JP2013120811A - 導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法および積層体 - Google Patents
導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法および積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013120811A JP2013120811A JP2011267457A JP2011267457A JP2013120811A JP 2013120811 A JP2013120811 A JP 2013120811A JP 2011267457 A JP2011267457 A JP 2011267457A JP 2011267457 A JP2011267457 A JP 2011267457A JP 2013120811 A JP2013120811 A JP 2013120811A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive resin
- pattern
- laminate
- conductive
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
- Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)
Abstract
【課題】本発明の目的は、簡便な方法で、信頼性に優れた、導電性樹脂パターンを有する積層体が得られる製造方法を提供することである。さらに、本発明は前記製造方法により得られる積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】(a)透明基体の少なくとも一面に、設けられた導電性樹脂組成物層を有する導電性積層体を準備する工程と、
(b)レジストインクを用いて印刷法により前記導電性樹脂組成物層上にレジストパターンを形成する工程と、
(c)エッチング剤を用いてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層を除去する工程とをこの順で含む製造方法によって、簡便に導電性樹脂パターンを有する積層体を製造でき、得られた積層体の導電性樹脂パターンは良好な表面抵抗率を示す。
【選択図】 図1
【解決手段】(a)透明基体の少なくとも一面に、設けられた導電性樹脂組成物層を有する導電性積層体を準備する工程と、
(b)レジストインクを用いて印刷法により前記導電性樹脂組成物層上にレジストパターンを形成する工程と、
(c)エッチング剤を用いてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層を除去する工程とをこの順で含む製造方法によって、簡便に導電性樹脂パターンを有する積層体を製造でき、得られた積層体の導電性樹脂パターンは良好な表面抵抗率を示す。
【選択図】 図1
Description
本発明は、導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法、および、積層体に関する。
現在、透明導電膜としては、インジウム(In)を含むITO(酸化インジウムスズ)が主に使われているが、Inは可採埋蔵量が3千トンという希少元素で、早ければ2011年〜2013年頃には可採埋蔵量を使い切ってしまう、といった予測もあり、Inを使わないITOの代替材料の開発が急務である。導電性高分子の導電率は目覚しく向上しており、ITOの代替材料として導電性高分子は有望である。
この導電性高分子は、導電性、光の透過性、発光性、製膜後もフレキシブルであるという特徴をもっており、透明導電膜、電解コンデンサー、帯電防止剤、電池、および有機EL素子、タッチパネル等への応用が研究され、一部では実用化されている。
この導電性高分子は、導電性、光の透過性、発光性、製膜後もフレキシブルであるという特徴をもっており、透明導電膜、電解コンデンサー、帯電防止剤、電池、および有機EL素子、タッチパネル等への応用が研究され、一部では実用化されている。
電解コンデンサーの電解液よりも導電性が高く安定性も高い導電性高分子を使うことで、周波数特性が改善され、耐熱性にも優れた電解コンデンサーを得ることができる。
また、導電性高分子をポリマーフィルムの表面に薄く製膜することで透明性を保ったまま静電気を防止することができるため、このようなものは使い勝手のよい帯電防止フィルムや帯電防止容器として使用されている。
また、導電性高分子をポリマーフィルムの表面に薄く製膜することで透明性を保ったまま静電気を防止することができるため、このようなものは使い勝手のよい帯電防止フィルムや帯電防止容器として使用されている。
導電性高分子は2次電池の正極として用いることができ、リチウムポリアニリン電池やリチウムイオンポリマー電池等に使われている。発光層に導電性高分子を用いた高分子有機ELディスプレイがあり、基板にガラスではなくプラスチックを用いることで、フレキシブルなディスプレイが作製できる。また、正孔輸送層にも導電性高分子を用いることができる。高分子有機ELディスプレイを含む有機ELディスプレイは、自発光のディスプレイなので視野角が広く、薄型化しやすく、色の再現性に優れる。また、正孔と電子の再結合による発光なので応答速度が速い。有機ELディスプレイはこのような優れた特徴を持っているために、将来有望なディスプレイである。導電性高分子はITOよりも屈曲性に優れているので、有機ELと導電性高分子を透明導電膜に用いた、折り曲げ可能なフレキシブルディスプレイの開発も行われている。また、導電性高分子を使用してダイオードやトランジスタなどの電子素子を作製することができ、性能の向上が研究されている。導電性高分子を白金の代わりに色素増感型太陽電池の二酸化チタンの対極として使用することにより、現在主流となっているシリコンを利用した太陽電池よりも安価な太陽電池の開発を目指し研究されている。
このように導電性高分子は将来のエレクトロニクス産業にとって有益な材料で、導電性高分子のパターニング方法は導電性高分子を使用するにあたって重要な技術である。
このように導電性高分子は将来のエレクトロニクス産業にとって有益な材料で、導電性高分子のパターニング方法は導電性高分子を使用するにあたって重要な技術である。
特許文献1には、導電性重合体のような機能性高分子を含む溶液または分散液を含み、特定の粘度を有する印刷ペーストを用いてスクリーン印刷法により直接パターンを描き、ペースト中の溶剤または分散媒を除去することにより目的とする機能性薄膜のパターンを形成できることが記載されているが、その解像度は必ずしも十分ではなく、印刷ペーストを特定の粘度に調整するという手間がかかるという問題があった。
特許文献2には、インクジェットプリント装置により機能性材料としての発光材料のパターンを形成する方法が開示されている。この方法では、液状の発光材料をインクジェット装置により基板上に付着させ、加熱処理により高分子化できることが示されているが、液状の発光材料を基板上に付与する際に、あらかじめ垂れ防止壁を形成する必要があり、さらには、液状の発光材料の粘度および表面張力を調整する手間がかかる方法であった。
特許文献3には、基板上に目的とする機能性薄膜の逆パターンを、感放射線性樹脂組成物により形成し、その上に導電性ポリマーを塗布・乾燥し、その後、基板を剥離剤で処理することにより、逆パターンを、パターン上の導電性ポリマー層とともに除去することにより、パターンを形成する方法が開示されているが、そのエッジ形状は必ずしも適正ではなく、また、パターン作製後に、導電性を維持すること、信頼性を維持することが困難であった。
特許文献4には、基板上に目的とする機能性薄膜の逆パターンを、レジストインクにより形成し、その上に導電性ポリマーインクを塗布・乾燥し、その後、レジストインクを、インク上の導電性ポリマーインクとともに機械的に除去することにより、パターンを形成する方法が開示されているが、機械的に剥離させる際、導電性高分子が引きちぎられて必要なパターンが残らなかったり、あるいは剥離が不十分で必要なパターンが形成されない恐れのある方法であった。
これに対し、パターン形成のための従来技術として広く用いられているフォトエッチング方法は均一な膜を製膜後にパターニングを行うので、簡単な製膜方法を採用できる利点がある。導電性高分子をエッチングによってパターニングする方法については、例えば特許文献5に開示されており、数μmオーダーの微細なパターンを作製できるものの、レジスト層形成、露光、露光したレジストの除去、導電性高分子膜のエッチング、レジストパターン除去といった多くの工程が必要であり、非常に煩雑であったので、数μmオーダーまでの微細なパターンが必要ない場合に、より簡便に導電性高分子をパターニングする方法が求められていた。
本発明の目的は、簡便な方法で、信頼性に優れた、導電性樹脂パターンを有する積層体が得られる製造方法を提供することである。さらに、本発明は前記製造方法により得られる積層体を提供することを目的とする。
(a)透明基体の少なくとも一面に、設けられた導電性樹脂組成物層を有する導電性積層体を準備する工程と、
