JP2013239404A - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比べて長寿命化が可能なリモート電源用の固体酸化物形燃料電池システムを提供する。
【解決手段】固体酸化物形燃料電池システム100は、改質ガスを用いて発電する固体酸化物形燃料電池10と、燃料ガスを改質して改質ガスを生成する改質器20と、固体酸化物形燃料電池10のアノードオフガスを冷却する冷却系統150と、を備え、冷却系統150において、アノードオフガス中の水が回収され、回収水を用いて、改質器20での燃料ガスの改質が行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は固体酸化物形燃料電池システムに関する。
固体酸化物型燃料電池システム(以下、「SOFCシステム」という場合がある。)は、大別すると、定置用とポータブル用の二種類のシステムがある。
定置用システムは、主に、都市ガス(都市で配管を用いて供給されるガス)および市水等のインフラが整備された地域におけるコージェネレーションシステムに用いられ、SOFCシステムにおける電力および熱が利用される(例えば、特許文献1を参照。)。よって、定置用システムでは、グリッド電力との比較におけるユーザーメリットが十分に発揮できるよう、発電高効率化、長寿命化、低コスト化、等が求められる。それ故、水蒸気改質(Steam Reforming:SR)が常用される。これは、水蒸気改質が、最も高効率な改質方法であること、グリッドガス(都市ガス)の主成分がメタン故、適切なスチームカーボン比(S/C)によって数万時間レベルの長寿命化が図れること、改質水が市水から容易に得られること、等の理由による。
ポータブル用システムは、上記インフラに寄らずに自立して運転可能なように、例えば、レジャー、車載APU、軍事用等の電源として開発されている(例えば、特許文献2を参照。)。ポータブル用システムでは、簡素な構成による軽量化およびコンパクト化、インフラに依存しない自立運転の実現、等が求められる。それ故、部分酸化改質(Partially Oxidization Reforming:POX)が常用される。これは、部分酸化改質が、水インフラを必要としないこと、水系統を必要としないため構成が簡素であること、発熱反応であるため燃料電池スタックから改質器に対する熱の供給を行う必要がなく、定置用システムと異なり、燃料電池スタックと改質器との複合ユニットであるホットボックスを形成する必要がないこと、等の理由による。
特開2006−73416号公報 特開2004−006312号公報
ところで、SOFCシステムでは、都市ガスおよび市水等のインフラに寄らない場合、通常、LPGやカセットガス等の可搬燃料が用いられる。これらのガスの主成分はプロパン、ブタン等であって、メタンに比べて炭素析出(コーキング)を起し易いという欠点がある。そして、このことが、リモート電源用のSOFCシステムの長寿命化への阻害要因の一つになっているが、上記のとおり、このタイプのSOFCシステムの長寿命化の要求は緩和される場合が多く(例えば、電池に要求される寿命は1000HR内外)、電池寿命が問題視されることは、今まで少なかった。
しかし、本件発明者等は、かかるリモート電源用のSOFCシステムにおいても、長寿命化への潜在的な要求は存在すると考えている。換言すると、リモート電源用のSOFCシステムの長寿命化を可能にする技術の確立によって、新規なマーケットを開拓できると期待している。
なお、本明細書において、リモートとは、都市ガスおよび市水等のインフラに寄らずに自立して運転する機器やシステムの使用環境のことを指すものとする。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来に比べて長寿命化が可能なリモート電源用のSOFCシステムを提供することを目的とする。
