JP6276047B2 - 包装材、包装材の製造方法及び成形ケース - Google Patents

包装材、包装材の製造方法及び成形ケース Download PDF

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Description

本発明は、例えば、ノートパソコン用、携帯電話用、車載用、定置型の二次電池(リチウムイオン二次電池)のケースとして好適に用いられる包装材、或いは食品の包装材、医薬品の包装材として好適に用いられる包装材に関する。
なお、本明細書において、「引張降伏強度」の語は、JIS K7127−1999(引張試験方法)に準拠して、試料幅15mm、評点間距離50mm、引張速度300mm/分の条件で測定して得られた引張降伏強度(引張降伏強さ)を意味する。
また、本明細書において、「アルミニウム」の語は、アルミニウム及びその合金を含む意味で用いる。また、「金属」の語は、金属単体及び金属合金を含む意味で用いる。
包装材中の食品、医薬品等の内容物の化学変化、劣化、腐敗等を防止するために、酸素や水分のバリア性に優れている金属箔を使用したラミネート包装材が、従来から広く用いられている。
一方、近年、パソコン等のOA機器、携帯電話、ゲーム機、ヘッドフォンステレオ、電子手帳等の各種電子機器の小型化、軽量化に伴い、電源部の電池としても、小型化、軽量化を図る観点からリチウムイオンポリマー二次電池が多く用いられるようになってきている。このリチウムイオンポリマー二次電池は、電池内の電解液が水と反応してフッ酸が生成すると、電池の性能低下を来したり、アルミニウム箔の腐食により液漏れが発生してしまうことから、リチウムイオンポリマー二次電池のケース(収容ケース)に用いられる材料として、水蒸気バリア性に優れた金属箔を使用した密封性の高いラミネート包装材が用いられるようになってきている。
リチウムイオンポリマー二次電池のケース用材料(包装材)としては、耐熱性樹脂フィルムからなる外側層、水蒸気バリア層としてのアルミニウム箔層、内容物のポリマー電解質を密封するためのポリオレフィンフィルムからなる内側層(シーラント層)が順に積層一体化されてなるラミネート包装材が用いられている。
上記ラミネート包装材としては、内容物のポリマー電解質が漏れ出ることのないように、2枚の包装材の内側層同士のシール強度が十分に得られることが求められている。
この種の電池用包装材としては、シーラント層が2層以上の共押し出しのポリプロピレン系樹脂からなり、ラミ面側がホモポリプロピレンとポリエチレンをブレンドした樹脂乃至は更にランダム共重合ポリプロピレンをブレンドした樹脂からなり、シール面側がホモポリプロピレン乃至は更にランダム共重合ポリプロピレンをブレンドした樹脂からなる構成のものが公知である(特許文献1参照)。
また、ヒートシール層が少なくとも第1ポリプロピレン層と第2ポリプロピレン層を有し、第2ポリプロピレン層は、第1ポリプロピレン層より最内層側に配され、融点が低く、メルトインデックスが高いものである構成が公知である(特許文献2参照)。
特開2006−134692号公報 特開2007−294380号公報
ところで、上記ラミネート包装材では、外側層、アルミニウム箔層、内側層の各層間の接着は、接着剤を用いたドライラミネート法等により行われ、製造された包装材は、巻芯に巻き取られた後、接着剤の硬化を促進するために、40℃程度で加熱を行うエージング処理に供される。
しかるに、従来では、このエージング処理によって、巻芯に巻かれた状態の包装材において皺が発生しやすいという問題があった。このような皺が発生すると、包装材としての外観品位が低下する。
また、上記電池用包装材としては、より高いシール強度を備えていることが求められていた。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、十分なシール強度が得られると共に、皺の発生が殆どなくて外観品位に優れた包装材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]外側層としての耐熱性樹脂層と、内側層としての熱可塑性樹脂フィルム層と、これら両層間に配設された金属箔層とを含む包装材であって、
前記熱可塑性樹脂フィルムとして、
フィルム押出し方向での引張降伏強度が15MPa以上、前記フィルム押出し方向に直交する方向での引張降伏強度が15MPa以上、前記フィルム押出し方向に対し右斜め45度の方向での引張降伏強度が15MPa以上、前記フィルム押出し方向に対し左斜め45度の方向での引張降伏強度が15MPa以上である熱可塑性樹脂フィルムが用いられていることを特徴とする包装材。
[2]前記熱可塑性樹脂フィルムとして、
フィルム押出し方向での引張降伏強度が15MPa〜25MPa、前記フィルム押出し方向に直交する方向での引張降伏強度が15MPa〜25MPa、前記フィルム押出し方向に対し右斜め45度の方向での引張降伏強度が15MPa〜25MPa、前記フィルム押出し方向に対し左斜め45度の方向での引張降伏強度が15MPa〜25MPaである熱可塑性樹脂フィルムが用いられている前項1に記載の包装材。