(b)レジストインクを用いて印刷法により前記導電性樹脂組成物層上にレジストパターンを形成する工程と、
(c)エッチング剤を用いてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層を除去する工程とをこの順で含む製造方法によって、簡便に導電性樹脂パターンを有する積層体を製造できることを見出し、得られた積層体の導電性樹脂パターンが良好な表面抵抗率を示すことを確かめて本発明を完成した。
(b)レジストインクを用いて印刷法により前記導電性樹脂組成物層上にレジストパターンを形成する工程と、
(c)エッチング剤を用いてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層を除去する工程とをこの順で含む製造方法によって、簡便に導電性樹脂パターンを有する積層体を製造できることを見出し、得られた積層体の導電性樹脂パターンが良好な表面抵抗率を示すことを確かめて本発明を完成した。
本発明によれば、比較的簡便な方法で、信頼性に優れた、導電性樹脂パターンを有する積層体を製造することができ、得られた積層体の導電性樹脂パターンは良好な表面抵抗率を有するので、回路や電極等の導電性樹脂パターンを有する透明基体を安価に提供することができる。
本発明の導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法は、
(a)透明基体の少なくとも一面に、設けられた導電性樹脂組成物層を有する導電性積層体を準備する工程、
(b)レジストインクを用いて印刷法により前記導電性樹脂組成物層上にレジストパターンを形成する工程、
(c)エッチング剤を用いてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層を除去する工程、
をこの順で含む。以下にその詳細な方法を説明する。
(a)透明基体の少なくとも一面に、設けられた導電性樹脂組成物層を有する導電性積層体を準備する工程、
(b)レジストインクを用いて印刷法により前記導電性樹脂組成物層上にレジストパターンを形成する工程、
(c)エッチング剤を用いてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層を除去する工程、
をこの順で含む。以下にその詳細な方法を説明する。
(1)導電性積層体
本発明に用いる導電性積層体は、透明基体、および、該透明基体の少なくとも一面に設けられた導電性樹脂組成物層を有する。前記透明基体は、透明樹脂基体または透明ガラス基体であることが好ましい。ここで、「透明」とは全光透過率が80%以上であることを意味する。透明基体の全光透過率は、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
本発明に用いる導電性積層体は、透明基体、および、該透明基体の少なくとも一面に設けられた導電性樹脂組成物層を有する。前記透明基体は、透明樹脂基体または透明ガラス基体であることが好ましい。ここで、「透明」とは全光透過率が80%以上であることを意味する。透明基体の全光透過率は、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
(透明樹脂基体または透明ガラス基体)
本発明において、導電性樹脂組成物層は透明樹脂基体または透明ガラス基体に設けることが好ましい。本発明に用いる透明樹脂基体または透明ガラス基体は、特に制限はなく、使用目的や用途に従い適宜選択することができる。透明樹脂基体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン類、その他にポリスチレン、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA))等が例示される。これらの透明樹脂基体の形状に制限はないが、ロールtoロールでの生産性に優れるのでロール状であることが好ましい。透明ガラス基体としては、ソーダ石灰硝子、ケイ酸硝子、バリウム硝子、燐酸塩硝子、ホウ酸塩硝子、フッ化物硝子、石英硝子等の無機硝子類等が例示される。
本発明において、導電性樹脂組成物層は透明樹脂基体または透明ガラス基体に設けることが好ましい。本発明に用いる透明樹脂基体または透明ガラス基体は、特に制限はなく、使用目的や用途に従い適宜選択することができる。透明樹脂基体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン類、その他にポリスチレン、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA))等が例示される。これらの透明樹脂基体の形状に制限はないが、ロールtoロールでの生産性に優れるのでロール状であることが好ましい。透明ガラス基体としては、ソーダ石灰硝子、ケイ酸硝子、バリウム硝子、燐酸塩硝子、ホウ酸塩硝子、フッ化物硝子、石英硝子等の無機硝子類等が例示される。
(導電性樹脂組成物層)
本発明に使用する導電性樹脂組成物層はπ共役系導電性高分子を含有する導電性樹脂組成物を成膜して作製する。π共役系導電性高分子としては、公知のπ共役系導電性高分子を使用することができ、例えば、以下に示すモノマーの1種または2種以上を単量体として、重合させて得られる導電性高分子が挙げられる。モノマーとしては、例えば、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール、3−フェニルナフチルアミノピロールなどのピロール誘導体;アニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−メトキシアニリン、m−メトキシアニリン、p−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン、m−エトキシアニリン、p−エトキシアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、スルホン化アニリンなどのアニリン誘導体;チオフェン、3−メチルチオフェン、3−n−ブチルチオフェン、3−n−ペンチルチオフェン、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−ヘプチルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−n−ノニルチオフェン、3−n−デシルチオフェン、3−n−ウンデシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ナフトキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェンなどのチオフェン誘導体などが挙げられる。これらの中でも、ピロール、アニリン、チオフェン、および、3,4−エチレンジオキシチオフェンが好ましく、3,4−エチレンジオキシチオフェンがより好ましい。これらのモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に使用する導電性樹脂組成物層はπ共役系導電性高分子を含有する導電性樹脂組成物を成膜して作製する。π共役系導電性高分子としては、公知のπ共役系導電性高分子を使用することができ、例えば、以下に示すモノマーの1種または2種以上を単量体として、重合させて得られる導電性高分子が挙げられる。モノマーとしては、例えば、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール、3−フェニルナフチルアミノピロールなどのピロール誘導体;アニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−メトキシアニリン、m−メトキシアニリン、p−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン、m−エトキシアニリン、p−エトキシアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、スルホン化アニリンなどのアニリン誘導体;チオフェン、3−メチルチオフェン、3−n−ブチルチオフェン、3−n−ペンチルチオフェン、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−ヘプチルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−n−ノニルチオフェン、3−n−デシルチオフェン、3−n−ウンデシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ナフトキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェンなどのチオフェン誘導体などが挙げられる。これらの中でも、ピロール、アニリン、チオフェン、および、3,4−エチレンジオキシチオフェンが好ましく、3,4−エチレンジオキシチオフェンがより好ましい。これらのモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては導電性高分子の電気伝導度を高める目的で、ドーパントを併用することができる。該ドーパントとしては、アクセプターおよびドナーのいずれでもよく、ヨウ素、塩素等のハロゲン類、BF3、PF5等のルイス酸類、硝酸、硫酸等のプロトン酸類や、ポリ陰イオン(ポリマー型ポリアニオン)、遷移金属、アルカリ金属、アミノ酸、核酸、界面活性剤、色素、クロラニル、テトラシアノエチレン、TCNQ等、公知のものが例示される。ポリチオフェン類を用いる場合のドーパントとしてはポリ陰イオンを用いることが好ましく、ポリスチレンスルホン酸を用いることが特に好ましい。