本発明のある態様(aspect)の固体酸化物形燃料電池システムは、改質ガスを用いて発電する固体酸化物形燃料電池と、燃料ガスを改質して前記改質ガスを生成する改質器と、前記固体酸化物形燃料電池のアノードオフガスを冷却する冷却系統と、を備え、前記冷却系統において、前記アノードオフガス中の水が回収され、前記回収水を用いて、前記改質器での前記燃料ガスの改質が行われる。
本発明は、従来に比べて長寿命化が可能なリモート電源用のSOFCシステムを提供するという効果を奏する。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
図1は、実施の形態1のSOFCシステムの一例を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1の変形例のSOFCシステムの一例を示すブロック図である。 図3は、実施の形態2のSOFCシステムの一例を示すブロック図である。 図4は、実施の形態2の変形例のSOFCシステムの一例を示すブロック図である。 図5は、実施の形態3のSOFCシステムの一例を示すブロック図である。 図6は、従来のSOFCシステムの一例を示すブロック図である。
まず、各実施の形態1−3の具体的な構成及び動作を説明する前に、本実施の形態に至った経緯を説明する。
本実施の形態では、上記のとおり、リモート電源用のSOFCシステムの長寿命化、とりわけ、LPG改質を行う場合の改質系統の長寿命化が意図されている。この場合、鍵となるのは、一つは、十分な生成水回収技術の確立であり、他の一つは、LPGの脱硫技術の確立であると考えられる。
[生成水回収について]
LPGの主成分は、プロパン(C)およびブタン(C10)であるが、自動車用LPGガスの国際規格(IS14861-2000)に参照すると、若干量のC以上の成分を含む。この重組成炭化水素の存在により、LPG改質はメタン改質等に比べてコーキング(炭素析出)を起し易いので、大量の酸化剤が必要である。このため、不足の水に加えて、酸素(空気)を添加して行われるオートサーマル改質(Auto Thermal Reforming:ATR)が、コーキングを防止する好適な方法である。
なお、本明細書では、オートサーマル状態のことを、その源義通りに、水蒸気改質の吸熱反応と部分酸化改質の発熱反応の均衡状態を指すのではなく、単に水蒸気改質と部分酸化改質が併用される状態を指すものとする。
このとき、オートサーマル改質における水および空気の適量は、概ね、S/C(スチームカーボン比)が2.0−3.0程度、O/C(酸素カーボン比)が0.3−0.8程度となる量であって、水蒸気改質の基本条件に、水蒸気クラッキングで消費される水を補填するために空気を添加するような量論比で行われる。なお、O/Cが上がるほど、改質効率は落ちるので、空気添加は最低限の量で行う方が好ましい。
このような状況において、リモート電源用のSOFCシステムを前提とした場合(つまり、水自立を必須とする場合)、従来のSOFCシステムでは、SOFCシステムの改質に用いる水回収は極めて難しいと考えられる。
これは、以下の理由による。
まず、固体酸化物形燃料電池(以下、「SOFC」という場合がある。)では、改質ガス(水素)と空気(酸素)とが発電反応することにより、アノードにおいてのみ水が生成する。そして、従来、図6に例示する如く、SOFC50の高温のアノードオフガスはそのまま、アフターバーナ52において、SOFC50のカソードオフガスとともに燃焼され、燃焼排ガスが予熱器53に送られる。
一方、冷却のため、SOFC50のカソードには、量論比に対して大幅に過剰な空気(空気利用率Uo=0.2−0.3程度)の供給を必要とする。
よって、図6の例に倣い、多量のカソードオフガスを用いて、SOFC50のアノードオフガスをそのまま、アフターバーナ52で燃焼させると、アノードオフガス中のSOFCの生成水が空気(例えば、窒素ガス)によって希釈される。
つまり、図6に示す如く、アノードオフガスをそのまま、アフターバーナ52で燃焼させた場合、ガスの水蒸気分圧が大幅に低下する(つまり、ガスの露点が大幅に低下する)。
従って、図6に示す如く、アノードオフガスをそのまま、アフターバーナ52で燃焼させた場合、水蒸気分圧の低い燃焼排ガスが多量に発生することとなり、燃焼排ガス中の水を回収すべく、多量の燃焼排ガスを露点以下にまで冷却するのが困難である。
