JP2013250459A - 眼鏡レンズの分析方法、加工方法及び分析プログラム - Google Patents

眼鏡レンズの分析方法、加工方法及び分析プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】眼鏡レンズのコリドー軸の通過位置やインセット位置を容易に分析する眼鏡レンズの分析方法及び加工するための加工方法及び分析プログラムを提供する。
【解決手段】装用者固有の処方に基づいて作製された眼鏡レンズに対して一方のレンズ面から他方のレンズ面に光線を射出し、各光線毎の屈折による変位をマッピングして各マッピングポイントにおける屈折力データを取得し、主注視線と交差方向にある直線上の屈折力データにおけるC度数データ及び乱視軸データに対して下記式に適用し、前記直線上の位置と下記式に適用して得られた値との関係によって得られた関数を二階微分して主注視線の位置を分析する。
Figure 2013250459

【選択図】図1

Description

本発明は眼鏡レンズについての分析方法、加工方法及び分析プログラムに関するものである。
眼鏡レンズを装用した際に、遠用視状態から近用視状態に視線を移動させると眼が内側に寄る(輻輳する)。一般にどの程度輻輳したかの数値は近用アイポイント位置で測定され、この値をインセット値とする。近用アイポイント位置はインセット値を取得するインセット位置となる。また、遠用視状態から近用視状態に視線を移動させると視線は水平方向(x軸方向)について輻輳すると同時に上下方向(y軸方向)についても移動することから遠用アイポイントから近用アイポイント(又は近用度数測定位置)にかけて視線が斜めに移動を繰り返すこととなる。この移動軸線は視線が通過する主注視線であり、この移動軸線をコリドー軸と称する。レンズではレンズ上のコリドー軸の通過する位置を含むその一帯の領域や近用アイポイント位置(又は近用度数測定位置)の一帯の領域をなるべく収差成分のない領域として設計する。
継続的にレンズを作製するためにある処方でレンズを作製した場合に、設計通りにそのレンズが作製されているかどうかを分析し、その分析結果をフィードバックする必要がある。例えば機械誤差によって設計通りにレンズが作製されていない可能性もあるためである。そのためある作製されたレンズに複数の光線群を照射し、光の屈折における変位を度数分布装置でマッピングしてそのレンズの実際の屈折力データ(レンズ度数データ)をチェックして作製したレンズを分析(評価)することが考えられる。コリドー軸の通過位置やインセット位置については設計上の対応する位置において収差成分が設計通りであるかどうかをチェックして分析することとなる。ここでは度数分布装置の一例として特許文献1を上げる。
特開2009−216717号公報
作製した眼鏡レンズのコリドー軸の通過位置やインセット位置を設計値と比較することはそのレンズの処方としてC度数とその方向成分(つまり乱視軸方向)が設定されていない、又は眼鏡レンズ性能を確認するための度数測定位置にてC度数と乱視軸方向が設定されていなければ比較的容易である。度数分布装置で測定した屈折力データに基づいてある位置の非点収差やS度数とC度数による平均度数を測定することで設計値と実際の度数とを比較すれば足るからである。つまり、コリドー軸の通過位置やインセット位置について周囲に比べて最もC度数や平均度数が小さくなっているかどうか(つまり最も収差が小さいかどうか)で判断することが可能である。この場合では最も非点収差の小さかった位置が設計値におけるコリドー軸の通過位置やインセット位置であるかどうかをチェックすることで作製した眼鏡レンズの分析ができる。
しかし、眼鏡レンズにC度数とその乱視軸方向が処方されている、又は眼鏡レンズ性能を確認するための度数測定位置にてC度数と乱視軸方向が設定されている場合においては、それらの影響によってC度数や平均度数ではコリドー軸の通過位置やインセット位置は実際には最も収差が小さい領域とはならない。更に加えて、累進屈折力レンズのように加入量が付与されているレンズではレンズの収差は複雑化するため判断は容易ではない。
