JP2003300286A - 転写フィルム及びそれを用いて形成した反射防止フィルム - Google Patents

転写フィルム及びそれを用いて形成した反射防止フィルム

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JP2003300286A
JP2003300286A JP2002108662A JP2002108662A JP2003300286A JP 2003300286 A JP2003300286 A JP 2003300286A JP 2002108662 A JP2002108662 A JP 2002108662A JP 2002108662 A JP2002108662 A JP 2002108662A JP 2003300286 A JP2003300286 A JP 2003300286A
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antireflection
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Sayaka Kawashima
さやか 川島
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  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続したプラスティックフィルム基材を使用
して連続処理方法により、生産性の向上とコストの低減
を可能ならしめる転写フィルム及びそれを用いて形成し
た反射防止フィルムを提供することを目的とする。 【解決手段】 転写フィルム1により得られる反射防止
フィルムは、プラスティックフィルム21上に離型層2
2を有する基材2上に真空成膜により少なくとも2層以
上の反射防止層3を設け、更にその上にハードコート層
16、接着層4を順次設けた転写フィルム1を、被転写
体であるプラスティックフィルムやシート又はガラスと
合わせて、少なくとも反射防止層3を被転写体に転写し
て形成できる。反射防止層3は少なくとも2層構成で、
反射防止層3の各層31、32は互いに屈折率の異なる
層であり、それらを積層することにより、1層では非常
に困難である屈折率の制御を簡単に達成できた反射防止
フィルムを作製できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレ
イ、CRT(陰極線管)ディスプレイ、もしくはプラズ
マディスプレイパネル等のディスプレイの前面に設ける
反射防止フィルムと、それを作製するための転写フィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ、プラズマディスプレ
イ、CRTなどのコンピューター、ワープロ、テレビ、
表示板に使用される各種ディスプレイや、計器等の表示
体、バックミラー、ゴーグル、窓ガラスなどには、ガラ
スやプラスティックなどの透明な基板が使用されてい
る。そして、それらの透明な基材を通して、文字や図形
その他の情報を読み取るため、透明な基材の表面で光が
反射すると、それらの情報が読み取り難くなるという欠
点がある。
【0003】そこで、ディスプレイの前面に、基材に反
射防止機能を付与することが行なわれる。例えば、透明
基材に直接、真空成膜法により酸化ケイ素(以下、「シ
リカ」とする場合がある。)、酸化ジルコニウム、酸化
チタン、フッ化マグネシウムなどの無機化合物からなる
反射防止膜を形成する方法がある。真空成膜法は、真空
環境下で基材の表面に対して成膜を行なうものである。
真空環境下では、一般の大気環境下に比べて、雰囲気ガ
スの成分が著しく制限されるため、不純物の少ない良質
な膜を形成することができる。たとえば、真空チャンバ
内を排気しながら、特定の成膜処理用ガスを所定量だけ
導入した場合、真空チャンバ内の雰囲気には、理論的に
は当該成膜処理用ガスが所定量だけ含まれることになる
ので、最適な条件での成膜処理が可能になる。
【0004】具体的な真空成膜の方法としては、真空蒸
着、スパッタリング、CVD、イオンプレーティング、
プラズマ放電、グロー放電、電子線照射、紫外線照射、
材料噴霧など種々の方法が知られている。また、成膜対
象となる基材としては、金属板、ガラス板、金属フィル
ム、プラスティックフィルム、紙など多岐に渡ってお
り、既に成膜が完了した基材に対して、更に上層の成膜
を形成する処理を繰り返して行ない、多層構造を得る工
程が行われることも少なくない。真空成膜法では、成膜
対象となる基材を真空チャンバ内に収容し、チャンバ内
を排気して一定の真空度に維持した状態で所定の成膜方
法を実行することになる。必要に応じて、チャンバ内に
は成膜処理用ガスが導入される。しかし、上記の真空成
膜法を行なう場合、使用できる基材に対し、耐溶剤性、
耐熱性等の限定された条件がある。
【0005】従来、光の反射防止技術には、次のような
技術があった。すなわち、ガラスやプラスティック表面
に反射防止塗料を塗布する方法、ガラス等の透明基板の
表面に0.1μm程度のMgF2等の極薄膜や金属蒸着
膜を設ける方法、プラスティックレンズ等のプラスティ
ック表面に電離放射線硬化型樹脂を塗工し、その上に蒸
着によりSiO2やMgF2の膜を形成する方法、電離放
射線硬化型樹脂の硬化型膜上に低屈折率の塗膜を形成す
る方法があった。このような各種の反射防止膜の形成方
法があるが、バッチ処理ではなく、連続処理法により真
空成膜を行う時に,熱に弱い基材(フィルム)を用いる
と、脱ガスなどにより、フィルムにしわが発生するため
に、膜厚ムラが生じる。一般的に光学層は数%のずれで
規格外となってしまうので成膜時の歩留まりが低くな
る。よって従来の方法では高価な反射防止フィルムを無
駄に廃棄するという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決すること、即ち連続したプラスティックフィルム
基材を使用して連続処理方法により、生産性の向上とコ
ストの低減を可能ならしめる転写フィルム及びそれを用
いて形成した反射防止フィルムを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の反射防止フィル
ムを形成するための転写フィルムは、上記の課題を解決
するために、請求項1において、プラスティックフィル
ム上に離型層を有する基材上に真空成膜により少なくと
も2層以上の反射防止層を設け、更にその上にハードコ
ート層、接着層を順次設けたことを特徴とする。請求項
