JP2012048004A - 眼鏡レンズ用加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】眼鏡レンズの左右非対称になる原因の誤差の算出から取付部の加工まで自動化できる眼鏡レンズ用加工装置を提供する。
【解決手段】縁摺加工後の眼鏡レンズ3を保持する保持装置12と、前記眼鏡レンズ3の外形および位置を特定可能なシェープデータを測定するシェープ測定装置14とを備える。眼鏡フレーム構成部材が取付けられた場合に左眼用眼鏡レンズと右眼用眼鏡レンズとが左右非対称になるような誤差を前記シェープデータに基づいて算出し、補正量を誤差と公差とに基づいて求める補正量算出部48を備える。目標加工位置を前記補正量だけ補正して眼鏡レンズ3に加工を施す穴加工装置15とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、眼鏡レンズに縁なしの眼鏡フレームの取付部を加工するために使用する眼鏡レンズ用加工装置に関するものである。
従来、眼鏡フレームとしては、いわゆる「縁なし(あるいはリムレス、枠なし、スリーピース、ツーポイントなど)」と呼称されるものがある。この種の縁なしの眼鏡フレームは、左眼用眼鏡レンズと右眼用眼鏡レンズとを連結するためのブリッジ部と、左眼用眼鏡レンズおよび右眼用眼鏡レンズの耳側の端部に取付けられたテンプル部などによって構成されている。
これらの眼鏡フレーム構成部材は、眼鏡レンズに形成された取付部にねじやピンと接着剤を用いて取付けられている。前記取付部は、取付用のねじまたはピンを挿通させるための小孔や、眼鏡フレーム構成部材の一部を接着するための切り欠きまたは溝などである。
この取付部は、眼鏡レンズに縁摺加工を施した後に機械加工によって形成されている。前記縁摺加工とは、眼鏡レンズを縁なしの眼鏡フレームに適合する形状に形成する加工をいう。前記縁摺加工や、前記取付部を形成するための機械加工は、眼鏡レンズに予め貼着されたレンズホルダーを加工装置に保持させた状態で行われている。
従来、前記取付部を形成するための機械加工を眼鏡レンズに施すに当たっては、特許文献1に記載されているように、左眼用眼鏡レンズと右眼用眼鏡レンズとを実際に並べて見て、左右対称になるか否かを判別している。このとき、レンズホルダーが眼鏡レンズの正規の位置に貼付けられていない場合は、これらの眼鏡レンズが左右非対称な状態になる。このようにレンズホルダーの貼付位置が正しくない状態でレンズホルダーを前記加工装置に保持させて前記機械加工を行うと、取付部を正しい位置に形成することはできない。取付部の位置が正しくないと、眼鏡フレームを取付けた状態で左右の眼鏡レンズが左右非対称になってしまう。
特許文献1に記載されている発明においては、前記レンズホルダーを使用して左右の眼鏡レンズを並べて保持し、この状態で左右非対称になる原因の誤差を測定している。従来では、前記取付部を正しい位置に形成するために、機械加工時に前記誤差分だけ目標加工位置を修正している。この修正作業は、作業者により手作業で行われていた。
特開2009−210753号公報
しかしながら、上述した修正作業は、作業者の技量の影響を受けるために、作業時間が著しく長くなったり、修正結果にばらつきが生じることがあった。前記修正が不完全で眼鏡レンズが左右非対称になると、眼鏡の外観が著しく損なわれてしまう。たとえば、一方の眼鏡レンズが他方の眼鏡レンズに対して光軸回りの回転方向に僅かでもずれると、フレーム形状を形成する周縁部では大きくずれてしまい、左右非対称であることが目立つようになる。また、前記修正作業を行うに当たって、誤差を修正するだけの単なる形状あわせのように作業が行われると、眼鏡フレームに許容される公差を超過するような位置補正または前記回転方向の補正(軸補正)が行われてしまうおそれがある。このため、従来では、前記誤差の測定から機械加工まで一貫して自動化することが要請されていた。
本発明はこのような要請に応えるためになされたもので、眼鏡レンズの左右非対称になる原因の誤差の算出から取付部の加工まで自動化できる眼鏡レンズ用加工装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る眼鏡レンズ用加工装置は、縁なしの眼鏡フレームに適合する形状に縁摺加工された眼鏡レンズを眼鏡フレーム構成部材の目標取付位置が確定された状態で保持する保持部と、前記保持部に保持された眼鏡レンズについて、外形および位置を特定可能な形状データを取得する形状データ取得部と、前記目標取付位置に眼鏡フレーム構成部材が取付けられた場合に左眼用眼鏡レンズと右眼用眼鏡レンズとが左右非対称になるような誤差を前記形状データに基づいて算出するとともに、前記左眼用眼鏡レンズと前記右眼用眼鏡レンズとが左右対称となるように補正量を前記誤差および眼鏡製造上の公差に基づいて求める補正量算出部と、前記目標加工位置を前記補正量だけ補正して前記眼鏡レンズに眼鏡フレーム構成部材用取付部の加工を施す加工部とを備えたものである。
