JP2013241850A - バルブ装置 - Google Patents

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勇一朗 守谷
Koji Hashimoto
考司 橋本
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

【課題】内燃機関の吸排気系統を構成するバルブ装置において、アクチュエータの負荷を低減する。
【解決手段】バルブ装置によれば、回転角を閉側から新規の目標角に略一致させて維持したい場合に、行過ぎ制御により、一旦、回転角を行過ぎ角に略一致させる。その後、回転角を新規の目標角に略一致させることで、回転角を開側から新規の目標角に略一致させて維持する。これにより、回転角を閉側から新規の目標角に略一致させて維持したい場合に、アクチュエータのトルクと回転角との相関におけるヒステリシスを利用してアクチュエータの負荷を低減することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の吸排気系統を構成するバルブ装置に関する。
従来から、内燃機関の吸排気系統を構成するバルブ装置として、吸入空気の内燃機関への吸入量を制御するスロットル装置や(例えば、特許文献1参照。)、排気ガスの吸気側への還流量を制御するEGR装置が周知である。また、バルブ装置は、流路を流れる流体の流量を増減する弁体と、弁体を回転駆動する出力を発生するアクチュエータと、アクチュエータの動作を制御することにより、弁体の回転角を目標とする流量に対応する目標角に略一致させる制御手段とを備える。
ところで、弁体は、回転角を所定の初期角に戻すためのリターンスプリングにより、常時、回転付勢されている。また、弁体の回転軸は、各種の軸受により支持されたり、シール部材の接触を受けたりする。このため、アクチュエータは、弁体を回転駆動するときに、リターンスプリングの付勢力、ならびに軸受およびシール部材の摺動抵抗等の合計を超える出力を発生する必要があり、アクチュエータの負荷は大きい。
特許第4259315号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、内燃機関の吸排気系統を構成するバルブ装置において、アクチュエータの負荷を低減することにある。
本発明のバルブ装置は、内燃機関の吸排気系統を構成する流路に収容され、流路を流れる流体の流量を増減する弁体と、弁体を回転駆動する出力を発生するアクチュエータと、アクチュエータの動作を制御することにより、弁体の回転角を目標とする流量に対応する目標角に略一致させる制御手段とを備える。
そして、制御手段は、回転角を目標角よりも閉側の角度から開側に変化させて目標角に略一致させるときに、回転角を目標角よりも所定の角度幅だけ開側に行き過ぎた行過ぎ角に略一致するようにアクチュエータの動作を制御し、回転角が行過ぎ角に略一致した後、回転角が目標角に略一致するようにアクチュエータの動作を制御する。
これにより、アクチュエータの出力と回転角との相関におけるヒステリシスを利用してアクチュエータの負荷を低減することができる。つまり、アクチュエータの出力により回転角を目標角に維持する場合、回転角を開側から目標角に略一致させたときの方が、閉側から略一致させたときよりも小さい出力で回転角を目標角に維持することができる。
そこで、回転角を閉側から目標角に略一致させて維持したい場合に、一旦、回転角を目標角よりも所定の角度幅だけ開側に行き過ぎた行過ぎ角に略一致させる。その後、回転角を目標角に略一致させることで、回転角を開側から目標角に略一致させて維持する。これにより、回転角を閉側から目標角に略一致させて維持したい場合に、アクチュエータの出力と回転角との相関におけるヒステリシスを利用してアクチュエータの負荷を低減することができる。
(a)はバルブ装置の構成を示す断面図であり、(b)はバルブ装置とECUとの信号の入出力を示すブロック図である(実施例)。 バルブ装置のギヤ室内を示す平面図である(実施例)。 アクチュエータの出力と弁体の回転角との相関を示す特性図である(実施例)。 バルブ装置の制御方法を示すフローチャートである(実施例)。
実施形態のバルブ装置を実施例に基づき説明する。
〔実施例の構成〕
実施例のバルブ装置1の構成を、図1〜図3に基づいて説明する。
