JP2013248294A - ゴルフボールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮変形量のばらつきが少なく、安定した物性を有する球状コアを形成する新規なゴルフボールの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のゴルフボールの製造方法は、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩と、必要に応じて、さらに(e)金属化合物を配合して、コア用ゴム組成物を作製する工程と、前記コア用ゴム組成物を、特定の条件で球状コアに成形する工程と、前記球状コアに少なくとも一層以上のカバーを形成する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴルフボールの製造方法に関するものであり、より詳しくは、球状コアの製造技術に関するものである。
ドライバーショットのゴルフボールの飛距離を伸ばす方法として、例えば、反発性の高いコアを用いる方法と、コアの中心から表面に向かって、硬度が高くなる硬度分布を有するコアを用いる方法がある。前者は、ゴルフボールの初速を高める効果があり、後者は、打出角を高くして、低スピンにする効果がある。高打出角および低スピンのゴルフボールは、飛距離が大きくなる。
コアの反発性を高める技術として、例えば、特許文献1〜6がある。特許文献1、2には、ゴム100重量部に対して、共架橋剤としてアクリル酸亜鉛と、共架橋助剤としてパルミチン酸、ステアリン酸またはミリスチン酸と、共架橋助剤として酸化亜鉛と、反応速度遅延剤とを配合した内核を有するソリッドゴルフボールが開示されている。
特許文献3には、基材ゴム100重量部に対して、α,β−不飽和カルボン酸15〜35重量部、該α,β−不飽和カルボン酸と反応して塩を形成する金属化合物7〜60重量部および高級脂肪酸金属塩1〜10重量部を含有するゴム組成物より得られるソリッドゴルフボールが開示されている。
特許文献4には、基材ゴムに、充填材、有機過酸化物、α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩を必須成分とし、これに飽和又は不飽和脂肪酸の銅塩が配合されてなるゴム組成物の架橋成型物を構成要素とすることを特徴とするゴルフボールが開示されている。
特許文献5には、ポリブタジエン及び他のエラストマーとのポリブタジエンの混合物からなる群より選択されたベースエラストマー、不飽和のモノカルボン酸の少なくとも一つの金属の塩、フリーラジカル開始剤、並びに、非共役ジエンの単量体を含む組成物から成形された、ゴルフボール、又はそれの構成成分が開示されている。
特許文献6には、ゴム材料に不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩を混合した不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩のマスターバッチを予め作成し、このマスターバッチを使用して上記ゴム材料を含むゴム組成物を作成し、このゴム組成物の加熱成形物をゴルフボールの構成要素とするゴルフボールの製造方法であって、上記不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩のマスターバッチが、下記(A)〜(C)を含有することを特徴とするゴルフボールの製造方法が開示されている。
(A)ビニル含量0〜2%及びシス1,4−結合含量80%以上有し、かつ活性末端を有するポリブタジエンであって、その活性末端が少なくとも1種のアルコキシシラン化合物で変性される変性ポリブタジエン 20〜100質量%
(B)上記(A)ゴム成分以外のジエン系ゴム 80〜0質量%
[上記数字は、(A)と(B)との合計量を100とした場合の質量%を示す。]
(C)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩
例えば、特許文献7〜10は、硬度分布を有するコアを開示する。特許文献7には、基材ゴム、共架橋剤および有機過酸化物を含有するゴム組成物から形成されたコアと、カバーとからなるツーピースゴルフボールにおいて、該コアがJIS−C型硬度計による表示において、中心硬度1:58〜73、中心から5〜10mmでの硬度2:65〜75、中心から15mmでの硬度3:74〜82、表面硬度4:76〜84の硬度分布を有し、硬度2が硬度範囲内でほぼ一定で、かつ、その他が1<2<3≦4なる関係を満足するツーピースゴルフボールが開示されている。
特許文献8には、ソリッドコアと、これを被覆するカバー層とを具備するソリッドゴルフボールにおいて、上記ソリッドコアが、シス−1,4−結合を60%以上含有し、希土類元素系触媒を用いて合成されたポリブタジエンゴムを60〜100質量%含むゴム基材100質量部に対して、有機硫黄化合物0.1〜5質量部、不飽和カルボン酸又はその金属塩、無機充填剤及び老化防止剤を含むゴム組成物から形成されると共に、ソリッドコアの初期荷重10kgfから終荷重130kgfまで負荷したときの変形量が2.0〜4.0mmであり、かつソリッドコアが下記表の硬度分布を有するゴルフボールが開示されている。
Figure 2013248294
特許文献9には、ソリッドコアと、これを被覆するカバー層とを具備するソリッドゴルフボールにおいて、上記ソリッドコアが、シス−1,4−結合を60%以上含有し、希土類元素系触媒を用いて合成されたポリブタジエンゴムを60〜100質量部含むゴム基材100質量部に対して、有機硫黄化合物0.1〜5質量部、不飽和カルボン酸又はその金属塩、無機充填剤を含むゴム組成物から形成されると共に、ソリッドコアの初期荷重10kgfから終荷重130kgfまで負荷したときの変形量が2.0〜4.0mmであり、かつソリッドコアが下記表の硬度分布を有するソリッドゴルフボールが開示されている。
Figure 2013248294
特許文献10には、コアと、これを被覆する包囲層と、これを被覆する該中間層と、これを被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記コアがゴム材を主材として形成され、コアの中心からコア表面まで硬度が漸次増加し、コア中心とコア表面との硬度差がJIS−C硬度で15以上であり、かつコア中心から約15mm離れた位置とコア中心との断面硬度の平均値を(I)、コア中心から約7.5mm離れた位置の断面硬度を(II)とした場合、両硬度差(I)−(II)がJIS−C硬度で±2以内であると共に、上記の包囲層,中間層及びカバーの硬度が、カバー硬度>中間層硬度>包囲層硬度の条件を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボールが開示されている。
特開昭61−37178号公報 特開昭61−113475号公報 特開昭61−253079号公報 特開2008−212681号公報 特表2008−523952号公報 特開2009−119256号公報 特開平6−154357号公報 特開2008−194471号公報 特開2008−194473号公報 特開2010−253268号公報
本発明の出願人は、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、および、(d)特定のカルボン酸および/またはその塩を含有するゴム組成物から形成された球状コアが、コア中心から表面に向かって、硬度がほぼ直線的に増加することを見いだし、先に出願している。コア中心から表面に向かって、硬度がほぼ直線的に増加する硬度分布を有する球状コアは、ドライバースピン量を低下し、大きな飛距離を与える。
コア硬度が、コア中心から表面に向かってほぼ直線的に増加する理由は、以下のように考えられている。ゴム組成物に配合される(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩は、コア内部でイオンクラスターを形成してゴム分子鎖を金属架橋すると考えられている。このゴム組成物に、(d)特定のカルボン酸および/またはその塩を配合することにより、(d)前記特定のカルボン酸および/またはその塩が、(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩が形成するイオンクラスターとカチオンを交換し、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩による金属架橋を切断する。このカチオンの交換反応は、コア内部温度が高いコア中心部において起こりやすく、表面にむかって起こりにくくなる。ゴム組成物の硬化反応の反応熱は、コア中心部で溜まりやすく、コアを成形する際のコア内部温度は、コア中心部で高く、コア表面に向かって低下するからである。すなわち、(d)特定のカルボン酸および/またはその塩による金属架橋の切断は、コア中心部において起こりやすく、表面に向かって起こりにくくなる。その結果、コア内部の架橋密度が、コア中心から表面に向かって高くなるので、コア硬度が、コア中心から表面に向かってほぼ直線的に増加するものと考えられる。
しかしながら、(a)基材ゴム、(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、および、(d)カルボン酸および/またはその塩などを配合したコア用組成物から形成された球状コアは、圧縮変形量がばらつき、安定した性能が得られないという問題があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、(d)カルボン酸および/またはその塩を含有し、必要に応じて、さらに(e)金属化合物を含有するコア用ゴム組成物から形成される球状コア、前記球状コアを被覆する少なくとも一層以上のカバーとを有するゴルフボールの製造方法において、圧縮変形量のばらつきが少なく、安定した物性を有する球状コアを形成する新規なゴルフボールの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らが、鋭意検討した結果、球状コア物性のばらつきの原因として、コア用ゴム組成物を配合する際に、(d)カルボン酸および/またはその塩が飛散し、配合して得られるコア用ゴム組成物の組成にばらつきが生じやすくなることを見いだした。また、球状コアに成形する際のプレス条件が、ゴム組成物の硬化反応に影響し、得られる球状コアの圧縮変形量にばらつきが生じることを見いだした。
前記課題を解決することができた本発明のゴルフボールの製造方法は、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩と、必要に応じて、さらに(e)金属化合物を配合して、コア用ゴム組成物を作製する工程と、
前記コア用ゴム組成物を、下記(1)〜(3)の条件で球状コアに成形する工程と、
(1)プレス圧力:1.0MPa〜10.0MPa
(2)プレス温度:130℃〜170℃
(3)プレス時間:5分間〜20分間
前記球状コアに少なくとも一層以上のカバーを形成する工程とを有することを特徴とする。
コア用ゴム組成物に配合されるカルボン酸および/またはその塩として、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩を使用することにより、コア用材料を配合する際に、カルボン酸および/またはその塩の飛散が低減する。その結果、配合して得られるコア用組成物の組成が安定する。また、得られたコア用ゴム組成物を前記(1)〜(3)の条件で、球状コアに成形することにより、得られる球状コアの圧縮変形量のばらつきが小さくなり、物性が安定する。