2として、請求項1に記載する反射防止層が真空成膜に
より、接着層側から、中屈折率層、低屈折率層の2層を
順に積層したことを特徴とする。請求項3として、請求
項1に記載する反射防止層が真空成膜により接着層側か
ら、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の3層を順に
積層したことを特徴とする。
【0008】また、請求項4として、請求項1に記載す
る反射防止層が真空成膜により接着層側から、高屈折率
層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の4層を順に
積層したことを特徴とする。請求項5として、請求項2
〜4のいずれか一つに記載する低屈折率層、中屈折率層
の少なくとも1層がシリカを主成分とし、高屈折率層は
ITO(インジウム/スズ酸化物)を主成分とすること
を特徴とする。請求項6として、請求項2〜4のいずれ
か一つに記載する低屈折率層、中屈折率層の少なくとも
1層がシリカを主成分とし、高屈折率層は酸化チタンを
主成分とすることを特徴とする。本発明の反射防止フィ
ルムは、請求項7として、プラスティックフィルムやシ
ート又はガラスに対し、上記請求項1〜6に記載するい
ずれか一つの転写フィルムを用いて、直接、転写して形
成したことを特徴とする。また、請求項8として、請求
項7に記載する反射防止フィルムの最上層として、転写
フィルムからの転写された離型層が位置して、防汚層と
して機能することを特徴とする。
【0009】上記の転写フィルムにより得られる反射防
止フィルムは、プラスティックフィルム上に離型層を有
する基材上に真空成膜により少なくとも2層以上の反射
防止層を設け、更にその上にハードコート層、接着層を
順次設けた転写フィルムを、被転写体であるプラスティ
ックフィルムやシート又はガラスと合わせて、少なくと
も反射防止層を被転写体に転写して形成できる。反射防
止層は少なくとも2層構成で、反射防止層の各層は互い
に屈折率の異なる層であり、それらを積層することによ
り、1層では非常に困難である屈折率の制御を簡単に達
成できた反射防止フィルムを作製できた。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、詳細に説
明する。図1は、本発明の反射防止フィルムを作製する
ための転写フィルム1である一つの実施形態を示し、プ
ラスティックフィルム21上に離型層22を有する基材
2上に真空成膜により、低屈折率層31、中屈折率層3
2の2層を順に積層した反射防止層3を設け、更にその
上にハードコート層16、接着層4を順次設けている。
また図2は本発明の反射防止フィルムを作製するための
転写フィルム1である他の実施形態を示し、プラスティ
ックフィルム21上に離型層22を有する基材2上に真
空成膜により、低屈折率層31、高屈折率層33、中屈
折率層32の3層を順に積層した反射防止層3を設け、
更にその上にハードコート層16、接着層4を順次設け
ている。
【0011】図3は本発明の反射防止フィルムを作製す
るための転写フィルム1である他の実施形態を示し、プ
ラスティックフィルム21上に離型層22を有する基材
2上に真空成膜により、低屈折率層31、高屈折率層3
3、低屈折率層31、高屈折率層33の4層を順に積層
した反射防止層3を設け、更にその上にハードコート層
16、接着層4を順次設けている。
【0012】以下、本発明の転写フィルムを構成する各
層について、説明する。(プラスティックフィルム)本
発明の転写フィルムの基材を構成するプラスティックフ
ィルム21としては、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリエチレンテレフタレートーイソフタレート
共重合体等のポリエステル系をはじめ、ポリカーボネー
ト系、ポリアミド系、ポリオレフィン系等のプラスティ
ックフィルムが挙げられる。又、これらのプラスティッ
クは2種又はそれ以上のものがブレンドされていてもよ
く、例えばポリエチレンテレフタレートにポリエチレン
テレフタレート−イソフタレート共重合体がブレンドさ
れていてもよい。更に又、これらのプラスティックフィ
ルムが2種又はそれ以上のものが積層された複層フィル
ムであってもよい。
【0013】上記のプラスティックフィルムの厚さは、
9〜100μmの範囲、好ましくは12〜38μmの範
囲から適宜選択実施される。プラスティックフィルムの
厚さが9μm未満の場合には、プラスティックフィルム
に皺、カール等の欠点が発生し易く、取り扱いにくいの
で好ましくない。一方、100μmを越えると、熱転写
時の熱伝導が遅く、転写の作業性が劣るので好ましくな
い。
【0014】(離型層)本発明の転写フィルムにおける
基材において、その上に設ける反射防止層を基材から容
易に剥離することができるように、プラスティックフィ
ルム上に離型層22を形成する。この離型層は、被転写
体に対し、転写フィルムから反射防止層、ハードコート
層、接着層を熱転写させる際に、離型層と反射防止層と
の界面で剥離するタイプの非転写性離型層と、転写フィ
ルムの基材から剥離して被転写体へ転写されるタイプの
転写性離型層がある。非転写性離型層は、転写フィルム
の転写時に、離型層と反射防止層との界面で剥離するも
ので、転写後は、転写フィルムのプラスティックフィル
ム側に残存する。非転写性離型層を構成する樹脂として
は、例えばエポキシ−メラミン樹脂、アクリル−メラミ
ン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、尿素−メラミン樹
脂、シリコーン樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ
素樹脂等があげられる。これらの樹脂の1種又はそれ以
上の樹脂の有機溶剤溶液、エマルジョン等のコーティン
グ剤をロールコーティング法、グラビアコーティング法
等の通常コーティング法によりプラスティックフィルム
上に塗布し、溶媒を乾燥(熱硬化性樹脂、電子線硬化性
樹脂、紫外線硬化性樹脂等の場合は硬化)することによ
って形成する。
【0015】非転写性離型層の厚さは、通常0.1〜1
0μmの範囲、好ましくは0.2〜5μmの範囲から適
宜選択実施される。非転写性離型層の厚さが0.1μm
より薄い場合には、剥離が重く目的とする剥離性を得る
ことができないので好ましくない。一方、10μmより
厚い場合には剥離が軽すぎるために、順次形成する層が
加工工程中で脱落する可能性があるので好ましくない。
