JP2013241542A - 接着剤組成物及びこれを用いた接着剤シート並びに半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリアシートを半導体素子に接着する際の作業性が良好で、半導体素子に積層した後に良好な接着性を発揮し得る樹脂組成物及びこれを用いた接着剤シート並びに半導体素子を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂組成物とは、ガスバリアシートを半導体素子に接着する為の接着剤として用いられるものであって、間隙100μmのガラスプレート間に注型し、高圧水銀ランプでエネルギー2J/cm2の光照射をして調製した試験フィルムの温度30℃での貯蔵弾性率が1.0×103Pa以上であり、前記試験フィルムをガラス基板に貼り付け、150g/cm2の荷重下、温度100℃で0.5時間加熱した後の2次硬化引張せん断接着強さが0.003MPa超である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子にガスバリアシートを接着させるための接着剤組成物及びこれを用いた接着剤シート並びに半導体素子に関する。
半導体素子は、外部環境から守るため、種々の保護材でカバーされている。例えば有機EL素子も、このような保護が必要な半導体素子の一つである。より詳細には、有機EL素子は、応答速度が速く、鮮明な画像を広い視野角で表示でき、また、消費電力も少ないことから各種表示パネルに備えられる発光素子として注目されている。しかし有機EL素子は、大気中の水分や酸素により劣化し易く、経時的に発光特性が低下するといった問題も抱えている。そこで有機EL素子では、ガラス基板に、電極、発光層、正孔及び電子輸送層を形成した有機EL素子全体を、例えば、気密ケースで覆い、その内部を真空状態とするといった対策がとられている。
しかしながら、斯かる気密ケースを採用すると、有機EL素子自体の小型化や、さらにはこれが用いられる装置の小型化に限界が生じ、また有機EL素子の用途が限られてしまう。そこで、気密ケースに代わる技術として、特許文献1には、耐湿性を有する光硬化性樹脂層で有機EL素子を覆う技術が開示されている。また、特許文献2〜4には、接着層やシーラント層を介して金属や金属酸化物からなるバリア層により有機EL素子を被覆封止する技術が開示されており、上記接着層としては、エポキシ系樹脂光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤が単独で使用され、上記シーラント層としては、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンの酸変性物が使用されている。
特開平5−182759号公報 特開2008−10211号公報 特開2004−171806号公報 特開2002−50470号公報
ところでバリア層(ガスバリアフィルムなど)を接着剤で素子に貼り付けて素子を保護する技術は、上記有機EL素子のみならず、種々の半導体素子の保護に応用可能な技術である。しかし従来の技術では、素子基板(有機EL素子では、発光層や電極層などの各種部材が形成された基板)の上に接着剤(光硬化型接着剤、熱硬化型接着剤など)を直接塗布し、バリア層を積層した後、接着剤を硬化させており、組み立て作業時の工数が多く、作業性に劣るといった問題があった。
組み立て作業時の工数を減らすには、ガスバリアフィルムに接着剤を予め塗布しておいたもの(フィルムロール)を作製しておき、このロールからフィルムを引き出しつつ接着していくことが考えられる。しかしこの接着剤は、塗布時には作業性や塗布層の均一性を高めるために高い流動性が求められる一方で、塗布後はロールからのはみ出しを抑制するために低い流動性が求められ、さらに素子との接着時には高い接着性が求められる。この様にガスバリアフィルムに接着剤を予め塗布しておく場合、同一の接着剤でありながら、適用場面に応じてその要求特性が大きく変化し、そのいずれをも満足することは簡単な事ではない。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、ガスバリアシートを半導体素子に接着する為の接着剤用樹脂組成物であって、ガスバリアシートに容易に塗布でき、塗布後はその流動性を大きく抑制でき、且つ、半導体素子に適用する時には大きな接着力を示すもの及びこれを用いた接着剤シート並びに半導体素子を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決する為に鋭意検討した結果、接着剤組成物に2種類の硬化メカニズムを持たせておけば、未硬化物の段階で塗布することで流動性を任意に調整でき、そしてガスバリアシートに塗布後に1つめの硬化を行い、半導体素子に接着する際に2つめの硬化を行う様にすれば、各段階において所望の流動性と接着性を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち上記目的を達成し得た本発明の樹脂組成物とは、ガスバリアシートを半導体素子に接着する為の接着剤として用いられるものであって、
(1)間隙100μmのガラスプレート間に注型し、高圧水銀ランプでエネルギー2J/cm2の光照射をして調製した試験フィルムの温度30℃での貯蔵弾性率が1.0×103Pa以上であり、前記試験フィルムをガラス基板に貼り付け、150g/cm2の荷重下、温度100℃で0.5時間加熱した後の2次硬化引張せん断接着強さが0.003MPa超となる2種類の硬化メカニズムを有するか、又は、
(2)第1の硬化性樹脂とこれを硬化させるための第1の硬化剤、並びに第2の硬化性樹脂とこれを硬化させるための第2の硬化剤とを含み、前記第1及び第2の硬化剤が異なるエネルギー源によって硬化作用を生じるような2種類の硬化メカニズムを有するものである点に要旨を有するものである。
前記第1及び第2の硬化性樹脂は、共に重合性基を複数有する多官能化合物であるのが好ましい。また、前記第1の硬化性樹脂が2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含み、前記第2の硬化性樹脂として樹脂組成物に溶解し得るエポキシ化合物を含むものであるのが好ましく、前記第1の硬化性樹脂が、重量平均分子量が500以上である2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含むものであるのが望ましい。本発明の樹脂組成物において、第1の硬化性樹脂と第2の硬化性樹脂の割合(前者/後者)は質量比で、20/80〜80/20であるのが望ましい。また、前記第1及び第2の硬化剤のうち一方が光硬化剤であり、他方が熱硬化剤であることは本発明の好ましい実施態様である。本発明の樹脂組成物は、さらに、有機微粒子、無機微粒子及び無機−有機ハイブリッド微粒子から選択される1種以上の微粒子を含むものであるのが好ましい。
本発明のガスバリアシートを半導体素子に接着する為の接着層とは、貯蔵弾性率が1.0×103Pa以上であり、ガラス基板に貼り付け、150g/cm2の荷重下、温度100℃で0.5時間加熱した後の2次硬化引張せん断接着強さが0.003MPa超であるところに特徴を有する。
本発明には、硬化性樹脂を硬化剤で硬化した硬化樹脂並びに、前記硬化性樹脂とは異なる他の硬化性樹脂とそれを硬化させるための他の硬化剤とを含むガスバリアシートを半導体素子に接着する為の接着層も含まれる。上記接着層は、厚さが1μm〜50μmであるのが望ましい。
本発明には、上記接着層が剥離性支持体に積層されている接着性シート、上記接着層が積層されているガスバリアシート、さらには、上記ガスバリアシートで封止されてなる半導体素子も含まれる。なお、本明細書において「シート」とは、厚みを問わず、フィルムを含む意味で用いる。
本発明の樹脂組成物は、未硬化物であって塗布時の流動性を確保でき、かつ2つの硬化メカニズムを有しているために1次硬化することで塗布後の(ロール中での)流動性を抑制でき、さらに2次硬化することで半導体に適用する時の接着力を増大できる。すなわち、均一塗布性、ロールでの染み出し防止(保管安定性)、及び接着性の全てを満足させることができ、この様な接着剤(樹脂組成物)をガスバリアシートに予め積層しておけば、半導体の組み立て作業時の作業性を改善できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る接着シートを示す断面模式図である。 図2−1は、本発明の一実施形態に係るガスバリアシートを示す断面模式図である。 図2−2は、本発明の一実施形態に係るガスバリアシートを示す断面模式図である。 図2−3は、本発明の一実施形態に係るガスバリアシートを示す断面模式図である。
1.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物とは、第1の硬化性樹脂とこれを硬化させるための第1の硬化剤、並びに第2の硬化性樹脂とこれを硬化するための第2の硬化剤とを含む。まず、これらの成分について説明する。
1.1 硬化性樹脂
第1、第2の硬化性樹脂は、共に重合性基を有する化合物であればよい。重合性基とは、熱又は光によって重合反応する官能基をいう。具体的な重合性基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基(以下、アクリロイル基とメタクリロイル基とをまとめて(メタ)アクリロイル基と称する)、ビニル基等のラジカル重合性基;エポキシ基、オキセタン基(オキセタン環)、エチレンスルフィド基、ジオキソラン基、トリオキソラン基、ビニルエーテル基、スチリル基等のカチオン重合性基;等が挙げられる。第1、第2の硬化性樹脂は、共に上記重合性基を複数有する多官能化合物であるのが好ましい。
