JP2013245268A - 炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物、それを用いた成形材料及び炭素繊維強化プラスチック - Google Patents

炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物、それを用いた成形材料及び炭素繊維強化プラスチック Download PDF

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Abstract

【課題】機械的特性に優れ、低臭気で、低粘度化及び硬化性に優れる炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物、それを用いた成形材料及び強化プラスチックの提供。
【解決手段】一般式(I)の(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートより選ばれる1種以上のラジカル重合性単量体(B)と、有機過酸化物(C)を含む(一般式(I)中のYは、O又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換しても良いアルキレン基、O又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換しても良い脂肪族環式基、Tは、2価の芳香族基、又は主鎖の炭素原子が2価の脂肪族環式基で置換されてもよいアルキレン基、Xは、(メタ)アクリロイル基を含む基。)
Figure 2013245268

【選択図】なし

Description

本発明は、(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタンからなる炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物、それを用いた成形材料及び炭素繊維強化プラスチックに関する。
繊維強化プラスチック(FRP)としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と、繊維強化材としてガラス繊維とを含有するものが知られている。
特に、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と、ガラス繊維とを含むFRPは、スチレン等の重合性不飽和単量体を併用することによって成形材料の粘度の調整が可能な上に、低温から高温までの幅広い温度範囲で硬化させることができるため、最も広範囲で使用されている。
更には、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂をベース樹脂として用い、各種、強化繊維、フィラー、増粘剤、硬化剤、禁止剤等を添加してなるブロック状成形材料、所謂、バルクモールディングコンパウンド、または、フィルムにて、各種、強化繊維、フィラー、増粘剤、硬化剤、禁止剤等を含有してなるコンパウンドを、シート状にしてなるシート状成形材料、所謂、シートモールディングコンパウンドとしても、広く使用されている。
航空宇宙分野やスポーツ分野、自動車分野、耐圧パイプ、耐圧容器、風車等の分野では、高強度化と軽量化とを両立した部材の開発が求められており、前記FRPにおいても高強度化と軽量化の両立を実現すべく様々な検討が進められている。
前記高強度と軽量化とを両立し得るFRPとしては、例えば、従来のガラス繊維の代わりに炭素繊維を使用した炭素繊維強化プラスチックが知られている。前記炭素繊維は、ポリアクリルニトリル樹脂や、石油、石炭から採れるピッチ等の有機物を繊維化して、その後、特殊な熱処理工程を経て作られる微細な黒鉛結晶構造をもつ繊維であって、従来のガラス繊維よりも軽く、高強度であるという特徴を有する。
そのため、前記炭素繊維とエポキシ樹脂とを用いて得られたFRPは、従来のガラス繊維と比較して格段に優れた強度を有し、さらには、従来品の約25%以上もの軽量化を達成したものであった。
しかし、通常の不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と炭素繊維を含むFRPは、樹脂自体の靱性強度が十分高くなく、また樹脂と炭素繊維との界面密着性が十分でないために、機械的強度や疲労特性等の機械的特性が不十分である。そのため、特に、耐圧パイプ、耐圧容器、風車用ブレード、車両構造部材、土木関連構造部材等、高強度を有する用途への展開が制限されていた。
すなわち、機械的強度等の特性に影響する大きな要因として、炭素繊維との界面密着性が上げられ、また、樹脂自体の靱性を向上させる試み、即ちその脆さを改善させる試みが考えられるが、従来の手法では、炭素繊維との界面密着性を考慮しながら脆さを改良する樹脂設計は困難であった。また、機械的強度の改善を図るために、高靱性を有するエポキシ樹脂を用いることが検討されている。
しかし、前記エポキシ樹脂は、一般に粘度が高く、前記不飽和ポリエステルやビニルエステルのように重合性不飽和単量体を用いることによってその粘度を調整することが困難であるため、成形法や成形条件の点で多くの制限があった。また、前記エポキシ樹脂は、通常、常温下で硬化し難く、硬化に長期の時間を要することから、生産効率を向上するうえでも大きな問題であった。そこで、炭素繊維を用いた優れたFRP強度を有し、粘度調整及び成形硬化性に優れる樹脂の開発が強く望まれていた。
前記ビニルエステルや不飽和ポリエステルと、炭素繊維とを含むFRPとしては、例えば、特定のエポキシ基含有ビニルエステル樹脂と、ラジカル重合性モノマーと、硬化剤と、炭素繊維とからなる組成物を硬化させて得られた炭素繊維強化樹脂複合材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ビニルエステルと、炭素繊維とを含むFRPとしては、例えば、ビニルエステルと、スチレンモノマーとからなるビニルエステル樹脂、もしくは、メタクリルモノマーと、光重合開始剤とからなるビニルエステル樹脂を、ガラス繊維もしくは炭素繊維に含浸させながらフィラメントワインディング法で成型物を得た後、蛍光灯による光とレドックス反応により生成するラジカルにより、その成型物を硬化させて得られた炭素繊維強化樹脂複合材料が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の炭素繊維強化樹脂複合材料もまた、樹脂と炭素繊維との密着性が十分でない場合があり、その結果、高強度の成形品の製造に使用することが困難な場合があった。
また、上記特許文献2に記載の炭素繊維強化樹脂複合材料も、従来のエポキシ樹脂系の成形材料に匹敵するレベルの強度を付与することが困難であるため、高強度の成形品の製造に使用することは、依然として困難であった。
更には、該樹脂組成物を用い、ブロック状成形材料及びシート状成形材料に利用可能な、即ち、バルクモールディング、或いはシートモールディングへの適用が可能であるが、その際に、コンパウンドを増粘させる必要があり、従来、増粘剤として、例えば、酸化マグネシウムのような金属酸化物がシートモールディングコンパウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)等に好適に用いられている。
しかし、ポリマー中に酸基および水酸基を有する必要があり、例えば、ビニルエステル、ウレタンアクリレート、(メタ)アクリル酸エステルの重合体からなる樹脂などのような酸基を有さない場合には金属酸化物を用いることはできない。また、該増粘方法は樹脂中の水分によって、その増粘速度および増粘度が大きく左右され、増粘を安定して制御することが難しい。そこで、増粘剤として、アクリル樹脂微粉末を用いた増粘性材料の検討がなされており、不飽和ポリエステル樹脂をベース樹脂として各種検討がなされており、例えば、特開平5−171022号公報に開示されているような樹脂粉末を用いて増粘させた場合、不溶解部分が残り、得られた成形品の物性が低下する問題がある。さらに、上記アクリル粉末による増粘は、増粘安定、迅速な増粘などの点では良好であるが、全ての場合において、アクリル粉末が一部不溶な部分として残り、異物の入った成型品と同様、無添加の場合に比べて強度面で劣っており、増粘性が良好で、取り扱い性、成形性、強度に優れた増粘剤を用いた、ブロック状成形材料及びシート状成形材料が望まれている。
