JP2005306927A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光線反射性、光線隠蔽性、表面外観、剛性、折曲強度、並びに溶融安定性に優れた難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体の提供。
【解決手段】 芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)100重量部に対して、珪酸塩化合物(B)0.1〜50重量部、有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体(C)0.001〜5重量部、酸化チタン(D)1〜50重量部、有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩(E)0.001〜1重量部、フルオロポリマー(F)0.01〜1重量部を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光線反射性、光線隠蔽性、表面外観、剛性、折曲強度、並びに溶融安定性に優れた難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体に関する。更に詳しくは、薄肉の成形体とした場合においてもこれらの特性に優れ、とりわけ反射板用成形品の用途に好適な難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体に関する。
芳香族ポリカーボネートは耐衝撃性などの機械的特性に優れ、しかも耐熱性にも優れた樹脂材料であることから、コンピューター、ノートブックパソコン、プリンター、ワープロ、コピー機、プロジェクターなどのOA機器ハウジングや、液晶ディスプレイ用のバックライトユニット部品などに広く利用されている。
近年、これらの製品においては小型化と軽量化を目的とした薄肉設計が要求されている。薄肉設計とする場合、製品の剛性を高めるために該製品に使用される樹脂組成物の剛性の向上が要求される。
従来、芳香族ポリカーボネート材料の剛性を改良するには、ガラス繊維、タルク、マイカ、ワラストナイト等をポリカーボネートに配合する方法が広く用いられてきた。しかしながら、芳香族ポリカーボネートに対して、種々の強化材および/または充填材を配合する場合、特にタルクやマイカなどの塩基性の無機化合物を配合する場合においては、芳香族ポリカーボネートの溶融安定性が大きく損なわれ、このために製品の機械的強度が大きく低下するという問題があった。
また、薄肉設計の場合では、製品肉厚が小さいため、しばしば光線隠蔽性や光線反射性が不足する問題が発生する。例えば、液晶ディスプレイ用のバックライト反射板のような製品に対しては、バックライトを損失なく反射させることが要求されるが、薄肉設計とした場合、光線隠蔽性が不十分であるとバックライトが洩れやすくなり、光線反射性が低下するという問題がある。そのため、該製品に使用される樹脂組成物に対しては、十分な光線隠蔽性と光線反射性が同時に要求される。
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の光線隠蔽性と光線反射性を改良するには、酸化チタン等の着色剤を配合する方法が一般的であり、最近の例では、特許文献1〜4等を挙げることができる。しかしながら、光線隠蔽性と光線反射性の向上を酸化チタンの配合のみで達成しようとする従来方法では、十分な光線隠蔽性と光線反射性を付与するには、多量の酸化チタンを芳香族ポリカーボネートに配合する必要があった。また、多量の酸化チタンの配合により、芳香族ポリカーボネートの溶融安定性が大きく低下し、芳香族ポリカーボネートの分子量が低下するのみならず、成形加工時にシルバーが発生し外観不良となりやすいという問題があった。さらには、多量の酸化チタンの配合により、成形体が非常に脆くなり、製品としての十分な強度を維持することが困難となり、特に薄肉の成形体の場合では成形体の折曲強度が大きく低下するために、製品の組み立てや輸送の際に成形体が壊れやすいという問題があった。
一方、OA機器や電気・電子機器用として使用される芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では高度な難燃性が同時に求められることが多く、最近では、環境に対する配慮から、臭素系難燃剤あるいはリン系難燃剤を使用しない難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が求められている。
しかしながら、酸化チタンを多く含む芳香族ポリカーボネートに対して、臭素系難燃剤あるいはリン系難燃剤を使用することなく、薄肉の成形体とした場合でも高度な難燃性を有する材料はこれまで得られていなかった。
特開2003−183491号公報 特開2003−213114号公報 特開2003−213144号公報 特開2003−226805号公報
本発明の課題は、光線反射性、光線隠蔽性、表面外観、剛性、折曲強度、並びに溶融安定性に優れた難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体を提供すること、更に詳しくは、薄肉の成形体とした場合においてもこれらの特性に優れ、とりわけ反射板用成形品の用途に好適な難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、芳香族ポリカーボネートに対して、珪酸塩化合物と、有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体を所定の使用量で配合し、さらに酸化チタンを配合することにより、樹脂組成物の溶融安定性、光線隠蔽性、および光線反射性が飛躍的に向上し、同時に優れた外観と折曲強度を有する樹脂組成物が得られるという驚くべき事実を見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記[1]〜[9]である。
[1]芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)100重量部に対して、珪酸塩化合物(B)0.1〜50重量部、有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体(C)0.001〜5重量部、酸化チタン(D)1〜50重量部、有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩(E)0.001〜1重量部、フルオロポリマー(F)0.01〜1重量部を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[2]該有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体(C)の重量部数が、該珪酸塩化合物(B)と該成分(C)の混合物をJIS K5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が4〜8の範囲となる重量部数であることを特徴とする前記[1]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[3]該珪酸塩化合物(B)が、タルク、マイカ、ワラストナイト、からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする前記[1]、[2]に記載の芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。