ここで、バルブ装置1は、内燃機関(図示せず。)の吸排気系統を構成するものであり、例えば、排気ガスの吸気側への還流量を制御するEGR装置に適用されて車両のエンジンルームに搭載されている。そして、バルブ装置1は、以下に説明する弁体2、アクチュエータ3、および制御手段4を備える。なお、制御手段4は、内燃機関の運転状態を制御する内燃機関制御用の電子制御ユニットであり、CPU、記憶装置、入出力装置および各種の駆動回路等を有する周知の構成からなる(以下、制御手段4をECU4と呼ぶ。)。
弁体2は、排気ガスを吸気側に還流するための流路(以下、EGR流路6と呼ぶ。)の開度を変化させ、EGR流路6を流れる排気ガスの流量(以下、EGR流量と呼ぶ。)を増減するものであり、例えば、厚みを有する円板状のバタフライ弁である。また、弁体2は、回転軸7に対して傾斜するように回転軸7の一端に溶接等されて一体化し、回転軸7と鋭角を形成している。
ここで、回転軸7は、バルブ装置1のハウジング8に装着されたメタル軸受9およびボールベアリング10により回転自在に支持されるとともに、オイルシール11により接触されている。また、オイルシール11は、EGR流路6から排気ガスが漏出するのを防止するものである。
また、弁体2の周縁には、例えば、C字状のシールリング13が嵌まっている。そして、シールリング13は、EGR流路6を閉鎖するときに、流路壁に環状に摺接して弁体2の周縁と流路壁との間を封鎖する。このとき、シールリング13は、合口を狭めるように弾性変形した状態で流路壁に摺接する。
また、弁体2は、円筒状のノズル14に回転自在に収容されており、ノズル14は、バルブ装置1のハウジング8に圧入されている。ここで、ノズル14は、EGR流路6の一部を構成するものであり、シールリング13の摺接を受ける。そして、弁体2およびノズル14は耐熱性、耐腐食性等の点から、例えば、ステンレス鋼を素材として設けられ、ハウジング8は軽量化等の点から、アルミニウム合金を素材として設けられている。
また、回転軸7の他端には、弁体2の回転角を検出する回転角センサ15が設けられている。すなわち、回転軸7の他端には、永久磁石等の磁束発生手段が一体化されて回転軸7とともに回転する。また、ホールIC等の磁電変換素子16が、磁束発生手段と回転軸7の軸方向に対向するように、磁束変換手段に対し相対的に静止して配置されている。これにより、回転角センサ15は、回転角に応じたホール電圧を発生するとともに回転角を示す信号を合成してECU4に出力する。そして、ECU4は、回転角センサ15の出力信号に基づき回転角を把握するとともに、把握した回転角の数値(検出値)に基づき、アクチュエータ3に指令を与える。
アクチュエータ3は、弁体2を回転駆動するトルクを発生する電動機18、および電動機18が発生するトルクを増幅して弁体2に伝達する減速機19を有する。
電動機18は、ECU4からの指令に応じて正転または逆転することができるものであり、ECU4は、回転角の検出値に基づき、電動機18に指令を与えて弁体2を開側または閉側のいずれかの方向に回転させる。
減速機19は、電動機18の出力軸に装着されたモータギヤ20と、回転軸7の他端に装着されて弁体2および回転軸7とともに回転するバルブギヤ21と、モータギヤ20と噛み合う大径歯車22およびバルブギヤ21と噛み合う小径歯車23を同軸的に有する中間ギヤ24とからなる。
また、弁体2は、回転角を所定の初期角に戻すためのスプリング26により回転付勢されている。ここで、初期角は、EGR流量がゼロに限りなく近い最小値となるときの回転角(以下、全閉角と呼ぶ。)として設定されている(以下、EGR流量が最大値となるときの回転角を全開角と呼ぶ。また、回転角が全閉角から全開角に向かう回転方向を開側とし、全開角から全閉角に向かう回転方向を閉側とする。)。
スプリング26は、U字状のフック27により2つの捩りバネ28、29を結合したものであり、捩りバネ28、29は、互いに異なる方向に捩られて回転軸7と同軸にセットされている。捩りバネ28は、一端28aがハウジング8に引っ掛かって固定され、他端がフック27に結合されている。また、捩りバネ29は、他端29bがバルブギヤ21に引っ掛かってバルブギヤ21とともに回転し、一端がフック27に結合されている。
そして、以下に説明するオープナ31の機能により、捩りバネ28は、全閉角よりも開側の回転角において弁体2を閉側に回転付勢し、捩りバネ29は、全閉角よりも閉側の回転角において弁体2を開側に回転付勢する。
