JP2013247203A - 電解コンデンサ用アルミニウム電極板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】乾燥の際、エッチド板表面への水和物の生成を抑制するとともに、緻密な酸化膜を形成することにより、乾燥工程直後、および長期保存後のいずれにおいても、陽極酸化を行った際に静電容量が高く、漏れ電流が小さい電解コンデンサ用アルミニウム電極板の製造方法を提供すること。
【解決手段】電解コンデンサ用アルミニウム電極板の製造方法において、エッチング工程および洗浄工程を行った後の乾燥工程では、まず、100〜180℃の温度で3〜7分の第1熱処理を行って水分を十分に除去する。次に、250〜350℃の温度で5〜15分の第2熱処理を行って水分を完全に除去するとともに、緻密な酸化膜を形成する。このため、乾燥工程直後、および長期保存後のいずれにおいても、陽極酸化を行った際の静電容量が高く、漏れ電流が小さい。
【選択図】なし
【解決手段】電解コンデンサ用アルミニウム電極板の製造方法において、エッチング工程および洗浄工程を行った後の乾燥工程では、まず、100〜180℃の温度で3〜7分の第1熱処理を行って水分を十分に除去する。次に、250〜350℃の温度で5〜15分の第2熱処理を行って水分を完全に除去するとともに、緻密な酸化膜を形成する。このため、乾燥工程直後、および長期保存後のいずれにおいても、陽極酸化を行った際の静電容量が高く、漏れ電流が小さい。
【選択図】なし
Description
本発明は、アルミニウム板をエッチングしてなる電解コンデンサ用アルミニウム電極板の製造方法に関するものである。
アルミニウム電解コンデンサのアルミニウム電極板を製造するには、アルミニウム板をエッチング液中でエッチングしてエッチド板を得た後、エッチド板に洗浄を行って、エッチド板に付着している塩素分や、エッチングピット内に付着している水酸化アルミニウムを除去し、しかる後に、エッチド板を乾燥させる。かかる乾燥に関して、温水中に浸漬して水和処理を行い、その後、50〜250℃の温度での予備加熱処理、および230〜550℃の温度での熱処理を行い、エッチド板に形成された水和物を熱分解することが提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、エッチド板に水和物を形成した後、水和物を熱分解して酸化アルミニウムとすることが提案されている。
近年、アルミニウム電極板には、さらなる高容量化が求められており、それには、エッチング部位を深くしてエッチング倍率を高める必要がある。しかしながら、エッチング部位を深くしてエッチング倍率を高めたエッチド板では、洗浄後、ピット内に多量の水分が残っているため、特許文献1に記載の方法では、予備加熱処理の際に水和物が過剰に生成されてしまい、陽極酸化後、静電容量が逆に低下してしまうという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、乾燥の際、エッチド板表面への水和物の生成を抑制するとともに、緻密な酸化膜を形成することにより、乾燥工程直後、および長期保存後のいずれにおいても、陽極酸化を行った際に静電容量が高く、漏れ電流が小さい電解コンデンサ用アルミニウム電極板の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る電解コンデンサ用アルミニウム電極板の製造方法は、アルミニウム板をエッチング液中でエッチングしてエッチド板を得るエッチング工程と、該エッチング工程の後、前記エッチド板を洗浄する洗浄工程と、該洗浄工程の後、前記エッチド板から水分を除去する乾燥工程と、を有し、前記乾燥工程では、100〜180℃の温度で3〜7分の第1熱処理を行った後、250〜350℃の温度で5〜15分の第2熱処理を行うことを特徴とする。
