JP2013240302A - 熱サイクル装置 - Google Patents

熱サイクル装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013240302A
JP2013240302A JP2012116255A JP2012116255A JP2013240302A JP 2013240302 A JP2013240302 A JP 2013240302A JP 2012116255 A JP2012116255 A JP 2012116255A JP 2012116255 A JP2012116255 A JP 2012116255A JP 2013240302 A JP2013240302 A JP 2013240302A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arrangement
liquid
reaction
reaction vessel
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012116255A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5910304B2 (ja
JP2013240302A5 (ja
Inventor
Shuji Koeda
周史 小枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2012116255A priority Critical patent/JP5910304B2/ja
Publication of JP2013240302A publication Critical patent/JP2013240302A/ja
Publication of JP2013240302A5 publication Critical patent/JP2013240302A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5910304B2 publication Critical patent/JP5910304B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】迅速に反応温度へ昇温する熱サイクル装置を提供する。
【解決手段】熱サイクル装置は、反応液40と、液体30とが充填され、反応液40が対向する内壁に沿って移動する流路110と、流路110を封止する封止部12と、を含む反応容器1を装着する装着部1011と、装着部1011に反応容器1が装着された場合に、流路110の第1領域1111を加熱する第1加熱部1012と、封止部12を加熱する第2加熱部1052と、第1及び第2加熱部1012,1052並びに装着部1011の配置を、第1の配置と、第2の配置との間で切り換える駆動機構と、を含み、第1の配置は、第1領域が、重力の作用する方向における流路110の最下部に位置する配置であり、第2の配置は、反応液40が移動する方向における位置が第1領域とは異なる流路110の第2領域が、重力の作用する方向における流路110の最下部に位置する配置である。
【選択図】図5

Description

本発明は、熱サイクル装置に関するものである。
近年、遺伝子の利用技術の発展により、遺伝子診断や遺伝子治療など遺伝子を利用した医療が注目されている他、農畜産分野においても品種判別や品種改良に遺伝子を用いた手法が多く開発されている。遺伝子を利用するための技術として、PCR(Polymerase Chain Reaction)法などの技術が広く普及している。今日では、PCR法は生体物質の情報解明において必要不可欠な技術となっている。
PCR法は、増幅の対象とする核酸(標的核酸)及び試薬を含む溶液(反応液)に熱サイクルを施すことで、標的核酸を増幅させる手法である。熱サイクルは、2段階以上の温度を周期的に反応液に施す処理である。PCR法においては、2段階又は3段階の熱サイクルを施す手法が一般的である。
PCR法では一般に、チューブや生体試料反応用チップ(バイオチップ)と称する、生化学反応を行うための容器を使用する。しかしながら従来の手法においては、反応に必要な試薬等の量が多かったり、反応に必要な熱サイクルを実現するために装置が複雑化したり、反応に時間がかかったりするという問題があった。そのため、微少量の試薬や検体を用いてPCRを精度よく短時間で行うためのバイオチップや反応装置が必要とされていた。