そのため、眼鏡レンズにC度数とその乱視軸方向が処方されている場合、又は眼鏡レンズ性能を確認するための度数測定位置にてC度数と乱視軸方向が設定されている場合において、マッピングで得られた実測値に基づいてコリドー軸の通過位置やインセット位置を容易に分析できる技術が求められていた。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、眼鏡レンズにC度数とその乱視軸方向が処方されている場合、又は眼鏡レンズ性能を確認するための度数測定位置にてC度数と乱視軸方向が設定されている場合において、マッピングで得られた実測値に基づいてコリドー軸の通過位置やインセット位置を容易に分析する眼鏡レンズの分析方法及び加工するための加工方法及び分析プログラムを提供することである。
上記課題を解決するために請求項1の発明では、装用者固有の処方又は眼鏡レンズ性能を確認するための度数測定位置にて少なくともC度数と乱視軸方向が設定されている眼鏡レンズの分析方法であって、装用者固有の処方に基づいて作製された前記眼鏡レンズに対して一方のレンズ面から入射した複数の光線が他方のレンズ面から出射された際の同各光線毎の屈折による変位をマッピングして各マッピングポイントにおける屈折力データ又はプリズム屈折力データを取得し、上記屈折力データ又はプリズム屈折力データに基づいて視線が通過する主注視線の位置又はインセット位置を分析することをその要旨とする。
また請求項2の発明では、装用者固有の処方又は眼鏡レンズ性能を確認するための度数測定位置にて少なくともC度数と乱視軸方向が設定されている眼鏡レンズの分析方法であって、装用者固有の処方に基づいて作製された前記眼鏡レンズに対して一方のレンズ面から入射した複数の光線が他方のレンズ面から出射された際の同各光線毎の屈折による変位をマッピングして各マッピングポイントにおける屈折力データを取得し、視線が通過する主注視線と交差方向にある直線上の前記屈折力データにおけるC度数データ及び乱視軸データに対して下記Pの式に適用し、前記直線上の位置と下記Pの式に適用して得られた値との関係によって得られた関数を微分し、その微分値に基づいて視線が通過する主注視線の位置を分析することをその要旨とする。
Figure 2013250459
このように構成すると、収差について上記式を適用することで各位置における乱視軸の影響がキャンセルされるとともに、コリドー軸の影響は残ることとなる。上記式は、累進帯長さと近用視距離から物体位置を特定し、その物体を見る視線の方向を基に近用EP高さにおけるレンズの通過位置を決定し、その位置での視線の角度に基づいて、収差成分を分析するということを意味する。ここでβは上記「想定される主注視線上での視線の角度」、αは度数分布装置にて測定した収差の軸方向度数を示し、上記視線の角度に基づく影響を加味するためαからβを引く計算を行う。上記式の収差成分が極値をとる位置をもって、視線が通過する主注視線位置として理想的な点を決定する。ここで微分値を用いている理由は以下のとおりである。
仮に微分を行う前のデータを用いて設計理論値とのデータ比較をする場合、レンズの加工上の誤差が常に存在してしまうため、設計データから算出された値と比較するだけでは、視線が通過する主注視線の位置になっているかどうかの判断はつかない。視線が通過する主注視線位置を判断するためには、上記数1の式で算出される値の全体分布から主注視線位置を判断することが必要となる。そこで一階微分値や二階微分値の値を用いる。ここで上記数1の式にて算出される値をPとした場合、近用EP位置の水平左右方向でP値を算出し、水平方向座標であるx座標に対してP値を微分する。その一階微分値又は二階微分値を用いて、視線が通過する主注視線位置を把握する。
そして、近用EP高さから上下に離れた位置についても同じ角度の収差成分が極致を取る位置を決定し、それらの点をつなぐことによってその収差成分からコリドー軸上の位置を把握することが可能となる。つまり普遍的に視線が通過する主注視線を定義することが出来る。そして、コリドー軸上の位置の列がコリドー軸の位置を示すこととなる。
また請求項3の発明では、装用者固有の処方又は眼鏡レンズ性能を確認するための度数測定位置にて少なくともC度数と乱視軸方向が設定されている眼鏡レンズの分析方法であって、装用者固有の処方に基づいて作製された前記眼鏡レンズに対して一方のレンズ面から入射した複数の光線が他方のレンズ面から出射された際の同各光線毎の屈折による変位をマッピングして各マッピングポイントにおける屈折力データを取得し、レンズの近用アイポイント位置又は近用度数測定位置を横切る装用時において水平方向にある直線上の前記屈折力データにおけるC度数データ及び乱視軸データに対して下記Pの式に適用し、前記直線上の位置と下記Pの式に適用して得られた値との関係によって得られた関数を微分し、その微分値に基づいてインセット位置を分析することをその要旨とする。
