JP2013245849A - 太陽熱発電用フィルムミラー、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法及び太陽熱発電用反射装置 - Google Patents

太陽熱発電用フィルムミラー、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法及び太陽熱発電用反射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】超撥水性によって優れた防汚性を有し、かつ過酷な環境に長期間設置しても太陽光に対して良好な正反射率を長期間保ち続けることができる耐候性や耐傷性に優れた太陽熱発電用フィルムミラーを提供することである。また、そのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置を提供することである。
【解決手段】フィルム基材上に、少なくとも反射層3と、光入射側の最表面層として超撥水性を有する防汚層10とを設けた太陽熱発電用フィルムミラーであって、当該防汚層が、少なくとも微細凹凸構造を有する無機結晶層及びフッ素コート層によって構成され、かつ当該無機結晶層が結晶化度75%以上の無機化合物の結晶を含有することを特徴とする太陽熱発電用フィルムミラー。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽熱発電用フィルムミラー、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法及び太陽熱発電用反射装置に関する。
近年、石油、天然ガス等の化石燃料エネルギーの代替エネルギーとして、自然エネルギーの利用が検討されている。その中でも化石燃料の代替エネルギーとして最も安定しており、エネルギー量の多い太陽光エネルギーが注目されている。
太陽光をエネルギーに変換する方式として、反射鏡によって太陽光を集めて得られた熱を媒体として発電する太陽熱発電が注目されている。この方式を用いれば昼夜を問わず発電が可能である上、長期的視野でみれば発電効率は太陽電池より高いと考えられるため、太陽光を有効に利用できると考えられる。
この太陽熱発電の反射鏡には、ガラスを基材としたミラーが用いられているが、ガラス製ミラーには、質量が大きい、体積が大きい、輸送コストがかかる、設置が難しい、割れやすい等の問題がある。そこで、ガラスの代替として樹脂を用いた鏡を用いれば、軽量化することができる上、割れる等の問題も発生しないため、樹脂製のフィルム基材に反射層を形成したフィルムミラーが注目されている。
しかしながら、太陽熱発電施設は砂漠地帯に建設されることが多いため、樹脂製のフィルムミラー表面に砂埃が付着し易く反射率が低下してしまうという問題がある。フィルムミラーの反射率の低下に伴い発電効率が低下するため、ミラーの汚れは大きな問題として認識されている。また、ブラシでミラーを擦り洗いするため、その表面が傷つき難いように、ミラーの表面硬度も要求される。
すなわち、太陽熱発電に用いるフィルムミラーの現状の課題として、その表面にハードコート性、防汚性及び耐候性の機能を備えていることが必要とされている。
特許文献1では、太陽熱発電用フィルムミラーを報告しているが、最表層に比較的硬度の低いアクリル層が設けられているため、傷つきやすく、汚れやすいものになっている。
特許文献2では、透明基材と、ケイ素含有フッ素系化合物から構成される防汚層の間に、親水性基を有するハードコート層を備えた透明被覆成形品が提案されているが、特に耐候性を向上させるような工夫はなされていない。
フィルムミラーの防汚性に関しては、フィルムミラーの表面の汚れ付着を抑えるために、その表面を親水性若しくは撥水性にする防汚法が考えられる。表面が親水性であれば、水が濡れ広がりやすく、表面に付着した汚れが洗い流されるような自浄作用を奏することが期待できる。一方、表面が撥水性であれば、表面に付着した水滴をはじくため、洗浄を加えなくても自然と水滴が転がり落ちるような状況を作ることができるため、そもそも汚れが付着しにくい表面とすることができる。なお、撥水性の強弱の指標としては、水のはじきやすさを表す接触角と、水の転がり落ちやすさを表す転落角がある。砂漠等での結露付着を防止したい場合、接触角を高くすることと同時に転落角を低くする必要がある。
特許文献3では、基板上に重合性化合物や微粒子などで微細な凹凸構造を形成して超親水性を発現しているが、このような親水性凹凸構造部材では硬度が不足しているため、表面が傷つきやすい欠点があり、高い耐候性は得られないと考えられる。
特許文献4では、基材上に超撥水性膜を形成する方法として、粒径の異なる無機微粒子と無機バインダーの混合物をガラス基材上に形成後、焼成することで、微細凹凸構造を有する無機微粒子層を形成し、超撥水性膜による防汚機能を付与する技術が開示されている。しかしながら150℃以上の焼成温度が必要であり、樹脂を用いたフィルム基材に適用することはできない。
特表2009−520174号公報 特開2004−250474号公報 特開2007−106966号公報 特開2010−222199号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、超撥水性によって優れた防汚性を有し、かつ過酷な環境に長期間設置しても太陽光に対して良好な正反射率を長期間保ち続けることができる耐候性や耐傷性に優れた太陽熱発電用フィルムミラー、及び当該太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法を提供することである。更に、当該太陽熱発電用フィルムミラーを具備した太陽熱発電用反射装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討した結果、従来の微粒子による微細凹凸構造ではなく、特定の無機化合物の結晶による微細凹凸構造を形成した無機結晶層、及びフッ素コート層によって構成された超撥水性の防汚層を用いた太陽熱発電用フィルムミラーによって、従来製品では実現不可能であった優れた防汚性を付与し、かつ過酷な環境に長期間設置しても太陽光に対して良好な正反射率を長期間保ち続けることができる耐候性や耐傷性に優れた太陽熱発電用フィルムミラーが得られることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.フィルム基材上に、少なくとも反射層と、光入射側の最表面層として超撥水性を有する防汚層とを設けた太陽熱発電用フィルムミラーであって、当該防汚層が、少なくとも微細凹凸構造を有する無機結晶層及びフッ素コート層によって構成され、かつ当該無機結晶層が結晶化度75%以上の無機化合物の結晶を含有することを特徴とする太陽熱発電用フィルムミラー。
2.前記無機結晶層が、CaF(PO、ZnO、SiO、Al、MgF、TiO、Ba、及びWOより選択される少なくとも1種の無機化合物の結晶を含有することを特徴とする第1項に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
3.前記フッ素コート層が、含フッ素エーテル基又は含フッ素ポリエーテル基と、アルコキシシリル基とを有する化合物を含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
4.第1項から第3項までのいずれか一項に記載の太陽熱発電用フィルムミラーを製造する太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法であって、前記超撥水性を有する防汚層を、下記(1)から(3)までの工程を経て形成することを特徴とする太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法。
(1)無機結晶層を形成する無機化合物と、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、塩化物、フッ化物、水酸化物、及びアンモニウム塩から選ばれるフラックスとの混合物を樹脂基材上に塗布して、塗膜を形成する工程、
(2)前記(1)の工程において形成した塗膜に、活性エネルギー線照射又はプラズマ処理を施して、前記無機化合物の結晶を成長させ、微細凹凸構造を有する無機結晶層を形成する工程、
(3)前記(2)の工程により形成した微細凹凸構造を有する無機結晶層を被覆するように、フッ素コート層を形成する工程
5.前記(2)の工程が、前記(1)の工程において形成した塗膜にプラズマ処理を施して、前記無機化合物の結晶を成長させ微細凹凸構造を有する無機結晶層を形成する工程であることを特徴とする第4項に記載の太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法。
6.前記無機結晶層が、CaF(PO、ZnO、SiO、Al、MgF、TiO、Ba、及びWOより選択される少なくとも1種の無機化合物の結晶を含有することを特徴とする第4項又は第5項に記載の太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法。
7.前記(1)から(3)までの工程を、長尺フィルム状の形態で行うことを特徴とする第4項から第6項までのいずれか一項に記載の太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法。
8.第1項から第3項までのいずれか一項に記載の太陽熱発電用フィルムミラーが具備されていることを特徴とする太陽熱発電用反射装置。
本発明の上記手段により、超撥水性による優れた防汚性を有し、かつ過酷な環境に長期間設置しても太陽光に対して良好な正反射率を長期間保ち続けることができる耐候性や耐傷性に優れた太陽熱発電用フィルムミラー及び当該太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法を提供することができる。更に、当該太陽熱発電用フィルムミラーを具備した太陽熱発電用反射装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明を実現するためには、太陽熱発電用フィルムミラーの最表層に防汚性、耐候性、ハードコート性を付与する必要がある。防汚性に関しては、水接触角が120°以上を示す超撥水性膜、又は水転落角が10°以下の超撥水性膜が有効である。
当該超撥水性膜は数十nmオーダーの微細凹凸構造上に撥水性を付与する被覆層を形成することで達成できるが、従来の重合性化合物や微粒子を用いる方法では、前記微細凹凸構造に十分な耐傷性が得られないため、耐候性、ハードコート性が不十分であり、樹脂基材上に耐傷性の高い超撥水性膜を形成することができなかった。
そこで本発明においては、樹脂基材上に微細凹凸構造を形成する方法として、無機化合物の結晶を成長させる方法を検討した。
無機化合物の結晶を成長させる手法には種々な方法が知られているが、簡易な手法としてフラックス法と呼ばれている方法が挙げられる。
フラックス法とは、目的とする結晶を形成する無機化合物と、当該結晶の成長を促進するフラックス(融剤)との混合物を、加熱し、溶解した後、徐冷又はフラックスを蒸発させることで結晶化させる手法である。
本発明者は前記方法について検討する過程において、前記混合物を樹脂基材上に塗布して塗膜を形成し、特定の結晶化度を有する無機化合物の結晶を成長させるように、該塗膜に活性エネルギー線照射又はプラズマ処理を施すことで、微細凹凸構造を有する無機化合物の結晶を成長させることができることを見いだした。当該無機結晶層は、結晶成長開始点から凸部状に成長するため、成長後には全体として微細な凹凸構造が形成される。さらに、単一化合物で形成されているため、当該無機結晶層は非常に硬度が高い。
そのため、本発明により耐擦傷性の高い微細凹凸構造を形成できることから、更にこの上にフッ素コート層を被覆することによって超撥水性膜を形成し、該超撥水性膜を有する防汚層によって防汚性、及び耐久性が高い太陽熱発電用フィルムミラーを生産性よく得ることができる。
太陽熱発電用フィルムミラーの構成部材である反射フィルムを示す概略断面図 連続処理用放電プラズマ処理装置の一例
