JP2014135941A - 熱サイクル装置及び熱サイクル方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速な熱サイクルを可能とする熱サイクル装置及び熱サイクル方法を提供する。
【解決手段】熱サイクル装置は、複数の液滴からなる反応液140を形成する液滴形成部9と、反応液140と、反応液140よりも比重が小さく、かつ反応液140とは相分離する液体130とが充填され、反応液140が移動する流路110を含むバイオチップ100を装着する装着部と、装着部にバイオチップ100を装着した場合に流路110の第1領域を加熱する加熱部と、装着部及び加熱部の配置を、第1の配置と第2の配置との間で切り換える駆動機構と、を含み、第1の配置は、第1領域が重力の作用する方向における流路110の最下部に位置する配置であり、第2の配置は、反応液140が移動する方向における位置が第1領域とは異なる流路110の第2領域が重力の作用する方向における流路110の最下部に位置する配置である。
【選択図】図4

Description

本発明は、熱サイクル装置及び熱サイクル方法に関する。
近年、遺伝子の利用技術の発展により、遺伝子診断や遺伝子治療など遺伝子を利用した医療が注目されている他、農畜産分野においても品種判別や品種改良に遺伝子を用いた手法が多く開発されている。遺伝子を利用するための技術として、PCR(Polymerase Chain Reaction)法などの技術が広く普及している。今日では、PCR法は生体物質の情報解明において必要不可欠な技術となっている。
PCR法は、増幅の対象とする核酸(標的核酸)及び試薬を含む溶液(反応液)に熱サイクルを施すことで、標的核酸を増幅させる手法である。熱サイクルは、2段階以上の温度を周期的に反応液に施す処理である。PCR法においては、2段階又は3段階の熱サイクルを施す手法が一般的である。
PCR法では一般に、チューブや生体試料反応用チップ(バイオチップ)と称する、生化学反応を行うための容器を使用する。しかしながら従来の手法においては、反応に必要な試薬等の量が多かったり、反応に必要な熱サイクルを実現するために装置が複雑化したり、反応に時間がかかったりするという問題があった。そのため、微少量の試薬や検体を用いてPCR法を精度よく短時間で行うためのバイオチップや反応装置が必要とされていた。
このような問題を解決するために、反応液と、反応液と相分離し反応液よりも比重の小さい液体(ミネラルオイル等、以下「液体」と称する)とが充填されたバイオチップを、水平方向の回転軸の周りに回転させることで、反応液を移動させて熱サイクルを施す生体試料反応装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−115208号公報
特許文献1に開示された生体試料反応装置は、バイオチップを連続して回転させることで反応液に熱サイクルを施していた。しかしながら、反応液は回転に伴ってバイオチップの流路内を移動するので、PCR法を精度よく短時間で行うためには、バイオチップの流路内の反応液の移動を高速化する必要があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、加熱時間の制御が容易な熱サイクル装置及び熱サイクル方法を提供することである。
[適用例1]本適用例に係る熱サイクル装置は、複数の液滴からなる反応液を形成する液滴形成部と、前記反応液と、該反応液よりも比重が小さく、かつ、該反応液とは相分離する液体とが充填され、該反応液が対向する内壁に近接して移動する流路を含むバイオチップを装着する装着部と、前記装着部に前記バイオチップを装着した場合に、前記流路の第1領域を加熱する加熱部と、前記装着部及び前記加熱部の配置を、第1の配置と、第2の配置との間で切り換える駆動機構と、を含み、前記第1の配置は、前記装着部に前記バイオチップを装着した場合に、前記第1領域が、重力の作用する方向における前記流路の最下部に位置する配置であり、前記第2の配置は、前記装着部に前記バイオチップを装着した場合に、前記反応液が移動する方向における位置が前記第1領域とは異なる前記流路の第2領域が、重力の作用する方向における前記流路の最下部に位置する配置であることを特徴とする。
本適用例によれば、バイオチップを回転させることで加熱冷却サイクルを行うためにバイオチップ内の液体に反応液を注入するが、その際、複数の液滴からなる反応液を形成させる。同体積の反応液を単一の状態でバイオチップ内に注入する場合に比べ、反応液の液滴がバイオチップ内壁に接触する面積が減少するため移動速度が速くなる。このことにより、2水準の各温度で複数の液滴からなる反応液を保持する時間を短縮することができ、高速な熱サイクルを可能とする熱サイクル装置を提供する。
[適用例2]本適用例に記載の熱サイクル装置において、前記バイオチップの流路の長手方向と交差する断面の内径に対する前記反応液の液滴の直径の比は、0.29〜0.86となるように、前記反応液の個々の液滴の体積が調整されることを特徴とする。
本適用例によれば、バイオチップの内壁と液滴表面間の隙間が増加することで液滴の移動に伴う液体の移動が速くなり複数の液滴からなる反応液の移動が円滑になる。
[適用例3]本適用例に記載の熱サイクル装置において、前記駆動機構は、前記第1の配置から前記第2の配置へ切り換える場合と前記第2の配置から前記第1の配置へ切り換える場合とで、反対方向に前記装着部及び前記加熱部を回転させることを特徴とする。
本適用例によれば、第1の配置から第2の配置へ切り換える場合と、第2の配置から第1の配置へ切り換える場合とで、装着部及び加熱部が、反対方向へ回転駆動するため、駆動によって生じる装置の配線の捩れを低減できる。したがって、装置の配線が損傷しにくいので、熱サイクルの信頼性を向上できる。
[適用例4]本適用例に記載の熱サイクル装置において、前記駆動機構は、前記第1の配置において第1の時間が経過した場合に、前記配置を前記第2の配置へ切り換え、前記第2の配置において第2の時間が経過した場合に、前記配置を前記第1の配置へ切り換えることを特徴とする。
本適用例によれば、第1の配置において第1の時間が経過した場合に、配置を第2の配置へ切り換え、第2の配置において第2の時間が経過した場合に、配置を第1の配置へ切り換えるため、第1の配置及び第2の配置における反応液を加熱する時間をより正確に制御できる。したがって、より正確な熱サイクルを反応液に施すことができる。
[適用例5]本適用例に記載の熱サイクル装置において、前記装着部は、前記流路の長手方向に前記反応液が移動する前記バイオチップを装着し、前記第1領域は、前記長手方向における一方の端部を含む領域であり、前記第2領域は、前記長手方向における他方の端部を含む領域であることを特徴とする。
本適用例によれば、流路の長手方向に反応液が移動するバイオチップを装着部に装着した場合に、長手方向における一方の端部を含む領域が第1領域、長手方向における他方の端部を含む領域が第2領域となるので、簡易な形状の流路を有するバイオチップを使用した場合に、加熱時間を容易に制御可能な熱サイクル装置を提供できる。
[適用例6]本適用例における熱サイクル装置は、さらに、前記装着部に前記バイオチップを装着した場合に、前記第2領域を加熱する第2加熱部を含み、前記加熱部は、第1の温度に前記第1領域を加熱し、前記第2加熱部は、前記第1の温度とは異なる第2の温度に、前記第2領域を加熱することを特徴とする。
本適用例によれば、第2の温度に第2領域を加熱する第2加熱部を含むため、装着部にバイオチップを装着した場合に、バイオチップの第1領域及び第2領域の温度をより正確に制御できる。したがって、より正確な熱サイクルを反応液に施すことができる。
[適用例7]本適用例に記載の熱サイクル装置において、前記第1の温度は、前記第2の温度よりも高い温度であることを特徴とする。
本適用例によれば、第1の温度が、第2の温度よりも高い温度であるので、装着部にバイオチップを装着した場合に、バイオチップの第1領域及び第2領域の温度を熱サイクルに適した温度に制御できる。したがって、適切な熱サイクルを反応液に施すことができる。
[適用例8]本適用例に記載の熱サイクル装置において、前記第1の時間は、前記第2の時間よりも短いことを特徴とする。
本適用例によれば、第1の時間は第2の時間よりも短いので、装着部にバイオチップを装着した場合に、第1の温度と第2の温度とにおいて、バイオチップを保持する時間の長さを異ならせることができる。したがって、第1の温度と第2の温度とで加熱する時間が異なる反応を行う場合に、適切な熱サイクルを反応液に施すことができる。
[適用例9]本適用例に係る熱サイクル方法は、複数の液滴からなる反応液を形成することと、前記反応液と、該反応液よりも比重が小さく、かつ、該反応液とは相分離する液体とが充填され、該反応液が、対向する内壁に近接して移動する流路を含むバイオチップを装着部に装着することと、前記流路の第1領域が、重力の作用する方向における前記流路の最下部に位置する第1の配置に前記バイオチップを保持することと、前記第1領域を加熱することと、前記反応液が移動する方向における位置が前記第1領域とは異なる前記流路の第2領域が、重力の作用する方向における前記流路の最下部に位置する第2の配置に前記バイオチップを保持することと、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、バイオチップを回転させることで加熱冷却サイクルを行うためにバイオチップ内の液体に反応液を注入するが、その際、複数の液滴からなる反応液を形成させる。同体積の反応液を単一の状態でバイオチップ内に注入する場合に比べ、反応液の液滴がバイオチップ内壁に接触する面積が減少するため移動速度が速くなる。このことにより、2水準の各温度で複数の液滴からなる反応液を保持する時間を短縮することができ、高速な熱サイクルを可能とする熱サイクル方法を提供する。
