JP2013248131A - 穴かがりミシン - Google Patents

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哲也 和田
Tetsuji Shiotani
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Abstract

【課題】上糸端部を穴かがり縫目に正確に縫い込むことができる穴かがりミシンを提供する。
【解決手段】穴かがりミシンは、ベッド部の加工布を移送する布送り機構と、移送する加工布に穴かがり縫目を縫針21で縫製する縫目形成機構と、穴かがり縫目の縫製後に上糸を切断して、上糸端部を保持する上糸保持機構18を備える。上糸保持機構18は、開状態及び閉状態に変移可能な糸切り部材30と、糸切り部材30が閉状態である場合に切断した上糸端部を保持する板部110と、糸切り部材30が開状態である場合に開放した上糸端部を穴かがり縫目に向けて案内する案内部とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、穴かがり縫目を縫製可能な穴かがりミシンに関する。
従来の穴かがりミシンは、前回の穴かがり縫目の縫製後に、糸切り部材の有する一対の刃を閉状態にして、上糸を切断する。閉状態の糸切り部材は、切断後の上糸の端部(以下、上糸端部)を保持する。穴かがりミシンは穴かがり縫目の縫製開始後に、糸切り部材の有する一対の刃を開状態にして、上糸端部を糸切り部材から開放する。穴かがりミシンは開放した上糸端部を、次の穴かがり縫目に縫い込む(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−35459号公報
特許文献1に開示の穴かがりミシンでは、穴かがり縫目の縫製開始時に、糸切り部材が縫針の目孔から延びる上糸端部を、縫針に対し縫目形成方向の下流側で保持する。この状態では、上糸端部の延びる方向が縫目形成方向とほぼ一致するため、上糸端部を穴かがり縫目に縫い込みやすい。
一方、穴かがり縫目の縫製開始後に、糸切り部材が保持している上糸端部を開放すると、開放された上糸端部は縒り等が原因でふらつき、位置が安定しない。この状態では、上糸端部の延びる方向が縫目形成方向に対してばらつくため、上糸端部を穴かがり縫目に縫い込みにくい。上糸端部を穴かがり縫目に縫い込めない場合、縫製後の体裁が悪くなったり、縫目形成不良を生じたりするおそれがあった。
本発明の目的は、上糸端部を穴かがり縫目に正確に縫い込むことができる穴かがりミシンを提供することである。
本発明の一態様に係る穴かがりミシンは、ベッド部に載置された加工布を所定方向に移送する移送機構と、上糸が供給される縫針を上下移動させて、前記移送機構が移送する前記加工布に穴かがり縫目を縫製する縫製機構と、前記ベッド部の上方に設けられ、前記縫製機構による前記穴かがり縫目の縫製後に前記上糸を切断し、且つ切断した前記上糸の端部である上糸端部を、前記縫針に対して前記所定方向とは反対側で保持する上糸保持機構とを備えた穴かがりミシンであって、前記上糸保持機構は、前記穴かがり縫目の縫製時には開状態であり、前記穴かがり縫目の縫製後に前記開状態から閉状態に変移して前記上糸を切断する一対の刃である糸切り部材と、前記糸切り部材に設けられ、前記糸切り部材が前記閉状態である場合に、前記糸切り部材が切断した前記上糸端部を保持する糸保持部材と、前記糸切り部材に設けられた凹部であって、前記糸切り部材が前記開状態である場合に、前記糸保持部材が開放した前記上糸端部を、前記縫針が縫製する前記穴かがり縫目に向けて案内する案内部とを備える。
上記穴かがりミシンは、ベッド部の加工布を移送する移送機構と、移送する加工布に穴かがり縫目を縫針で縫製する縫製機構と、穴かがり縫目の縫製後に上糸を切断して、上糸端部を保持する上糸保持機構を備える。上糸保持機構は、開状態及び閉状態に変移可能な糸切り部材と、糸切り部材が閉状態である場合に切断した上糸端部を保持する糸保持部材と、糸切り部材が開状態である場合に開放した上糸端部を穴かがり縫目に向けて案内する案内部を備える。糸切り部材が穴かがり縫目の縫製開始後に閉状態から開状態に変移すると、糸保持部材が開放した上糸端部は、案内部によって穴かがり縫目に向かう。故に穴かがりミシンは、上糸端部を穴かがり縫目に正確に縫い込むことができる。
