JP2003096565A - 酸化チタン層の製造方法、この方法により製造された酸化チタン層、及び酸化チタンを用いた反射防止フィルム - Google Patents

酸化チタン層の製造方法、この方法により製造された酸化チタン層、及び酸化チタンを用いた反射防止フィルム

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JP2003096565A JP2001290028A JP2001290028A JP2003096565A JP 2003096565 A JP2003096565 A JP 2003096565A JP 2001290028 A JP2001290028 A JP 2001290028A JP 2001290028 A JP2001290028 A JP 2001290028A JP 2003096565 A JP2003096565 A JP 2003096565A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化チタン層をプラズマCVD法により短時
間で製造した場合であっても密着性や透明性が良好であ
り、さらに層製造後に屈折率が変化しない安定した酸化
チタン層の製造方法を提供すると共に、この方法を用い
て製造した酸化チタン層、及び当該酸化チタン層を積層
体中に用いた反射防止フィルムを提供することを課題と
する。 【解決手段】 有機チタン化合物ガスと酸素ガスとを反
応室内へ供給し、これらのガスを放電させてプラズマ状
態とし、前記反応室内に載置された基材上に酸化チタン
層を積層させるプラズマCVD法であって、前記反応室
内に、有機チタン化合物ガス及び酸素ガス以外に、水蒸
気を供給することで、水蒸気存在下で酸化チタン層を積
層させることを特徴とするプラズマCVD法を用いた酸
化チタン層の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有機チタン化合
物からなる酸化チタン層の製造方法、この方法により製
造された酸化チタン層、及び酸化チタン層を用いた反射
防止フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ、プラズマディスプレ
イ、CRTなどのコンピューター、ワープロ、テレビ、
表示板等に使用される各種ディスプレイや、計器等の表
示体、バックミラー、ゴーグル、窓ガラスなどには、ガ
ラスやプラスチックなどの透明な基板が使用されてい
る。そして、それらの透明な基板を通して、文字や図形
その他の情報を読み取るため、透明な基板の表面で光が
反射するとそれらの情報が読み取り難くなるという欠点
がある。
【0003】現在では、上記欠点を解決するために、基
材フィルム上に互いに屈折率の異なる層を積層すること
により反射防止フィルムを形成し、当該反射防止フィル
ムを前記透明な基板表面に貼ることにより光の反射を防
止することが行われている。
【0004】ここで、優れた反射防止フィルムを形成す
るためには、前記積層構造に様々な屈折率を有する薄層
を複数積層することが必要であることが知られており、
屈折率の大きさにより、低屈折率層、中屈折率層、及び
高屈折率層などと呼ばれる薄層が用いられている。ま
た、このような薄層を複数積層してなる積層体を有する
反射防止フィルムの製造方法としては、プラズマCVD
法が好適に用いられている。プラズマCVD法を用いる
ことにより、原料ガスを用いて基材上に短時間で均質な
薄層を形成することができるからである。
【0005】さらに、このような状況においては、反射
防止フィルムの積層構造における高屈折率層としては、
酸化チタン層を積層する場合が多い。これは、酸化チタ
ン層は、有機チタン化合物ガスを原料としてプラズマC
VD法により形成することが可能であり、また屈折率を
1.80以上とすることが比較的容易であるためであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来公
知のプラズマCVD法により製造した高屈折率層として
の酸化チタン層は、成層速度が速い分、密着性や透明性
に欠けるといった欠点があり、また屈折率についても安
定性に欠け、製造後に屈折率が変化してしまう場合があ
った。これは、酸化チタン層が形成された後において
も、当該酸化チタン層が空気中の酸素や水分と何らかの
反応を起こしており、これにより層の成分が変化してい
ることに帰因していると考えられる。
【0007】本発明は、上記問題に鑑みなされたもので
あり、酸化チタン層をプラズマCVD法により短時間で
製造した場合であっても密着性や透明性が良好であり、
さらに層製造後に屈折率が変化しない安定した酸化チタ
ン層の製造方法を提供すると共に、この方法を用いて製
造した酸化チタン層、及び当該酸化チタン層を積層体中