また、導電性高分子は上市されており、具体的な導電性高分子としては、Panipol社により製造され「Panipol」の商品名で市販されているポリアニリンが知られており、機能性スルホン酸でドープした有機溶剤可溶型ポリアニリンである。Ormecon社により製造され「Ormecon」の商品名で市販されたポリアニリンは、有機酸をドーパントに用いた溶剤分散型ポリアニリンである。他にも、ヘレウス社により製造され「CLEVIOS」(登録商標)の商品名で、日本アグファ・ゲバルト社により製造され「オーガコン」(登録商標)の商品名で、あるいは帝人デュポンフィルム社により製造された「カレンファイン」の商品名で市販されているポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が例示できる。なお、「カレンファイン」はポリスチレンスルホン酸をドーパントとしている。その他に、アキレス社から商品名「STポリ」で市販されるポリピロール、東洋紡績社から商品名「PETMAX」で市販されるスルホン化ポリアニリン、マルアイ社から商品名「SCS−NEO」で市販されるポリアニリンも本発明に使用できる。さらに、特許流通促進事業として特許流通支援チャートの平成13年度化学6「有機導電性ポリマー」に記載されている導電性高分子も本発明に使用できる。
(2)印刷
本発明の製造方法では、印刷法によってレジストインクのパターンを形成する。印刷法として応用できるのは、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷、無版印刷等であり、凸版印刷としては樹脂凸版印刷やフレキソ印刷、凹版印刷としてはグラビア印刷、孔版印刷としてはスクリーン印刷、平版印刷としてはオフセット印刷、無版印刷としては静電印刷、レーザ印刷、熱転写印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。これらの中で好ましいものは、簡便な印刷装置で印刷でき、インク層の厚さを比較的自由に設定できる点でスクリーン印刷とインクジェット印刷であり、さらに好ましくはスクリーン印刷である。
本発明の製造方法では、印刷法によってレジストインクのパターンを形成する。印刷法として応用できるのは、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷、無版印刷等であり、凸版印刷としては樹脂凸版印刷やフレキソ印刷、凹版印刷としてはグラビア印刷、孔版印刷としてはスクリーン印刷、平版印刷としてはオフセット印刷、無版印刷としては静電印刷、レーザ印刷、熱転写印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。これらの中で好ましいものは、簡便な印刷装置で印刷でき、インク層の厚さを比較的自由に設定できる点でスクリーン印刷とインクジェット印刷であり、さらに好ましくはスクリーン印刷である。
印刷に使用するレジストインクとしては、各種印刷法により適正なレジストパターンが形成できること、本発明に関わるエッチング剤に対する耐性を備えていること、導電性樹脂組成物層の導電率を低下させる等の悪影響を与えないこと、導電性樹脂組成物層に対する密着性が高いこと、溶剤またはアルカリ水溶液で溶解剥離または膨潤剥離できることが好ましい。フィルムに導電性樹脂組成物層が形成され、ロールtoロールで生産が行なわれる場合は形成されたレジストパターンに柔軟性が備わっていることが好ましい。
これらの特性を有するレジストインクとしては、被膜形成能を有する樹脂成分、チクソトロピー性を付与するためのフィラー成分、溶剤成分および着色剤等の添加剤を含む組成物が用いられる。また、印刷後のレジストパターンの処理方法に応じて、乾燥型、熱硬化型または活性エネルギー線硬化型を選ぶことができる。
乾燥型レジストインク組成物としては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレン等のビニルモノマーを重合させたポリマー、フェノールノボラック樹脂、ポリウレタン、ポリアミドおよびポリビニルエーテル等からなる樹脂に、シリカやタルク等のフィラーおよびブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテルエステル系溶剤を加え三本ロール等で混練したものが挙げられる。アルカリ剥離性を付与または調整するためコハク酸やフタル酸またはこれらの酸無水物を含む酸価を有する化合物を添加することもできる。
熱硬化型レジストインク組成物としては、例えばフェノール樹脂や酸価とエチレン性不飽和基を有するエポキシ樹脂またはポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル系オリゴマーおよび熱重合開始剤からなる樹脂に、シリカやタルク等のフィラーおよびブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテルエステル系溶剤を加え三本ロール等で混練したものが挙げられる。
活性エネルギー線硬化型レジストインク組成物としては、例えば酸価とエチレン性不飽和基を有するエポキシ樹脂またはポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル系オリゴマーおよび光重合開始剤からなる樹脂に、シリカやタルク等のフィラーおよびブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテルエステル系溶剤を加え三本ロール等で混練したものが挙げられる。
これらの例示したレジストインク組成物以外に、特開平11−258797、特開2003−142801、特開2005−51056および「フォトポリマーハンドブック」フォトポリマー懇話会編(1989年発行)記載の乾燥型や活性エネルギー線硬化型レジストインク組成物も用いることができるが、これらに限定するものではない。
印刷インクとしての適性を付与するため前述のシリカやタルクを含め種々のフィラーを用いることができるが、レジストパターン剥離後には基板上にフィラーが残存しないことが求められる。そのため、できるだけ少量でチクソトロピー性を付与することができ、剥離時には容易に除去できるフィラーが好ましい。この目的に適したフィラーとしては、シリカの一種であるが、粒径の小さなアエロジルが挙げられる。アエロジルはアルカリ剥離剤を用いた場合、粒径が小さいのでアルカリ剥離剤に溶解する。そのため、導電性樹脂組成物層の表面から除去しやすく好ましい。
本発明に関わるレジストインク組成物の粘度やチクソトロピー指数は、低い方が、印刷時のインクの流動性が高いので好ましく、パターンのかすれやピンホールを防ぐことができ、インク表面が平滑になる。一方、印刷後のパターンの形状変化については粘度やチクソトロピー指数が高い方が形状変化が抑えられるので好ましい。したがって、本発明で用いられる好ましいレジストインクは、粘度が20〜300dPa・s/25℃、チクソトロピー指数(以下、TI指数と略す)が1〜5のものである。
印刷法で得られたパターンを加熱乾燥あるいは熱硬化させる場合は、低温で行った方が透明基体と導電性樹脂組成物層の密着性や導電性の悪化を抑えることができ、好ましく、また、高温の方が乾燥または熱硬化の時間が短縮でき、エッチング剤に対する耐性も良くなるために好ましいため、60℃〜180℃で行なうのが好ましい。
使用できる活性エネルギー線としては紫外線や電子線が挙げられ、紫外線の照射量は、多い方が、硬化が十分に進んでエッチング剤に対する耐性が高くなり、また、低い方が硬化や剥離の時間を抑えることができるとともにパターンの脆化によるクラック発生を抑えることができて好ましいことから、10〜5000mJ/cm2が好ましい。
(3)エッチング剤
本発明の製造方法において、導電性積層体のパターニングに用いる導電性高分子用エッチング剤として好ましいものは、硝酸セリウムアンモニウム、硫酸セリウムアンモニウムおよび次亜塩素酸よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含有するものであり、さらに好ましくは、以下の(エッチング剤A)〜(エッチング剤C)よりなる群から選択されるものである。
(エッチング剤A)
硝酸セリウムアンモニウム(NH4)2Ce(NO3)6を含有するエッチング剤
(エッチング剤B)
硫酸セリウムアンモニウム(NH4)4Ce(SO4)4を含有するエッチング剤
(エッチング剤C)
次亜塩素酸塩水溶液であるエッチング剤
本発明の製造方法において、導電性積層体のパターニングに用いる導電性高分子用エッチング剤として好ましいものは、硝酸セリウムアンモニウム、硫酸セリウムアンモニウムおよび次亜塩素酸よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含有するものであり、さらに好ましくは、以下の(エッチング剤A)〜(エッチング剤C)よりなる群から選択されるものである。