前記糸切り部材は、固定刃と、前記固定刃に対して前記縫針側で前記固定刃との間で前記開状態と前記閉状態に変移可能な可動刃とを有し、前記案内部は、前記可動刃に設けられた、前記穴かがり縫目に向けて延びる凹部であってもよい。この場合、案内部は簡易な構成及び省スペースで設けることができる。
前記案内部は、前記可動刃において前記固定刃に対向する側面とは反対面に設けられた凹部であってもよい。この場合、案内部は上糸保持機構の下方に位置する穴かがり縫目に向けて、上糸端部を可動刃の上面に形成した凹部に沿って正確に案内できる。
前記案内部は、前記可動刃において前記固定刃に対向する側面とは反対面と、前記上糸端部を載置可能な上面とに連続して設けられた凹部であってもよい。この場合、案内部は上糸保持機構の下方に位置する穴かがり縫目に向けて、上糸端部を可動刃の上面及び側面に連続して形成した凹部に沿って正確に案内できる。
前記上糸保持機構は、前記糸切り部材が前記開状態である場合に、前記糸切り部材が切断した前記上糸端部を、前記案内部が案内可能な状態に保持する補助案内部を備えてもよい。この場合、糸保持部材が開放した上糸端部は、補助案内部によって案内部が案内可能な状態となる。故に案内部は、上糸端部をより正確に穴かがり縫目に向けて案内できる。
穴かがりミシン1の内部構成を示す側面図である。 穴かがりミシン1の内部構成を示す平面図である。 穴かがりミシン1の内部構成を示す正面図である。 糸切り部材30と連結部材31の平面図である。 閉状態の糸切り部材30と布押え26の平面図である。 糸切り部材30と布押え26の正面図である。 開状態の糸切り部材30の平面図である。 可動部120の平面図である。 図8に示すA−A線矢視方向断面図である。 連動連結機構50の斜視図である。 穴かがり縫目95の平面図である。 縫製開始位置の糸切り部材30と布押え26の正面図である。 縫製開始位置の糸切り部材30と布押え26の側面図である。 第一針目形成後の糸切り部材30と布押え26の側面図である。 開状態の糸切り部材30と布押え26の部分拡大平面図である。 可動刃125の縦断面図である。 縫製中位置の糸切り部材30と布押え26の正面図である。 縫製中位置の糸切り部材30と布押え26の側面図である。
本発明の穴かがりミシン1の一実施形態について、図面を参照して説明する。穴かがりミシン1は、加工布に穴かがり縫目を形成可能である。以下の説明では、図1、図2の紙面上下方向は、穴かがりミシン1の前後方向である。図2の紙面左右方向は、穴かがりミシン1の左右方向である。
図1〜図3を参照して、穴かがりミシン1の概略構造を説明する。穴かがりミシン1は、ベッド部10、脚柱部11、アーム部12を有する。さらに、穴かがりミシン1は、針棒上下駆動機構14、縫目形成機構15、布送り機構16、押え昇降機構17、上糸保持機構18、下糸切断機構(図示略)、ボタン穴形成機構(図示略)、連動連結機構50を備える。
針棒上下駆動機構14は、縫針21と針棒20を上下駆動する。縫目形成機構15は、加工布に穴かがり縫目を形成する。布送り機構16は、布押え26と協働して加工布を前後方向に布送りする。押え昇降機構17は、布押え26を昇降駆動する。上糸保持機構18は、穴かがり縫目の縫製後に上糸を切断し、且つ切断した上糸の端部(以下、上糸端部)を保持する。下糸切断機構(図示略)は、ベッド部10の内部で穴かがり縫目の縫製後に下糸を切断する。ボタン穴形成機構(図示略)は、穴かがり縫目の中央部にボタン穴を形成する。連動連結機構50は、押え昇降機構17、上糸保持機構18、下糸切断機構(図示略)を連動連結する。
主軸23は、アーム部12の内部で前後方向向きに配設されている。主軸23の後端部は脚柱部11の後側に突出している。手動プーリ22は、主軸23の後端部に固定する。タイミングベルト22aは、手動プーリ22と、ミシンモータ(図示略)の駆動軸に固着された駆動プーリ(図示略)に架け渡す。ミシンモータ(図示略)の駆動力は、タイミングベルト22aを介して主軸23に伝達する。針棒上下駆動機構14は、ミシンモータ(図示略)が駆動する主軸23によって、クランク機構(図示略)を介して針棒20を上下に駆動する。