実施形態に係る熱サイクル装置の斜視図。(A)は蓋を閉じた状態、(B)は蓋を開けた状態を示す。 実施形態に係る熱サイクル装置における本体の分解斜視図。 実施形態に係る熱サイクル装置における本体の、図1(A)のA−A線における断面を模式的に示す断面図。(A)は第1の配置、(B)は第2の配置を示す。 実施形態に係るバイオチップの断面図。 実施形態に係る複数の液滴からなる反応液の熱サイクル処理を示す図。 実施形態に係る反応液の組成を示す表。 実施例1に係る「標準条件」及び「高速条件」における、個々の液滴を異なる体積で分割した際の熱サイクル処理結果を示す表。 実施例2に係る流路の内径と液滴の直径との比と落下時間との関係を示すグラフ。 実施形態に係る熱サイクル装置を用いた熱サイクル処理の手順を表すフローチャート。 変形例に係る熱サイクル装置の斜視図。(A)は蓋を閉じた状態、(B)は蓋を開けた状態を示す。 変形例に係るバイオチップの断面図。 変形例に係る熱サイクル装置における本体の、図10(A)のB−B線における断面を模式的に示す断面図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて以下の順序に従って説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.実施形態
1−1.実施形態における熱サイクル装置の構成
1−2.実施形態における熱サイクル装置を用いた熱サイクル処理
1−3.実施形態における熱サイクル装置及び熱サイクル処理の効果
2.変形例
1.実施形態
1−1.実施形態における熱サイクル装置の構成
図1は、実施形態に係る熱サイクル装置1の斜視図である。(A)は熱サイクル装置1の蓋50を閉じた状態、(B)は熱サイクル装置1の蓋50を開けた状態であり、装着部11にバイオチップ100が装着された状態を表す。図2は、実施形態に係る熱サイクル装置1における本体10の分解斜視図である。図3は、実施形態に係る熱サイクル装置1における本体10の、図1(A)のA−A線における断面を模式的に示す断面図である。(A)は第1の配置、(B)は第2の配置を示す。
実施形態に係る熱サイクル装置1は、図1(A)に示すように、本体10及び駆動機構20を含む。図2に示すように、本体10は、装着部11、第1加熱部12(加熱部に相当)、及び第2加熱部13を含む。第1加熱部12と第2加熱部13との間にはスペーサー14が設けられている。本実施形態の本体10においては、第1加熱部12が底板17の側、第2加熱部13が蓋50の側に配置されている。本実施形態の本体10においては、第1加熱部12、第2加熱部13、及びスペーサー14はフランジ16、底板17、及び固定板19に固定されている。
装着部11は、後述するバイオチップ100を装着する構造である。図1(B)及び図2に示すように、本実施形態の装着部11は、バイオチップ100を差し込んで装着するスロット構造であり、第1加熱部12(加熱部)の第1ヒートブロック12b、スペーサー14、及び第2加熱部13の第2ヒートブロック13bを貫通する穴にバイオチップ100を差し込む構造となっている。装着部11の数は複数であってもよく、図1(B)の例では、20個の装着部11が本体10に設けられている。
本実施形態の熱サイクル装置1は、バイオチップ100を第1加熱部12及び第2加熱部13に対して所定の位置に保持する構造を含むことが好ましい。これにより、第1加熱部12及び第2加熱部13によってバイオチップ100の所定の領域を加熱できる。より具体的には、図3に示すように、後述するバイオチップ100を構成する流路110の、第1領域111を第1加熱部12によって、第2領域112を第2加熱部13によって、加熱できる。本実施形態においてはバイオチップ100の位置を定める構造は底板17であり、図3(A)に示すように、バイオチップ100を底板17に接触する位置まで差し込むことで、第1加熱部12及び第2加熱部13に対してバイオチップ100を所定の位置に保持できる。
第1加熱部12は、装着部11にバイオチップ100を装着した場合に、後述するバイオチップ100の第1領域111を第1の温度に加熱する。図3(A)に示す例では、第1加熱部12は本体10において、バイオチップ100の第1領域111を加熱する位置に配置されている。
第1加熱部12は、熱を発生させる機構と、発生した熱をバイオチップ100に伝える部材とを含んでもよい。図2に示す例では、第1加熱部12は第1ヒーター12a及び第1ヒートブロック12bを含む。本実施形態においては、第1ヒーター12aはカートリッジヒーターであり、導線15によって図示しない外部電源に接続されている。第1ヒーター12aは第1ヒートブロック12bに挿入されており、第1ヒーター12aが発熱することで第1ヒートブロック12bが加熱される。第1ヒートブロック12bは、第1ヒーター12aから発生した熱をバイオチップ100に伝える部材である。本実施形態においてはアルミニウム製のブロックである。
カートリッジヒーターは温度制御が容易であるので、第1ヒーター12aをカートリッジヒーターとすることで、第1加熱部12の温度を容易に安定させることができる。したがって、より正確な熱サイクルを実現できる。アルミニウムは熱伝導率が高いので、第1ヒートブロック12bをアルミニウム製とすることで、バイオチップ100を効率よく加熱できる。また、第1ヒートブロック12bに加熱ムラが生じにくいので、精度の高い熱サイクルを実現できる。また、加工が容易なので第1ヒートブロック12bを精度よく成型でき、加熱の精度を高めることができる。したがって、より正確な熱サイクルを実現できる。
第1加熱部12は、装着部11にバイオチップ100を装着した場合に、バイオチップ100に接触していることが好ましい。これにより、第1加熱部12によってバイオチップ100を加熱した場合に、第1加熱部12の熱をバイオチップ100に安定して伝えることができるので、バイオチップ100の温度を安定させることができる。本実施形態のように、装着部11が第1加熱部12の一部として形成されている場合には、装着部11がバイオチップ100と接触することが好ましい。これにより、第1加熱部12の熱をバイオチップ100に安定して伝えることができるのでバイオチップ100を効率よく加熱できる。
第2加熱部13は、装着部11にバイオチップ100を装着した場合に、バイオチップ100の第2領域112を、第1の温度とは異なる第2の温度に加熱する。図3(A)に示す例では、第2加熱部13は本体10において、バイオチップ100の第2領域112を加熱する位置に配置されている。図2に示すように、第2加熱部13は、第2ヒーター13a及び第2ヒートブロック13bを含む。第2加熱部13は、加熱するバイオチップ100の領域及び加熱する温度が第1加熱部12と異なる以外は、第1加熱部12と同様である。
本実施形態においては、第1加熱部12及び第2加熱部13の温度は、図示しない温度センサー及び後述する制御部によって制御される。第1加熱部12及び第2加熱部13の温度は、バイオチップ100が所望の温度に加熱されるように設定されることが好ましい。本実施形態においては、第1加熱部12を第1の温度に、第2加熱部13を第2の温度に制御することで、バイオチップ100の第1領域111を第1の温度に、第2領域112を第2の温度に加熱できる。本実施形態における温度センサーは熱電対である。
駆動機構20は、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13を駆動する機構である。本実施形態においては、駆動機構20は図示しないモーター及び駆動軸を含み、駆動軸と本体10のフランジ16とが接続されている。本実施形態における駆動軸は、装着部11の長手方向に対して垂直に設けられており、モーターを動作させると駆動軸を回転の軸として本体10が回転される。
本実施形態の熱サイクル装置1は、図示しない制御部を含む。制御部は、後述する第1の温度、第2の温度、第1の時間、第2の時間、及び熱サイクルのサイクル数のうち、少なくとも1つを制御する。制御部が第1の時間又は第2の時間を制御する場合には、制御部は駆動機構20の動作を制御することによって、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13が所定の配置に保持される時間を制御する。制御部は、制御する項目ごとに異なる機構を設けても、全項目を一括して制御するものであってもよい。
本実施形態の熱サイクル装置1における制御部は電子制御であり、上記項目を全て制御する。本実施形態の制御部は図示しないCPU等のプロセッサー、及び、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置を含む。記憶装置には上記各項目を制御するための各種プログラム、データ等が記憶されている。また、記憶装置は各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを有する。
本実施形態の本体10は、図2及び図3(A)の例に示すように、第1加熱部12と第2加熱部13との間にスペーサー14が設けられている。本実施形態のスペーサー14は、第1加熱部12又は第2加熱部13を保持する部材である。スペーサー14を設けることにより、第1加熱部12と第2加熱部13との間の距離を、より正確に定めることができる。すなわち、後述するバイオチップ100の第1領域111及び第2領域112に対する第1加熱部12及び第2加熱部13の位置を、より正確に定めることができる。
