JP2013244729A - 診断版および湿し水供給量調整方法 - Google Patents

診断版および湿し水供給量調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】経験の浅いオペレータでも目視にて湿し水の供給量の適否を判定することができる診断版および湿し水供給量調整方法を提供する。
【解決手段】印刷機における湿し水の供給量の適否を判断するための診断版10a、10bは、面積率が70%以上の万線からなる第1の検出パッチ22および面積率が30%以下の万線からなる第2の検出パッチ24を形成する診断パッチ20と、面積率が互いに異なる網点からなる複数の絵柄30、32と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、印刷機における湿し水の供給量の適否を判断するための診断版、および診断版を用いて印刷機における湿し水の供給量の適正な範囲を求める湿し水供給量調整方法に関する。
一般的に、オフセット印刷では、インキング部から供給されたインキと湿し水部から供給された湿し水とが混和されて、版胴に貼り付けられた印刷版に供給される。そして、印刷版に供給されたインキが、給紙部から給紙された用紙に転移されることにより印刷が行われるようになっている。ここで、印刷版へのインキの供給量に対して湿し水の供給量が不足する場合には、印刷版の非画像部にインキが付着することにより「からみ汚れ(地汚れ)」が生じてしまう。一方、印刷版へのインキの供給量に対して湿し水の供給量が過剰となる場合には、印刷版の画像部に部分的なインキの転移不良が発生し、素抜けや濃度低下、乾燥不良といった、過剰な湿し水に伴う印刷不良の問題が発生する。オフセット印刷では、ある程度湿し水の供給量を絞ってもからみ汚れが生じないことと、湿し水の供給量が多くても素抜け等が生じないことの両方が求められる。
オフセット印刷における湿し水の供給量は、一般的には経験豊かなオペレータが印刷物を目視にて確認し、経験的に決定している。湿し水の供給量の制御方法として、従来から、版面や湿し水ローラの表面での湿し水の水膜の厚さを計測してこれを一定に保持する制御技術が用いられている。しかしながら、このような方法では、経験の浅いオペレータでは湿し水の供給量を適切に調整することができないという問題があった。また、特許文献1には、印刷紙面の一部に配置された2種類の湿し水管理パッチの濃度を比較し、この2種類のパッチの濃度が同一となるように湿し水の供給量を調整する方法が記載されている。しかしながら、特許文献1に開示される方法では、からみ汚れや素抜けといった印刷不良が発生した場合でも、2種類のパッチの濃度が同一になってしまうという問題がある。
特許第4785494号
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、経験の浅いオペレータでも目視にて湿し水の供給量の適否を判定することができる診断版および湿し水供給量調整方法を提供することを目的とする。
本発明の診断版は、印刷機における湿し水の供給量の適否を判断するための診断版であって、面積率が70%以上の万線からなる第1の検出パッチおよび面積率が30%以下の万線からなる第2の検出パッチを形成する診断パッチと、面積率が互いに異なる網点からなる複数の絵柄と、を備えている。
このような診断版によれば、湿し水の供給量が少ない場合および多い場合の両方において、第1の検出パッチ、第2の検出パッチおよび複数の絵柄の組み合わせによって、目視によりからみ汚れおよび素抜けをそれぞれ容易に発見できるようになるため、経験の浅いオペレータでも目視にて湿し水の供給量の適否を判定することができる。
このような診断版においては、面積率が0%である非絵柄領域を更に備えていてもよい。
また、前記複数の絵柄のうち、面積率が最も大きな絵柄は、面積率が70%以上の網点からなっていてもよい。
また、前記複数の絵柄のうち、面積率が最も小さな絵柄は、面積率が30%以下の網点からなっていてもよい。
また、前記診断パッチにより形成される前記第1の検出パッチは、面積率が80%以上の万線からなっていてもよい。
この際に、前記診断パッチにより形成される前記第1の検出パッチは、面積率が90%以上の万線からなっていてもよい。
また、前記診断パッチにより形成される前記第2の検出パッチは、面積率が20%以下の万線からなっていてもよい。
この際に、前記診断パッチにより形成される前記第2の検出パッチは、面積率が10%以下の万線からなっていてもよい。
また、前記診断パッチは、網点からなる第3の検出パッチも形成するようになっていてもよい。