縫目形成機構15は、アーム部12に設けた針棒20、縫針21、天秤(図示略) と、ベッド部10に設けた釜機構(図示略)を有する。釜機構(図示略)は、回転釜と、下糸ボビンを収容したボビンケースを有する。ミシンモータ(図示略) は、主軸23等を介して針棒20を昇降駆動する。針棒20は、下端に縫針21を装着する。回転釜は、縫針21に供給した上糸を補足し、下糸ボビンから繰り出した下糸と交絡して穴かがり縫目を形成する。
布送り機構16は、送り部材24、布送りモータ(図示略)を有し、加工布を前後方向へ布送りする。送り部材24は、前後方向に長い矩形板状である。ベッド部10は、送り部材24を前後方向に移動自在に支持する。布送りモータ(図示略)は、送り部材24を前後方向に送り駆動する。布押え26は送り腕27の前端部に連結する平面視矩形枠状である。布押え26は、加工布に形成される穴かがり縫目の縫目形成領域の外周側部分を、送り部材24に対して上側から押える。
送り腕27は、上方凸状に湾曲した形状で前後方向に延びる。送り腕27の後端部分は、脚柱部11前端近傍まで達する。送り腕27の後端部は、送り部材24上部に連結した可動体(図示略)に、左右方向向きの支持軸周りに回動可能に連結する。布押え26は送り腕27と一体的に送り部材24の前後方向の送り移動に伴って前後に移動し、送り腕27の前端部と一体的に昇降する。
押え昇降機構17は、アーム部12の前端部に、上下に延びる連結ロッド28を有する。連結ロッド28の下端部は、押え腕29の上端部に連結する。押え腕29の下端部は、送り腕27の前端部に連結し、前後方向へ相対移動可能である。連結ロッド28は連動連結機構50を介して昇降駆動する。連結ロッド28の昇降駆動により、押え腕29を介して送り腕27の前端部は布押え26と共に昇降する。
図4〜図9を参照して、上糸保持機構18の詳細構造を説明する。図4〜図6に示すように、上糸保持機構18は、糸切り部材30、連結部材31を有する。糸切り部材30は、穴かがり縫目の縫製時には開状態であり、穴かがり縫目の縫製後に開状態から閉状態に変移する。連結部材31は、前後方向に延びる板状部材である。連結部材31の前端部は、糸切り部材30に連結する。鉛直方向に延びる支持軸32は、連結部材31の後端部を、回動可能且つ布送り方向(前後方向)に移動可能に支持する。
上糸保持機構18は、糸切り部材30を4つの位置(切断位置、縫製開始位置、退避位置、縫製中位置)で切換え可能である。切断位置は、糸切り部材30が穴かがり縫目の縫製後に上糸を切断する位置であり、縫針21近傍である。縫製開始位置は、糸切り部材30が穴かがり縫目の縫製前に移動する位置であり、具体的には切断位置に対して縫製開始時における布送り方向(前方)の反対側(後側)である(図12参照)。縫製中位置は、糸切り部材30が穴かがり縫目の縫製中に待機する位置であり、具体的には縫製開始位置の左側且つ切断位置の後側である(図17参照)。退避位置は、糸切り部材30が布切断用カッター48の移動軌跡から退避する位置であり、具体的には切断位置の左側である。
糸切り部材30の詳細構造を説明する。図5、図7〜図9に示すように、糸切り部材30は、固定部100、板部110、可動部120、補助案内部130を備える。固定部100は、略左右方向に延びる板部材である。固定部100の左端部は、連結部材31の前端部に連結する。小径の規制軸103は、固定部100の右側平面部の略中央に立設する。固定刃105(図9参照)は、固定部100の右端前面に設ける。
板部110は略左右方向に延びる水平な平板状であり、固定部100の固定刃105側上部に配置する。板部110は、上下方向に貫通する案内穴114を有する。案内穴114は、可動部120に立設した一対の案内ピン124を配置する。案内穴114は、一対の案内ピン124と干渉しない平面視円弧形状である。規制軸103は、板部110の左端縁部に連結する。ボルト102は規制軸103のやや右側で板部110のボルト穴(図示外)を垂直に貫通して、板部110を固定部100に連結する。故に板部110は、固定部100に対して回動不能である。