スペーサー14の材質は必要に応じて適宜選択できるが、断熱材であることが好ましい。これにより、第1加熱部12及び第2加熱部13の熱が相互に及ぼす影響を少なくできるので、第1加熱部12及び第2加熱部13の温度制御が容易になる。スペーサー14が断熱材である場合には、装着部11にバイオチップ100を装着した場合に、第1加熱部12と第2加熱部13との間の領域においてバイオチップ100を囲むようにスペーサー14が配置されることが好ましい。これにより、バイオチップ100の第1加熱部12と第2加熱部13との間の領域からの放熱を抑制できるので、バイオチップ100の温度がより安定する。本実施形態においては、スペーサー14は断熱材であり、図3(A)の例においては、装着部11はスペーサー14を貫通している。これにより、第1加熱部12及び第2加熱部13によってバイオチップ100を加熱した場合に、バイオチップ100の熱が逃げにくくなるので、第1領域111及び第2領域112の温度をより安定させることができる。
本実施形態の本体10は、固定板19を含む。固定板19は、装着部11、第1加熱部12、及び第2加熱部13を保持する部材である。図1(B)及び図2に示す例においては、2枚の固定板19がフランジ16に嵌め合わされており、第1加熱部12、第2加熱部13、及び底板17が固定されている。固定板19によって本体10の構造がより強固になるので、本体10が破損しにくくなる。
本実施形態の熱サイクル装置1は、蓋50を含む。図1(A)及び図3(A)の例では、装着部11は蓋50によって覆われている。蓋50によって装着部11を覆うことで、第1加熱部12によって加熱をした場合に、本体10から外部への放熱を抑制できるので、本体10内の温度を安定させることができる。蓋50は、固定部51によって本体10に固定されてもよい。本実施形態においては、固定部51は磁石である。図1(B)及び図2の例に示すように、本体10の蓋50の接触する面には磁石が設けられている。図1(B)及び図2には示されていないが、蓋50にも、本体10の磁石が接触する位置に磁石が設けられており、蓋50で装着部11を覆うと、磁力によって蓋50が本体10に固定される。これにより、駆動機構20によって本体10を駆動した場合に蓋50が外れたり動いたりすることを防止できる。したがって、蓋50が外れることで熱サイクル装置1内の温度が変化することを防止できるので、より正確な熱サイクルを後述する複数の液滴からなる反応液140に施すことができる。
本体10は、気密性の高い構造であることが好ましい。本体10が気密性の高い構造であると、本体10内部の空気が本体10の外部に逃げにくいので、本体10内の温度がより安定する。本実施形態においては、図2に示すように、2個のフランジ16、底板17、2枚の固定板19、及び蓋50によって、本体10内部の空間が密閉される。
固定板19、底板17、蓋50、及びフランジ16は断熱材を用いて形成されることが好ましい。これにより、本体10から外部への放熱をさらに抑制できるので、本体10内の温度をより安定させることができる。
1−2.実施形態における熱サイクル装置を用いた熱サイクル処理
図4は、実施形態に係るバイオチップ100の断面図である。以下では、まず、実施形態に係るバイオチップ100について説明する。
本実施形態に係る熱サイクル装置1は、図4(A)に示すように、バイオチップ100の開口に装着された液滴形成部9を含む。液滴形成部9は図示しないポンプにより送り込まれる反応液を複数の液滴からなる反応液140としてバイオチップ100の流路110内に形成する。
本実施形態に係るバイオチップ100は、図4(B)の例に示すように、流路110及び封止部120を含む。流路110には、液滴形成部9で形成された複数の液滴からなる反応液140と、反応液140よりも比重が小さく、かつ、反応液140とは相分離する液体(以下、「液体」という)130とが充填され、封止部120によって封止されている。
流路110は、対向する内壁に近接して複数の液滴からなる反応液140が移動するように形成されている。ここで、流路110の「対向する内壁」とは、流路110の壁面の、向かい合う位置関係にある2つの領域を意味する。「近接」とは、反応液140と流路110の壁面との距離が近いことを意味し、反応液140が流路110の壁面に接触する場合を含む。したがって、「対向する内壁に近接して反応液140が移動する」とは、「流路110の壁面の、向かい合う位置関係にある2つの領域の両方に対して距離が近い状態で、反応液140が移動する」こと、すなわち、対向する内壁に沿って反応液140が移動することを意味する。換言すると、流路110の対向する2つ内壁間の距離は、反応液140が該内壁に近接して移動する程度の距離である。
バイオチップ100の流路110がこのような形状であると、流路110内を反応液140が移動する方向を規制できるので、後述する流路110の第1領域111と、第1領域111とは異なる第2領域112との間を反応液140が移動する経路をある程度規定できる。これにより、反応液140が第1領域111と第2領域112との間を移動する所要時間を、ある程度の範囲に制限できる。したがって、「近接」の程度は、第1領域111と、第2領域112との間を反応液140が移動する時間の変動が、両領域における反応液140の加熱時間に影響を与えない程度、すなわち、反応の結果に影響を与えない程度であることが好ましい。より具体的には、対向する内壁間の反応液140が移動する方向に対して垂直な方向における距離が、反応液140の液滴が2つ以上入らない程度であることが望ましい。
図4の例では、バイオチップ100の外形は円柱状であり、中心軸方向(図4における上下方向)に流路110が形成されている。流路110の形状は、流路110の長手方向に対して垂直な方向の(交差する)断面、すなわち流路110のある領域における反応液140が移動する方向に対して垂直な断面(これを流路110の「断面」とする)が円形の筒状である。したがって、本実施形態のバイオチップ100においては、流路110の対向する内壁は、流路110の断面の直径を構成する流路110の壁面上の2点を含む領域であり、対向する内壁に沿って反応液140が流路110の長手方向に移動する。
バイオチップ100の第1領域111は、第1加熱部12によって第1の温度に加熱される、流路110の一部の領域である。第2領域112は、第2加熱部13によって第2の温度に加熱される、第1領域111とは異なる流路110の一部の領域である。本実施形態のバイオチップ100においては、第1領域111は、流路110の長手方向における一方の端部を含む領域であり、第2領域112は、流路110の長手方向における他方の端部を含む領域である。図3(A)及び図3(B)に示す例では、流路110の封止部120側の端部を含む点線で囲まれた領域が第2領域112であり、封止部120から遠い側の端部を含む点線で囲まれた領域が第1領域111である。
流路110には、液体130と、複数の液滴からなる反応液140とが充填されている。液体130は、反応液140とは相分離する。すなわち混ざり合わない性質であるため、図4に示すように、反応液140は液体130の中に複数の液滴の状態で保持されている。反応液140は、液体130よりも比重が大きいため、流路110の重力方向における最下部の領域に位置している。液体130としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル又はパラフィンオイルを使用できる。反応液140は、反応に必要な成分を含む液体である。反応がPCRである場合には、PCRによって増幅されるDNA(標的核酸)、DNAを増幅するために必要なDNAポリメラーゼ、並びにプライマー等が含まれる。例えば、液体130としてオイルを用いてPCRを行う場合には、反応液140は上記の成分を含む水溶液であることが好ましい。
図5は、本実施形態に係る複数の液滴からなる反応液140の熱サイクル処理を示す図である。
流路110内を液体130で満たした状態で、流路110の両端を異なる温度の第1加熱部12及び第2加熱部13(図3参照)で加熱することにより、図5に示すように、流路110内の液体130に60℃と95℃との2水準の領域(温度帯)を設けておく。ここに検体からDNA若しくはRNAを抽出した溶液を含む反応液140を、流路110内で反応液140が複数(2個以上)の液滴になるよう液滴形成部9を用いて形成する(図4(A)参照)。
液滴を複数形成する方法としては、例えば、液滴形成部9としてピエゾ素子を搭載した液滴吐出用ヘッドが挙げられる。ピエゾ素子は周知のように、電圧を印加することにより結晶構造が歪み、高速に電気エネルギーから機械エネルギーへの変換を行う素子である。ピエゾ素子の両端に設置された電極に電圧をかける時間幅を調節することで、吐出する液滴の体積を正確に制御できる。例えば、液滴吐出用ヘッドを制御回路を介してコントローラーと接続し、ここで液滴の数と、液滴1個当たりの体積を設定してもよい。コントローラー上には現在の設定値が表示される液晶画面と設定値を上下させるためのボタンがそれぞれ取り付けられており、数と体積を設定するためのものが別々に用意されていてもよい。液滴の数は1〜50個の範囲で1個間隔、体積は0.1〜5.0μLの範囲で0.1μLの間隔で設定が可能であってもよい。
バイオチップ100を第1加熱部12及び第2加熱部13ごと回転させることで、液体130中の反応液140を比重差により2水準の領域(温度帯)を移動させ(図5(B)参照)、熱サイクルを50サイクル行う。このとき、液体130の対流が起きると設定した2水準の温度が維持できないため、バイオチップ100の流路110の内径を絞り、かつ適正な粘度の液体130を使用することで流体抵抗を増加させ、対流を抑えてもよい。