[4]該珪酸塩化合物(B)が、タルクおよび/またはマイカであることを特徴とする前記[1]、[2]に記載の芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。
[5]該有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体(C)が、有機スルホン酸化合物および/または有機スルホン酸化合物誘導体であることを特徴とする前記[1]〜[4]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[6]該酸化チタン(D)が、アルミナおよび/またはシリカで表面処理された酸化チタンであることを特徴する前記[1]〜[5]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[7]該酸化チタン(D)が、アルミナおよび/またはシリカで表面処理された後、有機シロキサン化合物で表面処理された酸化チタンであることを特徴とする前記[1]〜[6]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[8]該酸化チタン(D)が、1次平均粒径0.1〜0.3μmである前記[1]〜[7]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[9]前記[1]〜[8]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
[10]前記[1]〜[8]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる反射板用成形品。
[11]バックライト用反射板であることを特徴とする前記[10]に記載の反射板用成形品。
本発明の芳香族ポリカーボネート脂組成物および成形体は、光線反射性、光線隠蔽性、表面外観、剛性、折曲強度、並びに溶融安定性に優れた難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体であり、更に詳しくは、薄肉の成形体とした場合においてもこれらの特性に優れ、とりわけ反射板用成形品の用途に好適な難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、および成形体であり、工業的に極めて有用である。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明において成分(A)は、芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂である。
ここで、芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂とは、成分(A)の総量を100重量部とした場合に、成分(A)の50重量部を超える成分が芳香族ポリカーボネートであり、残りの樹脂成分が芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂であるものを示す。
本発明の成分(A)として好ましく用いられる芳香族ポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物より誘導される芳香族ポリカーボネートであり、芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド等のジヒドロキシアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホキシド等のジヒドロキシアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホン等のジヒドロキシアリールスルホン類、等を挙げることができる。
これらの中で、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA)が特に好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の成分(A)として好ましく用いられる芳香族ポリカーボネートは、公知の方法で製造したものを使用することができる。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応せしめる公知の方法、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(例えばホスゲン)を水酸化ナトリウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(例えばホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(例えばジフェニルカーボネート)などを反応させるエステル交換法(溶融法)、ホスゲン法または溶融法で得られた結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合する方法(特開平1−158033号公報(米国特許第4,948,871号に対応)、特開平1−271426号公報、特開平3−68627号公報(米国特許第5,204,377号に対応)参照)などの方法により製造されたものを用いることができる。
本発明の成分(A)として使用される芳香族ポリカーボネートとして特に好ましいものは、二価フェノール(芳香族ジヒドロキシ化合物)と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造された実質的に塩素原子を含まない芳香族ポリカーボネートである。
前記芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)は、通常、5,000〜500,000であり、好ましくは10,000〜100,000であり、より好ましくは13,000〜50,000、特に好ましくは15,000〜30,000、とりわけ好ましくは17,000〜25,000である。
本発明において、芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行うことができ、測定条件は以下の通りである。すなわち、テトラヒドロフランを溶媒として、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求められる。
pc=0.3591Mps 0388
(Mpcは芳香族ポリカーボネートの分子量、Mpsはポリスチレンの分子量)
また、本発明の(A)として使用される芳香族ポリカーボネートは、分子量が異なる2種以上の芳香族ポリカーボネートを組み合わせて使用することも好ましい実施態様である。例えば、Mwが通常14,000〜16,000の範囲にある光学ディスク用材料の芳香族ポリカーボネートと、Mwが通常20,000〜50,000の範囲にある射出成形用あるいは押出成形用の芳香族ポリカーボネートを組み合わせて使用することもできる。
前記芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂において、好ましく使用することができる芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリルースチレン樹脂(AS樹脂)、ブチルアクリレートーアクリロニトリルースチレン樹脂(BAAS樹脂)、アクリロニトリルーブタジエンースチレン樹脂(ABS樹脂)、メチルメタクリレートーブタジエンースチレン樹脂(MBS樹脂)、ブチルアクリレートーアクリロニトリルースチレン樹脂(AAS樹脂)、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート、等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。特にAS樹脂、BAAS樹脂は流動性を向上させるのに好ましく、ABS樹脂、MBS樹脂は耐衝撃性を向上させるのに好ましく、また、ポリエステル樹脂は耐薬品性を向上させるのに好ましい。
