JP2013251470A - ZnO膜形成方法及びZnO膜形成装置 - Google Patents

ZnO膜形成方法及びZnO膜形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単なプロセスで、優れた特性のZnO膜を形成することができるZnO膜形成方法及びZnO膜形成装置を提供する。
【解決手段】ZnO膜を形成するとき、まず、成膜空間内に配置された基板の上方にZnを含む有機金属のガスを原料ガスとして流すことにより、基板に前記有機金属を吸着させる第1ステップと、前記基板に有機金属を吸着させた後、前記成膜空間にガス状の水を導入するとともに、パージガスとして酸素ガスを導入して、前記成膜空間内でプラズマを発生させることにより、ZnO膜を形成する第2ステップと、を有する。前記ZnO膜の厚さが予め設定された厚さになるまで、前記第1ステップ及び前記第2ステップを連続して繰り返す。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ZnO膜形成方法及びZnO膜形成装置に関する。
基板上に原子層単位で薄膜を形成する原子層成長方法(以下、省略してALD(Atomic Layer Deposition)法ともいう)は、形成しようとする膜を構成する元素を主成分とする2種類のガスを成膜対象基板上に交互に供給し、基板上に原子層単位で薄膜を形成することを複数回繰り返して所望厚さの膜を形成する薄膜形成技術である。例えば、基板上にZnO膜を形成する場合、ジエチルジンクやジメチルジンクからなる原料ガスとOを含む酸化ガスが用いられる。
近年、ZnO膜は、そのバンドギャップが約3.37eVと広いため、可視光において透明性を有し、さらに、従来用いられてきたアモルファスSiに比べて移動度が高いことから、ZnO膜を、TFT(Thin Film Transistor)のアクティブチャネルとしてフラットパネルディスプレイに用いることが種々提案されている。
このような状況下、原子層蒸着法を用いて結晶性の増加時に随伴するキャリア量の増加による漏洩電流の増加を抑制することによって、薄膜トランジスタの電流点滅比(on/off ratio)を向上させるZnO膜の形成方法が知られている(特許文献1)。
当該形成方法は、チャンバー内に亜鉛前駆体を注入し、基板上に亜鉛前駆体を吸着させる段階と、チャンバー内に窒素または不活性気体を注入し、残余の亜鉛前駆体を除去する段階と、基板上に形成された亜鉛前駆体と反応するようにチャンバー内に、例えば水プラズマを用いた酸素前駆体を注入し、ZnO半導体膜を形成する段階と、チャンバー内に窒素または不活性気体を注入し、残余の酸素前駆体を除去する段階と、を反復して行う。この後、酸素プラズマまたはオゾンを用いて形成したZnO半導体膜の表面処理を反復して行う。これにより、半導体膜の結晶を増加させて移動度を向上させることができ、キャリア量を調節して漏洩電流を減少させることができ、優れた特性の透明ZnO半導体膜を形成することができる、とされている。
特許4616359号公報
上記ZnO膜の形成方法では、優れた特性の透明ZnO半導体膜を形成することができるが、水プラズマの生成と酸素プラズマの生成を行う必要があり、プロセスが複雑である。このため、短時間に効率よくZnO膜を形成することができない、といった問題がある。
そこで、本発明は、従来の問題を解決するために、簡単なプロセスで、優れた特性のZnO膜を形成することができるZnO膜形成方法及びZnO膜形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ZnO膜形成方法である。当該方法は、
成膜空間内に配置された基板の上方にZnを含む有機金属のガスを原料ガスとして流すことにより、基板に前記有機金属を吸着させる第1ステップと、
前記基板に有機金属を吸着させた後、前記成膜空間にガス状の水を導入するとともに、パージガスとして酸素ガスを導入して、前記成膜空間内でプラズマを発生させることにより、ZnO膜を形成する第2ステップと、を有する。
前記ZnO膜の厚さが予め設定された厚さになるまで、前記第1ステップ及び前記第2ステップを連続して繰り返す。
その際、前記第1ステップの期間を除き、前記酸素ガスがパージガスとして前記成膜空間に導入されることが好ましい。
前記第1ステップ及び前記第2ステップにおいて、前記基板は95℃以下に加熱保持されることが好ましい。
また、本発明の他の一態様は、ZnO膜形成装置である。当該装置は、
基板が配置される成膜空間を備える成膜容器と、