本発明の他の診断版は、印刷機における湿し水の供給量の適否を判断するための診断版であって、面積率が互いに異なる網点からなる複数の絵柄を備えている。
このような診断版によれば、湿し水の供給量が少ない場合および多い場合の両方において、面積率が互いに異なる網点からなる複数の絵柄によって、目視によりからみ汚れおよび素抜けをそれぞれ容易に発見できるようになるため、経験の浅いオペレータでも目視にて湿し水の供給量の適否を判定することができる。
このような診断版においては、面積率が0%である非絵柄領域を更に備えていてもよい。
また、前記複数の絵柄のうち、面積率が最も大きな絵柄は、面積率が70%以上の網点からなっていてもよい。
また、前記複数の絵柄のうち、面積率が最も小さな絵柄は、面積率が30%以下の網点からなっていてもよい。
本発明の湿し水供給量調整方法は、上述のような診断版を用いて印刷機における湿し水の供給量の適正な範囲を求める湿し水供給量調整方法であって、印刷機における湿し水の供給量を段階的に変化させる工程と、複数の絵柄のうちいずれか一つの絵柄にからみ汚れが発生するような湿し水の供給量の下限値を求める工程と、複数の絵柄のうちいずれか一つの絵柄に素抜けが発生するような湿し水の供給量の上限値を求める工程と、を備えている。
このような湿し水供給量調整方法によれば、印刷機の版胴に貼り付けられる実際の印刷版の絵柄の面積率に応じて、湿し水の供給量の適正な範囲を求めることができるようになる。
本発明の更に他の診断版は、印刷機における湿し水の供給量の適否を判断するための診断版であって、面積率が70%以上の万線からなる第1の検出パッチおよび面積率が30%以下の万線からなる第2の検出パッチを形成する診断パッチを備えている。
このような診断版によれば、湿し水の供給量が少ない場合および多い場合の両方において、第1の検出パッチおよび第2の検出パッチの組み合わせによって、目視によりからみ汚れおよび素抜けをそれぞれ容易に発見できるようになるため、経験の浅いオペレータでも目視にて湿し水の供給量の適否を判定することができる。
このような診断版においては、前記診断パッチにより形成される前記第1の検出パッチは、面積率が80%以上の万線からなっていてもよい。
この際に、前記診断パッチにより形成される前記第1の検出パッチは、面積率が90%以上の万線からなっていてもよい。
また、前記診断パッチにより形成される前記第2の検出パッチは、面積率が20%以下の万線からなっていてもよい。
この際に、前記診断パッチにより形成される前記第2の検出パッチは、面積率が10%以下の万線からなっていてもよい。
また、前記診断パッチは、網点からなる第3の検出パッチも形成するようになっていてもよい。
本発明の診断版および湿し水供給量調整方法によれば、経験の浅いオペレータでも目視にて湿し水の供給量の適否を判定することができる。
本発明の実施の形態に係る枚葉印刷機の概略の構成を示す構成図である。 (a)(b)は、それぞれ、図1に示す枚葉印刷機で用いられる、湿し水の供給量の適否を判断するための診断版の構成図である。 図2に示す診断版における診断パッチの構成の詳細を示す図である。 湿し水の供給量を変化させた場合の、図3に示す診断パッチにより形成される各検出パッチの状態を示す説明図である。 湿し水の供給量を変化させた場合の、図2に示す診断版により形成される各絵柄の状態を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図5は、本実施の形態に係る枚葉印刷機やこの枚葉印刷機で用いられる診断版の構成等を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態に係る枚葉印刷機の概略の構成を示す構成図である。また、図2は、図1に示す枚葉印刷機で用いられる、湿し水の供給量の適否を判断するための診断版の構成図であり、図3は、図2に示す診断版における診断パッチの構成の詳細を示す図である。また、図4は、湿し水の供給量を変化させた場合の、図3に示す診断パッチによる各検出パッチの状態を示す説明図であり、図5は、湿し水の供給量を変化させた場合の、図2に示す診断版による各絵柄の状態を示す説明図である。
まず、本実施の形態に係る枚葉印刷機の構成について図1を用いて説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る枚葉印刷機は、給紙部(フィーダ部)40、印刷ユニット部50、および排紙部(デリバリ部)60から構成されている。このような枚葉印刷機では、給紙部40から印刷ユニット部50に用紙が供給され、印刷ユニット部50で用紙に印刷を行い、印刷ユニット部50により印刷された用紙は排紙部60に搬送され、当該排紙部60に積み上げられるようになっている。
