JP2013252692A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各ノズルにおける気泡の排出性を向上させた液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体噴射ヘッドは、液体が吐出されるノズルに連通し、複数が並設された圧力発生室11と、圧力発生室に連通し、それぞれ隔壁21により画成された液体供給路と、複数の液体供給路に共通して液体が貯留されるマニホールド22とが形成された流路形成基板、及び圧力発生室に圧力を発生させる圧力発生手段を備え、マニホールドを画成し、マニホールドと液体供給路とを区画する側壁面52は、液体供給路の幅方向の中心に向かって突出し、隔壁は、マニホールド側の端部の幅が先端に向かって細くなり、かつ互いに隣接する隔壁同士は液体供給路の幅方向の中心線に対して鏡面対称となるように形成された。
【選択図】図2
【解決手段】液体噴射ヘッドは、液体が吐出されるノズルに連通し、複数が並設された圧力発生室11と、圧力発生室に連通し、それぞれ隔壁21により画成された液体供給路と、複数の液体供給路に共通して液体が貯留されるマニホールド22とが形成された流路形成基板、及び圧力発生室に圧力を発生させる圧力発生手段を備え、マニホールドを画成し、マニホールドと液体供給路とを区画する側壁面52は、液体供給路の幅方向の中心に向かって突出し、隔壁は、マニホールド側の端部の幅が先端に向かって細くなり、かつ互いに隣接する隔壁同士は液体供給路の幅方向の中心線に対して鏡面対称となるように形成された。
【選択図】図2
Description
本発明は液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
液体噴射ヘッドの代表例として、例えば圧電素子の変位により圧力発生室内のインクに作用する圧力を利用してノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドがある。このようなインクジェット式記録ヘッドにおける圧力発生室を含む液体流路は、例えば結晶面方位(110)面が表面となる単結晶シリコン基板にエッチングにより形成される(例えば、特許文献1参照)。
このように形成されたインクジェット式記録ヘッドでは、ノズル面をキャップ部材で封止して吸引を行う、いわゆるクリーニングを行うが、クリーニングを行った場合に、気泡の排出性が低いことがあるという問題がある。なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッドユニットに限らず、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドユニットにおいても同様に存在する。
本発明は、上記従来技術に鑑み、各ノズルにおける気泡の排出性を向上させた液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
本発明の液体噴射ヘッドは、液体が吐出されるノズルに連通し、複数が並設された圧力発生室と、該圧力発生室に連通し、それぞれ隔壁により画成された液体供給路と、複数の該液体供給路に共通して液体が貯留されるマニホールドとが形成された流路形成基板、及び前記圧力発生室に圧力を発生させる圧力発生手段を備え、前記マニホールドを画成し、該マニホールドと前記液体供給路とを区画する側壁面は、前記液体供給路の幅方向の中心に向かって突出し、前記隔壁は、前記マニホールド側の端部の幅が先端に向かって細くなり、かつ互いに隣接する該隔壁同士は前記液体供給路の幅方向の中心線に対して鏡面対称となるように形成されたことを特徴とする。本発明では、側壁面が、前記液体供給路の幅方向の中心に向かって突出し、前記隔壁は、前記マニホールド側の端部の幅が先端に向かって細くなり、かつ互いに隣接する該隔壁同士は前記液体供給路の幅方向の中心線に対して鏡面対称となるように形成されたことで、気泡がクリーニング時において液体供給路の開口において止められやすい(チョークされやすい)と共に液体供給路に流入しやすい。従って、気泡の排出性が高い。
前記側壁面は、前記液体供給路の前記マニホールド側の開口の中心線に対して鏡面対称となるように前記液体供給路の幅方向の中心に向かって突出していることが好ましい。このように構成されていることで、気泡がより液体供給路に流入しやすく、気泡の排出性が高い。
前記側壁面は、前記液体供給路の幅方向の中心に向かって突出する谷部と、該谷部との間に設けられ、前記マニホールド側に突出する山部とを備え、前記隔壁の前記マニホールド側の端部は先端に向かって幅が狭くなっており、該先端の頂点が、前記山部の頂点とは上面視において一致することが好ましい。このように構成されることで、気泡がより液体供給路に流入しやすく、気泡の排出性が高い。