【0016】又、非転写性離型層は、次ぎの方法によっ
ても形成することができる。水酸基、エーテル基、カル
ボキシル基、アミノ基等を1個以上有する水溶性有機物
質、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン等のビニル系水溶性樹脂、メチルセルロース、カルボ
キシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース等の繊維素エーテル
系樹脂、アクリル酸ソーダ、アクリル酸アンモニウム等
のアクリル酸系水溶性物質、澱粉、デキストリン、ニカ
ワ、ゼラチン等の天然水溶性物質、カゼイン、カゼイン
酸ソーダ、カゼイン酸アンモニウム等のタンパク質系水
溶性物質、その他ポリエチレンオキサイド、カラギーナ
ン、グルコマンガン等の1種、又はそれ以上の物質であ
る水溶液のコーティング剤をロールコーティング法、グ
ラビアコーティング法等の通常コーティング法によりプ
ラスティックフィルム上に塗布し、乾燥することにより
形成される。
【0017】また、転写フィルムの転写時に、転写フィ
ルムの基材から剥離して被転写体へ転写されるタイプの
転写性離型層は、その構成する材質としては、印字時に
溶融して剥離性を発揮する各種のワックスが好ましく、
例えば、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワッ
クス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワ
ックス、酸化ポリエチレンワックス、各種低分子量ポリ
エチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊
毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、一
部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の種
々のワックスがあげられる。その他に、例えば剥離性に
優れたアクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シ
リコーン或いはフッ素で変性した各種の樹脂を使用する
こともできる。
【0018】転写性離型層は、上記の非転写性離型層と
同様に、通常コーティング法によりプラスティックフィ
ルム上に塗布し、乾燥することによって形成できる。転
写性離型層の厚み、即ち塗工量は、通常0.1〜10μ
mの範囲、好ましくは0.2〜5μmの範囲から適宜選
択実施される。転写性離型層は、転写フィルムからの転
写時に、被転写体へ転写されて、反射防止フィルムの最
上層として、防汚層として機能できる。この防汚層と
は、ディスプレイパネルの前面に配置した反射防止フィ
ルムに、ごみや汚れが付着するのを防止し、あるいは付
着しても除去しやすくするためのものである。
【0019】(反射防止層)本発明における転写フィル
ムの反射防止層3は、プラスティックフィルム上に離型
層を有する基材上に、真空成膜法により少なくとも2層
以上の構成で形成される。この2層以上の反射防止層
は、各層の光学特性がそれぞれ異なるもので、各層の光
学特性(特に屈折率)や層構成により、積層体全体とし
て効果的に反射を防止するように構成されている。通
常、反射防止層の積層体を構成する層は、その屈折率に
より、低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層に大別され
る。
【0020】上記の低屈折率層、中屈折率層、高屈折率
層は、反射防止層を構成する薄膜において、その屈折率
を相対的に比べた場合の違いから区別して名づけたもの
である。本発明では、低屈折率層は、比較的屈折率が低
い層であり、1.55未満の屈折率を有する。また、高
屈折率層は比較的が高い層で、1.80以上の屈折率を
もつ。中屈折率層は、低屈折率層と高屈折率層の中間の
屈折率を有するもので、1.55以上1.80未満の屈
折率を有するものである。但し、本発明の屈折率は全て
550nmの波長光で測定したものである。
【0021】(低屈折率層)本発明における反射防止層
で使用する低屈折率層31は、屈折率が1.55未満の
もので、屈折率が1.3〜1.5程度のものが好まし
く、その範囲にあるものとしては、例えばシリカ膜(酸
化シリカ膜)や、フッ化マグネシウムや酸フッ化ケイ素
等が挙げられる。光学特性に関し、低屈折率材料に求め
られる物性はフッ化マグネシウムや酸フッ化ケイ素の方
がシリカ膜よりも優れている。しかし、フッ化マグネシ
ウム等は、機械強度や耐湿性等がシリカ膜に比べ劣るの
で、その用途によっては、強度向上層やバリア層を追加
して積層する等の手段との併用が好ましい。その点にお
いて、シリカ膜については、前記フッ化マグネシウム等
のように併用手段等を特に必要としないため、総合的に
は最も好適である。
【0022】低屈折率層の形成方法は、プラズマCVD
法、蒸着法、もしくはスパッタリング法等の真空成膜法
により形成することができ、その膜厚は10〜1000
nm程度であり、10〜200nmの範囲が好ましい。
その膜厚が少なすぎると、屈折率の異なる層と積層させ
て反射防止効果がほとんど期待できなくなり、また膜厚
が多すぎると、層の圧力により基材変形や層剥がれの発
生する場合があり好ましくない。低屈折率層として、シ
リカ膜がプラズマCVD法により形成されたものが好ま
しく、特に好ましくは、プラスティックフィルムの温度
が、−10〜150℃に制御されてシリカが積層された
反射防止フィルムが好ましい。このようにして積層され
たシリカ膜は、膜厚分布に優れており、反射防止フィル
ムとして好適である。
【0023】上記のプラズマCVD法によるシリカ膜を
形成するために、その原料ガスとしては、シラン、ジシ
ラン、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テト
ラメチルジシロキサン(TMDSO)、メチルトリメト
キシシラン(MTMOS)、メチルシラン、ジメチルシ
ラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシ
ラン、フェニルシラン、テトラメトキシシラン、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン、テトラエトキシシラン
等のSi系化合物を用いることが可能である。
【0024】(中屈折率層)本発明の反射防止層におけ
る中屈折率層32は、反射防止機能を高めるために用い
られる層である。この中屈折率層は、可視光域で透明で
