JP2004255626A - グラビア印刷方法及びグラビア印刷制御装置並びにグラビア印刷機 - Google Patents

グラビア印刷方法及びグラビア印刷制御装置並びにグラビア印刷機 Download PDF

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Tatsuo Ito
竜男 伊藤
Kazuo Matsunaga
和夫 松永
Masao Mogi
雅男 茂木
Toshihiro Ito
智弘 伊藤
Hideo Abe
秀夫 阿部
Dainosuke Watanabe
大之輔 渡辺
Shigeko Kojima
茂子 小嶋
Hironobu Oku
浩伸 奥
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Abstract

【課題】本発明の目的はインキの転移量を一定にし、従来では得られなかった要求品質のグラビア印刷物が得られるグラビア印刷方法及びグラビア印刷制御装置並びにグラビア印刷機を提供する。
【解決手段】グラビア印刷において、印刷された網点の形状と網点の中抜け点が一定の形状の範囲に入る印刷条件で印刷する事を特徴としたグラビア印刷方法及びグラビア印刷制御装置並びにグラビア印刷機を提供する。この場合インライン制御を行うものでもバッチで行うものでもかまわない。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、版を彫刻してセルを設け、セル内にグラビアインキを詰めた上でドクターで掻き取り、セル内に残ったインキを転写する工程で印刷を行うグラビア印刷方法、グラビア印刷制御装置、およびグラビア印刷機に関する。
【0002】
【従来の技術】
グラビア印刷は銅の板またはシリンダーに腐食や機械的彫刻を施し、耐刷性を上げるためにクロムめっきを付けたものを作製してグラビアとする。そしてそのグラビアにインキを充填し、ドクターと言う薄い刃で表面のインキを掻き取った後、被転写物に接触させ、版の凹部に入ったインキを転写するのが基本的な工程である。
【0003】
グラビア印刷の特徴としてはオフセット印刷に比べ、版の体積が大きい事から、被転写物に転写するインキ量も多くできる事で、より深みのある印刷が可能となる。また、このインキ量を版の深さを変える事でコントロールできるため、全面に均一な塗工を行いたい時にも用いる事ができる。
【0004】
その反面、オフセット印刷に比べて淡い調子の印刷で再現性が劣る事が言われている。その原因は、ひとつには版の作製法でのばらつきがある。例えばコンベンショナルグラビア法、網グラビア法などの腐食で版を作製する場合、サイドエッチのコントロール、目標深度のコントロールがオフセットほどきちんと制御できないという問題がある。また機械的彫刻法で版を作製する場合も彫刻に用いるダイヤモンド針の摩耗による形状変化がばらつきとして生じる事が問題となっている。
【0005】
またひとつには、印刷の条件が一定でないため、常に同じ印刷条件を設定する事が難しいことがある。この印刷条件のばらつきの原因には、前述した版のばらつきもある。そしてその他にもドクターブレードの摩耗による接触状態の変化、印刷インキの流動性や濃度を一定にする事が困難である事が理由として挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようなばらつきに対して印刷機での対応を考えると最も簡単で効果があると思われるのは濃度測定による制御方法が考えられる。例えば特許文献1のように、基準印刷物の所定の点の色と被検査印刷物の該所定の点の色とを測定する測定手段と、前記測定手段により測定された基準印刷物の色と被検査印刷物の色との差に応じて各印刷物の品質を判定する判断手段と、前記測定手段により得られたデ−タから各色の塗液(インキ)濃度や塗液(インキ)粘度の変動を検出する塗液変動検出手段と、前記測定手段により複数の所定の測定点から得られるデータから印刷物面内の部分的な濃度や色の変動を検出する色変動検出手段と、前記測定手段により基準印刷物の色に対し、印刷物全体の色の差と色の変動方向を判定する変動方向判定手段と、前記判定手段の判定結果を印刷物のロツト毎に集計する集計手段とを具備することを特徴とする印刷物品質管理装置を用いて色を制御する方法がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−315436号公報
【0008】
