JP2013244834A - フェンダープロテクター - Google Patents

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Abstract

【課題】 波状ビードを形成した板厚の薄いフェンダープロテクターにおいて、風圧がフェンダープロテクターの一般面に作用したときに、所謂バックリングを生じさせることなく、一般面における面剛性を高めておくことのできるフェンダープロテクターを提供する。
【解決手段】 タイヤの前方部、上方部及び後方部を連続的に覆うフェンダープロテクターの一般面に波状ビードを複数形成し、波状ビードにおける屈曲部に沿った厚肉部を屈曲部に形成する。これにより、一般面における面剛性を高める。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両のホイールアーチ部に装着されるフェンダープロテクターに関する。
従来から、フェンダープロテクターは、走行時に回転するタイヤによって巻き上げられた泥や雨水などがエンジンルームや車体パネル内側に侵入するのを防止することを目的にして、また、車体下部における空力特性を向上させることを目的にして、更には、エンジンルーム内の騒音が外部に漏れ出るのを遮断すること等を目的にして、ホイールアーチ部に装着されている。
一般にフェンダープロテクターは、合成樹脂材を一体成形することによって構成されている。そして、フェンダープロテクターの板厚を厚く構成しておけば、剛性の高いフェンダープロテクターを製造することができる。しかし、この場合には、フェンダープロテクター自体の重量が増大してしまうことになるとともに、製造コストが増大することになる。
また、板厚の薄いフェンダープロテクターを製造した場合には、タイヤの前方部、上方部及び後方部を連続的に覆うフェンダープロテクターの一般面において、特に、タイヤの前方部における面剛性が不足してしまう問題が生じる。そこで、板厚の薄いフェンダープロテクターを製造する上において、一般面における面剛性を高めた構成にするため、タイヤの幅方向又はタイヤの周方向に沿って複数の波状ビードを一般面に形成した構成が採用されている。
波状ビードを一般面に形成した構成としては、車両の前部構造(特許文献1参照)やフェンダーライニング(特許文献2参照)などが提案されている。また、波状ビードを一般面に形成する代わりに、別部材の補強部材を一般面における縦壁部の部位に配設したフェンダープロテクター(特許文献3参照)が提案されている。
特開2009−113720号公報 特開2009−280042号公報 実願昭59−137391号(実開昭61−51279号)のマイクロフィルム
特許文献1、2に開示された波状ビードは、一般面においてタイヤの幅方向又は周方向に沿って山折りと谷折りとからなる折り目を形成する構成になっている。そのため、車両の走行時において、車両前方から車両内に流入した走行風に対しては、ある程度の風圧には耐えることができる構成になっている。
しかし、一定以上の風圧が一般面に作用したときには、ビードの屈折部が一般面を反対側に折り曲げてしまう起点となってしまい、一般面がタイヤ側に変形してしまうことになる。即ち、所謂バックリングが一般面に生じることになり、変形した一般面がタイヤに干渉してしまう虞が生じることになる。
所謂バックリングを生じさせ難くする構成として、ビードの高さ寸法を高く構成しておくことも考えられるが、このように構成するとフンダープロテクターにおける厚さ寸法、即ち、フェンダープロテクターのタイヤ側に面した面からビードの高さ位置までの厚さ寸法が大きく構成されることになる。また、フェンダープロテクターを成形するためには、材料を多く使用することになるとともに、フェンダープロテクターの重量を増大させることになる。
また、特許文献3に記載されたフェンダープロテクターでは、鉄板から構成された別体の補強部材を用いた構成になり、補強部材を用いることによる重量の増大や補強部材の配設等に伴う製造コストの増大を招いてしまうことになる。