あり、かつ屈折率が1.55以上1.80未満の範囲内
となる物質で形成された層であれば、特に限定されるも
のではない。具体的な中屈折率層を形成するための物質
としては、例えば、不純物の少ない酸化シリコン、炭素
含有酸化シリコン、Al23、SiN、SiONや、Z
rO2、SiO2、ZnO2の微粒子を有機ケイ素化合物
等に分散したもの等が用いられる。また、中屈折率層は
必ずしも一層である必要もなく、複数の異なった層を積
層して全体として上記の屈折率となるような層構成とす
ることにより当該積層膜を中屈折率層とすることも可能
である。
【0025】中屈折率層の形成方法は、プラズマCVD
法、蒸着法、もしくはスパッタリング法等の真空成膜法
により形成することができ、その膜厚は10〜1000
nm程度であり、10〜200nmの範囲が好ましい。
その膜厚が少なすぎると、屈折率の異なる層と積層させ
て反射防止効果がほとんど期待できなくなり、また膜厚
が多すぎると、層の圧力により基材変形や層剥がれの発
生する場合があり好ましくない。中屈折率層は、炭素を
含有する酸化シリコン層(SiOxCy)が好ましく用
いられる。それは、酸化シリコン層に炭素を含有させる
ことにより、屈折率を所望の範囲に調整することが容易
にできるからである。また、中屈折率層は、次に説明す
る高屈折率層、前記に説明した低屈折率層を含めて、2
層以上から構成される反射防止層全ては、各層の成層条
件を比較的容易に管理でき、また複数の薄層を同時に形
成することができるプラズマCVD法により形成するこ
とが望ましい。
【0026】(高屈折率層)本発明の反射防止層におけ
る高屈折率層33は、可視光域で透明性を有し、その屈
折率が1.80以上(λ=550nm)である。この高
屈折率層として、金属酸化物薄膜が挙げられ、具体的に
は、酸化チタン、ITO(インジウム/スズ酸化物)
層、Y23層、In23層、Si34層、SnO2層、
ZrO2層、HfO2層、Sb23層、Ta25層、Zn
O層、WO3層等を挙げることができ、この中でも特に
酸化チタンまたは高抵抗を示すITO層を用いることが
好ましい。
【0027】高屈折率層の形成方法は、プラズマCVD
法、蒸着法、もしくはスパッタリング法等により形成で
き、高屈折率層の膜厚は5〜300nm程度であり、1
0〜150nmの範囲が好ましい。その膜厚が少なすぎ
ると、屈折率の異なる層と積層させて反射防止効果がほ
とんど期待できなくなり、また膜厚が多すぎると、層の
圧力により基材変形や層剥がれの発生する場合があり好
ましくない。
【0028】(接着層)本発明の転写フィルムにおける
接着層4は、被転写体に反射防止層を熱転写させる際
に、被転写体と反射防止層との接着性を高めるものであ
る。接着層を構成する樹脂としては、例えばアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
ポリカーボネート系、ポリアミド系、セルロース系等の
樹脂及びこれらの変性物の1種又は2種以上の混合物か
らなる樹脂があげられる。
【0029】接着層は、前記樹脂を有機溶剤に溶解した
コーティング剤をグラビアコーティング法、リバースロ
ールコーティング法等で前記ハードコート層上に塗布、
乾燥して形成できる。又、ポリアミド系、ポリエステル
系等のホットメルト接着剤で接着層を形成する場合に
は、ホットメルト用コーターや押出コーティング装置を
用いる。又、ホットメルト接着層を形成する樹脂は、紫
外線や電子線によってアフターキュアにより硬化し、接
着性を増すものも好適である。接着層の厚さは被転写体
の表面状態に応じて、乾燥状態で通常0.3〜20μm
の範囲、好ましくは0.5〜3μmの範囲から適宜選択
できる。接着層の厚さが0.3μmより薄い場合には充
分な接着力が得られず、一方、20μmより厚い場合に
は著しく透明性を阻害するので好ましくない。
【0030】以上、転写フィルムを構成する各層につい
て説明したが、転写フィルムにおけるプラスティックフ
ィルム上に離型層を有する基材上に真空成膜により少な
くとも2層以上の反射防止層を設ける時に、連続処理法
により真空成膜を行なう時に、トリアセチルセルロース
に代表される熱に弱い基材(フィルム)を用いると、脱
ガスなどにより、フィルムにしわが発生するため、膜厚
ムラが生じやすい。一般的に光学層は数%のずれで規格
外となってしまうので、成膜時の歩留まりが悪化してし
まう。したがって、連続したプラスティックフィルム基
材を使用して連続処理方法により、生産性の向上とコス
トの低減を可能ならしめる転写フィルムを提供する必要
がある。
【0031】それに対して、転写フィルムにおける2層
以上の反射防止層を形成する方法として、プラズマCV
D法により、連続処理で2層以上の真空成膜である反射
防止層を形成して、その得られた転写フィルムを被転写
体に転写して、反射防止フィルムを作製することが、好
ましい。なぜなら、プラズマCVD法は、反射防止層の
各層の成層条件を比較的容易に管理でき、また複数の薄
層を同時に形成することができるからである。
【0032】図4に、プラズマCVD装置の例を示し、
プラズマCVD法により、プラスティックフィルム上に
離型層を有する基材2上に3層からなる反射防止層を設
ける製造方法を以下に説明する。連続ウエッブ状のプラ
スティックフィルム上に離型層を有する基材2が基材巻
き出し部6より巻き出されて、真空容器8中のプラズマ
CVDの反応室(a,b,c)に導入される。3つの反
応室は隔離壁15で隔離されることで形成されている。
各反応室(a,b,c)は、成膜用ドラム12の外周に
沿って設置されている。これは、積層膜が形成される基
材は、成膜用ドラム12と同期しながら反応室内に挿入
され、かつ成膜用ドラム上において積層膜を形成するも
のであることから、このように配置することにより連続
して各膜を積層することができる。
【0033】真空容器8の全体は、真空ポンプ9によ
り、排気される。また、同時に反応室aには、ガス導入
口a2より規定流量のSi系化合物ガス(原料ガス)と
活性ガス(酸素ガス等であり、原料ガスと反応して真空
成膜を生成するための反応ガスの働きをもつ)と不活性
ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン等のガスで原料ガス
との反応性の低いガス)が供給され、反応室aの内部
は、常に一定圧力のこれらのガスで満たされている。電
極a1と成膜用ドラム12との間には、電源13により
RF電圧が印加される。このとき、電源の周波数は、ラ