前記成膜空間内に設けられ、プラズマを生成するプラズマ生成ユニットと、
前記成膜空間に、Znを含む有機金属の原料ガス、ガス状の水、及び酸素ガス、のそれぞれを前記成膜空間に導入するガス供給ユニットと、
前記原料ガス、前記水、及び前記酸素ガスのそれぞれの導入のタイミングと前記プラズマ生成ユニットに給電する電力の給電のタイミングとを制御するコントローラ、とを有する。
前記コントローラは、前記基板が配置された成膜空間に前記原料ガスを導入させるように制御した後、前記水及び前記酸素ガスの前記成膜空間への導入に合わせて、前記プラズマ生成ユニットがプラズマを生成するように制御する。
また、当該装置は、さらに、基板を加熱保持するヒータを備え、前記ヒータは95℃以下の温度で基板を加熱することが好ましい。
上述のZnO膜形成方法及びZnO膜形成装置では、簡単なプロセスで、優れた特性のZnO膜を形成することができる。
本実施形態のZnO膜形成装置の構成を表す概略図である。 本実施形態のコントローラが行うガスの流量制御と平行平板電極への給電のタイミングを説明するタイミングチャートである。 (a),(b)は、ZnO膜に含まれる不純物の測定結果を示す図である。 ZnO膜の評価のために作製した半導体素子の概略の構成を示す図である。 図4に示す半導体素子の伝達特性を示す図である。
以下、本発明のZnO膜形成方法及びZnO膜形成装置について詳細に説明する。
図1は、本実施形態のZnO膜形成装置10の構成を表す概略図である。同図に示すZnO膜形成装置10は、ALD法を適用して、形成しようとするZnO膜を構成するZnを主成分とする有機金属の原料ガスとガス状の水を成膜空間中の基板上に交互に供給する。その時、ZnO膜形成装置10は、反応活性を高めるためにプラズマを生成して基板上に原子層単位で原料ガスの酸化膜(ZnO膜)を形成する。ZnO膜形成装置10は、上記処理を1サイクルとして、処理を複数サイクル連続して繰り返すことにより予め定められた厚さの膜を形成する。その際、ZnO膜形成装置10は、成膜空間には、プラズマの生成に用いるガス状の水の他に、酸素ガスを同時に導入する。酸素ガスは、ガス状の水をパージするために用いるが、この酸素ガスの導入により、ZnO膜中に不純物として含まれる炭素成分を酸素成分や水素成分に比べて低く抑えることができる。この結果、ZnO膜を半導体として用いたときの、ゲート電圧に対するドレイン電流を表す伝達特性や移動度を高めることができる。すなわち、簡単なプロセスで、優れた特性のZnO膜を形成することができる。
以下の説明では、有機金属の原料ガスとしてZn(C25)2を用いるが、原料ガスとして、Zn(C25)2の他にZn(CH3)2を用いることもできる。
すなわち、本実施形態のZnO膜形成方法は、成膜空間内に配置された基板の上方にZnを含む有機金属のガスを原料ガスとして流すことにより、基板に有機金属を吸着させる第1ステップと、基板に有機金属を吸着させた後、成膜空間にガス状の水を導入するとともに、パージガスとして酸素ガスを導入して、成膜空間内でプラズマを発生させることにより、ZnO膜を形成する第2ステップと、を有する。ZnO膜の厚さが予め設定された厚さになるまで、第1ステップ及び第2ステップが連続して繰り返される。
また、本実施形態のZnO膜形成装置10は、平行平板電極をプラズマ生成ユニットとして用いる容量結合型プラズマ生成装置であるが、この他に、複数のアンテナ電極を用いた電磁結合型プラズマ生成装置、電子サイクロトロン共鳴を利用したECR型プラズマ生成装置、あるいは誘導結合型プラズマ生成装置を用いることもできる。
(ZnO膜形成装置)
ZnO膜形成装置10は、成膜容器12と、平行平板電極14と、ガス供給ユニット16と、コントローラ18と、高周波電源20と、マッチングボックス22と、排気ユニット24と、を有する。
成膜容器12は、排気ユニット24の行う排気により成膜容器12内の成膜空間を一定の減圧雰囲気に維持する。
成膜空間には、平行平板電極14が設けられている。平行平板電極14は、上部電極14a及び下部電極14bを有し、成膜空間内に設けられプラズマを生成する。平行平板電極14の上部電極14aは、成膜空間内に設けられるサセプタ30の基板載置面に対して対向するように設けられている。上部電極14aは、成膜容器12の上方から延びる給電線により、マッチングボックス22を介して高周波電源20と接続されている。マッチングボックス22は、平行平板電極14のインピーダンスに整合するように、マッチングボックス22内のインダクタのインダクタンス及びキャパシタのキャパシタンスを調整する。上部電極14aは、高周波電源20から10m秒〜10秒の間、13.56〜27.12MHzの高周波電力の給電を受ける。