以下、便宜上、ラジカル重合性基を有する化合物を第1の硬化性樹脂(ラジカル硬化性樹脂)、カチオン重合性基を有する化合物を第2の硬化性樹脂(カチオン硬化性樹脂)として本発明について説明する。
1.2 第1の硬化性樹脂(ラジカル硬化性化合物)
第1の硬化性樹脂としては、(メタ)アクリロイル基及びビニル基の内1種又は2種以上を有するラジカル硬化性化合物が好適であり、オリゴマー成分、モノマー成分、及びこれらの混合物のいずれでもよい。オリゴマー成分としては、(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。モノマー成分は、例えば、(メタ)アクリレート系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニル(チオ)エーテル化合物等である。
1.2.1 (メタ)アクリレート系オリゴマー
前記(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、主鎖及び側鎖に芳香環を含まない脂肪族(メタ)アクリル系オリゴマー、主鎖及び/又は側鎖に芳香環を有する芳香族(メタ)アクリル系オリゴマーが挙げられる。また、これらのオリゴマーは、その構造中にウレタン結合(−NH−CO−O−)、エステル結合(−CO−O−)、カーボネート結合(−O−COO−)又はエーテル結合(−O−)を有していてもよい。
1.2.2 ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート系オリゴマーは、その構造中に少なくとも1つのウレタン結合を有するものであれば特に制限されず、ウレタン結合の他に、ポリエステル結合、ポリカーボネート結合やポリエーテル結合、又は、その他の結合(構造)を有していてもよい(以下、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート系オリゴマーを「ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー」と称する)。
A.ウレタンプレポリマー
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、まずポリオール成分とジイソシアネート成分とを、水酸基に対してイソシアネート基が過剰になる割合で反応させてイソシアネート化合物(ウレタンプレポリマー)を得ておき、このウレタンプレポリマーと水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとを反応させることで得られる。なお、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを製造する反応には、通常採用される反応条件を採用することができ、また、触媒、溶媒等も通常採用されるものが使用できる。
B.ポリオール成分
上記ポリオール成分としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール等のオリゴマー型ポリオール類が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールの製造方法は特に限定されず、例えば、ジオールとジカルボン酸若しくはジカルボン酸クロライドとを重縮合反応させてもよく、あるいは、ジオール又はジカルボン酸をエステル化して、エステル交換反応させてもよい。上記ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、テレフタル酸等の1種又は2種以上を用いることができる。上記ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等の1種又は2種以上を用いることができる。なお、ポリエステルポリオールを製造する反応には、通常用いられる反応条件を採用することができ、また、触媒、溶媒等も通常用いられるものを使用することができる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドランダム共重合体等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記ポリカーボネートジオールは、低分子カーボネート化合物とジオールとのエステル交換反応により製造される。低分子カーボネート化合物としては、炭酸ジメチル、ジフェニルカーボネート等が用いられる。一方、ジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコール等の1種又は2種以上を用いることができる。
C.ジイソシアネート成分
上記ジイソシアネート成分としては、直鎖式あるいは環式の脂肪族ジイソシアネートおよび芳香族ジイソシアネートを用いることができる。代表的なものとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
D.水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー
上記水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
具体的な脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、EBECRYL(登録商標、以下同様)230、EBECRYL 270、EBECRYL 9260、EBECRYL 8296(ダイセルサイテック株式会社製)、CN9893、CN9788、CN983、CN981、CN9006、CN9010(サートマー・ジャパン株式会社製)、UF−8001G(共栄社化学株式会社製)、UV−1700B、UV−3000B、UV−3200B、UV−3210EA、UV−6630B、UV−6640B、UV−7510B、UV−7550B(日本合成化学工業株式会社製)等が挙げられる。
芳香族ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、EBECRYL 210、EBECRYL 220、EBECRYL 6202(ダイセルサイテック株式会社製)、CN975、CN978、CN9782、CN9783(サートマー・ジャパン株式会社製)、AT−600、UT−306T(共栄社化学株式会社製)等が挙げられる。
1.2.3 他の(メタ)アクリレート系オリゴマー
エステル結合を有する(メタ)アクリレート系オリゴマー、カーボネート結合を有する(メタ)アクリレート系オリゴマー、エーテル結合を有する(メタ)アクリレート系オリゴマーは、それぞれ構造中に少なくとも1つのエステル結合、カーボネート結合又はエーテル結合を有する(メタ)アクリレート系オリゴマーであれば、構造中にウレタン結合以外のその他の結合構造を有していてもよい。また、(メタ)アクリロイル基を主鎖の末端に有していてもよく、あるいは、側鎖に有していてもよい。
エステル結合を有する脂肪族エステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば、CN294、CN2280、CN2297、CN2470(サートマー・ジャパン株式会社製)が挙げられる。エステル結合を有する芳香族エステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、CN296、CN2251、CN2254(サートマー・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。
エーテル結合を有する(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、EBECRYL 80、EBECRYL 81、EBECRYL 83(ダイセルサイテック株式会社製)、SR344、SR610、SR252、SR644、SR740(サートマー・ジャパン株式会社製)、ライトエステル041MA、ライトエステル14EG、ライトアクリレート14EG−A(共栄社化学株式会社製)等の脂肪族エーテル(メタ)アクリレート系オリゴマー、SR602、CD9038、SR150、SR9036(サートマー・ジャパン株式会社製)、ライトアクリレートBP−10EA、ライトアクリレートBP−4PA、ライトエステルBP−4EM(共栄社化学株式会社製)等の芳香族エーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーが挙げられる。
上記例示のオリゴマー以外にも、芳香族(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、エポキシ樹脂のエポキシ基部分に(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類(例えば、EBECRYL 600、EBECRYL 3420、EBECRYL 3700(ダイセルサイテック株式会社製)、CN104、CN120、CN151(サートマー社製)、3000A、3000MK(共栄社化学株式会社製)等が好ましく使用できる。
上記(メタ)アクリレート系オリゴマーの中でも、アクリレート系オリゴマーはメタアクリレート系オリゴマーよりも硬化性(特に光硬化性)が高いため好ましい。また、(メタ)アクリレート系オリゴマーの中でも、脂肪族(メタ)アクリレート系オリゴマーは、硬化後に、着色が抑制された無色性に優れる接着層が得られ易いため好ましい。