オープナ31は、回転角が全閉角よりも閉側であるときに、捩りバネ28による弁体2に対する回転付勢を解除するものであり、ハウジング8に捩じ込まれるスクリュー32により構成されている。スクリュー32は、減速機19が収容されるギヤ室33に先端32aが露出するようにハウジング8に捩じ込まれている。そして、スクリュー32は、弁体2が全閉角よりも開側の回転角から閉側に向かって回転してきたときに全閉角において先端32aによりフック27を係止することができるように捩じ込み量が調節されている。
これにより、捩りバネ28、29による弁体2に対する回転付勢の状態は、全閉角を境にして以下のように変化する。
すなわち、回転角が全閉角よりも開側であるとき、フック27は、バルブギヤ21に設けられたフックレバー34に係止され、弁体2とともに回転する。このため、捩りバネ28は、一端28aがハウジング8に固定され、他端(フック27)がバルブギヤ21とともに回転するので、フック27とフックレバー34との係止を介して弁体2に付勢力を伝達し、弁体2を閉側に回転付勢する。このとき、捩りバネ29は、両端ともにバルブギヤ21に保持されて実質的に機能していない。
また、回転角が全閉角よりも閉側の回転角にあるとき、フック27は、先端32aに係止されて弁体2に対し相対的に静止する。このため、捩りバネ28は、両端ともにハウジング8に保持されて実質的に機能せず、弁体2に対する回転付勢が解除される。このとき、捩りバネ29は、一端(フック27)がスクリュー32を介してハウジング8に固定され、他端29bがバルブギヤ21とともに回転するので、他端29bとバルブギヤ21との係止を介して弁体2に付勢力を伝達し、弁体2を開側に回転付勢する。
また、オープナ31に関し、スクリュー32を用いるのではなく、ハウジング8の一部によりフック27を係止することができるようにハウジング8を成形してもよい。この場合、全閉角においてフック27を係止可能とするための調整は、例えば、弁体2を回転軸7に溶接等する際に行うことができる。
さらに、弁体2は、全閉角よりも閉側の規制角においてストッパ36により、過剰な閉側への回転を規制されている。
ストッパ36は、ハウジング8に捩じ込まれるスクリュー37により構成されており、スクリュー37は、スクリュー32と同様にギヤ室33に先端37aが露出するようにハウジング8に捩じ込まれている。
そして、スクリュー37は、弁体2が規制角よりも開側の回転角から閉側に向かって回転してきたときに規制角において先端37aによりバルブギヤ21を係止することができるように捩じ込み量が調節されている。
ここで、バルブギヤ21は、径方向外側に突出する突起21aを有し、スクリュー37は、規制角において突起21aを係止することでバルブギヤ21の回転を規制する。
また、ストッパ36に関し、スクリュー37を用いるのではなく、ハウジング8の一部により突起21aを係止することができるようにハウジング8を成形してもよい。この場合、規制角において突起21aを係止可能とするための調整は、例えば、弁体2を回転軸7に溶接等する際に行うことができる。
なお、弁体2は、例えば、シールリング13やノズル14の内周壁に付着したデポジットを掻き落す必要があるときに、全閉角よりも閉側に回転駆動されて捩りバネ29により開側に回転付勢される。
ECU4は、アクチュエータ3の動作を制御することにより、弁体2の回転角を目標とする流量に対応する目標角に略一致させるものである。すなわち、ECU4は、回転角センサ15から得られる回転角の検出値に基づき、電動機18を通電制御するための指令信号を合成して駆動回路に出力する。そして、ECU4は、駆動回路を介して電動機18を通電制御することで電動機18を正転または逆転させ、回転角の検出値を目標角に略一致させる。
ここで、アクチュエータ3が発生するトルクと回転角との相関はヒステリシスを示す(図3参照。)。すなわち、回転角を開側に移行させたり、回転角を閉側から目標角に略一致させて維持させたりする場合に必要なトルクと回転角との相関を相関線αで表記する。また、回転角を閉側に移行させたり、回転角を開側から目標角に略一致させて維持させたりする場合に必要なトルクと回転角との相関を相関線βで表記する。この場合、相関線αの方が回転角の全範囲において、相関線βよりも高トルク側に存在する。
そして、ECU4は、回転角を目標角よりも閉側の角度から開側に変化させて目標角に略一致させるときに、以下のような行過ぎ制御を実行する。
すなわち、行過ぎ制御とは、回転角を目標角よりも所定の角度幅だけ開側に行き過ぎた行過ぎ角に略一致するように電動機18を通電制御することである。つまり、ECU4は、回転角を目標角よりも閉側の角度から開側に変化させて目標角に略一致させるときに、行過ぎ制御により回転角を行過ぎ角に略一致させた後、回転角を目標角に略一致させる。