可動部120は略L型の水平な平板状であり、固定部100の固定刃105側と板部110の間に設ける。可動部120は、上下方向に貫通する二つの開口(ボルト穴122と規制穴123)を有する(図8参照)。ボルト102はボルト穴122を垂直に貫通して、可動部120を固定部100に回転可能に連結する。規制軸103は、規制穴123内に配置する。故に可動部120は、ボルト102を中心に、且つ規制軸103が規制穴123内で相対移動可能な範囲(回転可能範囲)で回転自在である。一対の案内ピン124は、平面視円弧形状の案内穴114内を移動する。可動刃125は、可動部120の右端に設ける。
つまり、糸切り部材30は、上糸を切断するための一対の刃(固定刃105と可動刃125)を有する。可動刃125は、固定刃105に対して垂直軸(ボルト102)周りに回転可能である。可動部120が平面視で反時計周り方向に回転すると、可動刃125が固定刃105に近づく。図5に示す糸切り部材30の閉状態は、固定刃105と可動刃125が上下に重なる位置である。可動部120が平面視で時計周り方向に回転すると、可動刃125が固定刃105から離れる。図7に示す糸切り部材30の開状態は、固定刃105と可動刃125が上下に重ならない位置である。このように糸切り部材30は、可動刃125の固定刃105に対する回転に伴って、開状態と閉状態に変移する。
可動刃125は、刃先部126、平面部127、案内部128を有する(図9参照)。刃先部126は、上糸を固定刃105とで切断するための端部であり、固定刃105に対向する可動刃125の後面に設ける。平面部127は、刃先部126の後端から前方に延びる、可動刃125の水平な上面である。糸切り部材30が閉状態である場合、板部110の下面は平面部127との間で上糸端部を保持可能である。
案内部128は、可動刃125の上面と前面に連続して形成された凹部(第一凹部128aと第二凹部128b)を有する。第一凹部128aは、可動刃125の上面で前後方向に延びる溝部である。第二凹部128bは、第一凹部128aと連続する溝部であって、固定刃105とは反対側である可動刃125の前面で上下方向(垂直方向)に延びる。詳細には、第一凹部128aは、可動刃125の上面の前後方向略中央部から前側下方に向けて傾斜するように延びる。第二凹部128bは、第一凹部128aの前端から垂直に延び、且つ可動刃125の前面の上端から下端まで延びる。
補助案内部130は、直線状の線バネである。補助案内部130の一端は、板部110の上側でボルト102との間に挟んである。補助案内部130は、ボルト102から可動部120の一対の案内ピン124の間を通り、可動刃125の案内部128に向けて延びる。故に、補助案内部130は可動部120の回転に伴って、一対の案内ピン124と共に移動する。補助案内部130の他端は、下側に向けて付勢する。故に糸切り部材30が閉状態である場合、補助案内部130の他端側は板部110の上面に接触する(図5参照)。糸切り部材30が開状態である場合、補助案内部130の他端側は可動刃125の上面に接触する(図7参照)。
上糸保持機構18は、固定刃105と可動刃125を開閉する刃開閉機構40を有する(図5参照)。刃開閉機構40は、受部41、第一押動部42、第二押動部43を有する。受部41は可動部120に立設する突出片である。第一押動部42と第二押動部43は送り腕27に固定した突出片である。第一押動部42は受部41を押動することで、固定部100に対して可動部120を平面視時計周り方向に回転させる。即ち、可動刃125は開状態に変移する。第二押動部43は受部41を押動することで、固定部100に対して可動部120を平面視反時計周り方向に回転させる。即ち、可動刃125は閉状態に変移する。具体的には、刃開閉機構40は、切断位置又は縫製開始位置において固定刃105と可動刃125を閉じ、縫製中位置又は退避位置において固定刃105と可動刃125を開く。