に用いた反射防止フィルムを提供することを課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するための手段として、請求項1に記載するように、有
機チタン化合物ガスと酸素ガスとを反応室内へ供給し、
これらのガスを放電させてプラズマ状態とし、前記反応
室内に載置された基材上に酸化チタン層を積層させるプ
ラズマCVD法であって、前記反応室内に、有機チタン
化合物ガス及び酸素ガス以外に、水蒸気を供給すること
で、水蒸気存在下で酸化チタン層を積層させることを特
徴とするプラズマCVD法を用いた酸化チタン層の製造
方法を提供する。
【0009】従来のプラズマCVD法においては、層成
分中に空気中の酸素や水分と反応する部分が残っていた
と考えられ、当該部分が層中に存在しているため、密着
性や透明性に問題が生じると共に、屈折率が不安定であ
ったと考えられる。
【0010】ここで、以下の説明においては、層成分中
における空気中の酸素や水分と反応する部分のことを、
「残基」とする場合がある。「残基」とするのは、層を
形成する際に有機チタン化合物ガスと酸素ガスとが十分
に反応せず未反応のまま残った基があると考えられるか
らである。
【0011】しかしながら、本発明によれば、有機チタ
ン化合物ガスと酸素ガスとを反応室内へ供給し、これら
のガスを放電させてプラズマ状態とし、前記反応室内に
載置された基材上に酸化チタン層を積層させるプラズマ
CVD法において、前記反応室内に、有機チタン化合物
ガス及び酸素ガス以外に、水蒸気を供給することで水蒸
気存在下で酸化チタン層を積層させるので、酸化チタン
層は充分に酸素と水蒸気が存在している状況で積層され
ていることになり、よって、従来のプラズマCVD法に
おいては残基となる部分においても、酸素や水蒸気と反
応することが可能となる。その結果、層成分中に残基が
生じることがない。
【0012】したがって、本発明の方法により製造され
た酸化チタン層は、密着性や透明性に問題が生じること
はなく、さらに層中の残基が酸素や水蒸気と反応するこ
とにより層成分が変化することもないため屈折率が変化
することもない。
【0013】さらに、本発明は、上記課題を解決するた
めに、請求項2に記載するように、前記請求項1に記載
の酸化チタン層の製造方法において、前記水蒸気が酸素
ガスに同伴されて反応室内に供給されることに特徴を有
する酸化チタン層の製造方法を提供する。
【0014】本発明によれば、前記請求項1に記載の酸
化チタン層の製造方法において、前記水蒸気が酸素ガス
に同伴されて反応室内に供給されるので、酸素及び水蒸
気が十分に存在している状況下において酸化チタン層を
積層せしめることができる。
【0015】また、本発明は、上記課題を解決するため
に、請求項3に記載するように、前記請求項1又は請求
項2に記載の酸化チタン層の製造方法により製造された
ことを特徴とする酸化チタン層を提供する。
【0016】本発明によれば、酸化チタン層は、前記請
求項1又は請求項2に記載の酸化チタン層の製造方法に
より製造されているので、当該酸化チタン層中にいわゆ
る残基が存在することがない。したがって、層形成後に
おいて、層の成分が変化することもなく安定した屈折率
を有する酸化チタン層であると言える。
【0017】さらに、本発明は、上記課題を解決するた
めに、請求項4に記載するように、基材と、基材上に位
置し、複数の薄層が積層されてなる積層体と、を有する
反射防止フィルムであって、前記積層体中の薄層のうち
の少なくとも1層が前記請求項3に記載の酸化チタン層
であり、反射率が5〜25%(λ=550nm)であ
り、透過率が70〜90%(λ=550nm)であるこ
とを特徴する反射防止フィルムを提供する。
【0018】本発明によれば、反射防止フィルムは、基
材と、基材上に位置し、複数の薄層が積層されてなる積
層体と、を有し、前記積層体中の薄層のうちの少なくと
も1層が前記請求項3に記載の酸化チタン層であるの
で、当該酸化チタン層の屈折率が変化することがなく、
また当該酸化チタン層は残基を有していないことから、
その直下の層との密着性にも優れているため、積層体は
剥離してしまうことも防止できる。
【0019】また、本発明によれば、反射防止フィルム
は、その反射率が5〜25%(λ=550nm)である
ので、従来から用いられている様々な用途に使用するこ
とが可能である。
【0020】さらに、本発明によれば、反射防止フィル
ムは、その透過率が70〜90%(λ=550nm)で
あるので、透明性においても十分であり、上記と同様に
様々な用途に使用することができる。
【0021】また、本発明は、上記課題を解決するため
に、請求項5に記載するように、前記請求項4に記載の
反射防止フィルムであって、積層体の層構成が、基材側
から、屈折率が1.55以上1.80未満(λ=550
nm)の中屈折率層としてのシリカ層、前記請求項3に
記載の高屈折率層としての酸化チタン層、屈折率が1.