給紙部40ではフィーダーパイルボード(集積部)42に用紙が積層状態で集積されるようになっており、このフィーダーパイルボード42からフィーダーボード44に用紙が送られるようになっている。また、給紙部40にはサッカー部46が設けられており、このサッカー部46により用紙が1枚ずつ分離されるようになっている。
印刷ユニット部50には、インキつぼ51aが設けられたインキング部51、湿し水(ダンプニング)部52、版胴53、ブラケット胴54、圧胴55、紙渡し胴56等が設けられている。また、印刷ユニット部50には、ブラケット胴54の洗浄を自動的に行うブラケット自動洗浄装置57や、圧胴55の洗浄を自動的に行う圧胴自動洗浄装置58が設けられている。このような印刷ユニット部50では、インキング部51から供給されるインキおよび湿し水部52から供給される湿し水が混和されて版胴53に供給される。そして、版胴53からブラケット胴54にインキが転移され、さらにブラケット胴54と圧胴55との間に送られた用紙にインキが転移されることにより、印刷ユニット部50における印刷が行われる。
排紙部60には、排紙胴61、用紙を爪でくわえて搬送するデリバリチェーン62、デリバリチェーン62により搬送された用紙が積層状態で集積されるデリバリパイルボード63、パウダスプレー装置64等が設けられている。デリバリパイルボード63には紙降ろしファン65や紙揃え板(ジョガ)66が設けられている。また、排紙部60には排紙部操作盤67が設けられている。
次に、このような枚葉印刷機における湿し水の供給量の適否を判断する方法について以下に説明する。本実施の形態では、湿し水の供給量の適否を判断するにあたり、図2に示すような診断版10a、10bを版胴53に貼り付け、インキング部51から供給されるインキおよび湿し水部52から供給される湿し水を混和して版胴53に貼り付けられた診断版10a、10bに供給する。その後、版胴53からブラケット胴54にインキが転移され、さらにブラケット胴54と圧胴55との間に送られた用紙(テスト氏)にインキが転移され、この用紙に転移されたインキの状態によって、湿し水の供給量の適否を判断する。
図2(a)に示すように、ある診断版10aには、上下一対の診断パッチ20と、これらの診断パッチ20の間に設けられた複数の種類の絵柄30とがそれぞれ設けられている。なお、図2(a)における上下方向は版胴53の回転方向となっている。複数の種類の絵柄30は、咥え(および/または咥え尻)の幅方向(図2(a)における左右方向)に沿って、面積率が50%の平網の網点からなる第1の絵柄30a、および面積率が80%の平網の網点からなる第2の絵柄30bが並列に構成されたものからなる。また、診断版10aには、面積率が0%である非絵柄領域30cも第1の絵柄30aや第2の絵柄30bと並列に設けられている。
診断版の他の態様について図2(b)を用いて説明する。他の態様に係る診断版10bには、上下一対の診断パッチ20と、これらの診断パッチ20の間に設けられた複数の種類の絵柄32とがそれぞれ設けられている。なお、図2(b)における上下方向は版胴53の回転方向となっている。複数の種類の絵柄32は、咥え(および/または咥え尻)の幅方向(図2(b)における左右方向)に沿って、面積率が10%の平網の網点からなる第1の絵柄32a、面積率が20%の平網の網点からなる第2の絵柄32b、面積率が40%の平網の網点からなる第3の絵柄32c、面積率が60%の平網の網点からなる第4の絵柄32d、および面積率が80%の平網の網点からなる第5の絵柄32eが並列に構成されたものからなる。なお、診断版10bには、面積率が0%である非絵柄領域は設けられていない。
なお、本実施の形態で用いられる診断版としては、複数の絵柄のうち、面積率が最も大きな絵柄は、面積率が70%以上の網点からなり、また、面積率が最も小さな絵柄は、面積率が30%以下の網点からなることが好ましい。なお、面積率が30%以下の網点からなる絵柄の代わりに、面積率が0%である非絵柄領域が診断版に設けられていてもよい。
次に、図2(a)に示す診断版10aや図2(b)に示す診断版10bにおける診断パッチ20の構成の詳細について図3を用いて説明する。図3に示すように、診断パッチ20は、面積率が比較的大きい万線からなる第1の検出パッチ(抜き線のパッチともいう)22と、面積率が比較的小さい万線からなる第2の検出パッチ(罫線のパッチともいう)24と、網点からなる第3の検出パッチ(平網(シャドウ)のパッチともいう)26とを形成するようになっている。なお、図3では、第1の検出パッチ22、第2の検出パッチ24および第3のパッチ26はそれぞれ1つずつしか示されていないが、実際には、図3に示すような各パッチ22、24、26を組み合わせたものが図2における横方向に連続的に複数形成されるようになる。診断パッチ20により形成される第1の検出パッチ22は、面積率が70%以上の万線からなることが好ましく、面積率が80%以上の万線からなることがより好ましく、面積率が90%以上の万線からなることが更に好ましい。また、診断パッチ20により形成される第2の検出パッチ24は、面積率が30%以下の万線からなることが好ましく、面積率が20%以下の万線からなることがより好ましく、面積率が10%以下の万線からなることが更に好ましい。
