JP2013247250A - 導電性高分子のエッチング液、およびエッチング液を用いた導電性高分子パターンの形成方法。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水溶性の酸化剤と、水系溶媒と、特定の式で表されるフッ素系界面活性剤とを含むエッチング液は、導電性高分子に対して従来よりも短い時間でエッチングをすることができ、導電性高分子のパターニングの生産性を高めることができることを見出し、本発明を完成した。
【選択図】 図1
Description
この導電性高分子は、導電性、光の透過性、発光性、成膜後もフレキシブルであるという特徴をもっており、透明導電膜、電解コンデンサー、帯電防止剤、電池、及び有機EL素子等への応用が研究され、一部ではすでに実用化されている。導電性高分子を電子回路に組み込んで使用する場合、導電性高分子膜をパターニングする技術は重要な技術である。
本発明の導電性高分子用エッチング液は、水溶性の酸化剤と、特定のフッ素系界面活性剤、及び、水系溶媒を含むものである。
本発明の導電性高分子用エッチング液は、導電性高分子に接触することにより、当該接触部分の導電性高分子をエッチングすることができる。通常はレジスト膜を使用するフォトリソグラフ法により、導電性高分子の残したい部分をレジスト膜で保護した上で、除去したい部分にエッチング液を接触させることにより、特定部分の導電性高分子を除去し、望みの導電性高分子のパターンを得ることができる。
本発明のエッチング液に含まれるのは、式(1)および(2)から選択される少なくとも1つのフッ素系界面活性剤である。
Rf1SO3M (1)
(Rf2SO2)xNH(3-x) (2)
(上記式中のRf1およびRf2は、アルキル基のHの全部をFで置き換えた炭素数2〜5のフッ化炭素基であり、Mは水素、カリウム、リチウムおよびナトリウムから選択され、xは1または2である。)
本発明の導電性高分子用エッチング液に用いる水溶性の酸化剤としては、セリウム4価化合物,次亜塩素酸塩,過マンガン酸化合物,塩酸と硝酸の混合物,臭素酸,塩素酸,クロム6価化合物などを挙げることができ、これらの中から複数を併用することもできる。
この中でも、好ましいのはセリウム4価化合物または次亜塩素酸塩であり、セリウム4価化合物の具体例としては(NH4)2Ce(NO3)6、Ce(SO4)2、(NH4)4Ce(SO4)4が挙げられ、次亜塩素酸塩としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸カリウムなどを挙げることができる。塩素化イソシアヌル酸のように水に溶解して次亜塩素酸を発生する物質も次亜塩素酸塩と同様に使用できる。この中でより好ましいのは(NH4)2Ce(NO3)6、および次亜塩素酸ナトリウムであり、酸化力が強い点で(NH4)2Ce(NO3)6のほうがさらに好ましい。
前記安定剤としては、HNO3又はH2SO4が好ましく、HNO3がより好ましい。前記安定剤としてHNO3を用いる場合、その濃度は、エッチング液の全質量に対し、0.1%より多いことが好ましく、また、70%以下が好ましく、1.0〜60%であることがより好ましく、3.0〜20%であることが更に好ましい。 また、前記安定剤としてH2SO4を用いる場合、その濃度は、1.0%より多いことが好ましく、また、40%以下が好ましく、2.0〜30%であることがより好ましく、3〜20%であることが更に好ましい。HNO3又はH2SO4が上記範囲の濃度であると、エッチング液のエッチング能力の低下を防止することができる。
前記安定剤としては、HNO3又はH2SO4が好ましく、HNO3がより好ましい。前記安定剤としてHNO3を用いる場合、その濃度は、エッチング液の全質量に対し、0.1%より多いことが好ましく、また、70%以下が好ましく、1.0〜60%であることがより好ましく、3.0〜20%であることが更に好ましい。また、前記安定剤としてH2SO4を用いる場合、その濃度は、1.0%より多いことが好ましく、また、40%以下が好ましく、2.0〜30%であることがより好ましく、3〜20%であることが更に好ましい。HNO3又はH2SO4が上記範囲の濃度であると、エッチング液のエッチング能力の低下を防止することができる。
前記安定剤は、H2SO4が好ましい。前記安定剤としてH2SO4を用いた場合、その濃度は、1.0%より多いことが好ましく、また、40%以下が好ましく、2.0〜30%であることがより好ましく、3〜20%であることが更に好ましい。H2SO4が上記範囲の濃度であると、エッチング液のエッチング能力の低下を防止することができる。
次亜塩素酸塩は、水酸化アルカリ金属又は水酸化アルカリ土類金属に塩素を吸収させて製造する場合が多く、その場合、未反応の水酸化アルカリ金属又は水酸化アルカリ土類金属の影響でその水溶液は強アルカリ性を示す。
