JP2005068379A - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【構成】 ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、シェル変性ポリテトラフルオロエチレン重合体微粒子(B)0.01〜2重量部、有機金属塩化合物(C)0.005〜2重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(D)0.01〜2重量部からなることを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
【効果】 本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、特定構造のテトラフルオロエチレン重合体と特定のシリコーン化合物等を配合することにより、耐衝撃性や造粒加工時の作業性、表面外観にも極めて優れるばかりでなく、環境への影響をも考慮したもので、各種難燃性工業部品材料としての利用価値が高い。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定のシェル変性を施したポリテトラフルオロエチレン重合体微粒子、有機金属塩化合物、シリコーン系難燃剤が配合された難燃性、耐衝撃性、作業性、表面外観等に優れ、さらには環境面への影響も配慮した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性などに優れた熱可塑性樹脂であり、電気、電子、機械、自動車、建材などの分野にて広く用いられている。一方、ポリカーボネート樹脂が有するこれらの優れた性能に加えて、電気、電子、OA等分野では安全上の要求を満たすため、高い難燃性を具備した材料が求められている。
そこで、最近ではポリカーボネート樹脂の難燃性を向上するために、従来から使用されてきた有機臭素化合物やリン系化合物などに替わって、より環境面への影響を配慮したシリコーン系難燃剤を使用する難燃化の方法が種々提案され、採用されつつある。
しかしながら、米国アンダーライターズ ラボラトリーズ(UL)規格94に基づくV−0等の高度な難燃性を満足させるには、当該シリコーン系難燃剤のみによる難燃化ではもちろん不十分であり、ドリッピングを防止するためポリテトラフルオロエチレン樹脂を配合することが提案され、実施されてきた。
特開昭60−23442号公報 特開昭60−260647号公報 特開昭61−57645号公報
ところが、ポリテトラフルオロエチレン樹脂をポリカーボネート樹脂に配合して造粒加工すると、当該樹脂自体が加工時に容易に凝集するため、押出機バレルへのフィード性不良、当該樹脂の分散不良による衝撃強度の低下や表面外観の悪化と言った問題があった。
本発明者らは、かかる問題点に鑑み鋭意検討を行った結果、特定構造のテトラフルオロエチレン重合体や特定構造のシリコーン化合物を用いることにより、ポリカーボネート樹脂の特長である耐衝撃性を犠牲にすることなく、造粒加工時の作業性や表面外観にも極めて優れ、かつ環境面への影響を十分に配慮した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、シェル変性ポリテトラフルオロエチレン重合体微粒子(B)0.01〜2重量部、有機金属塩化合物(C)0.005〜2重量部、および主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(D)0.01〜2重量部からなることを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、特定構造のテトラフルオロエチレン重合体と特定のシリコーン化合物等を配合することにより、耐衝撃性や造粒加工時の作業性、表面外観にも極めて優れるばかりでなく、環境への影響をも考慮したもので、各種難燃性工業部品材料としての利用価値が高い。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは、単独または2種類以上混合して使用されるが、ハロゲンで置換されていない方が燃焼時に懸念される当該ハロゲンを含むガスの環境への排出防止の面から好ましい。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。
3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000、さらに好ましくは17000〜28000である。かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明で用いられるシェル変性ポリテトラフルオロエチレン微粒子(B)は、特定の構造、すなわちコア(芯)・シェル(殻)構造を有し、少なくともシェルが変性されたポリテトラフルオロエチレンである微粒子である。「変性」とは、テトラフルオロエチレンを重合する際に他のフッ素系モノマーを微量共重合することを意味する。変性量は、生成するポリマー微粒子全体に占める共重合モノマーの含有量が0.001〜2重量%であり、好ましくは0.04〜1重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%である。