前記ポリカーボネートを主体とする樹脂において、芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂の使用量は、成分(A)の総量100重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。
本発明で用いられる成分(B)は珪酸塩化合物であり、金属酸化物成分とSiO成分とからなる珪酸塩化合物である。成分(B)として使用することができる珪酸塩化合物は、その珪酸イオンの形態として、オルトシリケート、ジシリケート、環状シリケート、鎖状シリケート、層状シリケート、等のいずれの形態であってもよい。
前記「珪酸塩化合物」は、複合酸化物、酸素酸塩、固溶体、のいずれの化合物でもよく、更に複合酸化物は単一酸化物の2種以上の組合せ、および単一酸化物と酸素酸塩との2種以上の組合せ、のいずれであってもよく、更に固溶体は2種以上の金属酸化物の固溶体、2種以上の酸素酸塩の固溶体、のいずれであってもよい。
また、前記「珪酸塩化合物」は水和物であってもよい。水和物における結晶水の形態はSi?OHとして水素珪酸イオンとして含まれるもの、金属陽イオンに対して水酸イオン(OH−)としてイオン的に含まれるもの、構造の隙間に水分子として含まれるもの、のいずれであってもよい。
また、前記「珪酸塩化合物」は、天然物および人工合成物のいずれも使用することができる。人工合成物としては、従来公知の各種の方法、例えば固体反応、水熱反応、および超高圧反応などを利用した各種の合成法、から得られた珪酸塩化合物が利用できる。
本発明の成分(B)として特に好ましく使用される珪酸塩化合物は、その組成が実質的に下記式(1)で示されるものである。
xMO・ySiO・zHO (1)
(ここでxおよびyは自然数を表し、zは0以上の整数を表し、MOは金属酸化物成分を表し、複数の金属酸化物成分であってもよい。)
上記金属酸化物MOにおける金属Mは、カリウム、ナトリウム、リチウム、バリウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、鉄、コバルト、マグネシウム、ジルコニウム、アルミニウム、チタンなどを挙げることが出来る。
金属酸化物MOとして好ましいものは、CaO、またはMgOのいずれかを実質的に含むものである。更に好ましいものは金属酸化物MOが、CaOおよびMgOから選択される少なくとも1種の成分から実質的になる場合であり、特に好ましいものはMgOから実質的になる場合である。
本発明の成分(B)として好ましく使用される珪酸塩化合物の具体例としては、タルク、マイカ、ワラストナイト、ゾノトライト、カオリンクレー、モンモリロナイト、ベントナイト、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ローソナイト、スメクタイト、等を挙げることができる。
また、前記「珪酸塩化合物」は、任意の形状(板状、針状、粒状、繊維状等)のものが使用できるが、板状、針状のものが好ましく、中でも特に、板状の形態であるものが本発明の成分(B)として最も好ましく使用できる。
ここで板状の形態とは、平均粒子径を(a)、厚みを(c)とした場合に、a/c比が5〜500、好ましくは10〜300、更に好ましくは20〜200である形状のものである。
また、針状の形態とは、長軸方向の平均粒子径を(a)、単軸方向の平均粒子径を(c)とした場合に、a/c比が5〜500、好ましくは10〜300、更に好ましくは20〜200である形状のものである。
本発明において、成分(B)の平均粒子径は、0.001〜500μmが好ましく、0.01〜100μmがより好ましく、0.1〜50μmが更に好ましく、0.5〜30μmが特に好ましく、1〜20μmが最も好ましい。
尚、本発明でいう平均粒子径は、成分(B)のおよその粒子径の分布範囲により、以下の方法を用いて測定する。
成分(B)の粒子径がおよそ0.001〜0.1μmの範囲に分布する場合は、透過型電子顕微鏡の観察写真を撮影し、100個以上の粒子に対して粒子の面積Sを求め、Sを用いて(4S/ π)を各粒子の粒子径として求め、数平均粒子径を求める。
成分(B)の粒子径がおよそ0.1〜300μmの範囲に分布する場合は、レーザー回折法により(例えば、島津製作所製SALD−2000を使用して)平均粒子径を求める。
本発明の成分(B)として使用することができる珪酸塩化合物の中でも、特に好ましいものは、タルク、およびマイカである。
本発明の成分(B)として、特に好ましく使用できるタルクとは、層状構造を持つ含水ケイ酸マグネシウムであり、化学式4SiO・3MgO・HOで表され、通常、SiO 約63重量%、MgO 約32重量%、HO 約5重量%、その他Fe、CaO、Alなどを含有しており、比重は約2.7である。
また、本発明の成分(B)として、特に好ましく使用できるタルクとして、焼成タルクや、塩酸や硫酸等の酸で洗浄して不純物を除いたタルク、等も好ましく使用することができる。さらに、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等で表面疎水性処理を行ったタルクも使用することができる。
一方、本発明の成分(B)として、特に好ましく使用できるマイカとは、アルミニウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄、等を含んだケイ酸塩鉱物の粉砕物である。マイカには白雲母(マスコバイト、化学式:K(AlSi10)(OH)Al(OH)(AlSi10)K)、金雲母(フロゴパイト、化学式:K(AlSi10)(OH)Mg(OH)(AlSi10)K)、黒雲母(バイオタイト、化学式:K(AlSi10)(OH)(Mg,Fe)(OH)(AlSi10)K)、人造雲母(フッ素金雲母、化学式:K(AlSi10)(OH)Mg(AlSi10)K)等があり、本発明のマイカとしてはいずれのマイカも使用できるが、好ましくは白雲母である。
また、かかるマイカはシランカップリング剤やチタネートカップリング剤等で表面疎水性処理されていてもよい。
本発明において成分(B)の使用量は、成分(A)100重量部に対して0.1〜50重量部であり、0.5〜30重量部が好ましく、1〜25重量部がより好ましく、3〜20重量部が更に好ましく、5〜15重量部が特に好ましい。
成分(B)の使用量が50重量部を超える場合は溶融安定性が低下し、また製品の外観や機械的物性の低下が大きく、一方、0.1重量部未満の場合は難燃性が低下する傾向にある。
本発明で用いられる成分(C)は、有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体である。
本発明で用いられる成分(C)は、具体的には、有機酸及び/または有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩、有機酸アンモニウム塩から選ばれる有機酸誘導体を挙げることができる。
本発明では成分(B)と成分(C)を組み合わせて使用することが極めて重要であり、成分(C)を使用することにより、光線反射性、光線隠蔽性のみならず、樹脂組成物の難燃性や溶融安定性を飛躍的に向上させることができる。
更に使用する芳香族ポリカーボネートの分子量を小さくして溶融流動性を向上させた場合においても、従来では達成できない良好な製品の折曲強度を獲得することができる。