次に、湿し水の供給量を変化させた場合の、図3に示す診断パッチ20により形成される各検出パッチ22、24、26の状態について図4を用いて説明する。図4に示すように、診断版10a、10bへのインキの供給量に対して湿し水の供給量が不足する場合には、診断版10a、10bの非画像部にインキが付着することにより「からみ汚れ(地汚れ)」が発生する。図4に示すように、第1の検出パッチ22および第2の検出パッチ24のうち第2の検出パッチ24の方が万線の面積率が低いため、目視によりこれらの検出パッチ22、24を確認した際に第2の検出パッチ24に係るからみ汚れの方が発見しやすくなる。
一方、診断版10a、10bへのインキの供給量に対して湿し水の供給量が過剰となる場合には、診断版10a、10bの画像部に部分的なインキの転移不良が発生し、素抜けが発生する。図4に示すように、第1の検出パッチ22および第2の検出パッチ24のうち第1の検出パッチ22の方が万線の面積率が高いため、目視によりこれらの検出パッチ22、24を確認した際に第1の検出パッチ22に係る素抜けの方が発見しやすくなる。
このように、診断パッチ20が、面積率が比較的大きい万線からなる第1の検出パッチ(抜き線のパッチ)22、および面積率が比較的小さい万線からなる第2の検出パッチ(罫線のパッチ)24の両方を形成することにより、湿し水の供給量が少ない場合および多い場合の両方において、目視によりからみ汚れおよび素抜けをそれぞれ容易に発見できるようになる。なお、当然のことながら、診断版10a、10bへのインキの供給量に対して湿し水の供給量が少ない場合や多い場合には、各種の絵柄30、32でもからみ汚れや素抜けが発生することとなる。
次に、図2に示す診断版10a、10bを用いて、湿し水の供給量の適正な範囲を求める湿し水供給量の調整方法について以下に説明する。図5は、湿し水の供給量を変化させた場合の、図2に示す各診断版10a、10bにより形成される各絵柄の状態を示す説明図である。
湿し水の供給量の適正な範囲を求めるにあたり、湿し水の供給量を段階的に変化させる。図5(a)は、図2(a)に示す診断版10aを用いて湿し水の供給量の適正な範囲を求める場合について説明しているが、この場合には、湿し水の供給量を、基準値から−5%、−3%、±0%、+8%、+10%にそれぞれ変化させている。ここで、湿し水の供給量が少ない場合(具体的には、基準値から−5%以下である場合)には、診断版10aの第1の絵柄30a(面積率が50%の平網の網点)に対応する絵柄においてからみ汚れが発生したことが目視にて確認される。一方、湿し水の供給量が多い場合(具体的には、基準値から+8%以上である場合)には、面積率が0%である非絵柄領域30cに対応する絵柄において素抜けが発生したことが目視にて確認される。このような結果により、湿し水の供給量の適正な範囲としては、基準値から−3%が下限値であり、基準値が上限値であることがわかる。
一方、図5(b)は、図2(b)に示す診断版10bを用いて湿し水の供給量の適正な範囲を求める場合について説明しているが、この場合には、湿し水の供給量を、基準値から−6%、−4%、−2%、±0%、+2%、+4%、+6%にそれぞれ変化させている。ここで、版胴53に貼り付けられる実際の印刷版の絵柄の面積率が10〜40%の範囲内となっている場合には、湿し水の供給量が基準値から−4%以下であるときに、診断版10bの第2の絵柄32b(面積率が20%の平網の網点)に対応する絵柄、および第3の絵柄32c(面積率が40%の平網の網点)に対応する絵柄においてからみ汚れが発生したことが目視にて確認される。また、この場合には、湿し水の供給量が基準値+2%以上であるときに、診断版10bの第1の絵柄32a(面積率が10%の平網の網点)に対応する絵柄において素抜けが発生したことが目視にて確認される。このような結果により、版胴53に貼り付けられる実際の印刷版の絵柄の面積率が10〜40%の範囲内となっている場合には、湿し水の供給量の適正な範囲としては、基準値から−2%が下限値であり、基準値が上限値であることがわかる。