下部電極14bの表面は、サセプタ30の基板載置面となっており、アースされている。サセプタ30は、その内部にヒータ32を有し、ヒータ32により、成膜中の基板は、例えば50℃以上95℃以下に加熱保持される。すなわち、ZNO膜形成装置10のヒータ32は、基板を95℃以下の温度に加熱保持する。好ましくは70℃〜80℃に加熱保持することによりZnO膜を形成することができるので、加熱のために多量のエネルギーを用いる必要がなくなり、より容易にZnO膜を作製することができる。
サセプタ30は、サセプタ30の下部に設けられた昇降軸30aが昇降機構30bを通して図中の上下方向に昇降自在に移動するように構成されている。サセプタ30の基板載置面は、成膜処理時、成膜容器12に設けられた突出壁12aの上面と面一になるように上方位置に移動する。成膜処理前あるいは成膜処理後、サセプタ30は下方位置に移動し、成膜容器12に設けられた図示されないシャッターが開放されて、基板が成膜容器12の外部から搬入され、あるいは成膜容器12の外部に搬出される。
ガス供給ユニット16は、原料ガスであるZn(C25)2、(以降、DEZという)、酸素ガス、及びガス状の水それぞれを成膜空間に導入する。
具体的に、ガス供給ユニット16は、DEZ源16aと、O2源16bと、H2O源16cと、ダイヤフラム式バルブ(以降、バルブという)17a及びマスフローコントローラ17b,17cと、DEZ源16aと成膜容器12内の成膜空間を、バルブ17aを通して接続する管18aと、O2源16bと成膜容器12内の成膜空間をマスフローコントローラ17bを通して接続する管18bと、H2O源16cと成膜容器12内の成膜空間をマスフローコントローラ17cを通して接続する管18cと、を有する。
バルブ17a及びマスフローコントローラ17b,17cはそれぞれ、コントローラ18による制御により作動して、所定のタイミングでDEZの原料ガス、O2ガス、ガス状の水を成膜空間に導入する。
排気ユニット24は、成膜容器12の左壁から成膜空間内に導入されたDEZ、酸素ガス及びガス状の水を排気管28を通して水平方向に排気する。排気管28の途中にはバルブ26が設けられ、コントローラ18の指示によって適宜開閉される。
コントローラ18は、原料ガスであるDEZ、酸素ガス及びガス状の水のそれぞれの導入のタイミングと平行平板電極14に給電する電力の給電のタイミングとを制御する。さらに、コントローラ18は、バルブ26の開閉を制御する。
具体的には、コントローラ18は、水の成膜空間への導入に合わせて、平行平板電極14が水を用いたプラズマを生成するように平行平板電極14の上部電極14aへの給電を制御する。
より具体的には、コントローラ18は、DEZを成膜空間に導入するとき、バルブ17aの開閉時間によってガス投入量を制御し、また、酸素ガスを成膜空間に導入するとき、マスフローコントローラ17bによるガス流量を制御し、さらに、ガス状の水を成膜空間に導入するとき、マスフローコントローラ17cによるガス流量を制御する。
図2は、コントローラ18が行うガスの流量制御と平行平板電極14への給電のタイミングを説明するタイミングチャートである。
まず、コントローラ18は、基板が基板載置面に載せられている成膜空間内にDEZを所定量投入するようにバルブ17aの開閉時間の制御を行う。この流量の制御により、DEZは例えば0.1秒間、成膜空間に導入される。
コントローラ18は、その後、バルブ17aを用いたDEZの成膜空間への導入を停止すると、その後、マスフローコントローラ17bを用いた酸素ガスの流量の制御を行い、酸素ガスの成膜空間への導入を開始する。酸素ガスの導入は、DEZが再度導入されるまで継続して行われる。さらに、酸素ガスの導入中の一定期間、コントローラ18は、マスフローコントローラ17cを用いたガス状の水の流量の制御を行って、水の成膜空間への導入を開始する。ガス状の水の導入は、例えば2秒間行われる。この間の一定期間、コントローラ18は高周波電源20がマッチングボックス22を通して電力を上部電極14aに供給するように制御する。この給電は例えば0.2秒間行われる。上部電極14aへの給電により、平行平板電極14は、成膜空間において、ガス状の水を用いたプラズマを発生させる。