[3]前記熱可塑性樹脂フィルムのフィルム押出し方向での引張降伏強度を「V」とし、前記フィルム押出し方向に直交する方向での引張降伏強度を「W」とし、前記フィルム押出し方向に対し右斜め45度の方向での引張降伏強度を「X」とし、前記フィルム押出し方向に対し左斜め45度の方向での引張降伏強度を「Y」としたとき、以下の3つの関係式が成立することを特徴とする前項1または2に記載の包装材。
W/V ≧0.85
X/V ≧0.88
Y/V ≧0.88
[4]前記熱可塑性樹脂フィルム層は、ホモポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ランダム共重合ポリプロピレンおよびエチレン−プロピレン共重合ゴムからなる群より選ばれる1種または2種以上のポリマーを含有してなる層を少なくとも1層含む構成である前項1〜3のいずれか1項に記載の包装材。
[5]前記熱可塑性樹脂フィルム層は、ブロック共重合ポリプロピレンを含有してなる中間層の両面に、ランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層が積層一体化された積層フィルムである前項1〜3のいずれか1項に記載の包装材。
[6]前記熱可塑性樹脂フィルム層は、ホモポリプロピレン及びエチレン−プロピレン共重合ゴムを含有してなる中間層の両面に、ランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層が積層一体化された積層フィルムである前項1〜3のいずれか1項に記載の包装材。
[7]前項1〜6のいずれか1項に記載の包装材を深絞り成形または張り出し成形してなる成形ケース。
[8]電池ケースとして用いられる前項7に記載の成形ケース。
[1]の発明では、内側層を構成する熱可塑性樹脂フィルムとして、上記特定の4方向における引張降伏強度がいずれも15MPa以上である熱可塑性樹脂フィルムが用いられているから、この包装材は、皺の発生が殆どなくて外観品位に優れていると共に、十分なシール強度が得られるものとなる。内側層を構成する熱可塑性樹脂フィルムの上記特定の4方向における引張降伏強度がいずれも15MPa以上であるから、ラミネートして得られた包装材が、巻芯に巻かれた状態で、接着剤の硬化促進のために加熱処理(エージング処理;例えば40℃)が行われても、収縮による応力等による皺の発生が抑制される。
[2]の発明では、内側層を構成する熱可塑性樹脂フィルムとして、上記特定の4方向における引張降伏強度がいずれも15MPa以上25MPa以下である熱可塑性樹脂フィルムが用いられているから、巻芯に巻かれた状態でのエージング処理が行われていても、皺の発生をより抑制できて包装材の外観品位をより向上させることができる。
[3]の発明では、内側層を構成する熱可塑性樹脂フィルムとして、
W/V ≧0.85
X/V ≧0.88
Y/V ≧0.88
上記の3つの関係式を充足する熱可塑性樹脂フィルムが用いられているから、巻芯に巻かれた状態でのエージング処理が行われていても、皺の発生をより一層抑制することができて包装材の外観品位をより一層向上させることができる。
[4]の発明では、熱可塑性樹脂フィルム層は、ホモポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ランダム共重合ポリプロピレンおよびエチレン−プロピレン共重合ゴムからなる群より選ばれる1種または2種以上のポリマーを含有してなる層を少なくとも1層含む構成であるから、十分なシール強度を確保できると共に、巻芯に巻かれた状態でのエージング処理が行われていても、皺の発生をより十分に抑制できる。
[5]の発明では、熱可塑性樹脂フィルム層は、ブロック共重合ポリプロピレンを含有してなる中間層の両面に、ランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層が積層一体化された積層フィルムで構成されており、中間層がブロック共重合ポリプロピレンを含有するので、十分な衝撃強度及び十分な突き刺し強度が得られると共に、中間層の両面にランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層が積層一体化されているので、十分なシール強度を確保できる。
[6]の発明では、熱可塑性樹脂フィルム層は、ホモポリプロピレン及びエチレン−プロピレン共重合ゴムを含有してなる中間層の両面に、ランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層が積層一体化された積層フィルムで構成されており、中間層が融点の高いホモポリプロピレンを含有しているので、十分な絶縁性を得るのに必要なシール後の厚さ(内側層の肉厚)を十分に確保できると共に、中間層の両面にランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる層が積層一体化されているので、十分なシール強度を確保できる。更に、中間層がエチレン−プロピレン共重合ゴムも含有しているので、十分な衝撃強度及び十分な突き刺し強度が得られる。
[7]の発明では、十分なシール強度が得られると共に、皺が殆どなくて外観品位に優れた成形ケースが提供される。
[8]の発明では、十分なシール強度が得られると共に、皺が殆どなくて外観品位に優れた電池ケースが提供される。