一方、版胴53に貼り付けられる実際の印刷版の絵柄の面積率が10〜80%の範囲内となっている場合には、湿し水の供給量が基準値から−2%以下であるときに、診断版10bの第4の絵柄32d(面積率が60%の平網の網点)に対応する絵柄、および第5の絵柄32e(面積率が80%の平網の網点)に対応する絵柄においてからみ汚れが発生したことが目視にて確認される。また、この場合には、湿し水の供給量が基準値+2%以上であるときに、診断版10bの第1の絵柄32a(面積率が10%の平網の網点)に対応する絵柄において素抜けが発生したことが目視にて確認される。このような結果により、版胴53に貼り付けられる実際の印刷版の絵柄の面積率が10〜80%の範囲内となっている場合には、湿し水の供給量の適正な値は基準値であることがわかる。
このように、図2(b)に示すような診断版10bを用いた場合には、版胴53に貼り付けられる実際の印刷版の絵柄の面積率に応じて、湿し水の供給量の適正な範囲を求めることができるようになる。
以上のように本実施の形態の診断版10a、10bによれば、面積率が70%以上の万線からなる第1の検出パッチ22および面積率が30%以下の万線からなる第2の検出パッチ24を形成する診断パッチ20と、面積率が互いに異なる網点からなる複数の絵柄30と、を備えている。このことにより、湿し水の供給量が少ない場合および多い場合の両方において、第1の検出パッチ22、第2の検出パッチ24および複数の絵柄30の組み合わせによって、目視によりからみ汚れおよび素抜けをそれぞれ容易に発見できるようになるため、経験の浅いオペレータでも目視にて湿し水の供給量の適否を判定することができる。
また、本実施の形態の診断版10aにおいては、面積率が0%である非絵柄領域30cが設けられている。また、本実施の形態の診断版10a、10bにおいては、複数の絵柄30、32のうち、面積率が最も大きな絵柄30b、32eは、面積率が70%以上の網点からなる。また、本実施の形態の診断版10bにおいては、複数の絵柄32のうち、面積率が最も小さな絵柄32aは、面積率が30%以下の網点からなる。
また、本実施の形態の診断版10a、10bにおいては、前述したように、診断パッチ20により形成される第1の検出パッチ22は、面積率が80%以上の万線からなることが好ましく、面積率が90%以上の万線からなることが更に好ましい。また、診断パッチ20により形成される第2の検出パッチ24は、面積率が20%以下の万線からなることが好ましく、面積率が10%以下の万線からなることが更に好ましい。また、本実施の形態の診断版10a、10bにおいては、診断パッチ20は、網点からなる第3の検出パッチ26も形成するようになっていてもよい。
また、本実施の形態の湿し水供給量調整方法は、図5(a)(b)に示すように枚葉印刷機における湿し水の供給量を段階的に変化させる工程と、複数の絵柄のうちいずれか一つの絵柄にからみ汚れが発生するような湿し水の供給量の下限値を求める工程と、複数の絵柄のうちいずれか一つの絵柄に素抜けが発生するような湿し水の供給量の上限値を求める工程と、を備えている。このことにより、版胴53に貼り付けられる実際の印刷版の絵柄の面積率に応じて、湿し水の供給量の適正な範囲を求めることができるようになる。
なお、本発明における診断版および湿し水供給量調整方法は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
例えば、診断版において複数の種類の絵柄30が設けられておらず、面積率が70%以上の万線からなる第1の検出パッチ22および面積率が30%以下の万線からなる第2の検出パッチ24を形成する診断パッチ20のみが診断版に設けられるようになっていてもよい。なお、診断パッチ20は第3の検出パッチ26を形成することは必須ではなく、第3の検出パッチ26を形成しないような診断パッチ20を用いてもよい。
また、他の変形例としては、診断版において診断パッチ20が設けられておらず複数の種類の絵柄30のみが診断版に設けられるようになっていてもよい。この場合でも、枚葉印刷機における湿し水の供給量を段階的に変化させ、複数の絵柄のうちいずれか一つの絵柄にからみ汚れが発生するような湿し水の供給量の下限値を求めるとともに、複数の絵柄のうちいずれか一つの絵柄に素抜けが発生するような湿し水の供給量の上限値を求めることにより、版胴53に貼り付けられる実際の印刷版の絵柄の面積率に応じて、湿し水の供給量の適正な範囲を求めることができるようになる。
10a、10b 診断版
20 診断パッチ
22 第1の検出パッチ
24 第2の検出パッチ
26 第3の検出パッチ
30 複数の種類の絵柄
30a〜30c 第1〜第3の絵柄
32 複数の種類の絵柄
32a〜32e 第1〜第5の絵柄
40 給紙部
42 フィーダーパイルボード