前記液体供給路には、該液体供給路の長手方向に沿って前記開口の中心線に対して鏡面対称となる壁面部が設けられていることが好ましい。このように構成されることで、より流れが均一化されて気泡の排出性が高くなる。
本発明の液体噴射装置は、前記いずれかの液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする。
図1は、インクジェット式記録ヘッドの一例を示す断面図である。図示するように、インクジェット式記録ヘッド10は、複数の圧力発生室11を有する流路形成基板12と、各圧力発生室11に連通する複数のノズル開口13が穿設されたノズルプレート14と、流路形成基板12のノズルプレート14とは反対側の面に設けられる振動板15とを具備する流路ユニット16を有する。さらに、振動板15上の各圧力発生室11に対応する領域に設けられる圧電素子17を有する圧電素子ユニット18と、振動板15上に固定されて圧電素子ユニット18が収容される収容部19を有するケースヘッド20とを有する。
流路形成基板12は、結晶面方位(110)面が表面となる単結晶シリコン基板からなる。流路形成基板12には、その一方面側の表層部分に、圧力発生室11が隔壁21によって区画されてその幅方向で複数並設されている。例えば、本実施形態では、流路形成基板12には、複数の圧力発生室11が並設され、各圧力発生室11の列の外側には、各圧力発生室11にインクを供給するためのマニホールド22が、流路形成基板12を厚さ方向に貫通して設けられている。そして、各圧力発生室11とマニホールド22とは、インク供給路(液体供給路)23を介して連通している。インク供給路23には、本実施形態では、詳しくは図2において後述するように圧力発生室11よりも狭い幅となるように壁面部51がその幅方向の中央部に形成されている。インク供給路23は、マニホールド22から圧力発生室11に流入するインクの流路抵抗を一定に保持する役割を果たしている。
さらに、圧力発生室11のマニホールド22とは反対の端部側には、流路形成基板12を貫通するノズル連通孔24が形成されている。このような流路形成基板12は、本実施形態では、シリコン単結晶基板からなり、流路形成基板12に設けられる上記圧力発生室11等は、流路形成基板12をエッチングすることによって形成されている。
この流路形成基板12の一方面側にはノズル開口13が穿設されたノズルプレート14が接着剤や熱溶着フィルムを介して接着され、各ノズル開口13は、流路形成基板12に設けられたノズル連通孔24を介して各圧力発生室11と連通している。また、流路形成基板12の他方面側、すなわち、圧力発生室11の開口面側には振動板15が接合されて、各圧力発生室11はこの振動板15によって封止されている。
流路形成基板12にエッチングにより形成された液体流路について、図2を用いて説明する。図2は、流路形成基板12の上面図である。図2に示すように、マニホールド22のインク供給路23との側壁面を画成し、上面視においてマニホールド22とインク供給路23との境界線ともなる側壁部52は、マニホールド22側に突出した山部53とインク供給路23側に突出した谷部54とが交互に形成されて(いわゆるジグザグ形状に)構成されている。このように側壁部52が上面視において山部53及び谷部54からなるのは、詳しくは後述するエッチングによるものである。
谷部54及び山部53は、谷部54の頂点55がインク供給路23の幅方向の中心線L上に位置し、山部53は、その頂点59が隔壁21の幅方向(即ち圧力発生室の並設方向に一致する)の中心線上に位置する。即ち、谷部54はインク供給路23の中心線Lに対して鏡面対称となるように形成されている。なお、本実施形態ではインク供給路23の幅方向の中心線Lは、インク供給路23のマニホールド22側の開口の幅方向の中心線Lと一致する。
各圧力発生室11及びインク供給路23を区画する隔壁21は、そのマニホールド22側の端部57がその先端58に向かって均一に幅が細くなっている。このように幅が細くなるのは詳しくは後述するエッチングによるものであるが、本実施形態ではこの幅が均一に細くなるように構成することで、各隔壁21の端部57の先端58は隔壁21の幅方向の中心線上に位置する。従って、図示するように隣接する隔壁21は、互いにインク供給路23の中心線Lに対して鏡面対称となるように形成されており、それぞれ同一形状である。また、端部57の先端58は山部53の頂点59と一致する。
本実施形態では、このようにマニホールド22とインク供給路23とを区画する側壁部52が山部53と谷部54とを備えている。そして、谷部54の頂点55がインク供給路23の中心線L上に位置すると共に、各インク供給路23に対応する側壁部52及び隔壁21が、それぞれインク供給路23の幅方向の中心線Lを中心として鏡面対称であるように、液体流路が形成されている。このように液体流路が形成されることで、後述するように本実施形態では、クリーニング時におけるインク流れがよい結果、気泡をチョークしやすいと共に気泡を排出しやすいので気泡排出性が高くなる。
