JP2013243021A - 二次電池用外装材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートシール性に優れ、剥離が起こりにくく、耐電解液特性に優れるので、各種電解液に好適に対応し、シート状で薄型のリチウムイオン二次電池の外装材として好適に使用し得る二次電池用外装材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム箔と、化成処理層と、樹脂層とを具備し、前記下地化成処理層がクロムを含まない化成処理剤にて処理された層であり、前記樹脂層がセルロース系樹脂、アクリル系樹脂およびメラミン系樹脂を含む樹脂層と、ポリオレフィン系フィルム層とを具備する二次電池用外装材。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の二次電池用の外装材に関し、ヒートシール性に優れ、剥離が起こりにくく、耐電解液特性に優れ、各種電解液に好適に対応し、シート状で薄型のリチウムイオン二次電池の外装材として好適に使用し得る二次電池用外装材及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池や携帯用蓄電池は、電池内容物として正極材、負極材と共に、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルなどの浸透力を有する非プロトン性の溶媒に、電解質(リチウム塩)を溶解した電解液、もしくは該電解液を含浸させたポリマーゲルを所定の形状の外装材に封入して製造されることが行われている。
外装材としては、従来から金属、特にアルミニウムをプレス加工して円筒状などに成形した金属製外装体が主に用いられているが、軽量で電池の形状を自由に選択できるという利点から、アルミニウム箔の表目にフィルムを形成した多層フィルムを袋状にした外装材も用いられるようになっている。
しかしながら、多層フィルムを袋状にした外装材は、アルミニウム箔とフィルム層間のラミネート強度が電解液の浸透で低下し、電解液が漏れ出すといった問題がある。また、電解質のリチウム塩にはLiPF、LiBFなどが用いられるが、これらの塩は水分との加水分解反応によりフッ酸を発生するので、金属面の腐食や多層フィルムの各層間のラミネート強度の低下を引き起こすことがある。さらに、多層フィルムをヒートシールによって貼り合わせた構造の外装材は、シーラントとなる熱融着性フィルム層のシール部端面から水分が進入する可能性があり、上記リチウム塩の加水分解が懸念されている。リチウムイオン二次電池は携帯型のモバイル用などの小型化の用途だけでなく、例えば自動車などの大型化の用途も進んでおり、特に自動車用途となると従来以上の性能向上が求められており、アルミニウム箔と多層フィルムとの層間密着強度を強め、耐電解液特性を持たせることが必要である。
これらの耐性を付与させる最も効果的な方法として、アルミニウム箔に化成処理を施す方法が知られており、化成処理の一例としてクロメート処理が挙げられる。例えば、特許文献1には、塗布型クロメート処理や、浸漬法によるクロメート処理など、多くのクロメート処理が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のようなクロメート処理において、6価クロムを主成分として用いる材料は環境有害物質として指定されており、環境面的に好ましくない。そのため3価クロムが用いられるようになってきたが、6価クロムと同等の耐性が得られにくい上、また、クロムを用いている以上、環境面的に好ましくないといった課題も解消できていない。
特開2002−144479号公報
本発明は上記事情を考慮したものであり、環境に負荷を与えることなく、かつ、アルミニウム箔とフィルムからなる多層積層部の密着性および耐電解液特性に優れた二次電池用外装材およびその製造方法を提供する。具体的には、リチウムイオン二次電池等の二次電池用の外装材に関し、ヒートシール性に優れ、剥離が起こりにくく、耐電解液特性に優れ、各種電解液に好適に対応し、シート状で薄型のリチウムイオン二次電池の外装材として好適に使用し得る二次電池用外装材及びその製造方法を提供する。