本発明は、上記発明において、前記誤差は、眼鏡レンズの光軸と平行な仮想線を中心線とする回転方向へのずれ量である角度誤差と、前記仮想線と直交する面に沿う互いに直交する2方向へのずれ量である位置誤差とからなり、前記眼鏡製造上の公差は、眼鏡レンズの光学公差を含み、前記補正量算出部が求める補正量は、前記角度誤差と前記位置誤差とが前記光学公差を越えない範囲でそれぞれ最小になる量であることを特徴とするものである。
本発明は、上記発明において、前記補正量は、前記補正量算出部によって算出された誤差が前記公差の最大値以上である場合は前記公差の最大値に設定され、かつ前記誤差が前記公差の最大値より小さい場合には前記誤差の量に設定されるものである。
本発明は、上記発明において、前記保持部は、眼鏡レンズを位置決めするための基準を有し、前記補正量算出部は、前記眼鏡レンズを形成するための理論値としての形状データによって構成された第1の仮想の眼鏡レンズと、前記形状データ取得部が取得した形状データによって構成された第2の仮想の眼鏡レンズとを比較して前記誤差を算出するものであり、前記補正量算出部が算出する誤差は、前記基準に位置決めされた前記第1の仮想の眼鏡レンズに対する前記第2の仮想の眼鏡レンズのずれ量であることを特徴とするものである。
本発明は、上記発明において、前記保持部は、前記眼鏡レンズに貼着されたレンズホルダーと、このレンズホルダーを前記形状データ取得部から前記加工部に形状データ取得時の保持状態を維持しながら移動させる移動装置とを備えているものである。
本発明に係る眼鏡加工用補助装置は、以下の特徴事項をも有するものである。
請求項1記載の発明において、前記補正量算出部は、慣性主軸を用いる算出方法で誤差を算出するものである。
請求項1記載の発明において、前記補正量算出部は、相関係数を用いる算出方法で誤差を算出するものである。
請求項1記載の発明において、前記補正量算出部は、差の自乗和を用いる算出方法で誤差を算出するものである。
本発明によれば、眼鏡レンズが左右非対称になる原因となる誤差を光学的公差の範囲内で最小となるように低減させることができる。また、本発明によれば、眼鏡レンズの形状データを取得してから加工を施すまでの全動作を自動化することができる。このため、作業者の技量に影響を受けることはないから、縁なしの眼鏡フレームを使用した眼鏡について、加工精度および外観の向上を図ることができる。さらに、誤差が著しく大きい場合は、形状データを取得した眼鏡レンズが加工対象の眼鏡レンズではないことを判別することができる。すなわち、この発明によれば、左右非対称になる原因の誤差を算出することにより、加工の対象ではない他の眼鏡レンズに取付部を加工してしまうことを未然に防ぐことができる。
本発明に係る眼鏡レンズ用加工装置の構成を示すブロック図である。 保持装置の要部を拡大して示す斜視図である。 シェープ測定装置の構成を示す側面図である。 測定結果を説明するための図である。 制御装置の構成を示すブロック図である。 誤差を説明するための図である。 形状データ(理論値)を補間する方法を説明するための図である。 慣性主軸を用いる補正量算出方法を説明するための図である。 相関係数を用いる算出方法を説明するための説明図である。 相関係数を用いる算出方法を説明するための説明図である。 差の自乗和を用いる算出方法を説明するための図である。 差の自乗和を用いる算出方法を説明するための説明図である。 縁なしの眼鏡フレームを用いた眼鏡を示す図で、同図(a)は正面図、同図(b)は一方の眼鏡レンズの正面図、同図(c)は(b)図におけるC−C線断面図である。
以下、本発明に係る眼鏡レンズ用加工装置の一実施の形態を図1〜図13によって詳細に説明する。
図1に示す眼鏡レンズ用加工装置1は、縁なしの眼鏡フレーム2{図13(a)参照}に取付ける眼鏡レンズ3を加工の対象とするものである。縁なしの眼鏡フレーム2は、リムレス、枠なし、スリーピース、ツーポイントなどと呼称されることもある。この縁なしの眼鏡フレーム2は、図13(a)に示すように、左眼用眼鏡レンズ3と右眼用眼鏡レンズ3とを連結するブリッジ部4と、各レンズの耳側の端部に取付けられた左右一対の智部5と、この智部5から後方に延びるテンプル部(図示せず)とを備えている。
この実施の形態によるブリッジ部4および智部5からなる眼鏡フレーム構成部材と眼鏡レンズ3との取付部分は、眼鏡レンズ3に穿設された小孔6{図13(b),(c)参照}に眼鏡フレーム構成部材のピン7を嵌入させ、接着剤によって接着する構成が採られている。なお、眼鏡フレーム構成部材に眼鏡レンズ3を取付けるに当たっては、図示してはいないが、前記ピン7と接着剤の代わりにねじとナットを用いることができる。また、眼鏡フレーム構成部材に眼鏡レンズ3を取付けるための取付構造は、図示してはいないが、眼鏡レンズ3に形成された切り欠きに眼鏡フレーム構成部材の一部を嵌合させて接着する構造を採ることができる。
本発明に係る眼鏡レンズ用加工装置は、前記小孔7や切り欠きなどの取付部8を眼鏡レンズ3に形成するためのものである。
