JP2013251221A - リチウムイオン電池の残存容量の測定方法 - Google Patents

リチウムイオン電池の残存容量の測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】開放起電力から簡単かつ正確に残存容量を測定することができる方法を提供する。
【解決手段】層状岩塩型構造を有するLix1 y2 z2-d(1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50及び0≦d≦0.20である。M1はMn、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも一種、M2はFe、Co、Ni及びMnからなる群から選択される少なくとも一種である。)で示されるリチウム酸化物を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含む負極とを備えるリチウムイオン電池の残存容量の測定方法であって、リチウムイオン電池を充電する工程と、充電されたリチウムイオン電池について、電池全容量の0.1%以上を一部放電する工程と、一部放電されたリチウムイオン電池の開放起電力を測定する工程と、開放起電力から残存容量を算出する工程と、を含む方法。
【選択図】図1

Description

本実施形態は、リチウムイオン電池の残存容量の測定方法に関する。
層状岩塩型構造を有するリチウム酸化物を主成分とする正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を主成分とする負極とを備えるリチウムイオン電池は、高エネルギー密度の二次電池として期待されている。
しかしながら、前記リチウムイオン電池の充放電曲線には大きなヒステリシスが生じる場合がある。充放電曲線にヒステリシスが存在する場合、リチウムイオン電池の残存容量を開放起電力から推定できない課題がある。
特許文献1には、リチウムイオン電池の開放起電力から残存容量を測定する方法が開示されている。特許文献2及び3には、開放起電力から残存容量を推定する方法と、充放電電流を積算して残存容量を測定する方法とのハイブリッド化によって、正確な残存容量を測定する演算装置が開示されている。
特開平07−79535号公報 特許第4638194号公報 特許第4519551号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、ヒステリシスの大きな充放電曲線を示すリチウムイオン電池において、正確な残存容量を測定することができない。また、特許文献2及び3に記載の演算装置を用いれば、ヒステリシスの大きなリチウムイオン電池においても比較的正確に残存容量を測定することができるが、残存容量を測定するための演算装置が大掛かりになる課題がある。
本実施形態は、開放起電力から簡単かつ正確に残存容量を測定できる方法を提供することを目的とする。
本実施形態に係るリチウムイオン電池の残存容量の測定方法は、層状岩塩型構造を有する、下記式(1)
Lix1 y2 z2-d (1)
(前記式(1)において、1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50及び0≦d≦0.20である。M1はMn、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも一種、M2はFe、Co、Ni及びMnからなる群から選択される少なくとも一種である。)
で示されるリチウム酸化物を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含む負極とを備えるリチウムイオン電池の残存容量の測定方法であって、
リチウムイオン電池を充電する工程と、
充電されたリチウムイオン電池について、電池全容量の0.1%以上を一部放電する工程と、
一部放電されたリチウムイオン電池の開放起電力を測定する工程と、
前記開放起電力から残存容量を算出する工程と、
を含む。
本実施形態に係る蓄電システムは、層状岩塩型構造を有する、下記式(1)
Lix1 y2 z2-d (1)
(前記式(1)において、1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50及び0≦d≦0.20である。M1はMn、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも一種、M2はFe、Co、Ni及びMnからなる群から選択される少なくとも一種である。)
で示されるリチウム酸化物を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含む負極とを備えるリチウムイオン電池と、
前記リチウムイオン電池を充電する手段と、
前記リチウムイオン電池を充電する手段により充電されたリチウムイオン電池について、電池全容量の0.1%以上を一部放電する手段と、
前記リチウムイオン電池を一部放電する手段により一部放電されたリチウムイオン電池の開放起電力を測定する手段と、
前記開放起電力を測定する手段により測定された開放起電力から残存容量を算出する手段と、
を備える。
本実施形態によれば、開放起電力から簡単かつ正確に残存容量を測定することができる。
本実施形態に係るリチウムイオン電池の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る蓄電システムの構成の一例を示す模式図である。
