JP2013241701A - 弾性繊維及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハードセグメントが(a)芳香族ジカルボン酸と(b)アルキレングリコール単位とから構成され、ソフトセグメントが(a)芳香族ジカルボン酸単位と(c)ポリアルキレンエーテルグリコール単位から構成され、ソフトセグメントの長鎖ジオール成分の重量比が50%以上である弾性樹脂を、紡糸速度2000〜10000m/分で溶融紡糸する。
【選択図】なし
Description
[1]弾性繊維を製造する方法であって、ハードセグメントとソフトセグメントとを含む弾性樹脂を、紡糸速度2000〜10000m/分で溶融紡糸する工程を含む方法;
[2]前記ハードセグメントが(a)芳香族ジカルボン酸単位と(b)アルキレングリコール単位とから構成され、前記ソフトセグメントが(a)芳香族ジカルボン酸単位と(c)ポリアルキレンエーテルグリコール単位とから構成される[1]に記載の方法;
[3]前記(b)アルキレングリコール単位が、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、及び1,4−ブタンジオールから選択される少なくとも1種に由来する単位である、[2]に記載の方法。
[4]前記(c)ポリアルキレンエーテルグリコール単位が、ポリトリメチレンエーテルグリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールから選択される少なくとも1種に由来する単位である、[2]又は[3]に記載の方法。
[5]前記樹脂中における前記ソフトセグメントの長鎖ジオール成分の重量比が50%以上である、[1]〜[4]の何れか一項に記載の方法;
[6]前記樹脂中における前記ソフトセグメントの長鎖ジオール成分の数平均分子量が1000〜10000である、[1]〜[5]の何れか一項に記載の方法;
[7]前記ソフトセグメントを構成する長鎖ジオール成分由来の構成単位のうち、少なくとも50%が、ポリトリメチレンエーテルグリコールに由来する単位からなる、[1]〜[6]の何れか一項に記載の方法;及び
[8][1]〜[7]の何れか一項に記載の方法により製造される弾性繊維;
に存する。
(1)紡糸過程中の配向結晶化により紡糸過程のみで安定した高次構造が得られる。
(2)応力−歪特性を幅広く制御可能である。
(3)弾性回復性に極めて優れる。
(4)ソフトセグメントの材料として、特定の成分(ポリトリメチレンエーテルグリコール)を用いることにより、0℃以下の低温域でも低引張弾性率及び高弾性回復特性を維持する。
・概要
本発明の弾性繊維の製造方法は、弾性樹脂を溶融紡糸する工程を含む。
溶融紡糸は通常、原料となる樹脂を押出機などを用いて融点以上に加熱して得た溶融状態の樹脂を、紡糸口より空気中もしくは必要に応じて冷却された空気中に吐出し、吐出された溶融糸条を細化させながら空気で冷却固化し、その後一定の速度で巻き取るという手法である。
図1は、PETやPA等の合成繊維を工業的に生産する場合に用いられる溶融紡糸・巻取装置の主な構成を模式的に示す図である。図1の溶融紡糸・巻取装置において、供給口(1)から供給されたペレット状の樹脂は、押出機(2)を通じて溶融されながら押出され、紡糸ヘッド(3)に取り付けられた紡糸口より空気中に吐出される。吐出された溶融糸条は、細化されながら空気で冷却固化し、第一ゴデットローラー(4)及び第二ゴデットローラー(5)を経て、最後にボビン(6)に巻き付けられる。
本発明の弾性繊維の製造方法は、当該溶融紡糸の工程を、従来よりも遥かに速い紡糸速度で実施することを特徴とする。
(1)紡糸過程中の配向結晶化により紡糸過程のみで安定した高次構造が得られる。
(2)応力−歪特性を幅広く制御可能である。
(3)弾性回復性に極めて優れる。
(4)ソフトセグメントの材料として、特定の成分(ポリトリメチレンエーテルグリコール)を用いることにより、0℃以下の低温域でも低引張弾性率及び高弾性回復特性を維持する。
本発明において、紡糸口からゴデットローラーまでの距離(図1においてLで示す距離。以下「紡糸道長」という場合がある)は、溶融樹脂の冷却の観点から、通常50cm以上、中でも100cm以上であることが好ましい。但し、紡糸速度の高速化における空気抵抗応力増加の観点から、通常800cm以下、中でも500cm以下、更には300cm以下であることが好ましい。
紡糸速度以外の溶融紡糸の条件は、樹脂によっても異なり、限定されないが、例としては以下の通りである。
本発明で使用される弾性樹脂は、ハードセグメントとソフトセグメントとを含む樹脂である。
しかし、その後の合成樹脂の発展に伴って、熱可塑性樹脂等でもゴム様の優れた弾性性能を有する樹脂を形成する事が可能であることが判った。
本発明の製造方法において、弾性樹脂としては、一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
以下、本発明のポリエーテルエステル樹脂について詳しく説明する。