この実施の形態による眼鏡レンズ用加工装置1は、図1に示すように、基台11に支持された複数の装置によって構成されている。この眼鏡レンズ用加工装置1を構成する各装置は、工程順に並べると図1に示すようになる。図1は、同図の左側から右側へ工程が進むように描いてある。なお、図1は、この実施の形態による眼鏡レンズ用加工装置1の構成を理解し易くなるように各装置を並べて描いたものである。眼鏡レンズ用加工装置1を構成する各装置は、図1に示すレイアウトで配置されるとは限らない。
この実施の形態による眼鏡レンズ用加工装置1は、作業工程順にいうと、保持装置12と、厚み測定装置13と、シェープ測定装置14と、穴加工装置15とを備えており、さらに、前記保持装置12を移動させるための移動装置16と、これらの装置の動作を制御するための制御装置17とを備えている。
保持装置12は、眼鏡レンズ3に予め貼着されているレンズホルダー21を使用して眼鏡レンズ3を保持するためのものである。レンズホルダー21は、図2に示すように、眼鏡レンズ3の所定位置に位置決めされた状態で粘着シート22によって貼付けられている。レンズホルダー21を貼付ける位置は、たとえば眼鏡フレーム2における眼鏡レンズ3を取付ける部分の中心(フレーム中心)とすることができる。
保持装置12が保持する眼鏡レンズ3は、図示していない縁摺加工装置によって縁摺加工が施され、縁なしの眼鏡フレーム2に適合する形状に形成されたものである。この縁摺加工は、前記レンズホルダー21で眼鏡レンズ3を支持した状態で行われる。また、縁摺加工は、前記縁なしの眼鏡フレーム2に対応した形状データである形状データ(理論値)に基づいて行われる。
保持装置12は、図2に示すように、前記レンズホルダー21を保持するための軸部材23と、前記軸部材23と協働して眼鏡レンズ3を挟んで保持するためのクランプ部材24(図1参照)とを備えている。
前記軸部材23は、図1に示すように、上下方向に延びる状態で回転駆動装置25に支持されている。
この軸部材23の上端部には、図2に示すように、前記レンズホルダー21の円柱部21aが嵌合する円形孔23aと、レンズホルダー21のフランジ21bが当接する端面23bと、レンズホルダー21の位置決め用溝21cに嵌合する柱状突起23cとが形成されている。
レンズホルダー21は、前記円形孔23aに円柱部21aが嵌合するとともに位置決め用溝21cに柱状突起23cが嵌合し、かつ前記端面23bにフランジ21bが当接することによって、軸部材23に位置決めされた状態で保持される。この実施の形態においては、前記円形孔23aと、前記端面23bと、前記柱状突起23cとによって、請求項4記載の発明でいう「眼鏡レンズを位置決めするための基準」が構成されている。
レンズホルダー21が軸部材23に位置決めされるということは、このレンズホルダー21が貼付けられている眼鏡レンズ3について、前記眼鏡フレーム構成部材を取付ける位置(以下、この位置を単に目標取付位置という)が確定されることを意味する。この実施の形態において、眼鏡レンズ3は、光軸が上下方向を指向する状態で保持装置12に保持される。
前記回転駆動装置25は、前記軸部材23を上下方向の軸線回りに回転させる機能を有しており、後述する可動テーブル26の上に取付けられている。この可動テーブル26の上には、前記クランプ部材24を昇降させるための昇降装置27が設けられている。クランプ部材24は、昇降装置27によって昇降させられる支持アーム28の先端部に回転自在に支持されている。クランプ部材24は、昇降装置27による駆動によって、図1に示すように眼鏡レンズ3をレンズホルダー21と協働して保持するクランプ位置と、このクランプ位置の上方に離間した開放位置との間で昇降する。
前記可動テーブル26は、後述する移動装置16を介して基台11に支持されている。
この実施の形態による保持装置12は、前記軸部材23およびクランプ部材24と、回転駆動装置25と、昇降装置27と、可動テーブル26などによって構成されている。この実施の形態においては、前記保持装置12によって、本発明でいう保持部が構成されている。
前記移動装置16は、上述した保持装置12を水平方向の互いに直交する2方向に移動させる機能を有しており、基台11に支持されている。詳述すると、移動装置16は、前記基台11上に設けられた第1のレール31と、この第1のレール31に沿って移動する第1のスライダ32と、この第1のスライダ31の上に設けられた第2のレール33と、この第2のレール33に沿って移動する第2のスライダ34とを備えている。
前記第1のレール31は、基台11の上に水平方向の一方(図1においては左右方向に延びるように設けられている。以下においては、図1において左右方向を便宜上、X方向という。第1のスライダ32は、前記第1のレール31に移動自在に支持されている。また、第1のスライダ32は、図示してはいないが、X方向に延びるボールねじ軸を有するボールねじ式駆動装置のナット部材に接続されている。
第2のレール33は、前記X方向とは直交する水平方向(以下、この方向を便宜上、Y方向という)に延びるように第1のスライダ32の上に設けられている。第2のスライダ34は、第2のレール33に移動自在に支持されている。また、第2のスライダ34は、図示してはいないが、Y方向に延びるボールねじ軸を有するボールねじ式駆動装置のナット部材に接続されている。前記可動テーブル26は、前記第2のスライダ34に支持されている。
