JP4738011B2 - 酸化チタン含有難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、最近では多種多様なデザインに対する要望から、白色系の外観でありながら高い遮光性を有する成形品の要求が高くなっている。
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に対して酸化チタンを配合し、反射性を高める方法としては、最近の例としては特許文献1〜4等を挙げることができる。
また、遮光性についてみると、多量の酸化チタンを配合しても十分な効果が得られず、光漏れが発生するなどの問題もあった。
さらに、長時間にわたる光や熱の放射を受ける場合に成形品が変色するという問題もあった。
一方、OA機器や電気・電子機器用として使用される樹脂組成物成形体では、高度な難燃性が同時に求められることが多く、最近では、環境に対する配慮から、臭素系難燃剤あるいはリン系難燃剤を使用しない難燃性の樹脂組成物成形体が求められている。
また、酸化チタンの配合量が多くなると難燃性を維持するのが困難となるばかりか、成形体表面に銀状(シルバーストリーク)等の外観不良が発生することがあり、その改善が望まれていた。
[1]芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)100重量部に対して、表面処理酸化チタン(B)3〜15重量部、有機酸アルカリ金属塩および有機酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の有機酸金属塩(C)0.001〜1重量部、フルオロポリマー(D)0.1〜0.4重量部、ヒュームドシリカ(G)0.01〜3重量部を含む樹脂組成物であって、該成分(B)がシリコーン系化合物により表面処理された酸化チタンであり、かつ該成分(B)をテトラハイドロフラン中で超音波抽出を行い、該抽出液を分離、濃縮、乾燥の処理を行うことにより得られた抽出物をクロロホルム溶液として赤外吸収スペクトル測定を行ったときに、Si−H伸縮由来ピーク(2,160cm-1付近)の透過率をT(Si-H)[単位:%]、C−H伸縮由来ピーク(2,920cm-1付近)の透過率をT(C-H)[単位:%]としたときに、T(Si-H)/T(C-H)が1.5以上であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[3]該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、更に染顔料(但し、成分(B)を除く)(H)0.0001〜0.1重量部を含むことを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[4]該シリコーン系化合物が、アルキルハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
本発明において成分(A)は、芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂である。
ここで、芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂とは、成分(A)の総量を100重量部とした場合に、成分(A)の50重量部を超える成分が芳香族ポリカーボネートであり、残りの樹脂成分が芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂であるものを示す。
これらの中で、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA)が特に好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)は、通常、5,000〜500,000であり、好ましくは10,000〜100,000であり、より好ましくは13,000〜50,000、特に好ましくは15,000〜30,000、とりわけ好ましくは17,000〜25,000である。
本発明において、芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行うことができ、測定条件は以下の通りである。
すなわち、テトラヒドロフランを溶媒として、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求められる。
Mpc=0.3591Mps 1.0388
(式中、Mpcは芳香族ポリカーボネートの分子量、Mpsはポリスチレンの分子量)