本発明に係る包装材の一実施形態を示す断面図である。 熱可塑性樹脂フィルムの引張降伏強度を測定する際の4つの測定方向を説明するための熱可塑性樹脂フィルムの平面図である。 熱可塑性樹脂フィルムの積層構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る包装材を用いて構成された電池の一実施形態を示す概略断面図である。
本発明に係る包装材1の一実施形態を図1に示す。この包装材1は、リチウムイオン2次電池ケース用包材として用いられるものである。即ち、前記包装材1は、深絞り成形等の成形に供されて2次電池ケースとして用いられるものである。
前記包装材1は、金属箔層4の上面に第1接着剤層5を介して耐熱性樹脂層(外側層)2が積層一体化されると共に、前記金属箔層4の下面に第2接着剤層6を介して熱可塑性樹脂フィルム層(内側層)3が積層一体化された構成からなる(図1参照)。これら各層の構成等について以下に説明する。
前記熱可塑性樹脂フィルム層(内側層;ヒートシール層)3は、リチウムイオン二次電池等で用いられる腐食性の強い電解液などに対しても優れた耐薬品性を具備させると共に、包装材1にヒートシール性を付与する役割を担うものである。
本発明では、前記熱可塑性樹脂フィルム3として、フィルム押出し方向eでの引張降伏強度が15MPa以上、前記フィルム押出し方向に直交する方向fでの引張降伏強度が15MPa以上、前記フィルム押出し方向に対し右斜め45度の方向gでの引張降伏強度が15MPa以上、前記フィルム押出し方向に対し左斜め45度の方向hでの引張降伏強度が15MPa以上である熱可塑性樹脂フィルムが用いられている(図2参照)。
即ち、本発明で内側層3として用いる熱可塑性樹脂フィルム3は、
1)フィルム押出し方向(以下、「MD方向」という場合がある)eでの引張降伏強度が15MPa以上であり、
2)フィルム3面内におけるフィルム押出し方向に直交する方向(以下、「TD方向」という場合がある)fでの引張降伏強度が15MPa以上であり、
3)フィルム3面内におけるフィルム押出し方向に対し(平面視で)右斜め45度の方向gでの引張降伏強度が15MPa以上であり、
4)フィルム3面内において、フィルム押出し方向に対し(平面視で)左斜め45度の方向hでの引張降伏強度が15MPa以上である(図2参照)。なお、この引張降伏強度の詳細な測定方法については、後述する。また、前記「引張降伏強度」は、前記熱可塑性樹脂フィルム層3が複数枚のフィルムの積層体で形成されている場合、この積層体の引張降伏強度を意味する。
本発明では、内側層3を構成する熱可塑性樹脂フィルムとして、上記特定の4方向(e、f、g、h)における引張降伏強度がいずれも15MPa以上である熱可塑性樹脂フィルムが用いられているから、包装材1は、巻芯に巻かれた状態でのエージング処理を経由していても、皺の発生が殆どなくて外観品位に優れていると共に、十分なシール強度が得られるものとなる。即ち、内側層3を構成する熱可塑性樹脂フィルムの上記特定の4方向における引張降伏強度がいずれも15MPa以上であるから、該熱可塑性樹脂フィルムをラミネートして得られた包装材1が、巻芯に巻かれた状態で、接着剤の硬化促進のために加熱処理(エージング処理;例えば40℃)が行われても、包装材1において収縮応力等による皺の発生を抑制することができる。
中でも、内側層3を構成する熱可塑性樹脂フィルムとして、上記特定の4方向(e、f、g、h)における引張降伏強度がいずれも15MPa以上25MPa以下である熱可塑性樹脂フィルムを用いるのが好ましく、この場合には、巻芯に巻かれた状態で接着剤の硬化促進のための加熱処理が行われても、皺の発生をより抑制することができて包装材1の外観品位をより向上させることができる。なお、上記特定の4方向(e、f、g、h)のうち少なくとも1方向における引張降伏強度が25MPaを超えると、熱可塑性樹脂フィルム3が脆くなり耐衝撃性が低下するので好ましくない。
また、前記熱可塑性樹脂フィルムのフィルム押出し方向eでの引張降伏強度を「V」(MPa)とし、前記フィルム押出し方向に直交する方向fでの引張降伏強度を「W」(MPa)とし、前記フィルム押出し方向に対し右斜め45度の方向gでの引張降伏強度を「X」(MPa)とし、前記フィルム押出し方向に対し左斜め45度の方向hでの引張降伏強度を「Y」(MPa)としたとき、
W/V ≧0.85
X/V ≧0.88
Y/V ≧0.88
上記の3つの関係式が成立する熱可塑性樹脂フィルム3を用いるのが好ましい。この場合には、巻芯に巻かれた状態で接着剤の硬化促進のための加熱処理が行われても、皺の発生をより一層抑制することができて、包装材1の外観品位をより一層向上させることができる。
上記特定の4方向(e、f、g、h)における引張降伏強度がいずれも15MPa以上である熱可塑性樹脂フィルムは、例えば、押出しにより熱可塑性樹脂フィルムを製造し(成膜し)、この成膜後の熱可塑性樹脂フィルムに対して65℃〜90℃でアニーリング処理(残留応力解消のための加熱処理)を行うことにより、製造できる。なお、上記製造方法は、その一例を示したものに過ぎず、本発明で使用する熱可塑性樹脂フィルムは、上記製造方法で得られるものに特に限定されるものではない。