連結部材31の詳細構造を説明する。図4〜図6に示すように、上下一対の前後に長い長穴31aは、連結部材31の後端部分に形成する。上下一対の係合部材39(図1参照)は各長穴31aに離脱不能且つ摺動自在に係合する。係合部材39は支持軸32の下部に連結する。ミシン機枠は支持軸32の上部を回転自在に支持する。故に連結部材31の後端部は、鉛直軸心周りに回動可能であり、且つ前後方向へ移動可能である。
前後に長い矩形の長穴31bは、連結部材31の前後方向中央部よりも少し前側に形成する。円弧穴31cは長穴31a、31bの間に形成する。可動部材33は連結部材31の前後方向略中央部に設ける。
可動部材33の大部分は、連結部材31の左側に配設する。連結部材31に固着した二本のボルト34は、可動部材33に形成した前後方向向きの長穴33aに摺動自在に係合する。故に可動部材33は、連結部材31に対して前後移動可能である。可動部材33は、前端から右方へ屈曲する受部33bと、後端から左方へ屈曲する第一係合部33cを有する。
受部33bは長穴31bを挿通して右側へ突出する。可動部材33は長穴31bの略長さ分のストロークだけ、連結部材31に対して前後に移動可能である。引張りコイルバネ36の一端側が連結したバネ取付部材35は、連結部材31に設ける。引張りコイルバネ36の他端側は、第一係合部33cに連結する。引張りコイルバネ36は可動部材33を連結部材31に対して後方へ付勢する。
右方へ延びるバネ取付部材37は、連結部材31の前後方向中央部よりも前側の上端に固着する。引張りコイルバネ38の一端側は、バネ取付部材37の右前端部に連結する。引張りコイルバネ38の他端側は、連結部材31の左側においてミシン機枠に連結する。引張りコイルバネ38は、連結部材31を支持軸32を中心に左側へ回動付勢する。左方へ全体的に張り出す板状の張出し部は、連結部材31の上端部に形成する。第二係合部31dは、この張出し部の前部に形成する。局部的に左方へ突出する段部31eは、第二係合部31dの前後方向中央部分に設ける。
第一係合受部45は第一係合部33cと係合可能な板状である。第二係合受部46は第二係合部31dと係合可能なコロである。第一係合受部45と第二係合受部46は、後述の第二連桿66(図2、図10参照)に装着する。第一係合部33cと第一係合受部45が係合した状態は、糸切り部材30を縫製開始位置に保持する。第一係合部33cと第一係合受部45が係合しない状態は、糸切り部材30の退避位置又は縫製中位置への切換えを許容する。即ち、引張りコイルバネ38は、糸切り部材30を退避位置又は縫製中位置側へ付勢する。一方、第二係合部31dと第二係合受部46が係合した状態は、糸切り部材30を退避位置、切断位置、縫製中位置の何れかに保持する。
図1〜図3、図10を参照して、連動連結機構50の詳細構造を説明する。連動連結機構50は昇降板52、鉛直レバー53、L形リンク54、55、連動板56、第一駆動系57、第二駆動系58等を備える。
共通モータ51は、脚柱部11の上下方向略中央部に右方向きに設ける。共通モータ51は、連動連結機構50を介して、押え昇降機構17、上糸保持機構18、下糸切断機構(図示略)を連動連結する。上下方向に延びる一対のガイドロッド52aは、昇降板52を昇降自在にガイドする。共通モータ51の出力軸に固着したピニオン51aは、昇降板52の下端部に形成したラック52bと噛み合う。昇降板52の二股部52cは、鉛直レバー53の上端部に固着した係合ピン53aに係合する。共通モータ51は昇降板52と共に鉛直レバー53を昇降駆動する。
一対のL形リンク54、55は、アーム部12の前後に夫々配設する。ミシン機枠は左右方向に延びる支持軸54a、55aによって、L形リンク54、55を夫々回動可能に支持する。連動板56は、前後に長い板部材であり、L形リンク54、55の間に配設する。連動板56の後端部はL形リンク54の上端部に連結する。連動板56の前端部はL形リンク55の上端部に連結する。
L形リンク54の後端部は鉛直レバー53の上端部に回動可能に連結する。L形リンク55の前端部は押え昇降機構17の連結ロッド28の上端部に連結する。鉛直レバー53 が昇降すると、L形リンク54、55は回動し、連動板56は少し昇降しつつ前後方向へ往復移動する。連動板56が前方へ移動すると、布押え26は連結ロッド28を介して下降する。連動板56が後方へ移動すると、布押え26は連結ロッド28を介して上昇する。