Figure 2013250459
このように構成すると、収差について上記式を適用することで各位置における乱視軸の影響がキャンセルされることとなる。そして、近用EP位置の水平左右方向でP値を算出し、水平方向座標であるx座標にて表すP値を微分する。微分することによって収差成分が顕在化することとなり、その収差成分からインセット位置を把握することが可能となる。上記数2の式においては、累進帯長さと近用視距離から物体位置を特定し、その物体を見る視線の方向を基に近用EP高さにおけるレンズの通過位置を決定し、その位置での視線の角度に基づいて、収差成分を分析するのではなく、上記「その位置での視線の角度」を考慮しない、より簡易的な分析手法である。
上記数2の式についても、微分を行う前のデータを用いて設計理論値とのデータ比較をする場合、レンズ加工の誤差が常に存在してしまうため、設計データから算出された値と比較するだけでは、視線が通過する主注視線の位置になっているかどうかの判断はつかない。インセット分析をするためには上記数2の式で算出される値の全体分布からインセット位置を判断することが必要となる。そこで一階微分値や二階微分値の値を用いる。ここで上記数2の式にて算出される値をPとした場合、近用EP位置の水平左右方向でP値を算出し、水平方向座標であるx座標に対してP値を微分する。その一階微分値又は二階微分値を用いて、視線が通過するインセット位置を把握する。
また請求項4の発明では請求項2又は3に記載の発明の構成に加え、前記微分値による分析は二階微分によって得られた微分値に基づいて行うことをその要旨とする。ここで一階微分値は水平方向座標であるx座標に対してP値、P値の変化の傾きを示しており、二階微分値は上記傾きの変化量を示していることから、一階微分値はレンズ全面の収差変化分布を表し、二階微分値は収差変化のピークを明確に示している。乱視成分をキャンセルした度数成分において、インセット位置(又はコリドー軸上)では収差が少ない位置を示している関係上、収差変化の変曲点位置がインセット位置(又はコリドー軸上)を示している。よって、二階微分値は度数測定値から乱視成分をキャンセルした主注視線位置を算出するデータとして用いることが出来る。
また請求項5の発明では請求項4に記載の発明の構成に加え、前記微分値による分析は二階微分によって得られた微分値の極値に基づいて行うことをその要旨とする。
二階微分によって得られた微分値の極値は基本的にレンズの水平方向におけるコリドー軸上の位置を反映するため、極値を分析の基準とすることが好ましいからである。
また請求項6の発明では請求項5に記載の発明の構成に加え、前記極値の前後の複数の関数値に基づいて2本の回帰直線を算出し、それら回帰直線の交点を視線が通過する主注視線上の点として分析を行うことをその要旨とする。
このように構成することによって、極値が不明確な場合であっても主注視線上の点(コリドー軸上の点)を決定することができ、安定的にコリドー軸の位置を決定することが可能となる。これにはコリドー軸上にあるインセット位置を決定する場合にももちろん適用可能である。回帰直線は例えば最小二乗法によって求めることが可能である。
また請求項7の発明では請求項1〜6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記眼鏡レンズを累進屈折力レンズとしたことをその要旨とする。
また請求項8の発明では請求項1〜7のいずれかに記載の眼鏡レンズの分析方法を実行するための分析用プログラムとしたことをその要旨とする。
また請求項9の発明では請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記二階微分値と設計値との差を取得し、その差をキャンセルするように次回のレンズ加工に適用することをその要旨とする。
また請求項10の発明では請求項9に記載の発明の構成に加え、前記二階微分値と設計値との差をキャンセルするために、レンズ加工面を回転させることその要旨とする。