さらに、インク供給路23には、上述のようにインク供給路23の幅を狭めるための壁面部51が設けられている。壁面部51は、インク供給路23の長手方向に沿って形成されている。壁面部51の両端部61は、それぞれ先端62に向かって均一に幅が狭くなっており、この各先端62は、壁面部51の幅方向の中心線上に位置すると共に、インク供給路23の幅方向における中心線L上に位置する。このようにさらに壁面部51もインク供給路23の幅方向における中心線Lに対して鏡面対称となるように形成されていることで、本実施形態では、よりクリーニング時におけるインク流れがよく、気泡排出性を高めることができる。
振動板15は、例えば、樹脂フィルム等の弾性部材からなる弾性膜25と、この弾性膜25を支持する、例えば、金属材料等からなる支持板26との複合板で形成されており、弾性膜25側が流路形成基板12に接合されている。例えば、本実施形態では、弾性膜25は、厚さが数μm程度のPPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルムからなり、支持板26は、厚さが数十μm程度のステンレス鋼板(SUS)からなる。また、振動板15の各圧力発生室11に対向する領域内には、圧電素子17の先端部が当接する島部27が設けられている。すなわち、振動板15の各圧力発生室11の周縁部に対向する領域に他の領域よりも厚さの薄い薄肉部28が形成されて、この薄肉部28の内側にそれぞれ島部27が設けられている。また、本実施形態では、振動板15のマニホールド22に対向する領域に、薄肉部28と同様に、支持板26がエッチングにより除去されて実質的に弾性膜のみで構成されるコンプライアンス部29が設けられている。なお、このコンプライアンス部29は、マニホールド22内の圧力変化が生じた時に、このコンプライアンス部29の弾性膜25が変形することによって圧力変化を吸収し、マニホールド22内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。
そして、圧電素子ユニット18を構成する各圧電素子17は、その活性領域の先端が振動板15の島部27に当接されている。実際には、各圧電素子17の先端面が接着剤30によって島部27に接合されている。
ここで、圧力発生室11内にインク滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段である圧電素子17は、本実施形態では、一つの圧電素子ユニット18において一体的に形成されている。すなわち、圧電材料31と電極形成材料32,33とを縦に交互にサンドイッチ状に挟んで積層した圧電素子形成部材34を形成し、この圧電素子形成部材34を各圧力発生室11に対応して櫛歯上に切り分けることによって各圧電素子17が形成されている。すなわち、本実施形態では、複数の圧電素子17が一体的に形成されている。そして、この圧電素子17(圧電素子形成部材34)の振動に寄与しない不活性領域、すなわち、圧電素子17の基端部側が固定基板35に固着されている。そして、圧電素子17の基端部近傍には、固定基板35とは反対側の面に、各圧電素子17を駆動するための信号を供給する配線36を有する回路基板37が接続され、本実施形態では、これら圧電素子17(圧電素子形成部材34)と固定基板35と回路基板37とで圧電素子ユニット18が構成されている。
このような圧電素子ユニット18は、圧電素子17の先端部が上述したように振動板15の島部27に当接された状態で固定されている。例えば、本実施形態では、上述したように振動板15上にケースヘッド20が固定されており、圧電素子ユニット18は、このケースヘッド20の収容部19内に収容されて、圧電素子17が固定された固定基板35が、圧電素子17とは反対面側でケースヘッド20に固定されている。具体的には、ケースヘッド20の収容部19内には、段差部38が設けられており、固定基板35は、このケースヘッド20の段差部38に接着剤39によって接合されている。
さらにケースヘッド20上には、回路基板37の各配線36がそれぞれ接続される複数の導電パッド40が設けられた配線基板41が固定されており、ケースヘッド20の収容部19は、この配線基板41によって実質的に塞がれている。配線基板41には、ケースヘッド20の収容部19に対向する領域にスリット状の開口部42が形成されており、回路基板37はこの配線基板41の開口部42から収容部19の外側に引き出されている。