本発明者は、上記事情に鑑み鋭意検討を行った結果、外装材の下地処理として、ノンクロム系化成処理を採用することで環境に負荷を与えない処理方法を採用すべく、クロメート処理に比して劣るノンクロム系化成処理の耐食性を改善した外装材について更に検討を進めた。その結果、ノンクロム系の化成処理層全体を特殊な樹脂層でカバーし、更にこの樹脂層の上にポリオレフィン系フィルムによる層を形成することで、フッ化水素の発生を低減し、ポリオレフィン系フィルム層との密着性を飛躍的に向上させることができる上、耐電解液特性に優れ、成形加工時の密着性に優れた電池外装材およびその製造方法が提供できることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明の請求項1は、アルミニウム箔と、化成処理層と、樹脂層とを具備し、前記下地化成処理層がクロムを含まない化成処理剤にて処理された層であり、前記樹脂層がセルロース系樹脂、アクリル系樹脂およびメラミン系樹脂を含む樹脂層と、ポリオレフィン系フィルム層とを具備してなることを特徴とする二次電池用外装材である。
請求項2は、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂およびメラミン系樹脂の合計を100質量%としたとき、メラミン系樹脂は5〜55質量%であり、アクリル系樹脂は5〜90であり、セルロース系樹脂は40〜90質量%である、上記請求項1に記載の二次電池用外装材である。
請求項3は、前記セルロース系樹脂が硝化綿である請求項1又は2に記載の二次電池用外装材である。
請求項4は、前記化成処理剤がジルコニウムを含む請求項1乃至3のいずれか一項記載の二次電池用外装材である。
請求項5はアルミニウム箔の少なくとも片面に樹脂層を形成する二次電池用外装材の製造方法であって、前記樹脂層を形成するアルミニウム箔の表面にクロムを含まない化成処理剤で化成処理を施す工程と、前記化成処理を施した表面にセルロース系樹脂、アクリル系樹脂およびメラミン系樹脂を含む樹脂成分を用いて樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層の上にポリオレフィン系フィルムを密着させる工程を有することを特徴とする二次電池用外装材の製造方法である。
本発明の電池用外装材及びその製造方法は、環境問題に対応し、リチウムイオン二次電池等の二次電池用の外装材として、ヒートシール性に優れ、剥離が起こりにくく、耐電解液特性に優れ、各種電解液に好適に対応し、シート状で薄型のリチウムイオン二次電池の外装材として好適に使用し得るものである。
以下、本発明を各要素に分けて詳述する。
<アルミニウム箔>
本発明の二次電池用外装材は、アルミニウム箔に化成処理層と樹脂層とが設けられたものである。ここで、アルミニウム箔としては、電池内部への湿気、ガス、酸素などの侵入を遮断する基材層として、アルミニウム合金箔、特に引張り強度及び伸び率が高いため軟質アルミニウム箔を用いることが好ましく、公知の方法で製造される。
本発明のアルミニウム箔は、合金成分として鉄を含有することが好ましく、通常0.6質量%〜2.0質量%、好ましくは1.2質量%〜1.6質量%含有することが推奨される。このように鉄を含有すると、アルミニウムの展延性がよく、積層体として折り曲げによるピンホールの発生が少なくなり、特にエンボスタイプの外装体を成形する時に側壁の形成も容易にできる。鉄含有量が0.6質量%未満の場合は、ピンホールの発生の防止、エンボス成形性の改善などの効果が認められない場合があり、鉄含有量が2.0質量%を超える場合は、アルミニウムとしての柔軟性が阻害され、積層パウチ成形するに際し加工性が悪くなる場合がある。
また、前記アルミニウム箔には合金成分としてケイ素が含有されることが好ましく、通常0.05質量%〜0.9質量%、好ましくは0.06質量%〜0.09質量%含有することが推奨される。ケイ素が0.9質量%を超えて含有されていると、磁気的性質は向上するものの、袋状に成形できる加工性が悪くなる場合があり、0.05質量%未満と含有されていると、製品の強度が弱くなりかつ伸び率が低くなって、袋状に成形できる加工性が悪くなる場合がある。
本発明のアルミニウム箔の厚さは、バリア性、耐ピンホール性、加工性を考慮して9〜200μmであることが好ましく、15〜100μmであることがより好ましい。厚さが9μm未満だとプレス成形時にアルミニウム箔の破断が起きやすくなり、また破断しない時でもピンホール等が発生しやすいため、酸素や水分が透過する場合があり、200μmを超えると、成形時の破断の改善効果やピンホール発生防止効果の改善が見られず、単に外装材総厚を厚くし、重量を増すだけで、コストアップ要因となる場合がある。