また本発明では、成分(B)に対する成分(C)の使用量も極めて重要であり、成分(B)に対して成分(C)が少なすぎても過剰であっても、本発明の優れた効果、すなわち、高度な難燃性や優れた溶融安定性を得ることが困難となる。
前記「有機酸」とは、−SOH基、−COOH基、−POH基からなる群から選ばれる基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物、すなわち、有機スルホン酸、有機カルボン酸、有機リン酸である。本発明ではこれらの中でも有機スルホン酸、有機カルボン酸が好ましく、特に、有機スルホン酸が好ましい。
また、前記「有機酸誘導体」とは、前記有機酸から誘導される有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩、有機酸アンモニウム塩を表す。
前記「有機酸及び/または有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩、有機酸アンモニウム塩から選ばれる有機酸誘導体(C)」は、低分子化合物のみならず、オリゴマー状あるいはポリマー状のものを使用することができる。
本発明において、成分(C)は二種以上を併用することもできる。
本発明の成分(C)として、特に、有機スルホン酸及び/または有機スルホン酸エステル、有機スルホン酸ホスホニウム塩、有機スルホン酸アンモニウム塩から選ばれる有機スルホン酸誘導体、有機カルボン酸を好ましく使用することができる。
中でも、成分(C)として有機スルホン酸、有機スルホン酸エステルを使用する場合は、樹脂組成物の溶融安定性が特に優れており、揮発成分の発生も低レベルに抑えることができるために、広い温度範囲で成形加工が行えると共に、成形品の外観にも極めて優れる。
本発明の成分(C)として、好ましく使用することができる有機スルホン酸として、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸、ジイソブチルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、等の芳香族スルホン酸、炭素数8〜18の脂肪族スルホン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル・スルホン化スチレン共重合体等のポリマーまたはオリゴマー状の有機スルホン酸、等を挙げることができる。
また、本発明の成分(C)として使用することができる有機スルホン酸エステルとして、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸プロピル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸プロピル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、ナフタレンスルホン酸メチル、ナフタレンスルホン酸エチル、ナフタレンスルホン酸プロピル、ナフタレンスルホン酸ブチル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−ブチル、等を挙げることができる。
また、本発明の成分(C)として使用することができる有機スルホン酸ホスホニウム塩として、オクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、等を挙げることができる。
また、本発明の成分(C)として使用することができる有機スルホン酸アンモニウム塩として、デシルアンモニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、等を挙げることができる。
さらに、本発明において、成分(C)として好ましく使用される有機スルホン酸は、分子構造中に−SOH基の他に、−OH基、−NH基、−COOH基、ハロゲン基、等を含む有機スルホン酸化合物であってもよく、例えば、ナフトールスルホン酸、スルファミル酸、ナフチルアミンスルホン酸、スルホ安息香酸、全置換もしくは部分置換のクロル基含有有機スルホン酸、全置換もしくは部分置換のフルオロ基含有有機スルホン酸、等を挙げることができる。
本発明において用いられる成分(C)として、芳香族スルホン酸化合物が特に好ましく、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、等は最も好ましい例として挙げることができる。
本発明において有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体(C)の使用量は、
成分(A)100重量部に対して0.001〜5重量部の範囲であり、好ましくは0.01〜3重量部、より好ましくは0.05〜2重量部、特に好ましくは0.1〜1重量部である。成分(C)の使用量が0.001重量部未満の場合では溶融安定性の改良効果が不十分であり、一方、5重量部を超える場合は樹脂組成物の溶融安定性が低下する傾向にある。
本発明の組成物における成分(C)の使用量(重量部数)は、前記成分(B)と該成分(C)の混合物をJIS K5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が4〜8の範囲となる重量部数であることが特に好ましい。
すなわち、本発明における成分(C)の最適な使用量は、成分(B)の種類や形状や量、あるいは成分(C)の種類によって変化する。
成分(C)の使用量は、成分(B)と成分(C)の混合物をJIS K5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が4.2〜7.8の範囲となる重量部数である場合がより好ましく、4.5〜7.6の範囲となる重量部数である場合がさらに好ましく、5.0〜7.4の範囲となる重量部数である場合が特に好ましく、5.5〜7.2の範囲となる重量部数である場合が最も好ましい。
本発明にかかわるJIS K5105のpH値の測定では、操作方法として煮沸法と常温法があるが、本発明では煮沸法を用いる。
また、本発明における成分(B)と成分(C)の混合物のpH値の測定では、成分(C)の水に対する溶解度が低い場合は、エタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール類を懸濁液の分散媒として使用する。
本発明で用いられる成分(D)は酸化チタンであり、特に好ましくは二酸化チタンである。酸化チタンの1次粒径は好ましくは0.05〜0.5μmであり、より好ましくは0.1〜0.4μmであり、さらに好ましくは0.15〜0.3μmである。
本発明で使用される酸化チタンは、本発明の目的を損なわない範囲で表面処理されていることが好ましい。表面処理剤としてはアルミナ、および/またはシリカなどの含水酸化物、トリエタノールアミンなどのアミン化合物、トリメチロールエタンなでのポリオール化合物等で表面処理されているものが好ましく、中でもアルミナ、および/またはシリカなどの含水酸化物で処理されたものが好ましい。より好ましくはアルキルポリシロキサン、アルキルアリールポリシロキサン、アルキルハイドロジェンポリシロキサンなどの有機シロキサン化合物、アルキルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのシランカップリング剤でさらに処理されたものが好ましく、特に好ましい表面処理剤として、アルキルハイドロジェンポリシロキサン、アルキルハイドロジェンポリシクロシロキサンなどのポリオルガノ水素シロキサンが挙げられる。
