JP2013249210A - 複合封着材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス基板間のギャップ拡大が容易であり、そのギャップを均一化し易く、しかもガラス基板間を気密封着し得る材料を創案することにより、大型、薄型の有機ELディスプレイや非シリコン型太陽電池等の信頼性を確保すること。
【解決手段】本発明の複合封着材料は、ガラスフィルムの何れかの表面に封着材料層が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複合封着材料に関し、具体的にはレーザーによる封着処理(以下、レーザー封着)に好適な複合封着材料に関する。
近年、有機ELディスプレイ等の有機ELデバイスの開発が鋭意行われている。また、色素増感型太陽電池、薄膜化合物太陽電池等の非シリコン型太陽電池の開発も鋭意行われている。
有機ELディスプレイは、直流電圧で駆動できるため駆動回路を簡略化できると共に、液晶ディスプレイとは異なり、視野角依存性がなく、また自己発光のため明るく、更には応答速度が速い等の利点がある。現在、有機ELディスプレイは、主に携帯電話等の小型携帯機器に利用されているが、今後は超薄型テレビへの応用が期待されている。なお、有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイと同様にして、薄膜トランジスタ(TFT)等のアクティブ素子を各画素に配置して、駆動させる方式が主流である。
有機ELディスプレイは、2枚のガラス基板、金属等の陰電極、有機発光層、ITO等の陽電極、接着材料等で構成される。従来、接着材料として、低温硬化性を有するエポキシ樹脂、或いは紫外線硬化樹脂等の有機樹脂系接着材料が使用されてきた。しかし、有機樹脂系接着材料では、気体の侵入を完全に遮断できない。このため、有機樹脂系接着材料を用いると、有機ELディスプレイ内部の気密性を保持することができず、これに起因して、耐水性が低い有機発光層が劣化し易くなって、有機ELディスプレイの表示特性が経時的に劣化するという不具合が生じていた。また、有機樹脂系接着材料は、ガラス基板同士を低温で接着できる利点を有するものの、耐水性が低いため、有機ELディスプレイを長期に亘って使用した場合に、ディスプレイの信頼性が低下し易くなる。
また、色素増感型太陽電池は、透明導電膜が形成されたガラス基板と、このガラス基板に形成された多孔質酸化物半導体層(主にTiO層)からなる多孔質酸化物半導体電極と、その多孔質酸化物半導体電極に吸着されたRu色素等の色素と、ヨウ素を含むヨウ素電解液と、触媒膜と透明導電膜が形成されたガラス基板等により構成される。
従来の色素増感型太陽電池は、一対のガラス基板の外周縁を有機樹脂系接着材料で接着した構造を有している。しかし、有機樹脂系接着材料を用いると、有機樹脂系接着材料がヨウ素電解液に侵食されて、色素増感型太陽電池からヨウ素電解液が漏洩し、電池特性が大幅に低下する虞がある。
また、薄膜化合物太陽電池、例えばCIGS系太陽電池では、Cu、In、Ga、Seからなるカルコパイライト型化合物半導体、Cu(InGa)Seが光電変換膜としてガラス基板上に形成される。これらの非シリコン型太陽電池は、一対のガラス基板に挟まれた構造を有している。
従来の薄膜化合物太陽電池は、一対のガラス基板の外周縁を有機樹脂系接着材料で接着した構造を有している。上記の通り、有機樹脂系接着材料では、気体の侵入を完全に遮断できない。このため、有機樹脂系接着材料を用いると、気体(HO等)の侵入により、薄膜化合物太陽電池の長期信頼性が低下する虞がある。
一対のガラス基板の外周縁を無機系封着材料で気密封着すると、上記不具合を解消することが可能である。このような封着材料として、ガラス粉末と耐火性フィラーを含む封着材料が有望である。
この封着材料を用いて気密封着する場合、封着材料を熱処理して、軟化流動させる必要がある。
しかし、電気炉等により、軟化流動する温度域まで封着材料を熱処理すると、有機ELデバイスや非シリコン型太陽電池の素子等の特性が熱劣化する虞がある。
特開2008−166197号公報
上記事情に鑑み、近年、封着材料の封着方法として、レーザー封着が検討されている。レーザー封着によれば、封着すべき部分のみを局所加熱できるため、素子等の熱劣化を防止した上で、ガラス基板同士を気密封着することができる。
しかし、レーザー封着では、所望の封着強度を得ることが困難である。この原因は、封着部分の材料強度がガラス基板の強度よりも低く、またガラス基板と封着材料の熱膨張係数差により、レーザー封着後にガラス基板や封着部分に不当な応力が残留することによる。
ところで、有機ELディスプレイや非シリコン型太陽電池は、大型化、薄型化が急速に進んでおり、これに伴い、ガラス基板の大型化、薄型化も急速に進んでいる。ガラス基板が大型化、薄型化すると、ガラス基板が撓み易くなるため、有機ELディスプレイや非シリコン型太陽電池において、ガラス基板同士が接触して、素子等の損傷が生じる虞がある。ガラス基板同士の接触を防止するためには、ガラス基板間のギャップをある程度大きく必要があり、しかもそのギャップを均一に保つ必要がある。
しかし、上記の封着材料を用いる場合、ガラス基板同士のギャップを大きくすることが困難であり、その精度を高めることも困難である。そして、ガラス基板同士のギャップが大きい程、封着強度を確保することが困難になる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、その技術的課題は、ガラス基板間のギャップ拡大が容易であり、そのギャップを均一化し易く、しかもガラス基板間を気密封着し得る材料を創案することにより、大型、薄型の有機ELディスプレイや非シリコン型太陽電池等の信頼性を確保することである。
本発明者等は、鋭意検討の結果、大きなギャップを精度良く形成するために、ガラスフィルムの表面に封着材料層を形成することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の複合封着材料は、ガラスフィルムの何れかの表面に封着材料層が形成されていることを特徴とする。ここで、「ガラスフィルム」とは、厚み5〜500μmのガラスを指す。
このようにすれば、封着材料層により、ガラス基板同士を気密封着することが可能になり、またガラスフィルムにより、大きなギャップを確保し得ると共に、ギャップの寸法精度を高めることが可能になる。そして、ガラスフィルムにより、封着材料層の厚みを小さくすることが可能になり、結果として、封着部分の残留応力が小さくなり、所望の封着強度を確保し易くなる。
図1は、本発明の複合封着材料1の一例を説明するための断面概念図である。図1(a)は、本発明の複合封着材料1の一例を示す断面概念図である。ガラスフィルム12の両表面には、それぞれ封着材料層11が形成されている。図1(b)は、2枚のガラス基板13の間に、複合封着材料1を配置した状態を示す断面概略図である。なお、図1(b)では、ガラス基板13と封着材料層11の間に間隔が設けられているが、実際の配置では、ガラス基板13と封着材料層11は接触している。図1(c)は、図1(b)の上方のガラス基板13側からレーザーを照射して、2枚のガラス基板13間を気密封着した後のガラスパッケージを示す断面概念図である。
第二に、本発明の複合封着材料は、ガラスフィルムの両表面に封着材料層が形成されていることが好ましい。このようにすれば、ガラス基板の表面に封着材料層を形成する必要がなくなり、デバイスの生産性が向上する。なお、ガラスフィルムの一方の表面のみに封着材料層を形成した場合は、デバイスの気密信頼性を確保するために、一方のガラス基板(ガラスフィルムに封着材料層が形成されていない側)の表面に、封着材料層を形成すればよい。
第三に、本発明の複合封着材料は、ガラスフィルムの厚みが、300μm以下であることが好ましい。このようにすれば、デバイスの薄型化を達成し易くなる。