<化成処理>
本発明において、上述したアルミニウム箔は後述する樹脂層を形成する部分がクロムを使用しない化成処理剤によって化成処理されていることが必要である。クロムを使用しないことで環境上の問題は起こらず、また従来課題となっていた樹脂との密着性についても、アルミニウム箔と後述する本発明の樹脂層とによって強固に接着できる。従って、電池の電解液ないし電解液の加水分解で発生するフッ酸からアルミニウム箔を保護できる。また、アルミニウム表面の接着性(濡れ性)を向上させ、エンボス成形時、ヒートシール時の基材層とアルミニウムとのデラミネーション防止、電解質と水分との反応により生成するフッ化水素によるアルミニウム内層側でのデラミネーション防止効果が得られる。
更に、成形高さが厳しい成形加工によって後述する樹脂層が成形時の変形に追従できずピンホール等の亀裂を有していても化成処理層によりアルミ箔素地がカバーされているため、フッ化水素が直接アルミニウム表面に到達することを回避することができる。
本発明において化成処理は、クロムを使用しないものであれば、公知の化成処理剤を使用して公知の方法を採用することができる。具体的には、アルミニウム箔表面の少なくとも一方に、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法、酸活性化法等の周知の処理方法で脱脂処理を施し、その後脱脂処理面にフッ化ジルコニウム酸、炭酸ジルコニウムアンモニウム、リン酸ジルコニウム塩等、ジルコニウムを主成分とする化成処理剤、あるいは、これらとアクリル系樹脂ないしフェノール系樹脂ないしウレタン系樹脂等の水系合成樹脂との混合物からなるクロムを使用しない化成処理剤を用意し、バーコート法、ロールコート法、グラビア印刷法、浸漬法等の周知の塗工法で塗工することができる。化成処理剤のジルコニウム以外の金属としてモリブデン、チタン等の金属、または金属塩を含む化成処理剤を用いても良い。
本発明において化成処理面の厚さは特に制限されるものではないが、通常1〜500nmの皮膜であり、厚さについては特に制限されるものではないが、水系合成樹脂との混合物からなる処理液で処理した場合には、100〜500nmの厚さの皮膜が形成されるが、これら皮膜厚さは特に制限されるものではなく、コスト・材料等で10〜50nmの厚さにできる等、種々選択できる。
<樹脂層>
本発明の樹脂層は、上記化成処理されたアルミニウム箔面に形成されるものである。樹脂層の成分としてセルロース系樹脂とアクリル系樹脂と、メラミン系樹脂とを含むことが必要である。また、本発明において、特にアクリル系樹脂、メラミン系樹脂、及びセルロース系樹脂の合計を100質量%としたとき、メラミン系樹脂が5〜55質量%であり、セルロース系樹脂が40〜90質量%であることがさらに好ましい。100質量%からメラミン系樹脂とセルロース系樹脂の配合量を引いた残りが、アクリル系樹脂の配合量であり、アクリル系樹脂の配合量は5〜90質量%であることが好ましい。密着性、耐電解液特性がさらに良好になるからである。
メラミン系樹脂の含有量は、具体的には例えば5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。セルロース系樹脂の含有量は、40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また、アクリル系樹脂の含有量は、具体的には例えば5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55, 60,65,70,75,80,85,90質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間であってもよい。アクリル系樹脂はアルミニウム、銅との密着性に優れることから、添加することによりさらにセルロース系樹脂の基材との密着性を向上させることができる。添加量は、セルロースを100質量%としたときの割合が5〜55質量%、特に15〜30質量%が好ましい。5質量%未満では添加する効果が低く、30質量%を超えると樹脂の架橋性が低下する場合がある。