このような問題を解決するために、特許文献1には、反応液と、反応液と混和せず反応液よりも比重の小さい液体(ミネラルオイル等、以下「液体」と称する)とが充填された生体試料反応用容器を、水平方向の回転軸の周りに回転させることで、反応液を移動させて熱サイクルを施す生体試料反応装置が開示されている。
特開2009−136250号公報
しかしながら、特許文献1において、反応に要する時間を短縮するためには生体試料反応用容器の肉厚を薄くすることが好ましい。一方、当該容器を栓で封止する構造とした場合には、勘合による応力への耐久性と勘合操作のしやすさとを向上させるため、肉厚が厚く充分な大きさの栓が必要であった。この結果、栓の熱容量が相対的に大きくなり、栓に近い側の液体への熱伝達が栓から遠い側と比較して遅くなり、栓近傍のオイルが所定の温度に達するまで時間を要することとなった。
そのため、より短時間で反応容器を所望の温度に加熱できる熱サイクル装置が必要とされていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る熱サイクル装置は、反応液と、前記反応液とは比重が異なり、かつ、前記反応液とは混和しない液体とが充填され、前記反応液が対向する内壁に沿って移動する流路と、前記流路を封止する封止部と、を含む反応容器を装着する装着部と、前記装着部に前記反応容器が装着された場合に、前記流路の第1領域を加熱する第1加熱部と、前記装着部に前記反応容器が装着された場合に、前記封止部を加熱する第2加熱部と、前記第1及び第2加熱部並びに前記装着部の配置を、第1の配置と、第2の配置との間で切り換える駆動機構と、を含み、前記第1の配置は、前記装着部に前記反応容器が装着された場合に、前記第1領域が、重力の作用する方向における前記流路の最下部に位置する配置であり、前記第2の配置は、前記装着部に前記反応容器が装着された場合に、前記反応液が移動する方向における位置が前記第1領域とは異なる前記流路の第2領域が、重力の作用する方向における前記流路の最下部に位置する配置であることを特徴とする。
本適用例によれば、第1及び第2加熱部並びに装着部の配置を切り換えることで、反応容器が第1の配置に保持された状態と、反応容器が第2の配置に保持された状態とを切り換えることができる。第1の配置は、反応容器を構成する流路の第1領域が、重力の作用する方向における流路の最下部に位置する配置である。第2の配置は、反応容器を構成する流路の第2領域が、重力の作用する方向における流路の最下部に位置する配置である。すなわち、例えば反応液の比重が相対的に大きい場合には、重力の作用によって第1の配置においては反応液を第1領域に、第2の配置においては反応液を第2領域に保持できる。第1領域は第1加熱部によって加熱されるので、第1領域と第2領域とを異なる温度とすることができる。したがって、第1の配置又は第2の配置に反応容器を保持する間、反応液を所定の温度に保持できるので、加熱時間を容易に制御可能な熱サイクル装置を提供できる。また、反応容器の封止部を第2加熱部が加熱するので、熱サイクル装置が第2加熱部を含まない場合と比較して、相対的に封止部に近い反応容器の領域をより短い時間で所望の温度に加熱することができる熱サイクル装置を実現できる。
[適用例2]上記適用例に記載の熱サイクル装置において、前記第2加熱部は、前記装着部に前記反応容器が装着された場合に、前記封止部に形成された凹部に挿入される突起をさらに含んでもよい。
本適用例によれば、第2加熱部は封止部に設けられた凹部に挿入される突起を通じて反応液と混和しない液体をより近い位置で加熱することができるので、液体をより短時間で適温に加熱することができ、結果、第2の配置で反応液を速やかに加熱することができる。
本実施形態に係る反応容器と加熱部との断面図。 本実施形態に係る熱サイクル装置の蓋を閉じた状態を表す斜視図。 本実施形態に係る熱サイクル装置の蓋を開けた状態を表す斜視図。 本実施形態に係る熱サイクル装置の本体の分解斜視図。 (A)は、第1の配置における、図2のA−A線を通り回転軸に垂直な面における断面を模式的に示す断面図、(B)は、第2の配置における図2のA−A線を通り回転軸に垂直な面における断面を模式的に示す断面図。 比較の実施形態に係る反応容器と加熱部との断面図。 比較の実施形態に係る別の構成の反応容器と加熱部との断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大又は縮小して表示している。
1.反応容器
図1は、本実施形態に係る反応容器1と加熱部1012,1013,1052との断面図である。
本実施形態の熱サイクル装置1000(図3参照)に装着される反応容器1について説明する。図1に示すように、反応容器1は反応容器本体11と栓(封止部)12とからなり、反応容器1の第1容室(流路)110内には、第2の液体(反応液)40と、第2の液体40とは比重が異なる第1の液体(液体)30が充填される。