このほかにもこういった方式が数多く出願されているが、この方法では最も必要な淡い濃度での色変動については紙の色との差があまり無いために制御が難しいと言う欠点がある。それにグラビア印刷ではインキを溶剤で薄める事で濃度が薄くなる部分と濃くなる部分が生じ、これは網点同士が接する大きさの時に大きく変動するため、オフセットのように一時的にインキを薄める事ができない。また、オフセット印刷であれば版の網点と印刷物の網点がほぼ対応した形状と大きさになるのに対して、グラビア印刷では版と印刷物の網点の形状や大きさがあまりに違うため、濃度だけで制御する事は非常に困難であった。
【0009】
また、特許文献2のように、画線部を形成するセルの集合体が版面に形成されてなるグラビア印刷版から印刷されてなり、全濃度階調の少なくとも一部の濃度階調領域、或いは画面の少なくとも一部の区画領域において、個々のセルからインキが転移されて形成する網点パターンの着肉部輪郭線の内側に非着肉部が形成されていることを特徴とするグラビア印刷物というものがあり、本発明と同様の網点を形成することで、刷色変動の少ないグラビア印刷物を実現している。しかし、それを実現する版としては、セル内部に凸状部を形成する事から製版方法が限定され、彫刻法によるグラビア印刷には対応できなかった。
【0010】
【特許文献2】
特開平10−157273号公報
【0011】
従来のa〜eの印刷例の網点拡大図を順に図4〜8に示した。a,bはインキ粘度がザーンカップの3番で測定して12.5秒のものであり、c,d,eは同11.7秒のものである。ただしこれらはその時々の現場の測定値であって、その時々の現場の状況、つまりザーンカップの管理状態、インキの温度、測定者の個人差によってばらつきがある事を前提とする。表5にそれらの印刷物の肉眼での評価を示した。a,bはトーンが固く立ちすぎていて、モアレが強くでている。c,dはトーンが滑らかでモアレも目立たない。eは画線の輪郭が崩れ、トーンが立っていないと言う評価となった。
【0012】
【表1】
Figure 2004255626
【0013】
これらの事例からザーンカップの測定条件をきちんと制御する事が必要だと分かり、ザーンカップ粘度を一定にする事で、現在ではc,dクラスの印刷物を製造している。しかし、最近の品質レベルの向上に伴い、このc,dレベルを更に細かく制御し、安定化させる必要が出てくるようになった。また上のc,d,eが同じ粘度である事から分かるように、粘度測定で実際の網点を制御する事は難しく、個点パターンの着肉部輪郭線の内側に非着肉部となる中抜け点が存在するだけでは不十分であり、中抜け点の発生状況をより細かく管理する必要があることを見出し、本発明をするに至ったものである。
【0014】
そこで、本発明の目的はインキの転移量を一定にし、従来では得られなかった要求品質のグラビア印刷物が得られるグラビア印刷方法およびグラビア印刷制御装置およびグラビア印刷機を提供する事にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち本発明の請求項1に係る発明においては、グラビア印刷において、印刷された網点の形状と網点の中抜け点が一定の形状の範囲に入る印刷条件で印刷する事を特徴としたグラビア印刷方法からなる。
【0016】
本発明によれば網点と、網点内部のインキが載らない部分である中抜け点をいつも一定の形状に管理する事で、これまで得られなかったレベルでの制御ができるようになり、印刷品質の安定および向上をもたらすグラビア印刷方法が提供される。
【0017】
なお、この場合の印刷条件とは、網点に影響を与える各条件のことであり、一般的にはドクター圧、印刷スピード、インキ粘度などの印刷機の操作者がOKシートと呼ばれる製品として出荷できる水準の印刷品質に印刷物がなるまでに操作、調整する項目のことであり、直接的に影響が大きいインキ粘度が、特に調整する条件として好ましい。
【0018】
この様な品質制御に用いられる網点は、中抜け点のある網点であるので、一般に実際の印刷面に用いたのでは品質低下を招き易いので、断裁領域に用いるのが一般的であるが、断裁領域以外にも製本上隠される背の部分などに当たる部分にこの網点を設けるものでも良く、印刷物の種類によってはこの様な網点による印刷物でも品質要求を満たす場合は、実際の印刷面に設けた網点でも構わない。
【0019】
また本発明の請求項2に係るグラビア印刷方法は、グラビア印刷の印刷工程で、a)製本時に断裁される領域に一定面積のセルを複数個設けたグラビア版を用意する工程と、b)前記の版を用いて印刷された印刷物の前記セルによる網点を撮像する工程と、c)撮像した画像から、前記網点の形状を抽出し、網点の外郭内の面積、中抜け点の面積を計測し、数値化する工程と、d)網点の外郭内の面積を規定面積以上、中抜け点の面積を規定面積以下の条件に印刷条件を制御する工程と、を有することを特徴とするグラビア印刷方法である。