また、圧電素子ユニット18を構成する回路基板37は、例えば、本実施形態では、圧電素子17を駆動するための駆動IC(図示なし)が搭載されたチップオンフィルム(COF)からなる。そして、回路基板37の各配線36は、その基端部側では、例えば、半田、異方性導電材等によって圧電素子17を構成する電極形成材料32,33に接続されている。一方、先端部側では、各配線36は配線基板41の各導電パッド40に接合されている。具体的には、配線基板41の開口部42から収容部19の外側に引き出された回路基板37の先端部が配線基板41の表面に沿って折り曲げられた状態で、各配線36は配線基板41の各導電パッド40に接合されている。
そして、このようなインクジェット式記録ヘッド10では、インク滴を吐出する際に、圧電素子17及び振動板15の変形によって各圧力発生室11の容積を変化させて所定のノズル開口13からインク滴を吐出させるようになっている。具体的には、図示しないインクカートリッジからマニホールド22にインクが供給されると、インク供給路23を介して各圧力発生室11にインクが分配される。実際には、圧電素子17に電圧を印加することにより圧電素子17を収縮させる。これにより、振動板15が圧電素子17と共に変形されて圧力発生室11の容積が広げられ、圧力発生室11内にインクが引き込まれる。ノズル開口13に至るまで内部にインクが満たされた後、配線基板を介して供給される記録信号に従い、圧電素子17の電極形成材料32,33に印加していた電圧を解除する。これにより、圧電素子17が伸張されて元の状態に戻ると共に振動板15も変位して元の状態に戻る。結果として圧力発生室11の容積が収縮して圧力発生室11内の圧力が高まりノズル開口13からインク滴が吐出される。
また、かかるインクジェット式記録ヘッド10では、インクジェット式記録ヘッド10のノズルプレート14のノズル面にキャップ部材(図示せず)を密着させて吸引動作を行うことで、クリーニング動作を行う。この場合に、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド10では、以下説明するように気泡排出性がよい。
この点について図3を用いて説明する。
図3(a)は、本実施形態における流路形成基板12においてインクの流れをシミュレーションにより解析したものである。インクの流れる方向が矢印で示されている。なお、シミュレーション条件の簡略化のため、壁部は設けられていない。
図3(a)は、本実施形態における流路形成基板12においてインクの流れをシミュレーションにより解析したものである。インクの流れる方向が矢印で示されている。なお、シミュレーション条件の簡略化のため、壁部は設けられていない。
図3(a)に示すように、本実施形態の各インク供給路23に対応する谷部54の頂点55がインク供給路23の幅方向の中心線L上に位置し、かつ、隣接する隔壁21がインク供給路23の幅方向の中心線Lに対して鏡面対称であるように液体流路が形成されていることで、インクがスムーズにインク供給路23内に流入している。このようなインク流れが形成されることで、クリーニング時に図3(b)に示すように気泡Bが隔壁21の端部57の斜面においてチョークすることができると共に、気泡Bがチョークすることで圧力発生室における圧力が高まり、気泡Bがインク供給路に流入する。この場合においてインク供給路23が中心線Lに対して鏡面対称であることから、気泡Bはスムーズにインク供給路23に流入する。これにより、クリーニング時の気泡排出性を高めることができる。
参考のため、別の流路形成基板を用いたインクジェット式記録ヘッドの気泡排出性について、図4を用いて説明する。図4に示すように、従来の流路形成基板を用いたインクジェット式記録ヘッドにおいては、各インク供給路23に対応する側壁部52’及び隔壁21’が、それぞれインク供給路23’の幅方向の中心線Lを中心として鏡面対称ではない。谷部54’の頂点55’は、隔壁21’の先端58’近辺に位置し、かつ、隣接する隔壁21’は、インク供給路23の幅方向の中心線Lを中心とした鏡面対称とはなっていない。
このような別の流路形成基板を用いたインクジェット式記録ヘッドにおいては、隔壁21’の端部57’付近はインクの流れが弱いためにインクが滞留してしまう。インクが滞留すると、この部分で気泡が成長することが考えられ、図4(b)に示すように気泡B’が滞留する。このような位置に気泡B’が滞留すると、クリーニング動作時においてもインク供給路23’が気泡B’によりチョークされない。従って、気泡B’は排出されにくい。従って、クリーニング時における気泡排出性は低い。
本実施形態では、谷部54の頂点55がインク供給路23の幅方向の中心線Lに一致すると共に、各隔壁21は、インク供給路23の幅方向の中心線Lに対して鏡面対称となるように設けられていることで、インクの滞留を抑制し、クリーニング時における気泡排出性に優れると共に、インクの吐出特性も良い。