上記(メタ)アクリレート系オリゴマーは、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC、ポリスチレン標準試料)により測定される重量平均分子量が500〜100,000であるものが好ましい。重量平均分子量が上記範囲内にあれば、樹脂組成物の粘度が上昇し難く、本発明の樹脂組成物から接着層や接着シートを形成する際の作業性や生産性が良好になる。(メタ)アクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、より好ましくは500〜50,000であり、更に好ましくは1,000〜10,000である。なお、第1の硬化性樹脂として2種以上の(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いる場合は、少なくとも1種が上記分子量を有するものであるのが好ましい。
1.2.4 モノマー成分
第1の硬化性樹脂には、上述した様にモノマー成分を使用してもよい。上述のモノマー成分のうち、(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)−メチル(メタ)アクリレート、(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フルオレン(メタ)アクリレート、トリス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、トリス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]トリアジン等が挙げられる。上記芳香族ビニル系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等が挙げられる。
上記ビニルエステルモノマーとしては、酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等が挙げられる。上記ビニル(チオ)エーテル化合物(ビニルエーテル化合物、ビニルチオエーテル化合物を意味する。以下同様。)としては、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物及びこれらに対応するビニルチオエーテル化合物等のラジカル重合性二重結合を有する化合物が挙げられる。また、トリアリルシアヌレートやトリアリルイソシアヌレート等の化合物もモノマー成分として使用できる。これらのモノマー成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好適である。
上記モノマー成分は、上記オリゴマー成分や後述する第2、第3の硬化性樹脂が固体状である場合に、これらの成分を溶解させ液体状の樹脂組成物とするための溶媒としても機能し得る。しかしながら、モノマー成分の使用量が多すぎると、モノマー成分が未反応のまま硬化樹脂中に残留し、接着層から残留モノマーが染み出したり、また、接着層の流動性を十分に低減し難くなったり、さらにはアウトガスの原因となる虞がある。したがって、上記第1の硬化性樹脂中のオリゴマー成分の割合を高くすることが望ましく、オリゴマー成分の使用量は、オリゴマー成分とモノマー成分の合計100質量%中、20質量%〜100質量%とするのが好ましく、より好ましくは50質量%〜100質量%であり、さらに好ましくは80質量%〜100質量%である。
上記オリゴマー成分及びモノマー成分の中でも、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が第1の硬化性樹脂として好ましく用いられる。好ましくは、(メタ)アクリレート系オリゴマー、(メタ)アクリレート系モノマーが挙げられる。なお、(メタ)アクリロイル基数は、製造業者等の公称値を参照すればよい。
1.3 第2の硬化性樹脂(カチオン硬化性化合物)
第2の硬化性樹脂としては、エポキシ基、オキセタン基(オキセタン環)、エチレンスルフィド基、ジオキソラン基、トリオキソラン基、ビニルエーテル基、スチリル基のカチオン重合性基の1種又は2種以上を有する化合物が好適であり、これらの中でも、エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物とも称す)及び/又はオキセタン基を有する化合物(オキセタン化合物とも称す)がより好適である。
本発明において、エポキシ基には、3員環のエーテルであるオキシラン環(狭義のエポキシ基)の他、グリシジル基のようにオキシラン環にメチレン基(−CH2−)が結合した基や、グリシジルエーテル基及びグリシジルエステル基のようにエーテル又はエステル結合を有する基、1,2−エポキシシクロアルキル基(エポキシシクロヘキサン環等)のような脂環構造を有する基も含まれる。
1.3.1 エポキシ化合物
第2の硬化性樹脂のうち、エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物)としては、脂環式エポキシ化合物、水添エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物が挙げられる。これらの中でも、脂環式エポキシ化合物、水添エポキシ化合物は、低温硬化性に優れるため好ましい。
A. 脂環式エポキシ化合物
脂環式エポキシ化合物とは、環状脂肪族炭化水素とエポキシ基(オキシラン環)とが2つの炭素原子を共有する脂環式エポキシ基を有する化合物である。脂環構造はヘテロ原子を有していてもよい(以下、シクロアルカン等の脂環構造を例示する場合は、全て、そのヘテロ原子置換体を含むものとする。)。好ましい脂環構造は、ヘテロ原子を含まない。
脂環式エポキシ化合物としては、具体的には、エポキシシクロアルキル基(エポキシシクロアルカン骨格、炭素数4〜8)を有する化合物が挙げられる。これらの中でも、特にエポキシシクロヘキシル基を有する化合物が好適である。硬化速度をより高める観点からは、分子中にエポキシシクロアルキル基を2個以上有する多官能脂環式エポキシ化合物が好適である。また、分子中にエポキシシクロアルキル基を1個有し、且つ、ビニル基等の不飽和二重結合基を有する化合物も、脂環式エポキシ化合物として好ましく用いられる。
具体的な脂環式エポキシ化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
上記脂環式エポキシ化合物は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
B.水添エポキシ化合物
水添エポキシ化合物としては、非芳香族性の飽和又は不飽和脂肪族環状炭化水素骨格にグリシジルエーテル基が直接結合した化合物、又は、非芳香族性の飽和又は不飽和脂肪族環状炭化水素骨格に炭化水素を介してグリシジルエーテル基が結合した化合物が挙げられ、2以上のグリシジルエーテル基を有する多官能グリシジルエーテル化合物が好適である。このような水添エポキシ化合物は、芳香族エポキシ化合物の完全又は部分水添物(特に水添率が90%以上の水添物)であることが好ましく、より好ましくは芳香族グリシジルエーテル化合物の完全又は部分水添物(特に水添率が90%以上の水添物)であり、更に好ましくは芳香族多官能グリシジルエーテル化合物の完全又は部分水添物(特に水添率が90%以上の水添物)である。具体的には、下記に例示する芳香族エポキシ化合物の水添物が挙げられ、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールS型エポキシ化合物、水添ビスフェノールF型エポキシ化合物等の水添ビスフェノール型エポキシ化合物が好ましい。より好ましくは、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールF型エポキシ化合物である。
前記芳香族エポキシ化合物とは、分子中に芳香環とエポキシ基とを有する化合物である。芳香族エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノール骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン環、アントラセン環等の芳香環を有するエポキシ化合物等が好適に挙げられる。このような芳香族エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フルオレン系エポキシ化合物、ブロモ置換基を有する芳香族エポキシ化合物、ノボラック・アラルキルタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が好適に挙げられる。中でも、ビスフェノールA型エポキシ化合物及びフルオレン系エポキシ化合物が好ましい。市場で入手可能な芳香族エポキシ化合物としては、例えば、jER(登録商標、以下同様)828、jER1001、jER1003、jER1004、jER1007、jERYX4000、jERYX8800(以上、三菱化学社製)等のビスフェノールA型化合物;オンコート(登録商標、以下同様)EX−1020、オンコートEX−1010、オグソール(登録商標、以下同様)EG−210、オグソールPG−100(以上、大阪ガスケミカル社製)等のフルオレン系化合物;jERYX4000(三菱化学社製)等のビフェニル型化合物;jERYX8800(三菱化学社製)等のアントラセン型化合物;jER152、jER154(以上、三菱化学社製)等のフェノールノボラック型化合物;等が挙げられる。より好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ化合物である。