前記芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂において、好ましく使用することができる芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリルースチレン樹脂(AS樹脂)、ブチルアクリレート−アクリロニトリル−スチレン樹脂(BAAS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)、ブチルアクリレート−アクリロニトリル−スチレン樹脂(AAS樹脂)、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート、等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。特にAS樹脂、BAAS樹脂は流動性を向上させるのに好ましく、ABS樹脂、MBS樹脂は耐衝撃性を向上させるのに好ましく、また、ポリエステル樹脂は耐薬品性を向上させるのに好ましい。
上記T(Si-H)/T(C-H)の測定は以下のように求めることができる。
すなわち、成分(B)の粉末1gに対し、テトラハイドロフラン20mlを加え、超音波抽出を1時間行い、25,000rpmで45分間遠心分離を行い、上澄み液を濃縮し、乾燥処理を行い、抽出物を取り出し、該抽出物をクロロホルムに溶解させ、顕微IR測定(HORIBA:FT−530)を使用し、分解能4cm-1、スキャン回数30回の条件で測定し、得られた赤外吸収スペクトルより、Si−H伸縮由来ピーク(2,160cm-1付近)の透過率T(Si-H)[単位:%]、C−H伸縮由来ピーク(2,920cm-1付近)の透過率T(C-H)[単位:%]をそれぞれ測定し、T(Si-H)/T(C-H)を求める。
本発明では、樹脂組成物の難燃性や表面外観を高めるために、成分(B)にかかわる該T(Si-H)/T(C-H)の値が1.5以上であることが必要であり、好ましくは2以上、さらに好ましくは3以上、特に好ましくは4以上である。
該T(Si-H)/T(C-H)の値が1.5未満の場合は、樹脂組成物の難燃性が低下するとともに、シルバーが発生しやすくなり成形体の表面外観を損なう傾向がある。
該成分(B)にかかわる酸化チタンは、硫酸法または塩素法によって製造されるが、本発明では、白色度の観点より塩素法で製造されたものが好適である。さらに、酸化チタンの結晶形態にはルチル形とアナターゼ形があるが、白色度、光線反射率および耐光性の観点からはルチル形のものが好適である。
さらに本発明にかかわる成分(B)としての酸化チタンは、樹脂組成物を高温で溶融混練する際の溶融安定性を高めるために、該酸化チタンの表面をアルミナ水和物、ケイ酸水和物から選ばれた1種以上の無機系表面処理剤により、表面処理されたものが好ましい。この場合、アルミナとシリカの混合割合は、広い範囲をとることができ、通常アルミナ100重量部に対してシリカ10〜100重量部の範囲である。アルミナ水和物とケイ酸水和物の混合物による処理により付与される量は、反射率と樹脂の溶融安定性の観点から、処理された酸化チタン中で1〜15重量%の範囲になる量が好ましい。なお、処理剤中には、アルミナやシリカ以外に本発明の目的を阻害しない程度の量で安定剤や分散改良剤等が含まれていてもよい。
上記シリコーン化合物の中で好ましいものとして、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられ、特に好ましいものは、アルキルハイドロジェンポリシロキサンである。なお、これらシリコーン化合物中には、本発明を阻害しない程度の量で安定剤や分散剤等が含まれていてもよい。
上記成分(B)にかかわる酸化チタン表面へのシリコーン化合物による表面処理の方法としては、酸化チタンと表面処理剤(シリコーン化合物)を水又は有機溶剤中に分散させ湿式処理する方法、あるいは、スーパーミキサー、ヘンシルミキサー等により乾式処理する方法、あるいは、表面処理剤、酸化チタン、芳香族ポリカーボネート樹脂を同時にV型ブレンダーで混合する方法や、同時に押出機中に投入し、押出する方法等、様様な方法が適用できる。
上記表面処理を施すに際し、シリコーン化合物の酸化チタン表面への被覆をより均一にするために、このシリコーン化合物を適当な溶媒、例えば、比較的低分子量のメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、n−ヘキサン、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン、あるいはこれらの溶媒の混合物等に溶解させた溶液を使用することは有効である。
前記シリコーン化合物の酸化チタンに対する表面処理量は、酸化チタン100重量部に対して、0.01〜30重量部が好ましく、0.1〜20重量部がより好ましく、1〜10重量部の範囲が特に好ましい。
本発明に用いる表面処理酸化チタン(B)の使用量は、成分(A)100重量部に対して3〜30重量部、好ましくは4〜20重量部、より好ましくは5〜15重量部、特に好ましくは6〜12重量部の範囲である。酸化チタンの配合割合が3重量部より少ないと、耐熱変色性、並びに遮光性が不十分となり、一方、30重量部を超えると樹脂組成物の衝撃強度の低下が大きくなり、成形品外観も低下するので好ましくない。