アクリル系樹脂としてはアクリル酸あるいはメタクリル酸およびそれらの誘導体を主成分とする樹脂、また、これらのモノマを含むアクリル共重合体を好適に用いることができる。具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソプロピルなどやその共重合体である。また、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどの極性基含有アクリル系化合物やその共重合体を好適に用いることもできる。アクリル系樹脂の重量平均分子量は、例えば、3万〜100万であり、具体的には例えば3万,4万,5万,6万,7万,8万,9万,10万,15万,20万,30万,40万,50万,60万,70万,80万,90万,100万であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。メラミン系樹脂はセルロースと硬化反応を起こすため、樹脂の硬化性が向上し、基材との密着性も向上することにより、耐電解液性能が向上するものと推定される。添加量は、樹脂成分としての硝化綿を100質量%としたときの割合が5〜55質量%、より好ましくは15〜30質量%である。5質量%未満では添加する効果が低く、30質量%を超えると硬化が進みすぎて樹脂層が硬くなりすぎ、成形加工時にクラックが発生しやすくなり、密着性および耐電解液特性が低下する場合がある。メラミン系樹脂としては、例えば、ブチル化メラミン、イソブチル化メラミン、メチル化メラミンなどを好適に用いることができる。メラミン系樹脂の数平均分子量は、例えば、500〜5万であり、具体的には例えば500,1000,2000,2500,3000,4000,5000,1万,2万,5万であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
樹脂層の形成方法は特に限定されないが、セルロース系樹脂とアクリル系樹脂と、メラミン系樹脂を下地化成処理層上に塗工し、焼付けることによって形成させることが好ましい。塗工方法としてはロールコーター、グラビアコーター、スリットダイコーター等が使用可能である。塗工にて樹脂層を形成する場合、通常、焼付温度は基材の到達温度として90〜250℃、焼付時間は10〜60秒が好ましい。90℃未満では樹脂層が十分に硬化せず、250℃を超えると樹脂層が収縮し、下地化成処理層との密着性が低下する場合がある。また、焼付時間10秒未満で焼付けると樹脂が硬化する前に溶剤が沸騰して樹脂層に欠陥ができる場合があり、60秒を超えると温度によっては箔が軟化して十分な強度が得られなくなる場合があるからである。
樹脂層の厚さは適宜調整することができ、0.1〜5μm、特に0.3〜3μmが好ましい。下地化成処理層が表面に残存する酸化膜を取り込みながら皮膜成長するノンクロメート系であるため、クロメート処理と比較すると箔表面が粗く密着性に劣るが、下地化成処理の上から塗装焼付けして形成される樹脂層が凹凸や隙間に充填されることにより、クロメート処理よりも膜厚が薄いにも関わらず、同等の耐電解液およびフッ酸性を有することが可能となる。0.1μm未満では完全に被覆できない部分が発生して、十分な耐電解液特性が得られない場合がある。また5μmを超えると膜厚が厚過ぎて焼付け乾燥時に塗膜ムラが発生する。
<フィルム層>
本発明の二次電池用外装材は、上述した化成処理層上に更にポリオレフィン系フィルム層が形成される。ポリオレフィン形フィルムは、公知の方法で圧着することによって形成することができ、アルミニウム箔にポリオレフィン系フィルムがラミネートされる。
ここで、ポリオレフィン系フィルムは、公知のものを使用することができるが、少なくとも酸変成ポリオレフィンを含有するものであることが推奨され、酸変成ポリオレフィンフィルム単独でもよいし、酸変成ポリオレフィンフィルムと他のポリオレフィンフィルムとが共押出によって貼合された二層構造フィルムでもよい。また、酸変成ポリオレフィンフィルムとポリアミドフィルムやポリエステルフィルムとが貼合された二層構造フィルムであっても良い。フィルム層としての構造は特に制限されるものではなく、所望により三層構造や四層構造であっても良い。ポリオレフィン系フィルム中の酸変成ポリオレフィンフィルムは、オルガノゾル中の酸変成ポリオレフィンと同種のものが用いられる。従って、オルガノゾル中の酸変成ポリオレフィンとして、無水マレイン酸変成ポリプロピレンを用いた場合には、ポリオレフィンフィルム12中の酸変成ポリオレフィンフィルムとして無水マレイン酸変成ポリプロピレンを用いることができる。