栓12は、第1容室110を封止する。第2の液体40は第1容室110の対向する内壁に近接して移動する。第1の液体30にはジメチルシリコーンオイルやパラフィンオイルが使用できる。特にジメチルシリコーンオイルは難燃性であることから熱サイクルに適している。ジメチルシリコーンオイルは絶縁性が高いので、フッ素系シリコーンレジンを加えることが好ましい。これにより、第2の液体40の帯電を防止できるので、第2の液体40を適切に移動させることができる。
反応容器本体11及び栓12はPCR反応を阻害せず熱に強い透明ポリプロピレンから成る。耐熱性が有りPCR反応を阻害しない樹脂材料として、ポリカーボネートを用いても良いが、自家蛍光を有するので、リアルタイムPCRを蛍光測定で行う場合には適していない。樹脂材料以外では耐熱性を有する硼珪酸ガラスが好適である。反応容器本体11の肉厚は透明度と熱容量(加熱時間の短縮)との点からできるだけ薄いことが好ましいが、成型性や強度の点から0.3〜0.5mm程度が好ましい。強度については、0.3〜0.5mm程度の肉厚とすることで、加熱により第1の液体30等から溶存気体が発泡するのを防ぐために、第1の液体30の熱膨張に対し反応容器1の剛性を上げることで反応容器1内の圧力を高めている(ヘンリーの法則)。反応容器1内の内径は2〜3mmで長さは15〜25mm程度であり、栓12の肉厚は勘合を確実に行うため、やや厚めの0.7mm程度で、操作上、長さは8mm以上必要である。本実施形態においては、栓12には凹部12aが設けられている。また、本実施形態においては、反応容器1先端は、蛍光測定用に容器内面(第1容室110の壁面)と外面とが鏡面に仕上げられている。
第2の液体40は、第1の液体30とは混和しない液体である。第2の液体40としては、例えば、水を媒体として所望の反応に必要な酵素や薬品を含んだ試薬と被検液(検体を含む液体)との混合液を使用できる。リアルタイムPCRのように、蛍光測定を含む反応を行う場合には、反応容器1内に増幅対象のDNAとDNAポリメラーゼとプライマー及び増幅に応じて輝度の変化する蛍光色素からなる第2の液体40を1〜2μL滴下し栓12で封入する。蛍光測定を行わない場合には、蛍光色素は含まなくてもよい。第2の液体40を封入した時に気泡が入らないように、予め第1の液体30がリザーバー14に達するまで充填されており、先端の尖った栓12によって第1の液体30をリザーバー14に溢れ出させながら勘合する。溢れた第1の液体30はリザーバー14に保持され、外部に溢れ出さないようにスナップ13でシールされる。このようにして、反応容器本体11と栓12とが勘合した状態で密閉された第1容室110が封止される。
2.熱サイクル装置
図2は、本実施形態に係る熱サイクル装置1000の蓋1050を閉じた状態を表す斜視図、図3は、本実施形態に係る熱サイクル装置1000の蓋1050を開けた状態を表す斜視図である。図4は、本実施形態に係る熱サイクル装置1000の本体1010の分解斜視図である。図5(A)は、第1の配置における、図2のA−A線を通り回転軸Rに垂直な面における断面を模式的に示す断面図、図5(B)は、第2の配置における図2のA−A線を通り回転軸Rに垂直な面における断面を模式的に示す断面図である。図5(A)及び図5(B)において、白抜き矢印は本体1010の回転方向、矢印gは重力の作用する方向を表す。
図2及び図3並びに図4に示される熱サイクル装置1000は、反応容器1を装着する装着部1011と、装着部1011に反応容器1を装着した場合に、反応容器1の第1容室110に対して、第2の液体40が移動する方向(本実施形態においては、第1容室110の長手方向)に温度勾配を形成する温度勾配形成部1030と、装着部1011及び温度勾配形成部1030を、水平成分を有する方向の軸である同一の回転軸Rで回転させる駆動機構1020と、を含んでいる。
図2及び図3に示される例では、熱サイクル装置1000は、本体1010と駆動機構1020とを含んで構成されている。図4に示されるように、本体1010は、装着部1011及び温度勾配形成部1030を含んで構成されている。
装着部1011は、反応容器1を装着する構造である。図3及び図4に示される例では、熱サイクル装置1000の装着部1011は、反応容器1を差し込んで装着するスロット構造である。図4に示される例では、装着部1011は、後述される、第1加熱部1012の第1ヒートブロック1012b、第3加熱部1013の第3ヒートブロック1013bを貫通する穴に反応容器1を差し込む構造となっている。図3に示される例では、20個の装着部1011が本体1010に設けられている。