本発明では、大気中等、含酸素雰囲気中での乾燥工程であっても、エッチド板に水和物が発生しにくいように、100〜180℃の温度で3〜7分の第1熱処理を行って水分を十分に除去した後、250〜350℃の温度で5〜15分の第2熱処理を行って水分を完全に除去するとともに、緻密な酸化膜を形成する。このため、乾燥工程直後、および長期保存後のいずれにおいても、陽極酸化を行った際の静電容量が高く、漏れ電流が小さい。ここで、第1熱処理の際、温度が100℃未満であると水分除去に時間がかかるため、水和物が形成され、静電容量などの品質が低下する。一方、温度が180℃を超える場合でも、水和物が形成され、静電容量などの品質が低下する。また、第1熱処理の際、時間が3分未満では乾燥が不十分であり、7分を超えると、水和物が形成され、静電容量などの品質が低下する。また、第2熱処理の際、250℃未満では形成された酸化被膜が脆弱で保存性が悪く、350℃を超えると酸化被膜の結晶化が進行するため、陽極酸化後、結晶化した部分が緻密な化成皮膜に変化せず、漏れ電流値が増大する。また、第2熱処理の際、時間が5分未満では良質な酸化被膜の形成が不十分であり、15分を超えると酸化被膜が厚くなりすぎて静電容量の低下をもたらす。それ故、適正な温度で水分を十分に除去した後、適正な温度で、水分を完全に除去するとともに、緻密な酸化膜を形成すれば、陽極酸化を行った際の静電容量が高く、漏れ電流が小さい。
本発明は、前記エッチング工程において、前記アルミニウム板に交流エッチングを行い、深さが片面当たり70μm以上の海綿状のエッチング部位を形成する場合に適用すると効果的である。エッチング部位を深くしてエッチング倍率を高めた場合、ピットが深いので、洗浄工程後に多量の水分が保持されているが、かかる構成の場合でも、本発明によれば、乾燥の際のエッチド板表面への水和アルミナの生成を抑制することができる。
本発明では、電解コンデンサ用アルミニウム電極板の製造方法において、大気中等、含酸素雰囲気中での乾燥工程であっても、エッチド板に水和物が発生しにくいように、100〜180℃の温度で3〜7分の第1熱処理を行って水分を十分に除去した後、250〜350℃の温度で5〜15分の第2熱処理を行って水分を完全に除去するとともに、緻密な酸化膜を形成する。このため、乾燥工程直後、および長期保存後のいずれにおいても、陽極酸化を行った際の静電容量が高く、漏れ電流が小さい。
以下、本発明の実施の形態として、本発明を適用した電解コンデンサ用アルミニウム電極板(エッチド板)の製造方法を説明する。
(製造方法の概要)
図1は、本発明を適用して得た電解コンデンサ用アルミニウム電極板の断面写真を表す図である。図1に示すように、本発明を適用した電解コンデンサ用アルミニウム電極板1(エッチド板)は、芯部2の両側に海綿状のエッチング部位3を備えており、アルミニウム固体電解コンデンサの陽極に用いられる。
図1は、本発明を適用して得た電解コンデンサ用アルミニウム電極板の断面写真を表す図である。図1に示すように、本発明を適用した電解コンデンサ用アルミニウム電極板1(エッチド板)は、芯部2の両側に海綿状のエッチング部位3を備えており、アルミニウム固体電解コンデンサの陽極に用いられる。
かかる電解コンデンサ用アルミニウム電極板を製造するにあたって、本形態では、エッチング工程において、塩素イオンを含むエッチング液中でアルミニウム板をエッチングして拡面化した後、洗浄工程においてエッチド板を洗浄し、エッチング部位から塩素や水酸化アルミニウム等を除去する。次に、エッチド板は、乾燥工程において水分が除去される。
その後、エッチド板は、陽極酸化によって陽極酸化皮膜(誘電体膜)が形成された後、アルミニウム固体電解コンデンサの陽極として用いられる。アルミニウム固体電解コンデンサに用いられる固体電解質としては特に限定するものでなく公知の固体電解質でよく、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等が使用される。
本形態では、エッチング工程において、厚さが150μm以上のアルミニウム板をエッチング液中で交流エッチングし、エッチング部位の厚さが両面の合計で140μm以上となるように深い位置までエッチングする。より具体的には、エッチド板は、エッチング部位が片面で70μm以上、あるいは100μm以上、さらには120μm以上となるように深い位置までエッチングされている。このため、本発明を適用した電解コンデンサ用アルミニウム電極板(エッチド板)はエッチング倍率が高いので、高い静電容量を得ることができる。また、本発明では、後述する条件で乾燥工程を行うので、陽極酸化を行った際の静電容量が高く、漏れ電流が小さい。
(アルミニウム板の詳細説明)
本形態において、アルミニウム板は、例えば、アルミニウム純度が99.98質量%以上である。また、アルミニウム板は、アルミニウム以外の元素として、例えば、鉄5〜50ppm、銅30ppm未満であることが好ましく、シリコン60ppm以下、好ましくはシリコン40ppm以下であることが好ましい。これは鉄やシリコンが上限値を超えると、鉄やシリコンを含有する粗大な金属間化合物の晶出物および析出物が生じ、漏れ電流が大きくなるからである。また、シリコンの場合は単体シリコンも生じるので、同様の理由で好ましくない。銅が上限値を超えるとマトリックスの腐食電位を大きく貴に変移させるので、好ましいエッチングができなくなる虞がある。