上記水添エポキシ化合物は、単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
C.芳香族エポキシ化合物
第2の硬化性樹脂として用いられる芳香族エポキシ化合物としては、上記水添エポキシ化合物の前駆体として例示した芳香族エポキシ化合物が含まれる。さらには、例えば、テトラメチルビフェノール、テトラメチルビスフェノールF、ハイドロキノン又はナフタレンジオール等とエピハロヒドリンとの縮合反応により得られる芳香族結晶性エポキシ樹脂;上記芳香族結晶性エポキシ樹脂に、更にテトラメチルビフェノール、テトラメチルビスフェノールF等のビスフェノール類や、ハイドロキノン、ナフタレンジオール等を付加反応させることにより得られる芳香族結晶性エポキシ樹脂の高分子量体;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸又は安息香酸と、エピハロヒドリンとの縮合反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂等を用いることもできる。
上記芳香族エポキシ化合物は、単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
D.脂肪族エポキシ化合物
上記脂肪族エポキシ化合物としては、脂肪族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好適である。上記脂肪族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、ポリヒドロキシ化合物(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG600)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、グリセロール、ジグリセロール、テトラグリセロール、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン及びその多量体、ペンタエリスリトール及びその多量体、グルコース、フルクトース、ラクトース、マルトース等の単/多糖類等)と、エピハロヒドリンとの縮合反応により得られるもの等が好適に挙げられる。中でも、分子の中心骨格にプロピレングリコール骨格、アルキレン骨格、オキシアルキレン骨格を有する脂肪族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂等がより好適である。また、トリグリシジルイソシアヌレート等のヘテロ環含有のエポキシ樹脂等も、脂肪族エポキシ化合物として使用できる。
上記脂肪族エポキシ化合物は単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
E.その他のエポキシ化合物
第2の硬化性樹脂として用いられるエポキシ化合物としては、また、ヒダントインやシアヌル酸、メラミン又はベンゾグアナミンと、エピハロヒドリンとの縮合反応により得られる、室温で固形の3級アミン含有グリシジルエーテル型エポキシ樹脂を用いることもできる。
上記エポキシ化合物の中でも、脂環式エポキシ化合物および水添エポキシ化合物は、硬化性に優れるので好ましい。また、重量平均分子量800以上の(水添)ビスフェノール型エポキシ樹脂又はノボラック・アラルキルタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を併用する場合には、樹脂組成物から製造される接着層等の粘性、接着性、靭性等の物性の調整が容易となるので好ましい。
1.3.2 オキセタン化合物
オキセタン化合物としては、ETERNACOLL(登録商標、以下同様)EHO、ETERNACOLL OXBP、ETERNACOLL OXMA、ETERNACOLL HBOX、ETERNACOLL OXIPA(以上、宇部興産社製);OXT−101、OXT−121、OXT−211、OXT−221、OXT−212、OXT−610(東亜合成社製)が挙げられる。これらの中でもETERNACOLL OXMA、ETERNACOLL HBOX、ETERNACOLL OXIPA、OXT−121、OXT−221が好ましく、ETERNACOLL OXMA、OXT−221がより好ましい。
第2の硬化性樹脂は、重量平均分子量が50〜100,000であるのが好ましい。より好ましくは80〜50,000であり、さらに好ましくは100〜10,000である。なお、第2の硬化性樹脂の重量平均分子量は、例えば、ゲル透過クロマトグラフィー(ポリスチレン標準サンプル)により測定できる。また、第2の硬化性樹脂は、上記カチオン重合性基を1分子中2個以上有するものであるのが好ましい。
第2の硬化性樹脂は、固体状、液体状のいずれであってもよいが、他の硬化性樹脂と混合した場合に、樹脂組成物中に溶解し得る第2の硬化性樹脂を用いることが推奨される。第2の硬化性樹脂としては、室温(25℃)で液体状のエポキシ化合物がより好ましい。
本発明の樹脂組成物における硬化性樹脂の配合割合は、質量比で第1の硬化性樹脂/第2の硬化性樹脂が20/80〜80/20であるのが好ましい。より好ましくは20/80〜70/30であり、さらに好ましくは30/70〜60/40である。第1の硬化性樹脂が少なすぎると、1次硬化時の流動性を十分低減できない虞があり、一方。多すぎると2次硬化時の接着性が損なわれる虞がある。
1.4 第1及び第2に共通する硬化性樹脂(共通樹脂)
また、本発明では、前記第1又は第2の硬化性樹脂のいずれとしても使用できる硬化性樹脂を用いてもよい(以下、このような硬化性樹脂を共通樹脂、又は第3の硬化性樹脂と称する場合がある)。共通樹脂は、ラジカル重合性基とカチオン重合性基とを有するので、後述する第1の硬化剤による重合反応性を有すると共に、第2の硬化剤による重合反応性を有する硬化性樹脂といえる。好ましい共通樹脂としては、熱によって重合反応する官能基と、光によって重合反応する官能基の両方を有するものが挙げられる。具体的な共通樹脂としては、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。
共通樹脂の使用態様としては、(1)第1及び第2の硬化性樹脂の一部として共通樹脂を用いる態様;(2)第1の硬化性樹脂の全てを共通樹脂とし、且つ、第2の硬化性樹脂の一部に共通樹脂を用いる態様;(3)第1の硬化性樹脂の一部に共通樹脂を用い、且つ、第2の硬化性樹脂の全てを共通樹脂とする態様;(4)第1及び第2の硬化性樹脂の全てを共通樹脂とする態様;の4通りの態様が挙げられる。
上記態様の内、(1)〜(3)の態様においては、本発明の樹脂組成物には、共通樹脂以外に、第1及び/又は第2の硬化性樹脂が含まれるが、このように共通樹脂を併用する場合には、第1,第2の硬化性樹脂の相溶性を向上でき、本発明の樹脂組成物から得られる硬化樹脂の相分離が抑制され、光学的均質性に優れる接着層等が得られ易くなる。
共通樹脂を用いる場合、共通樹脂の配合量は、第1及び第2の硬化性樹脂の合計100質量部に対して、5質量部〜50質量部とするのが好ましく、より好ましくは10質量部〜45質量部であり、さらに好ましくは15質量部〜30質量部である。
1.5 第1、第2の硬化性樹脂の組合せの好適な態様
上記第1及び第2の硬化性樹脂(共通樹脂がこれら第1及び第2の硬化性樹脂として使用される場合を含む。以下、同じ)は、固体状、液体状のいずれであってもよく、またこれらの硬化性樹脂の組合せは特に限定されないが、第1、2の硬化性樹脂の混合物が液体状(特に不溶物が存在しない均一液体状)となるように組合せるのが好ましい。例えば、第1の硬化性樹脂が固体状である場合は、併用する第1の硬化性樹脂又は第2の硬化性樹脂として液体状のものを使用し、固体状の第1の硬化性樹脂を溶解すればよい(第2の硬化性樹脂が固体状である場合も同様)。また、第1、第2の硬化性樹脂のいずれか又は全てが固体状であっても、これらの硬化性樹脂を混合した場合に互いに相溶して混合物が液体状(特に均一液体状)になる場合は、液体状の硬化性樹脂を使用しなくてもよい。さらにはアウトガスの発生が問題にならない場合には、溶剤を用いて混合物が液体状(特に均一液体状)になる様にしてもよい。なお、第1、第2の硬化性樹脂を混合したときに第2の硬化性樹脂が樹脂組成物中に溶解していることが好ましく、より好ましいのは、液体状の第2の硬化性樹脂を採用する態様である。第2の硬化性樹脂が液体状であれば、第1の硬化性樹脂としてモノマー成分を用いない場合であっても、塗工性の良好な樹脂組成物の調製が容易になり、また、モノマー成分に由来する問題(残留モノマー、アウトガス等)の発生を防止できる。
第1及び第2の硬化性樹脂の組み合わせとしては、(メタ)アクリレート系オリゴマーと、エポキシ化合物との組み合わせが好ましく、アクリレート系オリゴマーと、エポキシ化合物との組み合わせがより好ましい。中でも、アクリレート系オリゴマーと、脂環式エポキシ化合物、水添エポキシ化合物及び脂肪族エポキシ化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種との組み合わせがより好ましく、ウレタンアクリレート系オリゴマーと、脂環式エポキシ化合物及び/又は水添エポキシ化合物との組み合わせがさらに好ましい。上記ウレタンアクリレート系オリゴマーとしては、脂肪族ウレタンアクリレート系オリゴマーが好ましい。