以上の点で、従来のSOFCシステムは、効率的な水回収が困難である。
[LPGの脱硫について]
自動車用LPGガスの国際規格(IS14861-2000)を参照すると、LPGの揮発性硫黄成分の濃度は、規格上150PPMが許容され、典型的には25PPM程度である。これは、例えば、日本の都市ガス中の付臭剤濃度(5PPM)の数倍であり、かつ、LPGは、石油由来の雑多な硫黄化合物を含む。そして、このことは、常温吸着型の脱硫器を用いる場合、複数種の吸着剤が必要であること、および、吸着剤の頻繁な交換が必要となることを意味する。
よって、LPGの脱硫には、LPG中の様々な硫黄成分をまとめて、水添反応(還元反応)を用いて硫化水素に転化し、その後、硫化水素を一括して除去する水添脱硫方式が、常温脱硫方式に比べて適している。
ところが、LPGの水添脱硫を行うには、従来のSOFCシステムにおいて、以下の特別な機構が必要である。よって、従来のSOFCシステムの設計思想を単に踏襲しても、以下の要件全てを満たすのは、甚だ困難であると考えられる。
第1に、改質ガスの一部ないしアフターバーナで燃焼される前のアノードオフガスの一部を分岐させ、これらのガスを、水添反応用の水素として燃料ガスに添加させるリターン経路が必要である。ところが、上記のガスの温度は、SOFCの温度(600−1000℃)に近い高温なので、リターン経路中の様々な機構部品(例えば、ポンプ等)の耐熱設計に、特段の配慮が必要となる。
第2に、水添脱硫器を水添反応に適した温度(250−300℃)に保つ熱機構が必要である。ところが、この温度は、上記のSOFCの温度とはかけ離れており、SOFCシステムの温度制御が容易ではない。
第3に、アノードオフガス中の水素を水添反応に用いるには、アノードオフガス中の水を極力除去することが必要である。つまり、水添脱硫器に供給されるガス中に水が多く含まれる場合、水との競合反応によって水添脱硫の効率が損なわれる問題、および、本競合反応によって硫化水素の吸着剤の交換容量が損なわれる問題がある。
そこで、本件発明者等は、上記の生成水回収の問題点およびLPGの脱硫の問題点を考慮すると、リモート電源用のSOFCシステムの長寿命化には、従来のSOFCシステムの構成の抜本的な見直しが不可欠であると判断している。
よって、第1の態様の固体酸化物形燃料電池システムは、改質ガスを用いて発電する固体酸化物形燃料電池と、燃料ガスを改質して改質ガスを生成する改質器と、固体酸化物形燃料電池のアノードオフガスを冷却する冷却系統と、を備え、冷却系統において、アノードオフガス中の水が回収され、回収水を用いて、改質器での燃料ガスの改質が行われる。
かかる構成により、従来に比べて長寿命化が可能なリモート電源用の固体酸化物形燃料電池システムが得られる。
例えば、本態様の固体酸化物形燃料電池システムでは、アノードオフガス中の水を回収してから、アノードオフガスをアフターバーナで燃焼できる。よって、アノードオフガスの露点が低下し、水回収が困難になるという問題を解消できる。その結果、水インフラに寄らずに固体酸化物形燃料電池システムの水自立運転が可能になり、固体酸化物形燃料電池システムにおいて、炭素析出(コーキング)が起こりにくい改質(例えば、水蒸気改質やオートサーマル改質)の適用が容易になる。
また、第2の態様の固体酸化物形燃料電池システムは、第1の態様において、改質器に供給される空気を用いて、改質器での前記燃料ガスの改質が行われてもよい。
かかる構成により、固体酸化物形燃料電池SOFCシステムにおいて、コーキングが起こりにくいオートサーマル改質を適用できる。
また、第3の態様の固体酸化物形燃料電池システムは、第1の態様および第2の態様のいずれかにおいて、上記冷却系統は、燃料ガス中の硫黄成分を除去する水添脱硫器を備えてもよく、水添脱硫器は、アノードオフガスの熱によって放熱を賄うように構成され、上記冷却系統を通過したアノードオフガスが、リターン経路を介して水添脱硫器に供給されてもよい。