水溶性の酸化剤として、次亜塩素酸塩を用いる場合、エッチング液のpHを調整するため、酸を併用してもよい。併用する酸としては無機酸及び有機酸のいずれも使用することができる。具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、クエン酸等が好ましく例示でき、これらの中でも塩酸、硫酸および硝酸がより好ましく、硫酸および硝酸がさらに好ましい。
本発明の導電性高分子用エッチング液は、水系溶媒を含む。本発明に用いることができる水系溶媒は、エッチング処理に影響のない媒体であれば、特に制限はない。炭素数1〜3のアルコール、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、酢酸などの水と任意の割合で混合できるものおよび水そのものを水系溶媒と呼び、複数の水系溶媒を併用することもできる。好ましいのは酸化剤で分解されにくい炭酸エチレン、炭酸プロピレン、酢酸およびそれらの水溶液などであり、より好ましいのは水である。本発明のエッチング液は、水系溶媒を25%以上含有することが好ましく、50%以上含有することがより好ましい。
本発明の導電性高分子用エッチング液は、導電性高分子に対し優れたエッチング能力を有する。
導電性高分子は、π電子が移動して導電性を示す。このような導電性高分子は多数報告されている。
本発明に用いることができる導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフルオレン、ポリビチオフェン、ポリイソチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリイソチアナフテン、ポリイソナフトチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチアジル、ポリエチレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリドデシルチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェニレンスルフィド等やこれらの誘導体が例示できる。これらの中でも、ポリアニリン類、ポリピロール類又はポリチオフェン類が好ましく、ポリピロール類、又は、ポリチオフェン類がより好ましく、電気伝導度、空気中での安定性及び耐熱性に優れたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が最も好ましい。
また、本発明に用いることができる導電性高分子は、水系溶媒に不溶性のものであることが好ましい。
また、本発明に用いることができる導電性高分子は、可視光域における透過率が高いものが好ましい。なお、透過率は、波長550nmにおいて60〜98%であることが好ましく、70〜95%であることがより好ましく、80〜93%であることが更に好ましい。導電性高分子自体の透過率が上記範囲であると、ディスプレイ等の用途に好適に用いることができる。
ここで、本発明において、可視光域とは波長400〜700nmである。なお、透過率の測定は、分光光度計により測定することができる。
特許流通促進事業として特許流通支援チャートの平成13年度 化学6「有機導電性ポリマー」に記載されている導電性高分子にも同様に本発明を応用して導電性高分子パターンを得ることができる。
本発明の導電性高分子のパターニング方法(以下、単に「本発明のパターニング方法」ともいう。)は、本発明の導電性高分子用エッチング液を用いて行う方法であり、本発明の導電性高分子用エッチング液を導電性高分子に接触させることにより、当該接触部分をエッチングすることができる。 本発明の導電性高分子のパターニング方法によりエッチングする導電性高分子の形状は、特に制限はなく、任意の形状であればよいが、膜状であることが好ましい。
また、本発明の導電性高分子のパターニング方法は、基材上に導電性高分子の膜を形成する成膜工程、前記膜において導電性高分子を除去したい領域に本発明の導電性高分子用エッチング液を選択的に接触させる工程、前記導電性高分子用エッチング液により前記の除去したい領域の導電性高分子をエッチングするエッチング工程、並びに、残存する導電性高分子用エッチング液及び導電性高分子のエッチング残渣を基板上から除去する除去工程を含むことが好ましい。
本発明の導電性高分子のパターニング方法は、基材上に導電性高分子の膜を形成する成膜工程を含むことが好ましい。
基材としては、特に制限はなく、使用用途に応じて選択することができ、具体的には、ガラス、石英、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等)、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)、ポリイミド、ポリアクリレート、メタクリレート等が挙げられる。