本形態において、アルミニウム板は、例えば、アルミニウム純度が99.98質量%以上である。また、アルミニウム板は、アルミニウム以外の元素として、例えば、鉄5〜50ppm、銅30ppm未満であることが好ましく、シリコン60ppm以下、好ましくはシリコン40ppm以下であることが好ましい。これは鉄やシリコンが上限値を超えると、鉄やシリコンを含有する粗大な金属間化合物の晶出物および析出物が生じ、漏れ電流が大きくなるからである。また、シリコンの場合は単体シリコンも生じるので、同様の理由で好ましくない。銅が上限値を超えるとマトリックスの腐食電位を大きく貴に変移させるので、好ましいエッチングができなくなる虞がある。
鉄の5〜50ppmの含有は、AlmFe、Al6Fe、Al3Fe、Al−Fe−Si等の金属間化合物を生じさせ、交流エッチングのピット起点になりやすいので好ましい。また、銅の30ppm未満の含有は、鉄の存在のもとでマトリックスの腐食電位を安定化でき、特定サイズのピットを穿孔し易くなって好ましい。銅の好ましい含有量は25ppm以下、下限は2ppm以上、さらに好ましくは3ppm以上である。下限値未満では、エッチド板の加熱工程で結晶粒の異常成長が生じて機械的強度が低下する。これに対して、銅含有量が30ppmを超えると、エッチング時の溶解が異常促進されるため、好ましくない。
(エッチング工程の詳細説明)
本形態においては、アルミニウム板に対するエッチング工程として、少なくとも、アルミニウム板にエッチングピットを発生させる一次電解処理と、エッチングピットを成長させる主電解処理とを行う。
本形態においては、アルミニウム板に対するエッチング工程として、少なくとも、アルミニウム板にエッチングピットを発生させる一次電解処理と、エッチングピットを成長させる主電解処理とを行う。
一次電解処理では、低濃度塩酸水溶液で交流エッチングを施す。前処理としてアルミニウム板を脱脂洗浄や軽度のエッチングにより、表面酸化膜の除去を施すと好ましい。一次電解処理において、エッチング液として用いる低濃度塩酸水溶液は、例えば、1.5〜5.0モル/リッタの塩酸と0.05〜0.5モル/リッタの硫酸とを含有する水溶液であり、液温度は40〜55℃である。交流エッチング条件としては、周波数が10〜50Hzの交流波形を用い、かかる交流波形としては正弦波形、矩形波形、交直重畳波形等を用いることができる。その際の電流密度は20〜40A/dm2であり、かかるエッチングの条件によれば、アルミニウム板表面に多数のピットを穿孔することができる。
一次電解処理を施した後、主電解処理では、エッチング部位を海綿状に成長させながらエッチングを進行させる。この主電解処理で用いるエッチング液は、例えば、4〜7モル/リッタの塩酸と0.05〜0.5モル/リッタの硫酸を含有する水溶液中であり、液温度は一次電解処理より低い温度、25℃以下、好ましくは10〜25℃が好ましい。交流エッチング条件としては、周波数が20〜60Hzの交流波形を用い、かかる交流波形としては正弦波形、矩形波形、交直重畳波形等を用いることができる。その際の電流密度は一次電解処理より低い20〜30A/dm2、処理時間は所定のエッチング部位厚さまで処理できる時間に設定し、一次電解処理で穿孔したピットを更に穿孔する。
一次電解処理を行った後、主電解処理を行う前に主電解処理が確実に進行するように交直重畳波形を用いたエッチングを行い、一次電解処理で穿孔したピット表面を活性化させてから主電解処理に移行させてもよい。かかる処理では、デューティー比が約0.7〜0.9で、電流密度が12〜17A/dm2の条件で60秒程度、エッチング処理する。
このような条件でエッチングすると、嵩比重が0.6〜1.2で、以下のピットを有するエッチング部位が形成される。ピットの径や数は画像解析装置で測定できる。例えば、エッチングされた表面を深さ方向に所定の間隔毎に研磨した後、各研磨面の孔径と数を画像解析装置で測定し、0.01〜1μmφのピット数の占める割合を算出することによって、各層における特定サイズ径のピットの占める割合を測定できる。本形態のエッチド板は、両面の合計が150μm以上であって、少なくとも片面が表面から深さ方向で70μm以上、100μm以上、さらには120μm以上のエッチング部位を有し、平面断面において画像解析装置で測定して0.01〜1μmφのピット数が各面における全ピット数の70%以上、好ましくは75%以上存在する。このようなエッチド板を陽極酸化して陽極として用いれば、静電容量が大きくてESRの低い電解コンデンサを実現することができる。なお、0.001μmφ未満のピットは静電容量の向上に寄与しないから、画像解析装置で測定する径は0.001μmφ以上とする。