上記請求項1の発明では、眼鏡レンズにC度数とその乱視軸方向が処方されている、又は眼鏡レンズ性能を確認するための度数測定位置にてC度数と乱視軸方向が設定されている場合において、マッピングで得られた実測値に基づいてコリドー軸の通過位置を容易に分析することが可能となる。
上記請求項2の発明では、眼鏡レンズにC度数とその乱視軸方向が処方されている、又は眼鏡レンズ性能を確認するための度数測定位置にてC度数と乱視軸方向が設定されている場合において、マッピングで得られた実測値に基づいてインセット位置を容易に分析することが可能となる。
本発明の分析方法の実施の形態において使用する装置の概略を説明するブロック図。 度数分布測定装置の概略を説明するブロック図。 本発明の実施例2のフィードバック工程を説明するブロック図。
以下、図面に従って具体的な実施の形態の説明をする。
まず、本発明の方法を実行するための周辺装置の概略について説明する。
図1は本発明の分析方法においてあるレンズの屈折力データを算出するための装置の概略ブロック図である。メインコンピュータ1には被験レンズの度数分布を測定する度数分布測定装置2が接続されている。また、出力手段としてのモニター3と被験レンズ5の基本的なレンズデータを入力するための入力手段としてのキーボード7が接続されている。尚、出力手段としてはモニター3以外にプリンタや他の装置へデータを転送する出力手段等が挙げられる。また、入力手段としてはキーボード7以外にバーコードのような2次元コードやLAN接続された他のコンピュータやデータ記憶装置等の他の装置から転送されたデータを入力する手段等が挙げられる。
度数分布測定装置(レンズマッパー)2は図2に示すように光源10、ビームスプリッタ11、スクリーン12、CCDカメラ13とを備えている。CCDカメラ13には解析装置14が接続されている。被験レンズ5は光源10とビームスプリッタ11の間に配置される。光源10は平行な光線をビームスプリッタ11方向に向かって照射する。ビームスプリッタ11には整然と等間隔に縦横に配置された多数の透孔が形成され透孔を通過した光線(光束)はスクリーン12上に投影される。この投影された光点がマッピングポイントとされる。CCDカメラ13はスクリーン12上に投影されたマッピングポイントの映像を取り込む。
解析装置14は各透孔位置に対するCCDカメラ13によって取り込まれた光線に対応する透孔との位置変位に基づいてすべてのマッピングポイントに対して屈折力を算出する。つまり、レンズ上にマッピングされたすべての位置について被験レンズ5の屈折力データ(S度数データ、C度数データ、乱視軸データ)及びプリズム屈折力データを得ることができる。
メインコンピュータ1はCPU(中央処理装置)及びメモリ等の周辺装置によって構成される。メインコンピュータ1は解析装置14によって算出された屈折力データからC度数データ及び乱視軸データに基づいて数1を適用して二次的度数データPの値又はPの値を算出しメモリに記憶させる。また、オペレータの操作に従って二次的度数データの補完計算をするとともに、同じくオペレータの操作に従ってx軸方向(水平方向)に並ぶデータに対して関数化し、その結果について一階微分及び二階微分を行うとともにそれらデータをメモリに記憶させる。また、関数化したデータ(それらの微分データを含む)をグラフ化してモニター3に表示させる。
以下メインコンピュータ1によって実行された実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1では以下のような累進屈折力レンズ(Rレンズ)を処方した。
1)実施例1におけるレンズ処方
S −2.50(D)、C −1.00(D)、AX 90度、ADD 3.00(D)、インセット理論値 2.1mm、累進帯長 13mm
2)実施例1における具体的分析手法
実施の形態で説明したように、度数分布測定装置2を使用してレンズ全体について所定間隔(ここでは1mm間隔)でレンズ度数データを取得し、それら取得データに基づいて補完計算(0.1mm間隔に修正)を行った。そして、補完計算後の各データを上記数1の式に適用してPの値を算出する。実施例1ではコリドー軸の分析も兼ねるためPを使用するが、インセット位置の分析のみであればPを使用することも可能である。尚、先に取得データについてPの値を算出してから補完計算を行うようにしてもよい。