本実施形態ではオイル添加剤としてカルビノール変性シリコーンオイルを使用した。カルビノール変性シリコーンオイルを全オイルの4%若しくは5%添加する。これにより、反応液140が流路110壁面に付着することを防ぎ流路110内を円滑に移動する。また、反応液140の液滴の表面を界面活性剤が覆うことで、複数形成した液滴同士が加熱及び移動時に融合してしまうのを防ぐ。
(実施例1)
本実施形態に係る熱サイクル装置1で反応を行った結果、従来の反応液を単一の状態で流路110内に注入する方法に比べて、同体積の反応液140を複数の液滴に分割した場合は各反応温度で保持する時間を短縮することが可能であることを確認した。
図6は、本実施例に係る反応液140の組成を示す表である。
PCRのターゲット及び反応液140には、図6に示す組成を使用し、PCR産物量の評価はアガロースゲル電気泳動法を用いて行った。
本実施例では、2水準の領域(温度帯)が60℃と95℃とで、保持時間をそれぞれ30秒と10秒とにした場合を「標準条件」、7秒と5秒とにした場合を「高速条件」と呼ぶことにする。また、ここでの保持時間は複数の液滴からなる反応液140が流路110内を移動する時間と熱による反応時間を足し合わせたものを表している。この「標準条件」及び「高速条件」において、個々の液滴(反応液140)を異なる体積で用意した際の熱サイクル処理結果を図7に示す。
図7は、本実施例に係る「標準条件」及び「高速条件」における、個々の液滴(反応液)を異なる体積で分割した際の熱サイクル処理結果を示す表である。なお、電気泳動のバンドパターンが確認できた場合を○、確認できなかった場合を×であらわしている。また、3.5μLの場合は「標準条件」で電気泳動のバンドパターンが確認されなかったため、「高速条件」での実験を行わなかった。
表中に示す液滴の体積が3.5μL及び3.0μLの場合は単一の液体で実験を行っており、それ以外は液滴を複数作成した場合で、合計の体積が3.0μLに近くなるよう表中に示す体積の液滴を複数作成して実験を行った。図7に示すように、「標準条件」において単一の液滴で実験を行ったところ、3.5μLの場合は電気泳動のバンドパターンが確認できず、3.0μLの場合は電気泳動のバンドパターンが確認された。これは、3.0μLの場合に比べて3.5μLでは液滴のサイズが増大するので流路110の内壁と液滴表面間の隙間が減少し、液滴が落下するための液体130移動に時間がかかるようになり、液滴の移動時間が長くなることで十分な反応時間が得られなかったことに起因すると考えられる。熱サイクル処理では液体130の対流を抑えなければならず、流路110の内径を大きくすることは望ましくないため、液滴の体積は3.0μL以下にする必要があるといえる。
「標準条件」で実験を行った際には電気泳動のバンドパターンが確認できた3.0μLの場合でも、これより保持時間を短くした「高速条件」では熱サイクル処理が十分に進行せず電気泳動のバンドパターンは確認できなくなった。一方で3.0μLの反応液140を分割して1.5μLの液滴を2個形成した場合は、「高速条件」で熱サイクル処理を行ったところ電気泳動のバンドパターンが確認でき、単一の液滴で反応を行った場合よりも短い保持時間での熱サイクル処理を可能にした。
他の市販されているPCR反応液キットでも「高速条件」で実験を行ったところ、単一の液滴では電気泳動のバンドパターンが確認できなかったが、液滴を2個形成した場合は電気泳動のバンドパターンが確認された。これは、液滴を複数に分割すると1個あたりの液滴サイズが減少するため、これにより流路110の内壁と液滴表面と間の隙間が増加することで液滴の移動に伴う液体130の移動が速くなり、液滴の移動時間が短縮されて十分な反応時間を確保できるためだと考えられる。以上の結果より、液滴を分割して個々の体積を減少させることが熱サイクル処理の高速化に有効であるということが示された。
また、単一の液滴と比較して同体積の反応液140を複数の液滴に分割すると、液滴の数が増加することで正味の体積に対する表面積が増大する。これにより液体130からの熱伝導性が向上する効果も含まれると考えられる。ただし、個々の液滴の体積を小さくし過ぎると「高速条件」での熱サイクル処理ができなくなる。図7に示すように、1.5μLよりさらに液滴を分割して実験を行った結果、0.2μLまでは「標準条件」と「高速条件」との両条件において電気泳動のバンドパターンは確認されたが、0.1μLの場合ではいずれの条件においても電気泳動のバンドパターンは確認できなかった。
この原因として、1個当たりの液滴量を減少させると質量が低下するために落下速度が遅くなってしまい、保持時間の間に液滴が十分移動できないことが考えられる。したがって、移動時間は液滴の体積に強く依存しており、“液滴を分割して個々の体積を減少させる行為”がもたらす効果は、「液滴表面と流路110の内壁との距離を離すことによる移動時間の短縮」と「液滴の質量が減少することによる移動時間の延長」の両方を含んでいると言える。そこで、「高速条件」に対応できる液滴サイズの上限と下限を規定するための実験を行った。その結果は以下の実施例2に示す。
(実施例2)
次に、複数液滴によって熱サイクル処理を行う際に有効な流路110の内径と液滴の直径の比を説明する。前述の通り、流路110の内壁と液滴表面間の隙間が増加することで液滴の移動に伴う液体130の移動が速くなり液滴の移動が円滑になる。したがって、「高速条件」に対応できる液滴サイズを規定するに当たって、適切な液滴サイズは流路110の内径に依存することになる。そこで、流路110の内径と液滴の直径の比率を考えることで液滴サイズを規定した。
実施例1と同様に、流路110内を液体130で満たした状態で、流路110の両端を異なる温度の第1加熱部12及び第2加熱部13で加熱することで60℃と95℃との2水準の領域(温度帯)を設けておく。ここに異なる体積の液滴を1個形成し、バイオチップ100を第1加熱部12及び第2加熱部13ごと回転させる。その際、液滴が60℃の領域(温度帯)から95℃の領域(温度帯)に移動して流路110内の最下点に到達するまでの時間を測定した。その結果を図8に示す。
図8は、本実施例に係る流路110の内径と液滴の直径との比と落下時間との関係を示すグラフである。なお、図中の点線の丸は比が0.29及び0.86の点を表している。比は(流路110の内径)/(液滴の直径)で算出し、縦軸は液滴の落下時間、横軸は流路110の内径(2.0mm)と液滴の直径との比(以下、単に“比”と表記)を表している。
先にも述べたが「高速条件」での60℃と95℃とでの保持時間は、それぞれ7秒と5秒とである。DNAの熱変性は瞬間的(1秒以下)に起こると言われているため、4秒以内に液滴が流路110の最下点に到達すれば、熱変性の時間と移動時間を足し合わせても短い方の保持時間5秒の間に熱サイクル処理が可能だと判断できる。図8より、比が0.29及び0.86の場合(図中点線の丸)は落下時間がちょうど4秒になるため、比が0.29〜0.86の範囲であれば液滴は4秒以内に最下点まで移動できると言える。したがって、流路110の長手方向と交差する断面の内径に対する液滴の直径の比が0.29〜0.86の範囲では熱サイクル処理の「高速化」が可能で、これは実施例1の結果と対応させても適合している。したがって、比が0.29〜0.86の範囲を「高速条件」に対応できる液滴サイズとして規定する。なお、異なる液滴間における落下時間の差が大きくなると至適温度で保持する時間の設定が難しくなるため、落下時間の差が1秒以内になるように液滴量のばらつきを制御することが望ましい。
次に、バイオチップ100を用いた場合の、実施形態に係る熱サイクル装置1を用いた熱サイクル処理について説明する。
図9は、本実施形態における熱サイクル装置1を用いた熱サイクル処理の手順を表すフローチャートである。
以下、図3(A)、図3(B)、及び図9を参照しながら、実施形態に係る熱サイクル装置1を用いた熱サイクル処理を説明する。図3(A)及び図3(B)においては、矢印gの方向(図における下方向)が重力の作用する方向である。本実施形態においては、熱サイクル処理の例としてシャトルPCR(2段階温度PCR)を行う場合を説明する。なお、以下に説明する各工程は熱サイクル処理の一例を示すものである。必要に応じて工程の順序を入れ替えたり、2以上の工程を連続的にあるいは並行して行ったり、工程を追加したりしてもよい。
シャトルPCRは、高温と低温との2段階の温度処理を繰り返し反応液に施すことにより、反応液中の核酸を増幅させる手法である。高温の処理においては2本鎖DNAの解離が、低温の処理においてはアニーリング(プライマーが1本鎖DNAに結合する反応)及び伸長反応(プライマーを始点としてDNAの相補鎖が形成される反応)が行われる。
一般に、シャトルPCRにおける高温は80〜100℃の間の温度、低温は50〜70℃の間の温度である。各温度における処理は所定時間行われ、高温に保持する時間は低温に保持する時間よりも短いことが一般的である。例えば、高温が1〜10秒程度、低温が10〜60秒程度としてもよく、反応の条件によってはこれよりも長い時間であってもよい。
なお、使用する試薬の種類や量によって、適切な時間、温度、及びサイクル数(高温と低温を繰り返す回数)は異なるので、試薬の種類や反応液140の量を考慮して適切なプロトコルを決定した上で反応を行うことが好ましい。
まず、ステップS101では、本実施形態に係るバイオチップ100を、装着部11に装着する。本実施形態では、液体130が充填された流路110に反応液140を導入後、封止部120によって封止されたバイオチップ100を装着部11に装着する。反応液140の導入は、マイクロピペットやインクジェット方式の分注装置等を用いて行うことができる。装着部11にバイオチップ100を装着した状態においては、第1加熱部12は第1領域111を、第2加熱部13は第2領域112を、それぞれ含む位置においてバイオチップ100に接している。本実施形態においては、図3(A)に示すようにバイオチップ100を底板17に接触するように装着することで、第1加熱部12及び第2加熱部13に対してバイオチップ100を所定の位置に保持できる。