ラミネート方法として、たとえば熱溶融ラミネートを行った場合、接着層が形成されたアルミニウム箔の接着層とポリオレフィン系フィルムの酸変性ポリオレフィンフィルム面及び表面活性化処理面とが当接するようにして積層し、接着層と酸変性ポリオレフィンフィルムとを圧着することにより、ラミネートが完了する。このラミネートは、一般的に加熱下で行われる。加熱条件は、160〜240℃程度で行われる。また、ラミネート条件は、圧力0.5〜2kg/cm2であり、時間0.5〜3秒程度である。なお、これらの条件は特に制限されるものではない。
本発明のポリオレフィン系フィルムの厚さは特に制限されるものではないが、通常5μm以上の厚さが必要であり、好ましい厚さとしては10〜100μmである。厚さが薄すぎると、ヒートシール時に熱伝導率が高過ぎて、フィルムが溶融してしまい、ヒートシール部に欠陥が発生する可能性がある。厚すぎると、熱溶融ラミネートした時、熱伝導率が小さいため、熱がアルミニウム箔全体に伝わり難く、接着剤が十分溶融しないため、密着性に劣る場合がある。
<接着剤1>
本発明の二次電池用外装材は、更に必要に応じて種々の処理を施してもよい。例えば、本発明の樹脂層上に、ポリオレフィン系フィルム層を密着させるために、接着剤として酸変性ポリオレフィンを固形分とするオルガノゾルを塗布することができる。
ここで、酸変性ポリオレフィンとは、ポリエチレンまたはポリプロピレンの側鎖にジカルボン酸を付加したものであり、一般的にはポリプロピレンの側鎖にマレイン酸または無水マレイン酸を付加させたものであることが好ましい。また酸変性ポリオレフィンを固形分とするオルガノゾルとは、有機液体中に酸変性ポリオレフィンがコロイド状で分散しているコロイド溶液のことをいう。有機液体としては、炭化水素系の液体が用いられ、主としてトルエンが用いられる。また、オルガノゾルの固形分濃度は5〜50重量%程度である。下地樹脂層表面にオルガノゾルが塗布された後、乾燥工程に導入し、オルガノゾルを乾燥する。乾燥条件は、温度150〜220℃、時間5〜40秒程度である。この乾燥工程により、オルガノゾルは固化し接着層となる。オルガノゾルは酸変性ポリオレフィンがコロイド状となって分散しているので、下地樹脂層表面に比較的均一に塗布され、均一な接着層が得られる。該接着層を下地樹脂層表面に設けることにより、接着性がないフィルムを接着させることが可能となる。
<接着剤2>
本発明の二次電池用外装材は、上記ポリオレフィン系樹脂の上に更に後述する外層フィルムを接着してもよく、外層フィルムの接着は接着剤や公知の方法で接着することができる。
たとえば2液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエステルポリオール系接着剤、ポリエステルポリウレタンポリオール系接着剤等を用いたドライラミネーション、共押出し、押出しコート、アンカーコート剤を用いた熱ラミネーション等による方法を採用できるが、特にドライラミネーション法が好ましい。特にウレタン樹脂を含む接着剤を用いてドライラミネート法により積層するのが好ましく、さらに好ましくはエポキシ含有ウレタン樹脂を含む接着剤を用いてドライラミネート法により積層するのがよい。なお、接着層の厚さは特に制限されるものではないが、1〜10μmであることが好ましく、特に3〜7μmであることがより好ましい。厚さが薄すぎると、被塗布層の表面凹凸に接着層が追従できず、層の形成にムラが発生し、接着時に接着不良が発生する可能性がある。厚すぎると、接着層の乾燥に時間が掛かり、且つラミネート時に積層端部から接着剤の余剰分がはみ出す可能性がある。またアルミニウム箔とフィルム単に外装材総厚を厚くし、重量を増すだけで、コストアップ要因となる場合がある。
<外側フィルム>
本発明の任意の構成である外側フィルムはドライラミネートで行う。
フィルムの種類はフィルム延伸ポリエステルまたはナイロンフィルムからなるが、この時、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。またナイロンとしては、ポリアミド樹脂、すなわち、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等が挙げられる。前記フィルムは、リチウムイオン二次電池として用いられる場合、基本的に絶縁性を有するフィルムがよい。