かかる本発明の成分(C)として好ましく使用できる有機酸金属塩は、有機スルホン酸の金属塩、及び/又は、硫酸エステルの金属塩であり、これらは単独の使用だけでなく2種以上を混合して使用することも可能である。
該有機酸金属塩に含まれるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられる。
本発明において、特に好ましいアルカリ金属はリチウム、ナトリウム、カリウムであり、最も好ましくはナトリウム、カリウムである。
本発明で好ましく使用することができる上記有機スルホン酸の金属塩としては、脂肪族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩、芳香族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩などが挙げられる。尚、本明細書中で「アルカリ/アルカリ土類金属塩」は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のいずれか、若しくはいずれもを含む意味で使用する。
また、芳香族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩としては、芳香族スルホン酸として、モノマー状またはポリマー状の芳香族サルファイドのスルホン酸、芳香族カルボン酸およびそのエステルのスルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族エーテルのスルホン酸、芳香族スルホネートのスルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホンスルホン酸、芳香族ケトンのスルホン酸、複素環式スルホン酸、芳香族スルホキサイドのスルホン酸、芳香族スルホン酸のメチレン型結合による縮合体、からなる群から選ばれる少なくとも1種を芳香族スルホン酸とする芳香族スルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩を挙げることができる。
また、上記の芳香族カルボン酸およびそのエステルのスルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、5−スルホイソフタル酸カリウム、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ポリエチレンテレフタル酸ポリスルホン酸ポリナトリウムを挙げることができる。
また、上記のモノマー状またはポリマー状の芳香族エーテルのスルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、1−メトキシナフタレン−4−スルホン酸カルシウム、4−ドデシルフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,3−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,4−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(2,6−ジフェニルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリカリウム、ポリ(2−フルオロ−6−ブチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸リチウムを挙げることができる。
また、上記のモノマー状またはポリマー状の芳香族スルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸ストロンチウム、ベンゼンスルホン酸マグネシウム、p−ベンゼンジスルホン酸ジカリウム、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸ジカリウム、ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸カルシウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸カリウムを挙げることができる。
また、上記のモノマー状またはポリマー状の芳香族スルホンスルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3,4’−ジスルホン酸ジカリウムを挙げることができる。
上記の複素環式スルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジナトリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジカリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸カルシウム、ベンゾチオフェンスルホン酸ナトリウムを挙げることができる。
上記の芳香族スルホキサイドのスルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、ジフェニルスルホキサイド−4−スルホン酸カリウムを挙げることができる。