このような従来の流路形成基板における流路の形成工程について図5を用いて説明する。従来、マスクを用いて公知のエッチング方法によりエッチングを行って流路形成基板に流路を形成している。流路形成基板は、結晶面方位(110)面が表面となる単結晶シリコン基板であるので、結晶面方位を考慮すれば、図5に示すようなマスクを用いることとなる。具体的には、従来の流路形成基板における流路の形成時には、第1のエッチング液でエッチングする第1エッチング工程に用いられる第1マスクM1’と、第2のエッチング液でエッチングする第2エッチング工程に用いられる第2マスクM2’とを用いて、所望の流路を形成していた。第2マスクM2’は、隔壁21’に対応する第1マスク部101’と、第1マスク部101’のマニホールド22’側に設けられ、第1マスク部101’と交差する第2マスク部102’とを有する。即ち、第2エッチング工程では、隔壁21’毎に個別のマスクを用いてエッチングを行っていた。
このような第1マスクM1’と、第2マスクM2’を用いた場合には、図5中点線部で示すような非対称な隔壁21’及び側壁部52’が形成されていた。
これに対し、本実施形態では、図6に示すマスクを用いて流路の形成を行う。本実施形態では、第1のエッチング液でエッチングする第1エッチング工程に用いられる第1マスクM1と、第2のエッチング液でエッチングする第2エッチング工程に用いられる第2マスクM2とを用いて、所望の流路を形成している。第1マスクM1は、従来と同様であるが、第2マスクM2が従来とは異なり、各隔壁部に対応するマスク部はそれぞれ互いに接続されている。即ち、第2マスク部102が互いに接続するように延設されている。このような第2マスクM2を用いてエッチングをすることで、図6中点線で示すような、インク供給路23の中心線Lに対して互いに鏡面対称な隔壁21及び側壁部52を形成することができる。
このように、本実施形態では、従来とは第2マスクM2の形状を変更することで、インク供給路23の幅方向の中心線Lに対して互いに鏡面対称な隔壁21と、インク供給路23の幅方向の中心線L上に各谷部54が位置する側壁部52とを形成することができる。これにより、上述のようなインクの滞留を抑制し、クリーニング時における排出性に優れると共に、インクの吐出特性も良いインクジェット式記録ヘッドとすることができる。
さらに、インク供給路23の壁面部51もインク供給路23の幅方向における中心線Lに対して鏡面対称となるように形成されていることで、インクがインク供給路23内に流入した後もインク流れがよい。これにより気泡排出性が高くなる。
また、山部53の頂点55と、隔壁21の端部57の先端58が上面視において一致する位置にあることで、隔壁21の端部57近辺における段差が減少するので、より気泡がスムーズにインク供給路23内に流入することができる。
図7は、本発明の実施形態1に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略斜視図である。本発明のインクジェット式記録装置Iは、図7に示すように、インクジェット式記録ヘッド1がキャリッジ2に固定されている。
この記録ヘッド1には、インクが貯留された液体貯留手段の一例であるインクカートリッジ3がそれぞれ着脱可能に固定されている。本実施形態では、インクカートリッジ3は、ブラック(B)、ライトブラック(LB)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)等の複数の異なる色毎に設けられている。
記録ヘッド1が搭載されたキャリッジ2は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動可能に設けられている。そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ2に伝達されることで、キャリッジ2はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙装置等により給紙された紙等の被記録媒体Sがプラテン8上を搬送されるようになっている。
本発明は上述した実施形態に限定されない。
本実施形態では、隔壁21の端部57の先端58は頂点59を有する略三角形状となったものであったが、これに限定されない。隔壁21はマニホールド22側の端部の幅が先端に向かって細くなっていて、かつ、隣接する隔壁21が中心線Lに対して鏡面対称となるように設けられていればよい。例えば、図3に示すように、先端が緩やかな平坦部となっていてもよい。このようになっていても、図3に示すようにインク供給路23の開口において気泡Bをチョークすることができる。