本発明によれば、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、(d)カルボン酸および/またはその塩を含有し、必要に応じて、さらに(e)金属化合物を含有するコア用ゴム組成物から形成される球状コア、前記球状コアを被覆する少なくとも一層以上のカバーとを有するゴルフボールであって、圧縮変形量のばらつきが少なく、安定した物性を有する球状コアを備えるゴルフボールが得られる。
本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された一部切り欠き断面図。
本発明のゴルフボールの製造方法は、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩と、必要に応じて、さらに(e)金属化合物を配合して、コア用ゴム組成物を作製する工程と、
前記コア用ゴム組成物を、下記(1)〜(3)の条件で球状コアに成形する工程と、
(1)プレス圧力:1.0MPa〜10.0MPa
(2)プレス温度:130℃〜170℃
(3)プレス時間:5分間〜20分間
前記球状コアに少なくとも一層以上のカバーを形成する工程とを有することを特徴とする。
まず、本発明の製造方法で使用する配合材料について説明する。本発明のゴルフボールの製造方法では、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩、必要に応じて、さらに(e)金属化合物を配合して、コア用ゴム組成物を作製する。
(a)前記基材ゴムとしては、天然ゴムおよび/または合成ゴムを使用することができ、例えば、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを使用できる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、特に、反発に有利なシス−1,4−結合を、40質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上有するハイシスポリブタジエンが好適である。
前記ハイシスポリブタジエンは、1,2−ビニル結合の含有量が2質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.7質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。1,2−ビニル結合の含有量が多すぎると反発性が低下する場合がある。
前記ハイシスポリブタジエンは、希土類元素系触媒で合成されたものが好適であり、特に、ランタン系列希土類元素化合物であるネオジム化合物を用いたネオジム系触媒の使用が、1,4−シス結合が高含量、1,2−ビニル結合が低含量のポリブタジエンゴムを優れた重合活性で得られるので好ましい。
前記ハイシスポリブタジエンは、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が、30以上であることが好ましく、より好ましくは32以上、さらに好ましくは35以上であり、140以下が好ましく、より好ましくは120以下、さらに好ましくは100以下、最も好ましくは80以下である。なお、本発明でいうムーニー粘度(ML1+4(100℃))とは、JIS K6300に準じて、Lローターを使用し、予備加熱時間1分間、ローターの回転時間4分間、100℃の条件下にて測定した値である。
前記ハイシスポリブタジエンは、分子量分布Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が、2.0以上であることが好ましく、より好ましくは2.2以上、さらに好ましくは2.4以上、最も好ましくは2.6以上であり、6.0以下であることが好ましく、より好ましくは5.0以下、さらに好ましくは4.0以下、最も好ましくは3.4以下である。ハイシスポリブタジエンの分子量分布(Mw/Mn)が小さすぎると作業性が低下し、大きすぎると反発性が低下するおそれがある。なお、分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(東ソー社製、「HLC−8120GPC」)により、検知器として示差屈折計を用いて、カラム:GMHHXL(東ソー社製)、カラム温度:40℃、移動相:テトラヒドロフランの条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として算出した値である。
次に、(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩について説明する。(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩は、共架橋剤として、ゴム組成物に配合されるものであり、基材ゴム分子鎖にグラフト重合することによって、ゴム分子を架橋する作用を有する。本発明で使用するゴム組成物が、共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸のみを含有する場合、ゴム組成物は、必須成分として、後述する(e)金属化合物を含有する。ゴム組成物中で炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸を(e)金属化合物で中和することにより、共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩を使用する場合と実質的に同様の効果が得られるからである。また、共架橋剤として、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とその金属塩とを併用する場合においても、任意成分として、(e)金属化合物を用いてもよい。
炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等を挙げることができる。
炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩を構成する金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの一価の金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの二価の金属イオン;アルミニウムなどの三価の金属イオン;錫、ジルコニウムなどのその他のイオンが挙げられる。前記金属成分は、単独または2種以上の混合物として使用することもできる。これらの中でも、前記金属成分としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの二価の金属が好ましい。炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の二価の金属塩を用いることにより、ゴム分子間に金属架橋が生じやすくなるからである。特に、二価の金属塩としては、得られるゴルフボールの反発性が高くなるということから、アクリル酸亜鉛が好適である。なお、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩は、単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用しても良い。
(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩の含有量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、15質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましく、35質量部以下がさらに好ましい。(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩の含有量が15質量部未満では、ゴム組成物から形成される部材を適当な硬さとするために、後述する(c)架橋開始剤の量を増加しなければならず、ゴルフボールの反発性が低下する傾向がある。一方、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩の含有量が50質量部を超えると、ゴム組成物から形成される部材が硬くなりすぎて、ゴルフボールの打球感が低下するおそれがある。
(c)架橋開始剤は、(a)基材ゴム成分を架橋するために配合されるものである。(c)架橋開始剤としては、有機過酸化物が好適である。前記有機過酸化物は、具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。
(c)架橋開始剤の含有量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、より好ましくは0.5質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは2.5質量部以下である。0.2質量部未満では、ゴム組成物から形成される部材が柔らかくなりすぎて、ゴルフボールの反発性が低下する傾向があり、5.0質量部を超えると、ゴム組成物から形成される部材を適切な硬さにするために、前述した(b)共架橋剤の使用量を減量する必要があり、ゴルフボールの反発性が不足したり、耐久性が悪くなるおそれがある。
本発明で使用する(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩について説明する。数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩を使用することにより、コア用ゴム組成物の配合時に、カルボン酸および/またはその塩の飛散を抑制することができ、配合して得られるコア用ゴム組成物の組成が安定する。この観点から、カルボン酸および/またはその塩の数平均粒子径は、15μm以上が好ましく、17μm以上がより好ましく、60μm以下が好ましく、58μm以下がより好ましい。
本発明で使用する(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩としては、5℃で固体粒状のものが好ましい。例えば、5℃で固体粒状のものであれば、ゴム組成物の配合時に加熱されて液状化するものであってもよい。5℃で固体粒状であって、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩は、低温でゴム組成物を配合する場合にも飛散を抑制することができる。また、後述する第1マスターバッチを作製するときの好ましい混練温度である45℃〜90℃の温度範囲で固体粒状であるカルボン酸および/またはその塩を使用すれば、混練している間の飛散を抑制することができる。