国際公開2004/067612号 特開2004−034661号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、優れた機械的特性を有し、樹脂の臭気が少なく、低粘度化及び硬化性に優れる炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物であり、それを用いた成形材料及び炭素繊維強化プラスチックを提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(I)で示される(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上のラジカル重合性不飽和単量体(B)と、有機過酸化物(C)と、を含有することを特徴とする炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物に関するものである。
Figure 2013245268
(一般式(I)中のYは、O又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換していても良いアルキレン基、O又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換していても良い脂肪族環式基を表し、Tは、2価の芳香族基、又は主鎖の炭素原子が2価の脂肪族環式基で置換されていてもよいアルキレン基を表し、Xは、(メタ)アクリロイル基を含む基を表す。)
本発明によれば、優れた機械的特性を有し、樹脂の臭気が少なく、低粘度化、硬化性に優れる(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタンを含有する炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物、それを用いた成形材料及び炭素繊維強化プラスチックの提供ができる。
また、第二の効果として、特定の増粘剤を含有することにより、加熱圧縮成形に使用可能である成形材料及び炭素繊維強化プラスチックを提供することができる。
合成例1で得られたポリウレタン(I)のIRスペクトル図である。
以下、本発明の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物の形態について説明する。
本発明の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物は、下記一般式(I)で示される構造を有する(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上のラジカル重合性不飽和単量体(B)と、有機過酸化物(C)と、を含有してなるものである。
本発明で使用する(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)は、下記一般式(I)で示される構造を有するものである。
Figure 2013245268
(一般式(I)中のYは、O又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換していても良いアルキレン基、O又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換していても良い脂肪族環式基を表し、Tは、2価の芳香族基、又は主鎖の炭素原子が2価の脂肪族環式基で置換されていてもよいアルキレン基を表し、Xは、(メタ)アクリロイル基を含む基を表す。)
前記一般式(I)中のYは、O又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換していても良いアルキレン基、O又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換していても良い脂肪族環式基である。
前記のO又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換していても良いアルキレン基、O又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換していても良い脂肪族環式基の分子量は、比較的小さいことが好ましく、分子量28〜600であることがより好ましい。具体的にはO又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換していても良いアルキレン基、O又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換していても良い脂肪族環式基であるYの構造は、後述するポリオール(a1)と、後述するポリイソシアネート(a2)とを反応させることによって式(I)中に導入される(a1)に由来する構造であって、その分子量は後述する(a1)から2つの水酸基を除いた分子量に相当する。例えば、分子量100〜300の範囲のものを使用した場合の分子量は、前記100〜300の範囲と、2つの水酸基の式量34との差分となる。尚、前記分子量は、元素の式量に基づいて算出した値を示す。
ポリオール(a1)としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジオール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、ポリカプロラクトン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコールや、該多価アルコールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール、カプロラクトン変性ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドブロック共重合ポリオール、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドランダムポリオール等が挙げられる。中でも、樹脂の粘度、強度、耐熱性、伸びのバランスが優れる分子量が100〜300の範囲である脂肪族環式基を有するポリオールである1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、又は、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の脂肪族環式ジオールを使用することが好ましい。また、後述するラジカル重合性樹脂組成物を製造する際の、(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)のラジカル重合性不飽和単量体のポリオール(a1)への溶解性を向上するとともに、得られる成形物に、より一層優れた機械的強度が付与され、樹脂の粘度、強度、耐熱性を維持しながら、一定の伸び率を維持できるため、ポリオール(a1)としては、1,4−シクロヘキサンジメタノールを使用することが、より好ましい。
前記一般式(I)中のTは2価の芳香族基、又は主鎖の炭素原子が2価の脂肪族環式基で置換されていてもよいアルキレン基であり、具体的には、後述するポリイソシアネート(a2)を用いることにより、一般式(I)中の構造を導入することができる。
前記一般式(I)中のXは、(メタ)アクリロイル基を含む基である。具体的には、後述する活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)由来の構造が挙げられ、該構造は本発明で使用する(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)の分子中に(メタ)アクリロイル基を付与する。前記(メタ)アクリロイル基は、(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)の分子末端に1〜10個存在することが好ましく、2個〜6個存在することがより好ましく、樹脂硬化物の耐熱性及び伸び率のバランスの観点から、特に2個〜3個存在することが特に好ましい。