温度勾配形成部1030は、装着部1011に反応容器1を装着した場合に、反応容器1の第1容室110に対して、第2の液体40が移動する方向に温度勾配を形成する。ここで、「温度勾配を形成する」とは、所定の方向に沿って温度が変化する状態を形成することを意味する。したがって、「第2の液体40が移動する方向に温度勾配を形成する」とは、第2の液体40が移動する方向に沿って温度が変化する状態を形成することを意味する。「所定の方向に沿って温度が変化する状態」は、例えば、所定の方向に沿って温度が単調に高く又は低くなっていてもよいし、所定の方向に沿って、温度が高くなる変化から低くなる変化へ、又は、低くなる変化から高くなる変化へ、途中で変化していてもよい。図3及び図4に示される例では、温度勾配形成部1030は、第1加熱部1012、第2加熱部1052、及び第3加熱部1013を含んで構成されている。熱サイクル装置1000の本体1010においては、第1加熱部1012、第3加熱部1013は、その周囲をフランジ1016、固定板1019で固定されている。
第1加熱部1012は、装着部1011に反応容器1を装着した場合に、第1容室110の第1の温度領域(第1領域)1111を第1の温度に加熱する。図5(A)及び図5(B)に示される例では、第1加熱部1012は、本体1010において、第1容室110の第1の温度領域1111を加熱する位置に配置されている。
図4並びに図5(A)及び図5(B)に示される例では、第1加熱部1012は、熱を発生させる機構としての第1ヒーター1012aと、発生した熱を反応容器1に伝える部材としての第1ヒートブロック1012bとを含んで構成されている。熱サイクル装置1000においては、第1ヒーター1012aはカートリッジヒーターであり、導線1015によって図示しない外部電源に接続される。
第3加熱部1013は、装着部1011に反応容器1を装着した場合に、第1容室110の第2の温度領域(第2領域)1112を、第1の温度とは異なる第2の温度に加熱する。図5(A)及び図5(B)に示される例では、第3加熱部1013は、本体1010において、反応容器1の第2の温度領域1112を加熱する位置に配置されている。第3加熱部1013は、第3ヒーター1013a及び第3ヒートブロック1013bを含んで構成されている。第3加熱部1013の構成は、加熱される第1容室110の領域及び加熱する温度が第1加熱部1012と異なる以外は、第1加熱部1012と同様である。
熱サイクル装置1000は、蓋1050を含む。図3並びに図5(A)及び図5(B)に示される例では、蓋1050は、装着部1011を覆うように設けられている。蓋1050は第2加熱部1052とカバー1053とから成り、蓋1050の底面に成型されている突起1051を通じて、第2の温度領域1112を第3加熱部1013と共に加熱する。図5(A)及び図5(B)に示される例では、第2加熱部1052は、装着部1011に反応容器1が装着された場合に、反応容器1の栓12を加熱する位置に配置されている。第2加熱部1052は、本体1010において、第1容室110の第2の温度領域1112を加熱する位置に配置されている。
図1及び図3並びに図5(A)及び図5(B)に示される例では、第2加熱部1052は、熱を発生させる機構としての第2ヒーター1052aと、発生した熱を栓12に伝える部材としての第2ヒートブロック1052bとを含んで構成されている。熱サイクル装置1000においては、第2ヒーター1052aはカートリッジヒーターであり、導線1015によって図示しない外部電源に接続される。
第2ヒーター1052aはアルミ等の熱伝導率の高い金属から成り、装着部1011に反応容器1が装着された場合に栓12の凹部12aに接触する形状の複数の突起1051が蓋1050の底面に成型されている。これにより、第1の液体30を、栓12を介して加熱する。突起1051は蓋1050と一体に形成されることが熱伝導の点で好ましい。突起1051が栓12に密着するような精度の高い仕上げが要求される場合には、別体で仕上げた後、蓋1050に捩じ込んでも良い。ただし、捩じ込む場合には螺子部にシリコングリースを塗布する等の熱伝導効率を向上させる工夫を施すことが好ましい。本実施形態においては、突起1051の先端は栓12の中空部の突き当たりに密着するように、やや長めに作ってあり隙間ができないようになっている。蓋1050は栓12が反応容器本体11に勘合された状態で閉めても良いし、蓋1050の突起1051に予め栓12を嵌めておき、栓12を加温した状態で蓋1050を閉めることで、複数の反応容器本体11に栓12を一括して勘合させることもできる。