55未満の低屈折率層としてのシリカ層、であることを
特徴とする反射防止フィルムを提供する。
【0022】さらに、本発明は、上記課題を解決するた
めに、請求項6に記載するように、前記請求項4に記載
の反射防止フィルムであって、積層体の層構成が、基材
側から、前記請求項3に記載の高屈折率層としての酸化
チタン層、屈折率が1.55未満の低屈折率層としての
シリカ層、前記請求項3に記載の高屈折率層としての酸
化チタン層、屈折率が1.55未満の低屈折率層として
のシリカ層、であることを特徴とする反射防止フィルム
を提供する。
【0023】反射防止フィルムの積層体を上記のような
層構成とすることにより、層構成中における高屈折率層
としての酸化チタン層にあっては、上記請求項3に記載
する作用効果を発揮し、さらに上記層構成とすることに
よって効率よく光の反射を防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】[1]酸化チタン層の製造方法 まず、本発明の酸化チタン層の製造方法について図面を
用いて説明する。
【0025】本発明の酸化チタン層の製造方法は、有機
チタン化合物ガスと酸素ガスとを反応室内へ供給し、こ
れらのガスを放電させてプラズマ状態とし、前記反応室
内に載置された基材上に酸化チタン層を積層させるプラ
ズマCVD法であって、前記反応室内に、有機チタン化
合物ガス及び酸素ガス以外に、水蒸気を供給すること
で、水蒸気存在下で酸化チタン層を積層させることを特
徴とするプラズマCVD法である。つまり、本発明の方
法は、従来からのプラズマCVD法を改良し、反応室内
に水蒸気を供給することにより、水蒸気存在下で成層を
することに大きな特徴を有している。
【0026】図1は、本発明の方法を実施するためのプ
ラズマCVD装置の一例を示す概略構成図である。
【0027】図1に示すプラズマCVD装置1は、平行
平板型のプラズマCVD装置であり、反応室2と、有機
チタン化合物ガス用タンク3と、酸素ガス用タンク4
と、水蒸気発生装置5と、真空ポンプ6と、から概略構
成されている。そして、反応室2内には、上部電極10
と、下部電極11とが設置されており、下部電極11に
は電源装置12が接続されている。
【0028】当該プラズマCVD装置1により、本発明
の酸化チタン層を製造する際には、基材20を下部電極
11上に載置し、反応室2内を真空ポンプ6を用いて、
減圧する。そして、下部電極11に所定の電力を印加す
る。
【0029】この状態で、前記有機チタン化合物ガス用
タンク3から有機チタン化合物ガスを反応室内の電極近
傍へ導入すると共に、酸素ガス用タンク4から酸素ガス
と水蒸気発生装置5内で生成された水蒸気とを反応室2
内の電極近傍へ導入する。この際、反応室2と真空ポン
プ6との間にあるバルブ13の開閉度を制御し反応室2
内の圧力を所定の圧力に保つ。こうすることにより、反
応室2内に導入された有機チタン化合物ガスは放電され
てプラズマ状態となり、有機チタン化合物ガスと共に反
応室2内に導入された酸素ガス(O2)、および水蒸気
(H2O)と化学反応を起こし、その結果、基材20上
に酸化チタン層が形成される。
【0030】このように形成された酸化チタン層は、多
量に存在する酸素ガスと水蒸気ガスと充分に化学反応を
起こすことが可能であるため、層形成後において層の成
分が変化することがなく、屈折率も安定する。
【0031】本発明の方法を実施するためのプラズマC
VD装置1における反応室2や、各種ガス用のタンク
3、4、及び真空ポンプ6等については、本発明は特に
限定されず、従来公知のプラズマCVD装置と同様のも
のを用いることができる。
【0032】また、本発明の方法を実施するための特有
の装置である水蒸気発生装置においても、反応室2に導
入するための水蒸気を発生することができる装置であれ
ば、その構造等は特に限定されず、いかなる水蒸気発生
装置であってもよいが、水蒸気の原料となる水は、蒸留
水、若しくはイオン交換水が望ましい。これらの水には
不純物が少なく、したがって均一な酸化チタン層を形成
することができるからである。
【0033】ここで、反応室2内に導入する水蒸気の量
についても、本発明は特に限定するものではなく、成層
する酸化チタン層の厚さや、成層スピードにより任意に
決定することができる。しかしながら、より安定した酸
化チタン層を形成するためには、有機チタン化合物ガス
と水蒸気との体積比が1:0.5〜1:5の割合となる
ように水蒸気を導入することが好ましい。なお、この体
積比は標準状態(25℃,1atm)でのものである。
有機チタン化合物ガスの体積比が1に対して導入する水
蒸気の体積比が0.5より少ないと、水蒸気の量が足り
ず従来からの酸化チタン層と同様に不安定な層となるか
らであり、一方、有機チタン化合物ガスの体積比が1に
対して導入する水蒸気の体積比が5より大きいと、有機
チタン層の形成に悪影響を与えることとなり、薄層では
なく粉体が形成されてしまう場合もあるからである。
【0034】本発明の方法で用いられる有機チタン化合
物ガスとしては、Ti(i−OC374(チタンテト
ラi−プロポキシド)、Ti(OCH34(チタンテト
ラメトキシド)、Ti(OC254(チタンテトラエ