表1は幾何中心から14mm下の水平方向(x軸座標)のPの値を示す表である。インセット位置はこの14mm下の水平方向において上記のように幾何中心から鼻側に2.1mmの位置が理論値とされている。インセット位置はその周辺で最も非点収差の小さな領域とされているため、この水平方向において最も非点収差の小さな領域が幾何中心から鼻側に2.1mmの位置となれば設計通りに加工されていると判定できる。そこで、この幾何中心から14mm下の水平方向の非点収差を分析して理論上のインセット位置と実際の非点収差の最小値の関係を検討する。幾何中心から14mm下をx軸方向の基準位置(0.00mm)とし、鼻側に向かって0.1mmごとにP値を算出した。表2は表1の値をx軸方向をx座標とし、y軸方向をP値としたグラフである。
表3は近用EP位置の水平方向座標であるx座標にて表すP値(表1)について一階微分した値を示したものある。また、表4は表3のグラフである。このグラフでは1.4付近と2.9付近に極値があり、これは水平左右方向にて収差が急激に変化をしている位置を示している。また、2.0から2.5付近にかけて収差が極値を持つ位置を示している。
表5は近用EP位置の水平方向におけるP値を表す式(表1)について二階微分した値を示す表である。また、表6は表5のグラフである。この表6のグラフにおいて最も数値の小さな部分(極値)を最も非点収差の小さな領域と判定することができる。ここでは幾何中心から2.1mmの位置となったので、この例では処方であるインセット理論値と一致する。つまり、インセット位置については良好な加工精度が出ていると分析できる。
また、表7は幾何中心の下方域において水平方向の二階微分値の最も数値の小さな部分(最も非点収差の小さな領域)のグラフである。表7において理論上のコリドー軸を実線で示す。本実施例1では幾何中心から下方域では概ねコリドー軸に沿って加工が行われていることが分析できる。
Figure 2013250459
Figure 2013250459
Figure 2013250459
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Figure 2013250459
Figure 2013250459
Figure 2013250459
(実施例2)
1)実施例2における処方
実施例2では以下のような累進屈折力レンズ(Rレンズ)を処方した。
S −2.50(D)、C −0.75(D)、AX 90度、ADD 3.00(D)、インセット理論値 2.3mm、累進帯長 13mm
2)実施例2における具体的分析手法
実施例1と同様の操作でPの値を算出した。
表8は実施例1の表1と同様に幾何中心から14mm下の水平方向(x軸座標)のP値を示す表である。表9は表8の値をx軸方向をx座標とし、y軸方向をP値としたグラフである。
表10は近用EP位置の水平方向座標であるx座標にて表すP値(表8)について一階微分した値を示したものである。また、表11は表10のグラフである。このグラフでは1.4付近と2.9付近に極値があり、これは水平左右方向にて収差が急激に変化をしている位置を示している。また、2.0から2.5付近にかけて収差が極値を持つ位置を示している。 表12は近用EP位置の水平方向座標であるx座標にて表すP値(表8)について二階微分した値を示す表である。また、表13は表12のグラフである。この表13のグラフにおいて最も数値の小さな部分(極値)を最も非点収差の小さな領域と判定することができる。ここでは幾何中心から2.1mmの位置となった。この値はインセット理論値である2.3mmと若干のずれがあるため、修正することが望ましい。
また、表14は実施例1の表7と同様のグラフであって、幾何中心の下方域において水平方向の二階微分値の最も数値の小さな部分(最も非点収差の小さな領域)のグラフである。表14において理論上のコリドー軸を実線で示す。本実施例2では理論上のコリドー軸と実測値ではずれがあることが分析できる。
3)分析結果のフィードバック
実施例2では二階微分した値はインセット理論値2.3mmではない2.1mm位置が最も数値の小さな部分となっている。つまり、今回の実施例1のレンズはインセット位置がずれてしまっているため、二階微分した値が2.3mmの位置で最も数値が小さくなるように、つまり差し引き0.2mm分をキャンセルさせるように次回の加工データにフィードバックさせる必要がある。