かかる構成により、従来に比べて長寿命化が可能なリモート電源用の固体酸化物形燃料電池システムが得られる。
例えば、本態様の固体酸化物形燃料電池システムでは、冷却系統を通過したアノードオフガスが、リターン経路を介して水添脱硫器に供給される。よって、リターン経路を流れるアノードオフガスを適温に調整できるので、リターン経路中の機構部品(例えば、ポンプ等)の耐熱設計が容易になる。また、上記冷却系統の適切な設計により、水添脱硫器を水添反応に適した温度(例えば、250−300℃)に保つ熱機構を容易に構築することができる。更に、冷却系統を用いて、アノードオフガス中の水を十分に除去できるので、水との競合反応によって水添脱硫の効率が損なわれる問題、および、本競合反応によって硫化水素の吸着剤の交換容量が損なわれる問題を改善できる。
以上の結果、固体酸化物形燃料電池システムにおいて、燃料ガス中に含まれる様々な硫黄成分を一括して除去可能な水添脱硫法の適用が容易になる。
また、第4の態様の固体酸化物形燃料電池システムは、第3の態様において、回収水を、水添脱硫器と改質器との間の経路に供給してもよい。
かかる構成により、第4の態様の固体酸化物形燃料電池システムでは、水添脱硫器において、改質用の水との競合反応によって水添脱硫の効率が損なわれる問題、本競合反応によって硫化水素の吸着剤の交換容量が損なわれる問題を改善できる。
また、第5の態様の固体酸化物形燃料電池システムは、第2の態様において、上記冷却系統が、アノードオフガスと空気との間で熱および水蒸気を同時に交換する全熱交換器を備えてもよい。
かかる構成により、第5の態様の固体酸化物形燃料電池システムでは、アノードオフガスを冷却できるとともに、オートサーマル改質用の空気をアノードオフガスの熱および水を用いて加熱および加湿できる。
また、第6の態様の固体酸化物形燃料電池システムは、第1の態様−第5の態様のいずれかにおいて、固体酸化物形燃料電池のカソードオフガスおよび上記冷却系統を通過したアノードオフガスを燃焼する燃焼器を備えてもよい。
また、第7の態様の固体酸化物形燃料電池システムは、第1の態様−第6の態様のいずれかにおいて、上記冷却系統は、アノードオフガスを冷却する吸収式冷凍サイクルの蒸発器を備えてもよく、吸収式冷凍サイクルの再生器が、燃焼器の燃焼排ガスの熱を用いて駆動されてもよい。
かかる構成により、第7の態様の固体酸化物形燃料電池システムでは、アノードオフガスを外気温に関係なく、強制的に適温(例えば、30℃内外)まで冷却できる。また、燃焼器の燃焼排ガスの熱を、吸収式冷凍サイクルの冷媒の再生に有効に利用できる。
また、第8の態様の固体酸化物形燃料電池システムは、第1の態様−第7の態様のいずれかにおいて、上記冷却系統は、燃料ガスとアノードオフガスとの間で熱交換する燃料予熱器を備えてもよい。
かかる構成により、第8の態様の固体酸化物形燃料電池システムでは、アノードオフガスを冷却できるとともに、オートサーマル改質や水蒸気改質用の燃料ガスをアノードオフガスの熱を用いて加熱できる。
以下、各実施の形態1−3の具体例について図面を参照しながら説明する。
なお、以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
[装置構成]
図1は、実施の形態1のSOFCシステムの一例を示すブロック図である。
図1に示すように、SOFCシステム100は、SOFC10と、SOFC10の燃料系統と、SOFC10の酸化剤ガス(空気)系統と、制御器40と、を備える。
SOFC10は、固体酸化物形燃料電池であれば、どのような構造のものでもよい。例えば、平板型(積層型)、円筒型、フラットチューブ型等の公知の様々なタイプの固体酸化物形燃料電池を用いることができる。よって、SOFC10の詳細な説明および図示は省略する。
制御器40は、SOFCシステム100の動作を制御する。制御器40は、制御機能を有するものであればよく、演算処理部(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)と、を備える。演算処理部としては、MPU、CPU等が例示される。記憶部としては、メモリーが例示される。制御器40は、集中制御を行う単独の制御装置で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御装置で構成されていてもよい。