ここで、ピット径が1μmφを超えたピットが多数存在すると静電容量を低下させる。好ましくは0.1μmφ以下である。このようなサイズのピットの存在量は各面における全ピット数の70%以上、好ましくは75%以上存在することによって、静電容量が高くてESRの低い電解コンデンサを製作できる。更に好ましくは80%以上である。ピットサイズの測定位置は、表面近くは電解エッチング時に表面積拡大に寄与しない溶解があり、ピットとピットを連結させピット径を徒に大きくするので、表面から20μmより深い位置とする。また、エッチング部位と芯部との境界面は凹凸があって一定しないので、エッチング深さを定めた位置(エッチング部位と芯部との境界)から表面に10μm浅い位置とする。
(洗浄工程の詳細説明)
本形態では、エッチング工程の後、水による洗浄により、エッチド板からエッチング液を除去した後、以下の洗浄工程を行う。本形態では、洗浄工程として、例えば、硝酸水溶液中にエッチド板を浸漬するケミカル洗浄処理を行った後、エッチド板を水で洗浄する水洗浄処理を行い、エッチング部位から塩素や水酸化アルミニウム等を除去する。
本形態では、エッチング工程の後、水による洗浄により、エッチド板からエッチング液を除去した後、以下の洗浄工程を行う。本形態では、洗浄工程として、例えば、硝酸水溶液中にエッチド板を浸漬するケミカル洗浄処理を行った後、エッチド板を水で洗浄する水洗浄処理を行い、エッチング部位から塩素や水酸化アルミニウム等を除去する。
(乾燥工程の詳細説明)
本形態では、エッチド板から水分を除去する乾燥工程を含酸素雰囲気中で行う。例えば、大気中で乾燥工程を行う。
本形態では、エッチド板から水分を除去する乾燥工程を含酸素雰囲気中で行う。例えば、大気中で乾燥工程を行う。
かかる乾燥工程において、本形態では、100〜180℃の温度で3〜7分の予備乾燥(第1熱処理)を行った後、250〜350℃の温度で5〜15分の本乾燥(第2熱処理)を行う。すなわち、本形態では、大気中での乾燥工程であっても、エッチド板に水和物が発生しにくいように、100〜180℃の温度で3〜7分の第1熱処理を行って水分を十分に除去した後、250〜350℃の温度で5〜15分の第2熱処理を行って水分を完全に除去するとともに、緻密な酸化膜を形成する。このため、エッチド板には余計な水和物がほとんど形成されておらず、表面は緻密な酸化膜で覆われている。このため、陽極酸化を行った際の静電容量が高く、漏れ電流が小さい。
ここで、第1熱処理の際、温度が100℃未満であると水分除去に時間がかかるため、水和物が形成され、静電容量などの品質が低下する。一方、温度が180℃を超える場合でも、水和物が形成され、静電容量などの品質が低下する。また、第1熱処理の際、時間が3分未満では乾燥が不十分であり、7分を超えると、水和物が形成され、静電容量などの品質が低下する。
また、第2熱処理の際、250℃未満では形成された酸化被膜が脆弱で保存性が悪く、350℃を超えると酸化被膜の結晶化が進行するため、陽極酸化後、結晶化した部分が緻密な化成皮膜に変化せず、漏れ電流値が増大する。また、第2熱処理の際、時間が5分未満では良質な酸化被膜の形成が不十分であり、15分を超えると酸化被膜が厚くなりすぎて静電容量の低下をもたらす。
それ故、適正な温度で水分を十分に除去した後、適正な温度で、水分を完全に除去するとともに、緻密な酸化膜を形成すれば、陽極酸化を行った際の静電容量が高く、漏れ電流が小さい。
本発明の実施例を説明する。以下の実施例で用いたアルミニウム板は、アルミニウムの純度が99.98%であり、厚さが350μmである。
エッチング工程では、実施例および比較例のいずれにおいても、以下の条件でエッチングを行い、ピットの深さが150μm/片面になるまで交流エッチングを行った。エッチング面の大きさは25cm×25cmである。
[第1段目]
エッチング液:4モル/リッタ塩酸+0.1モル/リッタ硫酸、50℃
波形:正弦波交流、周波数50Hz
電流密度:30A/dm2
[第2段目]
エッチング液:5モル/リッタ塩酸+0.1モル/リッタ硫酸、35℃