蓋1050に突起1051を設けることで、栓12の凹部12aの突き当たり(第1容室110を封止した場合に第1容室110に近い領域)及びその近傍を加熱できる。したがって、第1の液体30をより近い位置から加熱できる。
本実施形態によれば、第2加熱部1052は栓12に設けられた凹部12aに挿入される突起1051を通じて第2の液体40と混和しない第1の液体30をより近い位置で加熱することができるので、突起1051がない場合と比較して、第1の液体30をより短時間で適温に加熱することができ、結果、第2の配置で第2の液体40を速やかに加熱することができる。
また、凹部12aの突き当たりの肉厚を栓12の他の位置よりも薄くしておけば、より効率よく第1の液体30を加熱できる。本実施形態においては、第2の温度領域1112は10秒程度で適温に加熱される。蓋1050の上面と側面は第2加熱部1052の熱によって高温となるので、加熱中不用意にさわって、火傷を負わないように断熱材から成るカバー1053に覆われている。
反応容器1の栓12側にPCRの熱変性に必要な温度95℃前後の第2加熱部1052及び第3加熱部1013、先端側に伸張反応に必要な60℃前後の第1加熱部1012をセットすることで、第1容室110内の第1の液体30に異なる温度帯を設けることができる。このとき第1容室110が細長く粘性抵抗により対流が妨げられることから、第1容室110の長さが15mm前後でも充分な温度差が得られる。
第2の液体40は第1の液体30より比重が重いので、反応容器1の軸方向を含む面で全体を回転させると第2の液体40が第1容室110内の異なる温度帯を往復しPCR反応が生じる。増幅中及び増幅後のDNAの定量は反応容器1先端側から蛍光検出器70より励起光を第2の液体40に照射し、第2の液体40内の蛍光物質の発するDNA量に応じた蛍光を蛍光検出器70で測定することで行っている。
第1加熱部1012、第3加熱部1013、及び蓋1050(第2加熱部1052)の温度は、図示しない温度センサー及び後述される制御部によって制御されてもよい。
駆動機構1020は、装着部1011及び温度勾配形成部1030を、水平成分を有する方向の軸である同一の回転軸Rで回転させる機構である。「水平成分を有する方向」は、垂直成分(重力の作用する方向に対して平行な成分)と水平成分(重力の作用する方向に対して垂直な成分)とのベクトル和で表した場合に、水平成分を有する方向である。本実施形態においては、駆動機構1020は軸受1021と図示しないモーター及び駆動軸を含み、駆動軸と本体1010のフランジ1016とが接続されて構成されている。軸受1021は軸受1021側のフランジ1016の外周を摺動面として支えている。駆動機構1020のモーターを動作させると、駆動軸を回転軸Rとして本体1010が回転される。
図5(A)に示されるように、第1の配置は、反応容器1の第1容室110のうち蓋1050に相対的に遠い側の端部が重力の作用する方向における最下点となる配置である。すなわち、第1の配置は、装着部1011に反応容器1を装着した場合に、第1容室110の第1の温度領域1111を、重力の作用する方向における第1容室110の最下部に位置させる配置である。図5(A)に示される例では、第1の配置において、第1の液体30よりも比重が大きい第2の液体40は第1の温度領域1111に存在する。したがって、第2の液体40は第1の温度の下に置かれる。
図5(B)に示されるように、第2の配置は、反応容器1の第1容室110のうち蓋1050に相対的に近い側の端部が重力の作用する方向における最下点となる配置である。すなわち、第2の配置は、装着部1011に反応容器1を装着した場合に、第1容室110の第2の温度領域1112を、重力の作用する方向における第1容室110の最下部に位置させる配置である。図5(B)に示される例では、第2の配置において、第1の液体30よりも比重が大きい第2の液体40は第2の温度領域1112に存在する。したがって、第2の液体40は第2の温度の下に置かれる。
このように、駆動機構1020が、装着部1011及び温度勾配形成部1030を、第1の配置と、第1の配置とは異なる第2の配置との間で回転させることによって、第2の液体40に対して熱サイクルを施すことができる。
本実施形態の熱サイクル装置1000は、反応液(本実施形態においては第2の液体40)と混和せず反応液とは比重が異なる液体(本実施形態においては第1の液体30)を充填した反応容器1の中に液滴の状態で含まれる反応液を、反応容器1中のある温度領域と、温度の異なる他の温度領域とを往復移動させることによって熱サイクルを実現する装置である。