本発明のポリエーテルエステル樹脂は、下記式(1)で表されるハードセグメントと、下記式(2)で表わされるソフトセグメントとを主な構成単位とする共重合体である。
中でもC2〜6アルキレン基が好ましく、特に直鎖状のC2〜4アルキレン基が好ましい。
式(2)において、nは、R3の繰り返し数を表わす整数である。
式(2)において、R3は、C1〜6アルキレン基を表わす。
一方、式(2)のソフトセグメントは、下記式(a)の芳香族ジカルボン酸単位と、下記式(c)で表されるポリアルキレンエーテルグリコール単位とに分けられる(以降、夫々「単位(a)」、「単位(b)」、「単位(c)」という場合がある。)。
以下、単位(a)〜(c)及びその原料について説明する。
単位(a)の原料(これを「芳香族ジカルボン酸成分」或いは単に「成分(a)」という場合がある。)としては、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸エステル等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸は、後述の直接重合法に用いられ、芳香族ジカルボン酸エステルは、後述のエステル交換法に用いられる。
単位(b)の原料(これを「アルキレングリコール成分」(または短鎖ジオール成分とも称する)或いは単に「成分(b)」という場合がある。)としては、C2〜8、好ましくはC2〜6のアルキレングリコール等が挙げられる。具体例としては、限定されるものではないが、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。中でも、樹脂の合成反応の平易さ及びハードセグメントとしての結晶性が良い等の理由から、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール等が好ましく、更に得られる樹脂の弾性特性等が優れる又は結晶化速度が比較的速い等の理由から、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等が特に好ましい。
単位(c)の原料(これを「ポリアルキレンエーテルグリコール成分」或いは単に「成分(c)」という場合がある。)としては、C1〜6のアルキレンエーテル鎖を繰り返し単位とするポリアルキレンエーテルグリコールが挙げられる。
特に、成分(c)としては、ポリトリメチレンエーテルグリコールがとりわけ好ましい。成分(c)としてポリトリメチレンエーテルグリコールを用いた弾性樹脂を原料として得られる本発明の弾性繊維は、後述のように、従来実現が不可能とされてきた0℃以下の低温域でも、低引張弾性率及び高弾性回復特性を維持するという利点がある。更には、PO3Gが、植物由来による原料である1,3−プロパンジオールから成る事より、今日的に重要視されている非石油由来物質(言い換えると、再生可能性材料;Renewable Materialsと称する場合がある。)に近い製品とみなされる利点もある。
本発明のポリエーテルエステル樹脂に使用される成分(a)〜(c)の総量に対する成分(c)の含有率は、樹脂に十分な弾性を付与する観点から、通常50重量%以上、中でも60重量%以上、更には70重量%以上とすることが好ましい。但し、樹脂の強度を維持する観点から、通常95重量%以下、中でも93重量%以下、更には90重量%以下、特に85重量%以下とすることが好ましい。
本発明のポリエーテルエステル樹脂は、上述の単位(a)〜(c)に加えて、他の成分に由来する部分構造単位を併用してもよい。但し、その場合でも、本発明のポリエーテルエステル樹脂は、主に上述の単位(a)〜(c)から構成される。具体的には、本発明のポリエーテルエステル樹脂に対する、上述の単位(a)〜(c)の合計の量比(即ち、本発明のポリエーテルエステル樹脂の製造時に使用される全単量体成分の合計量に対する、成分(a)〜(c)の合計量の比)は、通常70重量%以上、中でも80重量%以上、更には90重量%以上が好ましい。
本発明のポリエーテルエステル樹脂を製造する方法は制限されず、従来公知の任意のポリエーテルエステル樹脂の製造方法を採用することができる。具体例としては、以下の方法が挙げられる。
本発明のポリエーテルエステル樹脂の合成時には触媒を使用してもよい。触媒を使用する場合、直接重合法ではエステル交換反応時及び/又は重縮合反応時、エステル交換法ではエステル交換反応時及び/又は重縮合反応時に使用することができる。何れの反応に使用するかは任意であるが、直接重合法及びエステル交換法ともに、少なくとも重縮合反応時に触媒を用いることが好ましい。
本発明のポリエーテルエステル樹脂は、共重合体として製造した後、各成分の種類や重量比率等によっては、その結晶化速度が遅いために、樹脂自体が軟らかく、かつ、樹脂表面の粘着性が高くなる場合がある。従って、実際の樹脂製造における抜き出し工程において、抜き出したストランド同士が融着したり、通常のペレタイザーではカッティングができなかったり、またカッティングした後に、ペレット同士が融着する等の弊害が生じる場合がある。その様な場合には、結晶核剤を導入することによって、上記の問題を抑制出来ることがある。