ジオ波に限らず、直流からマイクロ波まで適当な周波数
を使用することも可能である。そして、電極a1と成膜
用ドラム12の間にRF電圧を印加することにより、こ
の両電極の周辺にプラズマ14が発生する。そして、こ
のプラズマ14中で原料ガスと酸素ガスが反応し、真空
成膜を生成して成膜用ドラム12に巻き付いた離型層付
きのプラスチックフィルム基材2上に堆積して、低屈折
率層のシリカ膜31が形成される。
【0034】その後、シリカ膜31が表面に形成された
基材2は、反応室bに移動し、ガス導入口b2より規定
流量の酸化チタン薄膜の原料ガスと活性ガス(酸素ガス
等)と不活性ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン等のガ
ス)が供給され、反応室bの内部は、常に一定圧力のこ
れらのガスで満たされている。上記の酸化チタン層を形
成するための原料としてはチタンテトライソプロポキシ
ド、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシ
ド、チタンテトラn-プロポキシド、チタンテトラn-ブト
キシド、チタンテトラt-ブトキシド、チタンテトラsec-
ブトキシドのチタンアルコキシド、及び四塩化チタンな
どが挙げられる。その中でもチタンテトライソプロポキ
シド、チタンテトラt-ブトキシドは、蒸気圧が高いとい
う理由で好適である。電極b1と成膜用ドラム12との
間には、電源13によりRF電圧が印加され、電極b1
と成膜用ドラム12の間の周辺にプラズマ14が発生す
る。そして、このプラズマ14中で原料ガスと酸素ガス
が反応し、真空成膜を生成して成膜用ドラム12に巻き
付いた離型層付きのプラスチックフィルム基材2上のシ
リカ膜の上に堆積して、高屈折率層の酸化チタン膜33
が形成される。
【0035】次に、シリカ膜31と酸化チタン膜33が
表面に形成された基材2は、反応室cに移動し、ガス導
入口c2より規定流量のSi系化合物ガス(原料ガス)
と活性ガス(酸素ガス等)と不活性ガス(ヘリウム、ネ
オン、アルゴン等のガス)が供給され、反応室cの内部
は、常に一定圧力のこれらのガスで満たされている。ま
た、電極c1と成膜用ドラム12との間には、電源13
によりRF電圧が印加され、電極c1と成膜用ドラム1
2の間の周辺にプラズマ14が発生する。そして、この
プラズマ14中で原料ガスと酸素ガスが反応し、真空成
膜を生成して成膜用ドラム12に巻き付いた離型層付き
のプラスチックフィルム基材2上の酸化チタン膜の上に
堆積して、中屈折率層のシリカ膜32が形成され、最終
的に離型層付きのプラスチックフィルム基材2上に、低
屈折率層のシリカ膜31、高屈折率層の酸化チタン膜3
3、中屈折率層のシリカ膜32の3層を順に積層した反
射防止層3を形成したものが得られ、反転ロール11を
経て、基材巻き取り部7で巻き取られる。
【0036】上記のように、プラズマCVD法では、プ
ラズマ14により原料ガスと酸素ガスが化学反応し、成
膜用ドラム12により適切な温度に冷却された離型層付
きのプラスティックフィルム基材2上に堆積して、真空
薄膜を形成するので、基材2が高温にさらされ、伸び、
変形、カール等することなく、反射防止層の形成が可能
である。成膜用ドラム12は、温度コントロールが可能
であり、この時、基材2の表面温度と成膜用ドラム12
の表面温度はほぼ等しいため、プラズマCVD法による
成膜時に薄膜が堆積する基材2の表面温度、すなわちプ
ラズマCVDの成膜温度を任意にコントロールできる。
さらに、プラズマCVD法においては、材料ガス流量・
圧力、放電条件、基材2の送りスピードのコントロール
により、形成される薄膜の屈折率、膜厚等を広範囲でコ
ントロールでき、所望の光学特性の膜を得ることができ
る。なお、図4に示す装置では反応室の数を3室とした
が、プラズマCVD装置としてはこれに限定されるもの
ではなく、必要に応じて変更することができる。
【0037】(反射防止フィルム)本発明の反射防止フ
ィルムは、上記に説明した転写フィルムを用いて、プラ
スティックフィルムやシート又はガラスに対し、直接、
転写して形成される。上記の転写フィルムから反射防止
層等を転写される被転写体は、プラスティックフィルム
やシート又はガラスである。プラスティックフィルムと
しては、偏光フィルム(染料又はヨウ素を偏光子とした
ポリビニルアルコールフィルムをセルローストリアセテ
ートフィルムでラミネートしたもの)、ポリカーボネー
ト、セルローストリアセテート、ポリアリレート、ポリ
エーテルサルホン、環状ポリオレフィン、ポリノルボル
ネン系樹脂等の耐熱性、透明性の優れたもので、かつ光
学的に等方性のものが用いられる。その他ポリエステル
フィルム、アクリル樹脂系フィルム、アクリル樹脂系シ
ート等用いられる。尚、被転写体は、前記プラスティッ
クシートからなる基板に限らず、これよりも薄いプラス
ティックフィルム基板、厚いプラスティック板基板に適
用することもできる。またプラスティックだけでなくガ
ラスに適用することもできる。
【0038】本発明では、連続処理法により真空成膜を
行なう時に、熱に弱い基材(フィルム)を用いると、脱
ガスなどにより、フィルムにしわが発生するために、膜
厚ムラ等が生じ、成膜時の歩留まりの低下となる点を防
止し、生産性の向上とコストの低減を可能ならしめるた
めに、耐熱性には乏しいが、光学異方性がなく光学部材
として有用なトリアセチルセルロースを被転写体に用い
て、上記の転写フィルムから反射防止層を被転写体の表
面温度を60〜80℃程度の条件下で、熱転写すること
により、優れた光学特性を有した反射防止フィルムを作
製することが可能となった。
【0039】上記に挙げたよう反射防止フィルムの基材
となる、言い換えれば、転写フィルムの被転写体は、そ
の転写面に、反射防止フィルムに強度をもたせることを
目的として、ハードコート層16を形成しておくことが
できる。具体的には、反射防止フィルムの構成として、
被転写体/接着層/ハードコート層/反射防止層、ある
いは被転写体/接着層/ハードコート層/反射防止層/
転写性離型層の形態となる。ハードコート層を形成する
ための材料は、可視光域で透明な材料であって、反射防
止フィルムに強度をもたせることができるものが必要で
あり、その強度としては、JIS K5400で示す鉛
筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すことが好ましい。
【0040】具体的には、熱硬化型樹脂及び/又は電離
放射線硬化型樹脂を用いることが好ましく、さらに具体
的には、アクリレート系の官能基をもつもの、例えば、