第四に、本発明の複合封着材料は、封着材料層の厚みが、20μm以下であることが好ましい。このようにすれば、レーザー封着性が向上すると共に、封着部分の残留応力が小さくなり、所望の封着強度を確保し易くなる。
第五に、本発明の複合封着材料は、複合封着材料の厚みが、10〜500μmであることが好ましい。このようにすれば、デバイスの大型化、薄型化を達成した上で、ガラス基板同士が接触して、素子等の損傷が生じる事態を防止し易くなる。
第六に、本発明の複合封着材料は、封着材料層が、封着材料を焼結させてなることが好ましい。このようにすれば、封着材料層の厚みを低減し易くなる。また、複合封着材料の表面精度が向上し、複合封着材料の厚みを均一化し易くなる。
第七に、本発明の複合封着材料は、封着材料が、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラーを含むことが好ましい。このようにすれば、封着部分の信頼性が向上すると共に、封着強度を高めることができる。なお、ビスマス系ガラスは、ガラス基板との反応性が良好である。
第八に、本発明の複合封着材料は、ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、下記酸化物換算で、モル%で、Bi 20〜60%、B 10〜35%、ZnO 5〜40%、CuO+Fe 5〜30%を含有することが好ましい。このようにすれば、ガラス粉末の軟化点が低下すると共に、封着材料層がレーザーエネルギーを直接吸収して、熱エネルギーに効率良く変換することができる。その結果、低温、且つ短時間でレーザー封着が完了すると共に、レーザー封着時に封着強度を高めることができる。
第九に、本発明の複合封着材料は、封着材料が、リン酸錫系ガラス粉末と顔料を含むことが好ましい。このようにすれば、レーザーの光を熱エネルギーに変換し易くなると共に、低温、且つ短時間でレーザー封着が完了する。
第十に、本発明の複合封着材料は、ガラスフィルムが、無アルカリガラスであることが好ましい。無アルカリガラスは、熱膨張係数が低いため、レーザー封着時に、ガラスフィルムに割れ等が発生し難くなる。更に、無アルカリガラスは、歪点が高く、熱収縮等が生じ難いため、熱処理工程を経ても、ガラスフィルムの寸法が変動し難く、その結果、ガラス基板間のギャップが変動し難くなる。
第十に、本発明の複合封着材料は、ガラスフィルムが、短冊形状であることが好ましい。このようにすれば、複合封着材料のハンドリングが容易になると共に、複合封着材料の配置(例えば、額縁状の配置)の自由度が向上する。
第十一に、本発明の複合封着材料は、ガラスフィルムが、額縁形状であることが好ましい。特に、額縁の外形寸法は、ガラス基板の外形寸法と略同等であることが好ましい。このようにすれば、ガラス基板と複合封着材料の位置合わせが容易になり、デバイスの製造効率が向上する。
第十二に、本発明の複合封着材料は、レーザー封着に用いることが好ましい。レーザー封着には、種々のレーザーを使用することができる。特に、半導体レーザー、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザー、赤外レーザー等は、取扱いが容易な点で好ましい。
第十三に、本発明の複合封着材料は、有機ELデバイス又は非シリコン型太陽電池の封着に用いることが好ましい。
本発明の複合封着材料の一例を説明するための断面概念図である。 マクロ型DTA装置で測定したときの軟化点Tsを示す模式図である。
本発明の複合封着材料において、複合封着材料の厚みは、好ましくは10〜500μm、50〜400μm、特に100〜300μmである。複合封着材料の厚みが小さ過ぎると、ガラス基板同士が接触して、素子等の損傷が生じる事態を防止し難くなる。一方、複合封着材料の厚みが大き過ぎると、デバイスの大型化、薄型化を達成し難くなる。
本発明の複合封着材料において、(ガラスフィルムの厚み)/(封着材料層の厚み)の値は、好ましくは1以上、2以上、4以上、特に5以上である。このようにすれば、レーザーの照射後に、ガラスフィルム及び封着部分の残留応力が小さくなる。
本発明の複合封着材料において、ガラスフィルムの厚みは、5〜500μmであり、好ましくは10〜300μm、特に50〜200μmである。このようにすれば、ガラス基板間のギャップを確保した上で、デバイスの薄型化を達成し易くなる。なお、ガラスフィルムの厚みが小さ過ぎると、ガラス基板間のギャップを確保し難くなる。
本発明の複合封着材料において、ガラスフィルムの形状は限定されず、短冊形状、額縁形状等であってもよい。その中でも、ガラスフィルムの形状として、額縁形状であることが好ましい。特に、額縁の外形寸法は、ガラス基板の外形寸法と略同等であることが好ましい。このようにすれば、ガラス基板と複合封着材料の位置合わせが容易になり、デバイスの製造効率が向上すると共に、レーザー封着の信頼性(例えば気密信頼性)を高めることができる。
ガラスフィルムの材質は、特に限定されず、無アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダライムガラス等が利用可能である。その中でも、上記理由により、無アルカリガラスが好ましい。また、ガラスフィルムの材質は、ガラス基板の材質と同じであることが好ましい。このようにすれば、封着部分の残留応力を低減することができる。
ガラスフィルムの熱膨張係数は、40×10−7〜90×10−7/℃が好ましい。このようにすれば、レーザー封着時にガラスフィルムが割れ難くなると共に、ガラス基板、ガラスフィルム及び封着部分に不当な残留応力が生じ難くなる。
ガラスフィルムは、公知の方法で作製可能である。例えば、フロート法、ダウンドロー法(リドロー法、スロットダウンドロー法、オーバーフローダウンドロー法)、ロールアウト法等の方法で作製可能である。
その中でも、ダウンドロー法(リドロー法、スロットダウンドロー法、オーバーフローダウンドロー法)が好ましい。このようにすれば、ガラスフィルムの表面精度が良好になり、またガラスフィルムの厚みを均一化し易くなる。
本発明の複合封着材料において、封着材料層は、上記理由により、封着材料を焼結させてなることが好ましく、粉末形状の封着材料を焼結させてなることが好ましい。このようにすれば、レーザー封着により、ガラス基板同士を気密封着し易くなる。
本発明に係る封着材料において、軟化点は460℃以下、420℃以下、特に400℃以下が好ましい。軟化点が高過ぎると、レーザー封着性が低下し易くなる。軟化点の下限は特に限定されないが、ガラス粉末、特にSnO含有ガラス粉末の熱的安定性を考慮すれば、軟化点は350℃以上が好ましい。「軟化点」とは、窒素雰囲気下において、マクロ型示差熱分析(DTA)装置で測定した値を指し、DTAは室温から測定を開始し、昇温速度は10℃/分とする。そして、マクロ型DTA装置で測定した軟化点は、図2に示す第四屈曲点の温度(Ts)を指す。
封着材料(封着材料層)の熱膨張係数は、40×10−7〜90×10−7/℃が好ましい。このようにすれば、ガラス基板、ガラスフィルム及び封着部分に不当な残留応力が生じ難くなる。
封着材料は、ガラス粉末を含有することが好ましい。このようにすれば、レーザー封着により、ガラス基板同士を気密封着することができる。
本発明に係るガラス粉末は、種々のガラス材質が使用可能である、例えばリン酸錫系ガラス、ビスマス系ガラス、バナジウム系ガラス等が使用可能である。なお、「〜系ガラス」とは、明示の成分を10モル%以上含むガラスを指す。
ガラス粉末として、上記ガラス材質の内、ビスマス系ガラス粉末が好ましい。ビスマス系ガラスは、ガラス基板との反応性が良好である。また、ビスマス系ガラスは、低温で軟化流動するため、レーザー封着時に電極等の熱損傷を低減し易くなる。
ビスマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、下記酸化物換算で、モル%で、Bi 20〜60%、B 10〜35%、ZnO 5〜40%、CuO+Fe 5〜30%を含有することが好ましい。上記のように各成分の含有量を限定した理由を下記に示す。なお、ガラス組成範囲の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、モル%を指す。
Biは、軟化点を下げるための主要成分であり、その含有量は、好ましくは20〜60%、25〜55%、特に30〜55%である。Biの含有量が20%より少ないと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザーを照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、Biの含有量が60%より多いと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又はレーザー封着時にガラスが失透し易くなる。
は、ビスマス系ガラスのガラスネットワークを形成する成分であり、その含有量は、好ましくは10〜35%、15〜30%、特に15〜28%である。Bの含有量が10%より少ないと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又はレーザー封着時にガラスが失透し易くなる。一方、Bの含有量が35%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザーを照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
ZnOは、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制すると共に、熱膨張係数を低下させる成分であり、その含有量は、好ましくは5〜40%、5〜35%、特に5〜33%である。ZnOの含有量が5%より少ないと、上記効果を得難くなる。一方、ZnOの含有量が40%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
CuO+Feは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有するレーザーを照射すると、レーザーを吸収して、ガラスを軟化させ易くする成分である。また、CuO+Feは、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。CuO+Feの含有量は、好ましくは5〜30%、7〜25%、特に10〜20%である。CuO+Feの含有量が5%より少ないと、光吸収特性が乏しくなり、レーザーを照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、CuO+Feの含有量が30%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
CuOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有するレーザーを照射すると、レーザーを吸収して、ガラスを軟化させ易くする成分であると共に、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。CuOの含有量は、好ましくは0〜25%、5〜25%、10〜25%、特に10〜20%である。CuOの含有量が25%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。なお、CuOの含有量を5%以上に規制すれば、光吸収特性が向上して、レーザー封着時にガラスが軟化し易くなる。
Feは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有するレーザーを照射すると、レーザーを吸収して、ガラスを軟化させ易くする成分であると共に、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。Feの含有量は、好ましくは0〜10%、0.1〜10%、0.2〜10%、特に0.5〜10%である。Feの含有量が10%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。なお、Feの含有量を0.1%以上に規制すれば、光吸収特性が向上して、レーザー封着時にガラスが軟化し易くなる。
酸化鉄中のFeイオンは、Fe2+又はFe3+の状態で存在する。本発明において、酸化鉄中のFeイオンは、Fe2+又はFe3+の何れかに限定されるものではなく、何れであっても構わない。よって、本発明では、Fe2+の場合でも、Feに換算した上で取り扱うこととする。特に、照射光として赤外レーザーを使用する場合、Fe2+が赤外域に吸収ピークを有するため、Fe2+の割合は大きい方が好ましく、例えば、酸化鉄中のFe2+/Fe3+の割合を0.03以上(望ましくは0.08以上)に規制することが好ましい。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
SiOは、耐水性を高める成分である。SiOの含有量は、好ましくは0〜10%、特に0〜3%である。SiOの含有量が10%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザーを照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
Alは、耐水性を高める成分である。Alの含有量は、好ましくは0〜5%、特に0〜2%である。Alの含有量が5%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザーを照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrO及びBaOの合量)は、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分であり、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は、好ましくは0〜20%、特に0〜15%である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が20%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザーを照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MgO、CaO及びSrOは、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。各成分の含有量は、好ましくは0〜5%、特に0〜2%である。各成分の含有量が5%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザーを照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
BaOは、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。BaOの含有量は、好ましくは0〜15%、特に0〜10%である。BaOの含有量が15%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザーを照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