中でも、結晶核剤としては、ステアリン酸ナトリウム、モンタン酸ナトリウム等の有機カルボン酸金属塩、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が好ましい。
本発明のポリエーテルエステル樹脂の製造時には、酸化防止剤を使用してもよい。
酸化防止剤は、ポリエーテルエステル樹脂の製造中又は製造後の任意の時期に加えることが出来る。特に、ポリアルキレンエーテルグリコール成分(c)が高温に曝される時点、例えば共重合反応に入る時点で、ポリアルキレンエーテルグリコール成分の酸化劣化を防止するために、共重合反応を阻害せず、また触媒の機能を損なわない限りにおいて、酸化防止剤を加えることが望ましい。
本発明のポリエーテルエステル樹脂を製造する際の反応条件としては、公知の常用条件を用いることができる。例えば、直接重合法やエステル交換法においては、以下の通りである。
通常、上記のように溶融重縮合して得られた本発明のポリエーテルエステル樹脂は、その融点以上の温度で保持され、順次、反応缶等の反応器から吐出、ペレタイジング等の成形が行なわれる。なお、ここで得られたペレットは、必要に応じて、更に固相重合してもよい。
上述した本発明の製造方法によって得られる弾性繊維(本発明の弾性繊維)は、以下の特徴を有する。
(1)紡糸過程中の配向結晶化により紡糸過程のみで安定した高次構造が得られる。
(2)応力−歪特性を幅広く制御可能である。
(3)弾性回復性に極めて優れる。
(4)ソフトセグメントの材料として、特定の成分(ポリトリメチレンエーテルグリコール)を用いることにより、0℃以下の低温域でも低引張弾性率及び高弾性回復特性を維持する。
また、本発明の繊維は、自動車の内装用に使用される繊維製品としても適する。
ポリエーテルエステル樹脂の重合度を表すインヘレント粘度(ηinh)及び、ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量(Mn)は、以下の方法に基づき実施した。
ウベローデ型粘度計を使用し、次の要領で求めた。すなわち、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃において、濃度0.5g/dlのポリマー溶液および溶媒のみの落下秒数を測定し、以下の式により求めた。
ηinh=lnηrel/c
ηrel=ポリマー溶液の落下秒数/溶媒の落下秒数
c=濃度(g/dl)
ポリアルキレンエーテルグリコール末端の水酸基を無水フタル酸でエステル化させ、未反応の無水フタル酸をフタル酸に分解後、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリで逆滴定(末端基滴定法)することにより水酸基価を求め、その値から算出した。
<ポリエーテルエステル樹脂の製造例1;PBT−PO4G樹脂>
窒素導入口,減圧口等を供えたエステル交換反応に適した反応槽の容量が1m3の重合反応器を用いて、エステル交換法により目標とするポリエーテルエステル樹脂の重合反応を行った。反応槽に、テレフタル酸ジメチル54.69kg、1,4−ブタンジオール31.93kg、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mn;1979)144.53kgを仕込み、そこにTi系触媒を加え減圧置換後、窒素下で昇温しながらエステル交換反応を行った。その後、更にTi系触媒とヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加し、引き続き重縮合反応を行い、目的とするインヘレント粘度(ηinh)に到達した時点で重合反応を終了した。反応終了後は、速やかに窒素置換と共に減圧を解除し、反応槽の底部より溶融状態の樹脂を抜出し、水槽で冷却固化させながらペレタイザーを用いてペレット状のポリエーテルエステル樹脂を得た。
また、ポリエーテルエステル樹脂PBT−PO4Gのハードセグメントとソフトセグメントとの重量比(%)及びモル比(%)は、計算により各々以下の通りであった。
ハードセグメント/ソフトセグメントの重量比(%):23.0/77.0
ハードセグメント/ソフトセグメントのモル比(%):74.1/25.9
ポリアルキレンエーテルグリコールとしてポリトリメチレンエーテルグリコールを用い、テレフタル酸ジメチル、1,4−ブタンジオール、ポリトリメチレンエーテルグリコールの各仕込み重量を調整した他は、製造例1と同様の方法により目標とするポリエーテルエステル樹脂を得た。各々の仕込み重量は、テレフタル酸ジメチル52.53kg、1,4−ブタンジオール31.33kg、ポリトリメチレンエーテルグリコール(Mn;2166)145.33kgである。
また、ポリエーテルエステル樹脂PBT−PO3Gのハードセグメントとソフトセグメントとの重量比(%)及びモル比(%)は、計算により各々以下の通りであった。
ハードセグメント/ソフトセグメントの重量比(%):22.5/77.5
ハードセグメント/ソフトセグメントのモル比(%):75.2/24.8