前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)としては、成形加工のしやすさと、耐熱性や伸びなどの物性バランスとの両立という観点から、分子量500〜3000のものを使用することが好ましく、分子量500〜2000のものを使用することがより好ましい。
なお、前記分子量は、(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)を構成する原子の式量に基づき、その合計量から求められる値を指す。
前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)は、例えば、ポリオール(a1)と、ポリイソシアネート(a2)と、活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)とを用いて製造することができる。より具体的には、例えば、ポリオール(a1)と、ポリイソシアネート(a2)とを反応させることによって、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)を得た後、前記分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)と、前記活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)とを反応させることによって、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)を製造することができる。
本発明で使用する芳香族2価の芳香族基、又は主鎖の炭素原子が2価の脂肪族環式基で置換されていてもよいアルキレン基含有ポリイソシアネート(a2)としては、特に限定されないが、例えば、芳香族系、脂肪族系、環式脂肪族系、脂環式系等のポリイソシアネートが挙げられ、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等のポリイソシアネート或いはこれらポリイソシアネートの三量体化合物、所謂ヌレート化合物等を、単独又は併用して使用することができる。
本発明で使用する活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他に、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のような水酸基を2個有するアルコールのモノ(メタ)アクリレート類;α−オレフィンエポキサイドと(メタ)アクリル酸の付加物;カルボン酸グリシジルエステルと(メタ)アクリル酸の付加物;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等;アミノメチル(メタ)アクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランを含むブチレンオキサイド付加物、上記水酸基含有(メタ)アクリレートの酸無水物付加物;等が挙げられる。これらは単独で使用しても、発明の効果を妨げない範囲で併用して使用してもよい。
中でも、水酸基含有(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、水酸基含有メタクリレートを使用することがより好ましい。水酸基含有メタクリレートを使用することにより、得られる成形品を耐熱性に特に優れたものとすることができる。
前記ポリオール(a1)と、前記ポリイソシアネート(a2)との反応は、例えば、前記ポリイソシアネート(a2)のイソシアネート基と、前記ポリオール(a1)の水酸基との当量比[(a2)のイソシアネート基/(a1)の水酸基]が1.3/1〜2.5/1、好ましくは1.5/1〜2/1の範囲になるような条件で行うことができる。これにより、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)を製造することができる。
前記ポリオール(a1)と、前記ポリイソシアネート(a2)との反応は、50〜110℃の温度範囲で行うことが好ましく、60〜90℃の温度範囲で行うことがより好ましい。
また、前記分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)の数平均分子量は、200〜3000であることが好ましい。また、この範囲内の数平均分子量とするため、反応条件を適宜決定することができる。反応条件としては、例えば、前記反応温度範囲にて行い、必要に応じて反応触媒を併用することが好ましい。
また、前記分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)を製造する際には、重合禁止剤を用いても良い。前記重合禁止剤としては、後述するものが挙げられる。前記重合禁止剤の濃度としては、前記分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)の重量部に対して10〜1500ppmで用いることが好ましい。
また、前記分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)と、前記活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)との反応は、前記活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)が有する水酸基、アミノ基又はカルボキシル基と、前記分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)中に残存するイソシアネート基との当量割合が、活性水素当量/イソシアネート当量=1/1〜1.3/1の範囲になるような条件で行うことができる。これにより、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)を製造することができる。
前記分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)と、前記活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)との反応は、50〜100℃の温度範囲で行うことが好ましい。
前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)を製造する際には、オクチル錫系化合物等の公知の触媒を使用しても良い。
また、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)を製造する際には、前記(A−1)を製造する際と同様の重合禁止剤を用いても良い。前記重合禁止剤の濃度としては、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)の重量部に対して10〜1500ppmで用いることが好ましい。
前記触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラエチルチタネート等の有機チタン化合物、オクチル酸錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ジバーサテート等の有機錫化合物、ジルコニウム系化合物、鉄系化合物、さらには、塩化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第一錫等の酸やアルカリ等が挙げられる。これらの触媒の添加量は、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)を製造する際に添加する成分の全重量部に対して5〜10000ppmであることが好ましい。