(エッチング剤A)
硝酸セリウムアンモニウム(NH4)2Ce(NO3)6を含有するエッチング剤
(エッチング剤B)
硫酸セリウムアンモニウム(NH4)4Ce(SO4)4を含有するエッチング剤
(エッチング剤C)
次亜塩素酸塩水溶液であるエッチング剤
上記(エッチング剤A)〜(エッチング剤C)に示したそれぞれのエッチング剤について説明する。
(エッチング剤A):(NH4)2Ce(NO3)6を含有するエッチング剤
本発明において、第1のエッチング剤(エッチング剤A)は、硝酸セリウムアンモニウム((NH4)2Ce(NO3)6)を含有する。エッチング剤剤における(NH4)2Ce(NO3)6の濃度としては、エッチング処理能力の観点から0.5質量%を超える添加量であることが好ましく、1.0質量%以上がより好ましい。また、濃度とともに処理速度が上がるが、溶解度の点から70質量%以下であることが好ましく、40質量%以下がより好ましい。さらに好ましくは2.0〜30質量%(すなわち2.0質量%以上30質量%以下)であり、特に好ましくは5.0〜15質量%である。
本発明において、エッチング剤の溶媒としては、前記セリウム塩を溶解でき、エッチング処理に影響のない媒体であれば、特に制限はないが、水であることが好ましい。また、溶媒として、水と無機酸を混合して用いることも好ましい。
(エッチング剤A):(NH4)2Ce(NO3)6を含有するエッチング剤
本発明において、第1のエッチング剤(エッチング剤A)は、硝酸セリウムアンモニウム((NH4)2Ce(NO3)6)を含有する。エッチング剤剤における(NH4)2Ce(NO3)6の濃度としては、エッチング処理能力の観点から0.5質量%を超える添加量であることが好ましく、1.0質量%以上がより好ましい。また、濃度とともに処理速度が上がるが、溶解度の点から70質量%以下であることが好ましく、40質量%以下がより好ましい。さらに好ましくは2.0〜30質量%(すなわち2.0質量%以上30質量%以下)であり、特に好ましくは5.0〜15質量%である。
本発明において、エッチング剤の溶媒としては、前記セリウム塩を溶解でき、エッチング処理に影響のない媒体であれば、特に制限はないが、水であることが好ましい。また、溶媒として、水と無機酸を混合して用いることも好ましい。
(NH4)2Ce(NO3)6を用いたエッチング剤(エッチング剤A)において、当該エッチング剤の分解を防止するため、安定剤を用いることができ、当該エッチング剤については安定剤を配合した方が好ましい。当該安定剤としてはHNO3またはHClO4が好ましい。
当該安定剤としてHNO3を用いた場合、その濃度は、0.1質量%より多いことが好ましく、また、70質量%以下であることが好ましく、1.0〜60質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましく、10〜20質量%であることが特に好ましい。また、当該安定剤としてHClO4を用いた場合、その濃度は、0.1質量%より多いことが好ましく、また、60質量%以下であることが好ましく、1.0〜50質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることがさらに好ましい。なお、硫酸は、(NH4)2Ce(NO3)6エッチング剤を白濁させるので安定剤として好ましくない。(NH4)2Ce(NO3)6を用いたエッチング剤において、安定剤が上記範囲の濃度であるとエッチング剤の安定性が向上するので好ましい。
当該安定剤としてHNO3を用いた場合、その濃度は、0.1質量%より多いことが好ましく、また、70質量%以下であることが好ましく、1.0〜60質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましく、10〜20質量%であることが特に好ましい。また、当該安定剤としてHClO4を用いた場合、その濃度は、0.1質量%より多いことが好ましく、また、60質量%以下であることが好ましく、1.0〜50質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることがさらに好ましい。なお、硫酸は、(NH4)2Ce(NO3)6エッチング剤を白濁させるので安定剤として好ましくない。(NH4)2Ce(NO3)6を用いたエッチング剤において、安定剤が上記範囲の濃度であるとエッチング剤の安定性が向上するので好ましい。
(エッチング剤B):(NH4)4Ce(SO4)4を含有するエッチング剤
本発明において、第2のエッチング剤(エッチング剤B)の溶媒としては、前記セリウム塩を溶解でき、エッチング処理に影響のない媒体であれば、特に制限はないが、水であることが好ましい。また、溶媒として、水と無機酸を混合して用いることも好ましい。
本発明において、第2のエッチング剤(エッチング剤B)の溶媒としては、前記セリウム塩を溶解でき、エッチング処理に影響のない媒体であれば、特に制限はないが、水であることが好ましい。また、溶媒として、水と無機酸を混合して用いることも好ましい。
本発明において、(NH4)4Ce(SO4)4の含有量は、エッチング剤の処理能力から0.5質量%を超える添加量であることが好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、また、濃度とともに処理速度が上がるが、溶解度の点から30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下がより好ましく、さらに好ましくは2.0〜25質量%であり、特に好ましくは5〜15質量%である。本発明において、エッチング剤(エッチング剤B)の含有する(NH4)4Ce(SO4)4が上記範囲の濃度であると、エッチングの処理能力が優れるので好ましい。
第2のエッチング剤(エッチング剤B)において、当該エッチング剤の分解を防止するため、安定剤を用いることができ、当該エッチング剤については安定剤を配合した方が好ましい。当該安定剤としては、H2SO4が好ましい。当該安定剤としてH2SO4を用いた場合、その濃度は、1.0質量%より多いことが好ましく、また、40質量%以下であることが好ましく、2.0〜30質量%であることがより好ましく、3〜20質量%であることがさらに好ましい。なお、硝酸は、(NH4)4Ce(SO4)4を含有する第2のエッチング剤(エッチング剤B)を白濁させるので安定剤として好ましくない。第2のエッチング剤(エッチング剤B)において、安定剤が上記範囲の濃度であるとエッチング剤の安定性が向上するので好ましい。
(エッチング剤C):次亜塩素酸塩水溶液であるエッチング剤
本発明において、第3のエッチング剤(エッチング剤C)は、次亜塩素酸塩の水溶液を用いるものであり、当該塩としては、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が例示でき、好ましくはアルカリ金属塩である。当該アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩またはカリウム塩が好ましく、より好ましくはナトリウム塩である。当該アルカリ土類金属塩としては、カルシウム塩が好ましい。なお、本発明において、第3のエッチング剤(エッチング剤C)の溶媒としては、エッチング処理に影響のない媒体であれば、特に制限はないが、水であることが好ましい。
本発明において、第3のエッチング剤(エッチング剤C)は、次亜塩素酸塩の水溶液を用いるものであり、当該塩としては、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が例示でき、好ましくはアルカリ金属塩である。当該アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩またはカリウム塩が好ましく、より好ましくはナトリウム塩である。当該アルカリ土類金属塩としては、カルシウム塩が好ましい。なお、本発明において、第3のエッチング剤(エッチング剤C)の溶媒としては、エッチング処理に影響のない媒体であれば、特に制限はないが、水であることが好ましい。
次亜塩素酸塩は、水酸化アルカリ金属または水酸化アルカリ土類金属に塩素を吸収させて製造するので、未反応の水酸化アルカリ金属または水酸化アルカリ土類金属の影響でその水溶液は強アルカリ性を示す。このように強アルカリ性を示す導電性高分子用エッチング剤は、レジストに悪影響を与えるので、第3のエッチング剤(エッチング剤C)のpHは、3を超え10.5未満であることが好ましく、pH4〜10.0であることがより好ましく、pH4.5〜9.5であることが特に好ましい。エッチング剤のpHが10.5未満であると、レジストに対する影響が少ないので好ましい。また、pHが3以上であると、塩素ガスの発生による有効塩素濃度の低下が抑制され、エッチング所要時間が短く、また、発生した塩素ガスによるエッチング装置およびエッチング装置近辺の機器への障害が少ないので好ましい。また、エッチング剤のpHが4.0以上であると塩素ガスの発生ほとんどないことから好ましく、pHが4.5以上であると塩素ガスの発生がないことから特に好ましい。