【0020】
網点の面積の規定は網点同士が接触しない領域であることを基準とするが、通常用いられている175線/インチであれば15000平方ミクロン以下で、500平方ミクロン以上の任意の面積を定義することで行われる。また中抜け点の大きさは輪郭の面積を越えない事が当然であるが、その面積比がおおむね30%を越えるものは図4−eのように着肉が不安定になるため計測には適さない。なお、セルを複数個彫刻するのは、被印刷体である紙の不均一性を取り除くためである。
【0021】
これによって印刷物の網点の外郭と網点内に存在する非着肉部をいつも一定の形状に管理する事で、これまで得られなかったレベルでの制御ができるようになり、印刷品質の安定および向上をもたらすグラビア印刷方法が提供される。
【0022】
また、セルが一定面積である理由は、一定面積であれば両規定面積も一定となり、制御が容易になるからである。従って、このセルの一定面積を変える必要があるとき、例えば、彫刻法で彫刻線数を変える必要があり、モニターセルの線数も変える必要が生じた場合、それに応じて両規定面積を変更すれば良いのである。逆に規定面積を変える必要があるときはそれに応じて一定面積を変更すれば良いのである。
【0023】
また、この様な制御はグラビア印刷の印刷工程中で、OKシートが出るまで使用されるものでも良いが、一般に連続印刷中でも印刷条件が少しずつ変化することもあるので、実印刷中に、オンラインに制御するものでも良いことは当然である。
【0024】
さらに、制御の対象となる印刷条件とは、ドクター圧、印刷速度、インキ粘度、その他のグラビア印刷において印刷機操作者(オペレーター)が製品としての品質を具える印刷物(OKシート)が定常的に印刷されるまでに操作・調整するために用いられる各種の印刷条件のうち一つもしくは複数の条件である。
【0025】
なお、dの工程において、もし網点の条件を既に満たしている場合もあるが、この場合には印刷条件を放置する制御を行うものである。
【0026】
また本発明の請求項3に係るグラビア印刷方法は、請求項2記載のグラビア印刷方法において、d)網点の外郭内の面積を規定面積以上、中抜け点の面積を規定面積以下の条件に印刷条件を制御する工程が、網点の外郭内の面積を規定面積以上、中抜け点の面積を規定面積以下の条件に印刷インキの粘度を制御するものであることを特徴とするグラビア印刷方法からなる。
【0027】
本発明によれば印刷物の網点の外郭と網点内に存在する非着肉部をいつも一定の形状に管理する事で、これまで得られなかったレベルでの制御が容易にしかも即応できるようになり、印刷品質の安定および向上をもたらす印刷方法が提供される。
【0028】
また本発明の請求項4に係るグラビア印刷制御装置は、グラビア印刷制御装置において、f)製本時に断裁される領域に一定面積のセルを複数個設けた版を用いて印刷された印刷物の前記セルによる網点を撮像する手段と、g)撮像した画像から、前記網点の形状を抽出し、網点の外郭内の面積、中抜け点の面積を計測し、数値化する手段と、h)網点の外郭内の面積を規定面積以上、中抜け点の面積を規定面積以下の条件に印刷条件を制御する手段とを有することを特徴とするグラビア印刷制御装置からなる。
【0029】
これによって印刷物の網点の外郭と網点内に存在する非着肉部をいつも一定の形状に管理する事で、これまで得られなかったレベルでの制御ができるようになり、印刷品質の安定および向上をもたら制御方法が提供される。
【0030】
また本発明の請求項5に係るグラビア印刷制御装置は、請求項4記載のグラビア印刷制御装置において、d)網点の外郭内の面積を規定面積以上、中抜け点の面積を規定面積以下の条件に印刷条件を制御する手段が、網点の外郭内の面積を規定面積以上、中抜け点の面積を規定面積以下の条件に印刷インキの粘度を制御する手段であることを特徴とするグラビア印刷制御装置からなる。
【0031】
本発明によれば印刷物の網点の外郭と網点内に存在する非着肉部をいつも一定の形状に制御する事で、これまで得られなかったレベルでの制御が容易にしかも即応できるようになり、印刷品質の安定および向上をもたらす制御方法が提供される。
【0032】
また本発明の請求項6に係るグラビア印刷機は、製本時に断裁される領域に一定面積のセルを複数個設けた版を用いて印刷を行うグラビア印刷機において、請求項4または5記載の制御装置を具えたことを特徴とするグラビア印刷機からなる。
【0033】