前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上のラジカル重合性不飽和単量体である。
通常、ラジカル重合性不飽和単量体は、スチレンが用いられるが、スチレンを用いた場合は、炭素繊維強化プラスチックの機械的特性が十分発現されず、十分な機械的強度を発現させるためには、炭素繊維との界面接着性を考慮した、本発明のラジカル重合性不飽和単量体(B)を用いる必要がある。更に、該ラジカル重合性不飽和単量体(B)は、(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と共に用いることで、炭素繊維との界面接着性が良好であり、また、樹脂自体の高靱性化が発現されるため、炭素繊維強化プラスチックの機械的特性の発現がより高いものとなる。本発明のラジカル重合性不飽和単量体は、特性を損なわない範囲で下記列挙するラジカル重合性不飽和単量体と併用することが可能だが、本発明のラジカル重合性不飽和単量体は、全体のラジカル重合性不飽和単量体を100重量部とすると、70重量部以上含有することが望ましい。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたはヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとフェノキシエチル(メタ)アクリレートを併用して用いると、硬化物の吸水性の観点からより好ましい。
また、特性を損なわない範囲で、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ジビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ジアリールフタレート、トリアリール(イソ)シアヌレート;さらにアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等として、(メタ)アクリル酸メチル(メチルメタクリレート)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アミノメチル(メタ)アクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)のジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(EO)変性(n=1〜8)ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド(EO)変性(n=1〜3)ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド(EO)変性(n=1〜3)トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノエステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の、樹脂と架橋可能な重合性不飽和化合物を併用することができる。
前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)は、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)100重量部に対し、50〜200重量部となる範囲で使用することが好ましい。
本発明の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物は、加熱等によって、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と、前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)が有する不飽和基とのラジカル重合を進行させ、機械的強度や耐熱性等に優れた成形品を得る上で、熱によって硬化反応を進行させる有機過酸化物(C)を含有する。
前記有機過酸化物(C)としては、例えば、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等の公知のものを使用することができる。例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどを挙げることができる。硬化触媒は1種のみを用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
前記有機過酸化物(C)は、(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と、前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)との合計100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で使用することが好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。前記上限値10重量部以上であると、前記有機過酸化物同士のラジカル種の再結合等が起こり、機械的物性に悪影響を及ぼす場合がある。
前記有機過酸化物(C)の使用の際には、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)及び前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)を混合する際に使用してもよいが、予め前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)及び前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)を混合して得られた混合物に対して、混合し使用することが好ましい。前記混合は、例えば、攪拌機、ニーダー、ロールミル、スクリュー押出式混練機等の装置を使用して行ってもよい。
なお、本発明の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、紫外線硬化剤や電子線硬化剤等を併用してもよい。
前記紫外線硬化剤としては、例えば、アシルホスフィンオキサイド系、ベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、チオキサントン系化合物等を使用することができる。
また、前記電子線硬化剤としては、例えば、ハロゲン化アルキルベンゼン、ジスルファイド系化合物等を使用することができる。
また、本発明の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物には、必要に応じて重合禁止剤や硬化促進剤等を添加することができる。
前記重合禁止剤としては、例えば、トルハイドロキノン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1,4−ナフトキノン、パラベンゾキノン、トルハイドロノン、p−tert−ブチルカテコール、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノール等を使用することができる。前記重合禁止剤の使用量は、前記炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物中10〜1500ppmが好ましい。
前記硬化促進剤としては、例えば、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等の金属石鹸類;バナジルアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート化合物;N,N−ジメチルアミノ−p−ベンズアルデヒド、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノベンズアルデヒド、4−メチルヒドロキシエチルアミノベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニルモルホリン、ピペリジン、ジエタノールアニリン等の化合物を少量添加して用いることも可能である。