本発明で使用する(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩は、コア成形時にコア中心部において、(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩による金属架橋を切断する作用を有するものと考えられる。(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩は、脂肪族カルボン酸(本発明において、単に「脂肪酸」と称する場合がある)および/またはその塩、あるいは、芳香族カルボン酸および/またはその塩のいずれであってもよいが、脂肪族カルボン酸および/またはその塩が好ましい。(d)前記数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩としては、炭素数が1〜30のカルボン酸および/またはその塩が好ましく、炭素数が4〜30のカルボン酸および/またはその塩がより好ましく、炭素数が5〜25のカルボン酸および/またはその塩がさらに好ましい。なお、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩には、共架橋剤として使用する(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩は含まれないものとする。
前記脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれであっても良いが、飽和脂肪酸であることが好ましい。前記飽和脂肪酸の具体例(IUPAC名)としては、メタン酸(C1)、エタン酸(C2)、プロパン酸(C3)、ブタン酸(C4)、ペンタン酸(C5)、ヘキサン酸(C6)、ヘプタン酸(C7)、オクタン酸(C8)、ノナン酸(C9)、デカン酸(C10)、ウンデカン酸(C11)、ドデカン酸(C12)、トリデカン酸(C13)、テトラデカン酸(C14)、ペンタデカン酸(C15)、ヘキサデカン酸(C16)、ヘプタデカン酸(C17)、オクタデカン酸(C18)、ノナデカン酸(C19)、イコサン酸(C20)、ヘンイコサン酸(C21)、ドコサン酸(C22)、トリコサン酸(C23)、テトラコサン酸(C24)、ペンタコサン酸(C25)、ヘキサコサン酸(C26)、ヘプタコサン酸(C27)、オクタコサン酸(C28)、ノナコサン酸(C29)、トリアコンタン酸(C30)などを挙げることができる。
不飽和脂肪酸の具合例(IUPAC名)としては、エテン酸(C2)、プロペン酸(C3)、ブテン酸(C4)、ペンテン酸(C5)、ヘキセン酸(C6)、ヘプテン酸(C7)、オクテン酸(C8)、ノネン酸(C9)、デセン酸(C10)、ウンデセン酸(C11)、ドデセン酸(C12)、トリデセン酸(C13)、テトラデセン酸(C14)、ペンタデセン酸(C15)、ヘキサデセン酸(C16)、ヘプタデセン酸(C17)、オクタデセン酸(C18)、ノナデセン酸(C19)、イコセン酸(C20)、ヘンイコセン酸(C21)、ドコセン酸(C22)、トリコセン酸(C23)、テトラコセン酸(C24)、ペンタコセン酸(C25)、ヘキサコセン酸(C26)、ヘプタコセン酸(C27)、オクタコセン酸(C28)、ノナコセン酸(C29)、トリアコンテン酸(C30)などを挙げることができる。
前記脂肪酸の具体例(慣用名)としては、例えば、ギ酸(C1)、酢酸(C2)、プロピオン酸(C3)、酪酸(C4)、吉草酸(C5)、カプロン酸(C6)、エナント酸(C7)、カプリル酸(C8)、ペラルゴン酸(C9)、カプリン酸(C10)、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、ミリストレイン酸(C14)、ペンタデシル酸(C15)、パルミチン酸(C16)、パルミトレイン酸(C16)、マルガリン酸(C17)、ステアリン酸(C18)、エライジン酸(C18)、バクセン酸(C18)、オレイン酸(C18)、リノール酸(C18)、リノレン酸(C18)、12−ヒドロキシステアリン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、ガドレイン酸(C20)、アラキドン酸(C20)、エイコセン酸(C20)、べヘニン酸(C22)、エルカ酸(C22)、リグノセリン酸(C24)、ネルボン酸(C24)、セロチン酸(C26)、モンタン酸(C28)、メリシン酸(C30)などを挙げることができる。前記脂肪酸は、単独または2種以上の混合物として使用することもできる。これらの中でも、前記脂肪酸として好ましいのは、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、または、オレイン酸である。
芳香族カルボン酸は、芳香環とカルボキシル基とを有する化合物であれば特に限定されない。芳香族カルボン酸の具体例としては、例えば、安息香酸(C7)、フタル酸(C8)、イソフタル酸(C8)、テレフタル酸(C8)、ヘメミリット酸(ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸)(C9)、トリメリット酸(ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸)(C9)、トリメシン酸(ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸)(C9)、メロファン酸(ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸)(C10)、プレーニト酸(ベンゼン−1,2,3,5−テトラカルボン酸)(C10)、ピロメリット酸(ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸)(C10)、メリット酸(ベンゼンヘキサカルボン酸)(C12)、ジフェン酸(ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸)(C12)、トルイル酸(メチル安息香酸)(C8)、キシリル酸(C9)、プレーニチル酸(2,3,4−トリメチル安息香酸)(C10)、γ−イソジュリル酸(2,3,5−トリメチル安息香酸)(C10)、ジュリル酸(2,4,5−トリメチル安息香酸)(C10)、β−イソジュリル酸(2,4,6−トリメチル安息香酸)(C10)、α−イソジュリル酸(3,4,5−トリメチル安息香酸)(C10)、クミン酸(4−イソプロピル安息香酸)(C10)、ウビト酸(5−メチルイソフタル酸)(C9)、α−トルイル酸(フェニル酢酸)(C8)、ヒドロアトロパ酸(2−フェニルプロパン酸)(C9)、ヒドロケイ皮酸(3−フェニルプロパン酸)(C9)などを挙げることができる。
また、ヒドロキシル基、アルコキシ基、またはオキソ基で置換された芳香族カルボン酸としては、例えば、サリチル酸(2−ヒドロキシ安息香酸)(C7)、アニス酸(メトキシ安息香酸)(C8)、クレソチン酸(ヒドロキシ(メチル)安息香酸)(C8)、o−ホモサリチル酸(2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸)(C8)、m−ホモサリチル酸(2−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸)(C8)、p−ホモサリチル酸(2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸)(C8)、o−ピロカテク酸(2,3−ジヒドロキシ安息香酸)(C7)、β−レソルシル酸(2,4−ジヒドロキシ安息香酸)(C7)、γ−レソルシル酸(2,6−ジヒドロキシ安息香酸)(C7)、プロトカテク酸(3,4−ジヒドロキシ安息香酸)(C7)、α−レソルシル酸(3,5−ジヒドロキシ安息香酸)(C7)、バニリン酸(4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸)(C8)、イソバニリン酸(3−ヒドロキシ−4−メトキシ安息香酸)(C8)、ベラトルム酸(3,4−ジメトキシ安息香酸)(C9)、o−ベラトルム酸(2,3−ジメトキシ安息香酸)(C9)、オルセリン酸(2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸)(C8)、m−ヘミピン酸(4,5−ジメトキシフタル酸)(C10)、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)(C7)、シリング酸(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシ安息香酸)(C9)、アサロン酸(2,4,5−トリメトキシ安息香酸)(C10)、マンデル酸(ヒドロキシ(フェニル)酢酸)(C8)、バニルマンデル酸(ヒドロキシ(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸)(C9)、ホモアニス酸((4−メトキシフェニル)酢酸)(C9)、ホモゲンチジン酸((2,5−ジヒドロキシフェニル)酢酸)(C8)、ホモプロトカテク酸((3,4−ジヒドロキシフェニル)酢酸)(C8)、ホモバニリン酸((4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸)(C9)、ホモイソバニリン酸((3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)酢酸)(C9)、ホモベラトルム酸((3,4−ジメトキシフェニル)酢酸)(C10)、o−ホモベラトルム酸((2,3−ジメトキシフェニル)酢酸)(C10)、ホモフタル酸(2−(カルボキシメチル)安息香酸)(C9)、ホモイソフタル酸(3−(カルボキシメチル)安息香酸)(C9)、ホモテレフタル酸(4−(カルボキシメチル)安息香酸)(C9)、フタロン酸(2−(カルボキシカルボニル)安息香酸)(C9)、イソフタロン酸(3−(カルボキシカルボニル)安息香酸)(C9)、テレフタロン酸(4−(カルボキシカルボニル)安息香酸)(C9)、ベンジル酸(ヒドロキシジフェニル酢酸)(C14)、アトロラクチン酸(2−ヒドロキシ−2−フェニルプロパン酸)(C9)、トロパ酸(3−ヒドロキシ−2−フェニルプロパン酸)(C9)、メリロット酸(3−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン酸)(C9)、フロレト酸(3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸)(C9)、ヒドロカフェ−酸(3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン酸)(C9)、ヒドロフェルラ酸(3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパン酸)(C10)、ヒドロイソフェルラ酸(3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパン酸)(C10)、p−クマル酸(3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリル酸)(C9)、ウンベル酸(3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)アクリル酸)(C9)、カフェー酸(3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アクリル酸)(C9)、フェルラ酸(3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)アクリル酸)(C10)、イソフェルラ酸(3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アクリル酸)(C10)、シナピン酸(3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)アクリル酸)(C11)などを挙げることができる。