CeO及びSbは、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。各成分の含有量は、好ましくは0〜5%、0〜2%、特に0〜1%である。各成分の含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。なお、熱的安定性を高める観点から、Sbの微量添加が好ましく、具体的にはSbを0.05%以上添加することが好ましい。
WOは、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。WOの含有量は、好ましくは0〜10%、特に0〜2%である。WOの含有量が10%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
In+Ga(InとGaの合量)は、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。In+Gaの含有量は、好ましくは0〜5%、特に0〜3%である。In+Gaの含有量が5%より多いと、バッチコストが高騰する。なお、Inの含有量は0〜1%がより好ましく、Gaの含有量は0〜0.5%がより好ましい。
Li、Na、K及びCsの酸化物は、軟化点を低下させる成分であるが、溶融時に失透を助長する作用を有するため、合量で1%未満に規制することが好ましい。
は、溶融時の失透を抑制する成分である。しかし、Pの含有量が1%より多いと、溶融時にガラスが分相し易くなる。
La、Y及びGdは、溶融時の分相を抑制する成分であるが、これらの合量が3%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザーを照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
NiO、V、CoO、MoO、TiO及びMnOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有するレーザーを照射すると、レーザーを吸収して、ガラスを軟化させ易くする成分である。各成分の含有量は、好ましくは0〜7%、特に0〜3%である。各成分の含有量が7%より多いと、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。
上記以外の成分であっても、ガラス特性を損なわない範囲で、例えば5%まで添加してもよい。
ガラス粉末として、上記ガラス材質の内、リン酸錫系ガラス粉末も好ましい。リン酸錫系ガラスは、ビスマス系ガラスよりも低融点である。このため、レーザー封着時に電極等の熱損傷を更に低減し易くなる。
リン酸錫系ガラス粉末は、ガラス組成として、下記酸化物換算のモル表示%で、SnO 35〜70%、P 10〜30%を含有することが好ましい。上記のように各成分の含有量を限定した理由を下記に示す。なお、ガラス組成範囲の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、モル%を指す。
SnOは、ガラスを低融点化する成分であり、その含有量は35〜70%、40〜70%、特に50〜68%が好ましい。なお、SnOの含有量が50%以上であれば、レーザー封着時に、ガラスが軟化流動し易くなる。SnOの含有量が35%より少ないと、ガラスの粘性が高くなり過ぎて、所望のレーザー出力でレーザー封着し難くなる。一方、SnOの含有量が70%より多いと、ガラス化が困難になる。
は、ガラス形成酸化物であり、ガラスの熱安定性を高める成分である。その含有量は10〜30%、15〜27%、特に15〜25%が好ましい。Pの含有量が10%より少ないと、熱的安定性が低下し易くなる。一方、Pの含有量が30%より多いと、耐候性が低下し、有機ELデバイス等の長期信頼性を確保し難くなる。
上記成分以外にも以下の成分を添加することができる。
ZnOは、中間酸化物であり、ガラスを安定化させる成分である。その含有量は0〜30%、1〜20%、特に1〜15%が好ましい。ZnOの含有量が30%より多いと、熱的安定性が低下し易くなる。
は、ガラス形成酸化物であり、ガラスを安定化させる成分である。また、Bは、耐候性を高める成分である。その含有量は0〜25%、1〜20%、特に2〜15%が好ましい。Bの含有量が20%より多いと、ガラスの粘性が高くなり過ぎて、所望のレーザー出力でレーザー封着し難くなる。
Alは、中間酸化物であり、ガラスを安定化させる成分である。また、Alは、熱膨張係数を低下させる成分である。その含有量は0〜10%、0.1〜10%、特に0.5〜5%が好ましい。Alの含有量が10%より多いと、ガラス粉末の軟化点が不当に上昇して、所望のレーザー出力でレーザー封着し難くなる。
SiOは、ガラス形成酸化物であり、ガラスを安定化させる成分である。その含有量は0〜15%、特に0〜5%が好ましい。SiOの含有量が15%より多いと、ガラス粉末の軟化点が不当に上昇して、所望のレーザー出力でレーザー封着し難くなる。
Inは、熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。Inの含有量が5%より多いと、バッチコストが高騰する。
Taは、ガラスの熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。Taの含有量が5%より多いと、ガラス粉末の軟化点が不当に上昇して、所望のレーザー出力でレーザー封着し難くなる。
Laは、熱的安定性を高める成分であり、また耐候性を高める成分である。その含有量は0〜15%、0〜10%、特に0〜5%が好ましい。Laの含有量が15%より多いと、バッチコストが高騰する。
MoOは、ガラスの熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。MoOの含有量が5%より多いと、ガラス粉末の軟化点が不当に上昇して、所望のレーザー出力でレーザー封着し難くなる。
WOは、ガラスの熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。WOの含有量が5%より多いと、ガラス粉末の軟化点が不当に上昇して、所望のレーザー出力でレーザー封着し難くなる。
LiOは、ガラスを低融点化する成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。LiOの含有量が5%より多いと、ガラスの熱的安定性が低下し易くなる。
NaOは、ガラスを低融点化する成分であり、その含有量は0〜10%、特に0〜5%が好ましい。NaOの含有量が10%より多いと、熱的安定性が低下し易くなる。
Oは、ガラスを低融点化する成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。KOの含有量が5%より多いと、熱的安定性が低下し易くなる。
MgOは、熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜15%が好ましい。MgOの含有量が15%より多いと、ガラス粉末の軟化点が不当に上昇して、所望のレーザー出力でレーザー封着し難くなる。
BaOは、熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜10%が好ましい。BaOの含有量が10%より多いと、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
は、ガラスを低融点化する成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。Fの含有量が5%より多いと、熱的安定性が低下し易くなる。
熱的安定性と低融点特性を考慮すれば、In、Ta、La、MoO、WO、LiO、NaO、KO、MgO、BaO、Fの合量は10%以下、特に5%以下が好ましい。
上記成分以外にも、他の成分(CaO、SrO等)を例えば10%まで添加することができる。