上記の芳香族スルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩のメチレン型結合による縮合体は、その好ましい例として、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物を挙げることができる。
上記に挙げた成分(C)の中で、より好ましいアルカリ/アルカリ土類金属塩として、芳香族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩およびパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩を挙げることができる。
本発明において成分(C)の使用量は、成分(A)100重量部に対して0.001〜1重量部であり、0.005〜0.8重量部が好ましく、0.01〜0.7重量部がより好ましく、0.03〜0.5重量部が更に好ましく、0.05〜0.3重量部が特に好ましく、0.06〜0.2重量部が最も好ましい。
成分(C)の使用量が1重量部を超えると、樹脂組成物の溶融安定性が低下し、溶融混練で着色しやすくなる傾向にある。
成分(D)は、ファインパウダー状のフルオロポリマー、フルオロポリマーの水性ディスパージョン、ASやPMMA等の第2の樹脂との粉体状混合物等、様々な形態のフルオロポリマーを使用することができる。
本発明で好ましく使用できるフルオロポリマーの水性ディスパージョンとして、三井デュポンフロロケミカル(株)製「テフロン30J(登録商標)」、ダイキン工業(株)製「ポリフロンD−1(登録商標)」、「ポリフロンD−2(登録商標)」、「ポリフロンD−2C(登録商標)」、「ポリフロンD−2CE(登録商標)」を例示することができる。
本発明において、成分(D)の使用量は、成分(A)100重量部に対して0.01〜1重量部であり、好ましくは0.05〜0.8重量部、より好ましくは0.1〜0.6重量部、さらに好ましくは0.1〜0.4重量部である。成分(D)の使用量が1重量部を超えると、成形体の表面外観が低下する傾向にある。
かかる珪酸塩化合物(成分(E))は金属酸化物成分とSiO2成分とからなる珪酸塩化合物である。成分(E)として使用することができる珪酸塩化合物は、その珪酸イオンの形態として、オルトシリケート、ジシリケート、環状シリケート、鎖状シリケート、層状シリケート、等のいずれの形態であってもよい。
前記「珪酸塩化合物」は、複合酸化物、酸素酸塩、固溶体、のいずれの化合物でもよく、更に複合酸化物は単一酸化物の2種以上の組合せ、および単一酸化物と酸素酸塩との2種以上の組合せ、のいずれであってもよく、更に固溶体は2種以上の金属酸化物の固溶体、2種以上の酸素酸塩の固溶体、のいずれであってもよい。また、前記「珪酸塩化合物」は水和物であってもよい。
本発明の成分(E)として特に好ましく使用される珪酸塩化合物は、好ましくはその組成が実質的に下記式(1)で示されるものである。
xMO・ySiO2・zH2O (1)
(ここでxおよびyは自然数を表し、zは0以上の整数を表し、MOは金属酸化物成分を表し、複数の金属酸化物成分であってもよい。)
上記金属酸化物MOにおける金属Mは、カリウム、ナトリウム、リチウム、バリウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、鉄、コバルト、マグネシウム、ジルコニウム、アルミニウム、チタンなどを挙げることが出来る。
金属酸化物MOにおいて好ましいものは、CaO、またはMgOのいずれかを実質的に含むものである。更に好ましいものは金属酸化物MOが、CaOおよびMgOから選択される少なくとも1種の成分から実質的になる場合であり、特に好ましいものはMgOから実質的になる場合である。
また、前記「珪酸塩化合物」は、任意の形状(板状、針状、粒状、繊維状等)のものが使用できるが、板状、針状のものが好ましく、中でも特に、板状の形態であるものが本発明の成分(E)として最も好ましく使用できる。
ここで板状の形態とは、平均粒子径を(a)、厚みを(c)とした場合に、a/c比が5〜500、好ましくは10〜300、更に好ましくは20〜200である形状のものである。
また、針状の形態とは、長軸方向の平均粒子径を(a)、単軸方向の平均粒子径を(c)とした場合に、a/c比が5〜500、好ましくは10〜300、更に好ましくは20〜200である形状のものである。
尚、本発明でいう平均粒子径は、レーザー回折法により(例えば、島津製作所製;SALD−2000を使用して)平均粒子径を求める。
本発明の成分(E)として使用することができる珪酸塩化合物の中でも、特に好ましいものは、タルク、およびマイカである。
本発明の成分(E)として、特に好ましく使用できるタルクとは、層状構造を持つ含水ケイ酸マグネシウムであり、化学式4SiO2・3MgO・H2Oで表され、通常、SiO2 約63重量%、MgO約32%、H2O約5重量%、その他Fe2O3、CaO、Al2O3などを含有しており、比重は約2.7である。