本発明によれば印刷物の網点の外郭と網点内に存在する非着肉部をいつも一定の形状に制御する事で、これまで得られなかったレベルでの制御が容易にしかも即応できるようになり、安定した品質の印刷をもたらす印刷機が提供される。
【0034】
本発明によれば、これまで数値化できなかったグラビアの網点形状が定量的に制御できる事から、従来よりも印刷条件が一定になり、ひいては従来では得られなかった要求品質の印刷物が得られるグラビア印刷の印刷方法、グラビア印刷の制御装置、およびグラビア印刷を行う印刷機が提供される。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1に本発明のグラビア印刷の印刷方法における制御装置の一例の概要を示した。図1においてグラビア印刷機内のローラに誘導されてを通る紙1の模式図を示している。ここでは片面4色の印刷機を示しているが、請求の範囲はこの限りではない。2は画像撮影部であり、3は画像処理を行う演算部であり、4は印刷インキの粘度の変更を行う制御部である。2は印刷機に取り付けて印刷中に連続して計測する場合と、時々に印刷物を抜き取って計測する場合のどちらでも良いが、ここでは印刷中に計測する場合を図示している。
【0036】
ここでは、印刷物の網点撮像をインラインで行う構成としているが、この部分は。オンラインすなわち、印刷物を抜き取って別途撮像する構成としてもよい。
【0037】
グラビア印刷ではオフセット印刷に比べ軟らかいインキが用いられる。また、インキの粘度は、顔料、バインダー、溶剤の配合比率で変化する。粘度は通常ザーンカップと呼ばれる底に一定の大きさの穴が空いたカップにインキを入れ、下の穴からインキが全て流れ落ちるまでの時間を計測する事によって求められる。
【0038】
そして、ザーンカップの計測時間を元に溶剤の比率を変えて、インキの粘度を調整するのが一般的なグラビア印刷でのインキ調整法である。
【0039】
インキ粘度と印刷の関係は、個々の印刷機の持つ特性や、印刷回転数、静電アシスト装置の有無などでそれぞれ異なるが、ある一定の条件でライトからシャドウまでインキがきれいに印刷される粘度の領域を持っている。例えばインキの粘度が大きいとインキが印刷後、被転写物に広がらないため、網点が小さくなる傾向がある。また、インキの粘度が小さいと、逆にインキが被転写物で広がって、網点が大きくなる傾向がある。さらに粘度が小さくなると網点の形状が崩れ、いくつもの分割した点になることもある。
【0040】
そこで、これまでのグラビア印刷ではザーンカップの測定値を元に機械との相性を考えて、適正と思われる粘度設定を行ってきた。しかし、現状のザーンカップの測定値は印刷の品質を制御するには粗い事が分かってきた。
【0041】
そこで本発明では上に挙げたような網点の形状を元に粘度をコントロールするグラビア印刷方法、グラビア印刷制御装置、およびグラビア印刷機を発明したため、従来のザーンカップによる測定よりも細かい設定ができ、より安定した印刷を行う事ができるようになった。以下に本発明の内容について実施例を用いてさらに詳細に説明する。
【0042】
【実施例】
(印刷例1)
グラビアインキとしてニューLPスーパー16紅、レジューサ、SL303溶剤C(東洋インキ製造株式会社製)を下の表の割合で混合した。このときザーンカップ#3で粘度を測定したら12.0秒であった。
【0043】
【表2】
Figure 2004255626
【0044】
グラビア印刷を行った。印刷機、版は通常のグラビア印刷の条件をそのまま用いた。紙は上質コート紙(81g/平方m)を用いた。印刷条件を下の表に示した。
【0045】
【表3】
Figure 2004255626
【0046】
上に記したようにザーンカップの測定値は溶剤の投入量に正比例しない結果を得た。
【0047】
得られたサンプルの任意の網点を拡大したものを図2に示した。網点群の元になる版のセル形状はいずれも均一な紡錘形で、面積約2000平方ミクロンの均一なものが配列されている。図2の各網点を評価した結果を以下に示す。また、条件と網点の外郭内の面積の関係を図3に示す。
【0048】
【表4】
Figure 2004255626
【0049】
ここで、網点の外郭内の面積が増大するのが条件3と条件4の間で見られ、中抜け部の面積の増大が条件4と条件5の間で見られる事が分かる。この各条件での印刷品質をモアレ、印刷階調の再現性、色バランスなどから比較すると条件4で印刷するのが最も良いと言う結果となった。
【0050】