本実施形態によれば、第1及び第2加熱部1012,1052並びに装着部1011の配置を切り換えることで、反応容器1が第1の配置に保持された状態と、反応容器1が第2の配置に保持された状態とを切り換えることができる。第1の配置は、反応容器1を構成する第1容室110の第1の温度領域1111が、重力の作用する方向における第1容室110の最下部に位置する配置である。第2の配置は、反応容器1を構成する第1容室110の第2の温度領域1112が、重力の作用する方向における第1容室110の最下部に位置する配置である。すなわち、例えば第2の液体40の比重が相対的に大きい場合には、重力の作用によって第1の配置においては第2の液体40を第1の温度領域1111に、第2の配置においては第2の液体40を第2の温度領域1112に保持できる。第1の温度領域1111は第1加熱部1012によって加熱されるので、第1の温度領域1111と第2の温度領域1112とを異なる温度とすることができる。したがって、第1の配置又は第2の配置に反応容器1を保持する間、第2の液体40を所定の温度に保持できるので、加熱時間を容易に制御可能な熱サイクル装置1000を提供できる。また、反応容器1の栓12を第2加熱部1052が加熱するので、熱サイクル装置1000が第2加熱部1052を含まない場合と比較して、相対的に栓12に近い反応容器1の領域をより短い時間で所望の温度に加熱することができる熱サイクル装置1000を実現できる。
図6は、比較の実施形態に係る反応容器1と第3加熱部1013との断面図、図7は、比較の実施形態に係る別の構成の反応容器1と加熱部1012,1013,1052との断面図である。
図6に示す例は、比較として、断熱性の高い材料からなる蓋1050をした場合を示している。図6の蓋1050は第2ヒーター1052aを含まない。この場合、成型時の肉引け防止の為に凹部12aが形成された栓12が冷却フインとして働き、第1の液体30の熱を蓋1050側に逃がすので、第1の液体30の温度が適温に達するのに1分程度を要することが確認されている。第1容室110の第1の温度領域1111と第2の温度領域1112との間で反応液を移動させる方式の熱サイクル装置を用いてPCRを行う場合、一連の熱サイクルは15分程度で行われる。そのため、反応時間を短縮する上では1分はロスタイムとしては許容し難い長さである。これに対し、図7に示す例では、蓋1050に温度センサー付のカートリッジヒーターからなる第2加熱部1052を組み込み、栓12を加熱する。蓋1050はアルミ等の熱伝導率の高い金属から成り、火傷を負わないように断熱材から成るカバー1053に覆われている。第2加熱部1052を組み込むことで、栓12を加熱することができるので図6に示す方式に比べると栓12からの放熱を抑えることができる。ただし、反応容器1に第2の液体40を封入する作業の作業性を良好にするには、スナップ13より出ている栓12の長さを8mm程度以上とすることが好ましい。この場合、栓12の熱容量が大きいことから、時間短縮のためにはより近い距離から加熱することができる凸部を設けた構成とすることが好ましい。
熱サイクル装置1000は、図示しない制御部を含んでいてもよい。制御部は、駆動機構1020及び温度勾配形成部1030のうち、少なくとも1つを制御する。制御部は、専用回路により実現して後述される制御を行うように構成されていてもよい。また、制御部は、例えばCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置に記憶された制御プログラムを実行することによりコンピューターとして機能し、後述される制御を行うように構成されていてもよい。
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、複数を適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…反応容器 11…反応容器本体 12…栓(封止部) 12a…凹部 13…スナップ 14…リザーバー 30…第1の液体(液体) 40…第2の液体(反応液) 70…蛍光検出器 110…第1容室(流路) 1000…熱サイクル装置 1010…本体 1011…装着部 1012…第1加熱部 1012a…第1ヒーター 1012b…第1ヒートブロック 1013…第3加熱部 1013a…第3ヒーター 1013b…第3ヒートブロック 1015…導線 1016…フランジ 1019…固定板 1020…駆動機構 1021…軸受 1030…温度勾配形成部 1050…蓋 1051…突起 1052…第2加熱部 1052a…第2ヒーター 1052b…第2ヒートブロック 1053…カバー 1111…第1の温度領域(第1領域) 1112…第2の温度領域(第2領域)。

Claims (2)