また、本発明の成分(E)として、特に好ましく使用できるタルクとして、焼成タルクや、塩酸や硫酸等の酸で洗浄して不純物を除いたタルク、等も好ましく使用することができる。さらに、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等で表面疎水性処理を行ったタルクも使用することができる。
また、かかるマイカはシランカップリング剤やチタネートカップリング剤等で表面疎水性処理されていてもよい。
本発明において成分(E)を使用する場合、その使用量は、成分(A)100重量部に対して0.1〜30重量部であり、0.5〜25重量部が好ましく、1〜20重量部がより好ましく、2〜15重量部が更に好ましく、3〜10重量部が特に好ましい。
成分(E)の使用量が30重量部を超える場合は溶融安定性が低下し、また製品の外観や機械的物性が低下する傾向にある。
本発明で使用することができる成分(F)は、具体的には、有機酸及び/又は有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩、有機酸アンモニウム塩から選ばれる有機酸誘導体を挙げることができる。
本発明では成分(E)と成分(F)を組み合わせて使用することにより、樹脂組成物の難燃性や溶融安定性を飛躍的に向上させることができる。
また本発明においては、成分(E)に対する成分(F)の使用量も極めて重要であり、成分(E)に対して成分(F)が少なすぎても過剰であっても樹脂組成物の溶融安定性や色調安定性を得ることが困難となる。
また、前記「有機酸誘導体」とは、前記有機酸から誘導される有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩、有機酸アンモニウム塩を表す。
前記「有機酸及び/又は有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩、有機酸アンモニウム塩から選ばれる有機酸誘導体」は、低分子化合物のみならず、オリゴマー状あるいはポリマー状のものを使用することができる。
本発明にかかわる成分(F)として、特に、有機スルホン酸及び/又は有機スルホン酸エステル、有機スルホン酸ホスホニウム塩、有機スルホン酸アンモニウム塩から選ばれる有機スルホン酸誘導体、有機カルボン酸を好ましく使用することができる。
中でも、成分(F)として有機スルホン酸、有機スルホン酸エステルを使用する場合は、樹脂組成物の溶融安定性が特に優れており、揮発成分の発生も低レベルに抑えることができるために、広い温度範囲で成形加工が行えると共に、成形品の外観にも極めて優れる。
本発明の成分(F)として、好ましく使用することができる有機スルホン酸として、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸、ジイソブチルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、等の芳香族スルホン酸、炭素数8〜18の脂肪族スルホン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル・スルホン化スチレン共重合体等のポリマーまたはオリゴマー状の有機スルホン酸、等を挙げることができる。
また、本発明の成分(F)として使用することができる有機スルホン酸アンモニウム塩として、デシルアンモニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、等を挙げることができる。
本発明において用いることができる成分(F)として、芳香族スルホン酸化合物が特に好ましく、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、等は最も好ましい例として挙げることができる。
本発明において成分(F)を使用する場合、その使用量は、成分(A)100重量部に対して0.001〜5重量部の範囲が好適であり、より好ましくは0.01〜3重量部、さらに好ましくは0.05〜2重量部、特に好ましくは0.1〜1重量部である。
尚、本発明にかかわるJIS−K−5105のpH値の測定では、操作方法として煮沸法と常温法があるが、本発明では煮沸法を用いる。
本発明の樹脂組成物では、ヒュームドシリカ(成分(G))を含むことが好ましい実施態様の一つである。成分(G)の配合により、樹脂組成物の難燃性や光遮光性を向上させることができる。かかる成分(G)としてのヒュームドシリカとしては、通常、ハロゲン化珪素の酸水素炎中での高温加水分解(乾式法)により合成されるものである。
本発明にかかわる成分(G)の平均粒子径は、通常、10〜500nmの範囲であり、30〜400nmが好ましく、40〜300nmが特に好ましく、50〜200nmが最も好ましい。