そして、行過ぎ制御に関し、行過ぎ角と目標角との角度幅Δは、回転角を行過ぎ角から目標角に向かって閉側に変化させるときに、確実に相関線βに従って変化することができるように所定の閾値よりも広く設定されている。つまり、角度幅Δが狭すぎる場合、回転角が行過ぎ角から目標角に向かって閉側に変化するときに相関線αに従う虞があるので、角度幅Δは、このような虞がないように広めに設定される。
〔実施例の制御方法〕
実施例のバルブ装置1の制御方法を、図4のフローチャートに基づき説明する。
なお、以下に説明する制御方法は、回転角を従前の目標角から新規の目標角までステップ状に変化させるときの例を示すものである。
まず、ステップS1で、新規の目標角が従前の目標角よりも開側であるか否かを判定する。そして、新規の目標角が従前の目標角よりも開側である場合(YES)、ステップS2に進み、新規の目標角が従前の目標角よりも開側でない場合(NO)、図4の制御フローを終了する。
ステップS2では、回転角の指令値を行過ぎ角に設定する。これにより、回転角の検出値は、相関線αに従って従前の目標角から、新規の目標角を超えて行過ぎ角まで変化する。そして、ステップS3で回転角の検出値が行過ぎ角に略一致したか否かを判定し、検出値が行過ぎ角に略一致している場合(YES)、ステップS4に進み、検出値が行過ぎ角に略一致していない場合(NO)、検出値が行過ぎ角に略一致するまで待機する。
ステップS4では、回転角の指令値を新規の目標角に設定する。これにより、回転角の検出値は、相関線βに従って行過ぎ角から新規の目標角まで変化する。そして、ステップS5で回転角の検出値が新規の目標角に略一致したか否かを判定し、検出値が新規の目標角に略一致している場合(YES)、図4の制御フローを終了し、検出値が新規の目標角に略一致していない場合(NO)、検出値が新規の目標角に略一致するまで待機する。
〔実施例の効果〕
実施例のバルブ装置1によれば、ECU4は、回転角を目標角よりも閉側の角度から開側に変化させて目標角に略一致させるときに、行過ぎ制御により回転角を行過ぎ角に略一致させた後、回転角を目標角に略一致させる。
これにより、アクチュエータ3のトルクと回転角との相関におけるヒステリシスを利用してアクチュエータ3の負荷を低減することができる。つまり、アクチュエータ3のトルクにより回転角を目標角に維持する場合、回転角を開側から目標角に略一致させたときの方が、閉側から略一致させたときよりも小さいトルクで回転角を目標角に維持することができる。
そこで、回転角を閉側から目標角に略一致させて維持したい場合に、行過ぎ制御により、一旦、回転角を行過ぎ角に略一致させる。その後、回転角を目標角に略一致させることで、回転角を開側から目標角に略一致させて維持する。これにより、回転角を閉側から目標角に略一致させて維持したい場合に、アクチュエータ3のトルクと回転角との相関におけるヒステリシスを利用してアクチュエータ3の負荷を低減することができる。
〔変形例〕
バルブ装置1の態様は、実施例に限定されず種々の変形例を考えることができる。
例えば、実施例のバルブ装置1は、EGR装置に適用されていたが、バルブ装置1を、吸入空気の内燃機関への吸入量を制御するスロットル装置に適用してもよい。
1 バルブ装置 2 弁体 3 アクチュエータ 4 ECU(制御手段) 6 EGR流路(流路) Δ 角度幅

Claims (1)

  1. 内燃機関の吸排気系統を構成する流路(6)に収容され、この流路(6)を流れる流体の流量を増減する弁体(2)と、
    この弁体(2)を回転駆動する出力を発生するアクチュエータ(3)と、
    このアクチュエータ(3)の動作を制御することにより、前記弁体(2)の回転角を目標とする流量に対応する目標角に略一致させる制御手段(4)とを備え、
    この制御手段(4)は、前記回転角を前記目標角よりも閉側の角度から開側に変化させて前記目標角に略一致させるときに、前記回転角を前記目標角よりも所定の角度幅(Δ)だけ開側に行き過ぎた行過ぎ角に略一致するように前記アクチュエータ(3)の動作を制御し、前記回転角が前記行過ぎ角に略一致した後、前記回転角が前記目標角に略一致するように前記アクチュエータ(3)の動作を制御することを特徴とするバルブ装置(1)。
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