本発明の太陽熱発電用フィルムミラーは、フィルム基材上に、少なくとも反射層と、光入射側の最表面層として超撥水性を有する防汚層とを設けた太陽熱発電用フィルムミラーであって、当該防汚層が、少なくとも微細凹凸構造を有する無機結晶層及びフッ素コート層によって構成され、かつ当該無機結晶層が結晶化度75%以上の無機化合物の結晶を含有することを特徴とする。かかる構成によって、超撥水性の防汚層による優れた防汚性を有し、砂漠等の過酷な環境に長期間設置しても、太陽光に対して良好な正反射率を長期間保ち続けることができる耐候性や耐傷性に優れた太陽熱発電用フィルムミラーを提供する。この特徴は、請求項1から請求項7までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記無機結晶層が、CaF(PO、ZnO、SiO、Al、MgF、TiO、Ba、及びWOより選択される少なくとも1種の無機化合物の結晶を含有することが好ましい。また、前記フッ素コート層が、含フッ素エーテル基又は含フッ素ポリエーテル基と、アルコキシシリル基とを有する化合物を含有することが、超撥水性膜による防汚性を一層高める効果が得られることから、好ましい。
本発明の太陽熱発電用フィルムミラーを製造する太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法として、前記超撥水性を有する防汚層を、下記(1)から(3)までの工程を経て形成することが好ましい。
(1)無機結晶層を形成する無機化合物と、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、塩化物、フッ化物、水酸化物、及びアンモニウム塩から選ばれるフラックスとの混合物を樹脂基材上に塗布して、塗膜を形成する工程、
(2)前記(1)の工程において形成した塗膜に活性エネルギー線照射又はプラズマ処理を施して、前記無機化合物の結晶を成長させ微細凹凸構造を有する無機結晶層を形成する工程、
(3)前記(2)の工程により形成した微細凹凸構造を有する無機結晶層を被覆するように、フッ素コート層を形成する工程
また、前記(2)の工程にプラズマ処理を用いることが、迅速に均一な微細凹凸構造を有する結晶化を行う上で好ましく、前記無機結晶層が、CaF(PO、ZnO、SiO、Al、MgF、TiO、Ba、及びWOより選択される少なくとも1種の無機化合物の結晶を含有することが好ましく、更に前記(1)から(3)までの工程を長尺状フィルムの形態で行うことが、安定に生産性よく大量の太陽熱発電用フィルムミラーを製造できるため、好ましい。
更に、当該太陽熱発電用フィルムミラーが具備されている太陽熱発電用反射装置であることが好ましい。
砂漠等では、通常の地域で観察されるような汚れとは異なり、砂の付着による汚れが大きい。特に、昼夜の温度差が大きいことによりミラー表面に結露水が発生し、その水滴中に含まれた砂汚れが水中で凝集反応を促進し、さらに不溶性の塩が生成して強固にミラー表面に付着する。このような現象から太陽熱発電用フィルムミラーには、表面に砂汚れが付着しにくくなる防汚処理が必要である。防汚層として、表面が親水性と撥水性を示すものがあるが、本発明による手法を用いれば、超撥水性(水接触角120°以上、又は水転落角10°以下)の防汚層を形成することができる。表面が撥水性であれば、ミラー表面に結露水が付着しにくいため、元々汚れにくくなる効果がある。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
(1)太陽熱発電用フィルムミラーの構成概要
本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成部材である反射フィルムの概要を、図1を用いて説明する。ただし、これらの構成に限られるものではない。
反射フィルムRFは、図1に示すように、フィルム基材としての樹脂基材1上に設けられた反射層3を備えており、その反射層3上に構成層として、腐食防止層4、紫外線吸収層5、ガスバリア層6、接着層7が設けられている。また、樹脂基材1と反射層3の間に腐食防止層2を設けることも好ましい態様である。
接着層7の上層には樹脂層8、及びハードコート層9が設けられることが好ましく、該ハードコート層上に、本発明に係る超撥水性を有する防汚層10が最表面層として設けられる。
図1では、太陽光入射側と反射層との間に厚い樹脂層が形成されている裏面鏡構成が示されているが、太陽光入射側と反射層との間が薄い層で形成されている表面鏡でも構成可能である。具体的に、本発明では、太陽光入射側と反射層との間に10μm以上の層が形成されて入れば裏面鏡とし、反対に10μm以下であれば表面鏡と定義する。
なお、本発明に係るフィルムミラー全体の厚さは、撓み防止、正反射率、取り扱い性等の観点から25〜300μmの範囲が好ましく、より好ましくは35〜200μmの範囲、更に好ましくは50〜100μmの範囲である。
以下、まず本発明に係る防汚層の説明を行い、次いで他の各層について説明する。
(2)防汚層
本発明における防汚層10は、少なくとも微細凹凸構造を有する無機結晶層及びフッ素コート層によって構成され、かつ当該無機結晶層が結晶化度75%以上の無機化合物の結晶を含有することを特徴とする。本発明の構成では、防汚層の耐傷性をより高めるために、後述するハードコート層9上に当該防汚層を形成することが好ましい。
本発明に係る「微細凹凸構造」とは、無機結晶層の表面に形成された複数のナノメートルオーダーの範囲の微細凹凸構造であり、ナノメートルオーダーの周期構造を含み、複数の周期構造が混在している場合や非周期構造も含むものとする。
当該微細凹凸構造の凸部の形状は、柱状、円錐状、円錐台状、角錐状、角錐台状、釣鐘状など、種々の形状をとり得る。なお、本発明においては、凸部の高さ方向に垂直な面で切断した時の断面積が、凸部の先端から底部に向かって連続的に増大するような形状が好ましい。特に超撥水性に寄与する微細凹凸構造の形状として、凸部の形状は幅方向の長さに対して、高さ方向が高い形状の方が撥水性向上の観点から好ましい。
当該微細凹凸構造の凸部の平均高さ(又は凹部の平均深さ)は10〜500nmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、20〜100nmの範囲が特に好ましい。凸部の平均高さが上記の範囲であれば、防汚層の透明度を損なわずに超撥水性に好ましい凹凸構造となる。
ここで、「凸部の平均高さ(又は凹部の平均深さ)」とは、無機結晶層の断面を電子顕微鏡で観察し、10個の凸部について、凸部の先端から、この凸部に隣接する凹部の底部までの垂直距離を測定し、これらの値を平均したものである。
また、当該微細凹凸構造の隣接する凸部間の平均間隔が200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。凸部間の平均間隔が小さいことは、結晶の密度が高いことを意味し、本発明に係る耐傷性の高い微細凹凸構造を具体化するには、結晶の密度は高い方が好ましい。
ここで、「凸部間の平均間隔」とは、無機結晶層の表面を電子顕微鏡で観察し、一直線上に並んだ10個の凸部のうち、両端に位置する凸部の中心間距離を測定し、その値に基づいて隣接する凸部の間隔(任意の凸部の中心から、隣接する凸部の中心までの距離d)の平均値を算出したものであり、具体的には、「両端に位置する凸部の中心間距離/(凸部の個数−1)」で求めた値である。
凸部の平均高さ(又は凹部の平均深さ)は、AFM(原子間力顕微鏡)により表面形状を測定して統計的処理によって求めることもできる。
また、凸部間の平均間隔(ピッチ)は、SEM(走査型電子顕微鏡)で微細凹凸構造の表面画像を撮影し、画像処理をして2値化し、統計的処理によって求めることもできる。
更に、本発明に係る微細凹凸構造の十点平均粗さRzjis(JIS B0601:2001)は、10〜100nmの範囲内が好ましく、より好ましくは20〜100nmの範囲内が好ましく、20〜70nmの範囲であることが特に好ましい。上記範囲の十点平均粗さRzjisとすることで、透明度を損なうことなく、フッ素コートした時の超撥水性能がより向上する。
上記十点平均粗さRzjisは、JIS B0601:2001に準じて光学干渉式表面粗さ計(ZYGO社製、NewView)で、23℃、55%RH環境下で測定した値である。
本発明に係る微細凹凸構造を有する無機結晶層は、後述するように結晶を形成する無機化合物と、結晶成長を促進するフラックスとの混合物を、樹脂基材上に塗布して塗膜を形成し、次いでエネルギーを付与し結晶化することによって形成することが好ましい。当該微細凹凸構造は、無機化合物の種類、含有量、フラックス中の塩の種類、含有量等の処方や、塗膜の厚さや塗膜に与えるエネルギーの種類、量等の結晶成長条件を適宜設定することによって制御することが可能である。
上記塗膜を形成する混合物は、粉末の無機化合物が分散したペースト状、又は水分中で無機化合物と前記結晶成長を促進するフラックスが分散したペースト状であってもよい。
本発明の無機結晶層は、前記微細凹凸構造を有する結晶の作りやすさ、結晶の硬度、上層として被覆するフッ素コート層との親和性の観点から、CaF(PO、ZnO、SiO、Al、MgF、TiO、Ba、及びWOより選択される少なくとも1種の無機化合物の結晶を含有することが好ましい。中でも、CaF(PO、又はZnOの結晶であることが好ましい。
例えば、CaF(POの結晶を得るための無機化合物は、特に限定されるものではないが、具体的には、結晶水を有していてもよいカルシウム塩であり、硝酸カルシウム四水和物、硝酸カルシウムn水和物、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化カルシウム二水和物、塩化カルシウムn水和物、クエン酸カルシウム四水和物、ギ酸カルシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化カルシウムn水和物、フッ化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫化カルシウム、亜硫酸カルシウム0.5水和物、硫酸カルシウム二水和物、シュウ酸カルシウム一水和物、酢酸カルシウム一水和物、酢酸カルシウムn水和物、水酸化カルシウム;結晶水を有していてもよいリン酸塩であり、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム12水和物、リン酸水素アンモニウムナトリウム四水和物、リン酸水素カリウム三水和物、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム二水和物、リン酸水素二ナトリウム七水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、リン酸ナトリウム無水、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和物、リン酸二水素リチウム、リン酸二ナトリウム無水、リン酸二ナトリウム二水和物、リン酸二ナトリウム七水和物、リン酸二ナトリウム12水和物、リン酸リチウム;フッ化物として、フッ化カリウム、フッ化カリウム二水和物、フッ化水素カリウム、フッ化水素ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カルシウム;アンモニウム塩として、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、フッ化水素アンモニウム、フッ化アンモニウムがそれぞれ挙げられ、適宜選択される。
また、ZnOの結晶を得るための無機化合物としては、亜鉛である金属の硝酸塩、塩化物、硫酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、フッ化物、酸化物、水酸化物及び酢酸塩等が挙げられ、適宜選択される。他の金属酸化物、及び金属フッ化物も同様である。
前記結晶成長を促進するフラックスは、生成する結晶の種類によって、その最適組成が異なる。主に、以下の14項目の内容を考慮して、最適なフラックスを選ぶ。(1)溶質を十分に溶かす、(2)結晶だけを安定相として析出させる、(3)溶解度が適度の温度係数をもつ、(4)不純物として結晶中に混入しない、(5)融点が低い、(6)粘度が低い、(7)蒸発量が少ない、(8)密度が適当である、(9)設定した温度条件下で組成変動がない、(10)基材と反応しない、(11)毒性が低い、(12)引火性や爆発性がない、(13)育成実験の温度プロセスを終了して固化した後、水などに溶けやすく、容易に結晶を分離できる、(14)高純度の試薬が低価格で入手しやすい。