本発明において、エッチング剤CのpHを上記範囲内とするためには、酸を添加することが好ましい。添加する酸としては無機酸および有機酸のいずれも使用することができる。具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、酢酸、クエン酸等が好ましく例示でき、これらの中でも硫酸および硝酸がより好ましい。本発明において、エッチング剤のpHは、市販されているpHメーターを用いて測定することができる。
本発明において、第3のエッチング剤(エッチング剤C)は、次亜塩素酸の有効塩素濃度が0.06質量%以上であることが好ましい。エッチング剤の有効塩素濃度が0.06質量%以上であると、良好なエッチング処理能力が得られるので好ましい。有効塩素濃度は、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.2質量%以上であり、3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。本発明において、第3のエッチング剤(エッチング剤C)の有効塩素濃度がこの範囲内であると、導電性高分子のエッチングが効率よくできるので好ましい。
本発明において、有効塩素濃度は、Na2SO3での滴定法により測定することが好ましい。すなわち、測定する試料をWグラム採取し、脱イオン水で250mlにメスアップする。この試料液10mlを分取し、ヨウ化カリウム10%水溶液10mlを加える。そして、酢酸(1:2)10mlを加えpHを酸性にし、0.1規定濃度チオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定する(滴定の途中で終点を判定しやすくするため可溶性でんぷんを加える)。0.1規定濃度Na2SO3の滴定量および試料採取量Wと次式から有効塩素濃度を求める。
有効塩素濃度(質量%)=
0.003546×(Na2SO3滴定量:ml)×100/W/(10/250)
有効塩素濃度(質量%)=
0.003546×(Na2SO3滴定量:ml)×100/W/(10/250)
(4)剥離剤
導電性樹脂組成物層の上に形成されたレジストパターンを除去する場合に、用いることのできる剥離剤としては、優れた剥離性を有し、導電性樹脂組成物層の導電性を低下させたり、基体との密着性を悪化させたりしない剥離剤が好ましい。また、乾燥型、熱硬化型および活性エネルギー線硬化型レジストインク組成物を用いて形成したレジストパターンは一般的に溶解および/または膨潤させて除去する。これらの目的に適した剥離剤として有機溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、国際公開WO2008/152907パンフレット記載の非プロトン性有機溶剤、すなわち、ジアルキルスルホン類、ジアルキルスルホキシド類、炭酸アルキレン類およびアルキルラクトン類等を好適に用いることができ、導電性樹脂組成物層の特性や剥離性を落とさない範囲で他の助溶剤を用いることもできる。助溶剤としては、ウレア化合物を含むアミド化合物類、アルコール類、アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、アミン類および水が挙げられる。
導電性樹脂組成物層の上に形成されたレジストパターンを除去する場合に、用いることのできる剥離剤としては、優れた剥離性を有し、導電性樹脂組成物層の導電性を低下させたり、基体との密着性を悪化させたりしない剥離剤が好ましい。また、乾燥型、熱硬化型および活性エネルギー線硬化型レジストインク組成物を用いて形成したレジストパターンは一般的に溶解および/または膨潤させて除去する。これらの目的に適した剥離剤として有機溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、国際公開WO2008/152907パンフレット記載の非プロトン性有機溶剤、すなわち、ジアルキルスルホン類、ジアルキルスルホキシド類、炭酸アルキレン類およびアルキルラクトン類等を好適に用いることができ、導電性樹脂組成物層の特性や剥離性を落とさない範囲で他の助溶剤を用いることもできる。助溶剤としては、ウレア化合物を含むアミド化合物類、アルコール類、アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、アミン類および水が挙げられる。
一方、該組成物がアルカリ可溶性樹脂や酸価を有する化合物を含む組成物からなる場合には、アルカリ水溶液を剥離剤として用いることができる。アルカリとしては水酸化アルカリ金属類、炭酸アルカリ金属類、水酸化4級アンモニウムおよびアミン類等が挙げられる。これらのアルカリ水溶液は酸価を有するレジストパターンの剥離に適している。また、アエロジルを含むレジストパターンに対しては剥離後の表面に残渣が残りにくいので特に好ましい。剥離剤の濃度としては、アルカリの濃度が高いほうが、溶解剥離や膨潤剥離に要する時間を短くでき、残渣残りを防ぐことができるので好ましく、一方、アルカリ水溶液は導電性樹脂組成物層中のドーパントを溶出させる作用があるので、アルカリ濃度が低い方が導電性組成物の導電性の低下を抑えることができるので好ましい。したがって、アルカリ濃度として0.1〜5質量%が好ましく、さらには0.5〜3質量%が好ましい。
(5)導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法
本発明において、導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法は、
(a)透明基体の少なくとも一面に、設けられた導電性樹脂組成物層を有する導電性積層体を準備する工程、
(b)レジストインクを用いて印刷法により前記導電性樹脂組成物層上にレジストパターンを形成する工程、
(c)エッチング剤を用いてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層を除去する工程。
をこの順で有する。
この後で、(d)レジストパターンを剥離剤により除去する工程を含んでも良い。
以下、それぞれの工程について詳述する。
本発明において、導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法は、
(a)透明基体の少なくとも一面に、設けられた導電性樹脂組成物層を有する導電性積層体を準備する工程、
(b)レジストインクを用いて印刷法により前記導電性樹脂組成物層上にレジストパターンを形成する工程、
(c)エッチング剤を用いてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層を除去する工程。
をこの順で有する。
この後で、(d)レジストパターンを剥離剤により除去する工程を含んでも良い。
以下、それぞれの工程について詳述する。
工程(a)導電性樹脂組成物層を有する導電性積層体を準備する工程
透明基体上に導電性樹脂組成物層を形成する工程は、用いる導電性樹脂組成物や導電性樹脂組成物が含有する導電性高分子化合物によって適宜選択すればよい。例えば、導電性高分子としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を使用する場合には、水に分散して、透明基体上に導電性高分子の溶液をコーティングし、乾燥して導電性高分子の薄膜(導電性樹脂組成物層)を形成させる。なお、ドーパントは公知の方法で添加することができる。予め導電性高分子膜を成膜してから、ドーパントを後で導入する方法、導電性高分子膜を作製する際にドーパントを導入する方法のいずれを使用することもできる。前記導電性樹脂組成物層の厚みは、1nm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以上1,000nm以下であり、さらに好ましくは10nm以上500nm以下であり、特に好ましいのは10nm以上300nmである。
透明基体上に導電性樹脂組成物層を形成する工程は、用いる導電性樹脂組成物や導電性樹脂組成物が含有する導電性高分子化合物によって適宜選択すればよい。例えば、導電性高分子としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を使用する場合には、水に分散して、透明基体上に導電性高分子の溶液をコーティングし、乾燥して導電性高分子の薄膜(導電性樹脂組成物層)を形成させる。なお、ドーパントは公知の方法で添加することができる。予め導電性高分子膜を成膜してから、ドーパントを後で導入する方法、導電性高分子膜を作製する際にドーパントを導入する方法のいずれを使用することもできる。前記導電性樹脂組成物層の厚みは、1nm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以上1,000nm以下であり、さらに好ましくは10nm以上500nm以下であり、特に好ましいのは10nm以上300nmである。
工程(b)レジストインクを用いて印刷法により前記導電性樹脂組成物層上にレジストパターンを形成する工程
(工程b)では、導電性積層体上の導電性樹脂組成物層上に、レジストインクを用いてスクリーン印刷でレジストパターンを形成する。レジストパターン形成後、乾燥する工程を含めてもよい。