顔料を添加する場合は、ガラス組成中に実質的に遷移金属酸化物を含まないことが好ましい。このようにすれば、熱的安定性を高め易くなる。ここで、「実質的に遷移金属酸化物を含有しない」とは、ガラス組成中の遷移金属酸化物の含有量が3000ppm(質量)未満、好ましくは1000ppm(質量)未満の場合を指す。
ガラス粉末の平均粒径D50は1.0〜3.0μm、特に1.5〜2.5μmが好ましい。ガラス粉末の平均粒径D50が小さ過ぎると、封着材料層の形成時にガラスが失透し易くなり、封着材料層の軟化流動が阻害される虞がある。また粉砕、分級の際に、ガラス粉末が凝集し易くなり、封着材料ペーストを混練した後に凝集物として残存し、スクリーン印刷の際にスクリーンメッシュの目詰まり原因になる虞がある。一方、ガラス粉末の平均粒径D50が大き過ぎると、スクリーン印刷の際に封着材料膜(ウェット膜)の凹凸が大きくなり過ぎて、封着材料層の表面平滑性が低下し易くなると共に、封着材料層の形成時に封着材料が軟化流動し難くなるため、焼成温度を上昇させる必要があり、この場合、被封着物の熱的損傷が大きくなり易く、コスト高の一因になり得る。「平均粒径D50」は、レーザー回折法で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒径を表す。
ガラス粉末の90%粒径D90は7.0μm以下、特に5.0μm以下が好ましい。このようにすれば、封着材料層の厚みを低減し易くなり、この場合、レーザー封着に要する時間が短縮されると共に、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数に差があっても、ガラス基板や封着部分にクラック等が発生し難くなる。ここで、「90%粒径D90」は、レーザー回折法で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して90%である粒径を表す。
ガラス粉末の最大粒径D99は15μm以下、特に10μm以下が好ましい。このようにすれば、封着材料層の厚みを低減し易くなり、この場合、レーザー封着に要する時間が短縮されると共に、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数に差があっても、ガラス基板や封着部分にクラック等が発生し難くなる。ここで、「最大粒径D99」は、レーザー回折法で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒径を表す。
ガラス粉末は、環境的観点から、ガラス組成中に実質的にPbOを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm(質量)未満の場合を指す。
本発明に係る封着材料は、ガラス粉末以外に、耐火性フィラーを含むことが好ましい。このようにすれば、封着材料層の熱膨張係数を低減し得ると共に、封着材料層(封着部分)の機械的強度を高めることができる。封着材料中の耐火性フィラーの含有量は5〜60体積%、特に10〜45体積%が好ましい。耐火性フィラーの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなると共に、被封着物(例えばガラス基板)の熱膨張係数に整合し難くなるため、ガラス基板又は封着部分にクラック等が発生し易くなり、デバイスの気密性を確保し難くなる。一方、耐火性フィラーの含有量が多過ぎると、封着材料層の軟化流動が阻害されて、封着材料層の表面平滑性が低下し易くなる。その結果、レーザー封着性が低下し易くなる。
耐火性フィラーの平均粒径D50は0.5〜2.0μm、特に0.5〜1.8μmが好ましい。耐火性フィラーの平均粒径D50が小さ過ぎると、封着材料層の形成時に耐火性フィラーがガラス中に溶け込み易くなり、封着材料層の軟化流動が阻害される虞がある。また粉砕、分級の際に、耐火性フィラーが凝集し易くなり、封着材料ペーストを混練した後に凝集物として残存し、スクリーン印刷の際に、スクリーンメッシュの目詰まり原因になる虞がある。一方、耐火性フィラーの平均粒径D50が大き過ぎると、スクリーン印刷の際に封着材料膜の凹凸が大きくなり過ぎて、封着材料層の表面平滑性が低下し易くなる。
耐火性フィラーとして、ジルコン、ジルコニア、酸化錫、石英、β−スポジュメン、コーディエライト、ムライト、石英ガラス、β−ユークリプタイト、β−石英、リン酸ジルコニウム、リン酸タングステン酸ジルコニウム、タングステン酸ジルコニウム、NbZr(PO)3等の[AB(MO]の基本構造をもつ化合物、
A:Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cu、Ni、Mn等
B:Zr、Ti、Sn、Nb、Al、Sc、Y等
M:P、Si、W、Mo等
若しくはこれらの固溶体が使用可能である。
本発明に係る封着材料は、ガラス粉末以外に、顔料を含むことが好ましい。このようにすれば、レーザーの光を熱エネルギーに変換し易くなり、レーザー封着性が向上する。
顔料は、無機顔料が好ましく、カーボン、Co、CuO、Cr、Fe、MnO、SnO、TinO2n−1(nは整数)から選ばれる一種又は二種以上がより好ましく、特にカーボンが好ましい。これらの顔料は、発色性に優れており、レーザーの吸収性が良好である。また、カーボンは、レーザー封着時にSnO含有ガラス粉末が変質する事態を防止する効果、つまりレーザー封着時にガラス組成中のSnOがSnOに酸化する事態を防止する効果も有する。カーボンとして、非晶質カーボン又はグライファイトが好ましい。これらのカーボンは、一次粒子の平均粒径D50を1〜100nmに加工し易い性質を有している。
顔料の一次粒子の平均粒径D50は1〜100nm、3〜70nm、5〜60nm、特に10〜50nmが好ましい。顔料の一次粒子の平均粒径D50が小さ過ぎると、顔料同士が凝集し易くなるため、顔料が均一に分散し難くなって、レーザー封着時に封着材料層が局所的に軟化流動しない虞がある。一方、顔料の一次粒子の平均粒径D50が大き過ぎても、顔料が均一に分散し難くなり、レーザー封着時に封着材料が局所的に軟化流動しない虞がある。
顔料の含有量は0.05〜1質量%、特に0.1〜0.5質量%が好ましい。顔料の含有量が少な過ぎると、レーザーの光を熱エネルギーに変換し難くなる。一方、顔料の含有量が多過ぎると、レーザー封着時に封着材料層が軟化流動し難くなり、また封着強度を高めることが困難になる。
顔料は、環境的観点から、実質的にCr系酸化物を含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にCr系酸化物を含有しない」とは、顔料中のCr系酸化物の含有量が1000ppm(質量)未満の場合を指す。
本発明の複合封着材料において、封着材料層の表面粗さRaは0.6μm以下が好ましい。このようにすれば、ガラス基板間のギャップを均一化し易くなる。なお、「表面粗さRa」は、JIS B0601:2001に準拠した方法で測定した値を指す。
本発明の複合封着材料において、封着材料層の表面粗さRMSは1.0μm以下が好ましい。このようにすれば、ガラス基板間のギャップを均一化し易くなる。ここで、「表面粗さRa」は、JIS B0601:2001に準拠した方法で測定した値を指す。なお、「表面粗さRMS」は、JIS B0601:2001に準拠した方法で測定した値を指す。
本発明に係る封着材料は、ビークルと混練した上で、封着材料ペーストに加工して、ガラスフィルムの表面に塗布した後、脱バインダー、焼成(焼結)することが好ましい。また、上記のようにして、複合封着材料を作製することが好ましい。このようにすれば、複合封着材料を効率良く作製することができる。
ビークルに用いる樹脂としては、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。