[リチウムイオン電池の残存容量の測定方法]
本実施形態に係るリチウムイオン電池の残存容量の測定方法は、層状岩塩型構造を有する、下記式(1)
Lix1 y2 z2-d (1)
(前記式(1)において、1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50及び0≦d≦0.20である。M1はMn、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも一種、M2はFe、Co、Ni及びMnからなる群から選択される少なくとも一種である。)
で示されるリチウム酸化物を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含む負極とを備えるリチウムイオン電池の残存容量の測定方法であって、リチウムイオン電池を充電する工程と、充電されたリチウムイオン電池について、電池全容量の0.1%以上を一部放電する工程と、一部放電されたリチウムイオン電池の開放起電力を測定する工程と、前記開放起電力から残存容量を算出する工程と、を含む。
前記式(1)で示されるリチウム酸化物を主成分とする正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を主成分とする負極とを備えるリチウムイオン電池は、充放電曲線に大きなヒステリシスが生じる。このため、開放起電力から残存容量を測定することが困難である。本実施形態に係る方法によれば、充放電曲線に大きなヒステリシスが生じる前記リチウムイオン電池においても、開放起電力と残存容量とを一義的に対応させることができるため、開放起電力から比較的簡単かつ正確に残存容量を測定することができる。
(リチウムイオン電池)
本実施形態に係るリチウムイオン電池の一例の断面図を図1に示す。図1に示されるリチウムイオン電池は積層構造のリチウムイオン電池である。該リチウムイオン電池は、層状岩塩型構造を有する前記式(1)で示されるリチウム酸化物を含む正極1と、正極集電体1Aと、正極タブ1Bと、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含む負極2と、負極集電体2Aと、負極タブ2Bと、セパレータ3と、外装体4とを備える。正極1は正極集電体1A上に形成されている。負極2は負極集電体2A上に形成されている。正極1と負極2との間にはセパレータ3が挟まれている。正極集電体1Aには正極タブ1Bが接続されている。負極集電体2Aには負極タブ2Bが接続されている。正極1、正極集電体1A、正極タブ1B、負極2、負極集電体2A及び負極タブ2Bを備える発電要素は、正極タブ1B及び負極タブ2Bの一部が外部に露出した状態で外装体4に覆われている。外装体4内は不図示の電解液で満たされている。
本実施形態に係る正極は、正極活物質として、層状岩塩型構造を有する前記式(1)で示されるリチウム酸化物を含む。前記式(1)において、高い容量が得られる観点からM1はMnを少なくとも含むことが好ましい。また、安定性をより向上させる観点からM1はMn及びTiを少なくとも含むことがより好ましい。前記式(1)において、低コストである観点からM2はFeを少なくとも含むことが好ましい。また、安定性をより向上させる観点からM2はFe及びNiを少なくとも含むことがより好ましい。
前記式(1)において、1.17≦x≦1.30が好ましく、1.18≦x≦1.28がより好ましく、1.19≦x≦1.26がさらに好ましい。0.35≦y≦0.60が好ましく、0.37≦y≦0.58がより好ましく、0.39≦y≦0.56がさらに好ましい。0.10≦z≦0.48が好ましく、0.14≦z≦0.46がより好ましく、0.18≦z≦0.44がさらに好ましい。0≦d≦0.15が好ましく、0≦d≦0.12がより好ましく、0≦d≦0.10がさらに好ましい。
前記式(1)で示されるリチウム酸化物の具体例としては、Li1.19Mn0.52Fe0.222、Li1.20Mn0.40Fe0.402.00、Li1.23Mn0.46Fe0.312.00、Li1.29Mn0.57Fe0.142.00、Li1.20Mn0.40Ni0.402.00、Li1.23Mn0.46Ni0.312.00、Li1.26Mn0.52Ni0.222.00、Li1.29Mn0.57Ni0.142.00、Li1.20Mn0.60Ni0.202.00、Li1.23Mn0.61Ni0.152.00、Li1.26Mn0.63Ni0.112.00、Li1.20Mn0.40Fe0.20Ni0.202.00、Li1.23Mn0.46Fe0.15Ni0.152.00、Li1.26Mn0.52Fe0.11Ni0.112.00、Li1.29Mn0.57Fe0.07Ni0.142.00、Li1.26Mn0.37Ti0.15Ni0.222.00、Li1.26Mn0.37Ti0.15Fe0.222.00、Li1.23Mn0.33Ti0.13Fe0.15Ni0.152.00、Li1.20Mn0.56Ni0.17Co0.072.00、Li1.20Mn0.54Ni0.13Co0.132.00等が挙げられる。これらの正極活物質は、一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
また、高容量が得られる観点から、前記式(1)で示されるリチウム酸化物としては、X線粉末回折法で測定した場合、20〜24°の領域にブロードなピークを有するリチウム酸化物が好ましい。