すなわち、移動装置16は前記保持装置12をX方向とY方向とに移動させることができるように構成されている。この移動装置16は、前記保持装置12に保持された眼鏡レンズ3が厚み測定装置13と、シェープ測定装置14と、穴加工装置15とに送られるように保持装置12を移動させる。
前記厚み測定装置13は、眼鏡レンズ3を上下方向の両側から挟む一対の検出子35,36を備えており、前記基台11の上に取付けられている。この厚み測定装置13は、保持部材に保持されている眼鏡レンズ3の高さと厚みとを測定する。厚み測定装置13によって測定された高さデータと厚みデータとは、後述する制御装置17に送られる。制御装置17は、高さデータと厚みデータとに基づいて、後述する穴加工装置15で穴加工を行うときの加工開始位置を決めるとともに、加工量を制御する。
前記シェープ測定装置14は、図1および図3に示すように、透過形レーザセンサ37を備えており、前記基台11の上に取付けられている。透過形レーザセンサ37は、上下方向に互いに対向するように並べられた投光部37aと受光部37bとを有し、投光部37aから受光部37bに向けて照射されたレーザー光38を遮る遮蔽物(この場合は眼鏡レンズ3)を検出するものである。この実施の形態による透過形レーザセンサ37は、投光部37aと受光部37bとの間に挿入された眼鏡レンズ3の端縁の位置を検出する。この実施の形態においては、このシェープ測定装置14によって、本発明でいう形状データ取得部が構成されている。
前記シェープ測定装置14による測定は、投光部37aと受光部37bとの間に眼鏡レンズ3の端縁部分(コバ部分)を臨ませ、この眼鏡レンズ3を上下方向の軸線回りに予め定めた角度ずつ回転させて行われる。すなわち、シェープ測定装置14は、眼鏡レンズ3の回転中心と端縁との間の長さを所定の回転角度毎に測る。前記眼鏡レンズ3の回転中心は、前記軸部材23(前記レンズホルダー21)の軸心である。シェープ測定装置14で測定して得られた形状データ(以下、この形状データをシェープデータという)をグラフにすると、図4に示すように、眼鏡レンズ3の外形と略一致する図形が表れる。図4において、θは測定時の回転角度を示し、rは眼鏡レンズ3の回転中心cと前記端縁との間の長さを示す。
前記シェープデータは、シェープ測定装置14から後述する制御装置17に送られる。制御装置17は、詳細は後述するが、前記レンズホルダー21に保持された眼鏡レンズ3の目標取付位置に眼鏡フレーム構成部材が取付けられた場合に左眼用眼鏡レンズと右眼用眼鏡レンズとが左右非対称になるような誤差を前記シェープデータと前記形状データ(理論値)とを用いて算出する。また、制御装置17は、前記左眼用眼鏡レンズと前記右眼用眼鏡レンズとが左右対称となるように、補正量を前記誤差および眼鏡製造上の公差に基づいて求める。
前記穴加工装置15は、穿孔用スピンドル41(図1参照)によって眼鏡レンズ3の前記目標取付位置に前記小孔6を穿設するためのものである。この実施の形態においては、この穴加工装置15によって、本発明でいう加工部が構成されている。この穴加工装置15は、図1に示すように、スピンドル41を回転させる機能と、このスピンドル41の軸線方向を変える(スピンドル41を支持する支持部材42の設置角度を変える)機能と、スピンドル41を上下方向に移動させる機能とを有し、前記基台11の上に取付けられている。
スピンドル41は、図1中に一点鎖線c1で示す軸線を中心にして回転する。この軸線c1は、図1においては上下方向を指向している。前記支持部材42は、前記軸線c1とは直交する水平方向の軸線c2を中心にして回転するように設置角度が変えられる。この軸線c2は、図1においては、前記X方向を指向している。
制御装置17は、図5に示すように、保持装置制御部43と、移動装置制御部44と、厚み測定装置制御部45と、シェープ測定装置制御部46と、穴加工装置制御部47と、補正量算出部48とを有し、前記形状データ(理論値)を保存したメモリ49が接続されている。
前記保持装置制御部43は、前記保持装置12の動作を制御するためのものである。前記移動装置制御部44は、前記移動装置16の動作を制御するためのものである。前記厚み測定装置制御部45は、前記厚み測定装置13の動作を制御するためのものである。前記穴加工装置制御部47は、前記穴加工装置15の動作を制御するためのものである。前記補正量算出部48は、穴加工を行うときの補正量を算出するためのもので、誤差算出部48aと補正量設定部49bとを有している。
前記誤差算出部48aは、図6に示すような仮想の眼鏡レンズ51,52を用いて前記誤差を算出する。図6には、二点鎖線で示す第1の仮想の眼鏡レンズ51と、実線で示す第2の仮想の眼鏡レンズ52とが描いてある。第1の仮想の眼鏡レンズ51は、前記眼鏡レンズ3を形成するための形状データ(理論値)によって構成されている。第2の仮想の眼鏡レンズ52は、前記形状データ取得部が取得したシェープデータによって構成されている。図6においては、目標取付位置としての小孔6も描いてある。