表面処理の方法としては湿式法と乾式法が挙げられる。湿式法は表面処理剤と低沸点溶媒の混合液に酸化チタンを加え、攪拌後、溶媒を除去する方法で行う。その後、さらに100℃〜300℃で熱処理すると酸化チタンの分散性を向上させる上で好ましい。乾式法は表面処理剤と酸化チタンをヘンシェルミキサー、タンブラー等の混合機中で混合するか、あるいは表面処理剤を溶媒に溶解させるか、あるいは分散させた混合溶液を酸化チタンに噴霧する方法で行う。その後、さらに100℃〜300℃で熱処理すると酸化チタンの分散性がより向上するので好ましい。このような表面処理をすることにより、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の物性低下を抑制し、さらに酸化チタンの樹脂組成物中での分散性を向上させ、シルバー等の成形不良を抑制することができる。
酸化チタンの製造方法は、硫酸法、塩素法のどちらで製造されたものも使用可能である。
また、酸化チタンの結晶構造は、ルチル型、アナターゼ型のどちらでも使用可能であるが、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性、耐光性等の観点からルチル型がより好ましい。
本発明における成分(D)の配合量は、成分(A)100重量部に対して1〜50重量部であり、好ましくは1〜30重量部であり、より好ましくは3〜20重量部、さらに好ましくは4〜15重量部、特に好ましくは5〜13重量部である。
成分(D)の使用量が50重量部を超えると、樹脂組成物の耐衝撃性、伸び特性、難燃性等が低下する傾向にある。一方、1重量部未満の場合は、光線反射性、光線隠蔽性が不十分となる傾向にある。
本発明で用いられる成分(E)は、有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩であり、本発明では、特に有機スルホン酸の金属塩、及び/または、硫酸エステルの金属塩が好ましく使用できる。また、これらは単独の使用だけでなく2種以上を混合して使用することも可能である。
尚、本発明で用いられるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられ、特に好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムであり、最も好ましくはナトリウム、カリウムである。
本発明で好ましく使用することができる上記有機スルホン酸の金属塩としては、 脂肪族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、等が挙げられる。尚、本明細書中で「アルカリ(土類)金属塩」の表記は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のいずれも含む意味で使用する。
脂肪族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、炭素数1〜8のアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、またはかかるアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩のアルキル基の一部がフッ素原子で置換したスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、さらには炭素数1〜8のパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩を好ましく使用することができ、特に好ましい具体例として、パーフルオロエタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩、を挙げることができる。
また、芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、芳香族スルホン酸として、モノマー状またはポリマー状の芳香族サルファイドのスルホン酸、芳香族カルボン酸およびそのエステルのスルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族エーテルのスルホン酸、芳香族スルホネートのスルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホンスルホン酸、芳香族ケトンのスルホン酸、複素環式スルホン酸、芳香族スルホキサイドのスルホン酸、芳香族スルホン酸のメチレン型結合による縮合体からなる群から選ばれる少なくとも1種を芳香族スルホン酸とする芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩を挙げることができる。
上記、モノマー状またはポリマー状の芳香族サルファイドのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、ジフェニルサルファイド−4,4’−ジスルホン酸ジナトリウム、ジフェニルサルファイド−4,4’−ジスルホン酸ジカリウムを挙げることができる。
また、上記芳香族カルボン酸およびそのエステルのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、5−スルホイソフタル酸カリウム、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ポリエチレンテレフタル酸ポリスルホン酸ポリナトリウムを挙げることができる。
また、上記モノマー状またはポリマー状の芳香族エーテルのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、1−メトキシナフタレン−4−スルホン酸カルシウム、4−ドデシルフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,3−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1, 4−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(2,6−ジフェニルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリカリウム、ポリ(2−フルオロ−6−ブチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸リチウムを挙げることができる。
また、上記芳香族スルホネートのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、ベンゼンスルホネートのスルホン酸カリウムを挙げることができる。
また、上記モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸ストロンチウム、ベンゼンスルホン酸マグネシウム、p−ベンゼンジスルホン酸ジカリウム、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸ジカリウム、ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸カルシウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸カリウムを挙げることができる。
また、上記モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3,4’−ジスルホン酸ジカリウムを挙げることができる。
上記芳香族ケトンのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、α,α,α−トリフルオロアセトフェノン−4−スルホン酸ナトリウム、ベンゾフェノン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウムを挙げることができる。