トキシド)、Ti(n−OC374(チタンテトラn
−プロポキシド)、Ti(n−OC494(チタンテ
トラn−ブトキシド)、Ti(t−OC494(チタ
ンテトラt−ブトキシド)、Ti(sec−OC49
4(チタンテトラsec−ブトキシド)のチタンアルコ
キシド、およびTiCl4(四塩化チタン)が挙げられ
る。その中でも、Ti(i−OC374(チタンテト
ラi−プロポキシド)、Ti(t−OC4 94(チタ
ンテトラt−ブトキシド)は、蒸気圧が高いという理由
で好適である。
【0035】このような有機チタン化合物ガスを反応室
2へ導入する際には、当該ガスを反応室内に均一に分布
させるためのアシストガスを用いてもよい。この場合、
当該アシストガスについては特に限定されない。
【0036】また、水蒸気を反応室2へ導入する方法や
装置についても本発明は特に限定することはなく、一定
量の水蒸気を導入することが可能であればいかなる方
法、装置をも利用することができる。但し、有機チタン
化合物ガスは水蒸気と反応し易いので、反応室への導入
はそれぞれ別系統にする必要がある。したがって、本発
明の方法においては、水蒸気を反応室内に導入する際に
は、酸素ガスに同伴させて導入することが好ましく、例
えば図1に示すプラズマCVD装置1においては、酸素
ガス用タンク4と反応室2とを連結する配管の途中に水
蒸気発生装置5を設けることが好ましい。このようにす
ることにより、酸素ガスと水蒸気とを同時に反応室内に
供給できると共に、プラズマCVD装置の構造を簡略化
することができるからである。
【0037】水蒸気を反応室2へ導入する際には、上記
酸素ガス以外のガスと同伴させることも可能であり、例
えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの水
に難溶性のガスであれば、水蒸気の導入量の制御上から
考えても特に限定されることはない。
【0038】本発明の酸化チタン層の製造方法は、有機
チタン化合物ガスと酸素ガスとを反応室内へ供給し、こ
れらのガスを放電させてプラズマ状態とし、前記反応室
内に載置された基材上に酸化チタン層を積層させるプラ
ズマCVD法であって、前記反応室内に、有機チタン化
合物ガス及び酸素ガス以外に、水蒸気を供給すること
で、水蒸気存在下で酸化チタン層を積層させることを特
徴とするプラズマCVD法であれば、特に限定されるも
のではなく、必ずしも上記図1に示す平行平板型のプラ
ズマCVD装置1を用いなくてもよい。
【0039】図2は、巻き取り型のプラズマCVD装置
20の概略構成図である。当該巻き取り型のプラズマC
VD装置20は、基材15が長尺のフィルムである場合
に好適に用いられるものであり、その基本的な構造は図
1に示す平行平板型のプラズマCVD装置と同様であ
る。
【0040】図2に示す巻き取り型のプラズマCVD装
置20では、まず、長尺の基材フィルム21が基材巻き
出し部22より巻きだされて、真空容器中のプラズマC
VDの反応室23に導入される。この反応容器の全体
は、真空ポンプ24により排気されている。また、同時
に反応室23には、有機チタン化合物ガス用タンク25
から規定流量の有機チタン化合物ガスが供給され、また
酸素ガス用タンク26、及び水蒸気発生装置27からは
酸素ガス、および水蒸気がそれぞれ配管を利用して供給
される。各配管は、液化を防ぐためにヒーターなどで加
熱する場合もある(特に有機チタン化合物ガスは液化し
やすいので加熱する場合がある。)。次に、基材巻き出
し部22より巻き出され、反応室23に導入された基材
フィルム21は、反転ロールRを経て、成層用ドラム2
8に巻き付き、成層用ドラム28の回転と同期しながら
反転ロールR'の方向に送られていく。この時、成層用
ドラム28は、温度コントロールが可能であり、基材フ
ィルム21の表面温度と成層用ドラム28の表面温度は
ほぼ等しい。従って、プラズマCVD時に酸化チタンが
堆積する基材フィルム1の表面温度、すなわちプラズマ
CVDの成層温度を任意にコントロールできる。この例
においては、プラズマCVD法により酸化チタン層を基
材フィルム1上に成層する場合の成層温度を、その時の
成層用ドラム28の表面温度により表示する。
【0041】電極29と成層用ドラム28との間には、
電源PによりRF電圧が印加される。このとき、電源の
周波数は、RF周波数(Radio Frequency)に限らず、
低周波数から高周波数まで適当な周波数を使用すること
も可能である。そして、電極29と成層用ドラム28の
間にRF電圧を印加することにより、この両電極の周辺
にプラズマが発生する。そして、このプラズマ中で有機
チタン化合物ガスと酸素ガス及び水蒸気が反応し、酸化
チタンを生成して成層用ドラム28に巻き付いた基材フ
ィルム21上に堆積して、酸化チタン層が形成される。
その後、酸化チタン層が表面に形成された基材フィルム
21は、反転ロールR'を経て、基材巻き取り部22'で
巻き取られる。
【0042】上記のような巻き取り型のプラズマCVD
装置20を用いることにより、基材フィルム21が高温
にさらされて、伸び、変形、カール等をすることなく、
酸化チタン層の形成が可能である。さらに、当該装置に
よれば、材料ガス流量・圧力、放電条件、基材フィルム