また、本発明にかかわる成分(G)は、珪素含有化合物で表面修飾されていてもよい。ここで、珪素含有化合物とは、クロロシラン、アルコキシシラン、ヒドロシラン、シリルアミン、シランカップリング剤、ポリオルガノシロキサンからなる群から選ばれる1種または2種以上の珪素含有化合物である。
本発明において、成分(G)を使用する場合、その配合量は、成分(A)100重量部に対して、0. 01〜3重量部が好ましく、0.05〜2重量部がより好ましく、0.08〜1重量部がさらに好ましく、0.1〜0.5重量部が特に好ましい。
本発明で用いることができる成分(H)は染顔料であり、本発明において染顔料とは、芳香族ポリカーボネートの着色に使用することができる顔料や染料を表す。
本発明において成分(H)は、樹脂組成物の遮光性を高める目的で使用し、その使用量は極めて少量である。
本発明では、成分(H)は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明において、成分(H)の使用量は、成分(A)100重量部に対して0〜0.1重量部であり、0.0001〜0.1重量部が好ましく、0.0005〜0.01重量部がより好ましく、0.001〜0.005重量部がさらに好ましく、0.002〜0.001重量部が特に好ましい。
かかる有機リン系安定剤としては、リン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスホン酸エステル等を使用することができる。
前記リン酸エステルの具体例としては、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオキソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートを例示することができる。
有機リン系安定剤の使用量は成分(A)100重量部に対して、通常、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.3重量部がより好ましく、0.02〜0.2重量部がさらに好ましい。また、有機リン系安定剤は、これらは単独で用いても、2種以上併用してもよい。
本発明の樹脂組成物では、さらに紫外線吸収剤を含むことができ、これにより耐光性を向上させることができる。
上記紫外線吸収剤の使用量は成分(A)100重量部に対して、通常、0.001〜1重量部が好ましく、0.01〜0.8重量部がより好ましく、0.05〜0.5重量部がさらに好ましい。
かかる蛍光増白剤としては、例えばスチルベンゼン系、ベンズイミダゾール系、ベンズオキサゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系化合物等が挙げられる。
上記蛍光増白剤の使用量は成分(A)100重量部に対して、通常、0.0005〜0.1重量部が好ましく、0.001〜0.05重量部がより好ましく、0.003〜0.03重量部が更に好ましい。
また、本発明の樹脂組成物では、更に必要に応じて、滑剤、離型剤、酸化防止剤、帯電防止剤などを添加することもできる。
本発明にかかわる樹脂組成物は、各構成成分を本明細書記載の組成割合で配合し、押出機等の溶融混練装置を用いて溶融混練することにより得ることが出来る。このときの各構成成分の配合、及び溶融混練は一般に使用されている装置、例えば、タンブラー、リボンブレンダー等の予備混合装置、単軸押出機や二軸押出機、コニーダー等の溶融混練装置を使用することが出来る。また、溶融混練装置への原材料の供給は、予め各成分を混合した後に供給することも可能であるが、それぞれの成分を独立して溶融混練装置に供給することも可能である。
本発明にかかわる樹脂組成物を製造するための溶融混練装置として、通常は押出機、好ましくは2軸押出機が使用される。溶融混練は通常、押出機のシリンダー設定温度を200〜300℃、好ましくは220〜270℃とし、押出機スクリュー回転数100〜700rpm、好ましくは200〜500rpmの範囲で適宜選択して行うことができるが、溶融混練に際し、過剰の発熱を与えないように配慮する。さらに、押出機の後段部分に開口部を設けて、開放脱揮、必要に応じて減圧脱揮を行うことも有効である。また、原料樹脂の押出機内滞留時間は通常、10〜60秒の範囲で適宜選択される。
本発明の樹脂組成物を射出成形によって成形する場合には、通常の成形方法だけでなく、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、超高速射出成形等の射出成形法を用いて成形品を得ることができる。射出成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
射出成形の場合、樹脂の流動性を上げる特殊な手法として溶融樹脂内に窒素又は二酸化炭素を可塑剤として溶解させ、溶融樹脂の流動性を向上させる方法を用いても良い。窒素や二酸化炭素は、適宜射出成形機シリンダーにベント部を設けてそこから注入しても良い。また、成形品の転写性の向上、あるいは前記窒素や二酸化炭酸を溶融樹脂に溶解した樹脂を金型内に充填するときの外観上の不具合(スワールマーク)を防止するために溶融樹脂を金型内に充填する前に、予め金型内に窒素ガスや二酸化炭素を充填しておいても良い。この場合、転写性を向上させる目的では、二酸化炭素が好ましく用いられる。