上記複素環式スルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジナトリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジカリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸カルシウム、ベンゾチオフェンスルホン酸ナトリウムを挙げることができる。
上記芳香族スルホキサイドのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、ジフェニルスルホキサイド−4−スルホン酸カリウムを挙げることができる。
上記芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩のメチレン型結合による縮合体は、その好ましい例として、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物を挙げることができる。
一方、硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩としては、本発明では一価および/または多価アルコール類の硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩を好ましく使用することができ、かかる一価および/または多価アルコール類の硫酸エステルとしては、メチル硫酸エステル、エチル硫酸エステル、ラウリル硫酸エステル、ヘキサデシル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリ、テトラ硫酸エステル、ラウリン酸モノグリセライドの硫酸エステル、パルミチン酸モノグリセライドの硫酸エステル、ステアリン酸モノグリセライドの硫酸エステルなどを挙げることができる。これらの硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩として、特に好ましいものとして、ラウリル硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩を挙げることができる。
また、その他のアルカリ(土類)金属塩としては、芳香族スルホンアミドのアルカリ(土類)金属塩を挙げることができ、例えばサッカリン、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミド、N−(N’−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミド、およびN−(フェニルカルボキシル)スルファニルイミドのアルカリ(土類)金属塩などが挙げられる。
上記に挙げた成分(E)の中で、より好ましいアルカリ(土類)金属塩として、芳香族スルホン酸のアルカリ(土類)金属塩およびパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ(土類)金属塩を挙げることができる。
本発明において成分(E)の使用量は、成分(A)100重量部に対して0.001〜1重量部であり、0.005〜0.8重量部が好ましく、0.01〜0.7重量部がより好ましく、0.03〜0.5重量部が更に好ましく、0.05〜0.3重量部が特に好ましく、0.06〜0.2重量部が最も好ましい。
成分(E)の使用量が1重量部を超えると、樹脂組成物の溶融安定性が低下し、溶融混練で着色しやすくなる傾向にあり、一方、0.001重量部未満の場合は難燃性が不十分となる傾向にある。
本発明で用いられる成分(F)はフルオロポリマーであり、燃焼物の滴下を防止する目的で使用される。本発明で好ましく使用することができる成分(F)は、フィブリル形成能力を有するフルオロポリマーであり、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体等のテトラフルオロエチレンポリマー、を好ましく使用することができ、特に好ましくはポリテトラフルオロエチレンである。
成分(F)は、ファインパウダー状のフルオロポリマー、フルオロポリマーの水性ディスパージョン、ASやPMMA等の第2の樹脂との粉体状混合物等、様々な形態のフルオロポリマーを使用することができる。
本発明で好ましく使用できるフルオロポリマーの水性ディスパージョンとして、三井デュポンフロロケミカル(株)製「テフロン30J(登録商標)」、ダイキン工業(株)製「ポリフロンD−1(登録商標)」、「ポリフロンD−2(登録商標)」、「ポリフロンD−2C(登録商標)」、「ポリフロンD−2CE(登録商標)」を例示することができる。
また、本発明では成分(F)として、ASやPMMA等の第2の樹脂との粉体状混合物としたフルオロポリマーも好適に使用することができるが、これら第2の樹脂との粉体状混合物としたフルオロポリマーに関する技術は、特開平9−95583号公報(米国特許第5,804,654号に対応)、特開平11−49912号公報(米国特許第6,040,370号に対応)、特開2000−143966号公報、特開2000−297189号公報等に開示されている。本発明において好ましく使用できる、これら第2の樹脂との粉体状混合物としたフルオロポリマーとして、GEスペシャリティケミカルズ社製「Blendex 449(登録商標)」、三菱レーヨン(株)製「メタブレンA−3800(登録商標)」を例示することができる。
本発明における成分(F)の配合量は、成分(A)100重量部に対して0.01〜1重量部であり、好ましくは0.05〜0.8重量部、より好ましくは0.1〜0.6重量部、さらに好ましくは0.2〜0.4重量部である。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では、必要に応じて、さらに、酸化チタン以外の着色剤、滑剤、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤(耐光剤)、帯電防止剤、蛍光増白剤などを添加することもできる。
次に、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の樹脂組成物は前記の各成分(A)〜(F)、必要に応じてその他の成分を本明細書記載の組成割合で配合し、押出機等の溶融混練装置を用いて溶融混練することにより得ることが出来る。このときの各構成成分の配合、及び溶融混練は一般に使用されている装置、例えば、タンブラー、リボンブレンダー等の予備混合装置、単軸押出機や二軸押出機、コニーダー等の溶融混練装置を使用することが出来る。また、溶融混練装置への原材料の供給は、予め各成分を混合した後に供給することも可能であるが、それぞれの成分を独立して溶融混練装置に供給することも可能である。
本発明の樹脂組成物を製造するにあたり、成分(B)は、予め成分(B)の表面および内部が、有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体(C)によって、共有結合、イオン結合、分子間力、水素結合を介して、化学的または物理的に表面処理された後に、溶融混練装置に供給されることが、より好ましい。