前記成膜工程における導電性高分子の膜の厚さとしては、特に制限はなく、所望の厚さであればよいが、1nm〜100μmであることが好ましく、2nm〜1μmであることがより好ましく、5nm〜500nmであることがさらに好ましい。
前記成膜工程における導電性高分子としては、前述したものを好適に用いることができる。
前記成膜工程における基材上に導電性高分子の膜を形成する方法としては、特に制限はなく、公知の方法により形成すればよい。具体的には、導電性高分子の溶液を基材上にスピンコートやディップコートし、乾燥させる方法などが例示できる。
基材と導電性高分子の膜との間には、必要に応じ、他の層を有していてもよい。また、前記印刷工程の前に、導電性高分子の膜上に、必要に応じ、他の層を形成してもよい。
基材上に形成する導電性高分子の膜は、一様な膜であっても、一部が既に本発明のパターニング方法又は他の方法によりパターニングされた膜であってもよい。
本発明の導電性高分子のパターニング方法は、前記導電性高分子用エッチング液により前記除去する領域の導電性高分子をエッチングするエッチング工程を含むことが好ましい。
前期の除去する領域に選択的にエッチング液を接触することがパターニング方法として必須であり、その方法としては液体レジストを使用する方法、レジストインクを使用する方法、エッチング液をインク化し印刷する方法があり、本発明のエッチング液はすべての方法に適用可能である。
前記エッチング工程における経過時間(エッチング時間)は、特に制限はなく、エッチング液の組成、導電性高分子の材質や膜の厚さ、エッチングを行う温度、エッチングを行う深さ等に応じ、適宜選択することができる。
また、エッチング工程において、前記除去する領域の導電性高分子の除去は、必要に応じ、膜を貫通させ完全にエッチングする態様であっても、膜を貫通させず前記除去する領域の一部のみをエッチングする態様であってもよい。
また、前記エッチング工程においては、前記導電性高分子の膜を有する基材を静置しておいてもよいし、搬送等、エッチングに大きな影響がない範囲で前記導電性高分子の膜を有する基材を動かしていてもよい。
本発明の導電性高分子のパターニング方法は、残存する導電性高分子用エッチング液及び導電性高分子のエッチング残渣を基板上より除去する除去工程を含むことが好ましい。前記導電性高分子のエッチング残渣としては、例えば、本発明のエッチング液による導電性高分子の分解物や、エッチングにより生じた導電性高分子の微粉などが挙げられる。また、前記除去工程においては、残存する導電性高分子用エッチング液及び導電性高分子のエッチング残渣だけでなく、不要なエッチング残渣を除去してもよいことは言うまでもない。
前記除去工程においては、簡便性やコストの観点から、水洗により、残存する導電性高分子用エッチング液及び導電性高分子のエッチング残渣を除去することが好ましい。
水洗方法としては、特に制限はなく、パターニングされた導電性高分子を有する基材を流水により洗浄する方法や、パターニングされた導電性高分子の膜を有する基材を水に浸漬する方法が好ましく例示できる。
また、前記除去工程において水洗を行った場合は、本発明の導電性高分子のパターニング方法は、前記除去工程の後に、パターニングされた導電性高分子の膜を乾燥させる工程を含むことが好ましい。
前記乾燥方法としては、特に制限はなく、熱による乾燥、風乾、温風による乾燥等、公知の方法を用いることができる。
例えば、本発明の導電性高分子のパターニング方法を行った後、又は、行う前に、本発明以外の他のパターニング方法によりパターニングを行ってもよく、また、本発明の導電性高分子のパターニング方法を2回以上行ってもよい。
また、本発明の導電性高分子のパターニング方法においては、必要に応じ、本発明の導電性高分子用エッチング液を2種以上使用してもよい。
エッチング液による酸化等によって、導電性高分子が除去されたあとの基板表面が変色することがあるが、タッチパネルやディスプレイ用途など、外観が重要となる用途ではこのような着色が問題となることがある。特に着色が目立つのが、パターンの境目である。そこで、パターンの境目を挟んでエッチングされて基板が露出した部分と導電性高分子が残った部分との比較で色差を測定して着色を定量的に評価することができる。これを本発明ではパターンの境目の色差と呼び、評価には、例えばCIE1976による(L*,a*,b*)色空間を用いた色差ΔE*abの数字を用いることができ、ΔE*abが0〜0.5の場合は、きわめてわずかに異なる(trace)、0.5〜1.5の場合はわずかに異なる(slight)、1.5〜3.0の場合は感知し得るほどに異なる(noticiable)という表現に対応すると言われている。色差の値が小さければ外観上パターンの境目が感知されず、美観を損ねることがないので好ましいから、エッチング後の色差が0〜1.5であることが好ましく、さらに好ましくは0〜0.5である。