前記式(1)で示されるリチウム酸化物が層状岩塩型構造を有することは、粉末X線回折法により確認することができる。
本実施形態に係る正極集電体の材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等を用いることができる。正極集電体の形状としては、箔、平板、メッシュ状が挙げられる。また、電池内部で発生するガスの通気性を向上させる観点から、表裏面を貫通する孔を備える正極集電体を用いることもできる。該表裏面を貫通する孔を備える正極集電体としては、例えば、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属網、発泡体、エッチングにより貫通孔が付与された多孔質箔等が挙げられる。
本実施形態に係る正極の作製方法は特に限定されない。例えば、前記正極活物質、結着剤及び導電性付与剤を含む混合物と、溶媒とを含むインクを調製し、該インクを正極集電体に塗布し、溶媒を乾燥することで作製することができる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル等を用いることができる。導電性付与剤としては、例えば、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維、カーボンブラック、ファーネスブラック、カーボンナノチューブ、黒鉛、難黒鉛化炭素、金属粉末等を用いることができる。溶媒としては、例えば水、Nメチルピロリドン等を用いることができる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
正極に含まれる正極活物質の量は、特に限定されないが、十分な容量が得られる観点から正極全体の質量に対して50質量%以上であることが好ましい。また、より大きな容量が得られる観点から、正極全体の質量に対して70質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることがさらに好ましい。また、正極に含まれる正極活物質の量の上限は特に限定されないが、例えば99質量%以下とすることができる。
正極の厚みは特に限定されないが、十分な容量が得られる観点から20μm以上であることが好ましい。また、より大きな容量が得られる観点から、50μm以上であることがより好ましく、70μm以上であることがさらに好ましい。また、正極の厚みの上限は特に限定されないが、例えば500μm以下とすることができる。
本実施形態に係る負極は、負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含む。リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料としては、例えば人造黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボン、活性炭等の炭素材料、ポリアセン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子、シリコン、スズ、アルミニウム等のリチウム金属と合金を形成する合金材料、チタン酸リチウム等のリチウム酸化物、およびリチウム金属等を用いることができる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、これらの炭素材料、又はリチウム金属と合金を形成する合金材料には、予めリチウムイオンがドープされていてもよい。
本実施形態に係る負極集電体の材料としては、銅、ニッケル、ステンレス等を用いることができる。負極集電体の形状としては、箔、平板、メッシュ状が挙げられる。また、電池内部で発生するガスの通気性を向上させる観点から、表裏面を貫通する孔を備える負極集電体を用いることもできる。該表裏面を貫通する孔を備える負極集電体としては、例えば、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属網、発泡体、エッチングにより貫通孔が付与された多孔質箔等が挙げられる。
本実施形態に係る負極の作製方法は特に限定されない。例えば、前記負極活物質、結着剤及び導電性付与剤を含む混合物と、溶媒とを含むインクを調製し、該インクを負極集電体に塗布し、溶媒を乾燥することで作製することができる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミドイミド等を用いることができる。導電性付与剤としては、例えば、ケッチェンブラック、カーボンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、カーボンナノチューブ、金属粉末等を用いることができる。溶媒としては、例えば水、Nメチルピロリドン等を用いることができる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
負極に含まれる負極活物質の量は、特に限定されないが、十分な容量が得られる観点から負極全体の質量に対して70質量%以上であることが好ましい。また、より大きな容量が得られる観点から、負極全体の質量に対して80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。また、負極に含まれる負極活物質の量の上限は特に限定されないが、例えば99質量%以下とすることができる。