一般にポリテトラフルオロエチレン微粒子は乳化重合によって得られ、剪断力によって容易にフィブリル化を起こす性質を有する。しかし、変性するとその性質が抑制される傾向がある。本発明で用いられる微粒子は、基本的にシェル変性量の小さい微粒子である。シェルの変性によって、かかる微粒子を樹脂やその他の添加剤と混合する時、フィブリルが通常のポリテトラフルオロエチレン微粒子ほど容易に発生しないため、混合し易くなる、しかし、高温で溶融混練する状態では微粒子が軟らかくなって変形し、主としてコアがフィブリルとなる。従って、本発明で用いられるシェル変性ポリテトラフルオロエチレン微粒子(B)は、通常のポリテトラフルオロエチレン微粒子よりもフィブリル発生量は少なくなると考えられるが、ドリッピング防止には必要十分であり、またフィブリル化が適度であるため溶融混練中のフィブリル同士の凝集が発生しにくくなる。シェル変性の仕方によっては、成形品中でフィブリル状でなく長方形の粒状小片となる場合もあるが、同様に効果が認められる。シェル変性ポリテトラフルオロエチレン微粒子(B)も公知の乳化重合法によって製造され、0.1〜0.5μmの数平均粒径を有し、水性分散体の形態で得られる。本発明に使用する形態は、水性分散体を凝析、乾燥して得られる粉末である。粉末は微粒子の凝集体として形態でもよい。
変性のために用いられる共重合用モノマーとしてはクロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)など、一般的にフッ素系モノマーが使用される。本発明に好適なシェル変性ポリテトラフルオロエチレン微粒子(B)の例としては、特公昭56−26242に記載されているような、重量にして微粒子全体の70%に相当する粒子中心部分に、微粒子全体中のクロロトリフルオロエチレン含量の50%未満存在し、かつ微粒子の表面部分であって、重量にして微粒子全体の10%に相当する外殻部分(シェル)に、少なくとも0.01モル%濃度でクロロトリフルオロエチレンが存在するように変性した微粒子、あるいは特開平1−247408、特開平1−278506、特開平4−15247に記載されるコア・シェル共重合体変性微粒子などがある。
特公昭56−26242号公報 特開平1−247408号公報 特開平1−278506号公報 特開平4−15247号公報
シェル変性ポリテトラフルオロエチレン重合体(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり、0.01〜2重量部である。0.01重量部未満ではドリッピング防止効果に劣るため難燃性が得られにくい。また2重量部を超えると耐衝撃性が低下する。好ましくは0.05〜1重量部、より好ましくは0.1〜0.7重量部、さらに好ましくは0.3〜0.5重量部である。
有機金属塩化合物(C)としては、芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩があげられ、好適には、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフォンアミドのカリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3−3′−ジスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩等が使用できる。
有機金属塩化合物(C)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.005〜2重量部である。配合量が0.005重量部未満では、難燃性が低下するので好ましくない。また、2重量部を超えると、衝撃強度や難燃性が得られなかったり、表面外観が悪化したりするといった問題が発生する。好ましくは0.01〜0.7重量部、より好ましくは0.05〜0.2重量部の範囲である。
主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(D)としては、式RSiO1.5の単位(T単位)および/または式SiO2.0の単位(Q単位)を全体のシロキサン単位(R3〜0SiO2〜0.5)に対して20モル%以上含有することを特徴とするものであり、かつ含有される有機官能基のうち芳香族基が20モル%以上であることが要件となる。そして、含有される有機官能基のうち芳香族基がフェニル基であり、残りがメチル基であり、また末端基がメチル基、フェニル基、水酸基の内から選ばれた1種またはそれ以上の混合物であることを特徴とするものである。
(Rは有機官能基を表わす。)
Figure 2005068379
分岐単位としてT単位(RSiO1.5)および/またはQ単位(SiO2.0)を持つことを特徴とする。これらは全体のシロキサン単位(R3〜0SiO2〜0.5)の20モル%以上含有することが好ましい。(Rは有機官能基をあらわす。)また、本シリコーン化合物(D)は、含有される有機官能基のうち芳香族基が20モル%以上であることが好ましい。
この含有される芳香族基としては、フェニル、ビフェニル、ナフタレンまたはこれらの誘導体であるが、フェニル基が好適に使用できる。
シリコーン化合物(D)中の有機官能基で、主鎖や分岐した側鎖に付いたもののうち芳香族基以外の有機基としては、炭素数4以下の炭化水素基が好ましく、メチル基が好適に使用できる。さらに、末端基はメチル基、フェニル基、水酸基の内から選ばれた1種またはこれらの2種から3種までの混合物であることが好ましい。
シリコーン化合物(D)の平均分子量(重量平均)は、好ましくは3000〜50万であり、更に好ましくは5000〜27万の範囲である。
シリコーン化合物(D)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.01〜2重量部である。配合量が当該範囲外においてはいずれの場合も難燃効果が不十分であるので好ましくない。より好ましくは0.05〜0.9重量部の範囲である。