比較的低分子量のポリエステル、ポリエーテル、アクリ
ル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アルキッド樹
脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン、ポリチオ
ールポリエン系樹脂、多価アルコール等の多官能化合物
の(メタ)アクリレート(以下、アクリレートとメタア
クリレートとを(メタ)アクリレートと記載する。)等
のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性の希釈剤であ
るエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N−ビ
ニルピロリドン等の単官能モノマー、並びに多官能モノ
マー、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、へキサンジオール(メタ)アクリレート、ト
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含むも
のが使用される。
【0041】更に、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外
線硬化型樹脂として使用するときは、これらの中に光重
合開始剤として、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフ
ェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミ
ロキシムエステル、チオキサントン類や、光増感剤とし
てn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブ
チルホスフィン等を混合して使用することが好ましい。
【0042】上記の電離放射線硬化型樹脂には、一般式
RmSi(OR′)nで表される反応性有機ケイ素化合物
(式中のR、R′は炭素数1〜10のアルキル基を表
し、m+n=4であり、そしてm及びnはそれぞれ整数
である。)を含ませることもできる。このようなケイ素
化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラ
ン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブト
キシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ
−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシ
ラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テト
ラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−
ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラ
ン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチ
ルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラ
ン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラ
ン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラ
ン、へキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0043】以上のようなハードコート層の膜厚は、通
常1〜30μmの範囲であり、その形成方法は、通常の
コーティング方法を用いることが可能であり、特に限定
されるものではない。ハードコート層の厚みが薄すぎる
と、その上に形成する各層の硬度を維持できなくなり、
また厚すぎると、反射防止フィルム全体のフレキシブル
さを低下させ、また、硬化に時間がかかる等、生産効率
の低下をまねく。ハードコート層は、被転写体が例え
ば、トリアセチルセルロースに代表される熱に弱い基材
の場合、転写フィルムから反射防止層を熱転写させる時
の加熱、加圧条件を緩和させることができるため、好ま
しく用いられる。本発明の転写フィルムを用いて、被転
写体に反射防止層を熱転写させる際の加熱条件は、サー
マルヘッドとプラテンロールを用いたり、ヒートロール
で熱圧を加えたり、あるいはホットスタンプ等の加熱手
段を使用してもよい。
【0044】本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。 (実施例1)透明基材フィルムとして厚さ75μmのポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム片面上
に、アクリルシリコーン樹脂、トルエン、メチルイソブ
チルケトンからなる溶液をグラビアリバースコートによ
り塗工し、乾燥時5μmの厚さの離型層(転写性離型
層)を形成した。
【0045】次にこの離型層の上に、公知のロール巻き
取り機構を備えたプラズマCVD装置(図4)を用い
て、離型層側から、低屈折率層、高屈折率層、中屈折率
層の3層からなる反射防止層を形成した。すなわち、各
反応室(a,b,c)にはガス成分としてはアルゴン、
酸素、ヘリウム混合ガスを使用した。反応室aで低屈折
率層を形成し、反応室bで高屈折率層を形成し、反応室
cで中屈折率層を形成した。また、連続成膜時の基材の
送り速度は1m/minである。その他の条件は以下に
示す。
【0046】(低屈折率層の形成) 原料ガス:(CH33SiOSi(CH3) 原料ガス(モノマー)流量:600sccm O2ガスの流量:3000sccm Arガスの流量:150sccm 印加電力:0.7kW
【0047】(高屈折率層の形成) 原料ガス:Ti(O−iC37) 原料ガス(モノマー)流量:30sccm O2ガスの流量:3000sccm Heガスの流量:200sccm Arガスの流量:150sccm 印加電力:1.0kW
【0048】(中屈折率層の形成) 原料ガス:(CH33SiOSi(CH3) 原料ガス(モノマー)流量:1000sccm O2ガスの流量:250sccm Heガスの流量:1000sccm Arガスの流量:150sccm 印加電力:1.0kW
【0049】次いで前記の3層からなる反射防止層の上
に、ウェットコートにより、下記の条件でハードコート