波形:正弦波交流に直流重畳、周波数50Hz、デューティー比0.80
電流密度:15A/dm2
[第3段目]
エッチング液:5モル/リッタ塩酸+0.1モル/リッタ硫酸、15℃
波形:正弦波交流、周波数25Hz
電流密度:25A/dm2
[第1段目]
エッチング液:4モル/リッタ塩酸+0.1モル/リッタ硫酸、50℃
波形:正弦波交流、周波数50Hz
電流密度:30A/dm2
[第2段目]
エッチング液:5モル/リッタ塩酸+0.1モル/リッタ硫酸、35℃
波形:正弦波交流に直流重畳、周波数50Hz、デューティー比0.80
電流密度:15A/dm2
[第3段目]
エッチング液:5モル/リッタ塩酸+0.1モル/リッタ硫酸、15℃
波形:正弦波交流、周波数25Hz
電流密度:25A/dm2
上記の条件でエッチング工程を行った後、洗浄工程を行い、しかる後に、表1に示す条件で乾燥工程を行った。本形態では、2台の流気式電気炉を用い、予備乾燥(第1熱処理)および本乾燥(第2熱処理)を表1に示す条件で行った。また、乾燥工程を行った直後のエッチド板については、アジピン酸アンモニウム水溶液中で皮膜耐電圧が5Vとなるように陽極酸化を行った後、JEITA規格試験法により静電容量を測定するとともに、漏れ電流を測定した。それらの評価結果を表1に示す。
表1から分かるように、100〜180℃の温度で3〜7分の予備乾燥(第1熱処理)を行った後、250〜350℃の温度で5〜15分の本乾燥(第2熱処理)を行った実施例1〜4のエッチド板では、陽極酸化を行った際の静電容量が高く、漏れ電流が小さい。
これに対して、予備乾燥のない比較例1、および予備乾燥時の温度が低すぎる比較例2では、静電容量が低い。また、予備乾燥のない比較例1、および本乾燥時の温度が高すぎる比較例4では、漏れ電流が大である。
次に、比較例3に係るエッチド板、および実施例3に係るエッチド板については、乾燥工程を行った直後に陽極酸化を行った場合、乾燥工程から3ヶ月大気中で保存した後に陽極酸化を行った場合、および乾燥工程から6ヶ月大気中で保存した後に陽極酸化を行った場合の静電容量を比較し、その結果を表2に示す。
表2から分かるように、100〜180℃の温度で3〜7分の予備乾燥(第1熱処理)を行った後、250〜350℃の温度で5〜15分の本乾燥(第2熱処理)を行った実施例3のエッチド板では、3ヶ月大気中で保存した後や、6ヶ月大気中で保存した後に陽極酸化を行った場合でも、静電容量が低下していない。
これに対して、本乾燥時の温度が低すぎる比較例3では、3ヶ月大気中で保存した後や、6ヶ月大気中で保存した後に陽極酸化を行った場合、静電容量が低下している。
なお、上記実施例の他にも、種々の条件を評価した結果、100〜180℃の温度で3〜7分の予備乾燥(第1熱処理)を行った後、250〜350℃の温度で5〜15分の本乾燥(第2熱処理)を行えば、乾燥工程直後、および長期保存後のいずれの場合でも、陽極酸化を行った際、静電容量が高く、漏れ電流が低いことが確認できた。
1 電解コンデンサ用アルミニウムエッチド板
2 芯部
3 エッチング部位
2 芯部
3 エッチング部位
Claims (2)
- アルミニウム板をエッチング液中でエッチングしてエッチド板を得るエッチング工程と、
該エッチング工程の後、前記エッチド板を洗浄する洗浄工程と、
該洗浄工程の後、前記エッチド板から水分を除去する乾燥工程と、
を有し、
前記乾燥工程では、100〜180℃の温度で3〜7分の第1熱処理を行った後、250〜350℃の温度で5〜15分の第2熱処理を行うことを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極板の製造方法。 - 前記エッチング工程において、前記アルミニウム板に交流エッチングを行い、深さが片面当たり70μm以上の海綿状のエッチング部位を形成することを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ用アルミニウム電極板の製造方法。
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KR102132004B1 (ko) | 2017-11-06 | 2020-07-08 | 난통 하이싱 일렉트로닉스 리미티드 라이어빌러티 컴퍼니 | 알루미늄 전해 콘덴서용 전극 포일의 기공 생성 밀도를 향상시키는 전처리 방법 |
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