ポリカーボネート樹脂(A)に対し上記の成分(C)および(D)を配合することにより、難燃性を示すが十分でない。本発明では、ポリカーボネート樹脂(A)に対し、成分(C)、(D)のみならず、成分(B)、すなわちシェル変性ポリテトラフルオロエチレンを配合することにより相乗的効果が得られ、ドリッピングを生じない自己消火性で、かつ耐衝撃性や造粒加工時の作業性、表面外観にも優れ、環境面への影響をも十分配慮した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供できるものである。
本発明において規定される成分(A)、(B)、(C)、(D)を混合するにおいて、その形態および順序には何ら制限はない。例えば有機溶媒溶液、パウダー、ペレット状態のポリカーボネート樹脂(A)に、パウダー状態の(B)、(C)および(D)を添加する方法、溶融状態のポリカーボネート樹脂(A)に、パウダー状態の(B)、(C)および(D)を添加する方法などである。また全ての成分をタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等により一括混合する方法や任意の成分を一旦これら混合機により混合した後に残りの成分を配合する方法が挙げられる。そして、これらの混合物は通常の一軸またはニ軸押出機を用いて容易に溶融混練され、ペレット化される。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物には、公知の添加剤、例えばフェノール系またはリン系熱安定剤[2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2−メチレンビス−(4−エチル−6−t−メチルフェノール)、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、4,4′−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)等]、紫外線吸収剤[p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等]、滑剤[パラフィンワックス、n−ブチルステアレート、合成蜜蝋、天然蜜蝋、グリセリンモノエステル、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、ペンタエリスリトールテトラステアレート等]、着色剤[例えば酸化チタン、カーボンブラック、蛍光増白剤等]、充填剤[炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、ガラスフレーク、カーボン繊維、タルク、マイカ、各種ウィスカー類等]、流動性改良剤[トリフェニルホスフェート等モノリン酸エステルやオリゴマー状の縮合リン酸エスエル等が例示される。]、展着剤[エポキシ化大豆油、流動パラフィン等]、さらには他の熱可塑性樹脂、例えばポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、非晶性ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルメタアクリレート等や各種耐衝撃改良剤(ポリブタジエン、ポリアクリル酸エステル、エチレン・プロピレン系ゴム等のゴムに、メタアクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル等の化合物をグラフト重合してなるゴム強化樹脂等が例示される。)を必要に応じて添加することができる。
本発明をさらに具体的に説明するために以下に実施例を挙げて説明する。しかし、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
成分(A)
A:住友ダウ社製 ポリカーボネート樹脂
200−10(粘度平均分子量22400)
成分(B)
B−1:
特公昭56−26242公報に記載された実施例4に従って反応を行い、数平均粒子0.24μmのシェル変性ポリテトラフルオロエチレン微粒子の水性分散体(固形分濃度34%)を得た。変性剤(クロロトリフルオロエチレン)の含有量は0.35重量%であった。該水性分散体を常法により凝析・洗浄・乾燥した粉末をブレンド用に用いた。
B−2:
B−1の反応で、反応初期にクロロトリフルオロエチレンを添加せず、重合体の最終生成量に対して85重量%の時に、クロロトリフルオロエチレンの代わりに、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)を40g添加した以外は、基本的に同様の操作を行なった。数平均粒径0.29μmのシェル変性ポリテトラフルオロエチレン微粒子の水性分散体(固形分濃度30%)を得た。変性剤パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)の含有量は、特開昭64−1711実施例1記載の方法に従って測定したところ、0.05重量%であった。該水性分散体を常法により凝析・洗浄・乾燥した粉末をブレンド用に用いた。
b−1:
市販の非変性ポリテトラフルオロエチレン微粒子の凝集粉末、ダイキン工業製
商品名:ポリフロンTFEファインパウダーF−104(特公昭56−54016公報記載の分子量測定法によれば、約450万である)を20℃以下で1日以上保った状態で使用した。
b−2:
b−1を特に温度管理しないで使用した。