本実施形態では、隔壁21の端部57の先端58は頂点59を有する略三角形状となったものであったが、これに限定されない。隔壁21はマニホールド22側の端部の幅が先端に向かって細くなっていて、かつ、隣接する隔壁21が中心線Lに対して鏡面対称となるように設けられていればよい。例えば、図3に示すように、先端が緩やかな平坦部となっていてもよい。このようになっていても、図3に示すようにインク供給路23の開口において気泡Bをチョークすることができる。
上述した実施形態では、壁面部51は、インク供給路23の中央部に配されたが、これに限定されない。インク供給路23の幅方向の中心線に対して鏡面対称となるように、かつ、インク供給路23の断面積を小さくすることができればよい。例えば、二つの壁面部51を有し、これらを共に隔壁21に接続させて、インク供給路23の幅方向の中心線に対して鏡面対称となるように設けることも可能である。
上述した実施形態では、側壁部52が上面視において山部53及び谷部54が交互に形成された形状であり、この谷部54がインク供給路23の中心線Lに対して鏡面対称となるように形成されているが、これに限定されない。インクの流れについては、少なくとも谷部54がインク供給路23の中心に向かって突出していれば、即ち谷部54の頂点がインク供給路23の中心線L上にあればよい。
また、上述した実施形態においては、本発明の液体噴射装置としてインクジェット式記録装置Iを例示したが、液体噴射装置の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射装置の全般を対象としたものであり、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを用いる液体噴射装置等にも適用することができる。
本発明でインクジェット式記録装置には、キャリッジに搭載されたインクジェット式記録ヘッドを移動させながら印刷を行うシリアル型のものについて説明したが、記録媒体の全副に亘って配置されたノズルからインクを噴射して印刷を行うライン型の液体噴射装置に適用することも可能である。
10 インクジェット式記録ヘッド、 11 圧力発生室、 12 流路形成基板、 13 ノズル開口、 14 ノズルプレート、 15 振動板、 16 流路ユニット、 17 圧電素子、 18 圧電素子ユニット、 19 収容部、 20 ケースヘッド、 21 隔壁、 22 リザーバ、 23 インク供給路、 24 ノズル連通孔、 25 弾性膜、 26 支持板、 27 島部、 28 薄肉部、 29 コンプライアンス部、 30 接着剤、 31 圧電材料、 32,33 電極形成材料、 34 圧電素子形成部材、 51 壁面部、 52 側壁部、 53 山部、 54 谷部
Claims (5)
- 液体が吐出されるノズルに連通し、複数が並設された圧力発生室と、
該圧力発生室に連通し、それぞれ隔壁により画成された液体供給路と、
複数の該液体供給路に共通して液体が貯留されるマニホールドとが形成された流路形成基板、及び前記圧力発生室に圧力を発生させる圧力発生手段を備え、
前記マニホールドを画成し、該マニホールドと前記液体供給路とを区画する側壁面は、前記液体供給路の幅方向の中心に向かって突出し、
前記隔壁は、前記マニホールド側の端部の幅が先端に向かって細くなり、かつ互いに隣接する該隔壁同士は前記液体供給路の幅方向の中心線に対して鏡面対称となるように形成されたことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 前記側壁面は、前記液体供給路の前記マニホールド側の開口の中心線に対して鏡面対称となるように前記液体供給路の幅方向の中心に向かって突出していることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
- 前記側壁面は、前記液体供給路の幅方向の中心に向かって突出する谷部と、該谷部との間に設けられ、前記マニホールド側に突出する山部とを備え、
前記隔壁の前記マニホールド側の端部は先端に向かって幅が狭くなっており、該先端の頂点が、前記山部の頂点とは上面視において一致することを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッド。 - 前記液体供給路には、該液体供給路の長手方向に沿って前記開口の中心線に対して鏡面対称となる壁面部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012131408A JP2013252692A (ja) | 2012-06-08 | 2012-06-08 | 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
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2012
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