本発明においては、フィルムは耐ピンホール性および電池の外装体とした時の絶縁性を向上させるために、積層化することも可能である。フィルムを積層体化する場合、基材層が2層以上の樹脂層を少なくとも一つを含み、各層の厚みが6μm以上、好ましくは、12〜25μmである。厚さが薄いと水蒸気およびその他のガスのバリア性が劣り、且つ外部からの加圧による耐突刺し性に劣る。厚すぎると単に外装材総厚を厚くし、重量を増すだけで、コストアップ要因になる場合がある。
<コロナ処理>
本発明において、各層の密着性を向上させるために、必要に応じて、予め所望の表面処理を行うことができる。表面処理法として例えば、コロナ処理、オゾン処理、酸素ガスもしくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等を任意で施す。これにより各積層間の密着性が向上する。特に硝化綿/アクリル/メラミンといった三種類の有機物で構成されている樹脂層は、最表面に存在する分子が各所で異なっている。そこで最表面の分子鎖をコロナ処理により切断し、水酸基およびカルボニル基といった極性基を発生させ、接着層との密着性が向上する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本実施例は一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
基材層として、厚さ40μmのアルミニウム箔を準備した。一方、ジルコニウム化成処理液として、ジルコニウムを主成分とする水溶液を準備した。そして、アルミニウム箔の両面に、ジルコニウム化成処理液をバーコーターにて均一に塗布し、表1記載の条件で乾燥焼付けした。この結果、アルミニウム箔表面に、ジルコニウム化成処理層が形成された金属箔を得た。
次に、硝化綿とアクリル系樹脂及びメラミン系樹脂が表1に示す配合比で混合された溶液をバーコーターにて均一に塗布し、乾燥焼付けし、上記化成処理層上に樹脂層を形成した。
該樹脂層に対し、更に、変性ポリオレフィンから成る接着剤をバーコーターにて均一に塗布し、200℃、20secで乾燥焼付けを行い、目付け量1.0±0.5g/mの接着層を形成させた。該接着層にコロナ処理を施し、厚さ60μmのCPPフィルムのコロナ処理面を接着層側に貼り合わせ、熱溶融ラミネートを温度110℃、1m/minで行った。以上のようにして、アルミニウム箔/ジルコニウム化成処理層/硝化綿、アクリル系樹脂およびメラミン系樹脂層/変性ポリオレフィン接着層/CPPフィルム/(熱封緘層)の順で積層貼着された二次電池用外装材料を得た。
1)ヒートシール強度
サンプルを200mm×10mmに切断し、100mm×10mmの面積で、CPP面を重ね合わせ、10mm×15mmの範囲を安田精機製作所製ヒートシーラーにて、ヒートシールした。シーリング条件は温度180℃、圧力2.4kg/G圧、時間2sec。ヒートシール後、引張試験機にて剥離速度50mm/min、剥離角度180°でシール強度を測定した。測定後、レトルトパウチの封緘強度のJAS規格値(農林規格第10条)参考に分類した。
○:15.3N/cm以上
×:15.3N/cm未満
○を合格とし、×を不合格とした。
2)剥離モード評価
ヒートシール強度測定後のサンプルの剥離面を目視にて確認し、下記基準にて分類した。
○:フィルム/フィルム凝集破壊
×:フィルム/アルミ箔界面剥離
○を合格とし、×を不合格とした。
3)耐電解液特性試験
サンプルから縦90mmで横50mmの大きさの四辺形状片2枚裁断し、熱封緘層同士が当接するようにして、2枚の四辺形状片を積層し、3方の端部を巾5mmで熱封緘し、四辺形状袋を作成した。熱封緘の条件は、温度200℃、圧力2kg/cm2、時間1秒間とした。電解液として、1mol/L LiPF/EC:EMC(3:7)を液量0.27ml調製する。グローブボックス内(露点−80℃以下)にて、袋の口から電解液を注入した。最後に袋の口を、前の条件と同一の条件で熱封緘し、四辺形状袋を得た。85℃で、1日、3日、7日保持した後、解体し、純水で洗浄後、取り出したサンプルの外観を確認する。剥離の有無にて、フィルムおよびアルミ箔の密着性および下地処理の耐食性評価を行う。