負極の厚みは特に限定されないが、十分な容量が得られる観点から30μm以上であることが好ましい。また、より大きな容量が得られる観点から、50μm以上であることがより好ましく、70μm以上であることがさらに好ましい。また、負極の厚みの上限は特に限定されないが、例えば500μm以下とすることができる。
本実施形態に係るセパレータとしては、正極負極間に介在させることで、電子を伝導させずにイオンのみを伝導させる役割を果たすことのできるセパレータであれば特に限定されない。セパレータとしては、例えば多孔質フィルムセパレータを用いることができる。多孔質フィルムセパレータとしては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの多孔質膜、アラミド樹脂フィルム、フッ素樹脂等の多孔性フィルム等が挙げられる。
本実施形態に係る電解液としては、特に限定されないが、リチウム塩が溶媒中に溶解された溶液を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiC(CF3SO23、LiC(C25SO23等を用いることができる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒、フッ素化溶媒等を用いることができる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
電解液中に含まれるリチウム塩の濃度としては、特に限定されないが、電解液が室温で10-5〜10-1S/cmのイオン伝導性を示し、正極と負極との間の荷電担体輸送を十分に行うことができる観点から、0.5〜1.5mol/lであることが好ましい。
なお、電解液の代わりにゲル電解質を用いてもよい。ゲル電解質としては、例えば、前記電解液を、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体等のアクリルニトリル系重合体、ポリエチレンオキサイド等の高分子材料に含ませてゲル状にした電解質を用いることができる。前記高分子材料は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る外装体としては、特に限定されないが、例えば金属ケース、樹脂ケース等が挙げられる。外装体の材料としては、例えば鉄、アルミニウム等の金属材料、プラスチック材料、ガラス材料、それらの材料を積層した複合材料等が挙げられる。しかしながら、後述する酸化処理後のガス抜き作業を簡便に行うことができる観点から、アルミニウムとナイロン、ポリプロピレン等の高分子フィルムとを積層させたアルミニウムラミネートフィルムが好ましい。
本実施形態に係るリチウムイオン電池の作製方法は特に限定されない。例えば、正極、正極集電体、負極及び負極集電体を、セパレータを介して積層する。正極集電体に正極タブを、負極集電体に負極タブを溶接することで発電要素を作製する。該発電要素を外装体で包み、3辺を熱融着により封止する。その後、減圧下、該発電要素に電解質を含浸させ、残りの1辺を熱融着して封止することで、リチウムイオン電池を作製することができる。
発電要素は積層型以外にも、捲回型、折り畳み型等とすることもできるが、放熱性が優れる観点から積層型が好ましい。リチウムイオン電池の外観は特に限定されないが、例えば角型、円筒型、コイン型、シート型等が挙げられる。
なお、本実施形態においてリチウムイオン電池とは、リチウムイオン二次電池を含む。
(酸化処理)
本実施形態に係るリチウムイオン電池は、電気化学的に酸化処理されていることが好ましい。電気化学的に酸化処理されているとは、リチウムイオン電池の正極、負極間に電圧を印加することで、正極を酸化させる処理が施されていることを示す。該酸化処理は、低コストで酸化処理できる観点から、例えば、以下のプレサイクル法により行うことができる。まず、リチウムイオン電池に対し、正極活物質あたり20mA/gの電流で4.2Vまで充電し、正極活物質あたり20mA/gの電流で2.0Vまで放電する。これを1サイクルとする。次のサイクル以降は上限電圧を0.1Vずつ上昇させる。すなわち、次のサイクルでは4.3Vまで充電し2.0Vまで放電し、その次のサイクルでは4.4Vまで充電し2.0Vまで放電する。最終的に上限電圧が4.8Vになるまで7サイクルを繰り返す。酸化処理後のリチウムイオン電池は、一旦封口部を破り減圧することで電池内部のガスを抜き、再封口することができる。なお、前記プレサイクル法において、上限電圧の範囲や電流値、サイクル数、温度等は特に限定されない。
(充電工程)
本実施形態に係る方法は、リチウムイオン電池を充電する工程(以下、充電工程と示す)を含む。
充電工程における充電条件は特に限定されないが、正極活物質あたり10〜70mA/gの電流で充電することが好ましく、20〜60mA/gの電流で充電することがより好ましい。電池全容量に対する充電容量の割合は、特に限定されないが、5〜100%が好ましく、10〜90%がより好ましい。なお、リチウムイオン電池の電池全容量は、10mA/gのレートで充放電した際の放電容量より求めた値とする。
(一部放電工程)
本実施形態に係る方法は、前記充電されたリチウムイオン電池について、電池全容量の0.1%以上を一部放電する工程(以下、一部放電工程と示す)を含む。