フラックスの例として、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、塩化物、フッ化物、水酸化物、及びアンモニウム塩から選ばれるものであることが好ましい。硝酸カリウム及び硝酸リチウムの混合物に限られず、硝酸カリウム又は硝酸リチウムをそれぞれ1種類で用いてもよい。フラックスとして、通常用いられるものであれば特に限定されないが、具体的に、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化リチウム、及びそれらの混合物や、それらに対応するアンモニウム塩等が挙げられる。
フラックスは、上記14項目の内容以外に、電機陰性度、イオン半径、融点、イオンの価数、配位数、Diezelパラメータ、格子エネルギー、酸塩基性パラメータ等を考慮して、最適なフラックス組成とすることができる。
また、このとき2種以上の塩を併用することは、無機化合物の結晶を成長するときの共晶点を下げることができ、処理エネルギー量を低下させることができる点で好ましい。
例えば、上記フッ素アパタイトCaF(POは、カルシウム塩、リン酸塩、フッ化物、及びアンモニウム塩を無機結晶の材料とし、硝酸カリウム及び硝酸リチウムの混合物をフラックスとして混合して混練し、基材に塗布後エネルギーを与えることで結晶化及び結晶成長を行い、基材上に当該フッ素アパタイトの結晶薄膜を形成する。この結晶薄膜に残ったフラックスを水中に浸漬させることで水洗して除去し、基材上に高品質な結晶を得ることができる。
本発明に係る超撥水性を有する防汚層は、下記(1)から(3)までの工程を経て設けることが好ましい。
(1)無機結晶層を形成する無機化合物と、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、塩化物、フッ化物、水酸化物、及びアンモニウム塩から選ばれるフラックスとの混合物を樹脂基材上に塗布して、塗膜を形成する工程、
(2)前記(1)の工程において形成した塗膜に、活性エネルギー線照射又はプラズマ処理を施して、前記無機化合物の結晶を成長させ、微細凹凸構造を有する無機結晶層を形成する工程、
(3)前記(2)の工程により形成した微細凹凸構造を有する無機結晶層を被覆するように、フッ素コート層を形成する工程
無機結晶層を形成する無機化合物と、結晶成長を促進するフラックスとの混合物を塗布する方法としては、スピンコート塗布、ディップ塗布、エクストルージョン塗布、ロールコート塗布、スプレー塗布、グラビア塗布、ワイヤーバー塗布、エアナイフ塗布等が用いられる。
無機化合物とフラックスの上記混合物の塗布時の膜厚(Wet膜厚)は、100〜2000nmの範囲であることが好ましく、100〜1500nmの範囲であることがより好ましく、100〜1000nmの範囲であることが更に好ましい。前記膜厚は、本発明の効果を得る上で、結晶成長後の凸部の平均高さや十点平均粗さに鑑みて適宜調整される。
上記混合物中の無機化合物の含有量としては、0.1〜95mol%の範囲であることが好ましく、75mol%以下であると一層好ましく、0.5〜50mol%の範囲であると更に一層好ましい。結晶を形成する無機化合物の濃度が95mol%より大きくなると、無機化合物が充分に溶融せず、微細凹凸構造を有する高品質な結晶を得ることができなくなる恐れがある。
次いで、該塗膜に活性エネルギー線照射又はプラズマ処理することで、結晶を成長させることができる。この時、活性エネルギー線照射又はプラズマ処理として、樹脂基材へのダメージを抑え、塗布物に十分なエネルギーを与えることができればいずれでも良いが、目的の結晶を得る上ではプラズマ処理であることが好ましい。
活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線をいい、紫外線、電子線等が好ましい。中でも紫外線であることが好ましい。
紫外線照射の光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常50〜1000mJ/cmの範囲、好ましくは50〜300mJ/cmの範囲である。
上記範囲内の活性線を数秒間照射することで、結晶成長を促進することができるが、前述のように凸部形状は幅方向よりも高さ方向に大きな凸部形状であることが好ましいために、30〜300秒程度の照射を与えることが好ましい。さらに、50〜200秒の範囲で照射することがより好ましい。
活性線の照射量、及び照射時間は上記範囲内に調整すると、密で高さが十分な結晶が得られるため撥水性や耐傷性の観点から好ましい。
プラズマ処理としては、酸素プラズマ処理、大気圧アルゴンプラズマ処理、大気圧チッソプラズマ処理等を選択することができる。中でも大気圧プラズマ処理であることが好ましい。
本発明に適用できる大気圧プラズマ処理としては、従来公知の種々の方法を採用することができるが、大気圧プラズマ照射の一例として、特開平11−133205号公報、特開2000−185362号公報、特開平11−61406号公報、特開2000−147209号公報、同2000−121804号公報等に開示されている技術を挙げることができる。
プラズマ処理装置としては、本発明の太陽熱発電用フィルムミラーに長尺状フィルムを用いることが好ましいことから、連続処理用放電プラズマ処理装置を用いることが好ましい。
図2は、連続処理用放電プラズマ処理装置の一例である。図2に示すように、略円筒状の下部電極21と局面を有する上部電極22とが略等間隔で対向して配置されており、上部電極22と下部電極21との表面には固体誘電体がそれぞれ装着されて、放電面31及び32となされている。放電面31と32との間には放電空間33が形成されている。上記下部電極21は接地されており、印加電源(図示しない)から放電面31と32との間にパルス電圧が印加され、放電空間33でプラズマが発生する。
前記(1)塗膜を形成する工程で塗膜を形成した後、樹脂基材を巻き出しロール80にセットし、該樹脂基材40を導入口42、上部電極22と下部電極21との間33、排出口43の順で連続処理用放電プラズマ処理装置で通過させ、巻き取りロール81に固定する。次いで、導入口42及び排出口43を閉じ、油回転ポンプ(図示しない)で装置内に不活性ガス(例えばアルゴンガス)を、不活性ガス導入管16から導入する。
一方放電空間33に、ボンベ61を接続して前記不活性ガス導入管16から、酸素及び/又は窒素の混合ガスを導入する。該混合ガスを1分間導入した後、上部電極22と下部電極21との間にパルス電圧を印加し、樹脂基材上にプラズマ放電を行う。放電空間33を通過した混合気体は不活性ガス排気管17から排気される。
プラズマ処理の一例としては、投入電力:150W、窒素流量:5.0リットル毎分、プラズマトーチと基材間の距離は10mmの条件で実施することはできるが、結晶化度及び結晶成長の状態をみて処理条件を適宜調整することができる。投入電力は100〜300Wの範囲であることが好ましく、プラズマトーチと基材間の距離は5〜20mmの範囲であることが好ましい。また、処理時間は、他の条件によって調整されるものであるが、30〜300秒程度であることが好ましく、60〜200秒程度であることがより好ましい。
プラズマ処理条件も、投入電力、プラズマトーチと基材間の距離、及び処理時間を適宜調整することで、密で高さが十分な結晶成長を行うことができる。
本発明では、前記無機結晶層が結晶化度75%以上の無機化合物の結晶を含有することを特徴とする。「含有する」とは、当該無機結晶層が、結晶化度75%以上の無機化合物の結晶を60質量%以上含有していることをいい、好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上、特に好ましくは100質量%含有していることである。
本発明に係る結晶化度とは、以下の定義で表される結晶の状態である。
結晶化度の定義 (結晶化度)=(結晶領域部分)÷(結晶領域部分と非晶領域部分との和)
本発明に係る無機化合物の結晶の上記結晶領域部分、非晶領域部分は、DSC(示差走査熱量計)によって測定することができる。
(測定条件)
試料の表層をスパチュラで削り取り、下記示差走査熱量計を用いて測定する。
SIIナノテクノロジー社製示差走査熱量計 DSC6200
測定域 −150℃〜725℃ (推奨−130℃〜600℃)
測定雰囲気 N中、Air中、Ar中
試料形状 4mmΦ×3mmH以下
測定試料量 10mg程度
本発明に係る無機化合物の結晶の結晶化度は、結晶の硬度を高める観点から、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましく、100%であることが特に好ましい。
本発明に係る防汚層は、前記無機結晶層を形成後、当該無機結晶を被覆するようにフッ素コート層を設ける。
本発明に係るフッ素コート層に用いる化合物としては、含フッ素エーテル基又は含フッ素ポリエーテル基と、アルコキシシリル基とを有する化合物を用いることが好ましい。なお、当該フッ素コート層は、単分子膜であることが好ましい。単分子膜を形成する化合物として、化学吸着単分子化合物が挙げられる。なお、ここでいう単分子膜とは、自己組織化単分子膜((Self−Assembled Monolayer(SAM))に代表されるような物質であり、分子中の一官能基が基材と化学結合を形成し、その他の部分は分子間で化学結合を形成せず、一分子分の厚さの膜しか形成されないものである。
本発明に係るフッ素コート層に用いる化学吸着単分子化合物としては、例えば、信越化学社製のKBM7803(ヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン)、KBM7103(トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)や、オプツール(ダイキン工業社製)、フロロテクノロジー社製FG−5020などの市販品を挙げることができる。
また、化学吸着単分子化合物の中でも、シラン化合物中のフルオロアルキル基が、Si原子1つに対し、1つ以下の割合でSi原子と結合されており、残りは加水分解性基若しくはシロキサン結合基であるシラン化合物が好ましい。ここでいう加水分解性の基としては、例えばアルコキシ基等の基であり、加水分解によりヒドロキシ基となり、それにより化学吸着単分子化合物は重縮合物を形成する。例えば、シラン化合物は、水と(必要なら酸触媒の存在下)、副生するアルコールを留去しながら、通常、室温〜100℃の範囲で反応させる。これによりアルコキシシランは(部分的に)加水分解し、一部縮合反応が起こり、ヒドロキシ基を有する加水分解物として得ることができる。加水分解、縮合の程度は、反応させる水の量により適宜調節することができるが、本発明においては、防汚処理に用いるシラン化合物溶液に積極的には水を添加せず、調製後、主として乾燥時に、空気中の水分等により加水分解反応を起こさせるため溶液の固形分濃度を薄く希釈して用いることが好ましい。
本発明に係るフッ素コート層に用いる含フッ素エーテル基又は含フッ素ポリエーテル基と、アルコキシシリル基とを有する化学吸着単分子化合物は、下記の一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013245849
(式中、Aはアルキル基を表す。kは10〜50000、lは1〜1000、mは1〜1000、nは1〜100の整数を表す。)
Figure 2013245849
(式中、Aはアルキル基を表す。Zは直鎖状の官能基で(CH、O(CH、又は(CHO(CHO(CH)を表す。kは10〜50000、lは1〜1000、mは1〜1000、nは1〜100の整数を表す。)
上記した一般式(1)で表される化合物中、Aは炭素原子数3つ以下であり炭素と水素のみからなるアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基等であることが好ましい。