更に本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、UL94規格に準ずる試験法にて5V、V−0、V−1のいずれかの難燃性を達成することが好ましく、特に5V、V−0を達成することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、難燃性、表面外観、光反射性、遮光性に優れるので、各種の電気・電子機器、OA機器、液晶プロジェクター、複写機、プリンター、ノートブックパソコン、携帯電話、照明器具、看板、液晶バックライトユニット用反射板(プラスチックフレームを含む)、各種電子・電気機器、容器、雑貨等をはじめとし、各種の幅広い分野において使用することができる。
実施例あるいは比較例においては、以下の成分を使用し、樹脂組成物を製造した。
尚、成分(B)に関する記載では、本発明の要件を満たさない酸化チタンも便宜上記載する。
1.成分(A):芳香族ポリカーボネート
(A−1)
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートから溶融エステル交換法により製造されたビスフェノールA系ポリカーボネートであり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを500ppm、およびホスファイト系熱安定剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(本発明の成分(F)に対応)を500ppm含むもの。
重量平均分子量(Mw)=21,000
(B−1)
無機系表面処理剤のアルミナ水和物とケイ酸水和物で表面処理された平均粒子径0.3μmのルチル型酸化チタン(塩素法で製造)100重量部に対して、メチルハイドロジェンポリシロキサンの10%塩化メチレン溶液を攪拌しながら2時間にわたって混合した後、塩化メチレンを蒸発除去し、その後200℃に加熱し、6時間放置し、該メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタン(B−1)を得た。
該(B−1)について、(B−1)の粉末1gに対し、テトラハイドロフラン20mlを加え、超音波抽出を1時間行い、25,000rpmで45分間遠心分離を行い、上澄み液を濃縮し、乾燥処理を行い、抽出物を取り出し、該抽出物をクロロホルムに溶解させ、顕微IR測定(HORIBA;FT−530)を使用し、分解能4cm-1、スキャン回数30回の条件で測定し、得られた赤外吸収スペクトルより、Si−H伸縮ピーク(2,160cm-1付近)の透過率T(Si-H)[単位:%]、C−H伸縮由来ピーク(2,920cm-1付近)の透過率T(C-H)[単位:%]をそれぞれ測定し、T(Si-H)/T(C-H)を求めた結果、4.6の値が得られた。
メチルハイドロジェンポリシロキサンによる処理時間を4時間に変更した以外は、上記B−1の調製方法と同じ方法で表面処理された酸化チタン(B−2)を得た。
該(B−2)について、上記(B−1)と同様にT(Si-H)/T(C-H)を測定した結果、2.8の値が得られた。
(B−3)〔本発明の範囲外の酸化チタン〕
メチルハイドロジェンポリシロキサンによる処理において、加熱温度を150℃とし、放置時間を3時間放置することに変更してB−1と同様に、表面処理された酸化チタン(B−3)を得た。
該(B−3)について、上記(B−1)と同様にT(Si-H)/T(C-H)を測定した結果、0.4の値が得られた。
(B−4)〔本発明の範囲外の酸化チタン〕
メチルハイドロジェンポリシロキサンによる処理時間を1時間に変更した以外は、上記B−1の調製方法と同じ方法で表面処理された酸化チタン(B−4)を得た。
該(B−2)について、上記(B−1)と同様にT(Si-H)/T(C-H)を測定した結果、1.2の値が得られた。
(C−1)
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(大日本インキ工業(株)製「メガファックF114(登録商標)」)
4.成分(D):フルオロポリマー
(D−1)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とポリメチルメタクリレート(PMMA)の50/50(重量比)粉体状混合物(三菱レーヨン株式会社製「メタブレンA−3800(登録商標)」)
(E−1)
日本タルク株式会社製「マイクロエースP3(登録商標)」
6.成分(F):有機酸性化合物及び/又は有機酸性化合物誘導体
(F−1)
p−トルエンスルホン酸;和光純薬工業株式会社製
7.成分(G):ヒュームドシリカ
(G−1)
日本アエロジル株式会社製「アエロジルRY200(登録商標)」
8.成分(H):染顔料
三菱化学株式会社製「三菱カーボンNo.50(登録商標)」