リン酸錫系ガラス粉末を用いる場合、脂肪族ポリオレフィン系カーボネート、特にポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネートが好ましい。これらの樹脂バインダーは、脱バインダー又はレーザー封着時に、ガラス粉末、特にリン酸錫系ガラス粉末を変質させ難い特徴を有する。
溶剤は、N,N’−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、ジメチルスルホキサイド、炭酸ジメチル、プロピレンカーボネート、ブチロラクトン、カプロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、フェニルジグリコール(PhDG)、フタル酸ジブチル(DBP)、ベンジルグリコール(BzG)、ベンジルジグリコール(BzDG)、フェニルグリコール(PhG)から選ばれる一種又は二種以上が好ましい。これらの溶剤は、脱バインダー又はレーザー封着時に、ガラス粉末、特にSnO含有ガラス粉末を変質させ難い特徴を有する。特に、これらの溶剤の内、プロピレンカーボネート、フェニルジグリコール(PhDG)、フタル酸ジブチル(DBP)、ベンジルグリコール(BzG)、ベンジルジグリコール(BzDG)、フェニルグリコール(PhG)から選ばれる一種又は二種以上が好ましい。これらの溶剤は、沸点が240℃以上である。よって、これらの溶剤を使用すると、スクリーン印刷等の塗布作業の際に、溶剤の揮発を抑制し易くなり、結果として、封着材料ペーストを長期的に安定して使用することが可能になる。更に、フェニルジグリコール(PhDG)、フタル酸ジブチル(DBP)、ベンジルグリコール(BzG)、ベンジルジグリコール(BzDG)、フェニルグリコール(PhG)は、顔料との親和性が高い。このため、これらの溶剤の添加量が少量でも、封着材料ペースト中で顔料が分離する事態を抑制することができる。
封着材料ペーストがリン酸錫系ガラス粉末を含む場合、不活性雰囲気における脱バインダー処理に供されることが好ましく、特にN雰囲気における脱バインダー処理に供されることが好ましい。このようにすれば、脱バインダーの際にリン酸錫系ガラス粉末が変質する事態を防止し易くなる。
本発明の複合封着材料において、封着材料層の厚みは、好ましくは20μm以下、15μm以下、特に1〜10μmである。封着材料層の厚みが小さい程、レーザー封着性が向上し、封着部分の残留応力が低減される。なお、封着材料層の厚みが小さ過ぎると、気密信頼性を確保し難くなる。
本発明の複合封着材料において、封着材料層をガラスフィルムの両表面に形成する場合、2つの封着材料層の材料構成(軟化点、光吸収特性等)が同じでもよいし、異なっていてもよい。また、2つの封着材料層の厚みが同じでもよいし、異なっていてもよい。例えば、レーザーが照射されないガラス基板側に、軟化点が低い方の封着材料層を配置すれば、一回のレーザー照射で封着作業を完了させ易くなる。また、レーザーが照射されないガラス基板側に、レーザー吸収特性が高い方(例えば、遷移金属元素及び/又は顔料の含有量が多い方)の封着材料層を配置すれば、一回のレーザー照射で封着作業を完了させ易くなる。また、レーザーが照射されないガラス基板側に、厚みが小さい方の封着材料層を配置すれば、一回のレーザー照射で封着作業を完了させ易くなる。
本発明の複合封着材料において、封着材料層とガラスフィルムの熱膨張係数差は、好ましくは50×10−7/℃以下、40×10−7/℃以下、特に5×10−7〜30×10−7/℃である。このようにすれば、ガラスフィルムや封着部分に不当な残留応力が生じ難くなり、複合封着材料の機械的強度が向上し易くなる。
本発明の複合封着材料において、封着材料層は、ガラスフィルムの表面全体に形成されていてもよく、中心部に沿って、ガラスフィルムの表面の一部に形成されていてもよい。
本発明の複合封着材料の使用方法として、2枚のガラス基板の間に複合封着材料を配置した後、ガラス基板側から、封着材料層にレーザーを照射して、ガラス基板同士を封着することが好ましい。このようにすれば、ガラス基板間のギャップ拡大が容易になり、そのギャップを均一化し易くなる。結果として、大型、薄型のデバイスの信頼性を確保し易くなると共に、デバイスの生産性を大幅に高めることできる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
以下のようにして、封着材料を作製した。まず所定のガラス組成(下記酸化物換算のモル%で、Bi 37%、B 26%、ZnO 17.5%、CuO 14%、BaO 5%、Fe 0.5%)になるように、原料を調合した後、この調合原料を白金坩堝に入れて、大気雰囲気下において、1000℃で1〜2時間溶融した。次に、得られた溶融ガラスを水冷ローラーによりフィルム状に成形した。続いて、ボールミルにより得られたフィルムを粉砕した後、分級し、ビスマス系ガラス粉末を得た。得られたビスマス系ガラス粉末の密度は、6.99g/cm、平均粒径D50:1.2μm、最大粒径D99:2.9μmであった。なお、粒度は、レーザー回折式粒度分布計で測定した値である(以下同様)。
上記のビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラーを体積比75:25の割合で混合し、封着材料を作製した。耐火性フィラーには、コーディエライトを用いた。コーディエライトの密度は2.63g/cmであり、粒度は、平均粒径D50:1.0μm、最大粒径D99:2.3μmであった。
得られた封着材料の軟化点は450℃であった。軟化点は、マクロ型DTA装置で測定した値である。なお、マクロ型DTAの条件は、測定雰囲気:大気雰囲気、昇温速度:10℃/分、測定温度域:室温から600℃であった。
得られた封着材料の熱膨張係数は79×10−7/℃であった。熱膨張係数は、押棒式TMA装置を用いて、30〜300℃の温度範囲で測定した値である。なお、測定試料として、封着材料を緻密に焼結させたものを使用した。
続いて、4種類のガラスフィルム(厚み20μm、30μm、50μm、100μm)を用意した。ガラスフィルムの材質は、日本電気硝子株式会社製OA−10G(熱膨張係数:38×10−7/℃)とした。
次のようにして、複合封着材料を作製した。まず粘度が約70Pa・s(25℃、Shear rate:4)になるように、封着材料とビークルを混練した後、更に三本ロールミルで均一になるまで混錬し、封着材料ペーストを得た。ビークル中の樹脂成分として、エチルセルロースを用い、溶剤成分として、ブチルカルビトールアセテート(BCA)及びα−ターピネオールを用いた。次に、得られた封着材料ペーストをガラスフィルムの表面にスクリーン印刷機で塗布した。なお、スクリーン印刷の際に、封着材料ペーストをガラスフィルムの中心部分に線状に塗布した。スクリーン印刷の後、120℃で30分間乾燥した後、490℃10分間焼成することにより、ガラスフィルムの両表面に、厚み:約5μm、幅:約0.6mmの封着材料層を形成して、各複合封着材料を得た。封着材料層の表面粗さ(Ra、RMS)は、それぞれ0.04μm、0.09μmであった。なお、封着材料層の厚みは、非接触型レーザー膜厚計で測定した平均値である。封着材料層の表面粗さ(Ra、RMS)は、表面粗さ計で測定した値である。
(実験No.1)
ガラス基板として、無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10G、熱膨張係数:38×10−7/℃、厚み:0.5mm)を用意した。次に、同サイズの2枚の無アルカリガラス基板の間に、無アルカリガラス基板の外周縁に沿って、額縁状に上記の複合封着材料(ガラスフィルムの厚み20μm)を配置しつつ、2枚の無アルカリガラス基板を正確に重ね合わせた。次に、上方の無アルカリガラス基板側から、封着材料層に沿って、半導体レーザーを照射して、無アルカリガラス基板同士を封着した。なお、下方の無アルカリガラス基板から、レーザーを照射しなかった。