本発明において好ましく用いられる化学吸着単分子化合物としては、CF(CHSi(OCH、CF(CHSi(OC、CF(CHSi(OC、CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OCH)(OC、CF(CF(CHSi(OCHOC、CF(CF(CHSiCH(OCH、CF(CF(CHSiCH(OC、CF(CF(CHSiCH(OC、(CFCF(CF(CHSi(OCH、C15CONH(CHSi(OC、C17SONH(CHSi(OC、C17(CHOCONH(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(CH)(OCH、CF(CF(CHSi(CH)(OC、CF(CF(CHSi(CH)(OC、CF(CF(CHSi(C)(OCH、CF(CF(CH)2Si(C)(OC、CF(CHSi(CH)(OCH、CF(CHSi(CH)(OC、CF(CHSi(CH)(OC、CF(CF(CHSi(CH)(OCH、CF(CF)5(CHSi(CH)(OC、CF(CFO(CF(CHSi(OC)、C15CHO(CHSi(OC、C17SOO(CHSi(OC、C17(CHOCHO(CHSi(OCHなどが挙げられるが、この限りでない。
フッ素コート層用組成物においては、酸を添加して23℃測定のpHを5.0以下に調整し用いることが好ましい。酸はシラン化合物の加水分解を促し、重縮合反応の触媒として作用するので、基材表面にシラン化合物の重縮合膜の形成を容易にし、防汚性を高めることができる。pHは1.5〜5.0の範囲がよい。pHが1.5以下では溶液の酸性が強すぎて、容器や配管をいためる恐れがあり、pHが5.0以上では反応が進行しにくい。より好ましくはpH2.0〜4.0の範囲である。
前記シラン化合物溶液に積極的には水を添加せず、調製後、主として乾燥時に、空気中の水分等により加水分解反応を起こさせることが好ましい。そのために溶液の固形分濃度を希釈したところで用いる。処理液に水を添加しすぎると、その分ポットライフが短くなる。
このようにして得られたフッ素コート層用組成物を、前記無機結晶層上に均一に塗布して、防汚層10を構成する。塗布方法としては、任意の方法でよく、通常のディップコーター、グラビアコーター、リバースロールコーター、押し出しコーター等を用いる方法が挙げられる。
塗布の厚さは制限されるものではないが、Wet膜厚として0.1〜10μmの範囲であることが好ましく、0.5〜5μmの範囲であることがより好ましく、0.5〜3μmの範囲であることが特に好ましい。
また、シランカップリング剤を溶剤で希釈し、その中に樹脂基材(反射フィルムRFなど)を浸漬して塗布するディップコート法が簡便であり好ましい。更に、防汚層10の防汚機能や膜付き、その他の物性をより良好なものにするために、紫外線照射処理、加熱処理、又はプラズマ処理等を行ってもよい。
フッ素含有のシラン化合物を用いることによって、防汚層10に超撥水性を付与するだけでなく、耐傷性が高く、またフィルム同士のブロッキングに特に優れるという効果もある。本発明においては、化学吸着単分子化合物、フッ素を含まない有機溶媒溶液に、更に、アルコキシシラン、アルキルアルコキシシランを添加して成した塗布組成物を用いることがより好ましい。これらのフッ素を含有しないアルコキシシラン、アルキルアルコキシシランとしては、公知のいずれのシラン化合物でもよいが、代表的なものとしては、テトラアルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等)、アルキルトリアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等)、ジアルキルジアルコキシシラン等が挙げられる。これらのアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン類は、防汚層用の塗布組成物調製の際に、フッ素含有のシラン化合物に加えて、0.01〜15質量%の範囲で混合して用いればよく、同様に加水分解、縮合することで、フッ素含有のシラン化合物と共に重縮合して一体となった膜を形成する。これらのアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン類をフッ素含有のシラン化合物と混合して用いることで、膜強度を高め、耐傷性や重ねたときのブロッキン防止に更に効果がある。
(3)樹脂基材
樹脂基材1としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。
中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルム、アクリルフィルムが好ましく、特に、ポリエステル系フィルム、アクリルフィルムを用いることが好ましい。これら樹脂フィルムは、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
この樹脂基材1の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的な厚さとしては、10〜300μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは20〜200μmの範囲、更に好ましくは30〜100μmの範囲である。
また、本発明の太陽熱発電用フィルムミラーは長尺状フィルムを用いて製造することが好ましく、長さ1000m以上であることが好ましく、生産性やハンドリングの観点から5000m程度の長尺状フィルムを用いることが好ましい。
(4)腐食防止層
腐食防止層2、腐食防止層4は、反射層3に隣接して設けられることが好ましい。特に、腐食防止層4のように反射層3の光入射側に隣接していることがより好ましい。
腐食防止層2、及び腐食防止層4は、腐食防止剤を含有しており、特に反射層3に含まれる銀に対する腐食防止剤を含有している。腐食防止剤としては、大別して、銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤と、酸化防止能を有する腐食防止剤(酸化防止剤ともいう)が好ましく用いられる。ここで、「腐食」とは、金属(銀)がそれをとり囲む環境物質によって、化学的又は電気化学的に浸食されるか若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照。)。
なお、腐食防止剤の含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、一般的には0.1〜1.0/mの範囲内であることが好ましい。
(4−1)銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤
銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤としては、アミン類及びその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系の少なくとも一種又はこれらの混合物から選ばれることが望ましい。
アミン類及びその誘導体としては、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ−n−ブチルアミン、O−トルイジン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アセトアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、p−エトキシクリソイジン、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、シクロヘキシルアミンアクリレート等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ピロール環を有する物としては、N−ブチル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−3−ホルミル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−3,4−ジホルミル−2,5−ジメチルピロール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
トリアゾール環を有する化合物としては、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7−テトラハイドロトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ピラゾール環を有する化合物としては、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール、4−アミノピラゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チアゾール環を有する化合物としては、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、P−ジメチルアミノベンザルロダニン、2−メルカプトベンゾチアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
イミダゾール環を有する化合物としては、イミダゾール、ヒスチジン、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、4−フォルミルイミダゾール、2−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−フォルミルイミダゾール、4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
インダゾール環を有する化合物としては、4−クロロインダゾール、4−ニトロインダゾール、5−ニトロインダゾール、4−クロロ−5−ニトロインダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
銅キレート化合物類としては、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チオ尿素類としては、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
メルカプト基を有する化合物としては、すでに上記に記載した材料も加えれば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2−エタンジオール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、グリコールジメルカプトアセテート、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ナフタレン系としては、チオナリド等が挙げられる。
(4−2)酸化防止剤
酸化防止能を有する腐食防止剤である酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤を使用することが好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−2,4,8,10−テトラオキオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。特に、フェノール系酸化防止剤としては、分子量が550以上のものが好ましい。
チオール系酸化防止剤としては、例えば、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)等を挙げられる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレン−ジホスホナイト、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
なお、本発明においては、上記した酸化防止剤と下記の光安定剤を併用することもできる。
ヒンダードアミン系の光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、1−メチル−8−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、トリエチレンジアミン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン等が挙げられる。
特に、ヒンダードアミン系の光安定剤としては、3級のアミンのみを含有するヒンダードアミン系の光安定剤が好ましく、具体的には、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール/トリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物が好ましい。