上部電極14aへの給電が停止し、マスフローコントローラ17bによる水の成膜空間への導入が停止した後、継続して導入される酸素ガスによって水や反応生成物等のパージが行われる。この後、コントローラ18は、マスフローコントローラ17cを用いた酸素ガスの流量を停止する。さらに、再度、コントローラ18は、DEZを成膜空間に導入するようにバルブ17aの流量の制御を行う。こうして、DEZの成膜空間の導入と、酸素ガスの成膜空間への導入と、ガス状の水の成膜空間への導入と、水を用いたプラズマの生成を1サイクルとして、複数サイクルを連続的に繰り返すことにより、基板に所定の厚さを有するZnO膜を形成することができる。
このように、酸素ガスは、DEZの導入期間を除いた期間中、継続して成膜空間に導入され、成膜空間内にあるガスをパージするパージガスとして機能する。酸素ガスが、DEZの導入期間中、成膜空間に導入されないのは、DEZと酸素ガスが気相中で反応しないようにするためである。一方、酸素ガスは、水を用いたプラズマ生成中も成膜空間に導入されるので、導入された酸素ガスの一部が電離してプラズマが生成されると考えられる。この酸素によるプラズマが後述するように、ZnO膜に不純物として含まれる炭素成分の含有量を低減することができると考えられる。
図3(a)は、図2に示す方法により形成されたZnO膜を形成したときにZnO膜内に含まれる炭素原子(C)、酸素原子(O)、及び水素原子(H)の含まれる量を、深さ方向の分布として計測したものである。この計測には、幅20μm、長さ10μmで、厚さ50nmのZnO膜を用いた。ZnO膜形成装置10における条件として、以下の内容を挙げることができる。
成膜空間は、圧力を10〜100Paに略維持しつつ、DEZを0.1秒導入した。DEZの導入開始から次のサイクルのDEZの導入開始までの時間T1(図2参照)を5.9秒とした。酸素ガスの導入時間T2(図2参照)を6秒とした。マスフローコントローラ17b,17cによる流量調整では、酸素ガスと、ガス状の水との比率が8:2となるよう流量調整をした。ガス状の水の導入時間T3(図2参照)を2秒とした。平行平板電極14への給電時間T4(図2参照)を0.5秒とした。平行平板電極14へ給電する電力は、13.56MHzの高周波で、200Wとした。これにより、厚さ50nmのZnO膜をSi基板上に形成した。Si基板は、ZnO膜の形成処理中、常に80℃に維持した。
炭素原子(C)、酸素原子(O)、及び水素原子(H)の計測は、ZnO膜の表面にビーム状の一次イオン(Csイオン)を照射し、その一次イオンとZnO膜の分子、原子レベルでの衝突によって発生する二次イオンを質量分析計で検出する方法、すなわち二次イオン質量分析法を用いた。計測では、炭素原子(C)、酸素原子(O)、及び水素原子(H)の質量に対応する粒子を検出し計数した。
図3(a)の縦軸は、ZnO膜の深さに対する各原子の計数値(CPS(Count per Second))である。計数値が低いほど、対応する原子の量が少ないことを示す。
一方、図3(b)は、図2に示す方法のうち、ガス状の水に代えて酸素ガスを用いてZnO膜を形成したときの図3(a)と同じ方法で計測された計数値の結果である。このZnO膜は、ガス状の水を用いたプラズマではなく、酸素ガスによるプラズマとDEZとのみとを用いて形成されたZnO膜である。
図3(a),(b)の結果からわかるように、図3(a)に示す結果では炭素原子の計数値が低いことから、本実施形態の方法で形成されたZnO膜には、不純物である炭素原子の含有量が低いことを示す。
このような結果は、水を用いたプラズマ生成中、パージガスとして成膜空間に導入した酸素ガスの一部が電離してプラズマが生成され、これによって活性化した酸素ラジカルの原子が、ZnO膜に不純物として含まれる炭素原子と結合して、二酸化炭素ガスあるいは一酸化炭素ガスとなってパージされると考えられる。したがって、炭素原子が不純物として含まれ難い本実施形態の方法で形成されたZnO膜は、不純物の少ない半導体膜として有効に用いることができる。
図4は、図3(a),(b)で用いたZnO膜の形成方法を用いて形成したボトムゲート型の半導体素子50の概略の構成を示す図である。半導体素子50は、ガラス基板上に形成された絶縁層52の上層にゲート電極54を形成し、さらに、ゲート電極54をゲート絶縁層56で覆い、その上層にZnO膜58を形成し、その上層に、ソース電極60及びドレイン電極62を形成し、さらに最上層に保護膜64を形成して構成されている。