前記熱可塑性樹脂フィルム層3を構成する樹脂の種類は、特に制限はない。即ち、上記特定の4方向(e、f、g、h)における引張降伏強度がいずれも15MPa以上である熱可塑性樹脂フィルムであってヒートシール性能を付与できるものであれば、その樹脂種はいかなる種類であってもよい。
そして、前記熱可塑性樹脂フィルム層3としては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂未延伸フィルム層であるのが好ましい。前記熱可塑性樹脂未延伸フィルム層3は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、これらの酸変性物およびアイオノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種のオレフィン系樹脂からなる未延伸フィルムにより構成されるのが好ましい。
中でも、前記熱可塑性樹脂フィルム層3を構成するポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレンと熱可塑性エラストマー(例えばエチレン−プロピレン共重合ゴム等)の混合物、ランダム共重合ポリプロピレンおよびブロック共重合ポリプロピレンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の樹脂を用いるのが好ましい。また、前記熱可塑性樹脂フィルム層3を構成するポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン及び/又は線状低密度ポリエチレンを用いるのが好ましい。
前記熱可塑性樹脂フィルム層3を構成するホモポリプロピレンのMFR(メルトフローレート)は、0.5g/10分〜20g/10分の範囲であるのが好ましい。また、前記ホモポリプロピレンの融点は、155℃〜175℃の範囲であるのが好ましい。これらMFRや融点は、ホモポリプロピレンの分子量等を調整することにより制御することができる。
前記熱可塑性樹脂フィルム層3を構成するランダム共重合ポリプロピレン(エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂)のエチレン含有率は、1質量%〜10質量%の範囲であるのが好ましい。1質量%以上であることで、包装材1のヒートシール強度をより向上させることができると共に、10質量%以下であることで、十分な耐熱性を確保できる。また、前記ランダム共重合ポリプロピレン(エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂)の融点は、135℃〜165℃の範囲であるのが好ましい。135℃以上であることで十分な耐熱性を確保できると共に、165℃以下であることで包装材1のヒートシール強度をより向上させることができる。また、前記ランダム共重合ポリプロピレン(エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂)のMFR(メルトフローレート)は、0.5g/10分〜20g/10分の範囲であるのが好ましい。MFRが0.5g/10分以上であることで良好な成形性を確保できると共に、MFRが20g/10分以下であることで包装材1のヒートシール強度をより向上させることができる。中でも、前記ランダム共重合ポリプロピレン(エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂)のMFR(メルトフローレート)は、0.5g/10分〜10g/10分であるのがより好ましく、さらに2g/10分〜7g/10分であるのが特に好ましい。なお、ランダム共重合ポリプロピレンのMFRや融点は、ランダム共重合ポリプロピレンの分子量等を調整することにより制御できる。
前記熱可塑性樹脂フィルム層3を構成するブロック共重合ポリプロピレン(エチレン−プロピレンブロック共重合樹脂)のエチレン含有率は、10質量%〜20質量%の範囲であるのが好ましい。エチレン含有率が10質量%以上であることでフィルムに耐衝撃性を付与できると共に、エチレン含有率が20質量%以下であることで、耐熱性を向上できると共にブロッキングを防止できる。また、前記ブロック共重合ポリプロピレン(エチレン−プロピレンブロック共重合樹脂)の融点は、155℃〜170℃の範囲であるのが好ましい。また、前記ブロック共重合ポリプロピレン(エチレン−プロピレンブロック共重合樹脂)のMFR(メルトフローレート)は、0.5g/10分〜20g/10分の範囲であるのが好ましい。なお、ブロック共重合ポリプロピレンのMFRや融点は、ブロック共重合ポリプロピレンの分子量等を調整することにより制御できる。
なお、上記MFRは、JIS K7210−1999に準拠して、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトフローレートである。
また、上記融点は、JIS K7121−2012に準拠して、示差走査熱量測定法(DSC法)を用い、50℃〜200℃の温度範囲を10℃/分の昇温速度で昇温して測定することにより求められる融点である。