層を設け、さらにそのハードコート層の上に、ポリエス
テル樹脂、トルエン、メチルエチルケトンからなる溶液
をリバースコーティングにより塗布、乾燥し、乾燥時の
厚さ10μmの接着層を形成して、実施例1の反射防止
用転写フィルムを得た。尚、上記のガス流量単位scc
mは、standard cubic cmper m
inuteのことである。
【0050】(ハードコート層の条件)紫外線硬化型樹
脂PET−D31(大日精化工業(株))を塗工方式に
より形成した。 紫外線硬化条件:480mJ 厚さ:乾燥時6μm
【0051】上記のようにして得た反射防止用転写フィ
ルムを、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィル
ム(被転写体)に対し、転写フィルムの接着層と被転写
体が接するように重ね合せて、両者を一対のロールで挟
んで、加熱及び加圧するヒートロール方式で、反射防止
層を転写した。転写後にポリエチレンテレフタレートフ
ィルム基材を剥離し、反射防止フィルムを得た。被転写
体の転写される面の表面温度は加熱時で、60〜80℃
であった。
【0052】以上の条件でセルローストリアセテート上
に形成した反射防止層を積層した反射防止フィルムの各
層における屈折率等の測定結果を以下に示す。 <低屈折率層測定結果> 膜厚:96nm 成層速度:96nm・m/min 屈折率(λ=550nm):1.42
【0053】<高屈折率層測定結果> 膜厚:40nm 成層速度:40nm・m/min 屈折率(λ=550nm):2.25
【0054】<中屈折率層測定結果> 膜厚:81nm 成層速度:81nm・m/min 屈折率(λ=550nm):1.67
【0055】<上記薄膜測定に使用した装置> 膜厚測定 エリプソメーター 型番 UVISELTM メーカー JOBIN YVO
N 屈折率測定 エリプソメーター 型番 UVISELTM メーカー JOBIN YVO
【0056】以上に示したプラズマCVD法による3層
からなる反射防止層を、離型層付きのプラスティックフ
ィルム基材に、基材にしわが発生することなく、また膜
厚ムラが生じることもなく、連続処理方法により、効率
よく、安定した品質で製造することができた。さらに、
その転写フィルムを用いて、耐熱性の乏しいセルロース
トリアセテートの被転写体上に、反射防止層を転写し
て、優れた光学特性を有する反射防止フィルムを作製で
きた。
【0057】また、実施例1で得られた反射防止フィル
ムにおける、各波長光に対する反射率の変化を図5に示
した。図5に示すように、可視光域における反射率の低
い、優れた反射防止フィルムである。尚、波長光〜反射
率のグラフは、分光光度計(型番:UV−3100P
C、メーカー:島津製作所)にて各波長における反射率
を測定した。また、裏面の反射を消去する為に、裏面を
黒色の反射のない塗料を塗布した。測定した反射率、透
過率からCaughyの式を適用することにより算出し
た。
【0058】(実施例2)高屈折率層の素材、厚みを下
記のようにした以外は、実施例1と同様にして、離型層
を有するプラスティックフィルム基材上に、反射防止
層、ハードコート層、接着層を順に形成し、実施例2の
転写フィルムを作製した。高屈折率層として、ITO薄
膜を形成するため、ガス成分として酸素を使用し、スパ
ッタリング法により形成した。連続成膜時の基材の送り
速度は0.1m/minである。その他の成膜条件は以
下に記す。
【0059】<成膜条件> 印加電力:1.0kW O2ガスの流量:90sccm
【0060】上記の実施例2の転写フィルムと、被転写
体として、実施例1で使用したものと同様の厚さ80μ
mのトリアセチルセルロースフィルムを用い、転写フィ
ルムの接着層と被転写体が接するように重ね合せて、両
者を一対のロールで挟んで、加熱及び加圧するヒートロ
ール方式で、反射防止層を被転写体へ転写した。転写後
にポリエチレンテレフタレートフィルム基材を剥離し、
反射防止フィルムを得た。被転写体の転写される面の表
面温度は加熱時で、60〜80℃であった。た。被転写
体の転写される面の表面温度は加熱時で、60〜80℃
であった。以上の条件でセルローストリアセテート上に
形成した反射防止層を積層した反射防止フィルムの各層
における屈折率等の測定結果を以下に示す。測定方法は
実施例1と同様である。
【0061】<低屈折率層測定結果> 膜厚:96nm 成層速度:96nm・m/min 屈折率(λ=550nm):1.42
【0062】<高屈折率層測定結果> 膜厚:40nm 成層速度:40nm・m/min 屈折率(λ=550nm):2.09
【0063】<中屈折率層測定結果> 膜厚:81nm 成層速度:81nm・m/min 屈折率(λ=550nm):1.67
【0064】以上に示した3層からなる反射防止層を、
離型層付きのプラスティックフィルム基材に、基材にし
わが発生することなく、また膜厚ムラが生じることもな
く、連続処理方法により、効率よく、安定した品質で製
造することができた。さらに、その転写フィルムを用い
て、耐熱性の乏しいセルローストリアセテートの被転写
体上に、反射防止層を転写して、優れた光学特性を有す
る反射防止フィルムを作製できた。
【0065】(比較例1)実施例1において、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに反射防止層を設けた転写フ
ィルムを用いるかわりに、熱に弱いセルローストリアセ
テートフィルムに直接ハードコート層を設け、プラズマ
CVD法により二酸化ケイ素層、二酸化チタン層、二酸
化ケイ素層を形成し、中屈折率層/高屈折率層/低屈折
率層の3層を反射防止層として設けた反射防止フィルム
を得た。反射防止層の成膜の条件、装置は実施例1と同
様である。また、ハードコート層の形成は実施例1で使
用したものと同様の樹脂で、厚さも同様にして、行なっ
た。
【0066】(比較例2)実施例2において、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムに反射防止層を設けた転写
フィルムを用いるかわりに、熱に弱いセルローストリア
セテートフィルムに直接ハードコート層を設け、プラズ
マCVD法により二酸化ケイ素層、スパッタリング法に
よりITO層を形成し、中屈折率層/高屈折率層/低屈
折率層の3層を反射防止層として設けた反射防止フィル
ムを得た。成膜の条件、装置は実施例2と同様である。
また、ハードコート層の形成は実施例2で使用したもの
と同様の樹脂で、厚さも同様にして、行なった。