21の送りスピートのコントロールにより、形成される
酸化チタン層の屈折率、膜厚等を広範囲でコントロール
しうるため、材料を変更することなく、所望の光学特性
の膜を得ることができる。
【0043】また、プラズマCVD法には、プラズマを
発生するために用いる電力の印加方法の違いにより、容
量結合型プラズマCVD法と、誘導結合型のプラズマC
VD法の2種類があるが、本発明においてはどちらのプ
ラズマCVD法を用いることも可能である。
【0044】[2]酸化チタン層 次に、本発明の酸化チタン層について説明する。
【0045】本発明の酸化チタン層は、前記で説明した
本発明の酸化チタン層の製造方法により製造されたこと
に特徴を有している。当該方法により製造された酸化チ
タン層は層の成分中にいわゆる「残基」がない。したが
って、本発明の酸化チタン層は、空気中の酸素や水蒸気
と反応して屈折率が変化することがなため、反射防止フ
ィルムにおける積層体を構成する薄層として好適に用い
ることができる。
【0046】また、本発明の酸化チタン層の成分として
は、相対原子数で、Ti:O:C=1:2.2〜2.
7:0.1〜0.5であり、Ti−O−CO−Ti結合
のような炭酸エステルや炭酸塩がほとんど含まれないも
の、つまり以下に示すXPS測定装置、測定条件でXP
S測定を行った際に、炭酸エステルや炭酸塩が検出限界
以下のものである。
【0047】(XPS測定装置) VG Scientific 社製:XPS(ESCAVAB 220i-XL) (XPS測定条件) X線源:Monochromated Al Kα、 X線出力:10KV,20mA(200W) レンズ:Large Area XL、 アパーチャ開度:F.O.A=open、A.A.=open 測定領域:700μmφ 帯電中和:電子中和銃 +4V、中和補助マスク使用 光電子脱出深度:90度
【0048】[3]反射防止フィルムについて 次に、上述してきた本発明の酸化チタン層を用いた反射
防止フィルムについて説明する。
【0049】図3に示すように、本発明の反射防止フィ
ルム30は、基材31と、この基材31上に設けられて
おり、複数の薄層が積層されてなる積層体32とを有す
るものであり、当該反射防止積層体32中の一層には、
上述の本発明の酸化チタン層33が用いられていること
に特徴を有するものである。
【0050】以下に図3を用いて本発明の反射防止フィ
ルム30を構成する基材31、積層体32について
それぞれ説明する。
【0051】基材 まず、基材31について説明する。
【0052】本発明の反射防止フィルム30において、
基材31は、当該反射防止フィルムの土台となる部分で
ある。基材31は、可視光域で透明な高分子フィルムで
あれば特に限定されるものではない。前記高分子フィル
ムとしては、例えば、トリアセチルセルロースフィル
ム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレ
ートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィル
ム、ポリアクリル系フィルム、ポリウレタン系フィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネイトフィル
ム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ト
リメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィル
ム、アクリロニトリルフィルム、メタクリロニトリルフ
ィルム等が挙げられる。さらには、無色のフィルムがよ
り好ましく使用できる。中でも、一軸または二軸延伸ポ
リエステルフィルムが透明性、耐熱性に優れていること
から好適に用いられ、特にポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムが好ましい。また、光学異方性のな
い点でトリアセチルセルロースも好適に用いられる。高
分子フィルムの厚みは、通常は6μm〜188μm程度の
ものが好適に用いられる。
【0053】積層体 次に積層体32について説明する。
【0054】当該積層体32は、基材上に位置し、複数
の薄層が積層されてなるものであり、前記で説明した本
発明の酸化チタン層33を少なくとも一層有するもので
ある。一般に反射防止フィルムは、光学特性の異なる複
数の層を積層することにより、積層体32全体で反射防
止作用を奏するものである。本発明の反射防止フィルム
30における積層体32は、上記本発明の酸化チタン層
が少なくとも一層設けられていればよく、その他の層に
ついては反射防止フィルム全体として反射防止効果を奏
するように自由に積層することが可能である。
【0055】図3に示す本発明の反射防止フィルム30
は、本発明の酸化チタン層33を用いた好ましい積層構
造の一例を示す図でもあり、基材31側から、屈折率が
1.55以上1.80未満(λ=550nm)の中屈折
率層としてのシリカ層35、高屈折率層としての上記本
発明の酸化チタン層33、屈折率が1.55未満の低屈
折率層としてのシリカ層34、という積層構造を有して
いる。