しかして、前記熱可塑性樹脂フィルム層3は、ホモポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ランダム共重合ポリプロピレンおよびエチレン−プロピレン共重合ゴム(EPR)からなる群より選ばれる1種または2種以上のポリマーを含有してなる層を少なくとも1層含む構成(即ち単層又は複層構成)であるのが好ましい。このような構成を採用した場合には、十分なシール強度を確保できると共に、巻芯に巻かれた状態でのエージング処理が行われていても、皺の発生をより十分に抑制できる。
また、前記熱可塑性樹脂フィルム3は、ブロック共重合ポリプロピレンを含有してなる中間層31の両面に、ランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層32、32が積層一体化された積層フィルム(3層積層フィルム)であるのが好ましい(図3参照)。この場合には、中間層がブロック共重合ポリプロピレンを含有するので、十分な衝撃強度及び十分な突き刺し強度が得られると共に、中間層の両面にランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層が積層一体化されているので、十分なシール強度を確保できる。中でも、前記熱可塑性樹脂フィルム3は、ブロック共重合ポリプロピレンからなる中間層31の両面に、ランダム共重合ポリプロピレンからなる被覆層32、32が積層一体化された積層フィルム(3層積層フィルム)であるのが特に好ましい(図3参照)。
また、前記熱可塑性樹脂フィルム3は、ホモポリプロピレン及びエチレン−プロピレン共重合ゴム(EPR)を含有してなる中間層31の両面に、ランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層32、32が積層一体化された積層フィルム(3層積層フィルム)であるのが好ましい(図3参照)。この場合には、中間層31が融点の高いホモポリプロピレンを含有しているので、十分な絶縁性を得るのに必要なシール後の厚さ(内側層の肉厚)を十分に確保できると共に、中間層31の両面にランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層32、32が積層一体化されているので、十分なシール強度を確保できる。更に、中間層がエチレン−プロピレン共重合ゴムを含有しているので、十分な衝撃強度及び十分な突き刺し強度が得られる。中でも、前記熱可塑性樹脂フィルム3は、ホモポリプロピレン及びエチレン−プロピレン共重合ゴムからなる中間層31の両面に、ランダム共重合ポリプロピレンからなる被覆層32、32が積層一体化された積層フィルム(3層積層フィルム)であるのが特に好ましい(図3参照)。
前記熱可塑性樹脂フィルム層3の厚さ(複層の場合は全体厚さ)Tは、20μm〜80μmに設定されるのが好ましい(図1、3参照)。20μm以上とすることでピンホールの発生を十分に防止できると共に、80μm以下に設定することで樹脂使用量を低減できてコスト低減を図り得る。中でも、前記熱可塑性樹脂フィルム層3の厚さTは、30μm〜50μmに設定されるのが特に好ましい。前記熱可塑性樹脂フィルム層3は、単層であってもよいし、複層であってもよい。
前記耐熱性樹脂層(外側層)2としては、特に限定されるものではないが、例えば、ナイロンフィルム等のポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられ、これらの延伸フィルムが好ましく用いられる。中でも、前記耐熱性樹脂層2としては、二軸延伸ナイロンフィルム等の二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又は二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを用いるのが特に好ましい。前記ナイロンフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム、MXDナイロンフィルム等が挙げられる。なお、前記耐熱性樹脂層2は、単層で形成されていても良いし、或いは、例えばポリエステルフィルム/ポリアミドフィルムからなる複層(PETフィルム/ナイロンフィルムからなる複層等)で形成されていても良い。
前記耐熱性樹脂層2の厚さは、12μm〜50μmであるのが好ましい。ポリエステルフィルムを用いる場合には厚さは12μm〜50μmであるのが好ましく、ナイロンフィルムを用いる場合には厚さは15μm〜50μmであるのが好ましい。上記好適下限値以上に設定することで包装材1として十分な強度を確保できると共に、上記好適上限値以下に設定することで張り出し成形時や絞り成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
前記金属箔層4は、包装材1に酸素や水分の侵入を阻止するガスバリア性を付与する役割を担うものである。前記金属箔層4としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、銅箔等が挙げられ、アルミニウム箔が一般的に用いられる。前記金属箔層4の厚さは、20μm〜100μmであるのが好ましい。20μm以上であることで金属箔を製造する際の圧延時のピンホール発生を防止できると共に、100μm以下であることで張り出し成形時や絞り成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