(工程b)では、導電性積層体上の導電性樹脂組成物層上に、レジストインクを用いてスクリーン印刷でレジストパターンを形成する。レジストパターン形成後、乾燥する工程を含めてもよい。
工程(c)エッチング剤を用いてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層を除去する工程
工程(c)では、レジストインクで形成したレジストパタ−ンを、一種のマスクとしてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層をエッチング処理し、導電性樹脂のパターンを形成する。
エッチング剤を用いてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層を除去する工程は、浸漬法とスプレー法どちらでも使用可能である。スプレー法において使用する噴霧ノズルは銃円錐ノズルが好ましい。エッチング剤をスプレーする圧力は、圧力を高くするとエッチングにかかる時間を短縮できるため、0.01MPa以上が好ましい。スプレーする圧力を高くすると導電性積層体が破壊されたり、導電性積層体の固定が難しくなるので0.5MPa以下が好ましい。より好ましくは0.05MPa以上0.4MPa以下であり、さらに好ましくは0.1MPa以上0.3MPa以下であり、特に好ましくは0.15MPa以上0.25MPa以下である。
工程(c)では、レジストインクで形成したレジストパタ−ンを、一種のマスクとしてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層をエッチング処理し、導電性樹脂のパターンを形成する。
エッチング剤を用いてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層を除去する工程は、浸漬法とスプレー法どちらでも使用可能である。スプレー法において使用する噴霧ノズルは銃円錐ノズルが好ましい。エッチング剤をスプレーする圧力は、圧力を高くするとエッチングにかかる時間を短縮できるため、0.01MPa以上が好ましい。スプレーする圧力を高くすると導電性積層体が破壊されたり、導電性積層体の固定が難しくなるので0.5MPa以下が好ましい。より好ましくは0.05MPa以上0.4MPa以下であり、さらに好ましくは0.1MPa以上0.3MPa以下であり、特に好ましくは0.15MPa以上0.25MPa以下である。
エッチング剤を使用する際のエッチング剤の温度は、10〜70℃であることが好ましく、20〜60℃がより好ましい。本発明において、エッチング剤が上記範囲の温度であると、エッチングの処理能力に優れるので好ましい。本発明において、エッチング剤を使用する際のエッチング時間は、0.2〜30分間が好ましく、0.3〜25分間がより好ましく、0.4〜15分間がさらに好ましい。本発明において、上記範囲のエッチング時間であるとエッチング処理において導電性積層体等に与えるダメージが少ないので好ましい。
本発明において、エッチング剤の濃度の制御は、酸化還元電位、pH、電気伝導度、または比重など、あるいはこれらを組み合わせて制御することで可能である。
工程(d)レジストパターンを剥離剤により除去する工程(剥離工程)
工程(c)までで、透明基板上に導電性樹脂パターンを有する積層体を得ることができるが、この後で、工程(d)として、導電性樹脂組成物層上のレジストパターンを、剥離剤により除去して、導電性樹脂パターンを得ることができる。なお、前記導電性樹脂パターンは、導電性樹脂組成物層から形成された、パターンである。工程(d)(剥離工程)では、導電性樹脂組成物層をパターニング処理した後の導電性積層体(以下、テスト基板という)と剥離剤とを接触させることが必要である。かかる剥離工程としては、テスト基板を剥離剤の入った容器中に入れる方法や、剥離剤をテスト基板上に噴霧する方法が例示できる。テスト基板を容器中に入れる方法では、剥離剤は、テスト基板上のレジストパターンが完全に浸るように使用することが好ましい。テスト基板と剥離剤の接触は、少なくともレジストパターンが導電性樹脂組成物層から完全に剥離するまで必要であり、最大でも5分以内とすることが装置の大きさ等からも経済的であり、好ましくは3分以内、さらに好ましくは2分以内、特に好ましくは10秒〜1分の間で適宜選択される。なお、これらの処理時間は剥離剤を撹拌することによっても短縮できるため、前記噴霧以外にも浸漬揺動、液循環、超音波などの方法が用いることができる。
工程(c)までで、透明基板上に導電性樹脂パターンを有する積層体を得ることができるが、この後で、工程(d)として、導電性樹脂組成物層上のレジストパターンを、剥離剤により除去して、導電性樹脂パターンを得ることができる。なお、前記導電性樹脂パターンは、導電性樹脂組成物層から形成された、パターンである。工程(d)(剥離工程)では、導電性樹脂組成物層をパターニング処理した後の導電性積層体(以下、テスト基板という)と剥離剤とを接触させることが必要である。かかる剥離工程としては、テスト基板を剥離剤の入った容器中に入れる方法や、剥離剤をテスト基板上に噴霧する方法が例示できる。テスト基板を容器中に入れる方法では、剥離剤は、テスト基板上のレジストパターンが完全に浸るように使用することが好ましい。テスト基板と剥離剤の接触は、少なくともレジストパターンが導電性樹脂組成物層から完全に剥離するまで必要であり、最大でも5分以内とすることが装置の大きさ等からも経済的であり、好ましくは3分以内、さらに好ましくは2分以内、特に好ましくは10秒〜1分の間で適宜選択される。なお、これらの処理時間は剥離剤を撹拌することによっても短縮できるため、前記噴霧以外にも浸漬揺動、液循環、超音波などの方法が用いることができる。
前記剥離工程において、剥離剤の温度を制御することが好ましい。剥離時間の短縮および剥離残り防止のためには剥離温度が5℃以上であることが好ましく、剥離後の導電性樹脂パターンの導電性の悪化、すなわち表面抵抗の上昇を防ぐためには剥離温度が60℃以下であることが好ましい。剥離剤の温度は、5℃以上50℃以下であることがより好ましく、さらに好ましくは10℃以上40℃以下であり、特に好ましくは10℃以上30℃以下である。剥離処理の終了後、テスト基板を引き上げ、必要により蒸留水や有機溶剤で洗浄し、乾燥させることができる。
剥離工程の終了後、テスト基板を引き上げ、水や有機溶剤などの洗浄液で洗浄する、洗浄工程を有することが好ましい。洗浄に使う洗浄液は、水もしくは低級アルコール、または、これらの混合物であることが好ましい。なお、本発明において低級アルコールとは、炭素数1〜4の分枝してもよいアルキル基を有するアルコールであり、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールである。これら低級アルコールは混合して使用してもよく、洗浄性を落とさない範囲で、それ以外の比較的沸点の低いアルコール、例えばn−ヘキサノール、シクロヘキサノールを混合してもよい。好ましい洗浄液は脱イオン水、メタノールおよび/またはエタノールであり、これらの混合物であってもよい。
本発明における、洗浄工程の時間は、30秒〜5分が好ましい。洗浄工程の時間が30秒以上であると、十分な洗浄性を得ることができ、また、5分以下であると、導電性樹脂の基体からの脱離を抑制できるので好ましい。洗浄工程の時間を上記範囲内とすることにより導電性樹脂パターンを有する積層体の歩留まりが良好であるので好ましい。
前記洗浄工程において、洗浄液の温度を制御することが好ましい。洗浄時間の短縮および洗浄残り防止のためには洗浄温度が5℃以上であることが好ましく、洗浄後の導電性樹脂パターンの導電性の悪化、すなわち表面抵抗の上昇を防ぐためには洗浄温度が60℃以下であることが好ましい。洗浄液の温度は、5℃以上50℃以下であることが好ましく、より好ましくは10℃以上40℃以下であり、さらに好ましくは10℃以上30℃以下である。
本発明において、剥離工程および洗浄工程の少なくとも一方を5℃〜60℃の温度で行うことが好ましく、剥離工程および洗浄工程の両方を5℃〜60℃の温度で行うことがより好ましい。
また、本発明において、洗浄工程の後に乾燥工程を行うことが好ましい。前記乾燥工程としては公知の方法から適宜選択することができる。
以下に図を参照して詳述する。
[図1]は本発明を実施するための方法を示すプロセスフロー図である。
図1において、透明基体S上に導電性樹脂組成物層Cを形成する。次いで、導電性樹脂組成物層C上にレジストインクを用いてスクリーン印刷でレジストパターンRを形成する(図1(3))。次いで、導電性樹脂組成物層Cのレジストパターンが形成されていない部分をエッチングし(図1(4))、さらに導電性樹脂組成物層C上のレジストインク(レジストパターン)Rを剥離する(図1(5))。
[図1]は本発明を実施するための方法を示すプロセスフロー図である。
図1において、透明基体S上に導電性樹脂組成物層Cを形成する。次いで、導電性樹脂組成物層C上にレジストインクを用いてスクリーン印刷でレジストパターンRを形成する(図1(3))。次いで、導電性樹脂組成物層Cのレジストパターンが形成されていない部分をエッチングし(図1(4))、さらに導電性樹脂組成物層C上のレジストインク(レジストパターン)Rを剥離する(図1(5))。
(6)導電性樹脂パターンを有する積層体の性能