第1及び第2の硬化性樹脂はそれぞれ単独で使用してもよい。なお、硬化反応の制御が容易である点で、第1、第2の硬化性樹脂は、これらを組み合わせて用いるのが好ましい。
1.6 硬化剤
本発明の樹脂組成物は、第1、2の硬化性樹脂を硬化(重合反応)させるための第1、第2の硬化剤を含む。第1の硬化剤は、ラジカル硬化剤であり、第2の硬化剤はカチオン硬化剤である。これらラジカル硬化剤(第1の硬化剤等)及びカチオン硬化剤(第2の硬化剤等)は、互いに異なるエネルギー源によって硬化作用を生じる様な組合せとするのが望ましい。すなわち光により硬化反応を開始させられる光潜在性硬化剤からラジカル硬化剤(第1の硬化剤)又はカチオン硬化剤(第2の硬化剤)を選択し、選択されなかった残りの硬化剤は、熱により硬化反応を開始させられる熱潜在性硬化剤から選択するのが好ましい。従って第1の硬化剤(ラジカル硬化剤)及び第2の硬化剤(カチオン硬化剤)の組合せは、光潜在性ラジカル硬化剤と熱潜在性カチオン硬化剤の組合せ、又は、熱潜在性ラジカル硬化剤と光潜在性カチオン硬化剤の組合せのいずれかになる。
1.6.1 光潜在性硬化剤
光潜在性硬化剤としては、光潜在性ラジカル硬化触媒や光潜在性カチオン硬化触媒が含まれる。光潜在性ラジカル硬化触媒としては、例えば、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;キサントン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類等が挙げられる。これらの中でも、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類が好適に用いられ、特に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが好適に用いられる。
光潜在性カチオン硬化触媒としては、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムホスフェート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロルフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロルフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロフォスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe−ヘキサフルオロホスフェート、ジアリルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等が好適である。市場で入手できる光潜在性カチオン硬化触媒としては、例えば、SP−150、SP−170(ADEKA社製);イルガキュア(登録商標)261(BASF社製);UVI−6992、UVI−6976(ダウ・ケミカル日本社製);CD−1012(サートマー・ジャパン株式会社製);CPI−100P、CPI−101A、CPI−200K(サンアプロ社製)等が挙げられる。上記光潜在性カチオン硬化触媒の中でも、オニウム塩を使用することが好ましく、オニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩及びジアリールヨードニウム塩の内少なくとも1種を使用することが好ましい。
1.6.2 熱潜在性硬化剤
熱潜在性硬化剤としては、熱潜在性ラジカル硬化触媒や熱潜在性カチオン硬化触媒が使用できる。
熱潜在性ラジカル硬化触媒としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物等が示される。これらの中でも有機過酸化物が好ましく、より好ましくはt−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレートであり、さらに好ましくはt−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドである。
一方、熱潜在性カチオン硬化触媒としては、例えば、一般式(I):(R1 a2 b3 c4 dZ)+m(AXn-mで表される化合物が好適である。式(I)中、Zは、S、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、N及びハロゲン元素からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を表す。R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、有機基を表す。a、b、c及びdは、0又は正数であり、a、b、c及びdの合計はZの価数に等しい。カチオン(R1 a2 b3 c4 dZ)+mはオニウム塩を表す。Aは、ハロゲン化物錯体の中心原子である金属元素又は半金属元素(metalloid)を表し、B、P、As、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sb、V、Cr、Mn、Coよりなる群から選ばれる少なくとも一つである。Xはハロゲン元素を表す。mは、ハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷である。nは、ハロゲン化物錯体イオン中のハロゲン元素の数である。
上記一般式(I)の陰イオン(AXn-mの具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6 -)等が挙げられる。
なお、熱潜在性カチオン硬化触媒としては、上記一般式(I)で表される化合物が好ましいが、上記一般式(I)の陰イオンが、一般式;AXn(OH)-やその他の陰イオンである化合物も熱潜在性カチオン硬化触媒として使用することができる。その他の陰イオンとしては、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3 -)、フルオロスルホン酸イオン(FSO3 -)、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸イオン等が挙げられる。
市場で入手可能な熱潜在性カチオン硬化触媒としては、例えば、AMERICUREシリーズ(アメリカン・キャン社製)、ULTRASETシリーズ(ADEKA社製)、WPAGシリーズ(和光純薬工業社製)等のジアゾニウム塩タイプ;UVEシリーズ(ゼネラル・エレクトリック社製)、FCシリーズ(3M社製)、UV9310C(GE東芝シリコーン社製)、Photoinitiator 2074(ローヌプーラン(現ロ−ディア)社製)、WPIシリーズ(和光純薬工業社製)等のヨードニウム塩タイプ;CYRACURE(登録商標)シリーズ(ダウ・ケミカル日本社製)、UVIシリーズ(ゼネラル・エレクトリック社製)、FCシリーズ(3M社製)、CDシリーズ(サートマー・ジャパン株式会社製)、オプトマー(登録商標、以下同様)SPシリーズ、オプトマー(登録商標)(ADEKA社製)、サンエイド(登録商標、以下同様)SIシリーズ(三新化学工業社製)、CIシリーズ(日本曹達社製)、WPAGシリーズ(和光純薬工業社製)、CPIシリーズ(サンアプロ社製)等のスルホニウム塩タイプ等が挙げられる。これらの中でもオプトマーCPシリーズ(ADEKA社製)、サンエイドSIシリーズ(三新化学工業社製)が好ましく、より好ましくはサンエイドSIシリーズ(三新化学工業社製)である。
熱潜在性カチオン硬化触媒としては、ルイス酸触媒も好適に用いられる。ルイス酸としては、例えば、BF3、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、PF5、AsF5、SbF5、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリアセチルアセトナート、チタニウムテトライソプロポキシド等が挙げられる。また、アミンやフォスフィンといったルイス塩基をルイス酸と併用し、錯体として使用する場合には、硬化速度や潜在性の調整ができるので好ましい。
第1の硬化剤(ラジカル硬化剤)及び第2の硬化剤(カチオン硬化剤)は、いずれも選択したエネルギー源の範囲内である限り、それぞれ、1種の硬化剤を単独で使用してもよく、2種以上の硬化剤を組み合わせて使用してもよい。
上記硬化剤の使用量は、第1、第2の硬化性樹脂の使用量に応じて適宜決定すればよく、例えば、第1の硬化性樹脂100質量部に対して0.01質量部〜10質量部とするのが好適である。硬化剤の使用量が少なすぎると、硬化速度が遅くなり、生産性を高め難い場合がある。一方、硬化剤の使用量が多すぎると、硬化反応時や加熱時等に接着層が着色してしまう虞がある。したがって、硬化剤の使用量は0.05質量部以上であるのが好ましく、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、5質量部以下であるのがより好ましく、さらに好ましくは3質量部以下である。同様の理由から、第2の硬化剤の使用量は、第2の硬化性樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部とするのが好適であり、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下とするのが好適である。
1.7 その他の成分
本発明の樹脂組成物には、本発明による効果が妨げられない範囲において、上記硬化性樹脂、硬化剤以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、たとえば、フィラー、溶媒等が挙げられる。