これらの第1、第2の仮想の眼鏡レンズ51,52は、レンズホルダー21が軸部材23に位置決めされた状態、換言すれば前記基準にそれぞれ位置決めされた状態で描いてある。
前記誤差は、角度誤差と位置誤差とから構成されている。前記角度誤差とは、図6に示すように、眼鏡レンズ3の光軸と平行な仮想線(軸部材23およびレンズホルダー21の軸線)を中心線とする回転方向Rへのずれ量である。位置誤差は、前記仮想線と直交する面に沿う互いに直交する2方向(図6においては左右方向と上下方向)へのずれ量である。
前記形状データ(理論値)と前記シェープデータ(測定値)を比較するための比較点の数は、前記角度誤差を0.1°単位で補正できるように、レンズ1周あたり3600点(0.1°刻み)とした。形状データ(理論値)は、フレームの形状を測定する測定器(一般的にフレームトレーサーやフレームリーダーと呼ばれる)にて型板やダミーレンズを測定し作成するか、もしくはフレームメーカーから提供されるものであり、一般的に1周360点(1°刻み)もしくは1000点(0.36°刻み)のデータである。そのため、図7に示すように、比較点を0.1°刻みとなるように補間する必要がある。補間の方法は3次Spline補間が好ましい。シェープデータ(測定値)は、1周3600点(0.1°刻み)測定することが望ましいが、補間して使用することも可能である。
誤差算出部48aは、前記第1の仮想の眼鏡レンズ51と第2の仮想の眼鏡レンズ52とを比較して前記誤差を算出する。この誤差は、前記第1の仮想の眼鏡レンズ51に対する前記第2の仮想の眼鏡レンズ52のずれ量である。前記誤差のうち、前記位置誤差は、第2の仮想の眼鏡レンズ52を第1の仮想の眼鏡レンズ51に最も接近するように平行移動させたときの移動量として算出できる。
前記角度誤差は、後述する三つの算出方法のうち少なくとも一つの算出方法によって算出することができる。三つの算出方法とは、慣性主軸を用いる算出方法と、相関係数を用いる算出方法と、差の自乗和を用いる算出方法である。
慣性主軸を用いる算出方法は、画像解析の分野でよく用いられている方法で、図8に示すように、物体53を回転させたときにいわゆる軸ぶれを起こすことがない慣性主軸54を前記二つの仮想の眼鏡レンズ51,52についてそれぞれ求め、その差を求める方法である。これらの慣性主軸の角度の差が前記角度誤差になる。慣性主軸を用いて前記角度誤差を算出する方法は以下の通りである。
先ず、図8に示す物体の重心を通る直線の式は下記の(1)式となる。
(Y−Yg)=(X−Xg)tanθ…(1)
そして、前記(1)式の慣性モーメントmθを次の(2)式によって求める。
mθ=ΣΣ{(X−Xg)sinθ−(Y−Yg)cosθ}f(x,y)…(2)
次に、前記慣性モーメントmθをθで微分しmθが極小値をとるθを求める。すなわち、上記式(2)をθで微分し、まとめると、
tan2θ+ktanθ−1=0
k={ΣX2−ΣY2−(Xg2−Yg2)S}/(ΣXY−XgYgS)
となり、θは次の(3)式で求めることができる。
θ=(1/2)tan-1(2/k)…(3)
上記各式において、Si:要素の面積、S=ΣSi:シェープの面積、
(xgi,ygi):要素の重心、
Xg=Σ(xgi*Si/S)
Yg=Σ(ygi*Si/S)
(Xg,Yg):シェープの重心、
Σ(xgi*Si)2 :ΣX2
Σ(ygi*Si)2 :ΣY2
Σ(xgi*Si)(ygi*Si):ΣXY
である。
相関係数を用いる算出方法は、2つのデータがどれだけ関連性を有しているかを示す係数(相関係数)を求め、関連性が強くなるときのずれ量を角度誤差とする方法である。相関係数は、−1から+1までの数値をとる。2つのデータの関連性が強ければ相関係数は1に近付き(正の相関)、関連性が低ければ0に近付く。これとは逆に2つのデータが正反対となるような場合は、相関係数は−1(負の相関)に近付く。相関係数は下記の式(4)によって求めることができる。
Figure 2012048004
この実施の形態においては、眼鏡レンズ3の形状データ(理論値)とシェープデータ(測定値)とがたとえば図9に示す表のように得られた場合、(理論値,測定値)として相関係数を算出する。そして、測定データの角度θをずらしていき、最も相関係数が1に近付いたときの角度θのずらし量が理論値と測定値との回転方向のずれ量、言い換えれば前記角度誤差になる。相関係数は、図10に示すように求められる。なお、図10においては、補正量が0〜2.5°の範囲のみを図示してある。図10において相関係数が1に最も近くなる補正量θが前記角度誤差になる。図10に示す場合の角度誤差は1.7°になる。
差の自乗和を用いる算出方法は、眼鏡レンズ3の形状データ(理論値)とシェープデータ(測定値)との差の自乗を全ての角度について求め、この値の総和を用いてずれ量を求める方法である。たとえば、眼鏡レンズ3の形状データ(理論値)とシェープデータ(測定値)とが図9に示すように得られた場合、これらのデータを散布図にプロットすると、図11のグラフのようになる。図11は、前記データの一部のみを描いてある。図11においては、理論値を●で示し、測定値を○で示している。