ΔE*ab=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2 (4)
したがって、高分子有機ELディスプレイに代表されるディスプレイの表示画素部分の導電性高分子及び周辺回路と導電性高分子の接続部分のパターニング、タッチパネルの検出部分の導電性高分子及び周辺回路と導電性高分子の接続部分のパターニング、コンデンサー製造時に不要部分に付着した導電性高分子の除去などといったエッチングの必要な用途において導電性高分子の利用を促進することが期待できる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)シートの表面に導電性高分子としてクレビオスFE(商品名、ヘレウス(株)製、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)含有)を用いて50nm程度の薄膜を作製したものをテスト基板(D)とした。液体レジストとして、製品名クリアイマージュTRP‐101(東亞合成(株)製)を、スピンコーターを用いてテスト基板(D)に塗布しクリーンオーブンで90℃15分間加熱し、テスト基板(D1)を得た。レジストを製膜した前述のテスト基板(D1)に、型枠式真空露光機を用いてマスターパターンを密着させながら紫外線を照射して露光し、テスト基板(D2)を得た。水酸化カリウムを含む現像液製品名クリアイマージュTRP‐D−101(東亞合成(株)製)を10倍に希釈し、20℃に調節しながら露光済みのテスト基板(D2)を浸漬して現像し、現像済みのテスト基板(D3)を得た。
実施例1のテスト基板Dの代わりに、PETフィルム上にポリピロール系導電性高分子の薄膜を有する複合シート(アキレス(株)製ST−PETシート(ST−9))を基板Dと同じ大きさに切り、基板Eとした。基板Eについて、実施例1の基板D1〜基板D3に対応する工程を経て現像済みのテスト基板(E3)を得た。E3を水洗後、2.5質量部の(NH4)2Ce(NO3)6と、HNO3として3質量部となる硝酸と、1質量部の界面活性剤Aとを、全体で100質量部となるように脱イオン水に溶かして調製したエッチング液CAN2.5A1(液温30℃)に浸漬してエッチングを行い、テスト基板(E4)を得た。なお、このエッチングは、時間を変えて最長30分間行った。レジスト剥離液製品名クリアイマージュTRP‐S−001(東亞合成(株)製)を25℃に調節しながら、エッチング済みのテスト基板(E4)を1分間浸漬しレジストを剥離し、テスト基板(E5)を得た。レジストを剥離したテスト基板(E5)を水洗し、エアーを吹き付けてテスト基板を乾燥した。その他は実施例1と同じにしてジャストエッチ時間および色差を測定し、結果を表2に記載した。
実施例1の現像済みのテスト基板(D3)と同じものを水洗後、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液であるエッチング液HPC2.4C1に浸漬してエッチングを行った(基板F4と呼ぶ)。エッチング液HPC2.4C1は次亜塩素酸ナトリウム水溶液(東亞合成(株)製 商品名アロンクリン)中の有効塩素濃度をあらかじめ測定しておき、有効塩素濃度が2.4%になるように脱イオン水で希釈したものであり、界面活性剤Cをエッチング液全体の1%含む。次亜塩素酸ナトリウムの水溶液の有効塩素濃度および水酸化ナトリウム濃度の実測値は表3に記載した通りである。なお、このエッチングは、時間を変えて最長30分間まで行った。
レジスト剥離液製品名クリアイマージュTRP‐S−001(東亞合成(株)製)を25℃に調節しながら、エッチング済みのテスト基板(F4)を1分間浸漬しレジストを剥離し、レジスト剥離基板(F5)を得た。レジストを剥離したテスト基板(F5)を水洗し、エアーを吹き付けてテスト基板を乾燥した。
実施例7と同じテスト基板(E)を用い、エッチング液CAN2.5A1の代わりにエッチング液HPC1.2C0.5を用いた他は実施例7と同じにしてジャストエッチ時間と色差を測定して結果を表3に記載した。エッチング液HPC1.2C0.5は次亜塩素酸ナトリウム水溶液(東亞合成(株)製 商品名アロンクリン)中の有効塩素濃度をあらかじめ測定しておき、有効塩素濃度が1.2%になるように脱イオン水で希釈したものであり界面活性剤Cをエッチング液全体の0.5%含む。次亜塩素酸ナトリウムの水溶液の有効塩素濃度および水酸化ナトリウム濃度の実測値は表3に記載した通りである。なおレジストに覆われていた導電性高分子の表面は、エッチングによる変化が認められなかった。また、エッチングによる基板の変化も認められなかった。