フィラーは、硬化収縮による硬化樹脂の撓みや寸法の変化を抑制するために用いられる。フィラーとしては、有機微粒子、無機微粒子及び無機−有機ハイブリッド微粒子から選択される1種以上の微粒子が使用できる。有機微粒子としては、エポスター(登録商標)シリーズ(日本触媒社製)等が挙げられ;無機微粒子としては、シーホスター(登録商標)シリーズ(日本触媒社製)等が挙げられ;無機−有機ハイブリッド微粒子としては、ソリオスター(登録商標)シリーズ(日本触媒社製);等が挙げられる。これらの微粒子の配合量は、第1、第2の硬化性樹脂の総量100質量部に対して、1質量部〜200質量部とするのが好ましい(より好ましくは10質量部〜150質量部、さらに好ましくは20質量部〜100質量部)。
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物を構成する各成分の均一な混合、また、接着剤層又はシートを形成する際の塗工性向上のために溶媒が含まれていてもよい。なお、溶媒は、硬化性樹脂硬化後の硬化樹脂から放出されるアウトガスの原因にもなるので、本発明の樹脂組成物には含まれていないのが好ましい。本発明では、第1の硬化性樹脂として用いられる上記モノマー成分が溶媒としても機能し得るので、溶媒を用いない場合であっても、樹脂組成物の均一な混合を実現でき、また、良好な塗工性が得られる。
1.8 粘度
本発明の樹脂組成物は、R/Sレオメーター(ブルックフィールド社製)により測定される25℃での粘度が1000Pa・s以下であるのが好ましい。より好ましくは500Pa・s以下であり、さらに好ましくは200Pa・s以下である。樹脂組成物の粘度が上記範囲内であれば、接着層の厚みが薄い場合であっても厚みを均一に制御し易いので好ましい。なお、粘度の下限は特に限定されないが、例えば、粘度は10-4Pa・s以上であるのが好ましく、より10-2Pa・s以上であり、さらに好ましくは1Pa・s以上である。
1.9 貯蔵弾性率
本発明の樹脂組成物は、間隙100μmのガラスプレート間に注型し、高圧水銀ランプでエネルギー2J/cm2の光照射(1次硬化)をして調製した試験フィルムの温度30℃での貯蔵弾性率が1.0×103Pa以上である。貯蔵弾性率は1次硬化後の硬化樹脂の流動性を指標する値であり、その値が大きいほど流動性が低いことを意味する。また、本発明の樹脂組成物を1次硬化させた硬化樹脂とは、後述する本発明の接着層に相当する。すなわち、樹脂組成物を基材シート(剥離性支持体など)に塗布・流延して接着層を形成する時の作業性面からは、樹脂組成物は流動性を有することが好ましいが、塗布・流延後に1次硬化して接着層を形成した後は、この接着層形成基材(接着シート)の保管時に、接着層の厚みや形状が変化したり、接着層が染み出すことがない程度に流動性が低減されている必要がある。したがって、1次硬化後の硬化樹脂の貯蔵弾性率が上記値より大きければ、上記問題が生じ難いといえる。貯蔵弾性率は、好ましくは1.0×104Pa以上であり、より好ましくは1.0×105Pa以上であり、好ましくは1.0×109Pa以下であり、より好ましくは5.0×108Pa以下であり、さらに好ましくは1.0×108Pa以下である。
1.10 接着強さ(1次、2次硬化引張せん断接着強さ)
本発明の樹脂組成物は、貯蔵弾性率の測定方法と同様の方法で当該樹脂組成物から作製した1次硬化後の試験フィルム(厚み100μm)について、実施例に記載の方法で測定される引張せん断接着強さ(1次硬化引張せん断接着強さ)の値が0.0005MPa以上であるのが好ましい。1次硬化引張せん断接着強さは、樹脂組成物を1次硬化して形成される接着層の仮止め接着強さを指標し、1次硬化引張せん断接着強さの値が高いほど、高い仮止め接着力を有するものといえる。
なお、本発明の樹脂組成物は、2次硬化後に所定の接着力を発揮するものであればよく、1次硬化引張せん断接着強さ(仮止め接着強さ)は特に限定されない。しかしながら、1次硬化引張せん断接着強さが上記値より大きければ、基材表面に、樹脂組成物を1次硬化させて得られた接着シートを輸送する際に、接着層が基材から剥離するのを防止でき、また、被接着物(半導体素子表面等)への接着層の貼り合せを、高い位置精度で行い易くなる。したがって、本発明の樹脂組成物の1次硬化引張せん断接着強さ(仮止め接着強さ)は0.001MPa以上であるが好ましく、より好ましくは0.01MPa以上である。一方、上限は特に限定されないが、必要に応じて、1次硬化させた接着層を基材から剥離可能にする観点からは、0.5MPa以下であるのが好ましく、より好ましくは0.4MPa以下であり、さらに好ましくは0.2MPa以下である。1次硬化引張せん断接着強さが上記範囲内にあれば、被接着物に貼り付けた後の接着層のズレを防止することができる。
また、本発明の樹脂組成物は、2つの異なる硬化系を有しており、1次硬化させた後であっても、さらに2次硬化させることで優れた最終接着力を発揮するものであり、具体的には、2次硬化後の2次硬化引張せん断接着強さで表される接着強さ(最終接着力)が0.003MPa超である。2次硬化引張せん断接着強さは、貯蔵弾性率の測定と同様にして作製した試験フィルムから一方のガラスプレートを剥離し、1次硬化樹脂の露出面に新たなガラスプレートを載置し、150g/cm2の荷重下、温度100℃で0.5時間加熱した後、引っ張り試験機により測定される。2次硬化引張せん断接着強さは0.01MPa以上であるのが好ましく、より好ましくは0.1MPa以上であり、さらに好ましくは0.2MPa以上である。2次硬化引張せん断接着強さ(最終接着力)が上記値以上であれば、負荷がかかっても接着層が被着物からずれ難いものとなる。2次硬化引張せん断接着強さの上限は特に限定されない。
2.接着層並びに接着シート
2.1 接着層並びに接着シート
本発明の接着シート1は、基材2(好ましくは剥離性支持体などの剥離性シート)に上記樹脂組成物を積層し1次硬化させたものであり、接着層3とはこの1次硬化物を指す(図1参照)。本発明の接着層(1次硬化物)は、ガスバリアシートを半導体素子に接着するために用いられるものであって、貯蔵弾性率が1.0×103Pa以上であり、当該接着層にガラス基板を載置し、150g/cm2の荷重下、温度100℃で0.5時間加熱した後、引っ張り試験機により測定される引張せん断接着強さ(2次硬化引張せん断接着強さ)が0.003MPa超である。
上述のように、貯蔵弾性率は流動性(保管時の変形抵抗、染み出し抵抗)の指標となるものであり、本発明の接着層の貯蔵弾性率は、1.0×103Pa以上であり(好ましく5.0×104Pa以上、より好ましくは5.0×105Pa以上)、1.0×109Pa以下であるのが好ましい(より好ましくは5.0×108Pa以下、さらに好ましくは1.0×108Pa以下)。貯蔵弾性率が上記範囲であれば、例えば、基材フィルム上に接着層が形成された接着シートをロール状に巻回して保管する場合であっても、ロール端部からの接着層の染み出しが抑制される。
また、本発明の接着層を2次硬化させた時の引張せん断接着強さは0.01MPa以上であるのが好ましく、より好ましくは0.1MPa以上であり、さらに好ましくは0.2MPa以上である。2次硬化引張剪断接着強さとは、本発明の接着層の最終的な接着強さを指標する値であり、この値が大きいほど、接着層が高い接着性を有することを意味する。本発明の接着層の2次硬化引張せん断接着強さの上限は特に限定されない。
接着層の厚みは1μm〜100μmであるのが好ましく、より好ましくは5μm〜80μmであり、さらに好ましくは10μm〜50μmである。接着層が厚すぎると、半導体素子の小型化に寄与できず、また、厚みの増大により接着層の剛性が増して被接着物の表面形状に接着層が追随し難くなり、接着面積が減少する結果、所期の接着性が得られ難い場合がある。一方、接着層が薄すぎると、被着物表面が凹凸を有する場合、被着物に貼り合せた際に、被着物表面の凹凸により接着層に穴が開いたり、接着層が破れたりする虞がある。
基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム;ポリアミド系フィルム;ポリイミド系フィルム;ポリオレフィン系フィルム等が使用できる。これらの基材フィルムの表面は、シリコーン樹脂やオレフィン樹脂、フッ素コート等で離型処理が施されていてもよい(剥離性支持体)。斯かる剥離性支持体上に本発明の接着層が積層されている場合は、接着層を被着物に貼り合わせた後、剥離性支持体を剥離することで、接着層を介して2種の被着物を接合できる両面接着シートとして使用することができ、例えば、半導体素子とガスバリアシートとを接合できる。また、基材フィルムの接着層積層面には、プラズマ処理、コロナ処理等を施してもよい。これにより、接着層と基材フィルムとの密着性を向上させることができる。
なお、基材フィルムの厚みは5μm〜200μmであるのが好ましい(より好ましくは10μm〜150μm、さらに好ましくは20μm〜100μm)。
2.2 接着層並びに接着シートの製造方法
次に、本発明の接着層及び接着シートの製造方法について説明する。本発明の接着層及び接着シートは、上述した様に、基材2に上記樹脂組成物を所定の厚みになるように塗布又は流延して塗膜を形成した後、この塗膜を1次硬化させることで得られる。
樹脂組成物の塗膜を形成する方法は特に限定されず、例えば、ダイコート法、ロールコート法、ドクターコート法、ナイフコート法、流延塗布法等、当技術分野において公知の方法はいずれも採用することができる。これらの中でもダイコート法は、厚みのコントロールが容易であり、均一な厚みの塗膜を形成できるため好ましい。