【0056】このように、積層体の最外層に低屈折率層
が設けられていることが好ましい。本発明の酸化チタン
層33は、反射防止フィルムにおいては高屈折率層とし
て機能するが、低屈折率層と合わせて積層することで、
夫々の屈折率の違いにより光の反射を効率よく防止する
ことができるからである。
【0057】ここで、低屈折率層としては、シリカ層3
4を好適に用いることができ、その屈折率は、1.55
未満(波長λ=550nm)であることが好ましい。反
射防止フィルムを形成する際においては、シリカ層の屈
折率は積層されている他の層との関係で相対的に決定す
ることが好ましく、積層体全体としてのバランスにより
反射防止効果を奏するものであるが、一般的な積層体と
した場合における低屈折率層としてのシリカ層の屈折率
は上記のような範囲であることが好ましい。
【0058】また、積層体中には中屈折率層が設けられ
ていることが好ましい。中屈折率層は、反射防止機能を
高めるために用いられる層である。ここで、前記低屈折
率層と本発明の高屈折率層としての酸化チタン層33と
は接触している方が効率よく光の反射を防止することが
できるため、当該中屈折率層は、本発明の酸化チタン層
33の下に設けることが好ましい。
【0059】このような中屈折率層は、可視光域で透明
であり、かつ屈折率が1.55以上1.80未満(λ=
550nm)の範囲内となる物質で形成された層であれ
ば特に限定されるものではないが、前記低屈折率層と同
様、シリカ層35を好適に用いることができる。また、
シリカ層の以外であっても、例えば、Al23、Si
N、SiONや、ZrO2、SiO2、ZnO2の微粒子
を有機ケイ素化合物等に分散したもの等を用いてもよ
い。
【0060】また、低屈折率層や中屈折率層として用い
るシリカ層をプラズマCVD法により形成する際に用い
る原料ガスとしては、有機シリコーンが好ましく、具体
的には、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テ
トラメチルジシロキサン(TMDSO)、メチルトリメ
トキシシラン(MTMOS)、メチルシラン、ジメチル
シラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピル
シラン、フェニルシラン、テトラメトキシシラン、オク
タメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン、テトラエトキシシラン等を用いるこ
とができる。
【0061】図4に示す本発明の反射防止フィルム40
は、本発明の酸化チタン層33を用いた好ましい積層構
造の他の一例を示す図であり、基材31側から、高屈折
率層としての上記本発明の酸化チタン層33、屈折率が
1.55未満の低屈折率層としてのシリカ層34、高屈
折率層としての上記本発明の酸化チタン層33、屈折率
が1.55未満の低屈折率層としてのシリカ層34、と
いう積層構造を有している。
【0062】このよう積層構造とすることにより、それ
ぞれの薄層の屈折率の違いにより効率的に光の反射を防
止することができるとともに、本発明の酸化チタン層3
3は他の薄層との密着性にも優れているため、当該酸化
チタン層33を交互に積層することにより、積層体全体
の密着性を向上することができる。
【0063】また、本発明の反射防止フィルムにおいて
は積層体以外に、ハードコート層(図示せず)を設ける
ことも可能である。
【0064】本発明に用いられるハードコート層は、本
発明の反射防止フィルムに強度を持たせることを目的と
して形成される層である。従って、反射防止フィルムの
用途によっては必ずしも必要なものではない。
【0065】ハードコート層を形成するための材料とし
ては、可視光域で透明な材料であり反射防止フィルムに
強度をもたせることができるものであれば特に限定され
るものではなく、例えばUV硬化型アクリル系ハードコ
ートや熱硬化型シリコーン系コーティング等を用いるこ
とができる。また、当該ハードコート層の肉厚は、通常
1〜30μmの範囲内であり、このようなハードコート
層の製造方法は、通常のコーティング方法を用いること
も可能であり、特に限定されるものではない。
【0066】ハードコート層を設ける位置であるが、ハ
ードコートを設ける目的は反射防止フィルムに強度を持
たせることであり、反射防止機能を向上せしめるための
ものではないため、低屈折率層として最上層に位置する
シリカ層5から離れた位置に設置することが好ましく基
材フィルムのすぐ上に設置することが好ましい。
【0067】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れるものではない。上記実施の形態は、例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的範囲と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0068】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0069】(実施例1)図2の装置20を使用して、