(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸塩としては、上述したカルボン酸の塩を用いることできる。カルボン酸塩のカチオン成分としては、例えば、金属イオン、アンモニウムイオン、および、有機陽イオンを挙げることができる。金属イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、銀などの1価の金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウム、銅、コバルト、ニッケル、マンガンなどの二価の金属イオン;アルミニウム、鉄などの3価の金属イオン;錫、ジルコニウム、チタンなどのその他のイオンが挙げられる。前記カチオン成分は、単独または2種以上の混合物として使用することもできる。
前記有機陽イオンとは、炭素鎖を有する陽イオンである。前記有機陽イオンとしては、特に限定されず、例えば、有機アンモニウムイオンが挙げられる。前記有機アンモニウムイオンとしては、例えば、ステアリルアンモニウムイオン、ヘキシルアンモニウムイオン、オクチルアンモニウムイオン、2−エチルヘキシルアンモニウムイオンなどの1級アンモニウムイオン、ドデシル(ラウリル)アンモニウムイオン、オクタデシル(ステアリル)アンモニウムイオンなどの2級アンモニウムイオン;トリオクチルアンモニウムイオンなどの3級アンモニウムイオン;ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、ジステアリルジメチルアンモニウムイオンなどの4級アンモニウムイオンなどが挙げられる。これらの有機陽イオンは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩の含有量は、例えば、(a)基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1.0質量部以上であって、40.0質量部以下が好ましく、より好ましくは30.0質量部以下であり、さらに好ましくは20.0質量部以下である。
(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩の含有量が少なすぎると、(d)カルボン酸および/またはその塩を添加した効果が十分ではなく、球状コアの外剛内柔度合が小さくなるおそれがある。また、含有量が多すぎると、得られるコアの硬度が全体的に低下して、反発性が低下するおそれがある。なお、共架橋剤として使用されるアクリル酸亜鉛の表面は、ゴムへの分散性を向上するためにカルボン酸および/またはその塩で処理されている場合がある。このようなカルボン酸および/またはその塩で表面処理されたアクリル酸亜鉛を使用する場合、本発明では、表面処理剤であるカルボン酸および/またはその塩の量は、(d)カルボン酸および/またはその塩の含有量に含まれないものとする。アクリル酸亜鉛の表面に用いられている(d)カルボン酸および/またはその塩は、(b)共架橋剤とのカチオン交換反応にほとんど寄与しないと考えられるからである。
本発明に用いられるゴム組成物は、必要に応じて、さらに(e)金属化合物を含有する。(e)前記金属化合物は、コア用ゴム組成物の特性を改良するために加えられる充填剤である。(e)前記金属化合物は、特に限定されないが、例えば、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸のみを含有する場合に、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸を中和するための中和剤、球状コアの質量を調整するため質量調整剤、球状コアの硬度を調整するための硬度調整剤、あるいは、無機顔料として使用される。(e)前記金属化合物は、いずれの目的で使用されてもよいし、複数の目的で使用されてもよい。
(b)共架橋剤である炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸を中和するために使用される(e)前記金属化合物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化銅などの金属水酸化物;酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化銅などの金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウムなどの金属炭酸化物が挙げられる。(b)共架橋剤である炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸と反応して、金属架橋を形成するという観点から、(e)前記金属化合物としては、二価金属化合物が好ましく、より好ましくは亜鉛化合物である。亜鉛化合物を用いることにより、反発性の高いゴルフボールが得られる。中和剤として使用する(e)金属化合物の含有量は、(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸のカルボキシル基のモル数、および、所望の中和度に応じて、適宜設定されることが好ましい。
球状コアの質量や硬度を調整するための充填剤として使用される(e)前記金属化合物としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末などが挙げられる。球状コアの質量や硬度を調整するため充填剤として使用される(e)前記金属化合物としては、酸化亜鉛が好ましい。酸化亜鉛は、加硫助剤としても機能し、球状コア全体の硬度を高めると考えられる。充填剤として使用される(e)前記金属化合物の含有量は、基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。
(e)前記金属化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる用ゴム組成物は、さらに(f)有機硫黄化合物を含有することが好ましい。前記用ゴム組成物が(d)カルボン酸および/またはその塩に加えて、(f)有機硫黄化合物を併用することにより、コア硬度分布の略直線性を維持しつつ、コアの外剛内柔構造の度合を制御することができる。(f)有機硫黄化合物としては、分子内に硫黄原子を有する有機化合物であれば、特に限定されず、例えば、チオール基(−SH)、または、硫黄数が2〜4のポリスルフィド結合(−S−S−、−S−S−S−、または、−S−S−S−S−)を有する有機化合物、あるいはこれらの金属塩(−SM、−S−M−S−、−S−M−S−S−,−S−S−M−S−S−,−S−M−S−S−S−など、Mは金属原子)を挙げることができる。また、(f)前記有機硫黄化合物は、脂肪族化合物(脂肪族チオール、脂肪族チオカルボン酸、脂肪族ジチオカルボン酸、脂肪族ポリスルフィドなど)、複素環式化合物、脂環式化合物(脂環式チオール、脂環式チオカルボン酸、脂環式ジチオカルボン酸、脂環式ポリスルフィドなど)、および、芳香族化合物のいずれであってもよい。(f)有機硫黄化合物としては、例えば、チオフェノール類、チオナフトール類、ポリスルフィド類、チオカルボン酸類、ジチオカルボン酸類、スルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チアゾール類などを挙げることができる。球状コアの硬度分布が大きくなるという観点から、(f)有機硫黄化合物としては、チオール基(−SH)を有する有機硫黄化合物、または、その金属塩が好ましく、チオフェノール類、チオナフトール類、または、これらの金属塩が好ましい。金属塩としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、銅(I)、銀(I)などの1価の金属塩、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン(II)、マンガン(II)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、ジルコニウム(II)、スズ(II)等の2価の金属塩が挙げられる。
チオフェノール類としては、例えば、チオフェノール;4−フルオロチオフェノール、2,5−ジフルオロチオフェノール、2,4,5−トリフルオロチオフェノール、2,4,5,6−テトラフルオロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノールなどのフルオロ基で置換されたチオフェノール類;2−クロロチオフェノール、4−クロロチオフェノール、2,4−ジクロロチオフェノール、2,5−ジクロロチオフェノール、2,6−ジクロロチオフェノール、2,4,5−トリクロロチオフェノール、2,4,5,6−テトラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールなどのクロロ基で置換されたチオフェノール類;4−ブロモチオフェノール、2,5−ジブロモチオフェノール、2,4,5−トリブロモチオフェノール、2,4,5,6−テトラブロモチオフェノール、ペンタブロモチオフェノールなどのブロモ基で置換されたチオフェノール類;4−ヨードチオフェノール、2,5−ジヨードチオフェノール、2,4,5−トリヨードチオフェノール、2,4,5,6−テトラヨードチオフェノール、ペンタヨードチオフェノールなどのヨード基で置換されたチオフェノール類;または、これらの金属塩が挙げられる。金属塩としては、亜鉛塩が好ましい。
チオナフトール類としては、例えば、2−チオナフトール、1−チオナフトール、2−クロロ−1−チオナフトール、2−ブロモ−1−チオナフトール、2−フルオロ−1−チオナフトール、2−シアノ−1−チオナフトール、2−アセチル−1−チオナフトール、1−クロロ−2−チオナフトール、1−ブロモ−2−チオナフトール、1−フルオロ−2−チオナフトール、1−シアノ−2−チオナフトール、1−アセチル−2−チオナフトール、またはこれらの金属塩を挙げることができ、1−チオナフトール、2−チオナフトール、または、これらの亜鉛塩が好ましい。
スルフェンアミド系有機硫黄化合物としては、例えば、N−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドが挙げられる。チウラム系有機硫黄化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドが挙げられる。ジチオカルバミン酸塩類としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅(II)、ジメチルジチオカルバミン酸鉄(III)、ジエチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルルなどを挙げることができる。チアゾール系有機硫黄化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、または、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾールなどを挙げることができる。
(f)前記有機硫黄化合物は、単独もしくは二種以上を混合して使用することができる。