【0067】比較例1、2では熱に弱いフィルムを反射
防止フィルムの基材として、その基材上に直接、反射防
止層を形成したので、基材フィルムに熱による皺が発生
し、膜厚ムラが生じてしまった。
【0068】(比較例3)透明基材フィルムとして厚さ
75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム片面上に、反射防止層を低屈折率層として二酸化ケ
イ素層のみを、実施例1の低屈折率層の形成条件と同様
にして、形成した。比較例3で得られた反射防止フィル
ムにおける、各波長光に対する反射率の変化を図6に示
した。この場合も図5と同様の方法でグラフを作成し
た。図6に示されるように、可視光域において1.5程
度の反射率があり、反射防止フィルムとして利用できる
ものではなかった。
【0069】
【発明の効果】本発明では、転写フィルムにより得られ
る反射防止フィルムは、プラスティックフィルム上に離
型層を有する基材上に、真空成膜により少なくとも2層
以上の反射防止層を設け、更にその上にハードコート
層、接着層を順次設けた転写フィルムを、被転写体であ
るプラスティックフィルムやシート又はガラスと合わせ
て、少なくとも反射防止層を被転写体に転写して形成で
きる。反射防止層は少なくとも2層構成で、反射防止層
の各層は互いに屈折率の異なる層であり、それらを積層
することにより、1層では非常に困難である屈折率の制
御を簡単に達成でき、光学特性のより優れたものが得ら
れる。
【0070】プラスティックフィルム上に離型層、反射
防止層、接着層を順次積層してなる反射防止膜転写用フ
ィルムにおいて、連続的に搬送する装置を備えたプラズ
マCVD装置、真空蒸着装置、スパッタリング装置、コ
ーティング装置等を用いて生産性よく、低コストで所望
の層を形成することができる。この転写フィルムを使用
することにより、真空中では成膜しにくい、熱に弱い基
材や、直接ガラス上等の様々なものに、効率よく、反射
防止層を転写形成することができ、簡単に反射防止層を
有する光学部材を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止フィルムを作製するための転
写フィルムである一つの実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明の反射防止フィルムを作製するための転
写フィルムである他の実施形態を示す概略図である。
【図3】本発明の反射防止フィルムを作製するための転
写フィルムである他の実施形態を示す概略図である。
【図4】プラズマCVD装置の概略図である。
【図5】実施例1の反射防止フィルムの反射分光特性を
示す図である。
【図6】比較例3の反射防止フィルムの反射分光特性を
示す図である。
【符号の説明】 1 転写フィルム 2 基材(転写フィルム) 3 反射防止層 4 接着層 5 プラズマCVD装置 6 基材巻き出し部 7 基材巻き取り部 8 真空容器 9 真空ポンプ 10,11 反転ロール 12 成膜用ドラム 13 電源 14 プラズマ 15 隔離壁 16 ハードコート層 a,b,c 反応室 a2,b2,c2 ガス導入口 a1,b1,c1 電極 21 プラスティックフィルム 22 離型層 31 低屈折率層 32 中屈折率層 33 高屈折率層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H091 FA37X FB02 FB06 FC02 FC25 FC29 FD06 FD15 GA16 GA17 LA12 2K009 AA05 AA06 AA07 AA15 BB02 BB11 CC02 CC03 CC42 DD01 DD04 EE05 4F100 AA20C AA20D AA21E AA33E AH06 AK01A AK42 AK52 AR00B AR00C AR00D AR00E BA05 BA07 BA10A BA10E CC00E EJ59C EJ59D GB90 JL11E JL14B JN06 JN06C JN06D JN18C JN18D JN18E 5C032 AA02 EE17 EF01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスティックフィルム上に離型層を有
    する基材上に真空成膜により少なくとも2層以上の反射
    防止層を設け、更にその上にハードコート層、接着層を
    順次設けたことを特徴とする転写フィルム。
  2. 【請求項2】 反射防止層が真空成膜により、接着層側
    から、中屈折率層、低屈折率層の2層を順に積層したこ
    とを特徴とする請求項1に記載する転写フィルム。
  3. 【請求項3】 反射防止層が真空成膜により接着層側か
    ら、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の3層を順に
    積層したことを特徴とする請求項1に記載する転写フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 反射防止層が真空成膜により接着層側か
    ら、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層
    の4層を順に積層したことを特徴とする請求項1に記載
    する転写フィルム。
  5. 【請求項5】 低屈折率層、中屈折率層の少なくとも1
    層がシリカを主成分とし、高屈折率層はITO(インジ
    ウム/スズ酸化物)を主成分とすることを特徴とする請
    求項2〜4のいずれか一つに記載する転写フィルム。
  6. 【請求項6】 低屈折率層、中屈折率層の少なくとも1
    層がシリカを主成分とし、高屈折率層は酸化チタンを主
    成分とすることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一
    つに記載する転写フィルム。
  7. 【請求項7】 プラスティックフィルムやシート又はガ
    ラスに対し、請求項1〜6に記載するいずれか一つの転
    写フィルムを用いて、直接、転写して形成したことを特
    徴とする反射防止フィルム。
  8. 【請求項8】 前記の反射防止フィルムの最上層とし
    て、転写フィルムからの転写された離型層が位置して、
    防汚層として機能することを特徴とする請求項7に記載
    する反射防止フィルム。
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