成分(B)を成分(C)により、予め表面処理する方法としては、例えば、以下の方法を示すことができる。成分(B)に対して、成分(C)を所定量配合し、必要により成分(C)は、溶融状態、溶液状態、あるいはガス状態として、噴霧、滴下、湿潤、浸漬、等の方法により成分(B)に接触させ、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、Vブレンダー、タンブラー等の機械的混合装置を用いて混合攪拌処理を行う。該混合攪拌処理は、成分(C)の融点以下の温度で行ってもよいが、成分(C)の融点以上の温度まで加熱昇温して行うことがより効果的である。該混合攪拌処理に要する時間は混合装置の種類にもよるが、通常1分〜3時間、好ましくは2分〜1時間、より好ましくは3分〜40分、更に好ましくは5分〜30分である。混合装置としては加熱装置付きのヘンシェルミキサー、ナウターミキサーを特に好ましく使用することができる。また、混合攪拌処理の後に過剰の(C)成分を減圧処理および/または加熱処理により脱揮除去し、十分に乾燥させることが好ましい。
本発明の樹脂組成物を製造するための溶融混練装置として、通常は押出機、好ましくは2軸押出機が使用される。成分(B)は押出機の途中からサイドフィードすることもできる。溶融混練は通常、押出機のシリンダー設定温度を200〜300℃、好ましくは220〜270℃とし、押出機スクリュー回転数100〜700rpm、好ましくは200〜500rpmの範囲で適宜選択して行うことができるが、溶融混練に際し、過剰の発熱を与えないように配慮する。さらに、押出機の後段部分に開口部を設けて、開放脱揮、必要に応じて減圧脱揮を行うことも有効である。また、原料樹脂の押出機内滞留時間は通常、10〜60秒の範囲で適宜選択される。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品を得るための成形方法は特に限定されないが、例えば、射出成形、ガスアシスト成形、押出成形、圧縮成形等が挙げられるが、中でも射出成形と押出成形が好ましく用いられ、射出成形が特に好ましく用いられる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いた成形品の例としては、コンピューター、ノート型パソコン、複写機、プリンター、液晶プロジェクター、電気・電子機器、携帯電話、携帯情報端末、電池パック、家電製品などのハウジング材料、バックライトユニット用のフレーム部材、複写機内部部品などの部品材料、抵抗器、端子、テレビ用偏向ヨーク等の電気・電子部品材料、照明用部品材料、電子・情報機器用の難燃性シート(絶縁シート)、等が挙げられ、特に、光線隠蔽性が求められる場合に好適に使用することができる。
また、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、光線反射性、光線隠蔽性、表面外観に優れ、かつ、剛性、折曲強度に優れるので、モニター、ノートブックパソコン、携帯電話、携帯情報端末、カーナビゲーター等の、バックライトユニット用の反射板用成形品に、特に好ましく使用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例あるいは比較例においては、以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)を使用し、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
(1)成分(A):芳香族ポリカーボネート
(PC)
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートから、溶融エステル交換法により製造された、ビスフェノールA系ポリカーボネートであり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを300ppm、および、ホスファイト系熱安定剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを150ppm含むもの。
重量平均分子量(Mw)=19,800
フェノール性末端基比率(フェノール性末端基が全末端基数に占める割合)=35モル%
(2)成分(B):珪酸塩化合物
(タルク)
平均粒径=5.07μm
白色度=97.7%
嵩比容積=2.3ml/g
比表面積=8.5m/g
水分=0.13%
吸油量=51ml/100g
pH=9.2
平均粒径測定方法は島津製作所社製SALD−2000分析装置を使用し、レーザー回折法により平均粒径を測定した。またタルクの平均粒径はメディアン径とした。
白色度はJIS P8123に準拠した測定方法で実施し、東洋精機製作所社製デジタルハンターSTにより測定した。
比表面積は気相吸着法によるBET法で測定し、島津製作所社製フローソープ2300を使用して測定した。
水分はJIS K5101に準拠した測定方法で実施し、島津製作所社製STAC―5100を使用して測定した。
吸油量、及び嵩比容積はJIS K5101に準拠した測定方法で実施した。
pHは、JIS K5101規格に準拠したpH測定法で実施した。
(3)成分(C):有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体
(p−トルエンスルホン酸)
p−トルエンスルホン酸 和光純薬工業株式会社製
(4)成分(D):酸化チタン
(二酸化チタン1)
硫酸法により製造したルチル型の二酸化チタンであり、1次平均粒子径が0.22μmのアルミナ処理された二酸化チタン
(二酸化チタン2)
塩素法により製造したルチル型の二酸化チタンであり、1次平均粒子径が0.21μmのアルミナ処理された後、メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された二酸化チタン
(5)成分(E):有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩
(CSOK)
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(大日本インキ工業(株)製 「メガファックF114(登録商標)」)
(6)成分(F):フルロポリマー
(PTFE/AS)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)の50/50(重量比)粉体状混合物(GEスペシャリティケミカルズ社製 「Blendex449(登録商標)」)
[実施例1〜3、及び、比較例1〜4]
成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)成分を表1に示す量(単位は重量部)で二軸押出機を用いて溶融混練して芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を得た。
成分(A)を除く成分、すなわち、成分(B)、(C)、(D)、(E)、(F)(これらはいずれも粉体である)を予めタンブラーを用いて5分間予備混合を行って粉体原料混合物とした。しかる後に、該粉体原料混合物と成分(A)(成分(A)はペレット形状である)を更にタンブラーで5分間混合して、成分(A)〜(F)からなる原料予備混合物を調製した。
尚、実施例1、2並びに比較例1,4において、成分(B)と成分(C)の混合物に対して、JIS K5101規格に準拠してpH測定を行ったところ、6.5であった。
溶融混練装置は2軸押出機(ZSK−25、L/D=37、Werner&Pfleiderer社製)を使用した。
前記原料予備混合物を2軸押出機に重量フィーダーを介して投入し、シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数200rpm、混練樹脂の吐出速度15kg/Hrの条件で溶融混練を行った。溶融混練中に、押出機ダイ部で熱電対により測定した溶融樹脂の温度は260〜270℃であった。また、押出機の後段部分にベント口を設けて、開放脱揮を行った。
溶融混練された芳香族ポリカーボネート樹脂組成物はストランド状に押出され、ペレタイズされる。得られたペレットを120℃で4時間乾燥し、以下の各試験を実施した。