(f)有機硫黄化合物の含有量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、より好ましくは0.1質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは2.0質量部以下である。0.05質量部未満では、(f)有機硫黄化合物を添加した効果が得られず、ゴルフボールの反発性が向上しないおそれがある。また、5.0質量部を超えると、得られるゴルフボールの圧縮変形量が大きくなって、反発性が低下するおそれがある。
本発明に用いられるゴム組成物は、さらに、老化防止剤、しゃく解剤、軟化剤などの添加剤を含有してもよい。また上述したように、本発明で使用するゴム組成物が、共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸のみを含有する場合、ゴム組成物は、(e)金属化合物をさらに含有することが好ましい。
前記老化防止剤の含有量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、1質量部以下であることが好ましい。また、しゃく解剤の含有量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
本発明のゴルフボールの製造方法は、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩と、必要に応じて、さらに(e)金属化合物を配合して、コア用ゴム組成物を作製する工程と、
前記コア用ゴム組成物を、下記(1)〜(3)の条件で球状コアに成形する工程と、
(1)プレス圧力:1.0MPa〜10.0MPa
(2)プレス温度:130℃〜170℃
(3)プレス時間:5分間〜20分間
前記球状コアに少なくとも一層以上のカバーを形成する工程とを有することを特徴とする。
前記コア用ゴム組成物の作製は、例えば、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩と、必要に応じて、さらに(e)金属化合物を配合し、混練することにより行われる。混練の方法は、特に限定されず、混練ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどの公知の混練機を用いて行えばよい。
前記コア用ゴム組成物を作製する工程において、配合材料の全てをロールで混練すると、均一に混練するのに時間がかかる場合がある。そのため、本発明のゴルフボールの製造方法のコア用ゴム組成物を作製する工程では、(a)基材ゴムと少なくとも(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩とを配合して、第1マスターバッチを作製する工程と、(a)基材ゴムと少なくとも(c)架橋開始剤とを配合して、第2マスターバッチを作製する工程と、第1マスターバッチと第2マスターバッチとを配合してコア用ゴム組成物を作製する工程とを有するマスターバッチ法を採用することが好ましい。(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩と(c)架橋開始剤とをそれぞれ別々に(a)基材ゴムに配合して、第1マスターバッチと第2マスターバッチを調製し、これらを配合するようにすることで、コア用ゴム組成物を混練するときの作業性が改善される。以下、マスターバッチ法について詳述する。
(a)基材ゴムと少なくとも(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩とを配合して、第1マスターバッチを作製する工程について説明する。第1マスターバッチを作製する工程で配合する(a)基材ゴムとしては、市販の基材ゴムをそのまま配合に用いてもよいが、基材ゴムを予め素練りしてから配合に用いることが好ましい。「素練り」とは、基材ゴムに機械力を加えて分子凝集をほぐしたり分子鎖を切断して、ゴムの可塑度を加工しやすいレベルに調整する基本的な操作を意味する。素練りは、ロールまたはニーダーなどの公知の混練機を用いて行うことが好ましい。素練りする際の基材ゴムの温度は、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。また、基材ゴムを素練りする時間は、0.1分以上が好ましく、0.5分以上がより好ましく、12分以下が好ましく、10分以下がより好ましい。(a)基材ゴムの素練りと、(a)基材ゴムと(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩との配合とは、逐次、同時、あるいは、連続的に行うこともできる。
第1マスターバッチの作製工程では、(a)基材ゴムと少なくとも(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩とを混練する際の材料温度は90℃以下が好ましく、85℃以下がより好ましい。混練温度(材料温度)が90℃を超えると、(d)カルボン酸および/またはその塩を均一に分散できない場合がある。第1マスターバッチを作製するときの混練温度は、45℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。第1マスターバッチを作製するときの混練温度が低すぎると、(d)カルボン酸および/またはその塩を均一に分散できない場合があるからである。また、混練時間は、0.5分以上が好ましく、1.0分以上がより好ましく、20分以下が好ましく、15分以下がより好ましい。混練時間が前記範囲内であれば、(a)基材ゴムと(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩とを均一に分散できるからである。(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩は、第1マスターバッチの作製工程においてのみ配合されることが好ましい。
(a)前記基材ゴムと少なくとも(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩との混練は、例えば、ロール、ニーダー、バンバリーミキサーなどの公知の混練機を用いて行うことが好ましい。混練効率を高めるという観点から、剪断力の大きいニーダー、バンバリーミキサーを用いることが好ましい。
なお、本発明において、「混練」とは、コア用ゴム組成物の配合に基づいて、基材ゴムに対して数種類の性状の異なる配合材料を機械的剪断力を加えて、混合分散することを意味する。また、「マスターバッチ」とは、ゴム組成物に配合される材料の分散性、反応性、作業性などを考慮して、配合材料の少なくとも一部を配合してなる中間組成物である。マスターバッチ化された中間組成物を用いることにより、配合作業性が向上する。例えば、配合することが難しい特定の配合材料について、最終的に得られるゴム組成物に含まれる配合材料の濃度よりも、高い濃度で配合された中間組成物を予め用意しておき、これを希釈するような形で他の配合材料を配合するようにすれば、その都度、特定の配合材料を配合する困難さをわずらうことなく、最終的なゴム組成物を容易に調製することができる。
本発明の好ましい態様では、少なくとも一種以上の金属含有成分の存在下で、(a)基材ゴムと(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩とを配合して、第1マスターバッチを作製する。金属含有成分の存在下で、(a)基材ゴムと(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩とを配合することにより、(a)基材ゴムと(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩とをより均一に分散できるからである。
少なくとも一種以上の金属含有成分の存在下に、第1マスターバッチを作製する工程では、(a)基材ゴムと金属含有成分とを配合し、次いで、得られた配合物に(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩を配合する、または、(a)基材ゴムと、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩と金属含有成分とを同時に配合することが好ましい。(a)基材ゴムと(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩とを配合し、次いで、得られた配合物に金属含成分を配合する方法では、うまく配合することができない場合がある。
金属含有成分とは、ゴム組成物に配合される(d)成分(数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩)以外の配合材料であって、金属を含有する成分であれば、特に限定されない。前記金属含有成分としては、例えば、(b)共架橋剤として使用する炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩、必要に応じて配合される(e)金属化合物、および、(f)有機硫黄化合物の金属塩を挙げることができる。前記金属含有成分としては、亜鉛化合物を用いることが好ましい。
本発明の好ましい態様では、金属含有成分として、(b)共架橋剤として使用する炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩、および/または、(e)金属化合物の存在下で、第1マスターバッチを作製する。金属含有成分として、(b)共架橋剤として使用する炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の亜鉛塩、および/または、(e)亜鉛化合物の存在下で、第1マスターバッチを作製することがより好ましく、金属含有成分として、(b)アクリル酸亜鉛、および/または、(e)酸化亜鉛の存在下で、第1マスターバッチを作製することがさらに好ましい。
第1マスターバッチの作製工程において、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩の添加量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、25質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、35質量部以上がさらに好ましく、150質量部以下が好ましく、140質量部以下がより好ましく、130質量部以下がさらに好ましい。第1マスターバッチに含まれる(d)カルボン酸および/またはその塩の含有率を高くしておけば、コア用ゴム組成物を調製する際に、第1マスターバッチの添加量を少なくすることができる。
第1マスターバッチの作製工程において、金属含有成分の配合量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、200質量部未満が好ましく、180質量部以下がより好ましい。金属含有成分の含有量が前記範囲内であれば、混練作業性が良好になるからである。
第1マスターバッチの作製工程において、(b)共架橋剤として使用する炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩を配合する場合、その配合量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましく、150質量部以下が好ましく、120質量部以下がより好ましく、100質量部以下がさらに好ましい。