本発明の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物樹脂組成物の粘度は、0.5〜50dPa・sの範囲にあることが好ましく、0.7〜20dPa・sの範囲にあることが特に好ましい。粘度がこの範囲を超えると成形性が問題になる場合がある。ラジカル重合性樹脂組成物の粘度は、JIS−K−6901に準じて、公知の装置等を用いて測定することができる。
本発明の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物は、従来にない高い強度を有する前記炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物となるため、炭素繊維(D)を含有することが好ましい。
炭素繊維(D)としては、例えば、撚糸、紡糸、紡績加工、不織加工したものであってもよく、具体的には、フィラメント、ヤーン、ロービング、ストランド、チョップドストランド、フェルト、ニードルパンチ、クロス、ロービングクロス、ミルドファイバー等の形状のものが挙げられ、ポリアクリロニトリル(PAN)系、レーヨン系、ピッチ系等の炭素繊維が、集束剤によって集束処理を施されたものが用いられる。前記炭素繊維は、それぞれ公知の方法で紡糸後、耐炎化(不融化)、炭素化、さらに必要に応じて黒鉛化処理して製造される。通常、これらの炭素繊維は1000〜50000本のフィラメントが束ねられたストランドとして供給されている。これらの炭素繊維のうち、本発明においては取り扱い性、製造工程通過性、成形品強度に優れたPAN系炭素繊維を用いることが好ましく、また、剛性強度の観点からは、所謂ピッチ系の炭素繊維を用いることが好ましい。
ここで、PAN系炭素繊維とは、アクリロニトリル構造単位を主成分とし、イタコン酸、アクリル酸、アクリルエステル、アクリルアミド等のビニル単量体単位を10モル%以下含有する共重合体を出発原料とし、これを酸化雰囲気中で熱処理することにより耐炎化し、次いで、不活性雰囲気中で炭素化又は黒鉛化した繊維である。
また、前記炭素繊維は、前記集束処理とは別に、予め、電解酸価処理等の表面処理が施されていてもよい。炭素繊維の集束に使用する集束剤としては、芳香族構造及び不飽和二重結合含有樹脂を含有するもの等が用いられる。
また、前記炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物には、必要に応じて、従来から一般的に知られている不飽和ポリエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、アクリル樹脂類、アルキッド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合体、ポリジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類;ニトロセルローズ、セルローズアセテートブチレートなどのセルローズ誘導体;アマニ油、桐油、大豆油、ヒマシ油、エポキシ化油等の油脂類;等、他の慣用の天然及び合成高分子化合物を添加できる。
また、前記炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物には、炭素繊維以外に、ガラス繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維等の有機繊維、金属繊維、ジュートやマニラ麻等の天然植物繊維、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、シリカパウダー、コロイダルシリカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ガラス粉、ガラスビーズ、砕砂
アルミニウム微粉、中空バルーン、アルミナ、ガラス粉、水酸化アルミニウム、寒水石、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、二酸化モリブデン等の充填剤を配合して用いることもできる。これら充填材は、作業性や得られる成形品の強度、機能、外観、経済性などを考慮して選ばれる。
さらに、前記炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物には、ステアリン酸亜鉛、チタン白、亜鉛華、その他各種顔料安定剤、難燃剤、消泡剤、カップリング剤、内部離型剤、熱可塑性樹脂等の低収縮剤、低収縮剤がラジカル重合性樹脂と非相溶の場合は相溶化剤、老化防止剤、可塑剤、骨材、難燃剤、光安定剤、熱安定剤等の他の添加剤を使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、例えば、ハンドレイアップ、スプレーアップ成形、RTM(レジントランスファーモールディング)成形、バキュームインフュージョン成形、連続成形、引き抜き成形、フィラメントワインディング成形、射出成形等の各種成形法によって成形し成形品を得ることができる。また、該樹脂組成物に、フィラー、添加剤等を添加し、所謂、コンパウンドとして用いることもでき、プレス成形、又は、コンパウンドをシート状にし、所謂、シートモールディングコンパウンド(SMC)によるプレス成形、バルク状にした、所謂、バルクモールディングコンパウンド(BMC)によるプレス成形、射出成形、トランスファー成形等、それぞれの用途に応じた成形法により、成形品を得ることができる。また、塗料として薄膜で塗工硬化させて用いることも可能である。
前記硬化反応は、使用する前記有機過酸化物(C)の種類等によって異なるが、概ね常温〜150℃で加熱し行うことが好ましい。
特に、本発明の樹脂組成物を用い、ブロック状成形材料及びシート状成形材料に利用することができ、即ち、バルクモールディング、或いはシートモールディングへの適用が可能である。その際に、コンパウンドを増粘させる必要があり、従来、増粘剤として、例えば、酸化マグネシウムのような金属酸化物がSMCやBMC等に好適に用いられる。
本発明において、増粘剤(E)として、より増粘性が良好で、取り扱い性、成形性、強度に優れた増粘剤を用いた、ブロック状成形材料及びシート状成形材料を得ることができる観点から、アクリル樹脂微粉末を用いた増粘剤を用いることが好ましい。
前記増粘剤(E)としては、ポリメチルメタクリレート又はメチルメタクリレートを主成分とする粉末状のものが用いることができる。
メチルメタクリレートを主成分とする重合体粉末を構成するモノマーとして、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、メチルメタクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシルメタクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、などがあげられる。また、ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどの共役ジエン系化合物、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンなどの非共役ジエン系化合物などを用いることもできる。また、これらと共重合可能な単量体として、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド系化合物、メタアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、などのメタクリルアミド系化合物およびグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルアクリレート等も挙げることができる。