その他、光安定剤としてニッケル系紫外線安定剤も使用可能である。ニッケル系紫外線安定剤としては、〔2,2′−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)〕−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル・リン酸モノエチレート、ニッケル・ジブチル−ジチオカーバメート等が挙げられる。
(5)反射層
反射層3は、太陽光を良好に反射する機能を有する金属等からなる層である。反射層3の表面反射率は80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。
反射層3は、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料により形成されることが好ましく、中でも、反射率、耐食性の観点からAl又はAgを主成分としていることが好ましい。反射層3は、これら金属の薄膜を二層以上形成するようにしてもよい。本発明における反射層3としては、特に銀(Ag)を主成分とする銀反射層とすることが好ましい。
この反射層3の形成法としては、湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。
湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例を挙げるとすれば、銀鏡反応などがある。
一方、乾式法とは、真空製膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には連続的に製膜する長尺ロール方式が可能な蒸着法が好ましく用いられる。例えば、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法において、反射層3を銀蒸着によって長尺フィルム状に形成し、次いで長尺ロール状に巻き取る製造方法であることが好ましい。
反射層3の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmの範囲が好ましく、より好ましくは30〜150nmの範囲である。
なお、反射層3は光入射側(表面側)にあっても、その反対側(裏面側)にあってもよいが、樹脂性の樹脂基材1を用いることから、太陽光線による樹脂劣化を防止するために、反射層3は光入射側に位置する方が好ましい。
(6)紫外線吸収層
紫外線吸収層5は、太陽光や紫外線によるフィルムミラーの劣化防止の目的で紫外線吸収剤を含有してなる層である。紫外線吸収層は、腐食防止層4の表面側(光入射側)に設けることが好ましい。
また、反射フィルムRFに紫外線吸収層を設ける以外に、樹脂基材1上に設けられた構成層のうちのいずれか一層に紫外線吸収剤を添加してもよい。また、後述するハードコート層に紫外線吸収剤を添加することも好ましい。
紫外線吸収剤としては、有機系として、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系等が挙げられ、また無機系として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては上記以外に、紫外線の保有するエネルギーを分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物を用いることもできる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用により効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。ただし、上記の紫外線吸収剤を使用する場合は、紫外線吸収剤の光吸収波長が、光重合開始剤の有効波長と重ならないものを選択する必要がある。
通常の紫外線吸収剤を使用する場合は、可視光でラジカルを発生する光重合開始剤を使用することが有効である。
紫外線吸収剤の使用量は、0.1〜20質量%の範囲、好ましくは1〜15質量%の範囲、より好ましくは3〜10質量%の範囲である。20質量%よりも多いと構成層の密着性が悪くなり、0.1質量%よりも少ないと耐候性を向上させる効果が小さい。
(7)ガスバリア層
ガスバリア層6は、湿度の変動、特に高湿度による樹脂基材1及び樹脂基材1に支持される各構成層等の劣化を防止するためのものであるが、特別の機能・用途を持たせたものであってもよく、上記劣化防止機能を有する限りにおいて、種々の態様のガスバリア層を設けることができる。本発明においては、紫外線吸収層5の表面側(光入射側)に、ガスバリア層6を設けることが好ましい。
ガスバリア層の防湿性としては、40℃、90%RHにおける水蒸気透過度が、1g/m・day以下であることが好ましく、より好ましくは0.5g/m・day以下、更に好ましくは0.2g/m・day以下である。
また、ガスバリア層の酸素透過度としては、測定温度23℃、湿度90%RHの条件下で、0.6ml/m/day/atm以下であることが好ましい。
本発明におけるガスバリア層の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング、イオンビームアシスト、化学気相成長法等の方法により無機酸化物を形成する方法が挙げられるが、ゾル−ゲル法による無機酸化物の前駆体を塗布した後に、その塗布膜に加熱処理及び/又は紫外線照射処理を施して、無機酸化物膜を形成する方法も好ましく用いられる。
(7−1)無機酸化物
無機酸化物は、有機金属化合物を原料とするゾルから局所的加熱により形成されたものである。例えば、有機金属化合物に含有されているケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ニオブ(Nb)等の元素の酸化物であり、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等である。これらのうち、好ましくは、酸化ケイ素である。
本発明において無機酸化物を形成する方法としては、いわゆるゾル−ゲル法又はポリシラザン法を用いることが好ましい。ゾル−ゲル法は無機酸化物の前駆体である有機金属化合物から無機酸化物を形成する方法であり、ポリシラザン法は無機酸化物の前駆体であるポリシラザンから無機酸化物を形成する方法である。
(7−2)無機酸化物の前駆体
ガスバリア層は、加熱により無機酸化物を形成する前駆体を塗布した後に、一般的な加熱方法を適用して形成することできるが、局所的加熱により形成することが好ましい。この前駆体は、ゾル状の有機金属化合物又はポリシラザンが好ましい。
(7−3)有機金属化合物
有機金属化合物は、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ランタン(La)、イットリウム(Y)、及びニオブ(Nb)のうちの少なくとも一つの元素を含有することが好ましい。特に、有機金属化合物が、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、及びバリウム(Ba)のうちの少なくとも一つの元素を含有することが好ましい。さらに、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、及びリチウム(Li)のうちの少なくとも一つの元素を含有することが好ましい。
有機金属化合物としては、加水分解が可能なものであればよく、特に限定されるものではないが、好ましい有機金属化合物としては、金属アルコキシドが挙げられる。
この金属アルコキシドは、下記の一般式(3)で表される。
一般式(3)
MR (ORn−m
上記の一般式(3)において、Mは、酸化数nの金属を表す。R及びRは、各々独立にアルキル基を表す。mは、0〜(n−1)の整数を表す。
また、R及びRは、同一でもよく、異なっていてもよい。R及びRとしては、炭素原子4個以下のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基CH(以下、Meで表す。)、エチル基C(以下、Etで表す)、プロピル基C(以下、Prで表す。)、イソプロピル基i−C(以下、i−Prで表す。)、ブチル基C(以下、Buで表す)、イソブチル基i−C(以下、i−Buで表す)等の低級アルキル基がより好ましい。
また、上記の一般式(3)で表される金属アルコキシドとしては、例えば、リチウムエトキシドLiOEt、ニオブエトキシドNb(OEt)、マグネシウムイソプロポキシドMg(OPr−i)、アルミニウムイソプロポキシドAl(OPr−i)、亜鉛プロポキシドZn(OPr)、テトラエトキシシランSi(OEt)、チタンイソプロポキシドTi(OPr−i)、バリウムエトキシドBa(OEt)、バリウムイソプロポキシドBa(OPr−i)、トリエトキシボランB(OEt)、ジルコニウムプロポキシドZn(OPr)、ランタンプロポキシドLa(OPr)、イットリウムプロポキシドY(OPr)、鉛イソプロポキシドPb(OPr−i)等が好適に挙げられる。これらの金属アルコキシドはいずれも市販品があり、容易に入手することができる。また、金属アルコキシドは、部分的に加水分解して得られる低縮合物も市販されており、これを原料として使用することも可能である。
(7−4)ゾル−ゲル法
ここで、「ゾル−ゲル法」とは、有機金属化合物を加水分解すること等により、水酸化物のゾルを得て、脱水処理してゲルとし、さらにこのゲルを加熱処理することで、ある一定の形状(フィルム状、粒子状、繊維状等)の金属酸化物ガラスを調製する方法をいう。異なる複数のゾル溶液を混合する方法、他の金属イオンを添加する方法等により、多成分系の金属酸化物ガラスを得ることも可能である。
具体的には、下記の工程を有するゾル−ゲル法で、無機酸化物を製造することが好ましい。
すなわち、少なくとも水及び有機溶媒を含有する反応液中で、ホウ素イオン存在下にてハロゲンイオンを触媒として、pHを4.5〜5.0の範囲に調整しながら、有機金属化合物を加水分解及び脱水縮合して反応生成物を得る工程、及びその反応生成物を200℃以下の温度で加熱してガラス化する工程、を有するゾル−ゲル法により製造されてなることが、高温熱処理による微細孔の発生や膜の劣化等が発生しないという観点から特に好ましい。
このゾル−ゲル法において、原料として用いられる有機金属化合物としては、加水分解が可能なものであればよく、特に限定されるものではないが、好ましい有機金属化合物としては、上記した金属アルコキシドが挙げられる。
ゾル−ゲル法において、上記した有機金属化合物は、そのまま反応に用いてもよいが、反応の制御を容易にするため溶媒で希釈して用いることが好ましい。希釈用溶媒は、有機金属化合物を溶解することができ、かつ水と均一に混合することができるものであればよい。そのような希釈用溶媒としては、脂肪族の低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びそれらの混合物が好適に挙げられる。また、ブタノールとセロソルブとブチルセロソルブの混合溶媒、あるいはキシロールとセロソルブアセテートとメチルイソブチルケトンとシクロヘキサンの混合溶媒などを使用することもできる。
この有機金属化合物において、金属がCa、Mg、Al等である場合には、反応液中の水と反応して水酸化物を生成したり、炭酸イオンCO 2−が存在すると炭酸塩を生成したりして沈殿を生ずるため、反応液に隠蔽剤としてトリエタノールアミンのアルコール溶液を添加することが好ましい。溶媒に混合溶解するときの有機金属化合物の濃度としては、70質量%以下が好ましく、5〜70質量%の範囲に希釈して使用することがより好ましい。
ゾル−ゲル法において用いられる反応液は、少なくとも水及び有機溶媒を含有する。有機溶媒としては、水及び酸、アルカリと均一な溶液を作るものであればよく、通常、有機金属化合物の希釈に用いる脂肪族の低級アルコール類と同様のものが好適に挙げられる。脂肪族の低級アルコール類の中でも、メタノール、エタノールより、炭素数の多いプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及びイソブタノールが好ましい。これは、生成する金属酸化物ガラスの膜の成長が安定であるためである。この反応液において、水の割合としては、水の濃度として0.2〜50mol/Lの範囲が好ましい。