C:バイエル社製 パーフロオロブタンスルホン酸カリウム
商品名:Bayowet C4
成分(D)
D:シリコーン化合物
シリコーン化合物は、一般的な製造方法に従って製造した。すなわち、適量のジオルガノジクロロシラン、モノオルガノトリクロロシランおよびテトラクロロシラン、あるいはそれらの部分加水分解縮合物を有機溶剤中に溶解し、水を添加して加水分解して、部分的に縮合したシリコーン化合物を形成し、さらにトリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって重合を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離した。上記方法で合成したシリコーン化合物の構造特性は、以下のとおり:
・主鎖構造のD/T/Q単位の比率:40/60/0(モル比)
・全有機官能基中のフェニル基の比率(*):60モル%
・末端基: メチル基のみ
・重量平均分子量(**):15000
*:フェニル基は、T単位を含むシリコーン中ではT単位にまず含まれ、残った場
合がD単位に含まれる。D単位にフェニル基が付く場合、1個付くものが優先
し、さらにフェニル基が残余する場合に2個付く。末端基を除き、有機官能基
は、フェニル基以外は全てメチル基である。
**:重量平均分子量は、有効数字2桁。
表1に示された各成分を配合比率に基づいて配合後ドライブレンドし、神戸製鋼社製二軸押出機KTX37を用いて溶融温度280℃の条件下、造粒を行った。得られたペレットを、日本製鋼所製J100E2P射出成形機を用い、シリンダー設定温度280℃の条件下、各試験片を作成し、次の各評価を行った。評価結果を表1に示す。
(1)耐衝撃性:ASTM D−256に準じてノッチ付アイゾット衝撃強度を測定し、衝撃値が30kg・cm/cm以上を合格とした。厚みは3.2mm。
(2)難燃性:UL94に準じて1.6mm厚みの試験片で難燃性(自己消火性)を測定した。該試験片を温度23℃湿度50%の恒温室の中で48時間放置し、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価を行った。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、以下のクラスに分けられる。
V−0 V−1 V−2
各試料の 10秒以下 30秒以下 30秒以下
残炎時間
5試料の 50秒以下 50秒以下 250秒以下
全残炎時間
ドリップによ なし なし あり
る綿の着火
上に示す残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の試験片が有炎燃焼を続ける時間の長さであり、ドリップによる綿の着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。
評価の基準は、1.6mm厚さの試験においてV−0を合格とした。
(3)作業性:二軸押出機KTX37に設置した重量式定量フィーダーからの単位時間あたりの材料吐出量(重量)を測定した。重量が15Kg/HR以下を不合格とした。
(4)表面外観:先に記述した衝撃試験用の試験片の表面状態(表面の肌荒れ状態)を目視にて評価した。○:良好、×:悪い、××:非常に悪い。
表1 配合比率と評価結果
Figure 2005068379
実施例1、2に示すように、本発明の必須成分および各配合成分の配合量の規定値範囲を満足するものについては、難燃性、耐衝撃性等全ての性能の規格を満たしていた。一方、比較例1、2に示すように、本発明の必須成分以外のものを用いた場合には、それぞれ欠点を有していた。
比較例1、2では、いずれもシェル変性でないポリテトラフルオロエチレン樹脂が使用されており、難燃性、耐衝撃性、作業性、表面外観が大きく悪化してしまった。

Claims (3)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、シェル変性ポリテトラフルオロエチレン重合体微粒子(B)0.01〜2重量部、有機金属塩化合物(C)0.005〜2重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(D)0.01〜2重量部からなることを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. シェル変性ポリテトラフルオロエチレン重合体微粒子(B)が、コア・シェル構造を有し、少なくともシェルがテトラフルオロエチレン以外のフッ素系モノマーを共重合させることによって変性されたポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 有機金属塩化合物(C)が、芳香族スルホン酸の金属塩またはパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩であることを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。



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JP2011184619A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Teijin Chem Ltd 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物

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