前記金属箔層4は、少なくとも内側の面4a(第2接着剤層6側の面)に、化成処理が施されているのが好ましい。このような化成処理が施されていることによって内容物(電池の電解液、食品、医薬品等)による金属箔表面の腐食を十分に防止できる。例えば次のような処理をすることによって金属箔に化成処理を施す。即ち、例えば、脱脂処理を行った金属箔の表面に、
1)リン酸、クロム酸及びフッ化物の金属塩の混合物からなる水溶液
2)リン酸、クロム酸、フッ化物金属塩及び非金属塩の混合物からなる水溶液
3)アクリル系樹脂又は/及びフェノール系樹脂と、リン酸と、クロム酸と、フッ化物金属塩との混合物からなる水溶液
のいずれかを塗工した後乾燥することにより化成処理を施す。
前記第1接着剤層5としては、特に限定されるものではないが、例えば、2液反応型接着剤により形成された接着剤層等が挙げられる。前記2液反応型接着剤としては、例えば、ポリウレタン系ポリオール、ポリエステル系ポリオール及びポリエーテル系ポリオールからなる群より選ばれるポリオールの1種または2種以上からなる第1液と、イソシアネートからなる第2液(硬化剤)とで構成される2液反応型接着剤などが挙げられる。
前記第2接着剤層6としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、エラストマー系接着剤、フッ素系接着剤等により形成された接着剤層が挙げられる。中でも、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤を用いるのが好ましく、この場合には、包装材1の耐電解液性及び水蒸気バリア性を向上させることができる。
なお、上記実施形態では、第1接着剤層5と第2接着剤層6を設けた構成を採用しているが、これら両層5、6は、いずれも必須の構成層ではなく、これらを設けない構成を採用することもできる。
本発明の包装材1を成形(深絞り成形、張り出し成形等)することにより、成形ケース(電池ケース等)を得ることができる。なお、本発明の包装材1は、成形に供されずにそのまま使用することもできる。
本発明の包装材1を用いて構成された電池の一実施形態を図4に示す。この電池20は、リチウムイオン2次電池である。
前記電池20は、電解質21と、タブリード22と、成形に供されていない平面状の前記包装材1と、前記包装材1が成形されて得られた収容凹部を有する成形ケース11とを備える(図4参照)。
前記成形ケース11の収容凹部11b内に前記電解質21と前記タブリード22の一部が収容され、該成形ケース11の上に前記平面状の包装材1が配置され、該包装材1の周縁部と前記成形ケース11の封止用周縁部11aとが接合されて封止されることによって、前記電池20が構成されている。なお、前記タブリード22の先端部は、外部に導出されている(図4参照)。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
共押出成形により、厚さ4μmのランダム共重合ポリプロピレン32/厚さ32μmのブロック共重合ポリプロピレン31/厚さ4μmのランダム共重合ポリプロピレン32の3層積層フィルムを得た。次に、前記成膜後の3層積層フィルムに対して70℃で48時間アニーリング処理を行うことによって、厚さ40μmの未延伸熱可塑性樹脂フィルム(熱可塑性樹脂層)3を得た(図3参照)。得られた厚さ40μmの未延伸熱可塑性樹脂フィルム3のMD方向の引張降伏強度は17.6MPa、TD方向の引張降伏強度は15.5MPa、右斜め45度方向の引張降伏強度は16.1MPa、左斜め45度方向の引張降伏強度は16.3MPaであった(表1参照)。
なお、前記ランダム共重合ポリプロピレン(エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂)のエチレン含有率は4質量%、MFRは7.5g/10分、融点は140℃であった。また、前記ブロック共重合ポリプロピレン(エチレン−プロピレンブロック共重合樹脂)のエチレン含有率は20質量%、MFRは2g/10分、融点は160℃であった。
また、厚さ40μmのアルミニウム箔4の両面に、ポリアクリル酸、三価クロム化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布し、180℃で乾燥を行って、クロム付着量が10mg/m2となるようにした。
次に、前記化成処理済みアルミニウム箔4の一方の面に、ポリエステル系ポリウレタン接着剤5を介して厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(耐熱性樹脂層)2を貼り合わせ、次いでアルミニウム箔4の他方の面に、ポリアクリル接着剤6を介して前記厚さ40μmの未延伸熱可塑性樹脂フィルム(熱可塑性樹脂層)3を貼り合わせた後、この積層物を巻芯に多数回捲回して、この捲回状態で、接着剤の硬化促進のための40℃でのエージング処理を200時間行うことによって、図1に示す包装材1を得た。
<実施例2>
アニーリング処理の温度を70℃に代えて80℃に設定した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す包装材1を得た。なお、アニーリング処理温度を70℃から80℃に変更したので、得られた厚さ40μmの未延伸熱可塑性樹脂フィルム3のMD方向の引張降伏強度は19.4MPa、TD方向の引張降伏強度は16.9MPa、右斜め45度方向の引張降伏強度は17.2MPa、左斜め45度方向の引張降伏強度は17.3MPaであった(表1参照)。