本実施形態においては、ステップS101における装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13、の配置は第1の配置である。図3(A)に示すように、第1の配置は、バイオチップ100の第1領域111を、重力の作用する方向における流路110の最下部に位置させる配置である。したがって、第1領域111は、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13が所定の配置にある場合に、重力の作用する方向における流路110の最下部に位置する流路110の一部の領域である。第1の配置においては、重力の作用する方向における流路110の最下部に第1領域111が位置しているので、液体130よりも比重の大きい複数の液滴からなる反応液140は、第1領域111に位置している。本実施形態においては、装着部11にバイオチップ100を装着したら、蓋50によって装着部11を覆い、熱サイクル装置1を作動させる。本実施形態においては、熱サイクル装置1を作動させると、ステップS102及びステップS103が開始される。
ステップS102では、第1加熱部12及び第2加熱部13によりバイオチップ100を加熱する。第1加熱部12と第2加熱部13とは、バイオチップ100の異なる領域を異なる温度に加熱する。すなわち、第1加熱部12は第1領域111を第1の温度に加熱し、第2加熱部13は第2領域112を第2の温度に加熱する。これにより、流路110の第1領域111と第2領域112との間には、第1の温度と第2の温度との間で温度が漸次変化する温度勾配が形成される。本実施形態においては、第1の温度は、熱サイクル処理において目的とする反応に適した温度のうち相対的に高い温度であり、第2の温度は、熱サイクル処理において目的とする反応に適した温度のうち、相対的に低い温度である。したがって本実施形態のステップS102においては、第1領域111から第2領域112へ向けて温度が低くなる温度勾配が形成される。本実施形態の熱サイクル処理はシャトルPCRであるので、第1の温度は2本鎖DNAの解離に適した温度、第2の温度はアニーリング及び伸長反応に適した温度とすることが好ましい。
ステップS102における、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置は第1の配置であるので、ステップS102においてバイオチップ100を加熱すると、反応液140は第1の温度に加熱される。したがって、ステップS102においては、複数の液滴からなる反応液140に対して第1の温度における反応が行われる。
ステップS103では、第1の配置において、第1の時間が経過したか否かを判定する。本実施形態においては、判定は図示しない制御部によって行われる。第1の時間は、第1の配置に装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13を保持する時間である。本実施形態において、ステップS101での装着に続いてステップS103が行われる場合、すなわち1回目のステップS103が行われる場合には、熱サイクル装置1を作動させてからの時間が第1の時間に達したか否かが判定される。第1の配置においては、反応液140は第1の温度に加熱されるので、第1の時間は、目的とする反応において複数の液滴からなる反応液140を第1の温度で反応させる時間とすることが好ましい。本実施形態においては、2本鎖DNAの解離に必要な時間とすることが好ましい。
ステップS103において、第1の時間が経過したと判定した場合(yes)は、ステップS104へ進む。第1の時間が経過していないと判定した場合(no)は、ステップS103が繰り返される。
ステップS104では、駆動機構20によって本体10を駆動し、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置を第1の配置から第2の配置へ切り換える。第2の配置は、第2領域112を重力の作用する方向において流路110の最下部に位置させる配置である。換言すると、第2領域112は、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13が、第1の配置とは異なる所定の配置にある場合に、重力の作用する方向における流路110の最下部に位置する領域である。
本実施形態のステップS104では、図3(A)の状態から、図3(B)の状態へと装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置を切り換える。本実施形態の熱サイクル装置1においては、制御部の制御によって駆動機構20が本体10を回転駆動する。駆動軸を回転の軸として、モーターによってフランジ16を回転駆動すると、フランジ16に固定されている装着部11、第1加熱部12、及び第2加熱部13が回転される。駆動軸は装着部11の長手方向に対して垂直な方向の軸であるので、モーターの動作によって駆動軸が回転すると、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13が回転される。図3(A)及び図3(B)に示す例では、本体10を180°回転させる。これにより、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置が第1の配置から第2の配置へ切り換えられる。
ステップS104においては、第1領域111と第2領域112との重力の作用する方向における位置関係が第1の配置とは逆になるので、複数の液滴からなる反応液140は重力の作用によって第1領域111から第2領域112へと移動する。装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置が第2の配置に達した場合に、制御部が駆動機構20の動作を停止すると、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置が第2の配置に保持される。装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置が第2の配置に達したら、ステップS105が開始される。
ステップS105では、第2の配置において、第2の時間が経過したか否かを判定する。第2の時間は、第2の配置に装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13を保持する時間である。本実施形態においては、第2領域112はステップS102において第2の温度に加熱されているので、本実施形態のステップS105においては、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置が第2の配置に達してからの時間が第2の時間に達したか否かが判定される。第2の配置においては、複数の液滴からなる反応液140は第2領域112に保持されるので、本体10が第2の配置に保持されている時間、複数の液滴からなる反応液140は第2の温度に加熱される。したがって、第2の時間は、目的とする反応において、複数の液滴からなる反応液140を第2の温度に加熱する時間とすることが好ましい。本実施形態においては、アニーリングと伸長反応に必要な時間とすることが好ましい。
ステップS105において、第2の時間が経過したと判定した場合(yes)は、ステップS106へ進む。第2の時間が経過していないと判定した場合(no)は、ステップS105が繰り返される。
ステップS106では、熱サイクルの回数が所定のサイクル数に達したか否かを判定する。具体的には、ステップS103からステップS105までの手順が、所定回数完了したか否かを判定する。本実施形態においては、ステップS103及びステップS105が完了した回数は、「yes」と判定された回数で判定される。ステップS103からステップS105までが1回行われると、複数の液滴からなる反応液140に熱サイクルが1サイクル施されるので、ステップS103からステップS105が行われた回数を、熱サイクルのサイクル数とすることができる。したがって、ステップS106により、目的とする反応に必要な回数の熱サイクルが施されたか否かを判定できる。
ステップS106において、熱サイクルが予定のサイクル数行われた(yes)と判定した場合には、処理を完了する(END)。熱サイクルが予定のサイクル数行われていない(no)と判定した場合には、ステップS107へ移行する。
ステップS107では、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置を、第2の配置から第1の配置へ切り換える。駆動機構20によって本体10を駆動することで、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置を第1の配置とすることができる。装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置が第1の配置に達したら、ステップS103が開始される。
ステップS107に続いてステップS103が行われる場合、すなわち2回目以降のステップS103においては、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置が第1の配置に達してからの時間が第1の時間に達したか否かが判定される。