一部放電工程において、電池全容量の0.1%以上を一部放電する。これにより、充放電曲線に大きなヒステリシスが生じる本実施形態に係るリチウムイオン電池においても、開放起電力と残存容量とを一義的に対応させることができる。一部放電工程では、電池全容量の1%以上を一部放電することが好ましく、電池全容量の2%以上を一部放電することがより好ましく、電池全容量の4%以上を一部放電することがさらに好ましい。一方、一部放電する際に放電容量が多ければ多いほど開放起電力からより正確に残存容量を測定することが可能になるものの、無駄に捨てるエネルギー量が多くなるため、電池全容量の20%以下を一部放電することが好ましく、電池全容量の15%以下を一部放電することがより好ましく、電池全容量の10%以下を一部放電することがさらに好ましい。
一部放電工程における放電条件は特に限定されないが、正極活物質あたり10〜70mA/gの電流で放電することが好ましく、20〜60mA/gの電流で放電することがより好ましい。一部放電後の実際の残存容量(以下、実残存容量と示す)は、特に限定されず、電池全容量に対し0%を超えて99.9%以下とすることができる。しかしながら、開放起電力と残存容量とをより一義的に対応させることができる観点から、一部放電後の実残存容量は電池全容量に対し、6%以上、90%以下であることが好ましく、12%以上、75%以下であることがより好ましい。なお、実残存容量は、充電容量から一部放電容量を差し引くことにより算出することができる。また、実残存容量が0となる放電は、本実施形態における一部放電には含まれない。
(開放起電力測定工程)
本実施形態に係る方法は、一部放電されたリチウムイオン電池の開放起電力を測定する工程(以下、開放起電力測定工程と示す)を含む。
開放起電力測定工程におけるリチウムイオン電池の開放起電力は、電子回路により測定することができる。リチウムイオン電池を開回路状態で1時間以上放置して開放起電力を測定することが好ましい。
(残存容量算出工程)
本実施形態に係る方法は、前記開放起電力から残存容量を算出する工程(以下、残存容量算出工程と示す)を含む。
充放電ヒステリシスがないリチウムイオン電池では、開放起電力と残存容量とが一義的に対応するため、充電途中の場合でも放電途中の場合でも、開放起電力を測定することによって比較的簡単かつ正確に残存容量を測定することができる。しかしながら、充放電ヒステリシスのあるリチウムイオン電池では、開放起電力と残存容量とが一義的に対応しないため、開放起電力を測定しても正確に残存容量を測定することができない。本実施形態に係る方法を用いれば、充放電ヒステリシスがある本実施形態に係るリチウムイオン電池においても、実質的に開放起電力と残存容量とを対応させることができる。このため、充放電ヒステリシスがない電池と同様に、開放起電力を測定することによって比較的簡単かつ正確に残存容量を測定することができる。
測定した開放起電力から残存容量を算出する方法については特に限定されないが、例えば開放起電力と残存容量とを対応させて表示する電子回路等を使って算出することができる。
なお、同じ残存容量を有するリチウムイオン電池の開放起電力を比較した場合、その開放起電力の許容誤差としては、±0.2V以内であることが好ましい。より正確に残存容量を算出できる観点から、許容誤差は±0.1V以内であることがより好ましい。
[蓄電システム]
本実施形態に係る蓄電システムは、層状岩塩型構造を有する、下記式(1)
Lix1 y2 z2-d (1)
(前記式(1)において、1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50及び0≦d≦0.20である。M1はMn、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも一種、M2はFe、Co、Ni及びMnからなる群から選択される少なくとも一種である。)
で示されるリチウム酸化物を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含む負極とを備えるリチウムイオン電池と、前記リチウムイオン電池を充電する手段(以下、充電手段と示す)と、前記充電手段により充電されたリチウムイオン電池について、電池全容量の0.1%以上を一部放電する手段(以下、一部放電手段と示す)と、前記一部放電手段により一部放電されたリチウムイオン電池の開放起電力を測定する手段(以下、開放起電力測定手段と示す)と、前記開放起電力測定手段により測定された開放起電力から残存容量を算出する手段(以下、残存容量算出手段と示す)と、を備える。
本実施形態に係る蓄電システムが備えるリチウムイオン電池としては、前記リチウムイオン電池を用いることができる。
本実施形態に係る蓄電システムが備える充電手段としては、前記充電工程を行うことができる手段であれば特に限定されない。該手段としては、例えば、定電流充電法、定電流充電−定電圧充電法等による充電手段が挙げられる。
本実施形態に係る蓄電システムが備える一部放電手段としては、前記一部放電工程を行うことができる手段であれば特に限定されない。該手段としては、例えば、定電流放電等による一部放電手段が挙げられる。
本実施形態に係る蓄電システムが備える開放起電力測定手段としては、例えば、電子回路を用いることができる。
本実施形態に係る蓄電システムが備える残存容量算出手段としては、前記残存容量算出工程を行うことができる手段であれば特に限定されない。該手段としては、例えば、電子回路を用いることができる。
本実施形態に係る蓄電システムの構成の一例を図2に示す。充電手段11は、リチウムイオン電池10に接続され、前記充電工程を行う。一部放電手段12は、リチウムイオン電池10に接続され、前記一部放電工程を行う。開放起電力測定手段13は、リチウムイオン電池10に接続され、一部放電後の開放起電力の測定を行う。残存容量算出手段14は開放起電力測定手段13に接続され、開放起電力測定手段13により測定された開放起電力の値から残存容量を算出する。