基材として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムを用い、当該基材上に酸化チタン
層を形成した。有機チタン化合物ガスとしては、120
℃で気化させたチタンテトライソプロポキシドTi(i
−OC374を用いた。また、水蒸気は従来公知の水
蒸気発生装置を用いて生成し、酸素ガスに同伴させて反
応室内に導入した。有機チタン化合物ガス、酸素ガス、
及び水蒸気のそれぞれの流量は下記に示す通りである。
今回使用した図2のプラズマCVD装置20は容量結合
型で、高周波電源として13.56MHzのRF電源を
用いた。また、連続成膜時の基材の高分子フィルムの送
り速度は、1m/minである。その他の条件は、以下
に記す。
【0070】<成膜条件> 印加電力:1kW チタンテトライソプロポキシドガス流量:100scc
m 酸素ガス流量:1000sccm 水蒸気流量:100sccm 成層用ドラム表面温度(成層温度):30℃
【0071】なお、上記のガス流量単位sccmは、st
andard cubic cm par minute のことである。
【0072】以上の条件でポリエチレンテレフタレート
フィルム上に形成した酸化チタン層の測定結果を以下に
示す。
【0073】<酸化チタン層測定結果> 膜厚:150nm 成層速度:150nm・m/min 屈折率(λ=550nm):2.00 なお、上記酸化チタン層の測定には以下の装置を用い
た。
【0074】<酸化チタン膜測定に使用した装置> 膜厚測定:エリプソメーター(型番 UVISELTM
メーカー JOBIN YVON) 屈折率測定:エリプソメーター(型番 UVISELT
M メーカー JOBIN YVON)
【0075】以上に示した酸化チタン膜の形成結果のご
とく、成膜温度30℃において、屈折率2.00の均質
な酸化チタン膜が、成膜速度150nm・m/minと
いう高い成膜速度で、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に形成できた。また、この酸化チタン膜をエリプ
ソメーターで測定した結果、λ=550nmでの消衰係
数0.0001で着色の問題が無いものであった。加え
て、酸化チタン膜成膜後の、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムは、わずかな伸び、変形も無く良好な状態で
あった。
【0076】さらに、酸化チタン層を製造して、24時
間の加熱加湿(80℃,90%Rh)経過後の屈折率を
測定したところ2.00であり、屈折率が安定している
ことが分かった。
【0077】(比較例1)水蒸気を供給しないこと以外
は、すべて上記実施例1と同様の条件で酸化チタン層を
製造した。また、製造した酸化チタン層の測定に使用し
た装置も上記実施例1と同様のものである。その結果を
以下に示す。
【0078】<酸化チタン層測定結果> 膜厚:210nm 成層速度:210nm・m/min 屈折率(λ=550nm):2.00
【0079】以上に示した酸化チタン膜の形成結果のご
とく、成膜温度30℃において、屈折率2.00の均質
な酸化チタン膜が、成膜速度210nm・m/minと
いう高い成膜速度で、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に形成できた。また、この酸化チタン膜をエリプ
ソメーターで測定した結果、密着性に欠け、さらにλ=
550nmでの消衰係数0.1であり、著しく透明性に
欠ける薄層であった。
【0080】また、酸化チタン層を製造して、24時間
の加熱加湿(80℃,90%Rh)経過後の屈折率を測
定したところ2.15であり、屈折率も著しく変化して
いることが分かった。
【0081】上記実施例1及び比較例1の酸化チタン層
についてそれぞれλ=550nmでの透過率を測定し
た。その結果を図5に示す。
【0082】図5からも明らかなように、本発明の実施
例1に示す酸化チタン層はその透過率も優れていること
が分かった。
【0083】(実施例2)図2に示すプラズマCVD装
置20を用いて、図3に示す積層構造を有する本発明の
反射防止フィルムを製造した。各層の形成条件を以下に
示す。
【0084】基材フィルム(30)としては、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム(厚さ100μm)を用い
た。
【0085】ハードコート層としては、紫外線硬化型樹
脂PET−D31(大日精化工業(株))を塗工により形
成した。紫外線硬化条件は480mJで、厚さは6μm
とした。
【0086】中屈折率層(35)としは、ZrO2微粒
子コーティング液No.1221(ZrO2微粒子10
0重量部に対し、バインダー(電離放射線硬化型型有機
ケイ素化合物)0.3重量部よりなるコーティング液:
住友大阪セメント(株))をワイヤーバー塗工により形成
した。紫外線硬化条件は480mJで、厚さ88nmと
した。
【0087】高屈折率層(33)としての本発明の酸化
チタン層は、実施例1と同様の条件で形成した。
【0088】低屈折率層(34)としては、SiO2
をプラズマCVD法で形成した。
【0089】上記条件で形成した反射防止フィルムは、
高分子フィルムのわずかな伸び、変形も無く、良好な状