駆動機構20によって装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13を回転させる方向は、ステップS104における回転と、ステップS107における回転とで、反対方向であることが好ましい。これにより、回転によって導線15などの配線に生じた捩れを解消できるので、配線の劣化を抑制できる。回転の方向は、駆動機構20による1回の動作毎に反転させることが好ましい。これにより、同方向への回転を複数回連続して行う場合と比較して、配線が捩れる程度を軽減できる。
1−3.実施形態における熱サイクル装置及び熱サイクル処理の効果
本実施形態に係る熱サイクル装置及び熱サイクル方法によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態は、複数の液滴からなる反応液140を用いることにより、液滴移動による加熱冷却サイクルを高速化することにより熱サイクル処理に要する時間を短縮するための方法である。バイオチップ100を回転させることで加熱冷却サイクルを行うために流路110内の液体130に反応液140を注入するが、その際、複数の液滴からなる反応液140を形成させる。同体積の反応液を単一の状態で流路110内に注入する場合に比べ、液滴が流路110内壁に接触する面積が減少するため移動速度が速くなる。このことにより、2水準の各温度で液滴を保持する時間を短縮することができ、熱サイクル処理の高速化を可能にする。
2.変形例
以下、実施形態に基づいて変形例について説明する。
図10は、変形例に係る熱サイクル装置2の斜視図である。図10(A)は蓋50を閉じた状態、図10(B)は蓋50を開けた状態を示す。図11は、変形例5に係るバイオチップ100の断面図である。図12は、変形例に係る熱サイクル装置2の本体10aの、図10(A)のB−B線における断面を模式的に示す断面図である。以下の変形例は、相互に矛盾しない構成である限り任意の組合せが可能であり、図10(A)、図10(B)、並びに図12に示す熱サイクル装置2は、変形例2、5、17、18の構成を組み合わせた例である。該当する変形例については、図10ないし図12を参照して説明する。以下においては実施形態とは異なる構成について詳述し、実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
(変形例1)
本実施形態において、複数の液滴からなる反応液140を形成させる方法として、ピエゾ素子を搭載した液滴吐出用ヘッドを挙げたが、さらに、単一の液滴に対してバイオチップ100の外から強い振動等の衝撃を加えてもよい。また、液滴を吐出するノズルの内径を小さくする、若しくは吐出速度を増加させる、若しくはこの両方を組み合わせてもよい。さらに、ノズルの先端を網目状にしてもよい。若しくはそれと同等の効果を示す網状の部品をノズル先端に取り付けることで液滴を吐出する口を分割してもよい。
(変形例2)
実施形態においては、熱サイクル装置1が検出装置を含まない例を示したが、図10(A)及び図10(B)に示すように、本変形例に係る熱サイクル装置2は蛍光検出器40を含んでもよい。これにより、例えばリアルタイムPCRのような蛍光検出を伴う用途に熱サイクル装置2を使用できる。蛍光検出器40の数は検出が問題なく行える限り任意である。本変形例においては、1個の蛍光検出器40をスライド22に沿って移動させて蛍光検出を行う。蛍光検出を行う場合には、本体10aの第2加熱部13側に測定窓18(図12参照)を設けることが好ましい。これにより、蛍光検出器40と、反応液140との間に存在する部材を少なくすることができるので、より適切な蛍光測定ができる。
本変形例においては、図10(A)、図10(B)、並びに図12に示す熱サイクル装置2においては、蓋50の側に第1加熱部12が設けられ、蓋50から遠い側に第2加熱部13が設けられている。すなわち、第1加熱部12及び第2加熱部13と、本体10に含まれる他の部材との位置関係が熱サイクル装置1とは異なっている。位置関係が異なる以外は、第1加熱部12及び第2加熱部13の機能は実施形態と同様である。本変形例においては、図12に示すように、第2加熱部13に測定窓18が設けられている。これにより、低温側(アニーリング及び伸長反応を行う温度)で蛍光測定を行うリアルタイムPCRにおいて適切な蛍光測定ができる。蓋50の側から蛍光測定を行う場合には、封止部120や蓋50が測定に影響を与えない設計とすることが好ましい。
(変形例3)
実施形態においては、第1の温度及び第2の温度は熱サイクル処理の開始から終了まで一定としたが、第1の温度及び第2の温度のうち少なくとも一方を処理の途中で変更してもよい。第1の温度及び第2の温度は、制御部の制御によって変更できる。第1加熱部12及び装着部11の配置を切り換えて反応液140を移動させることで、変更された温度に反応液140を加熱できる。したがって、加熱部の数を増やしたり、装置の構造を複雑にしたりすることなく、例えば逆転写PCRのような、2種類以上の温度の組合せを必要とする反応を行うことができる。
(変形例4)
実施形態においては、装着部11がスロット構造である例を示したが、装着部11はバイオチップ100を保持できる構造であればよい。例えば、バイオチップ100の形状に合わせた窪みにバイオチップ100をはめ込む構造や、バイオチップ100を挟んで保持する構造を採用してもよい。
(変形例5)
実施形態においては、バイオチップ100の位置を定める構造は底板17であったが、位置を定める構造は所望の位置にバイオチップ100を保持できるものであればよい。位置を定める構造は、熱サイクル装置1に設けられた構造であっても、バイオチップ100に設けられた構造であっても、両方の組合せであってもよい。例えば、螺子、差込式の棒、バイオチップ100に突出部を設けた構造、装着部11とバイオチップ100とが勘合する構造を採用できる。螺子や棒を用いる場合には、螺子の長さやねじ込む長さ、棒を差し込む位置を変更することで、熱サイクルの反応条件やバイオチップ100の大きさ等に合わせて保持する位置を調節できるようにしてもよい。
バイオチップ100と装着部11とが勘合する構造は、例えば図10、図11、図12に示すように、バイオチップ100に設けた突出部113を、装着部11に設けた凹部60にはめ込む構造が採用できる。これにより、第1加熱部12又は第2加熱部13に対するバイオチップ100の向きを一定に保つことができる。したがって、熱サイクルの途中でバイオチップ100の向きが変化することを抑制できるので、加熱をより精密に制御できる。したがって、より正確な熱サイクルを反応液に施すことができる。
(変形例6)
実施形態においては、第1加熱部12と第2加熱部13とがともにカートリッジヒーターである例を示したが、第1加熱部12は第1領域111を第1の温度に加熱できるものであればよい。第2加熱部13は第2領域112を第2の温度に加熱できるものであればよい。例えば、第1加熱部12及び第2加熱部13としては、カーボンヒーター、シートヒーター、IH(電磁誘導加熱)、ペルチェ素子、加熱液体、加熱気体を使用できる。また、第1加熱部12と第2加熱部13とで異なる加熱機構を採用してもよい。
(変形例7)
実施形態においては、バイオチップ100を第1加熱部12と第2加熱部13によって加熱する例を示したが、第2加熱部13の代わりに第2領域112を冷却する冷却部を設けてもよい。冷却部としては、例えばペルチェ素子を使用できる。これにより、例えば、バイオチップ100の第1領域111からの熱によって第2領域112の温度が低下しにくい場合にも、流路110に所望の温度勾配を形成できる。また、例えば、加熱と冷却を繰り返す熱サイクルを反応液140に施すことができる。
(変形例8)
実施形態においては、第1ヒートブロック12b及び第2ヒートブロック13bの材質がアルミニウムである例を示したが、ヒートブロックの材質は熱伝導率、保温性、加工しやすさ等の条件を考慮して選択できる。例えば銅合金を使用してもよく、複数の材質を組み合わせてもよい。また、第1ヒートブロック12bと第2ヒートブロック13bとが異なる材質であってもよい。
(変形例9)
実施形態に例示したように、装着部11が第1加熱部12の一部として形成されている場合には、装着部11をバイオチップ100に密着させる機構を設けてもよい。密着させる機構は、バイオチップ100の少なくとも一部を装着部11に密着させることができればよい。例えば、本体10や蓋50に設けたバネによってバイオチップ100を装着部11の一方の壁面に押し付けてもよい。これにより、第1加熱部12の熱をバイオチップ100にさらに安定して伝えることができるので、バイオチップ100の温度をさらに安定させることができる。
(変形例10)
実施形態においては、第1加熱部12及び第2加熱部13の温度が、バイオチップ100を加熱する温度と実質的に等しくなるよう制御される例を示したが、第1加熱部12及び第2加熱部13の温度制御は、実施形態に限定されない。第1加熱部12及び第2加熱部13の温度は、バイオチップ100の第1領域111及び第2領域112が所望の温度に加熱されるように制御されていればよい。例えば、バイオチップ100の材質や大きさを考慮することで、第1領域111及び第2領域112の温度をより正確に所望の温度に加熱できる。
(変形例11)
実施形態においては、駆動機構20がモーターである例を示したが、駆動機構20は装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13を駆動できる機構であればよい。駆動機構20が装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13を回転させる機構である場合、駆動機構20は遠心力によって液体130の温度勾配が乱されない程度の回転速度に制御可能であることが好ましい。また、配線に生じた捩れを解消するために、回転の方向を反転させることができるものであることが好ましい。このような機構としては、例えばハンドル、ぜんまい等を採用できる。