なお、充電手段及び放電手段として、両者の機能を備える一つの装置を用いてもよい。また、開放起電力測定手段及び残存容量算出手段として、両者の機能を備える一つの装置を用いてもよい。また、充電手段、放電手段及び開放起電力測定手段として、3つの機能を備える一つの装置を用いてもよい。さらに、充電手段、放電手段、開放起電力測定手段及び残存容量算出手段として、4つの機能を備える一つの装置を用いてもよい。
[リチウムイオン電池の充電方法]
本実施形態に係るリチウムイオン電池の充電方法は、層状岩塩型構造を有する、下記式(1)
Lix1 y2 z2-d (1)
(前記式(1)において、1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50及び0≦d≦0.20である。M1はMn、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも一種、M2はFe、Co、Ni及びMnからなる群から選択される少なくとも一種である。)で示されるリチウム酸化物を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含む負極とを備えるリチウムイオン電池の充電方法であって、リチウムイオン電池を充電する工程と、充電されたリチウムイオン電池について、電池全容量の0.1%以上を一部放電する工程と、一部放電されたリチウムイオン電池の開放起電力を測定する工程と、前記開放起電力から残存容量を算出する工程と、を含む。
本実施形態に係るリチウムイオン電池の充電方法の各工程は、前記リチウムイオン電池の残存容量の測定方法と同様である。本実施形態に係るリチウムイオン電池の充電方法によれば、充電後の一部放電により残存容量は若干低減するものの、開放起電力から比較的簡単かつ正確に残存容量を測定することができる。
以下、具体的な実施例を用いて本実施形態を説明するが、本実施形態はこれらに限定されない。
[実施例1]
<正極作製>
層状岩塩構造を有するリチウム酸化物Li1.19Mn0.52Fe0.222を85質量%、ケッチェンブラックを6質量%、気相成長炭素繊維を3質量%及びポリフッ化ビニリデンを6質量%含む混合物と、溶媒としてのNメチルピロリドンとを含むインクを用意した。なお、該リチウム化合物が層状岩塩構造を有することは、粉末X線回折により確認した。以下の実施例、比較例についても同様である。該インクをアルミニウム箔(厚み20μm)からなる正極集電体1Aの片面に塗布して乾燥し、正極集電体1A上に厚み35μmの正極1を作製した。正極集電体1Aの両面に該インクを塗布して乾燥させた両面電極も同様に作製した。
<負極作製>
平均粒径15μmの人造黒鉛を90質量%、ケッチェンブラックを1質量%及びポリフッ化ビニリデンを9質量%含む混合物と、溶媒としてのNメチルピロリドンとを含むインクを用意した。該インクを銅箔(厚み10μm)からなる負極集電体2Aの片面に塗布して乾燥し、負極集電体2A上に厚み48μmの負極2を作製した。負極集電体2Aの両面に該インクを塗布して乾燥させた両面電極も同様に作製した。
<電解液作製>
カーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)を3/7(体積比)で混合した。この混合液にLiPF6を溶解させて電解液を作製した。電解液中のLiPF6の濃度は1mol/lであった。
<リチウムイオン電池作製>
前記方法で作製した正極1、正極集電体1A、負極2及び負極集電体2Aを、多孔質フィルムセパレータ3を介して積層した。正極集電体1Aに正極タブ1Bを、負極集電体2Aに負極タブ2Bを溶接することで発電要素を作製した。該発電要素をアルミラミネートフィルムからなる外装体4で包み、3辺を熱融着により封止した。その後、該発電要素に前記方法で作製した電解質を適度な真空度にて含浸させた。減圧下にて残りの1辺を熱融着して封止し、リチウムイオン電池を作製した。
<酸化処理工程>
作製したリチウムイオン電池について、20mA/gの電流で4.2Vまで充電し、20mA/gの電流で2.0Vまで放電した。次のサイクル以降は上限電圧を0.1Vずつ上昇させた。すなわち、次のサイクルでは4.3Vまで充電して2.0Vまで放電し、その次のサイクルでは4.4Vまで充電して2.0Vまで放電した。最終的に上限電圧が4.8Vになるまで7サイクルを繰り返すことで、リチウムイオン電池の電気化学的な酸化処理を行った。その後、一旦封口部を破り減圧することで電池内部のガスを抜き、再度封口した。得られたリチウムイオン電池の電池全容量は240mAh/gであった。電池全容量は10mA/gでの定電流充放電により求めた。
<充電工程及び一部放電工程>
前記方法で作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で100mAh/g(2時間30分間)充電した。その直後に40mA/gの電流で10mAh/g(15分間)放電した。
<開放起電力測定工程>
充電及び一部放電を行ったリチウムイオン電池を開回路状態で1時間放置し、開放起電力を測定した。
<残存容量算出工程>