次いで、形成した塗膜を1次硬化させる(1次硬化工程)ことで接着層が得られる。本発明において、1次硬化とは、2種類の硬化システムを有する樹脂組成物の1の硬化システムを機能させることをいい、この1次硬化によって塗膜の流動性が低減される。すなわち、本発明の接着層には、1次硬化により硬化された硬化樹脂と、硬化されることなく残った未硬化樹脂硬化性樹脂とこの未硬化樹脂を硬化させるための硬化剤とが含まれている。1次硬化により、接着層の流動性が低減され、接着層の厚みや形状が保たれるため、当該接着層を有する接着シートをロール状に巻回して保存する場合にも、接着層の変形や、ロール端部からの接着層の染み出しを防止できる。1次硬化の態様としては、塗膜に含まれる第1、第2の硬化性樹脂のいずれか一方のみを硬化させる態様;塗膜を構成する硬化性樹脂の硬化反応を途中で止める態様;等が挙げられるが、前者は、硬化状態のコントロールが容易であるので好ましい。
1次硬化工程では、第1の硬化性樹脂(ラジカル硬化性化合物)、第2の硬化性樹脂(カチオン硬化性化合物)のいずれを硬化させてもよいが、2次硬化時の硬化収縮による接着層の寸法変化や、被接着物からの接着層の剥離を抑制する観点からは、第1の硬化性樹脂(ラジカル硬化性化合物)を硬化させるのが好ましい。
また1次硬化で用いるエネルギーは、光(紫外線、電子線など)及び熱のいずれでもよく、樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂や硬化剤の種類に応じて適宜決定すればよい。例えば、第1の硬化性樹脂(ラジカル硬化性化合物)を1次硬化させる場合、塗膜に含まれる硬化剤が光潜在性ラジカル硬化剤と熱潜在性カチオン硬化剤の組合せであれば、所定条件下で塗膜に光を照射すればよく、一方、硬化剤が熱潜在性ラジカル硬化剤と光潜在性カチオン硬化剤の組合せであれば、塗膜を所定温度に加熱すればよい。一方、1次硬化工程で第2の硬化性樹脂(カチオン硬化性化合物)を硬化させる場合も同様であり、塗膜に含まれる硬化剤が光潜在性カチオン硬化剤と熱潜在性ラジカル硬化剤の組合せの場合は、塗膜に光を照射すればよく、一方、硬化剤が熱潜在性カチオン硬化剤と光潜在性ラジカル硬化剤の組合せの場合は、塗膜を所定温度に加熱すればよい。光照射により1次硬化工程を進行させる場合には、2次硬化工程で加熱硬化を行う際に、硬化反応と同時に、光透過性のないフィルムの積層、接着ができるため好ましい。
1次硬化時の条件は特に限定されず、硬化性樹脂の種類や塗膜の厚みに応じて適宜決定すればよい。光照射により塗膜の硬化反応を開始させる場合は、高圧水銀ランプでUV−A(315〜380nm)における積算エネルギーが0.1J/cm2〜10J/cm2(好ましくは0.2J/cm2〜5J/cm2、より好ましくは0.5J/cm2〜3J/cm2)になるように塗膜に照射すればよい。一方、加熱により塗膜の硬化反応を開始させる場合であれば、温度40℃〜140℃で(好ましくは50℃〜120℃、より好ましくは60℃〜100℃)、0.5分〜5時間(好ましくは1分〜2時間、より好ましくは2分〜1時間)、塗膜を加熱すればよい。光照射や加熱に用いる装置は特に限定されず、従来公知の装置はいずれも使用できる。
本発明の接着層及び接着シートは、当該接着層を被接着物(半導体素子)に積層した後、さらに硬化(2次硬化)させることで接着力を発揮するものである(2次硬化工程)。この2次硬化工程は、1次硬化後の接着層に残されているもう一つの硬化システム(硬化性樹脂)を機能させる工程であり、2次硬化により、接着層の接着性を高めている。
したがって、2次硬化工程における硬化反応の開始手段は、接着層に含まれる未硬化の硬化性樹脂及び硬化剤の種類に応じて、適宜、光照射又は加熱を選択すればよい。2次硬化時の光照射及び加熱には、1次硬化工程と同様の条件が採用できる。但し、酸素や水分に対する耐性が低い半導体素子を被接着物とする場合には、2次硬化工程は、例えば、相対湿度が1%RH以下にコントロールされた不活性ガス雰囲気下で実施するのが好ましい。
3.ガスバリアシート
本発明のガスバリアシートとは、上記接着層とバリア層とを有するものである。本発明の接着層は、良好な接着性を有し、また、アウトガスを生じ難いものであるので、半導体素子の封止、又は、半導体素子へのガスバリアシートの接着に好適に用いられる。
バリア層としては、金属や金属酸化物等により形成した層が挙げられる。金属より形成される層としては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、アルミニウム合金などを蒸着したフィルム、又は、これらの金属箔が挙げられる。金属酸化物等としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物;フッ化アルミニウム、フッ化マグネシウム等の金属フッ化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化クロム等の金属窒化物;等が挙げられ、金属酸化物等により形成した層としては、これらの金属酸化物等を基材フィルム上に単層又は複数層積層したフィルムが挙げられる。
ガスバリアシートの形態としては、(i)バリア層14の一方の面に接着層13が積層されてなる形態(図2−1)、(ii)接着シートとバリア層とからなり、バリア層14、基材フィルム12、接着層13がこの順で積層されてなる形態(図2−2)、(iii)基材フィルム12、バリア層14、接着層13がこの順で積層されてなる形態(図2−3)等が挙げられる。
形態(ii)において、接着層が積層される基材フィルム表面は、予め、プラズマ処理やコロナ処理等が施されているのが好ましい。これにより、接着層と基材フィルムとの密着性を一層優れたものとすることができる。
なお、ガスバリアシートには、さらに他の層が積層されていてもよい。たとえば、形態(i)における接着層が積層されていない側のバリア層表面や、(ii)における基材が積層されていない側のバリア層表面に、ハードコート層等の保護層が設けられていてもよい。また、各形態においては、バリア層あるいは接着層等の最表面となる層を保護する等の目的で、離型フィルム等をさらに積層してもよい。
ガスバリアシートは、水蒸気透過率が1×10-4g/m2・24h(40℃、90%RH)以下であるのが好ましい(より好ましくは1×10-5g/m2・24h以下、更に好ましくは1×10-6g/m2・24h以下)。
本発明に係るガスバリアシートの製造方法は特に限定されず、上記接着層や接着シートと同様の方法で製造することができる。具体的には、上記基材フィルム上にバリア層を形成したもの、或いは、上記バリア層自体を基材フィルムとし、ここに接着層を形成すればよい(図2−1〜図2−3参照)。また、半導体素子の製造工程内に、ガスバリアシートの製造工程を設けておけば、インラインで製造されたガスバリアシートをそのまま半導体の製造に使用することができる。
上記ガスバリアシートは、本発明の接着シートと同様、当該ガスバリアシートを被接着物に積層した後、積層体を加熱、或いは、光照射して、2次硬化させることにより接着力を発揮するものである。2次硬化時の条件には、接着シートの2次硬化工程と同様の条件が採用できる。
4.半導体素子
本発明の接着層は各種半導体素子の製造に好適に用いられるものであり、上記接着層又は接着シートにより他の部材と接着されてなる半導体素子や、上記ガスバリアシートにより封止された半導体素子も本発明に含まれる。なお、本発明の接着層は、使用時においてアウトガスを発生させ難いものでもあるので、各種半導体素子の中でも有機半導体素子、特に、有機太陽電池や有機EL素子の製造に有用である。例えば、有機EL素子の製造に用いる場合であれば、本発明の接着層又はこれを備えた接着シートは、半導体素子と大気中の水分や酸素との接触を防止するため用いられるガスバリアシートの半導体素子への接着、あるいは、ガスバリアシートによる半導体素子の封止に好適に使用することができる。
上記ガスバリアシートが接着された有機EL素子は、例えば、基板上に、陽極、正孔輸送層、発光層、電子注入層、陰極電極等が形成された素子を、本発明の接着層を有するガスバリアシートで被覆して積層体とした後、この積層体を40℃〜140℃で、0.5分〜5時間加熱することで製造できる。なお、有機EL素子は耐熱性に劣る場合があるので、加熱温度は、より好ましくは50℃〜120℃であり、さらに好ましくは60℃〜100℃であり、加熱時間は1分〜2時間とするのが好ましく、より好ましくは2分〜1時間である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
1.測定方法
1−1.粘度
樹脂組成物の粘度は、温度25℃で、R/Sレオメーター(ブルックフィールド社製)を使用して測定した。
1−2.貯蔵弾性率(30℃)
樹脂組成物を100μmのスペーサーを挟んだ2枚のガラスプレート間に注型し、UV照射(高圧水銀ランプ、ウシオ電機社製、照射量:2J/cm2)して1次硬化した。これを動的粘弾性測定装置(ARES、ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いて、パラレルプレート(径8mm)を用いたずり測定(30℃)による貯蔵弾性率を測定した。
1−3.1次硬化引張せん断接着強さ