(変形例12)
実施形態においては、装着部11が第1加熱部12の一部である例を示したが、駆動機構20を動作させた場合に両者の位置関係が変化しない限り、装着部11と第1加熱部12とは別の部材であってもよい。装着部11と第1加熱部12とが別の部材である場合には、両者が直接又は他の部材を介して固定されていることが好ましい。また、装着部11と第1加熱部12とは同一の機構によって駆動されても、別個の機構によって駆動されてもよいが、両者の位置関係を一定に保つように動作することが好ましい。これにより、駆動機構20を動作させた場合に装着部11と第1加熱部12との位置関係を一定に維持できるので、バイオチップ100の所定の領域を所定の温度に加熱できる。なお、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13を駆動する機構が別個の機構である場合には、両者を合わせて駆動機構20とする。
(変形例13)
実施形態においては、温度センサーが熱電対である例を示したが、例えば測温抵抗体やサーミスターを使用してもよい。
(変形例14)
実施形態においては、固定部51が磁石である例を示したが、固定部51は蓋50と本体10を固定できるものであればよい。例えば、蝶番やキャッチクリップを採用してもよい。
(変形例15)
実施形態においては、駆動軸の方向は装着部11の長手方向に対して垂直であるとしたが、駆動軸の方向は、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置を第1の配置と第2の配置との間で切り換えることができる限り任意である。駆動機構20が装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13を回転駆動する機構である場合、装着部11の長手方向に対して非平行な直線を回転の軸とすることで、装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置を切り換えることができる。
(変形例16)
実施形態においては、制御部は電子制御である例を示したが、第1の時間又は第2の時間を制御する制御部(時間制御部)は、第1の時間又は第2の時間を制御できるものであればよい。すなわち、駆動機構20の動作又は停止のタイミングを制御できるものであればよい。また、熱サイクルのサイクル数を制御する制御部(サイクル数制御部)は、サイクル数を制御できるものであればよい。時間制御部及びサイクル数制御部としては、例えば、物理的な機構や電子制御機構、及びこれらの組合せを採用できる。
(変形例17)
熱サイクル装置は、図10(A)及び図10(B)に例示するように、設定部25を含んでもよい。設定部25はUI(ユーザーインターフェイス)であり、熱サイクルの条件を設定する機器である。設定部25を操作することにより、第1の温度、第2の温度、第1の時間、第2の時間、及び熱サイクルのサイクル数のうち、少なくとも1つを設定できる。設定部25は制御部と機械的又は電子的に連動しており、設定部25での設定が制御部の制御に反映される。これにより、反応の条件を変更できるので、所望の熱サイクルを反応液140に施すことができる。設定部25は、上記のいずれかの項目を個別に設定できるものであっても、例えば事前に登録した複数の反応条件の中から1つを選択すると、必要な項目が自動的に設定されるものであってもよい。図10の例では設定部25はボタン式であり、項目別にボタンを押すことで反応条件を設定できる。
(変形例18)
熱サイクル装置は、図10(A)及び図10(B)に例示するように表示部24を含んでもよい。表示部24は表示装置であり、熱サイクル装置に関する各種情報を表示する。表示部24は、設定部25で設定される条件や熱サイクル処理中の実際の時間や温度を表示してもよい。例えば、設定を行う場合には入力された条件を表示したり、熱サイクル処理中には温度センサーによって測定された温度、第1の配置又は第2の配置において経過した時間、熱サイクルを施したサイクル数を表示したりしてもよい。また、熱サイクル処理が終了した場合や、装置に何らかの異常が発生した場合にも、その旨を表示してもよい。さらに、音声による通知を行ってもよい。表示や音声による通知を行うことで、熱サイクル処理の進行や終了を装置の使用者が容易に把握できる。
(変形例19)
実施形態においては、流路110の断面が円形のバイオチップ100を例示したが、流路110の形状は、対向する内壁に近接して反応液140が移動できる限り任意である。すなわち、反応液が第1領域111と第2領域112との間を移動する時間の変動が、両領域における反応液140の加熱時間に影響を与えない限り任意である。なお、バイオチップ100の流路110の断面が多角形の場合には、「対向する内壁」は、流路110に内接する断面が円形の流路を仮定した場合に、該流路の対向する内壁であるものとする。すなわち、流路110に内接する、断面が円形の仮想流路の対向する内壁に近接して反応液140が移動するように流路110が形成されていればよい。これにより、流路110の断面が多角形の場合にも、第1領域111と第2領域112との間を反応液140が移動する経路を、ある程度規定できる。したがって、反応液140が第1領域111と第2領域112との間を移動する所要時間を、ある程度の範囲に制限できる。
(変形例20)
実施形態においては、液体130は反応液140よりも比重が小さい液体であるとしたが、液体130は、反応液140とは相分離し、かつ、反応液140と比重が異なる液体であればよい。例えば、反応液140とは相分離し、かつ、反応液140よりも比重が大きい液体を採用してもよい。液体130が反応液140よりも比重が大きい場合には、反応液140は重力方向における流路110の最上部に位置する。
(変形例21)
実施形態においては、ステップS104における回転の方向と、ステップS107における回転の方向を反対方向としたが、同じ方向への回転を複数回行った後に、反対方向へ同じ回数回転させてもよい。これにより、配線に生じた捩れを解消できるので、反対方向への回転を行わない場合と比較して、配線の劣化を抑制できる。
(変形例22)
実施形態における熱サイクル装置1は、第1加熱部12及び第2加熱部13を含んだが、第2加熱部13は無くてもよい。すなわち、加熱部は第1加熱部12のみであってもよい。これにより、使用する部材の数を減らすことができるので、製造コストを削減できる。
本変形例においては、第1加熱部12によってバイオチップ100の第1領域111を加熱することにより、第1領域111から距離が離れるにつれて温度が低くなるバイオチップ100に温度勾配が形成される。第2領域112は、第1領域111とは異なる領域であるので、第1領域111よりも低い第2の温度に維持される。本変形例においては、第2の温度は、例えばバイオチップ100の設計や液体130の性質、第1加熱部12の温度の設定等によって制御される。
本変形例においては、駆動機構20によって装着部11及び第1加熱部12の配置を第1の配置と第2の配置との間で切り換えることで、反応液140を第1領域111と第2領域112との間で移動させることができる。第1領域111と第2領域112とは異なる温度に維持されているので、反応液140に熱サイクルを施すことができる。
第2加熱部13が無い場合には、スペーサー14は第1加熱部12を保持する。これにより、本体10における第1加熱部12の位置をより正確に定めることができるので、第1領域111をより確実に加熱できる。スペーサー14が断熱材である場合には、第1加熱部12によって加熱される領域以外のバイオチップ100の領域を囲むようにスペーサー14を配置することで、第1領域111及び第2領域112の温度をより安定させることができる。
本変形例の熱サイクル装置は、本体10の温度を一定に保つ機構を有してもよい。これにより、バイオチップ100の第2領域112の温度がより安定するので、より正確な熱サイクルを反応液140に施すことができる。本体10を保温する機構としては、例えば恒温槽が使用できる。
(変形例23)
実施形態においては、熱サイクル装置1が蓋50を含む例を示したが、蓋50は無くてもよい。これにより、使用する部材の数を減らすことができるので、製造コストを削減できる。
(変形例24)
実施形態においては、熱サイクル装置1がスペーサー14を含む例を示したが、スペーサー14は無くてもよい。これにより、使用する部材の数を減らすことができるので、製造コストを削減できる。
(変形例25)
実施形態においては、熱サイクル装置1が底板17を含む例を示したが、図12に示すように、底板17は無くてもよい。これにより、使用する部材の数を減らすことができるので、製造コストを削減できる。
(変形例26)
実施形態においては、熱サイクル装置1が固定板19を含む例を示したが、固定板19は無くてもよい。これにより、使用する部材の数を減らすことができるので、製造コストを削減できる。
(変形例27)
実施形態においては、スペーサー14と固定板19とが別個の部材である例を示したが、図12に示すように、スペーサー14と固定板19と一体に形成されていてもよい。また、底板17とスペーサー14と、あるいは底板17と固定板19とが一体に形成されていてもよい。
(変形例28)
スペーサー14及び固定板19は、透明であってもよい。これにより、透明なバイオチップ100を熱サイクル処理に使用した場合に、装置の外部から反応液140が移動する様子を観察できる。したがって、熱サイクル処理が適切に行われているか否かを、目視により確認できる。したがって、ここでの「透明」の程度は、これらの部材を熱サイクル装置1に採用して熱サイクル処理を行った場合に、反応液140の移動が視認できる程度であればよい。