  1. 反応液と、前記反応液とは比重が異なり、かつ前記反応液とは混和しない液体と、が充填され、前記反応液が対向する内壁に沿って移動する流路と、前記流路を封止する封止部と、を含む反応容器を装着する装着部と、
    前記装着部に前記反応容器が装着された場合に、前記流路の第1領域を加熱する第1加熱部と、
    前記装着部に前記反応容器が装着された場合に、前記封止部を加熱する第2加熱部と、
    前記第1及び第2加熱部並びに前記装着部の配置を、第1の配置と、第2の配置との間で切り換える駆動機構と、
    を含み、
    前記第1の配置は、前記装着部に前記反応容器が装着された場合に、前記第1領域が、重力の作用する方向における前記流路の最下部に位置する配置であり、
    前記第2の配置は、前記装着部に前記反応容器が装着された場合に、前記反応液が移動する方向における位置が前記第1領域とは異なる前記流路の第2領域が、重力の作用する方向における前記流路の最下部に位置する配置であることを特徴とする熱サイクル装置。
  2. 請求項1に記載の熱サイクル装置において、
    前記第2加熱部は、前記装着部に前記反応容器が装着された場合に、前記封止部に形成された凹部に挿入される突起をさらに含むことを特徴とする熱サイクル装置。
JP2012116255A 2012-05-22 2012-05-22 熱サイクル装置 Active JP5910304B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012116255A JP5910304B2 (ja) 2012-05-22 2012-05-22 熱サイクル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012116255A JP5910304B2 (ja) 2012-05-22 2012-05-22 熱サイクル装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013240302A true JP2013240302A (ja) 2013-12-05
JP2013240302A5 JP2013240302A5 (ja) 2015-06-18
JP5910304B2 JP5910304B2 (ja) 2016-04-27

Family

ID=49841878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012116255A Active JP5910304B2 (ja) 2012-05-22 2012-05-22 熱サイクル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5910304B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015154722A (ja) * 2014-02-20 2015-08-27 セイコーエプソン株式会社 核酸増幅反応容器及び核酸増幅反応装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007143406A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Shimadzu Corp 反応容器及び反応容器処理装置
JP2008157932A (ja) * 2006-12-01 2008-07-10 Ebara Corp マイクロ流体デバイス、および、マイクロ流体デバイスの温度制御システム
JP2008543316A (ja) * 2005-06-16 2008-12-04 ストラタジーン カリフォルニア 熱ブロックおよび加熱
JP2009118798A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Tokyo Medical & Dental Univ 核酸増幅装置、方法および細胞培養・核酸増幅方法
JP2009136250A (ja) * 2007-12-10 2009-06-25 Seiko Epson Corp 生体試料反応用チップ、生体試料反応装置、および生体試料反応方法
JP2011174734A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Seiko Epson Corp 検体反応装置及びバイオチップ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008543316A (ja) * 2005-06-16 2008-12-04 ストラタジーン カリフォルニア 熱ブロックおよび加熱