差の自乗和を用いる算出方法を採る場合は、先ず、図9に示す全ての角度θのデータについて、理論値と測定値との差の自乗を求め、これらの差の自乗の値の和を求める。次に、図9に示す理論値と測定値のうちいずれか一方をたとえば同図において0.1°分だけ下に移動させた状態(角度θをずらした状態)で上記計算を行い、この場合の差の自乗の和を求める。
すなわち、理論値と測定値のうち一方の角度θをずらして差の自乗の和を求める。全ての計算が終了した後、図12に示すように、差の自乗の和の値が最も小さくなるときの角度θのずらし量を求める。図12に示す場合においては、角度θを1.8°ずらしたときに差の自乗の和が最小になる。この角度θのずれ量が理論値と測定値とのずれ量、言い換えれば前記角度誤差になる。
前記誤差算出部48aは、上述した3種類の計算方法のうち少なくともいずれか一つの方法で前記角度誤差を算出した後、この角度誤差のデータと前記位置誤差のデータとを補正量設定部48bに送る。
前記補正量設定部48bは、左眼用眼鏡レンズと右眼用眼鏡レンズとが左右対称となるように、前記誤差算出部48aによって算出された前記誤差(角度誤差および位置誤差)と、眼鏡製造上の公差とに基づいて補正量を求める。
眼鏡製造上の公差は、具体的には眼鏡レンズ3の光学公差と、枠入れ加工公差とがある。眼鏡レンズ3の光学公差は、JIS T7313(屈折補正用単焦点眼鏡レンズ3)、JIS T7314(屈折補正用多焦点眼鏡レンズ3)、JIS T7315(屈折補正用累進屈折力眼鏡レンズ3)などに規定されている。眼鏡レンズ3の光学公差の一例として、累進屈折力眼鏡レンズ3における遠用部乱視軸方向の許容差は、屈折力の表示値Dが0.00〜0.25の場合はプラスマイナス7°に規定されている。また、枠入れ加工公差は、角度誤差がプラスマイナス5°で、位置誤差がプラスマイナス0.5mmである。
補正量設定部48bは、前記角度誤差と前記位置誤差とが前記光学公差と枠入れ加工公差とを越えない範囲でそれぞれ最小になるように補正量を設定する。詳述すると、補正量設定部48bは、前記誤差算出部48aによって算出された誤差が前記公差の最大値以上である場合は、補正量を前記公差の最大値に設定する。また、補正量設定部48bは、前記誤差が前記公差の最大値より小さい場合には、補正量を前記誤差の量に設定する。
この補正量設定部48bによって設定された補正量のデータは、制御装置17の前記穴加工装置制御部47に送られる。このデータが送られた穴加工装置制御部47は、前記目標取付位置を前記補正量だけ補正して穴加工装置15を動作させる。
次に、上述したように構成された眼鏡レンズ用加工装置1の動作を説明する。眼鏡レンズ3は、レンズホルダー21が貼付けられた状態で縁摺加工後に保持装置12に搬送される。保持装置12は、クランプ部材24を軸部材23から上方に離間するように上昇させて待機しており、軸部材23の上端部に前記レンズホルダー21が嵌合された後にクランプ部材24を下降させる。このとき、レンズホルダー21は、クランプ部材24が眼鏡レンズ3を下方に押圧することによって、軸部材23に押し付けられて所定位置に位置決めされる。
次に、移動装置16が保持装置12を厚み測定装置13に向けて移動させ、眼鏡レンズ3の端縁部分を厚み測定装置13の一対の検出子35,36の間に臨ませる。このとき、保持装置12は、軸部材23を回転させ、眼鏡レンズ3の目標取付位置を検出子35,36と対向させる。厚み測定装置13は、このように眼鏡レンズ3が検出子35,36の間に挿入された後、検出子35,36によって眼鏡レンズ3を上下方向から挟み、眼鏡レンズの高さと厚みとを測定する。
厚み測定装置13による測定が終了した後、移動装置16が保持装置12をシェープ測定装置14に移動させ、眼鏡レンズ3の端縁部分を透過形レーザセンサ37の投光部37aと受光部37bとの間に臨ませる。そして、保持装置12が眼鏡レンズ3を回転させ、シェープ測定装置14がシェープデータの測定を行う。シェープデータの測定が終了した後、移動装置16が保持装置12を穴加工装置15に移動させ、眼鏡レンズ3をスピンドル41の上方に移動させる。このシェープ測定装置14から穴加工装置15への眼鏡レンズ3の移動は、形状データ取得時(シェープデータ測定時)の保持状態を維持しながら行われる。制御装置17の補正量算出部48は、この移動中に前記誤差を算出し、この誤差と公差とに基づいて補正量を設定する。