本願発明は、これらの従来からの問題を解決するとともに、波状ビードを形成した板厚の薄いフェンダープロテクターにおいて、所謂バックリングを生じさせるような風圧が一般面に作用したときであっても、一般面における面剛性を高めておくことのできるフェンダープロテクターの提供を目的としている。
本願発明の課題は、請求項1〜4に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明は、車両のタイヤと車体パネルとの間のホイールアーチ部に装着されるフェンダープロテクターにおいて、前記フェンダープロテクターが、タイヤの前方部、上方部及び後方部を連続的に覆う一般面を有し、
前記一般面における少なくともタイヤの前方側の面には、前記一般面における剛性を高めるための波状ビードが、前記タイヤの幅方向又は前記タイヤの周方向に沿って複数形成され、
前記各波状ビードを構成するそれぞれの屈曲部のうちで少なくとも一つの前記屈曲部には、前記一般面における板厚よりも厚い厚肉部が、前記屈曲部の長さ方向に沿って形成されてなることを最も主要な特徴としている。
また、本願発明では、前記厚肉部が、前記屈曲部の長さ方向に沿って連続した形状に形成されてなることを主要な特徴としている。
更に、本願発明では、前記厚肉部は、前記屈曲部の長さ方向において横断面形状が略一定の断面積を有する形状に形成されてなることを主要な特徴としている。
更にまた、本願発明では、前記厚肉部は、剛性を必要とする前記一般面の部位において肉厚が厚く形成され、前記一般面において剛性が高い部位では、肉厚が薄く形成されてなることを主要な特徴としている。
本願発明に係わるフェンダープロテクターでは、波状ビードにおける屈曲部に厚肉部を形成しているので、屈曲部における剛性を厚肉部によって増大させておくことができる。このように構成しておくことができるので、特許文献1、2に開示されているような一般面に対して所謂バックリングを生じさせるような風圧が、本願発明に係る一般面に作用したとしても、厚肉部によって反対側に折り曲がってしまうのを防止しておくことができる。
また、特許文献1、2に開示されているような一般面に対して、所謂バックリングを生じさせるような風圧が作用しているときに、このときの一般面における最大変位量について見ると、次のようになる。このとき、所謂バックリングを生じさせる風圧による一般面の最大変位量としては、特許文献1、2に開示されているような一般面に形成した波状ビードの高さ寸法Hを高く構成した場合と本願発明に係る一般面において生じさせた場合と
では、同じ最大変位量になることを前提にして説明する。
このとき、本願発明における波状ビートにおける高さ寸法としては、特許文献1、2における波状ビードの高さ寸法の半分の高さ寸法に構成しておくことができる。
更に、波状ビードを形成している一般面における質量としては、特許文献1、2のように波状ビードの高さ寸法Hを高く形成した場合での質量よりも、本願発明では約15%の質量を減少させることができる。
このように、フェンダープロテクターの軽量化を図ると共に、フンダープロテクターにおける厚さ方向の高さ寸法を低く抑えた構成にできる。
厚肉部の形状としては、波状ビードの屈曲部における長さ方向に沿った連続的な形状として構成しておくことも、前記長さ方向に沿って部分的に厚肉部を形成した構成にしておくこともできる。例えば、屈曲部の長さ方向における中央部よりにおける厚肉部の肉厚を厚く形成し、屈曲部の両端部側に行くに従って厚肉部の肉厚が薄くなるように構成しておくことができる。また、屈曲部の長さ方向において厚肉部の横断面形状が略一定の断面積を有する形状に形成しておくこともできる。
そして、厚肉部を前記長さ方向に沿った連続的な形状にした場合や前記長さ方向に沿って部分的に厚肉部を形成した場合には、剛性を必要とする一般面の部位において厚肉部の肉厚を厚く構成し、一般面において剛性が高く構成されている部位においては、厚肉部の肉厚を薄く構成しておくこともできる。
このように構成しておくことにより、一般面における剛性を全体的に均一な剛性状態にすることができ、厚肉部を設けたことによる質量の増加も抑えることができる。