(変形例29)
熱サイクル装置1の内部を観察するためには、スペーサー14を透明にして固定板19を無くしても、固定板19を透明にしてスペーサー14を無くしても、スペーサー14と固定板19との両方を無くしてもよい。観察者と観察対象のバイオチップ100の間に存在する部材が少ないほど、物体による光の屈折の影響が少なくなるので、内部の観察が容易になる。また、部材が少なければ、製造コストを削減できる。
(変形例30)
熱サイクル装置1の内部を観察するためには、図10及び図12に例示するように、本体10aに観察窓23を設けてもよい。観察窓23は、例えば、スペーサー14又は固定板19に形成された穴やスリットであってもよい。図12の例では、観察窓23は固定板19と一体に形成された透明なスペーサー14に設けられた凹部である。観察窓23を設けることで、観察者と観察対象のバイオチップ100の間に存在する部材の厚みを少なくできるので、内部の観察が容易になる。
(変形例31)
実施形態においては、本体10の底板17側に第1加熱部12が、蓋50の側に第2加熱部13が配置されている例を示したが、図12に示すように、蓋50の側に第1加熱部12が配置されていてもよい。第1加熱部12が蓋50の側に配置されている場合には、実施形態のステップS101においてバイオチップ100を装着した場合の装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置は第2の配置である。すなわち、第2領域112が重力の作用する方向における流路110の最下部に位置する配置である。したがって、本変形例の熱サイクル装置2を実施形態に係る熱サイクル処理に適用した場合には、バイオチップ100を装着部11に装着したら、第1の配置への切り換えが行われる。具体的には、ステップS101からステップS102及びステップS103へ移行する前に、ステップS107の処理が行われる。
(変形例32)
実施形態においては、第1加熱部12及び第2加熱部13によってバイオチップ100を加熱する工程(ステップS102)と、第1の時間が経過したか否かの判定を行う工程(ステップS103)とが、バイオチップ100を装着部11に装着したら(ステップS101)開始される例を示したが、ステップS102を開始するタイミングは実施形態に限定されない。ステップS103において計時が開始される時点までに第1領域111が第1の温度に加熱される限り、ステップS102は任意のタイミングで開始してよい。ステップS102を行うタイミングは、使用するバイオチップ100の大きさや材料、第1ヒートブロック12bの加熱に必要な時間等を考慮して決定される。例えば、ステップS101より前、ステップS101と同時、及びステップS101より後でステップS103より前、のいずれかとしてもよい。
(変形例33)
実施形態においては、第1の温度、第2の温度、第1の時間、第2の時間、及び熱サイクルのサイクル数、駆動機構20の動作を制御部によって制御する例を示したが、これらの項目のうち少なくとも1つを使用者が制御することも可能である。使用者が第1の温度又は第2の温度を制御する場合は、例えば温度センサーによって測定された温度を表示部24で表示し、使用者が設定部25を操作して温度を調節してもよい。使用者が熱サイクルのサイクル数を制御する場合、所定回数に達した場合に使用者が熱サイクル装置1を停止させる。サイクル数の計数は、使用者が行っても、熱サイクル装置1が計数を行ってサイクル数を表示部24に表示してもよい。
使用者が第1の時間又は第2の時間を制御する場合には、使用者が所定の時間に達したか否かを判断し、熱サイクル装置2に装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置を切り換えさせる。すなわち、図9のステップS103及びステップS105と、ステップS104及びステップS107の少なくとも一部を使用者が行う。時間は熱サイクル装置2とは連動しないタイマーを用いて計測しても、熱サイクル装置2の表示部24で経過した時間を表示してもよい。配置の切り換えは、設定部25(UI)を操作することで行っても、駆動機構20にハンドルを採用して手動で行ってもよい。
(変形例34)
実施形態においては、駆動機構20の回転によって装着部11、第1加熱部12、並びに第2加熱部13の配置を切り換える場合の回転角度が180°である例を示したが、回転角度は、第1領域111と第2領域112との、重力方向における上下の位置関係が変化する角度であればよい。例えば、回転角度が180°未満であれば、反応液140の移動速度が遅くなる。したがって、回転角度を調節することで、反応液140が第1の温度と第2の温度との間を移動する時間を調節できる。すなわち、反応液140の温度が第1の温度と第2の温度との間で変化する時間を調節できる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1,2…熱サイクル装置 9…液滴形成部 10,10a…本体 11…装着部 12…第1加熱部(加熱部) 12a…第1ヒーター 12b…第1ヒートブロック 13…第2加熱部 13a…第2ヒーター 13b…第2ヒートブロック 14…スペーサー 15…導線 16…フランジ 17…底板 18…測定窓 19…固定板 20…駆動機構 22…スライド 23…観察窓 24…表示部 25…設定部 40…蛍光検出器 50…蓋 51…固定部 60…凹部 100…バイオチップ 110…流路 111…第1領域 112…第2領域 113…突出部 120…封止部 130…液体 140…反応液。

Claims (9)

  1. 複数の液滴からなる反応液を形成する液滴形成部と、
    前記反応液と、該反応液よりも比重が小さく、かつ、該反応液とは相分離する液体とが充填され、該反応液が対向する内壁に近接して移動する流路を含むバイオチップを装着する装着部と、
    前記装着部に前記バイオチップを装着した場合に、前記流路の第1領域を加熱する加熱部と、
    前記装着部及び前記加熱部の配置を、第1の配置と、第2の配置との間で切り換える駆動機構と、
    を含み、
    前記第1の配置は、前記装着部に前記バイオチップを装着した場合に、前記第1領域が、重力の作用する方向における前記流路の最下部に位置する配置であり、
    前記第2の配置は、前記装着部に前記バイオチップを装着した場合に、前記反応液が移動する方向における位置が前記第1領域とは異なる前記流路の第2領域が、重力の作用する方向における前記流路の最下部に位置する配置であることを特徴とする熱サイクル装置。
  2. 請求項1に記載の熱サイクル装置において、
    前記バイオチップの流路の長手方向と交差する断面の内径に対する前記反応液の液滴の直径の比は、0.29〜0.86となるように、前記反応液の個々の液滴の体積が調整されることを特徴とする熱サイクル装置。
  3. 請求項1又は2に記載の熱サイクル装置において、
    前記駆動機構は、
    前記第1の配置から前記第2の配置へ切り換える場合と前記第2の配置から前記第1の配置へ切り換える場合とで、反対方向に前記装着部及び前記加熱部を回転させることを特徴とする熱サイクル装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱サイクル装置において、
    前記駆動機構は、
    前記第1の配置において第1の時間が経過した場合に、前記配置を前記第2の配置へ切り換え、
    前記第2の配置において第2の時間が経過した場合に、前記配置を前記第1の配置へ切り換えることを特徴とする熱サイクル装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱サイクル装置において、
    前記装着部は、
    前記流路の長手方向に前記反応液が移動する前記バイオチップを装着し、
    前記第1領域は、前記長手方向における一方の端部を含む領域であり、前記第2領域は、前記長手方向における他方の端部を含む領域であることを特徴とする熱サイクル装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱サイクル装置において、
    さらに、前記装着部に前記バイオチップを装着した場合に、前記第2領域を加熱する第2加熱部を含み、
    前記加熱部は、第1の温度に前記第1領域を加熱し、
    前記第2加熱部は、前記第1の温度とは異なる第2の温度に、前記第2領域を加熱することを特徴とする熱サイクル装置。
  7. 請求項6に記載の熱サイクル装置において、
    前記第1の温度は、前記第2の温度よりも高い温度であることを特徴とする熱サイクル装置。
  8. 請求項7に記載の熱サイクル装置において、
    前記第1の時間は、前記第2の時間よりも短いことを特徴とする熱サイクル装置。
  9. 複数の液滴からなる反応液を形成することと、
    前記反応液と、該反応液よりも比重が小さく、かつ、該反応液とは相分離する液体とが充填され、該反応液が、対向する内壁に近接して移動する流路を含むバイオチップを装着部に装着することと、
    前記流路の第1領域が、重力の作用する方向における前記流路の最下部に位置する第1の配置に前記バイオチップを保持することと、
    前記第1領域を加熱することと、
    前記反応液が移動する方向における位置が前記第1領域とは異なる前記流路の第2領域が、重力の作用する方向における前記流路の最下部に位置する第2の配置に前記バイオチップを保持することと、
    を含むことを特徴とする熱サイクル方法。
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