半導体レーザーの波長は808nm、レーザー出力は12W、レーザーの走査速度は10mm/sであった。
得られたガラスパッケージについて、レーザー封着性を評価した。レーザー封着性は、レーザー封着後のガラスパッケージの封着状態を観察すると共に、得られたガラスパッケージに対して、高温高湿高圧試験:HAST試験(Highly Accelerated Temperature and Humidity Stress test)を行い、封着部分(上方の無アルカリガラス基板側と下方の無アルカリガラス基板側の双方)の剥離の有無を観察することで評価した。なお、HAST試験の条件は、121℃、湿度100%、2atm、24時間である。無アルカリガラス基板同士が気密封着されており、且つHAST試験後に封着部分が剥離していなかったものを「○」、無アルカリガラス基板同士が気密封着されていたが、HAST試験後に封着部分が剥離していたものを「△」、無アルカリガラス基板同士が気密封着されていなかったものを「×」として評価した。その結果、レーザー封着性の評価が「○」であった。
(実験No.2)
ガラス基板として、無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10G、熱膨張係数:38×10−7/℃、厚み:0.5mm)を用意した。次に、同サイズの2枚の無アルカリガラス基板の間に、無アルカリガラス基板の外周縁に沿って、額縁状に上記の複合封着材料(ガラスフィルムの厚み30μm)を配置しつつ、2枚の無アルカリガラス基板を正確に重ね合わせた。次に、上方の無アルカリガラス基板側から、封着材料層に沿って、半導体レーザーを照射して、無アルカリガラス基板同士を封着した。なお、下方の無アルカリガラス基板から、レーザーを照射しなかった。
半導体レーザーの波長は808nm、レーザー出力は12W、レーザーの走査速度は10mm/sであった。
得られたガラスパッケージについて、上記の通り、レーザー封着性を評価した。その結果、レーザー封着性の評価が「○」であった。
(実験No.3)
ガラス基板として、無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10G、熱膨張係数:38×10−7/℃、厚み:0.5mm)を用意した。次に、同サイズの2枚の無アルカリガラス基板の間に、無アルカリガラス基板の外周縁に沿って、額縁状に上記の複合封着材料(ガラスフィルムの厚み50μm)を配置しつつ、2枚の無アルカリガラス基板を正確に重ね合わせた。次に、上方の無アルカリガラス基板側から、封着材料層に沿って、半導体レーザーを照射して、無アルカリガラス基板同士を封着した。なお、下方の無アルカリガラス基板から、レーザーを照射しなかった。
半導体レーザーの波長は808nm、レーザー出力は12W、レーザーの走査速度は10mm/sであった。
得られたガラスパッケージについて、上記の通り、レーザー封着性を評価した。その結果、レーザー封着性の評価が「○」であった。
(実験No.4)
ガラス基板として、無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10G、熱膨張係数:38×10−7/℃、厚み:0.5mm)を用意した。次に、同サイズの2枚の無アルカリガラス基板の間に、無アルカリガラス基板の外周縁に沿って、額縁状に上記の複合封着材料(ガラスフィルムの厚み100μm)を配置しつつ、2枚の無アルカリガラス基板を正確に重ね合わせた。次に、上方の無アルカリガラス基板側から、封着材料層に沿って、半導体レーザーを照射して、無アルカリガラス基板同士を封着した。なお、下方の無アルカリガラス基板から、レーザーを照射しなかった。
半導体レーザーの波長は808nm、レーザー出力は12W、レーザーの走査速度は10mm/sであった。
得られたガラスパッケージについて、上記の通り、レーザー封着性を評価した。その結果、レーザー封着性の評価が「○」であった。
(実験No.5)
ガラス基板として、無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10G、熱膨張係数:38×10−7/℃、厚み:0.5mm)を用意した。次に、無アルカリガラス基板の外周縁に、上記の封着材料ペーストをスクリーン印刷で10回塗布した。スクリーン印刷の後、120℃で30分間乾燥した後、490℃10分間焼成することにより、無アルカリガラス基板の表面に、厚み:約50μm、幅:約0.6mmの封着材料層を形成した。続いて、封着材料層付きの無アルカリガラス基板に対して、封着材料層と接するように、同サイズの無アルカリガラス基板を重ねた。更に、封着材料層が形成されていない無アルカリガラス基板側から、封着材料層に沿って、半導体レーザーを照射して、無アルカリガラス基板同士を封着した。半導体レーザーの照射直後に、無アルカリガラス基板及び封着部分を観察したところ、無数のクラックが発生していた。
半導体レーザーの波長は808nm、レーザー出力は12W、レーザーの走査速度は10mm/sであった。
得られたガラスパッケージについて、上記の通り、レーザー封着性を評価した。その結果、レーザー封着性の評価が「×」であり、封着部分が完全に剥離していた。
まず4種類のガラスフィルム(厚み20μm、30μm、50μm、100μm)を用意した。ガラスフィルムの材質は、日本電気硝子株式会社製OA−10G(熱膨張係数:38×10−7/℃)とした。
次のようにして、複合封着材料を作製した。まず粘度が約70Pa・s(25℃、Shear rate:4)になるように、[実施例1]で作製した封着材料とビークルを混練した後、更に三本ロールミルで均一になるまで混錬し、封着材料ペーストを得た。ビークル中の樹脂成分として、エチルセルロースを用い、溶剤成分として、ブチルカルビトールアセテート(BCA)及びα−ターピネオールを用いた。次に、得られた封着材料ペーストをガラスフィルムの表面にスクリーン印刷機で塗布した。なお、スクリーン印刷の際に、封着材料ペーストをガラスフィルムの中心部分に線状に塗布した。スクリーン印刷の後、120℃で30分間乾燥した後、490℃10分間焼成することにより、ガラスフィルムの一方の表面に、厚み:約5μm、幅:約0.6mmの封着材料層を形成して、各複合封着材料を得た。封着材料層の表面粗さ(Ra、RMS)は、それぞれ0.04μm、0.09μmであった。なお、封着材料層の厚みは、非接触型レーザー膜厚計で測定した平均値である。封着材料層の表面粗さ(Ra、RMS)は、表面粗さ計で測定した値である。
続いて、封着材料層付き無アルカリガラス基板を作製した。まず粘度が約70Pa・s(25℃、Shear rate:4)になるように、[実施例1]で作製した封着材料とビークルを混練した後、更に三本ロールミルで均一になるまで混錬し、封着材料ペーストを得た。ビークル中の樹脂成分として、エチルセルロースを用い、溶剤成分として、ブチルカルビトールアセテート(BCA)及びα−ターピネオールを用いた。次に、得られた封着材料ペーストを無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10G、熱膨張係数:38×10−7/℃、厚み:0.5mm)の一方の表面にスクリーン印刷機で塗布した。なお、スクリーン印刷の際に、封着材料ペーストを無アルカリガラス基板の外周縁部分に線状に塗布した。スクリーン印刷の後、120℃で30分間乾燥した後、490℃10分間焼成することにより、無アルカリガラス基板の一方の表面に、厚み:約5μm、幅:約0.6mmの封着材料層を形成した。封着材料層の表面粗さ(Ra、RMS)は、それぞれ0.04μm、0.09μmであった。なお、封着材料層の厚みは、非接触型レーザー膜厚計で測定した平均値である。封着材料層の表面粗さ(Ra、RMS)は、表面粗さ計で測定した値である。
(実験No.6)