穴加工装置15に眼鏡レンズ3が送られた後、支持部材42の設置角度が調整される。この調整は、スピンドル41の軸線c1が眼鏡レンズ3の小孔6の中心線と平行になるように行われる。このとき、眼鏡レンズ3は、補正された目標取付位置がスピンドル41と対向するように、保持装置12によって回転方向に位置決めされるとともに、移動装置16によって水平方向に位置決めされる。このように眼鏡レンズ3がスピンドル41と対向する位置に移動した後、スピンドル41が回転し、穴加工が行われる。この穴加工は、たとえばスピンドル41が上方を指向するときは、スピンドル41が回転している状態で穴加工装置15がスピンドル41を上昇させることによって行われる。なお、スピンドル41が水平方向を指向する場合の穴加工は、移動装置16が眼鏡レンズ3をX方向に移動させて行われる。スピンドル41が上下方向に対して傾斜する場合は、移動装置16と穴加工装置15との両方で眼鏡レンズ3をスピンドル41の軸線c1と平行な方向に移動させる。
したがって、この実施の形態による眼鏡レンズ用加工装置1によれば、眼鏡レンズ3が左右非対称になる原因となる誤差を光学的公差と枠入れ加工公差の範囲内で最小となるように低減させることができる。また、この実施の形態によれば、眼鏡レンズ3の測定から穴加工までの全ての動作を自動化することができる。このため、作業者の技量に影響を受けることはないから、縁なしの眼鏡フレーム2を使用した眼鏡について、加工精度および外観の向上を図ることができる。
さらに、誤差が著しく大きい場合は、測定された眼鏡レンズ3が加工対象の眼鏡レンズではないことを判別することができる。すなわち、この実施の形態によれば、左右非対称になる原因の誤差を算出することにより、加工の対象ではない他の眼鏡レンズ3に取付部を加工してしまうことを未然に防ぐことができる。
この実施の形態による眼鏡レンズ用加工装置1において、前記補正量算出部48が算出する誤差は、角度誤差と位置誤差である。角度誤差は、眼鏡レンズ3の光軸と平行な仮想線(軸部材23とレンズホルダー21の中心線)を中心とする回転方向へのずれ量である。位置誤差は、前記仮想線と直交する面に沿う互いに直交する2方向へのずれ量である。この実施の形態による補正量設定部48bが設定する補正量は、前記角度誤差と前記位置誤差とが眼鏡レンズ3の光学公差と枠入れ加工公差とを越えない範囲でそれぞれ最小になる量である。
このため、前記誤差は、眼鏡レンズ3の光学公差および枠入れ加工公差とを越えることがないように補正される。この結果、眼鏡レンズ3が左右非対称になることを解消するに当たって、眼鏡が使用不可能になる限界に近付くまで行うことができる。したがって、この実施の形態によれば、品質が高い眼鏡を生産することができる。
この実施の形態による前記補正量は、前記誤差算出部48aによって算出された誤差が前記公差の最大値以上である場合は前記公差の最大値に設定される。また、前記補正量は、前記誤差が前記公差の最大値より小さい場合には前記誤差の量に設定される。このため、この実施の形態によれば、公差を越えることがない補正量を決めるに当たって、数値の単純な比較によって簡単に行うことができる。したがって、この実施の形態によれば、補正量設定部48bを簡単に実現できるから、製造が容易な眼鏡レンズ用加工装置を提供することができる。
この実施の形態による前記保持装置12は、眼鏡レンズ3を位置決めするための基準を有している。前記補正量算出部48の誤差算出部48aは、前記眼鏡レンズ3を形成するための形状データ(理論値)によって構成された第1の仮想の眼鏡レンズ51と、前記シェープ測定装置14(形状データ取得部)が取得したシェープデータによって構成された第2の仮想の眼鏡レンズ52とを比較して前記誤差を算出するものである。また、前記誤差算出部48aが算出する誤差は、前記基準に位置決めされた前記第1の仮想の眼鏡レンズ51に対する前記第2の仮想の眼鏡レンズ52のずれ量である。このため、加工の対象となる眼鏡レンズ3に位置の基準となるような印を何ら設ける必要がなく、しかも、左眼用眼鏡レンズと右眼用眼鏡レンズとを並べて見比べたりすることなく、前記誤差を容易にかつ高い精度で算出することができる。このため、加工の信頼性が高い眼鏡レンズ用加工装置を提供することができる。
この実施の形態による前記保持部は、前記眼鏡レンズ3に貼着されたレンズホルダー21を介して眼鏡レンズ3を保持するものである。また、この実施の形態による眼鏡レンズ用加工装置1は、前記レンズホルダー21を前記シェープ測定装置14(形状データ取得部)から前記穴加工装置15(加工部)に測定時(形状データ取得時)の保持状態を維持しながら移動させる移動装置16を備えている。
レンズホルダー21に対する眼鏡レンズ3の位置は、発明者らが行った実験によれば、レンズホルダー21をたとえば軸部材23に位置決めする動作を行う毎に変化することが分かった。このように眼鏡レンズ3の位置が変化する理由は、以下のように3つある。第1の理由は、レンズホルダー21が粘着シート22を介して眼鏡レンズ3に貼付けられているからである。第2の理由は、前記粘着シート22は、粘着剤が変形する分だけレンズホルダー21に対して眼鏡レンズ3がずれるものだからである。第3の理由は、レンズホルダー21が眼鏡レンズ3の光学中心から離間した位置(たとえばフレーム中心)に貼付けられているからである。
すなわち、レンズホルダー21が眼鏡レンズ3の傾斜面に粘着シート22によって貼付けられているから、位置決め時にクランプ部材24が眼鏡レンズ3をレンズホルダー21に向けて押すことによって、眼鏡レンズ3がレンズホルダー21に対して傾斜面に沿って滑るように移動してしまう。この結果、上述したようにレンズホルダー21に対する眼鏡レンズ3の位置が変化してしまうことになる。