図2は、実施例で使用した溶融紡糸・計測装置の構成を模式的に示す図である。図2に示す基本構成の溶融紡糸・計測装置を用いて、紡糸速度を種々変更しながら製造した上記の弾性樹脂PBT−PO4G繊維(以下「TPE−4/4」という場合もある)及びPBT−PO3G繊維(以下「TPE−4/3」という場合もある)を溶融紡糸し、繊維を作製した。なお、図2に示す巻取ロールの巻取速度が、図1を用いて上に説明した、繊維構造形成に関わる紡糸速度(第1ゴデットローラーにおける引取速度)に対応する。また、図2に示す紡糸口から巻取ロールまでの距離が、図1における紡糸道長Lに対応する。
紡糸線上の速度変化プロフィールを調べる為に、弾性樹脂の溶融紡糸時に、オンラインでの外径・速度計測を行った。繊維の外径は外径測定器(Zimmere OHG、Model460/A10)を用いて、紡糸ヘッド(ノズル)の吐出口(紡糸口)下10cmの位置から10cm刻みで260cmまで計測した。サンプリング周波数は1kHzとし、測定時間は6秒間とした。繊維の速度は、レーザードップラー速度計(TSI、Ls520)を用いて、ノズルの吐出口下20cmの位置から10cm刻みで280cmまで、更に285cm、289cmの位置で行った。サンプリング周波数は1kHzとし、各位置につき2000点のサンプリングが出来るまで測定した。
高速紡糸弾性繊維の広角X線回折(WAXD)及び小角X線散乱(SAXS)を調べるために、X線発生装置(Rigaku、RMT-18HFVE)を用いて、電圧45kV、電流60mAで出力し、CCDカメラ(Rigaku、CCD MERCURY)を用いて回折像を得た。広角X線回折(WAXD)については、照射時間10秒で5回積算することにより回折像を得た。小角X線散乱(SAXS)については、照射時間5分で6回積算することにより回折像を得た。
紡糸速度の異なる弾性繊維について、2倍伸長後(100%伸長後)の弾性回復率(ヒステリシス)を、以下の手順により、1度目の伸長及び2度目の伸長についてそれぞれ調べた。
1.歪速度1/分で繊維に1.0の歪を与え、2分間保持(図5中O→A→B)。
2.同じ速度(20mm/分)で初期長まで戻し(図5中B→C→O)、5分間保持。
3.同じ速度で引張り、応力の立ち上がり位置を確認(図5中O→D)。
4.1〜3をもう1サイクル行い、再度応力の立ち上がり位置を確認。
弾性繊維の紡糸挙動と得られる繊維物性の関係については、高速紡糸過程中に紡糸線に加わる高い伸長応力により、製造途中の繊維が弾性変形することを考慮しなければならない。高速域での紡糸線応力増加の2大要因は慣性力(材料が低速から高速に加速するときに生じる力)と、空気抵抗力であり、従って、紡糸線の下流域ほど伸長応力は高くなる。
一般の弾性繊維では、ハードセグメントが結晶化等による凝集力により架橋点として作用することで繊維の形態保持性が保たれるとともに、ソフトセグメントが、ガラス転移点以上の無定形の状態で、自由な分子運動による低弾性率特性に寄与している。従って、ソフトセグメントにガラス転移や結晶化が起こると弾性特性を喪失する。
Claims (8)
- 弾性繊維を製造する方法であって、ハードセグメントとソフトセグメントとを含む弾性樹脂を、紡糸速度2000〜10000m/分で溶融紡糸する工程を含む方法。
- 前記ハードセグメントが(a)芳香族ジカルボン酸単位と(b)アルキレングリコール単位とから構成され、前記ソフトセグメントが(a)芳香族ジカルボン酸単位と(c)ポリアルキレンエーテルグリコール単位とから構成される、請求項1に記載の方法。
- 前記(b)アルキレングリコール単位が、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、及び1,4−ブタンジオールから選択される少なくとも1種に由来する単位である、請求項2に記載の方法。
- 前記(c)ポリアルキレンエーテルグリコール単位が、ポリトリメチレンエーテルグリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールから選択される少なくとも1種に由来する単位である、請求項2又は3に記載の方法。
- 前記樹脂中における前記ソフトセグメントの長鎖ジオール成分の重量比が50%以上である、請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
- 前記樹脂中における前記ソフトセグメントの長鎖ジオール成分の数平均分子量が1000〜10000である、請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
- 前記ソフトセグメントを構成する長鎖ジオール成分由来の構成単位のうち、少なくとも50重量%が、ポリトリメチレンエーテルグリコールに由来する単位からなる、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
- 請求項1〜7の何れか一項に記載の方法により製造される弾性繊維。
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