2枚のガラスプレート(松浪硝子工業株式会社製の「スライドガラスS9213」(水板ガラス))間に、100μm厚、10mm×10mmのサイズとなるように樹脂組成物を注型し、UV照射(高圧水銀ランプ、ウシオ電機社製、照射量2J/cm2)して1次硬化させ測定用試料とした。この測定用試料を引っ張り試験機(「オートグラフ」、株式会社島津製作所)に取り付け、2枚のガラスプレートを0.1mm/sの速度で相反する方向に平行に引っ張って、1次硬化物がいずれかのガラスプレートから剥離したときの値を1次硬化引張せん断接着強さとした。
1−4.2次硬化引張せん断接着強さ(ガラス基板に対する接着強さ)
1次硬化剪断接着強さと同様にして得られた1次硬化後の測定用試料から一方のガラスプレートを剥離し、硬化樹脂(接着層)の露出面に新たなガラスプレートを載せ、150g/cm2の荷重下、温度100℃のオーブン内で30分間加熱することにより2次硬化させて測定用試料を調製した。測定用試料を室温(25℃)まで冷却した後、引っ張り試験機に取り付け、1次硬化せん断接着強さの測定と同様にして引張せん断接着強さを測定し、いずれかのガラスプレートから2次硬化物(接着層)が剥離したときの値を2次硬化引張せん断接着強さとした。
2.接着剤シートの製造
実施例1
第1の硬化性樹脂として3000A(エポキシアクリレート、重量平均分子量1002、共栄社化学株式会社製)を50質量部、第2の硬化性樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製「828EL」、重量平均分子量398、液体状)を50質量部、第1の硬化剤として光潜在性ラジカル硬化触媒(BASF社製「I−184D」)を1質量部、及び、第2の硬化剤として熱潜在性カチオン硬化触媒(三新化学株式会社製SI−80L)を1質量部混合し、樹脂組成物1を製造した。
樹脂組成物の組成、及び、上記方法に従って測定した樹脂組成物1の各種物性を表1に示す。
実施例2〜24、比較例1,2
表1〜3に示す組成となるように各成分を混合して樹脂組成物を製造し、上記方法に従って樹脂組成物の各種物性を測定した。結果を表1〜3に示す。
なお、実施例19では、1次硬化により第2の硬化性樹脂を硬化させ、2次硬化により第1の硬化性樹脂を硬化させた。また、比較例1の樹脂組成物は光潜在性ラジカル硬化触媒(第1の硬化剤)を含んでおらず、紫外線照射による1次硬化ができなかったため、1次及び2次硬化引張せん断接着強さの評価は行わなかった。
Figure 2013241542
Figure 2013241542
Figure 2013241542
表中の化合物は、それぞれ以下のものを示す。
エポキシアクリレート:共栄社化学株式会社製「3000A」、重量平均分子量1002、(メタ)アクリロイル基数2個/1分子
脂肪族ウレタンアクリレート1:サートマー社製「CN9893」、重量平均分子量3123、(メタ)アクリロイル基数2個/1分子
芳香族ウレタンアクリレート:サートマー社製「CN9783」、重量平均分子量2415、(メタ)アクリロイル基数2個/1分子
脂肪族ウレタンアクリレート2:日本合成化学化学工業株式会社製「UV−3000B」、重量平均分子量13365、(メタ)アクリロイル基数2個/1分子
脂肪族ポリエステルアクリレート:サートマー社製「CN2270」、重量平均分子量823、(メタ)アクリロイル基数2個/1分子
ビスフェノールA型エポキシ樹脂1:三菱化学株式会社製「828EL」、重量平均分子量398、エポキシ基数2個/1分子
脂環式エポキシ樹脂:株式会社ダイセル製「セロキサイド(登録商標)2021P」、重量平均分子量101、エポキシ基数2個/1分子
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂1:三菱化学株式会社製「jERYX−8000」、重量平均分子量409、エポキシ基数2個/1分子
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂2:三菱化学株式会社製「jERYX−8040」、重量平均分子量3831、エポキシ基数2個/1分子
ビスフェノールA型エポキシ樹脂2:三菱化学株式会社製「834」、重量平均分子量480、エポキシ基数2個/1分子
アクリルゴム微粒子分散ビスフェノールF型エポキシ樹脂:株式会社日本触媒製「アクリセットBPF307」、エポキシ基数2個/1分子
グリシジルメタクリレート:日油社製「GMA」、(メタ)アクリロイル基数1個/1分子、エポキシ基数1個/1分子
4−ヒドロキシブチルアクリレートグリジシルエーテル:日本化成株式会社製「4HBAGE」、(メタ)アクリロイル基数1個/1分子、エポキシ基数1個/1分子
光潜在性ラジカル硬化触媒:BASF社製「I−184D」
熱潜在性カチオン硬化触媒:三新化学株式会社製「SI−80L」
光潜在性カチオン硬化触媒:サンアプロ株式会社製「CPI−101A」
熱潜在性ラジカル硬化触媒:日油株式会社製「パーロイル(登録商標)L」
フィラー(シリカ微粒子):株式会社日本触媒製「シーホスター KE−S100」
なお、上記(メタ)アクリロイル基数はメーカー公証値であり、重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ−N(4.6mmI.D.×15cm)を2本、溶離液:テトラヒドロフラン、標準サンプル:TSKポリスチレンスタンダード)により測定した値である。
表1〜3より、比較例1の樹脂組成物は、熱潜在性カチオン硬化触媒しか含んでおらず、紫外線照射による1次硬化後も流動性が低減されなかった。また、比較例2の樹脂組成物は、光潜在性ラジカル硬化触媒しか含んでおらず、紫外線照射により1次硬化後の流動性は低減されたものの、2次硬化後に接着力の増大が見られなかった。
これに対して、実施例1〜24の樹脂組成物は、1次硬化により流動性が低減しており、接着時の作業性が良好であり、保管時においても接着層の変形や染み出しが生じ難いものであることが分かる。また、特に、実施例3〜24では、2次硬化により接着力が増大していることから、本発明の樹脂組成物から製造された接着層は、良好な接着性を有することが分かる。
1 接着シート
2 基材
3 接着層
10 ガスバリアシート
12 基材フィルム
13 接着層
14 バリア層

Claims (14)

  1. 間隙100μmのガラスプレート間に注型し、高圧水銀ランプでエネルギー2J/cm2の光照射をして調製した試験フィルムの温度30℃での貯蔵弾性率が1.0×103Pa以上であり、
    前記試験フィルムをガラス基板に貼り付け、150g/cm2の荷重下、温度100℃で0.5時間加熱した後の2次硬化引張せん断接着強さが0.003MPa超であることを特徴とする、
    ガスバリアシートを半導体素子に接着する為の接着剤として用いられる樹脂組成物。
  2. 第1の硬化性樹脂とこれを硬化させるための第1の硬化剤、並びに第2の硬化性樹脂とこれを硬化させるための第2の硬化剤とを含み、
    前記第1及び第2の硬化剤が異なるエネルギー源によって硬化作用を生じるものであることを特徴とする、
    ガスバリアシートを半導体素子に接着する為の接着剤として用いられる樹脂組成物。
  3. 前記第1及び第2の硬化性樹脂が、共に重合性基を複数有する多官能化合物である請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記第1の硬化性樹脂が2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含み、前記第2の硬化性樹脂が、樹脂組成物に溶解し得るエポキシ化合物を含むものである請求項2又は3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記第1の硬化性樹脂が、重量平均分子量が500以上である2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含むものである請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 第1の硬化性樹脂と第2の硬化性樹脂の割合(前者/後者)が質量比で、20/80〜80/20である請求項2〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 前記第1及び第2の硬化剤のうち一方が光硬化剤であり、他方が熱硬化剤である請求項2〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. さらに、有機微粒子、無機微粒子及び無機−有機ハイブリッド微粒子から選択される1種以上の微粒子を含む請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 貯蔵弾性率が1.0×103Pa以上であり、
    ガラス基板に貼り付け、150g/cm2の荷重下、温度100℃で0.5時間加熱した後の2次硬化引張せん断接着強さが0.003MPa超であることを特徴とするガスバリアシートを半導体素子に接着する為の接着層。
  10. 硬化性樹脂を硬化剤で硬化した硬化樹脂並びに、前記硬化性樹脂とは異なる他の硬化性樹脂とそれを硬化させるための他の硬化剤とを含むことを特徴とする、ガスバリアシートを半導体素子に接着する為の接着層。
  11. 厚さが1μm〜50μmである請求項9又は10のいずれかに記載の接着層。
  12. 請求項9〜11のいずれかに記載の接着層が剥離性支持体に積層されている接着シート。
  13. 請求項9〜11のいずれかに記載の接着層が積層されているガスバリアシート。
  14. 請求項13に記載のガスバリアシートで封止されてなる半導体素子。
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