<実施例3>
アニーリング処理の温度を70℃に代えて100℃に設定した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す包装材1を得た。なお、アニーリング処理温度を70℃から100℃に変更したので、得られた厚さ40μmの未延伸熱可塑性樹脂フィルム3のMD方向の引張降伏強度は24.4MPa、TD方向の引張降伏強度は21.6MPa、右斜め45度方向の引張降伏強度は22.4MPa、左斜め45度方向の引張降伏強度は22.6MPaであった(表1参照)。
参考例
3層積層フィルムの中間層を構成する樹脂として、ブロック共重合ポリプロピレンに代えて、混合樹脂(ホモポリプロピレン70質量%、エチレン−プロピレン共重合ゴム30質量%の組成の混合樹脂)を使用した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す包装材1を得た。前記エチレン−プロピレン共重合ゴムとして三井化学製「タフマーA」を用いた。なお、得られた厚さ40μmの未延伸熱可塑性樹脂フィルム3のMD方向の引張降伏強度は17.0MPa、TD方向の引張降伏強度は15.1MPa、右斜め45度方向の引張降伏強度は16.0MPa、左斜め45度方向の引張降伏強度は16.1MPaであった(表1参照)。前記混合樹脂のMFRは2.5g/10分、融点は163℃であった。
<比較例1>
アニーリング処理の温度を70℃に代えて30℃に設定した以外は、実施例1と同様にして、包装材を得た。なお、アニーリング処理温度を70℃から30℃に変更したので、得られた厚さ40μmの未延伸熱可塑性樹脂フィルム3のMD方向の引張降伏強度は14.2MPa、TD方向の引張降伏強度は12.5MPa、右斜め45度方向の引張降伏強度は13.2MPa、左斜め45度方向の引張降伏強度は13.4MPaであった(表1参照)。
<比較例2>
アニーリング処理の温度を70℃に代えて40℃に設定した以外は、実施例1と同様にして、包装材を得た。なお、アニーリング処理温度を70℃から40℃に変更したので、得られた厚さ40μmの未延伸熱可塑性樹脂フィルム3のMD方向の引張降伏強度は14.7MPa、TD方向の引張降伏強度は14.3MPa、右斜め45度方向の引張降伏強度は14.4MPa、左斜め45度方向の引張降伏強度は14.2MPaであった(表1参照)。
<比較例3>
アニーリング処理の温度を70℃に代えて50℃に設定した以外は、実施例1と同様にして、包装材を得た。なお、アニーリング処理温度を70℃から50℃に変更したので、得られた厚さ40μmの未延伸熱可塑性樹脂フィルム3のMD方向の引張降伏強度は16.0MPa、TD方向の引張降伏強度は12.8MPa、右斜め45度方向の引張降伏強度は15.9MPa、左斜め45度方向の引張降伏強度は15.5MPaであった(表1参照)。
<比較例4>
アニーリング処理の温度を70℃に代えて60℃に設定した以外は、実施例1と同様にして、包装材を得た。なお、アニーリング処理温度を70℃から60℃に変更したので、得られた厚さ40μmの未延伸熱可塑性樹脂フィルム3のMD方向の引張降伏強度は17.5MPa、TD方向の引張降伏強度は14.2MPa、右斜め45度方向の引張降伏強度は14.5MPa、左斜め45度方向の引張降伏強度は13.9MPaであった(表1参照)。
なお、実施例1〜3および比較例1〜4の包装材を作成するのに使用した未延伸熱可塑性樹脂フィルム(厚さ40μm)の引張降伏強度は、次のようにして測定した引張降伏強度(引張降伏強さ)である。
<引張降伏強度の測定法>
JIS K7127−1999(プラスチックフィルムの引張試験方法)に準拠して、未延伸熱可塑性樹脂フィルム(厚さ40μm)についてタイプ2の試験片(長さ150mm以上)を作成し、試料幅15mm、評点間距離50mm、引張速度300mm/分の条件で引張試験を行って、引張降伏強度(引張降伏強さ)を求めた。S−S曲線での降伏点の荷重を引張降伏強度とする。
上記のようにして得られた各包装材について下記評価法に基づいて評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006276047
<しわ発生防止性評価法>
エージング処理を経て巻芯に巻き取られた状態の包装材1を別の巻芯に巻き直す際に、該包装材1におけるしわ発生の有無やその状態を目視で調べて、下記判定基準に基づいて評価した。
(判定基準)
「◎」…皺の発生が認められなかった、又は皺があっても1つの皺の長さが全て20mm未満である
「○」…皺が認められるが、1つの皺の長さが全て20mm〜100mmの範囲である
「×」…皺が認められ、1つの皺の長さが100mmを超えているものが半数を占めていて、皺が顕著であって、外観品位に劣っている。
<シール強度の測定法>
包装材1を切り出して、15mm幅×長さ200mmの大きさの短冊状の試験片を2枚得た。前記2枚の試験片を内側層3同士が接触するように重ね合わせた後、200℃に設定されたバーシーラーで内側層3同士をヒートシール接合した。