本発明の方法によってパターニングした導電性樹脂パターンは単にパターニングしただけでなく、光の透過性、導電性、耐熱試験後の導電性の維持に優れており、本発明の積層体(導電性積層体)は全光線透過率、表面抵抗率、耐熱試験後の表面抵抗率に優れている。
本発明の方法によってパターニングした導電性樹脂パターンは単にパターニングしただけでなく、光の透過性、導電性、耐熱試験後の導電性の維持に優れており、本発明の積層体(導電性積層体)は全光線透過率、表面抵抗率、耐熱試験後の表面抵抗率に優れている。
(全光線透過率)
導電性樹脂パターンと基体を含めた積層体の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、84%以上がより好ましい。全光線透過率は透明性の目安であり、前記全光線透過率が80%以上であると、透明性に優れ、ディスプレイ用途等の透明性を要求される材料への応用が可能である。透過する光が増加することにより、視認性が良好となるため、特にディスプレイ用途ではバックライト等の発光強度のレベルが高くなくても良好に性能を発揮でき、ディスプレイの寿命も長くなるので好ましい。また、全光線透過率が上記範囲内となるように、導電性樹脂組成物等を適宜選択することが好ましい。また、上述したエッチング剤および剥離剤は、積層体の透過率の低下が少なく、高い透過率の積層体を得ることができるので好ましい。
導電性樹脂パターンと基体を含めた積層体の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、84%以上がより好ましい。全光線透過率は透明性の目安であり、前記全光線透過率が80%以上であると、透明性に優れ、ディスプレイ用途等の透明性を要求される材料への応用が可能である。透過する光が増加することにより、視認性が良好となるため、特にディスプレイ用途ではバックライト等の発光強度のレベルが高くなくても良好に性能を発揮でき、ディスプレイの寿命も長くなるので好ましい。また、全光線透過率が上記範囲内となるように、導電性樹脂組成物等を適宜選択することが好ましい。また、上述したエッチング剤および剥離剤は、積層体の透過率の低下が少なく、高い透過率の積層体を得ることができるので好ましい。
(表面抵抗率)
パターニングした直後の導電性樹脂パターンと基体を含めた積層体の表面抵抗率は2,000Ω/□以下であることが好ましく、1,500Ω/□以下がより好ましく、1,300Ω/□以下がさらに好ましく、1,200Ω/□以下が特に好ましく、10Ω/□〜1,100Ω/□が最も好ましい。表面抵抗率が上記範囲内であると、液晶の画素電極などの透明電極としての使用において、スムーズに電流が流れ、回路設計が容易となること、また、抵抗膜式タッチパネルの電極などの用途においては、押圧時の導通が取りやすくなるため好ましい。また、表面抵抗率が上記範囲内となるように、導電性樹脂組成物等を適宜選択することが好ましく、上述した本発明において好ましいエッチング剤および剥離剤は、積層体の表面抵抗率の上昇が少なく、低い表面抵抗率の積層体を得ることができるものである。
パターニングした直後の導電性樹脂パターンと基体を含めた積層体の表面抵抗率は2,000Ω/□以下であることが好ましく、1,500Ω/□以下がより好ましく、1,300Ω/□以下がさらに好ましく、1,200Ω/□以下が特に好ましく、10Ω/□〜1,100Ω/□が最も好ましい。表面抵抗率が上記範囲内であると、液晶の画素電極などの透明電極としての使用において、スムーズに電流が流れ、回路設計が容易となること、また、抵抗膜式タッチパネルの電極などの用途においては、押圧時の導通が取りやすくなるため好ましい。また、表面抵抗率が上記範囲内となるように、導電性樹脂組成物等を適宜選択することが好ましく、上述した本発明において好ましいエッチング剤および剥離剤は、積層体の表面抵抗率の上昇が少なく、低い表面抵抗率の積層体を得ることができるものである。
表面抵抗率が2,000Ω/□以下である積層体は、表面抵抗率が適当であり、タッチパネル用の基材として使用した場合に、荷重をかけても導電性が低下せず、誤作動の発生が少ないので好ましい。また、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ等の透明電極として使用した場合にも、所定の導電性を得ることができるので好ましい。一方、表面抵抗率が10Ω/□以上であると、導電性樹脂の使用量を抑制することができ、結果として積層体の製造コストが安価となり、経済性に優れるので好ましい。また、表面抵抗率が10Ω/□以上であると、透明導電性薄膜の膜厚を薄くすることができ、全光線透過率を低くすることができるので好ましい。なお、前記表面抵抗率は、例えば、JISK7150などに準拠して測定することができ、また、市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することもできる。
(パターニング線幅)
本発明において、導電性樹脂組成物層をパターニングする方法はおよそ30μm以上の線幅をパターニングするのに適している。一方、好ましい上限は特なく、大きな線幅にも適用できる。
本発明において、導電性樹脂組成物層をパターニングする方法はおよそ30μm以上の線幅をパターニングするのに適している。一方、好ましい上限は特なく、大きな線幅にも適用できる。
以下に実施例を挙げ本発明について説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート(PET)シートの表面に導電性樹脂組成物としてCLEVIOS FE(商品名、ヘレウス株式会社製、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との複合体含有)を、乾燥膜厚がおよそ500nmになるように塗布したものをテスト基板とした。
ポリエチレンテレフタレート(PET)シートの表面に導電性樹脂組成物としてCLEVIOS FE(商品名、ヘレウス株式会社製、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との複合体含有)を、乾燥膜厚がおよそ500nmになるように塗布したものをテスト基板とした。
レジストインクX87(商品名、太陽インキ株式会社製)をスクリーン印刷機STF−170A−OH(東海商事株式会社製)でスキージ角70°、クリアランス2mm、印圧2.0kgf/cm2、印刷速度100mm/sec、インクコート速度:50mm/secで前述のテスト基板にスクリーン印刷し、100℃で4分間乾燥し、レジストパターンを形成した。
1リットルのビーカーにエッチング剤(硝酸セリウムアンモニウムが水溶液全体の10質量%、硝酸が15質量%の水溶液)500mlを入れ、レジストパターンを形成した前述のテスト基板を25℃で1分間浸漬し、取り出して水洗し、ドライヤーで温風乾燥した。
次に、1リットルのビーカーに、剥離剤として500mlのγ‐ブチロラクトンを入れ撹拌羽根で100回転/分で撹拌したものの中に、温風乾燥した上記のテスト基板を25℃にて1分間浸漬し、導電性樹脂組成物上のレジストパターンを剥離した。その後、1リットルのビーカーに洗浄液として500mlの脱イオン水を入れ撹拌羽根で100回転/分で撹拌したものの中に、レジストパターンの剥離したテスト基板を25℃にて1分間浸漬して洗浄した。ビーカーから洗浄後のテスト基板をとりだし、さらに脱イオン水ですすいだ基板を冷風で乾燥させた。これによりテスト基板中央に50mm角にパターニングした導電性樹脂組成物すなわち導電性樹脂パターンを有するテスト基板Aを1枚得た。該テスト基板Aについて、以下の測定と試験を行った。
<全光線透過率測定>
テスト基板中央に存在する50mm角の導電性樹脂パターン部分に対してヘイズメーター(スガ試験機(株)製、ヘイズコンピューターHGM−2B)でガラス基体を含む全光線透過率を測定した。全光線透過率は、JIS K7150に従い測定した。
テスト基板中央に存在する50mm角の導電性樹脂パターン部分に対してヘイズメーター(スガ試験機(株)製、ヘイズコンピューターHGM−2B)でガラス基体を含む全光線透過率を測定した。全光線透過率は、JIS K7150に従い測定した。
<表面抵抗測定>
テスト基板中央に存在する50mm角の導電性樹脂パターンの表面抵抗を表面抵抗計((株)ダイアインスツルメント製、ロレスターGP MCP−T600)で測定しパターニング直後の表面抵抗率とした。これらの結果を表1に記載した。なお、(Ω/□):オーム/スクエアは表面抵抗率の単位であり、この値が小さいほど表面抵抗率が小さいことを意味する。
テスト基板中央に存在する50mm角の導電性樹脂パターンの表面抵抗を表面抵抗計((株)ダイアインスツルメント製、ロレスターGP MCP−T600)で測定しパターニング直後の表面抵抗率とした。これらの結果を表1に記載した。なお、(Ω/□):オーム/スクエアは表面抵抗率の単位であり、この値が小さいほど表面抵抗率が小さいことを意味する。
[実施例2]
エッチング剤を、硫酸セリウムアンモニウムを水溶液全体の10質量%、及び硫酸を5質量%含む水溶液に変更した以外は、実施例1と同じ操作を行ない、その結果を表1に記載した。
エッチング剤を、硫酸セリウムアンモニウムを水溶液全体の10質量%、及び硫酸を5質量%含む水溶液に変更した以外は、実施例1と同じ操作を行ない、その結果を表1に記載した。