封着材料層付き無アルカリガラス基板と同サイズの無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10G、熱膨張係数:38×10−7/℃、厚み:0.5mm、封着材料層が形成されていない無アルカリガラス基板)を用意した。更に、2枚の無アルカリガラス基板の間に、無アルカリガラス基板の外周縁に沿って、額縁状に上記の複合封着材料(ガラスフィルムの厚み20μm)を配置しつつ、2枚の無アルカリガラス基板を正確に重ね合わせた。なお、封着材料層付き無アルカリガラス基板の封着材料層が、ガラスフィルムの表面に接するように配置した。更に、封着材料層が形成されていない無アルカリガラス基板側から、封着材料層に沿って、半導体レーザーを照射して、無アルカリガラス基板同士を封着した。なお、封着材料層付き無アルカリガラス基板側から、レーザーを照射しなかった。
半導体レーザーの波長は808nm、レーザー出力は12W、レーザーの走査速度は10mm/sであった。
得られたガラスパッケージについて、上記の通り、レーザー封着性を評価した。その結果、レーザー封着性の評価が「○」であった。
(実験No.7)
封着材料層付き無アルカリガラス基板と同サイズの無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10G、熱膨張係数:38×10−7/℃、厚み:0.5mm、封着材料層が形成されていない無アルカリガラス基板)を用意した。更に、2枚の無アルカリガラス基板の間に、無アルカリガラス基板の外周縁に沿って、額縁状に上記の複合封着材料(ガラスフィルムの厚み30μm)を配置しつつ、2枚の無アルカリガラス基板を正確に重ね合わせた。なお、封着材料層付き無アルカリガラス基板の封着材料層が、ガラスフィルムの表面に接するように配置した。更に、封着材料層が形成されていない無アルカリガラス基板側から、封着材料層に沿って、半導体レーザーを照射して、無アルカリガラス基板同士を封着した。なお、封着材料層付き無アルカリガラス基板側から、レーザーを照射しなかった。
半導体レーザーの波長は808nm、レーザー出力は12W、レーザーの走査速度は10mm/sであった。
得られたガラスパッケージについて、上記の通り、レーザー封着性を評価した。その結果、レーザー封着性の評価が「○」であった。
(実験No.8)
封着材料層付き無アルカリガラス基板と同サイズの無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10G、熱膨張係数:38×10−7/℃、厚み:0.5mm、封着材料層が形成されていない無アルカリガラス基板)を用意した。更に、2枚の無アルカリガラス基板の間に、無アルカリガラス基板の外周縁に沿って、額縁状に上記の複合封着材料(ガラスフィルムの厚み50μm)を配置しつつ、2枚の無アルカリガラス基板を正確に重ね合わせた。なお、封着材料層付き無アルカリガラス基板の封着材料層が、ガラスフィルムの表面に接するように配置した。更に、封着材料層が形成されていない無アルカリガラス基板側から、封着材料層に沿って、半導体レーザーを照射して、無アルカリガラス基板同士を封着した。なお、封着材料層付き無アルカリガラス基板側から、レーザーを照射しなかった。
半導体レーザーの波長は808nm、レーザー出力は12W、レーザーの走査速度は10mm/sであった。
得られたガラスパッケージについて、上記の通り、レーザー封着性を評価した。その結果、レーザー封着性の評価が「○」であった。
(実験No.9)
封着材料層付き無アルカリガラス基板と同サイズの無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10G、熱膨張係数:38×10−7/℃、厚み:0.5mm、封着材料層が形成されていない無アルカリガラス基板)を用意した。更に、2枚の無アルカリガラス基板の間に、無アルカリガラス基板の外周縁に沿って、額縁状に上記の複合封着材料(ガラスフィルムの厚み100μm)を配置しつつ、2枚の無アルカリガラス基板を正確に重ね合わせた。なお、封着材料層付き無アルカリガラス基板の封着材料層が、ガラスフィルムの表面に接するように配置した。更に、封着材料層が形成されていない無アルカリガラス基板側から、封着材料層に沿って、半導体レーザーを照射して、無アルカリガラス基板同士を封着した。なお、封着材料層付き無アルカリガラス基板側から、レーザーを照射しなかった。
半導体レーザーの波長は808nm、レーザー出力は12W、レーザーの走査速度は10mm/sであった。
得られたガラスパッケージについて、上記の通り、レーザー封着性を評価した。その結果、レーザー封着性の評価が「○」であった。
本発明の複合封着材料は、例えば、有機ELディスプレイ、有機EL照明、色素増感型太陽電池、薄膜化合物太陽電池等の非シリコン系太陽電池、リチウムイオン二次電池等のレーザー封着等に好適である。
1 複合封着材料
11 封着材料層
12 ガラスフィルム
13 ガラス基板

Claims (14)

  1. ガラスフィルムの何れかの表面に封着材料層が形成されていることを特徴とする複合封着材料。
  2. ガラスフィルムの両表面に封着材料層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の複合封着材料。
  3. ガラスフィルムの厚みが、300μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合封着材料。
  4. 封着材料層の厚みが、20μm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の複合封着材料。
  5. 複合封着材料の厚みが、10〜500μmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の複合封着材料。
  6. 封着材料層が、封着材料を焼結させてなることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の複合封着材料。
  7. 封着材料が、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラーを含むことを特徴とする請求項6に記載の複合封着材料。
  8. ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、下記酸化物換算で、モル%で、Bi 20〜60%、B 10〜35%、ZnO 5〜40%、CuO+Fe 5〜30%を含有することを特徴とする請求項7に記載の複合封着材料。
  9. 封着材料が、リン酸錫系ガラス粉末と顔料を含むことを特徴とする請求項8に記載の複合封着材料。
  10. ガラスフィルムが、無アルカリガラスであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の複合封着材料。
  11. ガラスフィルムが、短冊形状であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の複合封着材料。
  12. ガラスフィルムが、額縁形状であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の複合封着材料。
  13. レーザー封着に用いることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の複合封着材料。
  14. 有機ELデバイス又は非シリコン型太陽電池の封着に用いることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の複合封着材料。
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