第1マスターバッチの作製工程において、(e)金属化合物を配合する場合、その配合量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましく、100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましい。
次に、(a)基材ゴムと少なくとも(c)架橋開始剤とを配合して、第2マスターバッチを作製する工程について説明する。第2マスターバッチを作製する工程で配合する(a)基材ゴムとしては、市販の基材ゴムをそのまま配合に用いてもよいが、基材ゴムを予め素練りしてから配合に用いることが好ましい。素練りは、ロールまたはニーダーなどの公知の混練機を用いて行うことが好ましい。素練りする際の基材ゴムの温度は、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。また、基材ゴムを素練りする時間は、0.1分以上が好ましく、0.5分以上がより好ましく、12分以下が好ましく、10分以下がより好ましい。(a)基材ゴムの素練りと、(a)基材ゴムと(c)架橋開始剤との配合とは、逐次、同時、あるいは連続的に行うこともできる。
第2マスターバッチの作製工程では、(a)基材ゴムと少なくとも(c)架橋開始剤とを混練する際の材料温度は95℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。混練温度(材料温度)が95℃未満であると、コアの必要性能が発揮できない場合がある。第2マスターバッチを作製するときの混練温度は、125℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。第2マスターバッチを作製するときの混練温度が高すぎると、焼けが発生する場合がある。また、混練時間は、1分以上が好ましく、1.5分以上がより好ましく、15分以下が好ましく、10分以下がより好ましい。混練時間が前記範囲内であれば、十分に分散するとなるからである。
(a)前記基材ゴムと少なくとも(c)架橋開始剤との混練は、例えば、ロール、ニーダー、バンバリーミキサーなどの公知の混練機を用いて行うことが好ましい。混練効率を高めるという観点から、剪断力の大きいニーダー、バンバリーミキサーを用いることが好ましい。
第2マスターバッチの作製工程において、(c)架橋開始剤の添加量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、0.3質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、3.0質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましい。架橋開始剤の添加量は、前記範囲内であれば、必要な架橋反応が起こり、必要特性が発現するからである。
第2マスターバッチを作製する工程では、(a)基材ゴムと、(c)架橋開始剤に加えて、さらに、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、必要に応じて加える(e)金属化合物、(f)有機硫黄化合物などを配合することができる。なお、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩は、第1マスターバッチを作製する工程でのみ配合することが好ましい。
前記第1マスターバッチおよび第2マスターバッチを作製する工程において、コア用ゴム組成物を構成する配合材料を配合する態様としては、例えば、以下の様な態様を挙げることができる。
(1)第1マスターバッチの作製工程において、(a)基材ゴム、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、および、(e)金属化合物を配合し、第2マスターバッチの作製工程において、(a)基材ゴム、(c)架橋開始剤、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、ならびに、必要に応じて、(e)金属化合物、および/または、(f)有機硫黄化合物を配合する態様
(2)第1マスターバッチの作製工程において、(a)基材ゴム、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩、および、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩を配合し、第2マスターバッチの作製工程において、(a)基材ゴム、(c)架橋開始剤、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、ならびに、必要に応じて、(e)金属化合物、および/または、(f)有機硫黄化合物を配合する態様
(3)第1マスターバッチの作製工程において、(a)基材ゴム、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩、および、(e)金属化合物を配合し、第2マスターバッチの作製工程において、(a)基材ゴム、(c)架橋開始剤、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、ならびに、必要に応じて、(e)金属化合物、および/または、(f)有機硫黄化合物を配合する態様
次に、第1マスターバッチと第2マスターバッチとを配合してコア用ゴム組成物を作製する工程について説明する。コア用ゴム組成物の作製工程では、第1マスターバッチと第2マスターバッチとを混練する際の材料温度は90℃以下が好ましく、85℃以下がより好ましい。混練温度(材料温度)が90℃を超えると、混練機への付着が発生し作業効率が著しく低下するからである。混練温度は、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。混練温度が低すぎると、分散不良が発生する可能性があるからである。また、混練時間は、1分以上が好ましく、2分以上がより好ましく、15分以下が好ましく、10分以下がより好ましい。混練時間が前記範囲内であれば、分散が均一になり、物性のばらつきが減少するからである。
第1マスターバッチと第2マスターバッチとの混練は、公知の混練機を用いて行うことができ、ロールを用いて行うことが好ましい。ロールを用いて混練することにより、必要以上の材料温度上昇を防ぎ、混練機への粉体の付着がなくなるため、作業性が著しく向上するからである。
第1マスターバッチと第2マスターバッチとの配合比率は、最終的なコア用ゴム組成物の組成に応じて適宜決定すればよいが、例えば、第1マスターバッチ/第2マスターバッチ(質量比)=1/99〜50/50が好ましく、5/95〜30/70がより好ましい。
次に、配合して得られるコア用ゴム組成物から球状コアを成形する工程について説明する。本発明のゴルフボールの製造方法は、前記コア用ゴム組成物を、下記(1)〜(3)の条件で球状コアに成形する。
(1)プレス圧力:1.0MPa〜10.0MPa
(2)プレス温度:130℃〜170℃
(3)プレス時間:5分間〜20分間
前記コア用ゴム組成物を前記条件で球状コアに成形することにより、得られる球状コアの圧縮変形量のばらつきが低減する。その結果、安定した物性を有する球状コアが得られる。
安定した物性を有する球状コアを形成するという観点から、プレス圧力、プレス温度、プレス時間は、以下のようにすることが好ましい。
(1)プレス圧力は、1.0MPa以上が好ましく、3.5MPa以上がより好ましく、10.0MPa以下が好ましく、7.0MPa以下がより好ましい。
(2)プレス温度は、130℃以上が好ましく、135℃以上がより好ましく、140℃以上がさらに好ましく、170℃以下が好ましい。
(3)プレス時間は、5分以上好ましく、6分以上が好ましく、20分以下が好ましい。
以下、前記コア用ゴム組成物から球状コアを成形する工程についてより具体的に説明するが、球状コアを成形する態様は、斯かる態様に限定されるものではない。混練して得られたコア用ゴム組成物を、押出機により棒状に押し出し、所定の長さに切断して、予備成形体(「プラグ」とも呼ばれる)を作製する。また、コア用ゴム組成物を厚みのあるシート状に成形し、これを打ち抜いてプラグにしてもよい。プラグの大きさは、圧縮成形用金型のサイズに応じて適宜変更すればよい。得られたプラグは、例えば、お互いにくっつかないように防着剤液に浸漬し、乾燥後、約8〜48時間熟成することが好ましい。次いで、プラグをコア成型用金型に投入し、前記条件でプレス成型する。
本発明のゴルフボールの製造方法は、成形して得られた球状コアに少なくとも一層以上のカバーを形成する工程を有する。ゴルフボールのカバーを成形する方法としては、例えば、樹脂成分を含有するカバー用組成物から中空殻状のシェルを成形し、コアを複数のシェルで被覆して圧縮成形する方法(好ましくは、カバー用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)、あるいは、樹脂成分を含有するカバー用組成物をコア上に直接射出成形する方法を挙げることができる。
カバー用組成物が含有する樹脂成分としては、例えば、アイオノマー樹脂、BASFジャパン(株)から商品名「エラストラン(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)」で市販されている熱可塑性スチレンエラストマーなどが挙げられる。
前記アイオノマー樹脂としては、例えば、オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、あるいは、これらの混合物を挙げることができる。前記オレフィンとしては、炭素数が2〜8個のオレフィンが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等を挙げることができ、特にエチレンが好ましい。前記炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。また、α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチルエステル等が用いられ、特にアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが好ましい。これらのなかでも、前記アイオノマー樹脂としては、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属イオン中和物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属イオン中和物が好ましい。
前記アイオノマー樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されている「ハイミラン(Himilan)(登録商標)(例えば、ハイミラン1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM3711(Mg)などが挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、ハイミラン1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)など)」が挙げられる。