図3に示すように、オペレータは計算値と理論上の値との差を計算し、キーボード7によって入力する。メインコンピュータ1内の加工データ作成用ソフトによって修正された加工データに基づいてレンズ加工機の加工を行い、加工されたレンズに対して再び度数分布測定装置2を使用して屈折力データを取得し、上記のような分析を繰り返す。これを所定の精度が得られるまで繰り返す。
フィードバックさせる計算値と理論上の値は例えば次のようにして求める。ズレの修正は、レンズ加工面を回転させる処理をおこなうことが最も容易な方法である。回転ズレ量の計算は幾何中心点を軸に回転させる必要があるため、tan-1(2.3/14)−tan-1(2.1/14)=0.80度となる。従って、加工データ作成時に幾何中心点を軸に0.80度回転させるようにする。
Figure 2013250459
Figure 2013250459
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Figure 2013250459
Figure 2013250459
Figure 2013250459
Figure 2013250459
(実施例3)
1)実施例3における処方
実施例3では以下のような累進屈折力レンズ(Rレンズ)を処方した。
S −2.50(D)、C −1.00(D)、AX 90度、ADD 3.00(D)、インセット理論値 2.1mm、累進帯長 13mm
2)実施例3における具体的分析手法
実施例3ではインセット位置を分析するものとする。上記実施例1及び2と同様に、近用EP位置の水平方向においてP値を算出し、その値に基づいて二階微分を行った点で同様である。
実施例3では、更に二階微分した関数値に基づいて極値(ここでは極小値)を客観的かつ安定的に算出する手法について追加的に説明する。
表15のように二階微分値の算出後、最下点のピーク(極値)が見られる場合、二階微分値の傾きが大きく変化する位置と二階微分値のピークまでの値を散点的に抽出する。そして、最小二乗法等の方法を用いて、回帰直線の計算を行う。表16は計算によって得られた直線を示すグラフである。そして2つの回帰直線から交点を算出し、その交点をインセット位置とする。
交点は例えば、次のようにして求められる。傾きがマイナスの第1の直線をax+b、傾きがプラスの第2の直線をcx+dとすると、交点座標(X,Y)は(d−b/a−c,aX+b)となる。上記例の場合は第1の直線が−0.0009x+0.0011、第2の直線が0.0009x−0.0026となるため、交点座標は(X,Y)=(2.056,−0.00075)となる。この交点位置をインセット位置としてインセット理論値との関係を分析する。本実施例3では理論上のインセットと実測値では概ね許容範囲であることが分析できる。
Figure 2013250459
Figure 2013250459
(比較例)
比較例としてP値又はP値を使用せずに、かつ微分することなくC度数からインセット値及びコリドー軸を算出する場合を説明する。
1)比較例における処方
比較例では以下のような累進屈折力レンズ(Rレンズ)を処方した。
S −2.00(D)、C −2.00(D)、AX 60度、ADD 2.00(D)、インセット理論値 1.9mm、累進帯長 13mm
2)比較例における具体的分析手法
表17は幾何中心から14mm下の水平方向(x軸座標)のC度数の値を示す表である。実施例と同様に幾何中心から14mm下をx軸方向の基準位置(0.00mm)とし、鼻側に向かって0.1mmごとにC度数を算出した。表18は表17の値をx軸方向をx座標とし、y軸方向をC度数としたグラフである。この場合においては乱視軸の影響によって幾何中心から5〜7mm付近が最も数値が小さくなっており、理論値と非常に乖離してしまう。この比較例の表18の関数を微分しても実施例のような理論値に近い値が得られるものではない。
Figure 2013250459
Figure 2013250459
上記のように構成することで、本実施の形態並びに実施例1及び2では次のような効果が奏される。