メチルメタクリレートを主成分とする重合体粉末には、アクリル酸エステル系またはメタクリル酸エステル系単量体とラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2つ以上有する架橋性単量体を使用することもできる。その具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートヘキサンジオールジアクリレート、オリゴエチレンジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、オリゴエチレンジメタクリレート、ジビニルベンゼンなどの芳香族ジビニル単量体、トリメリット酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレートなどが例示される。しかし、該架橋性単量体の重合体粉末中での量は、好ましくは0.5重量%を超えてはならない。なぜなら、架橋度が高くなりすぎ、マトリックス樹脂として成分中で膨潤しないためである。また、その場合、アクリル粉末が一部不溶な部分として残り、得られる成形品の強度が劣り問題である。
該重合体の製造方法は、格別限定される物ではないが、通常は乳化重合により製造する。すなわち、成分となる単量体を、乳化剤の存在下に重合開始剤として過酸化物開始剤、レドックス開始剤などのラジカル重合開始剤を用いて乳化重合を行いエマルジョンを得る。このような乳化重合により粒径が、好ましくは300〜5000オングストロームの粒子状共重合体を含有するエマルジョンを製造する。
乳化重合により得られた共重合体を含むエマルジョンを通常、多翼型回転ディスク式、円盤型回転ディスク式、ノズル式などで噴霧乾燥することにより、粉末状の共重合体が得られる。この乾燥の場合、一般に共重合体は噴霧液滴単位で凝集し、好ましくは20〜100μm程度の凝集粒子を形成する。凝集の程度は乾燥条件によって異なり、乾燥後に粉砕してほぐす工程をもうけることもできる。また、乳化重合後に塩析法や凍結法によりラテックス粒子を凝固分離し、脱水して調製したウェットケーキを流動床などで乾燥して、凝集粒子状として得ることもできる
該重合体粉末である前記増粘剤(E)は、本発明の樹脂組成物100重量部に対し、1〜150重量部の範囲であることが好ましい。より好ましくは10〜40重量部の範囲である。これは、1重量部未満であれば、増粘が不足し、ベタツキなど取り扱い性に問題が生じ、また、150重量部を超える場合は、添加直後から粘度が高くなり混練困難となるか、あるいは混練できる場合でも、増粘後に不溶分として該重合体が残り、成型品の質感を損なうといった問題が生じるためである。該増粘性樹脂組成物が、充填材や補強材等の添加剤をさらに含むことで、さらに優れた物性を有すると共に、種々の用途に使用可能な成形材料として用いることができる。
本発明の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物を用いた成形材料の製造法例について、以下、シート状及びブロック状の場合を例として、概略を記すが、本発明はこの製造法に限定されるものではない。
シート状のプリプレグとする場合は、該樹脂組成物に、例えば、プラネタリーミキサー、ニーダーなどの公知の混合機を用いて、無機充填材、内部離型剤、分散剤、最後にポリメチルメタクリレート又はメチルメタクリレートを主成分とする重合体である増粘剤(E)を加え混合撹拌する。
混合機で調製されたコンパウンドは、2つの離型フィルムの一方または双方にフローコーターまたはドクターナイフによって、好ましくは0.3〜5mmの一定の厚さに塗布し、必要に応じて、その上に炭素繊維(D)をチョッパーにより切断して散布するか、炭素繊維(D)で構成されるマット強化材を挟み込むようにしてから塗布面を内にして貼合わせ、圧延機によって圧延し、好ましくは厚さ0.5〜7mmのシートを得、両面を離型フィルムで被覆した状態でローラーによって巻とるか、折り畳む。また、特にSMCマシンを使用しない場合として、例えば、チョップドストランドマットに上記混合物をロール等で含浸させても良い。
増粘過程は、該増粘剤(E)の種類、量、および温度によって異なるが、常温(25℃)で1時間、45℃の加熱によって30分で行うのが好ましい。得られたプリプレグは、シート状成形材料として離型フィルムの剥離性は良好である。
また、バルク状のプリミックスとする場合には、該樹脂組成物に、例えば、プラネタリーミキサー、ニーダーなどの公知の混合機を用いて、炭素繊維パウダーまたは炭素繊維からなるミルドファイバー、無機充填材、内部離型剤、分散剤、最後に増粘剤(E)を加え混合撹拌する。
また、炭素繊維(D)を使用する場合、増粘剤(E)を加えた直後に行うことが好ましい。混合された組成物はポリエチレンの袋に取り出し、密閉する。組成物はプリプレグの場合と同様、常温および加熱によって増粘させる。プリミックスの形状は、ペレット状、小石状、レンガ状など種々の形状と大きさが可能であるが、通常、径または一辺が、好ましくは0.7cm〜1mの大きさである。
増粘過程は、該増粘剤(E)の種類、量、および温度によって異なるが、常温(25℃)で1時間、45℃の加熱によって30分で行えるよう調整する。得られたプレミックスは、ブロック状成形材料としてべたつきも少なく取り扱い性は極めて良好である。
こうして得られたシート状成形材料、ブロック状成形材料は、通常、100℃〜150℃程度の温度範囲の金型を用い、圧力10〜20MPaにて、圧縮加熱成形方法により、加熱、型内で賦形されて炭素繊維強化プラスチック、成形品として製造される。
前記成形材料の製造方法等で得られた本発明の成形品は、高靱性と耐熱性を両立できる特徴を活かして、例えば、自動車外板、車輌用プラットフォーム部材、耐圧パイプ、耐圧容器、風力発電用ブレード、ボート、水上バイク、鉄道車両部材、航空機部材、耐震補強用建築部材、産業用ロボット等に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。また、以下において、「部」「%」は断りのない限り質量基準であるものとする。
(合成例1)ポリウレタン(I)の合成
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた2リットルの四つ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジメタノールを202部、イソホロンジイソシアネートを622部、トルハイドロキノンを50ppm仕込み、90℃で約2時間加熱攪拌して、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンを得た。
その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを382部、錫系触媒を50ppm添加し、90℃で約7時間反応させて、分子量848のポリウレタン(I)を得た。
なお、前記分子量は、前記ポリウレタン(I)を構成する原子の式量に基づき計算して求めた値である。
また、下記条件におけるIRスペクトルの測定により、実施例1にて得られたポリウレタン(I)を同定した。IRスペクトルを図1に示す。なお、図1中、横軸は波長(cm−1)を表し、スペクトル中のピークの帰属はそれぞれ以下のとおりである。
(IRスペクトル測定条件)
測定機器:赤外分光光度計FT/IR−460(日本分光社製)。
測定法:KBrプレート使用による透過法。
積算回数:16回。
(ピークの帰属)
[シクロヘキサンジメタノール由来のピーク]
2920cm−1、2860cm−1、1450cm−1:C−H振動。
1030cm−1:C−O吸収。
[ウレタン結合生成確認のピーク]
1710cm−1:C=O基。
1530cm−1:〜N(H)−C=O〜。
[イソシアネート基が消失していることを確認するピーク]
2260〜2270cm−1:NCO基。
(合成例2)ポリウレタン(II)の合成