前記開放起電力を用い、放電曲線の形状より残存容量を算出した。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で92.4mAh/g充電した。その直後に40mA/gの電流で2.4mAh/g放電した。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で114mAh/g充電した。その直後に40mA/gの電流で24mAh/g放電した。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で138mAh/g充電した。その直後に40mA/gの電流で48mAh/g放電した。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で4.8V(定電圧充電で5mAh/g)まで充電して満充電状態にした。その直後に40mA/gの電流で放電して実残存容量を90mAh/gとした。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で40mAh/g充電した。その直後に40mA/gの電流で10mAh/g放電した。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で4.8V(定電圧充電で5mAh/g)まで充電して満充電状態にした。その直後に40mA/gの電流で放電して実残存容量を30mAh/gにした。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で190mAh/g充電した。その直後に40mA/gの電流で10mAh/g放電した。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で4.8V(定電圧充電で5mAh/g)まで充電して満充電状態にした。その直後に40mA/gの電流で放電して実残存容量を180mAh/gにした。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[実施例10]
正極活物質として、層状岩塩構造を有するリチウム酸化物Li1.19Mn0.52Fe0.222の代わりに、層状岩塩構造を有するリチウム酸化物Li1.2Mn0.4Ni0.42を用いた以外は実施例1と同様にリチウムイオン電池を作製した。なお、該リチウムイオン電池の電池全容量は262mAh/gであった。該リチウムイオン電池を正極活物質あたり40mA/gの電流で100mAh/g(2時間30分間)充電した。その直後に40mA/gの電流で10mAh/g(15分間)放電した。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[実施例11]
実施例10と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で4.8V(定電圧充電で5mAh/g)まで充電して満充電状態にした。その直後に40mA/gの電流で放電して実残存容量を90mAh/gにした。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で90mAh/g充電し、一部放電は行わなかった。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で90.1mAh/g充電した。その直後に40mA/gの電流で0.1mAh/g放電した。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で90.2mAh/g充電した。その直後に40mA/gの電流で0.2mAh/g放電した。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で30mAh/g充電し、一部放電は行わなかった。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例1と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で180mAh/g充電し、一部放電は行わなかった。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
[比較例6]
実施例10と同様に作製したリチウムイオン電池(2.0V放電状態)を正極活物質あたり40mA/gの電流で90mAh/g充電し、一部放電は行わなかった。その後、実施例1と同様に開放起電力の測定及び残存容量の算出を行った。結果を表1に示す。
<リチウムイオン電池の評価結果>
正極活物質として層状岩塩構造を有するリチウム酸化物Li1.19Mn0.52Fe0.222を使用したリチウムイオン電池において、充電後、電池全容量の0.1%以上を一部放電することで実残存容量を90mAh/gとした実施例1から5では、互いに開放起電力の差が小さく、実残存容量の値に近い算出残存容量が得られた。したがって、比較的簡単かつ正確に開放起電力から残存容量を測定することができた。一方、充電後、一部放電を行わない、又は電池全容量の0.1%未満を一部放電して実残存容量を90mAh/gとした比較例1から3では、開放起電力がそれぞれ3.89V、3.64V及び3.54Vであり、実施例1から5の開放起電力の値と大きく異なった。また、実残存容量の値と算出残存容量の値に大きな差があった。