(1)難燃性
燃焼試験用の短冊形状成形体(12.7mm(幅)×127mm(長さ)×0.8mm(厚み))を射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)により、シリンダー設定温度300℃、金型設定温度80℃の条件で成形体中央部分より溶融した樹脂組成物を充填して成形し、温度23℃、湿度50%の環境下に7日保持した後、UL−94規格に準じて20mm垂直燃焼試験を行った。
難燃性の程度は、V−0>V−1>V−2>NC(分類不能(non−classification))の順で高難燃性を表すが、本発明で以下の基準で分類した。
○:V−0
△:V−1
×:V−2、またはNC(NCは分類不能を意味する。)
(2)曲げ弾性率
シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定した射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)で1/8インチ厚短冊片を成形体の片端から樹脂組成物を充填して成形し、ASTM D790に準じて、曲げ弾性率(単位:MPa)を測定した。測定温度は23℃である。
曲げ弾性率が高い程、成形体は変形し難いものとなるが、以下の基準で分類した。
○:弾性率が3,000MPa以上
×:弾性率が3,000MPa未満
(3)メルトインデックス(MI値)
JIS K7210に準じて、炉体温度300℃、荷重1.2kgにてMI値(単位:g/10min)を測定した。
本発明の実施例と比較例において、使用する芳香族ポリカーボネート(成分(A))が同一、かつ成分(B)の配合量も同じである場合は、MI値が低いほど樹脂組成物の劣化が少なく、溶融安定性に優れると判断することができ、以下の基準で分類した。
○:MI値が20g/10min未満
×:MI値が20g/10min以上
(4)光線反射率
シリンダー温度300℃、金型温度80℃に設定した射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)により、50mm(幅)×90mm(長さ)であり、厚みが3mm、2mm、及び1mmの3段状となっている3段プレートを成形体の片端(厚み3mm部分)から樹脂組成物を充填して成形した。
該3段プレートの厚み2mm部分に対して、島津製作所製分光光度計UV−3150を使用して、波長550nmにおける光線反射率を測定し、以下の基準で分類した。
○:光線反射率が85%以上
×:光線反射率が85%未満
(5)全光線透過率
光反射率測定で使用した3段プレートと同じ形状の3段プレートを使用し、該3段プレートの厚み1mmの部分に対して、日本電色工業(株)製COLOR AND COLOR DIFFERENCE METER MODEL 1001DPを使用し、全光線透過率を測定し、以下の基準で分類した。
○:全光線透過率が2%未満
×:全光線透過率が2%以上
(6)表面外観
シリンダー温度300℃、金型温度80℃に設定した射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)により、50mm(幅)×90mm(長さ)×2.5mm(厚み)平板を成形体の片端から樹脂組成物を充填して成形し、その表面外観の状態を目視により観察し、以下の分類を行った。
○:シルバーの発生が観察されない。
×:シルバーの発生が観察される。
(7)折曲強度
シリンダー温度320℃、金型温度80℃に設定した射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)により、2.5mm×2.5mmの正方形状の断面を有し、長さが100mmの角棒状成形体を片端から樹脂組成物を充填して成形した。該成形体の端から50mmの位置(中心部分)に、深さ0.5mm、幅1mm、切り欠きの先端形状が0.25である鋭角な切り欠きを入れた。
該角棒状成形体を水平な台上に切り欠きの向きを下向きとして、成形体の片端を固定し、もう一方の端を上方に高さ50mmの位置まで持ち上げて、成形体の折り曲げ強度を評価し、以下の分類を行った。
○:破損無し。
×:切り欠き部で破損。
実施例及び比較例の結果を表1に示す。
本発明の実施例品は上記の物性の全てにおいて評価が○であるが、比較例品は少なくとも一つの物性において評価が×となっている。
Figure 2005306927
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、光線反射性、光線隠蔽性、表面外観、剛性、折曲強度、並びに溶融安定性に優れており、薄肉の成形体とした場合においてもこれらの特性に優れているため、液晶ディスプレイ用のバックライト反射板のような成形品の用途等に好適である。

Claims (11)

  1. 芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)100重量部に対して、珪酸塩化合物(B)0.1〜50重量部、有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体(C)0.001〜5重量部、酸化チタン(D)1〜50重量部、有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩(E)0.001〜1重量部、フルオロポリマー(F)0.01〜1重量部を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 該有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体(C)の重量部数が、該珪酸塩化合物(B)と該成分(C)の混合物をJIS K5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が4〜8の範囲となる重量部数であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 該珪酸塩化合物(B)が、タルク、マイカ、ワラストナイト、からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。
  4. 該珪酸塩化合物(B)が、タルクおよび/またはマイカであることを特徴とする請求項1または2に記載の芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。
  5. 該有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体(C)が、有機スルホン酸化合物および/または有機スルホン酸化合物誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 該酸化チタン(D)が、アルミナおよび/またはシリカで表面処理された酸化チタンであることを特徴する請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 該酸化チタン(D)が、アルミナおよび/またはシリカで表面処理された後、有機シロキサン化合物で表面処理された酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  8. 該酸化チタン(D)が、1次平均粒径0.1〜0.3μmである請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる反射板用成形品。
  11. バックライト用反射板であることを特徴とする請求項10に記載の反射板用成形品。
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