合成例1と全く同一の反応装置に、シクロヘキサンジメタノールを216部、ノルボルネンジイソシアネートを618部、トルハイドロキノンを50ppm仕込み、80℃で約2時間加熱攪拌して、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンを得た。
その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを410部、錫系触媒を50ppm添加し、90℃で約7時間反応させて、分子量816のポリウレタン(II)を得た。
なお、前記分子量は、前記ポリウレタン(II)を構成する原子の式量に基づき計算して求めた値である。
(合成例3)エポキシメタクリレートの合成
合成例1と全く同一の反応装置に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂(エポキシ当量375部)を990部、メタクリル酸を215部、ジブチルヒドロキシトルエンを350ppm、2−メチルイミダゾールを1000ppm仕込み、110℃で約5時間反応させ、酸価が4に達したところで反応を終了し、エポキシメタクリレート樹脂を得た。
(合成例4)ポリウレタン(III)の合成
合成例1と全く同一の反応装置に、ポリプロピレングリコール(水酸基価より算出の分子量701)を701部、トリレンジイソシアネートを296部、イソホロンジイソシアネートを67部仕込み、80℃で約5時間加熱攪拌して、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(イソシアネート当量532)を得た。
その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを273部添加し、80℃で約4時間反応させて、ポリウレタン(III)を得た。
(合成例5:増粘剤(E)の合成)
メチルメタクリレート80部を、撹拌機を備えた反応機に仕込み、乳化剤としてメタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体からなる高分子乳化剤1部、触媒として過硫酸カリウム0.1部を添加し、水150重量部中で重合温度80℃にて180分間撹拌した後、重合転化率98%になるまで重合を行った。得られたラテックスの平均粒子径はいずれも0.2〜0.5μmの範囲内であった。得られたラテックスをスプレードライによって150℃で噴霧乾燥し、重合体粉末を得た。重量平均分子量は40万であった。得られたアクリル樹脂からなる重合体をアクリル樹脂からなる増粘剤として使用した。
(実施例1)
合成例1で得られたポリウレタン(I)50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、HEMAと表記する場合がある。)25部、フェノキシエチルメタクリレート(以下、PhEMAと表記する場合がある。)25部を混合して均一溶液にし、促進剤として8%オクテン酸コバルト0.3部を添加して均一になるよう混合し、さらにラジカル硬化剤(「328E」、化薬アクゾ社製、有機過酸化物)を1部添加して混合し、樹脂組成物を調整した。離型処理の施された350mm×350mmのガラス板上において、炭素繊維クロス(「パイロフィルTR3110MS」、三菱レイヨン社製、ビニルエステル樹脂用炭素繊維)の上に、ハンドレイアップ成形法(8プライ)によって、該樹脂組成物を炭素繊維の体積含有率が50%になるように積層し、常温(25℃)で12時間硬化させた後、さらに60℃にて3時間後硬化させ、曲げ強さ、曲げ弾性率、圧縮強さ及び圧縮弾性率を測定し評価した。
(実施例2)
合成例2で得られたポリウレタン(II)50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート25部、フェノキシエチルメタクリレート25部を混合して均一溶液にし、促進剤として8%オクテン酸コバルト0.3部を添加して均一になるよう混合し、さらにラジカル硬化剤(「328E」、化薬アクゾ社製、有機過酸化物)を1部添加して混合し、樹脂組成物を調整した。実施例1と同様に、炭素繊維クロスと積層を行い、硬化させ、同様に、曲げ強さ、曲げ弾性率、圧縮強さ及び圧縮弾性率を測定し評価した。
(実施例3)
合成例1で得られたポリウレタン(I)50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート25部、フェノキシエチルメタクリレート25部を混合して均一溶液にし、さらにラジカル硬化剤(「パーキュアーHO」、日本油脂社製、有機過酸化物)を1部添加して混合し、樹脂組成物を調整した。引き続き、合成例で得られたアクリル樹脂からなる増粘剤を20部添加、溶解させた。引き続き、350mm×350mmのガラス板上に、離型剤処理がなされたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を置き、その上に、増粘剤が混合された樹脂組成物を、炭素繊維クロス(「パイロフィルTR3110MS」、三菱レイヨン社製、ビニルエステル樹脂用炭素繊維)に、ローラーを用い、炭素繊維クロスを一枚ずつ含浸させ、8枚積層し、最後に同PETフィルムで挟み込み、50℃にて1時間、乾燥機中で加熱し、増粘させ、シート状の成形材料とした。その後ガラス板を取り除き、PETフィルムで挟まれた該シート状成形材料を、加熱プレス機にて、加熱温度100℃、プレス圧力15MPaにて、30分間、繊維強化された硬化物の厚みが、2mm厚、炭素繊維の体積含有率が50%になる様に、加熱圧縮硬化させた。硬化後、PETフィルムを取り除き、得られた硬化物を用い、実施例1と同様に、曲げ強さ、曲げ弾性率、圧縮強さ及び圧縮弾性率を測定し評価した。
(実施例4)
合成例2で得られたポリウレタン(II)50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート25部、フェノキシエチルメタクリレート25部を混合して均一溶液にし、さらにラジカル硬化剤(「パーキュアーHO」、日本油脂社製、有機過酸化物)を1部添加して混合し、樹脂組成物を調整した。引き続き、合成例で得られたアクリル樹脂からなる増粘剤を20部添加、溶解させた。引き続き、350mm×350mmのガラス板上に、離型剤処理がなされたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を置き、その上に、増粘剤が混合された樹脂組成物を、炭素繊維クロス(「パイロフィルTR3110MS」、三菱レイヨン社製、ビニルエステル樹脂用炭素繊維)に、ローラーを用い、炭素繊維クロスを一枚ずつ含浸させ、8枚積層し、最後に同PETフィルムで挟み込み、50℃にて1時間、乾燥機中で加熱し、増粘させ、シート状の成形材料とした。その後ガラス板を取り除き、PETフィルムで挟まれた該シート状成形材料を、加熱プレス機にて、加熱温度100℃、プレス圧力15MPaにて、30分間、繊維強化された硬化物の厚みが、2mm厚、炭素繊維の体積含有率が50%になる様に、加熱圧縮硬化させた。硬化後、PETフィルムを取り除き、得られた硬化物を用い、実施例1と同様に、曲げ強さ、曲げ弾性率、圧縮強さ及び圧縮弾性率を測定し評価した。
(比較例1)
合成例3で得られたエポキシメタクリレート樹脂を58部、スチレン(以下、SMと表記する場合がある。)42部にて希釈し、促進剤として8%オクテン酸コバルト0.3部を添加して均一になるよう混合し、さらにラジカル硬化剤(「328E」、化薬アクゾ社製、有機過酸化物)を1部添加して混合し、樹脂組成物を調整した。実施例1と同様に、炭素繊維クロスと積層を行い、硬化させ、同様に、曲げ強さ、曲げ弾性率、圧縮強さ及び圧縮弾性率を測定し評価した。
(比較例2)
合成例4で得られたポリウレタン(III)を、不揮発成分が70%となるようにスチレン30部にて希釈し、促進剤として8%オクテン酸コバルト0.3部を添加して均一になるよう混合し、さらにラジカル硬化剤(「328E」、化薬アクゾ社製、有機過酸化物)を1部添加して混合し、樹脂組成物を調整した。実施例1と同様に、炭素繊維クロスと積層を行い、硬化させ、同様に、曲げ強さ、曲げ弾性率、圧縮強さ及び圧縮弾性率を測定し評価した。
(比較例3)