JP2007143406A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Shimadzu Corp 反応容器及び反応容器処理装置
JP2008157932A (ja) * 2006-12-01 2008-07-10 Ebara Corp マイクロ流体デバイス、および、マイクロ流体デバイスの温度制御システム
JP2009118798A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Tokyo Medical & Dental Univ 核酸増幅装置、方法および細胞培養・核酸増幅方法
JP2009136250A (ja) * 2007-12-10 2009-06-25 Seiko Epson Corp 生体試料反応用チップ、生体試料反応装置、および生体試料反応方法
JP2011174734A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Seiko Epson Corp 検体反応装置及びバイオチップ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015154722A (ja) * 2014-02-20 2015-08-27 セイコーエプソン株式会社 核酸増幅反応容器及び核酸増幅反応装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5910304B2 (ja) 2016-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN213337028U (zh) 一种根据热曲线为核酸来进行热处理的仪器
US20140248690A1 (en) Liquid reflux high-speed gene amplification device
JP5862006B2 (ja) 熱サイクル装置及び熱サイクル方法
JP6216494B2 (ja) 熱サイクル装置及び熱サイクル装置の制御方法
EP2787067A1 (en) Liquid reflux high-speed gene amplification device
KR20130100361A (ko) 열 사이클 장치 및 열 사이클 방법
EP2824171A1 (en) High speed gene amplification detection device
JP5967361B2 (ja) 熱サイクル装置
JP2016136973A (ja) 熱サイクル装置
JP5910304B2 (ja) 熱サイクル装置
US20120301367A1 (en) Reaction vessel
JP5939392B2 (ja) 容器および熱サイクル装置
JP5935980B2 (ja) 熱サイクル装置
JP5896110B2 (ja) 熱サイクル装置及び熱サイクル装置の制御方法
JP2013208065A (ja) 熱サイクル装置及び熱サイクル装置の制御方法
JP5899624B2 (ja) 反応容器
JP6090554B2 (ja) 熱サイクル装置
Wu et al. Research to Improve the Efficiency of Double Stereo PCR Microfluidic Chip by Passivating the Inner Surface of Steel Capillary with NOA61
US20170056888A1 (en) Nucleic acid amplification reaction container, nucleic acid amplification reaction device, and reaction method for amplifying nucleic acid
JP5935985B2 (ja) 熱サイクル装置
JP5935981B2 (ja) 熱サイクル装置
JP2014135941A (ja) 熱サイクル装置及び熱サイクル方法
JP2018033412A (ja) 反応容器、熱サイクル装置及び核酸増幅反応方法
JP2017112842A (ja) 熱サイクル装置および熱サイクル装置の制御方法
JP2015223083A (ja) 核酸増幅反応装置の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150423

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5910304

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150