(1)軸方向成分をキャンセルして純粋にレンズ上の非点収差成分のみを取り出すことができるため、レンズの特性をより正確に把握することができる。
(2)一階微分及び二階微分することで、非点収差の変化状態を明確にすることができ、収差の分布状態を正確に把握することができ、レンズの分析に寄与する。
2…屈折力データを取得するための度数分布測定装置(レンズマッパー)、5…眼鏡レンズとしての被験レンズ。

Claims (10)

  1. 装用者固有の処方又は眼鏡レンズ性能を確認するための度数測定位置にて少なくともC度数と乱視軸方向が設定されている眼鏡レンズの分析方法であって、
    装用者固有の処方に基づいて作製された前記眼鏡レンズに対して一方のレンズ面から入射した複数の光線が他方のレンズ面から出射された際の同各光線毎の屈折による変位をマッピングして各マッピングポイントにおける屈折力データ又はプリズム屈折力データを取得し、上記屈折力データ又はプリズム屈折力データに基づいて視線が通過する主注視線の位置又はインセット位置を分析することを特徴とする眼鏡レンズの分析方法。
  2. 装用者固有の処方又は眼鏡レンズ性能を確認するための度数測定位置にて少なくともC度数と乱視軸方向が設定されている眼鏡レンズの分析方法であって、
    装用者固有の処方に基づいて作製された前記眼鏡レンズに対して一方のレンズ面から入射した複数の光線が他方のレンズ面から出射された際の同各光線毎の屈折による変位をマッピングして各マッピングポイントにおける屈折力データを取得し、視線が通過する主注視線と交差方向にある直線上の前記屈折力データにおけるC度数データ及び乱視軸データに対して下記Pの式に適用し、前記直線上の位置と下記Pの式に適用して得られた値との関係によって得られた関数を微分し、その微分値に基づいて視線が通過する主注視線の位置を分析することを特徴とする眼鏡レンズの分析方法。
    Figure 2013250459
  3. 装用者固有の処方又は眼鏡レンズ性能を確認するための度数測定位置にて少なくともC度数と乱視軸方向が設定されている眼鏡レンズの分析方法であって、
    装用者固有の処方に基づいて作製された前記眼鏡レンズに対して一方のレンズ面から入射した複数の光線が他方のレンズ面から出射された際の同各光線毎の屈折による変位をマッピングして各マッピングポイントにおける屈折力データを取得し、レンズの近用アイポイント位置又は近用度数測定位置を横切る装用時において水平方向にある直線上の前記屈折力データにおけるC度数データ及び乱視軸データに対して下記Pの式に適用し、前記直線上の位置と下記Pの式に適用して得られた値との関係によって得られた関数を微分し、その微分値に基づいてインセット位置を分析することを特徴とする眼鏡レンズの分析方法。
    Figure 2013250459
  4. 前記微分値による分析は二階微分によって得られた微分値に基づいて行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の眼鏡レンズの分析方法。
  5. 前記微分値による分析は二階微分によって得られた微分値の極値に基づいて行うことを特徴とする請求項4に記載の眼鏡レンズの分析方法。
  6. 前記極値の前後の複数の関数値に基づいて2本の回帰直線を算出し、それら回帰直線の交点を視線が通過する主注視線上の点として分析を行うことを特徴とする請求項5に記載の眼鏡レンズの分析方法。
  7. 前記眼鏡レンズは累進屈折力レンズであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の眼鏡レンズの分析方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の眼鏡レンズの分析方法を実行する分析用プログラム。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記微分値と設計値との差を取得し、その差をキャンセルするように次回のレンズ加工に適用することを特徴とする眼鏡レンズの加工方法。
  10. 前記微分値と設計値との差をキャンセルするために、レンズ加工面を回転させることを特徴とする請求項9に記載の眼鏡レンズの加工方法。
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