しかる後、シール接合された2枚の試験片をJIS K7127−1999に準拠して、最初のチャック間距離100mm、引張速度300mm/分で180度剥離することによって、15mm幅当たりのシール強度(MPa)を測定した。なお、この15mm幅当たりのシール強度は、70MPa以上を合格とした。
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜3、参考例の包装材は、巻芯に巻かれた状態で接着剤の硬化促進のための加熱処理(エージング処理)を行っているが、皺の発生が殆どなくて外観品位に優れていると共に、十分なシール強度も得られていた。
これに対し、本発明の規定範囲を逸脱している比較例1〜4の包装材では、巻芯に巻かれた状態での加熱処理(エージング処理)により、皺が顕著に生じていた。
本発明に係る包装材は、ノートパソコン用、携帯電話用、車載用、定置型のリチウムイオンポリマー二次電池等の電池のケースとして好適に用いられ、これ以外にも、食品の包装材、医薬品の包装材として好適であるが、特にこれらの用途に限定されるものではない。中でも、電池ケース用として特に好適である。
1…包装材
2…耐熱性樹脂層(外側層)
3…熱可塑性樹脂フィルム層(内側層)
4…金属箔層
11…成形ケース
31…中間層
32…被覆層

Claims (7)

  1. 外側層としての耐熱性樹脂層と、内側層としての熱可塑性樹脂フィルム層と、これら両層間に配設された金属箔層とを含む包装材であって、
    前記熱可塑性樹脂フィルム層として、ブロック共重合ポリプロピレンを含有してなる中間層の両面に、ランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層が積層一体化された3層共押出積層フィルムであって、該3層共押出積層フィルムの、フィルム押出し方向での引張降伏強度が15MPa以上、前記フィルム押出し方向に直交する方向での引張降伏強度が15MPa以上、前記フィルム押出し方向に対し右斜め45度の方向での引張降伏強度が15MPa以上、前記フィルム押出し方向に対し左斜め45度の方向での引張降伏強度が15MPa以上である3層共押出積層フィルムが用いられていることを特徴とする包装材。
  2. 前記熱可塑性樹脂フィルムとして、
    フィルム押出し方向での引張降伏強度が15MPa〜25MPa、前記フィルム押出し方向に直交する方向での引張降伏強度が15MPa〜25MPa、前記フィルム押出し方向に対し右斜め45度の方向での引張降伏強度が15MPa〜25MPa、前記フィルム押出し方向に対し左斜め45度の方向での引張降伏強度が15MPa〜25MPaである熱可塑性樹脂フィルムが用いられている請求項1に記載の包装材。
  3. 前記熱可塑性樹脂フィルムのフィルム押出し方向での引張降伏強度を「V」とし、前記フィルム押出し方向に直交する方向での引張降伏強度を「W」とし、前記フィルム押出し方向に対し右斜め45度の方向での引張降伏強度を「X」とし、前記フィルム押出し方向に対し左斜め45度の方向での引張降伏強度を「Y」としたとき、以下の3つの関係式が成立することを特徴とする請求項1または2に記載の包装材。
    W/V ≧0.85
    X/V ≧0.88
    Y/V ≧0.88
  4. 前記熱可塑性樹脂フィルム層は、エチレン含有率が10質量%〜20質量%、融点が155℃〜170℃、MFRが0.5g/10分〜20g/10分であるブロック共重合ポリプロピレンを含有してなる中間層の両面に、エチレン含有率が1質量%〜10質量%、融点が135℃〜165℃、MFRが0.5g/10分〜20g/10分であるランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層が積層一体化された3層共押出積層フィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装材。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の包装材を深絞り成形または張り出し成形してなる成形ケース。
  6. 電池ケースとして用いられる請求項に記載の成形ケース。
  7. 金属箔層の一方の面に第1接着剤を介して耐熱性樹脂層が貼り合わされると共に、前記金属箔層の他方の面に第2接着剤を介して熱可塑性樹脂フィルム層が貼り合わされてなる積層物を巻芯に捲回して、この捲回状態で加熱エージング処理を行うことにより、第1接着剤および第2接着剤の硬化を行う工程を含み、
    前記熱可塑性樹脂フィルム層として、ブロック共重合ポリプロピレンを含有してなる中間層の両面にランダム共重合ポリプロピレンを含有してなる被覆層が積層一体化された3層共押出積層フィルムであって、該3層共押出積層フィルムの、フィルム押出し方向での引張降伏強度が15MPa以上、前記フィルム押出し方向に直交する方向での引張降伏強度が15MPa以上、前記フィルム押出し方向に対し右斜め45度の方向での引張降伏強度が15MPa以上、前記フィルム押出し方向に対し左斜め45度の方向での引張降伏強度が15MPa以上である3層共押出積層フィルムを用いることを特徴とする包装材の製造方法。
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