しかし、この実施の形態による眼鏡レンズ用加工装置は、シェープデータの測定後に眼鏡レンズ3が再び押圧されることはないから、前記シェープ測定装置14においてシェープデータが測定されてから穴加工装置15において穴加工が行われるまでの間にレンズホルダー21に対する眼鏡レンズ3の位置が変化することはない。したがって、この実施の形態によれば、誤差の算出後に新たに誤差が生じるようなことがないから、前記誤差を解消できることと相俟って、高い品質の眼鏡、すなわち縁なしの眼鏡フレーム2に眼鏡レンズ3が左右対称に取付けられた眼鏡を提供することができる。
上述した実施の形態においては、眼鏡レンズ3に小孔6を形成する場合の例を示したが、眼鏡レンズ3に形成する眼鏡フレーム構成部材用取付部は、小孔6に限定されることはなく、溝や切り欠きなど、眼鏡フレーム2の構成に対応させて適宜変更することができる。
また、上述した実施の形態においては、シェープ測定装置14によって眼鏡レンズ3の形状データを取得する例を示したが、眼鏡レンズ3の形状データは、たとえば画像処理によっても取得することができる。この場合は、眼鏡レンズ3に貼着されたレンズホルダー21を前記軸部材23に位置決めした状態において、眼鏡レンズ3を上方から撮像装置(図示せず)によって撮像し、前記形状データを画像データとして取得する。この構成を採る場合であっても上述した実施の形態を採るときと同等の効果を奏する。
1…眼鏡レンズ用穴加工装置、2…縁なしの眼鏡フレーム、3…眼鏡レンズ、6…小孔、12…保持装置、14…シェープ測定装置、15…穴加工装置、16…移動装置、17…制御装置、48…補正量算出部、48a…誤差量算出部、48b…補正量設定部、51…第1の仮想の眼鏡レンズ、52…第2の仮想の眼鏡レンズ。

Claims (5)

  1. 縁なしの眼鏡フレームに適合する形状に縁摺加工された眼鏡レンズを眼鏡フレーム構成部材の目標取付位置が確定された状態で保持する保持部と、
    前記保持部に保持された眼鏡レンズについて、外形および位置を特定可能な形状データを取得する形状データ取得部と、
    前記目標取付位置に眼鏡フレーム構成部材が取付けられた場合に左眼用眼鏡レンズと右眼用眼鏡レンズとが左右非対称になるような誤差を前記形状データに基づいて算出するとともに、前記左眼用レンズと前記右眼用レンズとが左右対称となるように補正量を前記誤差および眼鏡製造上の公差に基づいて求める補正量算出部と、
    前記目標加工位置を前記補正量だけ補正して前記眼鏡レンズに眼鏡フレーム構成部材用取付部の加工を施す加工部とを備えたことを特徴とする眼鏡レンズ用加工装置。
  2. 請求項1記載の眼鏡レンズ用加工装置において、前記誤差は、眼鏡レンズの光軸と平行な仮想線を中心線とする回転方向へのずれ量である角度誤差と、前記仮想線と直交する面に沿う互いに直交する2方向へのずれ量である位置誤差とからなり、
    前記眼鏡製造上の公差は、眼鏡レンズの光学公差を含み、
    前記補正量算出部が求める補正量は、前記角度誤差と前記位置誤差とが前記光学公差を越えない範囲でそれぞれ最小になる量であることを特徴とする眼鏡レンズ用加工装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の眼鏡レンズ用加工装置において、前記補正量は、前記補正量算出部によって算出された誤差が前記公差の最大値以上である場合は前記公差の最大値に設定され、かつ前記誤差が前記公差の最大値より小さい場合には前記誤差の量に設定されることを特徴とする眼鏡レンズ用加工装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載の眼鏡レンズ用加工装置において、前記保持部は、眼鏡レンズを位置決めするための基準を有し、
    前記補正量算出部は、前記眼鏡レンズを形成するための理論値としての形状データによって構成された第1の仮想の眼鏡レンズと、前記形状データ取得部が取得した形状データによって構成された第2の仮想の眼鏡レンズとを比較して前記誤差を算出するものであり、
    前記補正量算出部が算出する誤差は、前記基準に位置決めされた前記第1の仮想の眼鏡レンズに対する前記第2の仮想の眼鏡レンズのずれ量であることを特徴とする眼鏡レンズ用加工装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちいずれか一つに記載の眼鏡レンズ用加工装置において、前記保持部は、前記眼鏡レンズに貼着されたレンズホルダーを介して眼鏡レンズを保持するものであり、
    前記レンズホルダーを前記形状データ取得部から前記加工部に形状データ取得時の保持状態を維持しながら移動させる移動装置をさらに備えていることを特徴とする眼鏡レンズ用加工装置。
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