また、前記長さ方向に沿った連続的な形状にした場合には、厚肉部における長さ方向において横断面形状が略一定の断面積を有する形状に構成しておくことができる。
このように構成しておくことにより、厚肉部の形成が容易になり、しかも厚肉部による剛性を屈曲部における長さ方向に沿って略同じ剛性にすることができる。
フェンダープロテクターの要部斜視図である。(実施例) 一般面の要部拡大斜視図である。(実施例) 図2におけるIII−III断面図である。(実施例) 図2のIII−III断面における他の厚肉部の構成を示す要部断面図である。(実施例) 図2のIII−III断面における別の厚肉部の構成を示す要部断面図である。(実施例) 図2のIII−III断面における更に別の厚肉部の構成を示す要部断面図である。(実施例) 波状ビードの効果を説明する断面図である。(説明図)
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明に係わるフェンダープロテクターとしては、車両前部の車体下部に固着された構成例を用いて説明を行うが、フェンダープロテクターとしては、車両後部における車体下部に固着される構成にしておくこともできる。
また、フェンダープロテクターの形状は、車両の車種等に応じて異なっているため、本願発明に係わるフェンダープロテクターの形状は、図1に示した形状に限定されるものではない。また、波状ビードの形状として、タイヤの幅方向に沿って形成した形状について
説明を行うが、波状ビードの形状としては、タイヤの外周方向に沿って形成しておくこともできる。そのため、以下において説明する構成に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。あるいは、波状ビードの形状として、タイヤの幅方向及びタイヤの外周方向に沿った組み合わせた形状に構成しておくこともできる。
図1に示すように、フェンダープロテクター1は、ホイールハウスとなる一般面2とアンダーパネル部5とを一体的に成型した構成になっている。そして、フェンダープロテクター1は、合成樹脂材を用いて一体的に成形されている。アンダーパネル部5は、一般面2の下端部前方に延設された構成に形成されている。また、一般面2の下端部後方にもアンダーパネル部が延設されており、一般面2の下端部に延設した各アンダーパネル部を車体下部に取り付けることができる。
アンダーパネル部5は、車体下部を覆う形状に形成されており、車体下部に取り付けるための取付孔6が複数形成されている。また、アンダーパネル部5に浸入した雨水等を外部に排出するための水抜き孔7が複数形成されている。
一般面2における剛性を高めるため、一端面2にはタイヤ幅方向に沿った波状ビード3が複数形成されている。波状ビード3は、図2及び図2におけるIII−III断面図である図3に示すように、屈曲部3d、段差部3a、屈曲部3b及び傾斜部3cがこの順番で連続的に接続した形状に形成されている。図示例では、屈曲部3bが山折りとなった折り目を形成しており、屈曲部3dが谷折りとなった折り目を形成している。そして、屈曲部3bの裏面側には、厚肉部4が形成されている。
図示例では、波状ビード3を図示せぬタイヤの幅方向に沿って形成した構成について図示しているが、波状ビードを図示せぬタイヤの外周方向に沿って形成しておくこともできる。また、波状ビード3の断面形状が、略三角形の形状を示した構成を示しているが、波状ビードの形状としては、断面形状が略下向きのコ字状の形状に形成しておくこともできる。
厚肉部4としては、波状ビード3を形成している一般面2の板厚よりも厚く構成されており、屈曲部3bの長さ方向に沿って形成されている。そして、厚肉部4は、屈曲部3bの長さ方向の全長に亘って形成しておくことができる。
また、厚肉部4の形状としては、波状ビード3の屈曲部3bにおける長さ方向に沿った連続的な形状として構成しておくことも、屈曲部3bの長さ方向に沿って部分的に厚肉部4を形成した構成にしておくこともできる。また、屈曲部3bの長さ方向における中央部よりにおける厚肉部4の肉厚を厚く形成し、屈曲部3bの両端部側に行くに従って厚肉部4の肉厚が薄くなるように構成しておくことができる。