[実施例3]
エッチング剤を、硝酸でpH8.1に調整した、有効塩素を0.9質量%含有する次亜塩素酸ナトリウムに変更した以外は、実施例1と同じ操作を行ない、その結果を表1に記載した。
エッチング剤を、硝酸でpH8.1に調整した、有効塩素を0.9質量%含有する次亜塩素酸ナトリウムに変更した以外は、実施例1と同じ操作を行ない、その結果を表1に記載した。
[実施例4]
レジストインクを、SER 420C−31(山栄化学株式会社製)に変更し、スクリーン印刷後の乾燥時間を15分に変更した以外は、実施例1と同じ操作を行ない、その結果を表1に記載した。
レジストインクを、SER 420C−31(山栄化学株式会社製)に変更し、スクリーン印刷後の乾燥時間を15分に変更した以外は、実施例1と同じ操作を行ない、その結果を表1に記載した。
[実施例5]
テスト基板として、PETシート表面に導電性高分子としてST‐PETシート(商品名、アキレス株式会社製、ポリピロール含有)を使用した以外は実施例1と同じ操作を行ない、その結果を表1に記載した。
テスト基板として、PETシート表面に導電性高分子としてST‐PETシート(商品名、アキレス株式会社製、ポリピロール含有)を使用した以外は実施例1と同じ操作を行ない、その結果を表1に記載した。
本発明の製造方法により、導電性樹脂パターンを有する積層体が簡便に低コストで製造することができ、得られた導電性積層体は、タッチパネルや有機ELなどのディスプレイ等に用いることができる。
S:透明基体
C:導電性樹脂組成物層
R:レジストパターン
M:スクリーンメッシュ
E:エッチング剤
V:剥離剤
C:導電性樹脂組成物層
R:レジストパターン
M:スクリーンメッシュ
E:エッチング剤
V:剥離剤
Claims (5)
- (a)透明基体の少なくとも一面に、設けられた導電性樹脂組成物層を有する導電性積層体を準備する工程、
(b)レジストインクを用いて印刷法により前記導電性樹脂組成物層上にレジストパターンを形成する工程、
(c)エッチング剤を用いてレジストパターン非形成部の導電性樹脂組成物層を除去する工程、
をこの順で含む、導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法。 - エッチング剤が、硝酸セリウムアンモニウム、硫酸セリウムアンモニウム、および、次亜塩素酸塩よりなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法。
- レジストインクを用いる印刷法がスクリーン印刷である、請求項1または2に記載の導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法。
- 前記導電性樹脂組成物が、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオンとの複合体を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって得られた積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011267457A JP2013120811A (ja) | 2011-12-07 | 2011-12-07 | 導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法および積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011267457A JP2013120811A (ja) | 2011-12-07 | 2011-12-07 | 導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法および積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013120811A true JP2013120811A (ja) | 2013-06-17 |
Family
ID=48773330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011267457A Pending JP2013120811A (ja) | 2011-12-07 | 2011-12-07 | 導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法および積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013120811A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013239680A (ja) * | 2012-05-17 | 2013-11-28 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 配線基板の製造方法 |
CN112819125A (zh) * | 2021-01-27 | 2021-05-18 | 北京印刷学院 | 一种导电油墨、rfid织物标签及其制备方法 |
-
2011
- 2011-12-07 JP JP2011267457A patent/JP2013120811A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013239680A (ja) * | 2012-05-17 | 2013-11-28 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 配線基板の製造方法 |
CN112819125A (zh) * | 2021-01-27 | 2021-05-18 | 北京印刷学院 | 一种导电油墨、rfid织物标签及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6444400B1 (en) | Method of making an electroconductive pattern on a support | |
TWI411661B (zh) | 導電性高分子用蝕刻液及將導電性高分子予以圖案化之方法 | |
TWI467349B (zh) | 具有經圖案化的導電性高分子膜之基板的製造方法及具有經圖案化的導電性高分子膜之基板 | |
US11131925B2 (en) | Water-soluble diacetylene, photolithography composition comprising water-soluble diacetylene monomer and conductive polymer, and fine pattern preparation method using same | |
JP2001101937A (ja) | 支持体上に電気伝導性パターンを生成させる方法 | |
JPWO2008152907A1 (ja) | 導電性高分子上のレジスト膜の剥離剤、レジスト膜の剥離方法、および、パターニングした導電性高分子を有する基板 | |
KR101872040B1 (ko) | 도전성 고분자 에칭용 잉크 및 도전성 고분자의 패터닝 방법 | |
CN105085937A (zh) | 富勒烯/pedot:pss混合溶液的制备方法及具有富勒烯/pedot:pss复合透明导电膜的基板的制备方法 | |
KR102026428B1 (ko) | 복수의 전도성 처리를 포함하는 고전도성 고분자 박막의 제조 방법 | |
US6887556B2 (en) | Material for making a conductive pattern | |
JP5080180B2 (ja) | 導電性高分子用エッチング液、及び、導電性高分子をパターニングする方法 | |
JP2010161013A (ja) | 導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法、および、積層体 | |
JP2013120811A (ja) | 導電性樹脂パターンを有する積層体の製造方法および積層体 | |
JP5375825B2 (ja) | 導電性高分子のパターン形成方法及び基板の製造方法 | |
JP5303994B2 (ja) | エッチング方法、及び、導電性高分子を有する基板 | |
JP5020591B2 (ja) | 導電性高分子用エッチング液および導電性高分子をパターニングする方法 | |
JP2007131682A (ja) | 導電性高分子膜及び回路基板 | |
JP4881689B2 (ja) | 導電性高分子用エッチング液、及び、導電性高分子をパターニングする方法 | |
JP6443563B2 (ja) | 導電性高分子用インビジブルエッチングインクおよび導電性高分子のパターニング方法 | |
JP2008115310A (ja) | 導電性高分子用エッチング液及び導電性高分子をパターニングする方法 | |
JP5600964B2 (ja) | 透明導電フィルム | |
WO2015062068A1 (zh) | 一种形成导电功能图案的图形化方法与应用 |