さらにデュポン社から市販されているアイオノマー樹脂としては、「サーリン(Surlyn)(登録商標)(例えば、サーリン8945(Na)、サーリン9945(Zn)、サーリン8140(Na)、サーリン8150(Na)、サーリン9120(Zn)、サーリン9150(Zn)、サーリン6910(Mg)、サーリン6120(Mg)、サーリン7930(Li)、サーリン7940(Li)、サーリンAD8546(Li)などが挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、サーリン8120(Na)、サーリン8320(Na)、サーリン9320(Zn)、サーリン6320(Mg)、HPF1000(Mg)、HPF2000(Mg)など)」が挙げられる。
またエクソンモービル化学(株)から市販されているアイオノマー樹脂としては、「アイオテック(Iotek)(登録商標)(例えば、アイオテック8000(Na)、アイオテック8030(Na)、アイオテック7010(Zn)、アイオテック7030(Zn)などが挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、アイオテック7510(Zn)、アイオテック7520(Zn)など)」が挙げられる。
なお、前記アイオノマー樹脂の商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、Li、Mgなどは、これらの中和金属イオンの金属種を示している。前記アイオノマー樹脂は、単独で若しくは2種以上を混合して使用しても良い。
本発明で使用するカバー用組成物は、樹脂成分として、熱可塑性ポリウレタンエラストマーまたはアイオノマー樹脂を含有することが好ましい。アイオノマー樹脂を使用する場合には、熱可塑性スチレンエラストマーを併用することも好ましい。カバー用組成物の樹脂成分中のポリウレタンまたはアイオノマー樹脂の含有率は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
前記カバー用組成物は、上述した樹脂成分のほか、白色顔料(例えば、酸化チタン)、青色顔料、赤色顔料などの顔料成分、酸化亜鉛、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの重量調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、カバーの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
前記白色顔料(例えば、酸化チタン)の含有量は、カバーを構成する樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは1質量部以上であって、10質量部以下が好ましく、より好ましくは8質量部以下である。白色顔料の含有量を0.5質量部以上とすることによって、カバーに隠蔽性を付与することができる。また、白色顔料の含有量が10質量部超になると、得られるカバーの耐久性が低下する場合があるからである。
圧縮成形法によりカバーを成形する場合、ハーフシェルの成形は、圧縮成形法または射出成形法のいずれの方法によっても行うことができるが、圧縮成形法が好適である。カバー用組成物を圧縮成形してハーフシェルに成形する条件としては、例えば、1MPa以上、20MPa以下の圧力で、カバー用組成物の流動開始温度に対して、−20℃以上、70℃以下の成形温度を挙げることができる。前記成形条件とすることによって、均一な厚みをもつハーフシェルを成形できる。ハーフシェルを用いてカバーを成形する方法としては、例えば、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法を挙げることができる。ハーフシェルを圧縮成形してカバーに成形する条件としては、例えば、0.5MPa以上、25MPa以下の成形圧力で、カバー用組成物の流動開始温度に対して、−20℃以上、70℃以下の成形温度を挙げることができる。前記成形条件とすることによって、均一なカバー厚みを有するゴルフボールカバーを成形できる。
カバー用組成物を射出成形してカバーを成形する場合、押出して得られたペレット状のカバー用組成物を用いて射出成形しても良いし、あるいは、基材樹脂成分や顔料などのカバー用材料をドライブレンドして直接射出成形してもよい。カバー成形用上下金型としては、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねているものを使用することが好ましい。射出成形によるカバーの成形は、ホールドピンを突き出し、コアを投入してホールドさせた後、カバー用組成物を注入して、冷却することによりカバーを成形することができ、例えば、9MPa〜15MPaの圧力で型締めした金型内に、200℃〜250℃に加熱したカバー用組成物を0.5秒〜5秒で注入し、10秒〜60秒間冷却して型開きすることにより行う。
カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、塗膜やマークを形成することもできる。
本発明のゴルフボールの構造は、球状コアと前記球状コアを被覆する一層以上のカバーとを有するものであれば、特に限定されない。前記球状コアは、単層構造であることが好ましい。単層構造の球状コアは、多層構造の界面における打撃時のエネルギーロスがなく、反発性が向上するからである。また、カバーは、一層以上の構造であればよく、単層構造、あるいは、少なくとも二層以上の多層構造を有していてもよい。
本発明のゴルフボールとしては、例えば、球状コアと前記球状コアを被覆するように配設された単層のカバーとからなるツーピースゴルフボール;球状コアと前記球状コアを被覆するように配設された二層以上のカバーを有するマルチピースゴルフボール(スリーピースゴルフボールを含む);球状コアと前記球状コアの周囲に設けられた糸ゴム層と、前記糸ゴム層を被覆するように配設されたカバーとを有する糸巻きゴルフボールなどを挙げることができる。上記いずれの構造のゴルフボールにも本発明を好適に利用できる。多層カバーの場合、最外層のカバーと球状コアとの間に位置するカバーを、中間層または内層カバー(内側カバー)という場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール2が示された一部切り欠き断面図である。ゴルフボール2は、球状コア4と、球状コア4を被覆するカバー12とを有する。このカバーの表面には、多数のディンプル14が形成されている。このゴルフボール2の表面のうち、ディンプル14以外の部分は、ランド16である。このゴルフボール2は、カバー12の外側にペイント層およびマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。
前記球状コアは、球状コアの中心、表面、および、中心から2.5mm間隔で測定したJIS−C硬度を、コア中心からの距離に対してプロットしたときに、最小二乗法によって求めた線形近似曲線のRが0.95以上である硬度分布を有することが好ましい。Rが0.95以上であれば、コアの硬度分布の直線性が高まり、ドライバーショットのスピン量が低下し、飛距離が大きくなる。
球状コアの硬度は、球状コアを二等分して、得られた断面において、コア中心、球状コアの任意の半径についてコア中心から2.5mm間隔でJIS−C硬度を測定する。JIS−C硬度を測定する点数は、球状コアの半径に応じて変化するが、2.5mm間隔で硬度を測ることにより、球状コア全体の硬度分布が得られる。また、球状コアの表面硬度を測定する。次に、上記のように測定されたJIS−C硬度を縦軸とし、コア中心からの距離(mm)を横軸として、測定結果をプロットしてグラフを作成する。本発明では、このプロットから最小二乗法により求めた線形近似曲線のRが、0.95以上であることが好ましい。最小二乗法によって求めた線形近似曲線のRは、得られたプロットの直線性を指標するものである。Rが0.95以上であれば、球状コアの硬度分布が略直線であることを意味する。硬度分布が略直線状である球状コアを用いたゴルフボールは、ドライバーショットのスピン量が低下する。その結果、ドライバーショットの飛距離が大きくなる。前記線形近似曲線のRは、0.96以上がより好ましい。直線性が高まることによって、ドライバーショットの飛距離がより大きくなる。
前記球状コアの表面硬度Hsと中心硬度Hoとの硬度差(Hs−Ho)は、JIS−C硬度で、18以上が好ましく、20以上がより好ましく、22以上がさらに好ましく、80以下が好ましく、70以下がより好ましく、60以下がさらに好ましい。コア表面とコア中心の硬度差が大きいと、高打出角および低スピンの飛距離が大きいゴルフボールが得られる。一方、硬度差が大きくなりすぎると、得られるゴルフボールの耐久性が低下する場合がある。
球状コアの中心硬度Hoは、JIS−C硬度で、30以上であることが好ましく、より好ましくは40以上、さらに好ましくは45以上である。球状コアの中心硬度HoがJIS−C硬度で30未満であると、軟らかくなりすぎて反発性が低下する場合がある。また、球状コアの中心硬度Hoは、JIS−C硬度で70以下であることが好ましく、より好ましくは65以下であり、さらに好ましくは60以下である。前記中心硬度HoがJIS−C硬度で70を超えると、硬くなり過ぎて、打球感が低下する傾向があるからである。
球状コアの表面硬度Hsは、JIS−C硬度で、72以上が好ましく、74以上がより好ましく、76以上がさらに好ましく、100以下が好ましく、95以下がより好ましい。前記球状コアの表面硬度を、JIS−C硬度で72以上とすることにより、球状コアが軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、前記球状コアの表面硬度をJIS−C硬度で100以下とすることにより、球状コアが硬くなり過ぎず、良好な打球感が得られる。
前記球状コアの直径は、34.8mm以上が好ましく、より好ましくは36.8mm以上、さらに好ましくは38.8mm以上であり、42.2mm以下が好ましく、41.8mm以下がより好ましく、さらに好ましくは41.2mm以下であり、最も好ましくは40.8mm以下である。前記球状コアの直径が34.8mm以上であれば、カバーの厚みが厚くなり過ぎず、反発性がより良好となる。一方、球状コアの直径が42.2mm以下であれば、カバーが薄くなり過ぎず、カバーの機能がより発揮される。
前記球状コアは、直径34.8mm〜42.2mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にセンターが縮む量)が、2.0mm以上が好ましく、より好ましくは2.8mm以上、6.0mm以下が好ましく、より好ましくは5.0mm以下である。前記圧縮変形量が、2.0mm以上であれば打球感がより良好となり、6.0mm以下であれば、反発性がより良好となる。また、球状コアの圧縮変形量のばらつきは、0.15mm以内であることが好ましい。
本発明のゴルフボールのカバーの厚みは、4.0mm以下が好ましく、より好ましくは3.0mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下である。カバーの厚みが4.0mm以下であれば、得られるゴルフボールの反発性や打球感がより良好となる。前記カバーの厚みは、0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、さらに好ましくは0.8mm以上、特に好ましくは1.0mm以上である。カバーの厚みが0.3mm未満では、カバーの耐久性や耐摩耗性が低下する場合がある。多層カバーの場合は、多層カバーの合計厚みが、前記範囲であることが好ましい。