そこで、今回の印刷物では上の表の条件4に相当した印刷インキの配合で印刷を行うように設定した。従来ならザーンカップで粘度を測定し、調整を行うが、上の表にも見られる通り、この条件4は条件3と同じ測定値なので、これまでの印刷技術ではコントロールできなかったが、印刷物の網点の外郭と中抜け点の面積のみを制御により管理する事により、より細かい条件設定を行う事ができた。
【0051】
(印刷例2)
グラビアインキとして出版用グラビアインキOGTTのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各インキ、およびレジューサ、溶剤(東洋インキ製造株式会社製)をインキ60重量部、レジューサ15重量部、溶剤25重量部の割合で混合した。
【0052】
グラビア印刷を行った。印刷機の諸条件は通常通りで行った。グラビア印刷に用いる版の彫刻工程で製本時断裁される領域に約2000平方ミクロンの一定面積のセルを縦横15×15個彫刻した。このセルの大きさや個数は任意に設定可能である。紙は上質コート紙(81g/平方m)を用いた。
【0053】
印刷中前記一定面積のセルを図1の画像撮影部で撮影し、図1の画像処理部で網点の外郭内の面積を中抜け点の面積を計測した。ここでは一例としてシアン版の計測結果と溶剤投入指示の結果を示す。
【0054】
【表5】
Figure 2004255626
【0055】
【発明の効果】
網点の外郭内の面積と中抜け点の面積が一定値になるように管理する事でインキ粘度の制御ができる。そして印刷品質は目視での確認ではあるが良好なサンプルが最後まで得られた。他の色においても同様にこれまで得られなかった品質の印刷物が安定して得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグラビア印刷の印刷方法における制御装置の概要を示す斜視図である。
【図2】得られた各サンプルの任意の網点の拡大平面図である。
【図3】得られた各サンプルの条件と網点の外郭内の面積、および網点の中抜け点の面積の関係を示すグラフである。
【図4】従来の印刷例aの印刷物の網点の拡大平面図である。
【図5】従来の印刷例bの印刷物の網点の拡大平面図である。
【図6】従来の印刷例cの印刷物の網点の拡大平面図である。
【図7】従来の印刷例dの印刷物の網点の拡大平面図である。
【図8】従来の印刷例eの印刷物の網点の拡大平面図である。
【符号の説明】
1. 紙
2. 画像撮影部
3. 演算部
4. 制御部
5. ローラ

Claims (6)

  1. グラビア印刷において、印刷された網点の形状と網点の中抜け点が一定の形状の範囲に入る印刷条件で印刷する事を特徴としたグラビア印刷方法。
  2. グラビア印刷の印刷工程で、a)製本時に断裁される領域に一定面積のセルを複数個設けたグラビア版を用意する工程と、b)前記の版を用いて印刷された印刷物の前記セルによる網点を撮像する工程と、c)撮像した画像から、前記網点の形状を抽出し、網点の外郭内の面積、中抜け点の面積を計測し、数値化する工程と、d)網点の外郭内の面積を規定面積以上、中抜け点の面積を規定面積以下の条件に印刷条件を制御する工程と、を有することを特徴とするグラビア印刷方法。
  3. 請求項2記載のグラビア印刷方法において、d)網点の外郭内の面積を規定面積以上、中抜け点の面積を規定面積以下の条件に印刷条件を制御する工程が、網点の外郭内の面積を規定面積以上、中抜け点の面積を規定面積以下の条件に印刷インキの粘度を制御するものであることを特徴とするグラビア印刷方法。
  4. グラビア印刷制御装置において、f)製本時に断裁される領域に一定面積のセルを複数個設けた版を用いて印刷された印刷物の前記セルによる網点を撮像する手段と、g)撮像した画像から、前記網点の形状を抽出し、網点の外郭内の面積、中抜け点の面積を計測し、数値化する手段と、h)網点の外郭内の面積を規定面積以上、中抜け点の面積を規定面積以下の条件に印刷条件を制御する手段とを有することを特徴とするグラビア印刷制御装置。
  5. 請求項4記載のグラビア印刷制御装置において、d)網点の外郭内の面積を規定面積以上、中抜け点の面積を規定面積以下の条件に印刷条件を制御する手段が、網点の外郭内の面積を規定面積以上、中抜け点の面積を規定面積以下の条件に印刷インキの粘度を制御する手段であることを特徴とするグラビア印刷制御装置。
  6. 製本時に断裁される領域に一定面積のセルを複数個設けた版を用いて印刷を行うグラビア印刷機において、請求項4または5記載の制御装置を具えたことを特徴とするグラビア印刷機。
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