-Tai Chou: 'Synthesis, Structures, and Photoinduced Electron Transfer Reaction in the 9,9'-Spirobifluorene-Bridg' The Journal of Organic Chemistry 71, 2006, 456-465 *

Cited By (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9660198B2 (en) 2011-07-15 2017-05-23 Kyulux, Inc. Organic electroluminescence element and compound used therein
JPWO2013011955A1 (ja) * 2011-07-15 2015-02-23 国立大学法人九州大学 遅延蛍光材料およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
US10454038B2 (en) 2011-07-15 2019-10-22 Kyulux, Inc. Delayed-fluorescence material and organic electroluminescence element using same
US10825992B2 (en) 2011-09-28 2020-11-03 Sumitomo Chemical Co., Ltd Spirobifluorene compounds for light emitting devices
JP2014532050A (ja) * 2011-09-28 2014-12-04 ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) 発光素子用のスピロビフルオレン化合物
JP2015508568A (ja) * 2011-12-22 2015-03-19 サイノーラ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング Oled及び他の光電子デバイスのための有機分子
US10312456B2 (en) 2011-12-22 2019-06-04 Cynora Gmbh Organic molecules for OLEDs and other optoelectronic devices
WO2015029964A1 (ja) * 2013-08-30 2015-03-05 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子、発光材料、発光性薄膜、表示装置及び照明装置
US10559757B2 (en) 2014-09-03 2020-02-11 Kyulux, Inc. Host material for delayed fluorescent materials, organic light-emitting device and compound
US10683453B2 (en) 2014-12-12 2020-06-16 Merck Patent Gmbh Organic compounds with soluble groups
TWI694065B (zh) * 2014-12-12 2020-05-21 德商麥克專利有限公司 具有使溶性基團之有機化合物
JP2018501660A (ja) * 2014-12-31 2018-01-18 北京維信諾科技有限公司 有機エレクトロルミネッセンス素子
US10566542B2 (en) 2014-12-31 2020-02-18 Beijing Visionox Technology Co., Ltd. Organic electroluminescent device
US11101440B2 (en) 2015-07-01 2021-08-24 Kyushu University, National University Corporation Organic electroluminescent device
CN105778891B (zh) * 2016-03-11 2019-03-19 中节能万润股份有限公司 有机光电材料、其制备方法以及包括该有机材料的有机电致发光器件
CN105778891A (zh) * 2016-03-11 2016-07-20 中节能万润股份有限公司 有机光电材料、其制备方法以及包括该有机材料的有机电致发光器件
US11335872B2 (en) 2016-09-06 2022-05-17 Kyulux, Inc. Organic light-emitting device
US11482679B2 (en) 2017-05-23 2022-10-25 Kyushu University, National University Corporation Compound, light-emitting lifetime lengthening agent, use of n-type compound, film and light-emitting device
US11476435B2 (en) 2017-08-24 2022-10-18 Kyushu University, National University Corporation Film and organic light-emitting device containing perovskite-type compound and organic light-emitting material
WO2020076796A1 (en) 2018-10-09 2020-04-16 Kyulux, Inc. Novel composition of matter for use in organic light-emitting diodes
WO2021157593A1 (ja) 2020-02-04 2021-08-12 株式会社Kyulux 組成物、膜、有機発光素子、発光組成物を提供する方法およびプログラム
WO2021157642A1 (ja) 2020-02-04 2021-08-12 株式会社Kyulux ホスト材料、組成物および有機発光素子
WO2021235549A1 (ja) 2020-05-22 2021-11-25 株式会社Kyulux 化合物、発光材料および発光素子
WO2022025248A1 (ja) 2020-07-31 2022-02-03 株式会社Kyulux 化合物、発光材料および発光素子
WO2022168956A1 (ja) 2021-02-04 2022-08-11 株式会社Kyulux 化合物、発光材料および有機発光素子
WO2022244503A1 (ja) 2021-05-20 2022-11-24 株式会社Kyulux 有機発光素子
WO2022270602A1 (ja) 2021-06-23 2022-12-29 株式会社Kyulux 有機発光素子および膜
WO2022270354A1 (ja) 2021-06-23 2022-12-29 株式会社Kyulux 化合物、発光材料および有機発光素子
WO2023282224A1 (ja) 2021-07-06 2023-01-12 株式会社Kyulux 有機発光素子およびその設計方法
WO2023053835A1 (ja) 2021-09-28 2023-04-06 株式会社Kyulux 化合物、組成物、ホスト材料、電子障壁材料および有機発光素子
WO2023090288A1 (ja) 2021-11-19 2023-05-25 株式会社Kyulux 化合物、発光材料および発光素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP5828518B2 (ja) 2015-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5828518B2 (ja) 遅延蛍光材料、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子および化合物
JP5875011B2 (ja) 遅延蛍光材料およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5565742B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子およびそれに用いる化合物
JP5667042B2 (ja) 芳香族アミン誘導体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5565743B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子およびそれに用いる化合物
JP4002040B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3924943B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2006045398A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2005082702A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス用素子材料およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP4306379B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス用素子材料およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3945032B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2001207167A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JP4211191B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JP4630378B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2006045143A (ja) 新規チアジアゾール化合物およびその用途
JP2013098419A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、並びにそれに用いる銅錯体および発光材料
JP2007306020A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2007306019A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150410

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151013

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151015

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5828518

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250