第一駆動系57は、連動板56の前後方向への往復移動を連結部材31に伝達して、連結部材31を前後方向へ駆動する。第一駆動系57はリンク部材60と第一連桿61を有する。ミシン機枠はリンク部材60を左右方向の軸心周りに支持する。第一連桿61の上端部は、リンク部材60に固定する。リンク部材60の先端部の係合ピン60aは、連動板56に形成した湾曲状の第一ガイド穴56aに係合する。第一連桿61の下端部の係合ピン61aは、連結部材31の円弧穴31cに係合する。
第二駆動系58は、連動板56の前後方向への往復移動を第一係合受部45と第二係合受部46に伝達して、第一係合受部45と第二係合受部46を略前後方向へ駆動する。第二駆動系58はリンク部材65と第二連桿66を有する。ミシン機枠はリンク部材65を左右方向の軸心周りに支持する。第二連桿66の上端部は、リンク部材65に固定する。リンク部材65の先端部の係合ピン65aは、連動板56に形成した湾曲状の第二ガイド穴56bに係合する。第二連桿66は下端部に第一係合受部45と第二係合受部46を設ける。
図10〜図18を参照して、穴かがりミシン1が穴かがり縫目95(図11参照)を縫製する動作例を説明する。縫製開始前の穴かがりミシン1では、連動連結機構50の連動板56が略後方限界位置に位置する。故に、押え昇降機構17は布押え26を上昇位置に保持する。糸切り部材30は、上糸端部97を保持した状態で、退避位置に位置する。作業者は加工布を縫製位置にセットする。作業者の足踏みペダル(図示外)の踏込み操作に応じて、共通モータ51は連動板56を前方へ移動する。
連動板56が略後方限界位置から前方限界位置へ移動する途中で、布押え26が下降位置に移動して加工布を送り部材24に完全に押える。連動板56が略後方限界位置から前方限界位置へ移動する間、連結部材31は第二駆動系58によって第一係合受部45と第二係合受部46を後方へ移動する。第二係合受部46は第二係合部31dの段部31eと係合し、連結部材31を右方へ押動する。糸切り部材30は右方へ移動して、切断位置に切換わる。
更に連動板56が前方へ移動すると、第二駆動系58は第一係合受部45と第二係合受部46を後方へ移動し、且つ、第一駆動系57は連結部材31を後方へ移動する。段部31eと第二係合受部46の係合は解除する。第一係合部33cと第一係合受部45は係合する。図12、図13に示すように、糸切り部材30は縫製開始位置に切換わる。布押え26は下降位置に移動して加工布を押える。
穴かがりミシン1は、糸切り部材30が縫製開始位置に位置する状態から、穴かがり縫目95の縫製を開始する。本実施形態では、加工布に次の穴かがり縫目95を縫製する前に、ボタン穴形成機構(図示略)がボタン穴95b(図11参照)を形成する。
ボタン穴95bの形成後、糸切り部材30が上糸を保持して縫製開始位置(図12、図13参照)に位置する状態で、穴かがりミシン1は連動連結機構50を停止して縫製を行う。換言すると、糸切り部材30が前回の縫製動作時に切断した上糸の端部(つまり、縫針21から延びる上糸端部97)を後方下向きに保持した状態で、縫針21は縫製動作を開始する。
穴かがり縫目95の縫製開始直後、押え腕27の押動部(図示外)は第一係合部33cを押動して、可動部材33を前方へ移動する。例えば、第一針目の縫製が終了した場合、図14に示すように、糸切り部材30は加工布から延びる上糸端部97を後方上向きに保持する。ジグザグ縫目95aを一針ずつ形成する毎に、糸切り部材30が上糸端部97を後方上向きに保持しつつ、縫針21は上糸端部97を穴かがり縫目95のジグザグ縫目95aに縫い込む。換言すると縫針21は、布押え26の前方への移動に応じて、糸切り部材30から上糸端部97を引き出しながらジグザグ縫目95aに縫い込む。