(H−2)
三菱化学株式会社製「ダイヤレジンイエローH2G(登録商標)」
(H−3)
バイエル株式会社製「マクロレックスバイオレットB(登録商標)」
9.その他の成分:
(PETS)
ペンタエリスリトールテトラステアレート(日本油脂(株)製「ユニスターH476(登録商標)」)
各成分を表1に示す量(単位は重量部)で二軸押出機を用いて溶融混練して樹脂組成物を得た。
各成分は予めタンブラーを用いて5分間予備混合を行って粉体原料混合物とした。
参考実施例6、7ならびに比較例3では、成分(E)と成分(F)の混合物をJIS−K−5101に基づいてpH値を測定した結果、pH値は6.2となった。
しかる後に、2軸押出機(ZSK−25、L/D=37、Werner&Pfleiderer社製)を使用し、シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数150rpmの条件で溶融混練を行った。溶融混練された樹脂組成物はストランド状に押出され、ペレタイズされる。得られたペレットを用いて成形体を作製し各評価に用いた。成形体は、射出成形により成形し、以下の評価を行った。
UL94規格に基づく燃焼試験用の短冊状成形体を射出成形機により成形し、温度23℃、湿度50%の環境下に2日間保持した後、UL94規格に準じて垂直燃焼試験を行い、5VB、V−0、V−1、V−2に分類した。
(2)反射率測定
シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定した射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)により、50mm(幅)×90mm(長さ)であり、厚みが3mm、2mm、及び1mmの3段プレートを成形した。
該3段プレートの厚み2mm部分に対して、島津製作所製分光光度計UV−3150を使用して、波長550nmにおける光線反射率を測定した。
前記反射率測定で用いた3段プレートの厚み2mm、および1mm部分に対して、日本電色工業(株)製COLOR AND COLOR DIFFERENCE METER MODEL 1001DPを用いて全光線透過率(T)[単位%]測定した。
さらに、エプソン株式会社製マルチメディア・プロジェクター「ELP−51」を使用し、光源をオンにした状態で投射レンズ部分に該3段プレートの厚み2mm部分を押し当て、暗室内で光線隠蔽性を目視判断した。
○:光線透過がなく遮光性が良好である。
×:光線透過が認められる。
(4)成形品外観評価
シリンダー温度320℃、金型温度80℃に設定した射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)により、50mm(幅)×90mm(長さ)×2.5mm(厚み)平板を成形体の片端から樹脂組成物を充填して成形し、その表面外観の状態を目視により観察し、以下の分類を行った。
○:シルバーの発生が観察されない。
×:シルバーの発生が観察される。
結果を表1に示す。
Claims (4)
- 芳香族ポリカーボネート又は芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)100重量部に対して、表面処理酸化チタン(B)3〜15重量部、有機酸アルカリ金属塩および有機酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の有機酸金属塩(C)0.001〜1重量部、フルオロポリマー(D)0.1〜0.4重量部、ヒュームドシリカ(G)0.01〜3重量部を含む樹脂組成物であって、該成分(B)がシリコーン系化合物により表面処理された酸化チタンであり、かつ該成分(B)をテトラハイドロフラン中で超音波抽出を行い、該抽出液を分離、濃縮、乾燥の処理を行うことにより得られた抽出物をクロロホルム溶液として赤外吸収スペクトル測定を行ったときに、Si−H伸縮由来ピーク(2,160cm-1付近)の透過率をT(Si-H)[単位:%]、C−H伸縮由来ピーク(2,920cm-1付近)の透過率をT(C-H)[単位:%]としたときに、T(Si-H)/T(C-H)が1.5以上であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、更に珪酸塩化合物(E)0.1〜30重量部、及び、有機酸性化合物及び/又は有機酸性化合物誘導体(F)0.001〜5重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、更に染顔料(但し、成分(B)を除く)(H)0.0001〜0.1重量部を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 該シリコーン系化合物が、アルキルハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
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