即ち、厚肉部4としては、一般面2において剛性を必要とする部位では肉厚が厚くなるように形成し、一般面2において剛性が高い部位に関しては、肉厚を薄く形成しておくことができる。
また、図5で示すように、屈曲部3dに対して厚肉部12を形成しておくことも、図6に示すように、屈曲部3b及び屈曲部3dの両方に対して厚肉部13を形成しておくこともできる。
厚肉部の断面形状としては、図3、図5、図6に示すように半円弧状の形状に形成しておくことも、図4に示すように矩形状の形状に形成しておくこともできる。このように、屈曲部3b及び/又は屈曲部3dに厚肉部4,11,12,13を形成しておくことにより
、風圧が作用している一般面2が反対方向に変形するのを防止できる。
次に、図7を用いて、本願発明のように一般面2の屈曲部3bに厚肉部4を形成した場合と一般面32の屈曲部33bに厚肉部を形成しなかった場合とについて説明を行う。図7(a)には、本願発明のように一般面2に波状ビード3を形成し、波状ビード3の屈曲部3bに厚肉部4を形成した構成を図示している。また、図7(b)には、一般面32に波状ビード33を形成し、波状ビード33の屈曲部33bに厚肉部を形成していない構成を図示している。波状ビード33は、屈曲部33d、段差部33a、屈曲部33b及び傾斜部33cがこの順番で連続的に接続した形状に形成されている。
そして、図7(a)及び図7(b)では、一般面2と一般面32とにそれぞれ所謂バックリングを生じさせるような風圧が作用したときには、一般面2及び一般面32における最大変位量がともに同じ変位量になっているものとする。
このとき、図7(b)に示す場合では、段差部33aの高さ寸法Hを、図7(a)で示す段差部3aの高さ寸法hの二倍に形成しておくことが必要になる。しかも、図7(a)で示す構成では、波状ビード3を形成している一般面2の質量が、図7(b)で示す構成において波状ビード33を形成している一般面32の質量の約85%の質量にすることができる。
このように、波状ビード3を形成しておくことができるので、一般面2を軽量化するとともに、剛性を向上させることができる。
本願発明の技術思想は、フェンダープロテクターの構成として、好適に適用することができる。
1・・・フェンダープロテクター、 2・・・一般面、 3・・・波状ビード、 3a・・・段差部、 3b・・・屈曲部、 3d・・・屈曲部、 4・・・厚肉部、11・・・厚肉部、12・・・厚肉部、13・・・厚肉部、33・・・波状ビード、33a・・・段差部、33b・・・屈曲部、H,h・・・段差部の高さ寸法。

Claims (4)

  1. 車両のタイヤと車体パネルとの間のホイールアーチ部に装着されるフェンダープロテクターにおいて、
    前記フェンダープロテクターが、タイヤの前方部、上方部及び後方部を連続的に覆う一般面を有し、
    前記一般面における少なくともタイヤの前方側の面には、前記一般面における剛性を高めるための波状ビードが、前記タイヤの幅方向又は前記タイヤの周方向に沿って複数形成され、
    前記各波状ビードを構成するそれぞれの屈曲部のうちで少なくとも一つの前記屈曲部には、前記一般面における板厚よりも厚い厚肉部が、前記屈曲部の長さ方向に沿って形成されてなることを特徴とするフェンダープロテクター。
  2. 前記厚肉部が、前記屈曲部の長さ方向に沿って連続した形状に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のフェンダープロテクター。
  3. 前記厚肉部は、前記屈曲部の長さ方向において横断面形状が略一定の断面積を有する形状に形成されてなることを特徴とする請求項2に記載のフェンダープロテクター。
  4. 前記厚肉部は、剛性を必要とする前記一般面の部位において肉厚が厚く形成され、前記一般面において剛性が高い部位では、肉厚が薄く形成されてなることを特徴とする請求項2に記載のフェンダープロテクター。
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