態であった。上記条件で作成した反射防止フィルムの反
射分光特性を図6に示す。図6より、人間が感知し易い
550nm近傍での反射率が低く、反射防止効果が良好
であった。このときの視感度反射率は、0.3%と良好
な値を示した。
【0090】なお、分光反射率は、分光光度計(型番:
UV−3100PC、メーカー:島津製作所)で測定し
た。
【0091】
【発明の効果】本発明の酸化チタン層の製造方法によれ
ば、有機チタン化合物ガスと酸素ガスとを反応室内へ供
給し、これらのガスを放電させてプラズマ状態とし、前
記反応室内に載置された基材上に酸化チタン層を積層さ
せるプラズマCVD法において、前記反応室内に、有機
チタン化合物ガス及び酸素ガス以外に、水蒸気を供給す
ることで水蒸気存在下で酸化チタン層を積層させるの
で、酸化チタン層は充分に酸素と水蒸気が存在している
状況で積層されていることになり、よって、従来のプラ
ズマCVD法においては残基となる部分においても、酸
素や水蒸気と反応することが可能となる。その結果、層
成分中に残基が生じることがない。
【0092】したがって、本発明の方法により製造され
た酸化チタン層は、密着性や透明性に問題が生じること
はなく、さらに層中の残基が酸素や水蒸気と反応するこ
とにより層成分が変化することもないため屈折率が変化
することもない。
【0093】また、本発明の反射防止フィルムは、本発
明の酸化チタン層を積層体の高屈折率層として用いてい
るので、透過率、反射率ともに優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】平行平板型のプラズマCVD装置の概略構成図
である。
【図2】巻き取り型のプラズマCVD装置の概略構成図
である。
【図3】本発明の反射防止フィルムの一例を示す概略断
面図である。
【図4】本発明の反射防止フィルムの他の一例を示す概
略断面図である。
【図5】実施例及び比較例の酸化チタン層についての透
過率の測定結果を示す図である。
【図6】実施例の反射防止フィルムの反射分光特性を示
す図である。
【符号の説明】
1…平行平板型プラズマCVD装置 20…巻き取り型のプラズマCVD装置 31…基材 32…積層体 33…酸化チタン層 34…低屈折率層としてのシリカ層 35…中屈折率層としてのシリカ層
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA20B AA20D AA21C AK42 AT00A BA04 BA07 JN06 JN18B JN18C JN18D YY00B YY00C YY00D 4K030 AA11 AA14 AA24 BA44 BA46 BB12 CA07 CA12 FA03 GA14 LA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機チタン化合物ガスと酸素ガスとを反
    応室内へ供給し、これらのガスを放電させてプラズマ状
    態とし、前記反応室内に載置された基材上に酸化チタン
    層を積層させるプラズマCVD法であって、 前記反応室内に、有機チタン化合物ガス及び酸素ガス以
    外に、水蒸気を供給することで、水蒸気存在下で酸化チ
    タン層を積層させることを特徴とするプラズマCVD法
    を用いた酸化チタン層の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記水蒸気が酸素ガスに同伴されて反応
    室内に供給されることを特徴とする請求項1に記載の酸
    化チタン層の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2に記載の酸化
    チタン層の製造方法により製造されたことを特徴とする
    酸化チタン層。
  4. 【請求項4】 基材と、基材上に位置し、複数の薄層が
    積層されてなる積層体と、を有する反射防止フィルムで
    あって、 前記積層体中の薄層のうちの少なくとも1層が前記請求
    項3に記載の酸化チタン層であり、 反射率が5〜25%(λ=550nm)であり、 透過率が70〜90%(λ=550nm)であることを
    特徴する反射防止フィルム。
  5. 【請求項5】 前記請求項4に記載の反射防止フィルム
    であって、積層体の層構成が、基材側から、 屈折率が1.55以上1.80未満(λ=550nm)
    の中屈折率層としてのシリカ層、 前記請求項3に記載の高屈折率層としての酸化チタン
    層、 屈折率が1.55未満の低屈折率層としてのシリカ層、 であることを特徴とする反射防止フィルム。
  6. 【請求項6】 前記請求項4に記載の反射防止フィルム
    であって、積層体の層構成が、基材側から、 前記請求項3に記載の高屈折率層としての酸化チタン
    層、 屈折率が1.55未満の低屈折率層としてのシリカ層、 前記請求項3に記載の高屈折率層としての酸化チタン
    層、 屈折率が1.55未満の低屈折率層としてのシリカ層、 であることを特徴とする反射防止フィルム。
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