○:7日後剥離なし。
×:7日後剥離。
○を合格とし、×を不合格とした。
実施例1は、硝化綿系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂から成る樹脂層およびフッ化ジルコニウム酸から成る金属酸化物系処理層がアルミニウム箔表面に形成されているため、フィルムとの密着性および耐電解液特性に優れていた。
実施例2は、アクリル系樹脂に実施例1と同種のアクリル系共重合体を用いて評価を行い、比較例よりも密着性および耐電解液特性に優れており、同種のアクリル系共重合体でも同等の優れた性能が見出せることを確認した。
実施例3は、メラミン系樹脂に実施例1および2と同種のメラミン系樹脂を用いて評価を行い、比較例よりも密着性および耐電解液特性に優れており、同種のメラミン系樹脂でも同等の優れた性能が見出せることを確認した。
実施例4〜16は、樹脂種の組み合わせを変えて評価を行い、請求範囲内で配合量、焼付け条件を検討し、比較例よりも密着性および耐電解液特性に優れていることを確認した。
実施例17〜19は、セルロース系樹脂に硝化綿と同種構造の酢酸セルロースを用いて評価を行い、比較例よりも密着性および耐電解液特性に優れており、同種セルロースでも同等の優れた性能が見出せることを確認した。
実施例20〜21は、金属酸化物系処理層に、炭酸ジルコニウムアンモニウムを使用し同様の評価を行った。結果、硝化綿系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂から成る樹脂層が炭酸ジルコニウムアンモニウム層の耐電解液特性を向上させ、フッ化ジルコニウム酸使用時と同等の優れた性能が見出せることを確認した。
比較例1は、樹脂層にブチラールを使用しているため、接着剤と樹脂層の密着性が劣った。
比較例2は、樹脂層にメラミンが含有されていないため、樹脂の硬化度が劣り、樹脂層と金属酸化物系処理層との密着性が劣った。そのため、耐食性が不十分であった。
比較例3は、樹脂層にメラミンが含有されていないため、樹脂の硬化度が劣り、樹脂層と金属酸化物系処理層との密着性が劣った。そのため、耐食性が不十分であった。
比較例4は、樹脂層にメラミンが含有されていないため、樹脂の硬化度が劣り、樹脂層と金属酸化物系処理層との密着性が劣った。そのため、耐食性が不十分であった。
比較例5は、樹脂層にアクリル樹脂が含有されていないため、樹脂層と接着層の密着性が劣った。
比較例6は、樹脂層が硝化綿のみであるため、樹脂の硬化度および接着層と樹脂層の密着性が劣り、耐食性が不十分であった。
比較例7および8は、樹脂層に硝化綿が含有されていないため、アクリル樹脂が均一に分布しておらず、接着層との密着性や金属酸化物系処理層との密着性が劣った。そのため、耐食性が不十分であった。

Claims (5)

  1. アルミニウム箔と、化成処理層と、樹脂層とを具備し、前記下地化成処理層がクロムを含まない化成処理剤にて処理された層であり、前記樹脂層がセルロース系樹脂、アクリル系樹脂およびメラミン系樹脂を含む樹脂層と、ポリオレフィン系フィルム層とを具備してなることを特徴とする二次電池用外装材。
  2. セルロース系樹脂、アクリル系樹脂およびメラミン系樹脂の合計を100質量%としたとき、メラミン系樹脂は5〜55質量%であり、アクリル系樹脂の配合量は5〜90質量%であり、セルロース系樹脂は、40〜90質量%である、請求項1に記載の二次電池用外装材。
  3. 前記セルロース系樹脂が硝化綿である請求項1又は2に記載の二次電池用外装材。
  4. 前記化成処理剤がジルコニウムを含む請求項1乃至3のいずれか一項記載の二次電池用外装材。
  5. アルミニウム箔の少なくとも片面に樹脂層を形成する二次電池用外装材の製造方法であって、前記樹脂層を形成するアルミニウム箔の表面にクロムを含まない化成処理剤で化成処理を施す工程と、前記化成処理を施した表面にセルロース系樹脂、アクリル系樹脂およびメラミン系樹脂を含む樹脂成分を用いて樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層の上にポリオレフィン系フィルムを密着させる工程を有することを特徴とする二次電池用外装材の製造方法。
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