合成例3で得られたエポキシメタクリレート樹脂を58部、不揮発成分が75%となるようにスチレン42部にて希釈し、混合して均一溶液にし、さらにラジカル硬化剤(「パーキュアーHO」、日本油脂社製、有機過酸化物)を1部添加して混合し、樹脂組成物を調整した。引き続き、合成例で得られたアクリル樹脂からなる増粘剤を20部添加、溶解させた。引き続き、350mm×350mmのガラス板上に、離型剤処理がなされたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を置き、その上に、増粘剤が混合された樹脂組成物を、炭素繊維クロス(「パイロフィルTR3110MS」、三菱レイヨン社製、ビニルエステル樹脂用炭素繊維)に、ローラーを用い、炭素繊維クロスを一枚ずつ含浸させ、8枚積層し、最後に同PETフィルムで挟み込み、50℃にて1時間、乾燥機中で加熱し、増粘させ、シート状の成形材料とした。その後ガラス板を取り除き、PETフィルムで挟まれた該シート状成形材料を、加熱プレス機にて、加熱温度100℃、プレス圧力15MPaにて、30分間、繊維強化された硬化物の厚みが、2mm厚、炭素繊維の体積含有率が50%になる様に、加熱圧縮硬化させた。硬化後、PETフィルムを取り除き、得られた硬化物を用い、実施例1と同様に、曲げ強さ、曲げ弾性率、圧縮強さ及び圧縮弾性率を測定し評価した。
(比較例4)
合成例4で得られたポリウレタン(III)を、不揮発成分が70%となるようにスチレンモノマーにて希釈し、さらにラジカル硬化剤(「パーキュアーHO」、日本油脂社製、有機過酸化物)を1部添加して混合し、樹脂組成物を調整した。引き続き、合成例で得られたアクリル樹脂からなる増粘剤を20部添加、溶解させた。引き続き、350mm×350mmのガラス板上に、離型剤処理がなされたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を置き、その上に、増粘剤が混合された樹脂組成物を、炭素繊維クロス(「パイロフィルTR3110MS」、三菱レイヨン社製、ビニルエステル樹脂用炭素繊維)に、ローラーを用い、炭素繊維クロスを一枚ずつ含浸させ、8枚積層し、最後に同PETフィルムで挟み込み、50℃にて1時間、乾燥機中で加熱し、実施例1〜2と同様にして増粘させる工程にて処理を行ったが得られたシートは、増粘せずに、後のPETフィルムを剥がす際にベタつきが残り、良好なシート状成形材料は得られなかったため、硬化物の特性の評価はできなかった。表記は、測定不可と記載した。
(評価方法1.樹脂粘度)
樹脂粘度は、上記実施例1〜2及び比較例1〜2の硬化前の樹脂組成物を用いて、JIS−K−6901に順じて測定した。
(評価方法2.樹脂臭気)
樹脂臭気は、上記実施例1〜2及び比較例1〜2の硬化前の樹脂組成物の臭気を、官能試験により評価した。臭気が強いものを×、臭気の少ないものを○として評価した。
(評価方法3.硬化性)
硬化性は、実施例1〜2及び比較例1〜2については、JIS−K−6901に順じ、促進剤を併用し、25℃においても硬化するものを○とし、実施例3〜4及び比較例3〜4については、中温硬化可能な有機過酸化物であるパーキュアーHO、1重量%にて100℃、反応時間30分後においても硬化するものを○として評価した。実施例1〜4及び比較例1〜3は、ラジカル重合性樹脂組成物であるため、いずれも優れた硬化性を示した。
(評価方法4.増粘性)
増粘性は、上記実施例3〜4及び比較例3〜4について、50℃、1時間後の増粘処理後、用いたPETフィルムの一部剥ぎ、その剥がれ状態にて評価した。PETフィルムが剥がれ、樹脂組成物がフィルムに残らないものを○、ベタつきが強くPETフィルムに樹脂組成物が残るものを×として評価した。
(評価方法5.曲げ強さ、曲げ弾性率、圧縮強さ、圧縮弾性率)
前述の実施例、比較例内の記載に従い成形された炭素繊維を用いたFRP積層板を用い、実施例1〜4及び比較例1〜4について、曲げ強さ、曲げ弾性率の測定は、JIS−K−7074に順じて、オートグラフ(AGS−5KNG(島津製作所製))を用いて測定し、圧縮強さ、圧縮弾性率の測定は、JIS−K−7018に準じて、オートグラフ(AG−25TB(島津製作所製))を用いて測定した。
Figure 2013245268
Figure 2013245268
表1に示す結果から、本発明を適用した実施例1〜2の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物は、比較例1〜2の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物と比較して、いずれも樹脂臭気が少なく、樹脂粘度が優れていることが分かった。
また、表2に示す結果から、本発明を適用した実施例3〜4の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物は、比較例4の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物と比較して、増粘性が優れていることが分かった。
そして、表1〜2に示す結果から、本発明を適用した実施例1〜4の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物は、比較例1〜4の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物と比較して、いずれも硬化性及び曲げ弾性率は同等以上であり、曲げ強さ、圧縮強さ、圧縮弾性率に優れていることが分かった。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)で示される(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上のラジカル重合性不飽和単量体(B)と、有機過酸化物(C)と、を含有することを特徴とする炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物。
    Figure 2013245268
    (一般式(I)中のYは、O又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換していても良いアルキレン基、O又はC(=O)−Oが主鎖の炭素原子を置換していても良い脂肪族環式基を表し、Tは、2価の芳香族基、又は主鎖の炭素原子が2価の脂肪族環式基で置換されていてもよいアルキレン基を表し、Xは、(メタ)アクリロイル基を含む基を表す。)
  2. 前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)100重量部に対して、ラジカル重合性不飽和単量体(B)を50重量部〜200重量部含有する請求項1に記載の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物。
  3. 前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)が、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)と、活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)とを反応させることによって得られるものである請求項1又は2に記載の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物と、炭素繊維(D)とを含有することを特徴とする成形材料。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素繊維強化プラスチック用樹脂組成物と、炭素繊維(D)と、アクリル樹脂からなる増粘剤(E)とを含有することを特徴とする成形材料。
  6. 請求項4又は5に記載の成形材料を硬化して得られる炭素繊維強化プラスチック。
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