また、ゾル−ゲル法においては、反応液中において、ホウ素イオンの存在下にて、ハロゲンイオンを触媒として、有機金属化合物を加水分解する。ホウ素イオンB3+を与える化合物としては、トリアルコキシボランB(OR)が好適に挙げられる。その中でも、トリエトキシボランB(OEt)がより好ましい。また、反応液中のB3+イオン濃度としては、1.0〜10.0mol/Lの範囲が好ましい。
ハロゲンイオンとしては、フッ素イオン及び/又は塩素イオンが好適に挙げられる。即ち、フッ素イオン単独、塩素イオン単独でもよく、これらの混合物でもよい。用いる化合物としては、上記した反応液中でフッ素イオン及び/又は塩素イオンを生ずるものであればよく、例えば、フッ素イオン源として、フッ化水素アンモニウムNHHF・HF、フッ化ナトリウムNaF等が好適に挙げられ、塩素イオン源として、塩化アンモニウムNHCl等が好適に挙げられる。
また、反応液中のハロゲンイオンの濃度としては、製造しようとする無機マトリックスを有する無機組成物からなるフィルムの膜厚や、その他の条件によって異なるが、一般的には、触媒を含む反応液の合計質量に対して、0.001〜2mol/kgの範囲、特に0.002〜0.3mol/kgの範囲が好ましい。ハロゲンイオンの濃度が0.001mol/kgより低いと、有機金属化合物の加水分解が十分に進行し難くなり、膜の形成が困難となる。また、ハロゲンイオンの濃度が2mol/kgを超えると、生成する無機マトリックス(金属酸化物ガラス)が不均一になり易いため、いずれも好ましくない。
なお、反応時に使用したホウ素に関しては、得られる無機マトリックスの設計組成中にB成分として含有させる場合は、その含有量に応じた有機ホウ素化合物の計算量を添加したまま生成物とすればよく、またホウ素を除去したいときは、成膜後、溶媒としてのメタノールの存在下、又はメタノールに浸漬して加熱すればホウ素はホウ素メチルエステルとして蒸発させて除去することができる。
有機金属化合物を、加水分解及び脱水縮合して反応生成物を得る工程においては、通常所定量の有機金属化合物を、所定量の水及び有機溶媒を含有する混合溶媒に混合溶解した主剤溶液、並びに所定量のハロゲンイオンを含有する所定量の反応液を、所定の比で混合し十分に攪拌して均一な反応溶液とした後、酸又はアルカリで反応溶液のpHを希望の値に調整し、数時間熟成することにより進行させて反応生成物を得る。ホウ素化合物は、主剤溶液又は反応液にあらかじめ所定量を混合溶解しておく。また、アルコキシボランを用いる場合は、他の有機金属化合物と共に主剤溶液に溶解するのが有利である。
反応溶液のpHは、目的によって選択され、無機マトリックス(金属酸化物ガラス)を有する無機組成物からなる膜(フィルム)の形成を目的とするときは、例えば、塩酸等の酸を用いてpHを4.5〜5の範囲に調整して熟成するのが好ましい。この場合は、例えば、指示薬としてメチルレッドとブロモクレゾールグリーンとを混合したもの等を用いると便利である。
なお、ゾル−ゲル法においては、同一成分の同一濃度の主剤溶液、及び反応液(B3+及びハロゲンイオンを含む。)を所定のpHに調整しながら、逐次同一割合で追加添加することにより簡単に継続して、反応生成物を製造することもできる。なお、反応溶液の濃度は±50質量%の範囲で、水(酸又はアルカリを含む。)の濃度は、±30質量%の範囲で、及びハロゲンイオンの濃度は±30質量%の範囲で変化させることができる。
次に、前工程で得られた反応生成物(熟成後の反応溶液)を、200℃以下の温度に加熱して乾燥しガラス化させる。加熱にあたって、特に50〜70℃の温度区間を注意して徐々に昇温して、予備乾燥(溶媒揮散)工程を経た後さらに昇温することが好ましい。この乾燥は、膜形成の場合、無孔化膜とするために重要である。予備乾燥工程後、加熱し乾燥する温度としては、70〜150℃の範囲が好ましく、80〜130℃の範囲がより好ましい。
(8)接着層
接着層7は、反射フィルムRF(ガスバリア層6)と樹脂層8との接着性を高める機能があるものであれば特に限定はない。そして、接着層7は、反射フィルムRFと樹脂層8とを密着する密着性、反射層3が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性を有すればよい。
接着層7の厚さは、密着性、平滑性、反射層3の反射率等の観点から、0.01〜3μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜1μmの範囲である。
接着層7が樹脂である場合、樹脂として、上記の密着性や平滑性等の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独又はこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。この接着層7の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
また、接着層7が金属酸化物である場合、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化ランタン、窒化ランタン等を各種真空製膜法により製膜することで形成できる。例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などで形成できる。
(9)樹脂層
樹脂層8は、前述した樹脂基材1と同様の樹脂フィルムを用いることができ、特にアクリルフィルムが好ましい。
この樹脂層8の厚さは、例えば、10〜300μmの範囲であることが好ましい。
(10)ハードコート層
本発明においてハードコート層9は、光入射側から2層目若しくは3層目に設けることが好ましい。ハードコート層9を光入射側から2層目に設けた場合、前述した防汚層10の化合物膜を構成する化学吸着単分子化合物とハードコート層9の表面のヒドロキシ基とが反応して、非常に緻密な防汚膜を形成することができる。
ハードコート層9を形成する材料としては、透明性、耐候性、硬度、機械的強度等が得られるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、電子線や紫外線の照射により硬化する樹脂や熱硬化性の樹脂等を使用でき、特にアルコキシシラン系化合物の部分加水分解オリゴマーからなる熱硬化型シリコン系ハードコート、熱硬化型のポリシロキサン樹脂からなるハードコート、不飽和基を有するアクリル系化合物からなる紫外線硬化型アクリル系ハードコート、熱硬化型無機材料であることが好ましい。又はハードコート層9には、前述した酸化防止剤(腐食防止層2又は4に添加した酸化防止剤)や、前述した紫外線吸収剤(紫外線吸収層5に添加した紫外線吸収剤)を含有することが好ましい。
又はハードコート層9に用いることができる材料として、水性コロイダルシリカ含有アクリル樹脂(特開2005−66824号公報)、ポリウレタン系樹脂組成物(特開2005−110918号公報)、水性シリコーン化合物をバインダーとして用いた樹脂膜(特開2004−142161号公報)、酸化チタン等の光触媒性酸化物含有シリカ膜若しくはアルミナ、アスペクト比の高い酸化チタン若しくは酸化ニオブなどの光触媒膜(特開2009−62216)、光触媒含有フッ素樹脂コーティング(ピアレックス・テクノロジーズ社)、有機/無機ポリシラザン膜、有機/無機ポリシラザンに親水化促進剤(AZエレクトロニクス社)を用いた膜、等が挙げられる。この中でも、表面が親水性を示すハードコート層9の方が防汚層10を形成しやすく、防汚性・耐候性の観点から有利であるため、ハードコート層9は無機物から構成されることが好ましい。
熱硬化型シリコン系のハードコート層には公知の方法によって合成したアルコキシシラン化合物の部分加水分解オリゴマーを使用できる。その合成方法の一例は以下のとおりである。まず、アルコキシシラン化合物としてテトラメトキシシラン、又はテトラエトキシシランを用い、これを塩酸、硝酸等の酸触媒の存在下に所定量の水を加えて、副生するアルコールを除去しながら室温から80℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、更に縮合反応により一分子中にシラノール基又はアルコキシ基を2個以上有し、平均重合度4〜8の範囲のアルコキシシラン化合物の部分加水分解オリゴマーが得られる。次にこれに酢酸、マレイン酸等の硬化触媒を添加し、アルコール、グリコールエーテル系の有機溶剤に溶解させて熱硬化型シリコン系ハードコート液が得られる。そしてこれを通常の塗料における塗装方法により反射フィルムRF等の外面に塗布し、80〜140℃の範囲の温度で加熱硬化することによってハードコート層を形成させる。ただし、この場合、反射フィルムRFの熱変形温度以下での硬化温度の設定が前提となる。なお、テトラアルコキシシランの代わりにジ(アルキル又はアリール)ジアルコキシシラン、並びに/あるいはモノ(アルキル又はアリール)トリアルコキシシランを使用することにより、同様にポリシロキサン系のハードコート層を製造することが可能である。
紫外線硬化型アクリル系のハードコート層には、不飽和基を有するアクリル系化合物として、例えばペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート混合物等を使用することができ、これにベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノン等の光重合開始剤を配合して用いる。そしてこれを反射フィルムRF等の外面に塗布し、紫外線硬化することによってハードコート層が形成される。
又はハードコート層9に表面処理を施して、親水性を付与することが好ましい。例えば、コロナ処理(特開平11−172028号公報)、プラズマ表面処理、紫外線・オゾン処理、表面突起物形成(特開2009−226613号公報)、表面微細加工処理などを挙げることができる。
ハードコート層9の作製方法としては、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
ハードコート層9が乾式法で形成した無機物からなる場合、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化ランタン、窒化ランタン等を、真空製膜法により製膜することで形成できる。真空製膜法としては、例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。
又はハードコート層9が湿式法で形成した無機物からなる場合、ポリシラザンを塗布製膜し、加熱硬化した膜からなることが好ましい。ハードコートの前駆体が、ポリシラザンを含有する場合、例えば下記の一般式(4)で表されるポリシラザンを含む有機溶剤中に必要に応じて触媒を加えた溶液を塗布した後、溶剤を蒸発させて除去し、それによって反射フィルムRF上に0.05〜3.0μmの範囲の層厚を有するポリシラザン層を残す。そして、水蒸気を含む雰囲気中で酸素、活性酸素、場合によっては窒素の存在下で、上記のポリシラザン層を局所的加熱することによって、反射フィルムRF上にガラス様の透明なハードコートの被膜を形成する方法を採用することが好ましい。
一般式(4)
−(SiR−NR
一般式(4)中、R、R、及びRは、同一か又は異なり、互いに独立して、水素、あるいは場合によっては置換されたアルキル基、アリール基、ビニル基又は(トリアルコキシシリル)アルキル基、好ましくは水素、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、フェニル、ビニル又は3−(トリエトキシシリル)プロピル、3−(トリメトキシシリルプロピル)からなる群から選択される基を表す。この際、nは整数であり、nは、ポリシラザンが150〜150,000g/モルの範囲の数平均分子量を有するように定められる。
触媒としては、好ましくは、塩基性触媒、特にN,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン又はN−複素環式化合物が使用される。触媒濃度は、ポリシラザンを基準にして通常0.1〜10モル%の範囲、好ましくは0.5〜7モル%の範囲である。
なお、好ましい態様の一つでは、一般式(4)中のR、R及びRの全てが水素原子であるパーヒドロポリシラザンを含む溶液が使用される。
また、別の好ましい態様の一つでは、本発明におけるハードコート層9は、下記の一般式(5)で表される少なくとも一種のポリシラザンを含む。
一般式(5)
−(SiR−NR−(SiR−NR