前記カバー用組成物のスラブ硬度は、ゴルフボールの構成部材、所望のゴルフボールの性能に応じて適宜設定することが好ましい。例えば、飛距離を重視するディスタンス系のゴルフボールの場合、最外層カバーを構成するカバー用組成物(以下、「最外層カバー用組成物」という場合がある)のスラブ硬度は、ショアD硬度で50以上が好ましく、55以上がより好ましく、80以下が好ましく、70以下がより好ましい。最外層カバー用組成物のスラブ硬度を50以上にすることにより、ドライバーショットおよびアイアンショットにおいて、高打出角で低スピンのゴルフボールが得られ、飛距離が大きくなる。また、最外層カバー用組成物のスラブ硬度を80以下とすることにより、耐久性に優れたゴルフボールが得られる。また、コントロール性を重視するスピン系のゴルフボールの場合、最外層カバー用組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で、50未満が好ましく、20以上が好ましく、25以上がより好ましい。最外層カバー用組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で50未満であれば、ドライバーショットでは、本発明のコアにより、高飛距離化がはかれるとともに、アプローチショットのスピン量が高くなり、グリーン上で止まりやすいゴルフボールが得られる。また、最外層カバー用組成物のスラブ硬度を20以上とすることにより、耐擦過傷性が向上する。
多層カバーの場合、中間層または内層カバーを構成するカバー用組成物(以下、「内層カバー組成物」という場合がある)のスラブ硬度は、ショアD硬度で40以上が好ましく、45以上がより好ましく、48以上がさらに好ましく、80以下が好ましく、75以下がより好ましく、70以下がさらに好ましい。内層カバー用組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で、40以上であれば、中間層または内層カバーの剛性が高まり、反発性に優れるゴルフボールが得られる。また、内層カバー用組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で、80以下であれば、得られるゴルフボールの耐久性が向上する。
カバーには、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。ディンプルの総数は、200個以上500個以下が好ましい。ディンプルの総数が200個未満では、ディンプルの効果が得られにくい。また、ディンプルの総数が500個を超えると、個々のディンプルのサイズが小さくなり、ディンプルの効果が得られにくい。形成されるディンプルの形状(平面視形状)は、特に限定されるものではなく、円形;略三角形、略四角形、略五角形、略六角形などの多角形;その他不定形状;を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
ゴルフボール本体表面には、塗膜が設けられることが好ましい。前記塗膜の膜厚は、特に限定されないが、5μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましく、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。膜厚が5μm未満になると継続的な使用により塗膜が摩耗消失しやすくなり、膜厚が50μmを超えるとディンプルの効果が低下してゴルフボールの飛行性能が低下するからである。
本発明のゴルフボールは、直径40mm〜45mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときの圧縮変形量(圧縮方向に縮む量)は、2.0mm以上であることが好ましく、より好ましくは2.4mm以上であり、さらに好ましくは2.5mm以上であり、最も好ましくは2.8mm以上であり、5.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは4.5mm以下である。前記圧縮変形量が2.5mm以上のゴルフボールは、硬くなり過ぎず、打球感が良い。一方、圧縮変形量を5.0mm以下にすることにより、反発性が高くなる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)圧縮変形量(mm)および圧縮変形量のばらつき(mm)
コアに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向にコアが縮む量)を測定した。また、各コアについて8個ずつ測定を行って、その最大値と最小値の差を、圧縮変形量のばらつきとした。
(2)反発係数
各コアまたはゴルフボールに198.4gの金属製円筒物を40m/秒の速度で衝突させ、衝突前後の前記円筒物およびコアまたはゴルフボールの速度を測定し、それぞれの速度および質量から各コアまたはゴルフボールの反発係数を算出した。測定は各コアについて12個ずつ行って、その平均値をそのコアの反発係数とした。なお、コアの反発係数は、コアNo.13との反発係数との差で示した。
(3)コア硬度分布(JIS−C硬度)
スプリング式硬度計JIS−C型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて、コアの表面部において測定したJIS−C硬度をコア表面硬度とした。また、コアを半球状に切断し、切断面の中心、および、中心から所定の距離において硬度を測定した。
なお、コア硬度は、コア断面の中心から所定の距離の4点で硬度を測定して、これらを平均することにより算出した。
(4)飛散性
混練時のカルボン酸および/またはその塩の飛散性について、下記の様にして評価した。飛散性は、仕込量に対する混練後の配合物の重量変化率で評価した。
良好:重量減少率が0.8%以下
不良:重量減少率が0.8%超
(5)数平均粒子径(μm)
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所(株)製の「LA−910型」)を用いて測定を行い、体積基準表示での数平均粒子径(μm)を求めた。
[ゴルフボールの作製]
(1)球状コアの作製
表3、表4に示す配合材料をニーダーにより混練して、第1マスターバッチおよび第2マスターバッチを作製した。まず、ポリブタジエンを素練りし(1工程)、次いで、カプリル酸亜鉛と、酸化亜鉛とを同時に加えて混練した。第1マスターバッチの混練は、ニーダー(容量:55L)を用いて行った。条件は、基材ゴムの素練り(1工程)は、材料温度50℃で、3分間とし、第1マスターバッチの作製(2工程、3工程)は、材料温度85℃以下で、合計混練時間を7分間とした。混練作業性は、問題なく良好であった。第2マスターバッチの作製工程では、基材ゴムを素練りした後、配合材料をすべて同時に混練した。第2マスターバッチの混練は、ニーダー(容量:55L)を用いて行った。条件は、基材ゴムの素練りは、材料温度50℃で、3分間とし、第2マスターバッチの作製(配合材料の混練)は材料温度105℃で、4分間行った。
得られた第2マスターバッチの全量に、第1マスターバッチ30質量部を加えて混練し、コア用ゴム組成物を作製した。第1マスターバッチと第2マスターバッチの混練は、ロール(ロール径:22インチ)を用いて75℃で、6分間行った。混練作業性は良好であった。得られたコア用ゴム組成物を、押出機で押し出し、プラグを作製した。得られたプラグを半球状キャビティを有する上下金型内に投入し、表5に示した条件で、加熱プレスすることにより球状コアを得た。
Figure 2013248294
Figure 2013248294
Figure 2013248294
表3、表4で用いた原料の詳細を以下に示した。
ポリブタジエンゴム:JSR社製、ハイシスポリブタジエン「BR730」(シス−1,4−結合含有量=96質量%、1,2−ビニル結合含有量=1.3質量%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))=55、分子量分布(Mw/Mn)=3)
アクリル酸亜鉛:日本蒸溜工業社製「ZNDA−90S」
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製「銀嶺R」
硫酸バリウム:堺化学社製「硫酸バリウムBD」、最終的に得られるゴルフボールの質量が45.4gとなるように調整した。
2−チオナフトール:東京化成工業社製
ジクミルパーオキサイド:日油社製、「パークミル(登録商標)D(ジクミルパーオキサイド)」
カプリル酸亜鉛(数平均粒子径5μm):三津和化学社製
カプリル酸亜鉛(数平均粒子径20μm):日東化成工業社製
カプリル酸亜鉛(数平均粒子径40μm):日東化成工業社製
カプリル酸亜鉛(数平均粒子径1mm):日東化成工業社製
表5の結果から、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩と、必要に応じて、さらに(e)金属化合物を配合して、コア用ゴム組成物を作製する工程と、前記コア用ゴム組成物を、下記(1)〜(3)の条件で球状コアに成形する工程とを有する製造方法により得られた球状コアは、圧縮変形量のばらつきが少ないことが分かる。
(1)プレス圧力:1.0MPa〜10.0MPa
(2)プレス温度:130℃〜170℃
(3)プレス時間:5分間〜20分間
本発明は、ドライバーショットの飛距離が大きいゴルフボールの製造方法として有用である。
2:ゴルフボール、4:球状コア、12:カバー、14:ディンプル、16:ランド

Claims (5)

  1. (a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、(d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩と、必要に応じて、さらに(e)金属化合物を配合して、コア用ゴム組成物を作製する工程と、
    前記コア用ゴム組成物を、下記(1)〜(3)の条件で球状コアに成形する工程と、
    (1)プレス圧力:1.0MPa〜10.0MPa
    (2)プレス温度:130℃〜170℃
    (3)プレス時間:5分間〜20分間
    前記球状コアに少なくとも一層以上のカバーを形成する工程とを有することを特徴とするゴルフボールの製造方法。
  2. (b)前記共架橋剤として、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の亜鉛塩を使用する請求項1に記載のゴルフボールの製造方法。
  3. (e)前記金属化合物として、亜鉛化合物を使用する請求項1または2に記載のゴルフボールの製造方法。
  4. (d)数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩として、炭素数が1〜30のカルボン酸および/またはその塩を使用する請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボールの製造方法。
  5. (d)前記数平均粒子径が15μm〜60μmのカルボン酸および/またはその塩として、飽和脂肪酸および/またはその塩を使用する請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボールの製造方法。
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