この半導体素子50について、ゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idの変化を示す伝達特性を計測した。ZnO膜58の幅W(図4中の紙面垂直方向の寸法)は20μm、長さL(ソース電極とドレイン電極との間の寸法)は10μmとした。ドレイン電圧Vdを5Vとしてドレイン電流Idを計測した。したがって、ドレイン電流Idが高いほどZnO膜の移動度が高い傾向を示す。図3(a)に示す本実施形態の方法で作製されたZnO膜からなる半導体素子のドレイン電流Idは、図3(b)に示す形態の方法で作製されたZnO膜からなる半導体素子のドレイン電流Idに比べて高く、移動度が高いことを示す。
これより、本実施形態の方法で作製されるZnO膜には、不純物である炭素原子は少なく、優れた半導体素子の伝達特性さらには移動度を示すことがわかる。
上述した特許文献1のZnO膜の形成では、ガス状の水を用いたプラズマ(水プラズマ)を用いて結晶粒のサイズが大きいZnO膜を形成し、その後、酸素プラズマを用いてZnO膜のキャリア量を低減させて、半導体素子における移動度を向上させる。このため、水プラズマの他に酸素ガスを用いたプラズマを生成するといった煩雑なプロセスを用いる。しかし、本実施形態では、水を用いたプラズマを生成してZnO膜を形成するとき、成膜空間に酸素ガスを同時に導入することにより、図3(a)に示すように、ZnO膜に含まれる炭素原子の量を低減することができる。このため、従来のような煩雑なプロセスを用いることなく、移動度の高い半導体素子を実現するZnO膜を簡単なプロセスで容易に形成することができる。
本実施形態では、フラットパネルディスプレイに用いるTFT等の半導体素子に好適に用いられ得るが、フラットパネルディスプレイの他に、太陽電池用セルにも適用することができる。
以上、本発明のZnO膜形成方法及びZnO膜形成装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態および変形例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 ZnO膜形成装置
12 成膜容器
12a 突出壁
14 平行平板電極
14a 上部電極
14b 下部電極
16 ガス供給ユニット
16a TMA源
16b N2
16c O2
17a ダイヤフラム式バルブ
17b,17c マスフローコントローラ
18 コントローラ
18a,18b,18c 管
20 高周波電源
22 マッチングボックス
24 排気ユニット
26 バルブ
28 排気管
30 サセプタ
30a 昇降軸
30b 昇降機構
32 ヒータ
50 半導体素子
52 絶縁層
54 ゲート電極
56 ゲート絶縁層
58 ZnO膜
60 ソース電極
62 ドレイン電極
64 保護膜

Claims (5)

  1. ZnO膜形成方法であって、
    成膜空間内に配置された基板の上方にZnを含む有機金属のガスを原料ガスとして流すことにより、基板に前記有機金属を吸着させる第1ステップと、
    前記基板に有機金属を吸着させた後、前記成膜空間にガス状の水を導入するとともに、パージガスとして酸素ガスを導入して、前記成膜空間内でプラズマを発生させることにより、ZnO膜を形成する第2ステップと、を有し、
    前記ZnO膜の厚さが予め設定された厚さになるまで、前記第1ステップ及び前記第2ステップを連続して繰り返すことを特徴とするZnO膜形成方法。
  2. 前記第1ステップの期間を除き、前記酸素ガスがパージガスとして前記成膜空間に導入される、請求項1に記載のZnO膜形成方法。
  3. 前記第1ステップ及び前記第2ステップにおいて、前記基板は95℃以下に加熱保持される、請求項1または2に記載のZnO膜形成方法。
  4. 原子層成長装置であって、
    基板が配置される成膜空間を備える成膜容器と、
    前記成膜空間内に設けられ、プラズマを生成するプラズマ生成ユニットと、
    前記成膜空間に、Znを含む有機金属の原料ガス、ガス状の水、及び酸素ガス、のそれぞれを前記成膜空間に導入するガス供給ユニットと、
    前記原料ガス、前記水、及び前記酸素ガスのそれぞれの導入のタイミングと前記プラズマ生成ユニットに給電する電力の給電のタイミングとを制御するコントローラ、とを有し、
    前記コントローラは、前記基板が配置された成膜空間に前記原料ガスを導入させるように制御した後、前記水及び前記酸素ガスの前記成膜空間への導入に合わせて、前記プラズマ生成ユニットがプラズマを生成するように制御する、ことを特徴とするZnO膜形成装置。
  5. さらに、基板を加熱保持するヒータを備え、前記ヒータは95℃以下の温度で基板を加熱する、請求項4に記載のZnO膜形成装置。


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