44 フィーダーボード
46 サッカー部
50 印刷ユニット部
51a インキつぼ
51 インキング部
52 湿し水部
53 版胴
54 ブラケット胴
55 圧胴
56 紙渡し胴
57 ブラケット自動洗浄装置
58 圧胴自動洗浄装置
60 排紙部
61 排紙胴
62 デリバリチェーン
63 デリバリパイルボード
64 パウダスプレー装置
65 紙降ろしファン
66 紙揃え板
67 排紙部操作盤

Claims (20)

  1. 印刷機における湿し水の供給量の適否を判断するための診断版であって、
    面積率が70%以上の万線からなる第1の検出パッチおよび面積率が30%以下の万線からなる第2の検出パッチを形成する診断パッチと、
    面積率が互いに異なる網点からなる複数の絵柄と、
    を備えた、診断版。
  2. 面積率が0%である非絵柄領域を更に備えた、請求項1記載の診断版。
  3. 前記複数の絵柄のうち、面積率が最も大きな絵柄は、面積率が70%以上の網点からなる、請求項1または2記載の診断版。
  4. 前記複数の絵柄のうち、面積率が最も小さな絵柄は、面積率が30%以下の網点からなる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の診断版。
  5. 前記診断パッチにより形成される前記第1の検出パッチは、面積率が80%以上の万線からなる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の診断版。
  6. 前記診断パッチにより形成される前記第1の検出パッチは、面積率が90%以上の万線からなる、請求項5記載の診断版。
  7. 前記診断パッチにより形成される前記第2の検出パッチは、面積率が20%以下の万線からなる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の診断版。
  8. 前記診断パッチにより形成される前記第2の検出パッチは、面積率が10%以下の万線からなる、請求項7記載の診断版。
  9. 前記診断パッチは、網点からなる第3の検出パッチも形成するようになっている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の診断版。
  10. 印刷機における湿し水の供給量の適否を判断するための診断版であって、
    面積率が互いに異なる網点からなる複数の絵柄を備えた、診断版。
  11. 面積率が0%である非絵柄領域を更に備えた、請求項10記載の診断版。
  12. 前記複数の絵柄のうち、面積率が最も大きな絵柄は、面積率が70%以上の網点からなる、請求項10または11記載の診断版。
  13. 前記複数の絵柄のうち、面積率が最も小さな絵柄は、面積率が30%以下の網点からなる、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の診断版。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の診断版を用いて印刷機における湿し水の供給量の適正な範囲を求める湿し水供給量調整方法であって、
    印刷機における湿し水の供給量を段階的に変化させる工程と、
    複数の絵柄のうちいずれか一つの絵柄にからみ汚れが発生するような湿し水の供給量の下限値を求める工程と、
    複数の絵柄のうちいずれか一つの絵柄に素抜けが発生するような湿し水の供給量の上限値を求める工程と、
    を備えた、湿し水供給量調整方法。
  15. 印刷機における湿し水の供給量の適否を判断するための診断版であって、
    面積率が70%以上の万線からなる第1の検出パッチおよび面積率が30%以下の万線からなる第2の検出パッチを形成する診断パッチを備えた、診断版。
  16. 前記診断パッチにより形成される前記第1の検出パッチは、面積率が80%以上の万線からなる、請求項15記載の診断版。
  17. 前記診断パッチにより形成される前記第1の検出パッチは、面積率が90%以上の万線からなる、請求項16記載の診断版。
  18. 前記診断パッチにより形成される前記第2の検出パッチは、面積率が20%以下の万線からなる、請求項15乃至17のいずれか一項に記載の診断版。
  19. 前記診断パッチにより形成される前記第2の検出パッチは、面積率が10%以下の万線からなる、請求項18記載の診断版。
  20. 前記診断パッチは、網点からなる第3の検出パッチも形成するようになっている、請求項15乃至19のいずれか一項に記載の診断版。
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