一般式(5)中、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素、あるいは場合によっては置換されたアルキル基、アリール基、ビニル基又は(トリアルコキシシリル)アルキル基を表す。この際、n及びpは整数であり、特にnは、ポリシラザンが150〜150,000g/モルの範囲の数平均分子量を有するように定められる。
特に好ましいものは、R、R及びRが水素を表し、そしてR、R及びRがメチルを表す化合物。またR、R及びRが水素を表し、そしてR、Rがメチルを表し、そしてRがビニルを表す化合物。また、R、R、R及びRが水素を表し、そしてR及びRがメチルを表す化合物である。
さらに、別の好ましい態様の一つでは、本発明におけるハードコート層9は、下記の一般式(6)で表される少なくとも一種のポリシラザンを含む。
一般式(6)
−(SiR−NR−(SiR−NR−(SiR−NR
一般式(6)中、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素、あるいは場合によっては置換されたアルキル基、アリール基、ビニル基又は(トリアルコキシシリル)アルキル基を表す。この際、n、p及びqは整数であり、特にnは、ポリシラザンが150〜150,000g/モルの範囲の数平均分子量を有するように定められる。
特に好ましいものは、R、R及びRが水素を表し、そしてR、R、R及びRがメチルを表し、Rが(トリエトキシシリル)プロピルを表し、そしてRがアルキル又は水素を表す化合物である。
溶剤中のポリシラザンの割合は、一般的には、ポリシラザン1〜80質量%の範囲、好ましくは5〜50質量%の範囲、特に好ましくは10〜40質量%の範囲である。
溶剤としては、特に、水及び反応性基(例えばヒドロキシ基又はアミン基)を含まず、ポリシラザンに対して不活性の有機系で好ましくは非プロトン性の溶剤が好適である。これは、例えば、脂肪族又は芳香族炭化水素、ハロゲン炭化水素、エステル、例えば酢酸エチル又は酢酸ブチル、ケトン、例えばアセトン又はメチルエチルケトン、エーテル、例えばテトラヒドロフラン又はジブチルエーテル、並びにモノ−及びポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジグライム類)又はこれらの溶剤からなる混合物である。
このポリシラザン溶液の追加の成分に、塗料の製造に慣用されているもののような、更に別のバインダーを用いることができる。これは、例えば、セルロースエーテル及びセルロースエステル、例えばエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート又はセルロースアセトブチレート、天然樹脂、例えばゴム若しくはロジン樹脂、又は合成樹脂、例えば重合樹脂若しくは縮合樹脂、例えばアミノプラスト、特に尿素樹脂及びメラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル若しくは変性ポリエステル、エポキシド、ポリイソシアネート若しくはブロック化ポリイソシアネート、又はポリシロキサンである。
また、このポリシラザン調合物に更に追加する別の成分として、例えば、調合物の粘度、下地の濡れ、成膜性、潤滑作用又は排気性に影響を与える添加剤、あるいは無機ナノ粒子、例えばSiO、TiO、ZnO、ZrO又はAlを用いることができる。
ハードコート層9として形成される被膜の厚さは、10nm〜2μmの範囲内にすることが好ましい。
このようにして形成したポリシラザンのハードコート層9は、酸素・水蒸気バリア膜としても用いることができる。
ハードコート層9は、屈曲性があり、反りが生じないことが好ましい。ハードコート層9の表面では、密な架橋構造を形成する場合があり、その際、フィルムが反り曲がることや、屈曲性がなくクラックが入りやすいようなことがあり、取り扱いが困難になる。このような場合、組成中の無機物の量を調整するなどで、柔軟性があり、平面性が得られるようにハードコート層9を設計することが好ましい。
(11)無機プライマー層
本発明において、ハードコート層9と防汚層10の間に無機プライマー層を設けることも、好ましい態様である。この場合、無機プライマー層は、防汚層10の下地となる。
無機プライマー層は、透明で、表面にヒドロキシ基を多量に有するような構成であれば、特に限定するものではない。無機プライマー層は、好ましくは無機層であり、シリカ、アルミナ、ジルコニア等で形成され、より好ましくはポリシラザンを含有して形成されることが好ましい。形成方法として、真空製膜法若しくはゾル−ゲル法により製膜することができる。真空製膜法としては、例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。
(12)太陽熱発電用反射装置
太陽熱発電用反射装置としてその形状を樋状(半円筒状)として、反射面側となる半円の中心部分に内部に流体を有する筒状部材を設け、その筒状部材に太陽光を集光させることで内部の流体を加熱し、その熱エネルギーを変換して発電する形態が一形態として挙げられる。
また、平板状の太陽熱発電用反射装置を複数個所に設置し、それぞれの反射装置で反射された太陽光を一枚の反射鏡(中央反射鏡)に集光させて、その反射鏡により反射して得られた熱エネルギーを発電部で変換することで発電する形態も一形態として挙げられる。
(12−1)金属基材
本発明に係る太陽熱発電用反射装置の金属基材としては、鋼板、銅板、アルミニウム板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム系合金めっき鋼板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板、クロムめっき鋼板、ステンレス鋼板など熱伝導率の高い金属材料、また樹脂と金属板を組み合わせた鋼板を用いることができる。
本発明においては、特に耐食性の良好なめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板などにすることが好ましい。さらに好ましくは、樹脂と金属板を組み合わせた鋼板を用いることが好ましい。
(12−2)粘着層
太陽熱発電用反射装置において金属基材とフィルムミラーを接着するための粘着層としては、特に制限されず、例えば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤等のいずれもが用いられる。粘着剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴム等が用いられる。ラミネート法は、特に制限されず、例えば、ロール式で連続的に行うことが経済性及び生産性の点から好ましい。
粘着層の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜100μm程度の範囲であることが好ましい。
貼り合わせフィルム又はシートの厚さは、特に制限はないが通常12〜250μmの範囲であることが好ましい。
また、これらの他基材は本発明のフィルムミラー10と貼り合わせる前に凹部や凸部を設けてから貼り合せてもよく、貼り合せた後で凹部や凸部を有するように成形してもよい。また、貼り合わせと同時に凹部や凸部を有するように成形するようにしてもよい。
以下、本発明について実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例や比較例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
なお、以下の実施例及び比較例におけるフィルムミラーは、裏面鏡タイプのフィルムミラーである。
[反射フィルムの作製]
樹脂基材1として、長尺状二軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ25μm、長さ3000m)を用いた。
この樹脂基材1の片面に、ポリエステル系樹脂(ポリエスター SP−181、日本合成化学社製)とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で10:2に混合し、溶媒としてメチルエチルケトンを加え、更に腐食防止剤としてグリコールジメルカプトアセテート(和光純薬製)を10質量%となるよう混合した組成物を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ60nmの腐食防止層2を形成した。
次に、腐食防止層2上に、銀を真空蒸着して厚さ80nmの反射層3を形成した。
反射層3上に、上記した腐食防止層2でのグリコールジメルカプトアセテートの代わりにTinuvin234(BASFジャパン社製)を用いた以外は同じ組成物をコーティングして、腐食防止層4を形成した。
次に、腐食防止層4上に、紫外線吸収ポリマー「ニューコートUVA−204W」(新中村化学製)を厚さ5μmになるようにグラビアコート法によりコーティングして、紫外線吸収層5を形成した。
また、紫外線吸収層5上に、真空蒸着法によって厚さ100nmのアルミナ層を形成してガスバリア層6を形成した。
次いで、接着剤TBS−730(DIC社製)を厚さ5μmになるようにグラビアコート法によりコーティングして、接着層7を形成した。
次に、接着層7上に、アクリル樹脂住友化学S001(75μm)をロール方式により貼り合わせて樹脂層8を形成した。その後、シリコン系ハードコートPerma−New 6000(California Hardcoating Company製)をワイヤーバーにより塗布し、厚さ3μmになるように形成し、ハードコート層9を形成した。
このように、図1に示す反射フィルムRFと同様の反射フィルムを作製した。この反射フィルムRFを用いて、比較例1及び2と実施例1〜4の太陽熱発電用フィルムミラーを作製した。
<太陽熱発電用フィルムミラーの作製>
[比較例1]
上記反射フィルムの作製工程におけるシリコン系ハードコート液に、平均粒径30nmのシリカ微粒子を5質量部となるように混合し、微粒子含有ハードコート層塗布液を調製した。
上記のようにして得られた微粒子含有ハードコート層塗布液を、樹脂層8に対してバーコーターで3μmになるように塗布し、80℃で24時間硬化し、ハードコート層9を形成した。
次いで、作製した微粒子含有ハードコート層に対して、図2で示すプラズマ処理装置で、酸素ガスプラズマを60秒間照射して、硬化したハードコート樹脂の一部をエッチング除去し、シリカ微粒子の一部を露出させ微細凹凸構造を形成した。
微細凹凸構造の凸部の平均高さは、電子顕微鏡による観察で下記方法によって測定したところ、15nmであった。凸部間の平均間隔は同様に測定したところ、20nmであった。
また、上記微細凹凸構造の十点平均粗さRzjisは、WYKO社製 RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システムを用いて測定したところ、12nmであった。
このとき、表面に形成された微細凹凸構造によって基材の透明度を損なうことはなかった。
次に、フッ素コート層として、オプツールDSX(ダイキン工業製)をNovec 7000(3M社製)で100倍に希釈した溶液を、バーコーターでWet膜厚3μmで上記ハードコート層上に塗布後、80℃で30秒間乾燥後、エタノールで表面を洗浄、乾燥して、比較例1の太陽熱発電用フィルムミラーを作製した。
[比較例2]
結晶形成のための無機化合物として、Ca(NO、KF、(NHHPO、フラックスとして、LiNO、KNOをそれぞれ5質量部加えた混合物に対して、水を10ml加え、フッ化アパタイト結晶を成長させるための無機化合物溶液を調整した。次に、バーコーターでハードコート層9上に前記無機化合物溶液をWet膜厚100nmで塗布後、図2で示すプラズマ処理装置で、大気圧窒素プラズマ処理を行ったところ、六角柱状の結晶を有する無機結晶層を得た。上記プラズマ処理は、投入電力:150W、窒素流量:5.0リットル毎分、プラズマトーチと基材間は10mm、処理時間10秒で作製した。
微細凹凸構造の凸部の平均高さは、電子顕微鏡による観察で下記方法によって測定したところ、5nmであった。凸部間の平均間隔は同様に測定したところ、60nmであった。
また、上記微細凹凸構造の十点平均粗さRzjisは、WYKO社製 RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システムを用いて測定したところ、7nmであった。