図15、図16に示すように、穴かがり縫目95の縫製を開始してジグザグ縫目95aを数針形成すると、刃開閉機構40は可動部120を平面視で時計周り方向に回転する。可動刃125は固定刃105、板部110から徐々に離れる。可動刃125が板部110から離れると、補助案内部130の先端は板部110上から可動刃125上に移動する。糸切り部材30では、上糸端部97を保持していた板部110に代えて、補助案内部130が第一凹部128aの上方で上糸端部97が第一凹部128aから抜けるのを防ぐ。故に補助案内部130は、案内部128が上糸端部97を案内可能な状態に保持する。
縫針21は、上糸端部97を案内部128に沿って引き出す。上糸端部97は、可動刃125から縫針21側に向けて移動する。このとき、上糸端部97は、第一凹部128aに沿って縫目形成方向とは反対側(前側)に移動し、更に第二凹部128bに沿って下方に向けて移動する。つまり、上糸端部97は、ジグザグ縫目95aに対して真っ直ぐ後側(布送り方向)に延びた状態で、縫針21側に向けて移動する。縫針21は引き出した上糸端部97を、穴かがり縫目95の内側へ縫い込む。
布送り量が所定量(例えば、約5mm)に達した場合、第一係合部33cと第一係合受部45の係合は解除する。連結部材31は引張りコイルバネ38の付勢力によって左方へ移動する。第二係合部31dと第二係合受部46は係合する。これにより、図17、図18に示すように、糸切り部材30は縫製中位置に切換わる。
穴かがり縫目95の形成後、糸切り部材30が縫製中位置(図17、図18参照)に位置している状態から、連動板56は後方へ移動する。第二駆動系58は第一係合受部45と第二係合受部46を前方へ移動し、且つ、第一駆動系57は連結部材31を前方へ移動する。連動板56が更に後方へ移動し、連結部材31は第二駆動系58によって第一係合受部45と第二係合受部46を前方へ移動する。第二係合受部46は第二係合部31dの段部31eと係合し、連結部材31を切断位置に切換える。刃開閉機構40は、糸切り部材30を開状態から閉状態に変移して、固定刃105と可動刃125によって上糸を切断する。板部110は平面部127との間で、切断した上糸の上糸端部97を保持する。
このとき連動連結機構50は、下糸切断機構(図示略)を連動して下糸を切断し、押え昇降機構17を連動して布押え26を上昇位置に移動する。第二係合受部46は第二係合部31dの段部31eとの係合を解除し、連結部材31を退避位置に切換える。これにより、穴かがりミシン1は、本動作説明で最初に説明した元の状態に戻る。つまり、穴かがり縫目95の縫製終了時は、加工布を取り出し可能な状態になる。尚、穴かがり縫目95の形成途中又は形成後に、ボタン穴形成機構(図示略)はボタン穴95bを形成してもよい。
以上説明したように、本実施形態の穴かがりミシン1は、ベッド部10の加工布を移送する布送り機構16と、移送する加工布に穴かがり縫目を縫針21で縫製する縫目形成機構15と、穴かがり縫目の縫製後に上糸を切断して、上糸端部を保持する上糸保持機構18を備える。上糸保持機構18は、開状態及び閉状態に変移可能な糸切り部材30と、糸切り部材30が閉状態である場合に切断した上糸端部を保持する板部110と、糸切り部材30が開状態である場合に開放した上糸端部を穴かがり縫目に向けて案内する案内部128とを備える。糸切り部材30が穴かがり縫目の縫製開始後に閉状態から開状態に変移すると、板部110が開放した上糸端部は、案内部128によって穴かがり縫目に向かう。故に穴かがりミシン1は、上糸端部を穴かがり縫目に正確に縫い込むことができる。
糸切り部材30は、固定刃105と可動刃125を有する。案内部128は可動刃125に設けた、縫針21が縫製する穴かがり縫目に向けて延びる凹部である。故に案内部128は、簡易な構成及び省スペースで設けることができる。
案内部128は、可動刃125において固定刃105に対向する側面とは反対面に設けられた第一凹部128aを有する。故に案内部128は、上糸保持機構18の下方に位置する穴かがり縫目に向けて、上糸端部を可動刃125の上面に形成した凹部に沿って正確に案内できる。
案内部128は、第一凹部128aと、可動刃125において上糸端部を載置可能な平面部127に設けられた凹部である第二凹部128bを有する。故に案内部128は、上糸保持機構18の下方に位置する穴かがり縫目に向けて、上糸端部を可動刃125の上面及び側面に連続して形成した凹部に沿って正確に案内できる。