正極活物質として層状岩塩構造を有するリチウム酸化物Li1.19Mn0.52Fe0.222を使用したリチウムイオン電池において、充電後、電池全容量の0.1%以上を一部放電することで実残存容量を30mAh/gとした実施例6及び7では、互いに開放起電力の差が小さく、実残存容量の値に近い算出残存容量が得られた。したがって、比較的簡単かつ正確に開放起電力から残存容量を測定することができた。一方、充電後、一部放電を行わずに実残存容量を30mAh/gとした比較例4では、開放起電力が3.52Vであり、実施例6及び7の開放起電力の値と大きく異なった。また、実残存容量の値と算出残存容量の値に大きな差があった。
正極活物質として層状岩塩構造を有するリチウム酸化物Li1.19Mn0.52Fe0.222を使用したリチウムイオン電池において、充電後、電池全容量の0.1%以上を一部放電することで実残存容量を180mAh/gとした実施例8及び9では、互いに開放起電力の差が小さく、実残存容量の値に近い算出残存容量が得られた。したがって、比較的簡単かつ正確に開放起電力から残存容量を測定することができた。一方、充電後、一部放電を行わずに実残存容量を180mAh/gとした比較例5では、開放起電力が4.47Vであり、実施例8及び9の開放起電力の値と大きく異なった。また、実残存容量の値と算出残存容量の値に大きな差があった。
正極活物質として層状岩塩構造を有するリチウム酸化物Li1.2Mn0.4Ni0.42を使用したリチウムイオン電池において、充電後、電池全容量の0.1%以上を一部放電することで実残存容量を90mAh/gとした実施例10及び11では、互いに開放起電力の差が小さく、実残存容量の値に近い算出残存容量が得られた。したがって、比較的簡単かつ正確に開放起電力から残存容量を測定することができた。一方、充電後、一部放電を行わずに実残存容量を90mAh/gとした比較例6では、開放起電力が3.69Vであり、実施例10及び11の開放起電力の値と大きく異なった。また、実残存容量の値と算出残存容量の値に大きな差があった。
本実施形態に係るリチウムイオン電池の残存容量の測定方法によれば、残存容量を簡単かつ正確に評価することができるため、該方法を電子機器、電気自動車、一般家庭又は施設の電力貯蔵用蓄電池等に用いた場合、利便性が向上する。
1 正極
1A 正極集電体
1B 正極タブ
2 負極
2A 負極集電体
2B 負極タブ
3 セパレータ
4 外装体
10 リチウムイオン電池
11 充電手段
12 一部放電手段
13 開放起電力測定手段
14 残存容量算出手段

Claims (5)

  1. 層状岩塩型構造を有する、下記式(1)
    Lix1 y2 z2-d (1)
    (前記式(1)において、1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50及び0≦d≦0.20である。M1はMn、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも一種、M2はFe、Co、Ni及びMnからなる群から選択される少なくとも一種である。)
    で示されるリチウム酸化物を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含む負極とを備えるリチウムイオン電池の残存容量の測定方法であって、
    リチウムイオン電池を充電する工程と、
    充電されたリチウムイオン電池について、電池全容量の0.1%以上を一部放電する工程と、
    一部放電されたリチウムイオン電池の開放起電力を測定する工程と、
    前記開放起電力から残存容量を算出する工程と、
    を含むリチウムイオン電池の残存容量の測定方法。
  2. 前記充電されたリチウムイオン電池を一部放電する工程が、電池全容量の0.1%以上、20%以下を一部放電する工程である請求項1に記載のリチウムイオン電池の残存容量の測定方法。
  3. 前記式(1)のM1がMnを少なくとも含み、前記式(1)のM2がFeを少なくとも含む請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池の残存容量の測定方法。
  4. 前記リチウムイオン電池が電気化学的に酸化処理されている請求項1から3のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池の残存容量の測定方法。
  5. 層状岩塩型構造を有する、下記式(1)
    Lix1 y2 z2-d (1)
    (前記式(1)において、1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50及び0≦d≦0.20である。M1はMn、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも一種、M2はFe、Co、Ni及びMnからなる群から選択される少なくとも一種である。)
    で示されるリチウム酸化物を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含む負極とを備えるリチウムイオン電池と、
    前記リチウムイオン電池を充電する手段と、
    前記リチウムイオン電池を充電する手段により充電されたリチウムイオン電池について、電池全容量の0.1%以上を一部放電する手段と、
    前記リチウムイオン電池を一部放電する手段により一部放電されたリチウムイオン電池の開放起電力を測定する手段と、
    前記開放起電力を測定する手段により測定された開放起電力から残存容量を算出する手段と、
    を備える蓄電システム。
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