このとき、表面に形成された微細凹凸構造によって基材の透明度を損なうことはなかった。
次いで、フッ素コート層として、オプツールDSX(ダイキン工業製)をNovec 7000(3M社製)で100倍に希釈した溶液を、バーコーターで無機結晶層上にWet膜厚3μmで塗布後、80℃で10秒間乾燥後、エタノールで表面を洗浄、乾燥して、比較例2の太陽熱発電用フィルムミラーを作製した。
[実施例1]
結晶形成のための無機化合物として、Ca(NO、KF、(NHHPO、フラックスとして、LiNO、KNOをそれぞれ5質量部加えた混合物に対して、水を10ml加え、フッ化アパタイト結晶を成長させるための無機化合物溶液を調整した。次に、バーコーターでハードコート層9上に前記無機化合物溶液をWet膜厚100nmで塗布後、大気圧窒素プラズマ処理を行ったところ、六角柱状の結晶を有する無機結晶層を得た。プラズマ処理は、投入電力:150W、窒素流量:5.0リットル毎分、プラズマトーチと基材間は10mm、照射時間120秒で作製した。
微細凹凸構造の凸部の平均高さは、電子顕微鏡による観察で下記方法によって測定したところ、45nmであった。凸部間の平均間隔は同様に測定したところ、15nmであった。
また、上記微細凹凸構造の十点平均粗さRzjisは、WYKO社製 RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システムを用いて測定したところ、50nmであった。
このとき、表面に形成される微細凹凸構造によって基材の透明度を損なうことはなかった。
次いで、フッ素コート層として、オプツールDSX(ダイキン工業製)をNovec 7000(3M社製)で100倍に希釈した溶液を、バーコーターで無機結晶層上にWet膜厚3μmで塗布後、80℃で30秒間乾燥後、エタノールで表面を洗浄、乾燥して、実施例1のフィルムミラーを作製した。
[実施例2]
結晶形成のための無機化合物として、Zn(NO・6HO、フラックスとしてKCl、LiClをそれぞれ5質量部加えた混合物に対して、水を10ml加え、酸化亜鉛結晶を成長させるための無機化合物溶液を作製した。それ以外は、実施例1と同様に作製し、実施例2の太陽熱発電用フィルムミラーを作製した。
微細凹凸構造の凸部の平均高さは、電子顕微鏡による観察で下記方法で測定したところ、40nmであった。凸部間の平均間隔は同様に測定したところ、20nmであった。
また、上記微細凹凸構造の十点平均粗さRzjisは、WYKO社製 RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システムを用いて測定したところ、45nmであった。
このとき、表面に形成される凹凸構造によって基材の透明度を損なうことはなかった。
[実施例3]
実施例1の大気圧窒素プラズマ処理の代わりに、真空紫外エキシマランプによるエキシマ処理を行った。大気雰囲気下、照度10mW/cm、積算光量100mJ/cmで実施し、実施例3の太陽熱発電用フィルムミラーを作製した。
微細凹凸構造の凸部の平均高さは、電子顕微鏡による観察で下記方法によって測定したところ、30nmであった。凸部間の平均間隔は同様に測定したところ、25nmであった。
また、上記微細凹凸構造の十点平均粗さRzjisは、WYKO社製 RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システムを用いて測定したところ、33nmであった。
このとき、表面に形成される凹凸構造によって基材の透明度を損なうことはなかった。
[実施例4]
実施例1の大気圧窒素プラズマ処理の時間を120秒から60秒に変更した以外は、実施例1と同様に作製して、太陽熱発電用実施例4のサンプルを作製した。
微細凹凸構造の凸部の平均高さは、電子顕微鏡による観察で下記方法によって測定したところ、25nmであった。凸部間の平均間隔は同様に測定したところ、30nmであった。
また、上記凹凸構造の十点平均粗さRzjisは、WYKO社製 RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システムを用いて測定したところ、27mであった。
このとき、表面に形成される凹凸構造によって基材の透明度を損なうことはなかった。
《太陽熱発電用フィルムミラーの評価》
上記のように作製した太陽熱発電用のフィルムミラー(比較例1及び2、実施例1〜4)について、下記の方法に従って無機化合物の結晶の凸部の平均の高さ及び凸部の間隔、結晶化度、正反射率、耐傷性(紫外線耐性)の試験としてのスチールウール試験、防汚性の尺度としての接触各試験と転落角試験、耐候性試験としての屋外暴露実地試験をそれぞれ行い、各項目について評価した。
[凸部の平均高さ、凸部間の平均間隔]
凸部の平均高さは、無機結晶層の断面を電子顕微鏡で観察し、10個の凸部について、凸部の先端から、この凸部に隣接する凹部の底部までの垂直距離を測定し、これらの値を平均した。
凸部間の平均間隔は、無機結晶層の表面を電子顕微鏡で観察し、一直線上に並んだ10個の凸部のうち、両端に位置する凸部の中心間距離を測定し、その値に基づいて隣接する凸部の間隔(任意の凸部の中心から、隣接する凸部の中心までの距離d)の平均値を算出したものであり、具体的には、「両端に位置する凸部の中心間距離/(凸部の個数−1)」で求めた。
[結晶化度の測定]
作製した無機結晶層の表面をスパチュラで削り取り、示差走査熱量測定NanoDSC(ティー・エイ・インスツルメント社製)で結晶化度を測定した。
[正反射率の測定]
島津製作所社製の分光光度計「U−4100」を用いて、反射面の法線に対して、入射光の入射角を5°の正反射率を測定した。評価は、250nmから2500nmまでの平均反射率として測定した。
[スチールウール試験]
耐傷性の試験として、往復摩耗試験機(新東科学(株)製HEIDON−14DR)に摩耗材としてスチールウール(#0000)を取り付け、荷重500g/cmの条件でフィルムミラーの表面(防汚層)を速度10mm/secで10回往復させた。その時の傷本数を計測し評価した。
また、キセノンランプ照射(UV照射)下、温度75℃、湿度85%RHの条件で6カ月間放置後の耐傷性を、同様スチールウール試験で測定し、その時の傷本数を計測し評価した。
[水接触角試験]
JIS−R3257に基づいて、温度23℃、相対湿度55%の雰囲気下で、フィルムミラーの表面に水3μl滴下して、その水滴の滴下1分後の接触角を接触角計DM300(協和界面化学)を用いて測定した。
[水転落角試験]
接触角計DM501(協和界面化学)に滑落法キット DM−SA01を取り付けて、温度23℃、相対湿度55%の雰囲気下で、フィルムミラーの表面に水50μl滴下して、その水滴の転落角を測定した。撥水膜の場合、転落角が小さいほど水滴が落ちやすく防汚性に優れ、好ましい。
[屋外暴露試験]
比較例1及び2、実施例1〜4のフィルムミラーサンプルをアルミ基材に貼り付けて太陽熱発電用反射装置を作製し、サハラ砂漠に地面との角度が40度となるように設置した。その後、汚れにより反射率が大幅に低下した場合は、表面をイオン交換水により水洗し、それを1年間継続後、上記と同じ条件で正反射率を測定した。また、所定のブラシと水でフィルム最表面を洗浄した後の正反射率も同様に測定した。
各項目についての評価結果を表1に示す。
Figure 2013245849
表1に示した評価結果から明らかなように、本発明に係る太陽熱発電用フィルムミラーを具体的に例示した実施例1〜4の各種特性は、比較例1及び2に対して優れていることが分かる。
比較例1は微粒子を使用し、表面に凹凸構造を形成して、超撥水性膜を形成しているが、耐擦傷性が低い点が問題である。特に屋外放置し、洗浄後の反射率の落ち幅が大きいことが問題であることが分かる。比較例2は本実施例とほぼ同じ手法で作製しているが、結晶化度が低いため、硬度が十分でないことと、凹凸構造の大きさが小さいため、十分な撥水性が得られていない。そのため、屋外放置後の反射率低下幅が比較的大きい。それに対して、実施例1〜4は性能に多少の差はあるものの、十分な結晶化度と微細凹凸構造が形成されているため、防汚性と耐傷性が両立できていることがわかる。
したがって、本発明に係るフィルムミラーを用いて、防汚性、耐傷性に優れるとともに、過酷な環境に長期間設置しても、太陽光に対して良好な正反射率を長期間保ち続けることができる耐候性に優れた太陽熱発電用反射装置を提供することができることが分かる。
RF 反射フィルム
1 樹脂基材(フィルム基材)
2、4 腐食防止層
3 反射層
5 紫外線吸収層
6 ガスバリア層
7 接着層
8 樹脂層
9 ハードコート層
10 防汚層
11 無機結晶層
12 フッ素コート層
16 不活性ガス導入管
17 不活性ガス排気管
21 下部電極
22 上部電極
31、32 放電面
33 放電空間
40 樹脂基材(反射フィルム)
42 導入口
43 排出口

Claims (8)

  1. フィルム基材上に、少なくとも反射層と、光入射側の最表面層として超撥水性を有する防汚層とを設けた太陽熱発電用フィルムミラーであって、当該防汚層が、少なくとも微細凹凸構造を有する無機結晶層及びフッ素コート層によって構成され、かつ当該無機結晶層が結晶化度75%以上の無機化合物の結晶を含有することを特徴とする太陽熱発電用フィルムミラー。
  2. 前記無機結晶層が、CaF(PO、ZnO、SiO、Al、MgF、TiO、Ba、及びWOより選択される少なくとも1種の無機化合物の結晶を含有することを特徴とする請求項1に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
  3. 前記フッ素コート層が、含フッ素エーテル基又は含フッ素ポリエーテル基と、アルコキシシリル基とを有する化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽熱発電用フィルムミラー。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の太陽熱発電用フィルムミラーを製造する太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法であって、前記超撥水性を有する防汚層を、下記(1)から(3)までの工程を経て形成することを特徴とする太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法。
    (1)無機結晶層を形成する無機化合物と、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、塩化物、フッ化物、水酸化物、及びアンモニウム塩から選ばれるフラックスとの混合物を樹脂基材上に塗布して、塗膜を形成する工程、
    (2)前記(1)の工程において形成した塗膜に、活性エネルギー線照射又はプラズマ処理を施して、前記無機化合物の結晶を成長させ、微細凹凸構造を有する無機結晶層を形成する工程、
    (3)前記(2)の工程により形成した微細凹凸構造を有する無機結晶層を被覆するように、フッ素コート層を形成する工程
  5. 前記(2)の工程が、前記(1)の工程において形成した塗膜にプラズマ処理を施して、前記無機化合物の結晶を成長させ、微細凹凸構造を有する無機結晶層を形成する工程であることを特徴とする請求項4に記載の太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法。
  6. 前記無機結晶層が、CaF(PO、ZnO、SiO、Al、MgF、TiO、Ba、及びWOより選択される少なくとも1種の無機化合物の結晶を含有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法。
  7. 前記(1)から(3)までの工程を、長尺フィルム状の形態で行うことを特徴とする請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載の太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法。
  8. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の太陽熱発電用フィルムミラーが具備されていることを特徴とする太陽熱発電用反射装置。
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