上糸保持機構18は、糸切り部材30が開状態である場合に、糸切り部材30が切断した上糸端部を、案内部128が案内可能な状態に保持する補助案内部130を備える。板部110が開放した上糸端部は、補助案内部130によって案内部128が案内可能な状態となる。故に案内部128は、上糸端部をより正確に穴かがり縫目に向けて案内できる。
上記実施形態において、布送り機構16は本発明の「移送機構」に相当する。縫目形成機構15は本発明の「縫製機構」に相当する。板部110は本発明の「糸保持部材」に相当する。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更が可能である。例えば、案内部128は、糸切り部材30が開状態である場合に、開放した上糸端部を穴かがり縫目に向けて案内可能な凹部であればよい。故に案内部128は、糸切り部材30が開状態である場合に、穴かがり縫目に向けて延びる溝部や切り欠きであってもよい。
案内部128は、可動刃125において固定刃105に対向する側面とは反対面(可動刃125の前面)と、上糸端部を載置可能な平面部127(可動刃125の上面)の、少なくとも一方に設ければよい。換言すると、案内部128は、第一凹部128aと第二凹部128bの少なくとも一方を備えればよい。
補助案内部130は、直線状の線バネに限定されず、例えば板バネであってもよい。線バネは直線状に限定されず、案内部128近傍が案内部128側に屈曲した形状でもよい。穴かがりミシン1は、構成を簡易にするために、補助案内部130を設けなくてもよい。該場合、板部110は案内穴114を備えなくてもよく、可動部120は一対の案内ピン124を備えなくてもよい。
1 穴かがりミシン
10 ベッド部
15 縫目形成機構
16 布送り機構
18 上糸保持機構
21 縫針
100 固定部
110 板部
105 固定刃
120 可動部
125 可動刃
127 平面部
128 案内部
128a 第一凹部
128b 第二凹部
130 補助案内部

Claims (5)

  1. ベッド部に載置された加工布を所定方向に移送する移送機構と、
    上糸が供給される縫針を上下移動させて、前記移送機構が移送する前記加工布に穴かがり縫目を縫製する縫製機構と、
    前記ベッド部の上方に設けられ、前記縫製機構による前記穴かがり縫目の縫製後に前記上糸を切断し、且つ切断した前記上糸の端部である上糸端部を、前記縫針に対して前記所定方向とは反対側で保持する上糸保持機構とを備えた穴かがりミシンであって、
    前記上糸保持機構は、
    前記穴かがり縫目の縫製時には開状態であり、前記穴かがり縫目の縫製後に前記開状態から閉状態に変移して前記上糸を切断する一対の刃である糸切り部材と、
    前記糸切り部材に設けられ、前記糸切り部材が前記閉状態である場合に、前記糸切り部材が切断した前記上糸端部を保持する糸保持部材と、
    前記糸切り部材に設けられた凹部であって、前記糸切り部材が前記開状態である場合に、前記糸保持部材が開放した前記上糸端部を、前記縫針が縫製する前記穴かがり縫目に向けて案内する案内部と
    を備えた穴かがりミシン。
  2. 前記糸切り部材は、固定刃と、前記固定刃に対して前記縫針側で前記固定刃との間で前記開状態と前記閉状態に変移可能な可動刃とを有し、
    前記案内部は、前記可動刃に設けられた、前記穴かがり縫目に向けて延びる前記凹部である請求項1に記載の穴かがりミシン。
  3. 前記案内部は、前記可動刃において前記固定刃に対向する側面とは反対面に設けられた凹部である請求項2に記載の穴かがりミシン。
  4. 前記案内部は、前記可動刃において前記固定刃に対向する側面とは反対面と、前記上糸端部を載置可能な上面とに連続して設けられた凹部である請求項2に記載の穴かがりミシン。
  5. 前記上糸保持機構は、前記糸切り部材が前記開状態である場合に、前記糸切り部材が切断した前記上糸端部を、前記案内部が案内可能な状態に保持する補助案内部を備えた請求項1から4のいずれかに記載の穴かがりミシン。
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