比較例1では、エッチング液CAN5A1の界面活性剤Aをなくしたエッチング液CAN5Nを用いた他は、実施例1と同じにしてジャストエッチ時間と色差を測定し、結果を表2に記載した。エッチング液CAN5Nは、5質量部の(NH4)2Ce(NO3)6とHNO3として6質量部となる硝酸とを、全体で100質量部となるように脱イオン水に溶かして調製し、界面活性剤は加えなかったものである。
比較例2では、エッチング液CAN2.5A1の界面活性剤Aをなくしたエッチング液CAN2.5Nを用いた他は、実施例7と同じにしてジャストエッチ時間と色差を測定し、結果を表2に記載した。エッチング液CAN2.5Nは、2.5質量部の(NH4)2Ce(NO3)6とHNO3として3質量部となる硝酸とを、全体で100質量部となるように脱イオン水に溶かして調製し、界面活性剤は加えなかったものである。
比較例3では、エッチング液CAN5A1の界面活性剤Aを界面活性剤Dに変更したエッチング液CAN5D1を用いた他は、実施例1と同じにしてジャストエッチ時間と色差を測定し、結果を表2に記載した。
比較例4では、エッチング液CAN2.5A1の界面活性剤Aを界面活性剤Dに変更したエッチング液CAN2.5D1を用いた他は、実施例7と同じにしてジャストエッチ時間と色差を測定し、結果を表3に記載した。
比較例5では、エッチング液HPC2.4C1の界面活性剤Cをなくしたエッチング液HPC2.4Nを用いた他は、実施例8と同じにしてジャストエッチ時間と色差を測定し、結果を表3に記載した。
比較例6では、エッチング液HPC1.2C0.5の界面活性剤Cをなくしたエッチング液HPC1.2Nを用いた他は、実施例9と同じにしてジャストエッチ時間を測定し、結果を表3に記載した。
比較例7では、エッチング液HPC2.4C1の界面活性剤Cを界面活性剤Dに変更したエッチング液HPC2.4D1を用いた他は、実施例8と同じにしてジャストエッチ時間を測定し、結果を表3に記載した。
比較例8では、エッチング液HPC1.2C0.5の界面活性剤Cを界面活性剤Dに変更したエッチング液HPC1.2D1を用いた他は、実施例9と同じにしてジャストエッチ時間を測定し、結果を表3に記載した。
B:基板に導電性高分子膜を取付けた概念図
C:導電性高分子膜の上にレジストを塗布したものの概念図
D:マスクパターンに従ってレジスト膜に部分露光した概念図
E:露光したレジストを除去した後の概念図
F:導電性高分子膜をエッチングした後の概念図
G:レジストを除去して導電性高分子パターンが完成した概念図
1:基板
2:導電性高分子膜
3:レジスト
4:露光したレジスト
Claims (7)
- 水溶性の酸化剤と、水系溶媒と、式(1)および(2)から選択される少なくとも1つのフッ素系界面活性剤とを含む、導電性高分子用エッチング液。
Rf1SO3M (1)
(Rf2SO2)xNH(3-x) (2)
(上記式中のRf1およびRf2は、アルキル基のHの全部をFで置き換えた炭素数2〜5のフッ化炭素基であり、Mは水素、カリウム、リチウム、ナトリウム、またはアンモニウムイオンであり、xは1または2である。) - フッ素系界面活性剤が、エッチング液全体の0.01〜5質量%である、請求項1に記載の導電性高分子用のエッチング液。
- 水溶性の酸化剤が、セリウム4価化合物,次亜塩素酸塩,過マンガン酸化合物,塩酸と硝酸の混合物,臭素酸,塩素酸,クロム4価化合物からなる群の中から選択される少なくとも一つである、請求項1または2に記載の導電性高分子用エッチング液。
- 水溶性の酸化剤が、(NH4)2Ce(NO3)6、Ce(SO4)2、(NH4)4Ce(SO4)4、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウムおよび次亜塩素酸カルシウムの中から選択される少なくとも一つである、請求項3に記載の導電性高分子用エッチング液。
- ポリアセチレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリフェニレン類、ポリチエニレンビニレン類、ポリフルオレン類、ポリアセン類、ポリアニリン類、ポリピロール類又はポリチオフェン類から選択される導電性高分子の膜に、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性高分子用エッチング液を接触させてエッチングを行う、導電性高分子パターンの形成方法。
- ポリチオフェン類からなる膜厚10nm〜1μmの導電性高分子膜に、導電性高分子用エッチング液を接触させて、1分間以内でエッチングを行う、請求項5に記載の導電性高分子パターンの形成方法。
- 請求項5または6に記載の方法で形成された、パターンの境目の色差がΔE*ab値で0〜1.5の間である、導電性高分子パターンを有する基板。
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