SOFC10の燃料系統は、図1に示す如く、SOFC10のアノードオフガスを冷却する冷却系統150と、改質器20と、を備える。そして、この冷却系統150は、燃料予熱器21と、第1オフガス冷却器22と、全熱交換器23と、第2オフガス冷却器24と、ドレインタンク25と、を備える。
改質器20は、燃料ガスを改質して、水素含有ガスである改質ガスを生成する。具体的には、改質器20において、燃料ガスの改質反応が行われ、改質ガスが生成される。改質反応は、本例では、オートサーマル改質反応が例示されている。よって、SOFCシステム100には、さらに、改質器20に空気を供給する空気供給器(図示せず)が設けられ、これにより、改質器20に供給される空気を用いて、改質器20でのオートサーマル改質が行われる。改質器20からの改質ガスは、SOFC10のアノードに送られ、SOFC10の発電反応に用いられる。なお、燃料ガスは、プロパンおよびブタンを主成分とするLPG等の少なくとも炭素及び水素から構成される有機化合物を含むガスである。
燃料予熱器21は、LPG等の燃料ガスとアノードオフガスとの間で熱交換することを目的とした機器である。つまり、低温の燃料ガスが、燃料予熱器21の受熱流体であり、高温のアノードオフガスが、燃料予熱器21の加熱流体である。これにより、SOFC10を出た直後の高温(例えば、600−1000℃)のアノードオフガスが、燃料予熱器21を用いて冷却される。換言すると、改質器20に供給される前のオートサーマル改質用の燃料ガスが、燃料予熱器21を用いて加熱される。なお、本例では、燃料予熱器21に入る前の燃料ガスに、オートサーマル改質用の空気および水が添加されている。
第1オフガス冷却器22は、燃料予熱器21からのアノードオフガスを適温(例えば、100℃内外)にまで冷却する。そして、第1オフガス冷却器22からのアノードオフガスは全熱交換器23へ送られる。これにより、全熱交換器23の前段側で、アノードオフガスを、全熱交換器22の使用に適した温度(例えば、100℃内外)にまで冷却できる。
なお、第1オフガス冷却器22は、上記アノードオフガスを冷却できる機器であればいなかる構成でも構わない。第1オフガス冷却器22は、例えば、アノードオフガスの熱を外部に放熱するラジエータでもよい。
全熱交換器23は、アノードオフガスとオートサーマル改質用の空気との間で熱および水を同時に交換することを目的とした機器である。
つまり、全熱交換器23は、アノードオフガスの冷却器として機能する。また、全熱交換器23は、図示しない選択透過膜を備え、アノードオフガスの熱および水を用いて、上記空気を加熱および加湿する機器としても機能する。この場合、低温の空気が、全熱交換器23の受熱流体であり、高温のアノードオフガスが、全熱交換器23の加熱流体である。これにより、燃料予熱器21からのアノードオフガスが、全熱交換器23を用いて適温(例えば、50℃内外)にまで冷却される。一方、全熱交換器23において、アノードオフガス中の水が選択透過膜を透過して空気へ移動し、これにより、燃料ガスと混合する前の空気が、アノードオフガスの熱および水を用いて加熱および加湿される。
なお、全熱交換器23の作動流体に、オートサーマル改質用の燃料ガスではなく、本実施の形態の如く、オートサーマル改質用の空気を用いる方が、以下の理由により好ましい。
オートサーマル改質では、燃料ガスの量に比べて空気の量が圧倒的に多い。よって、全熱交換器23の作動流体に空気を用いる方が、燃料ガスを用いる場合に比べて、アノードオフガス中の水を多量に回収でき、このような回収水をオートサーマル改質反応に利用できる。また、全熱交換器23での水の回収量が多い程、全熱交換器23の後段の第2オフガス冷却器24の容量を小さくできる。
第2オフガス冷却器24は、全熱交換器23からのアノードオフガスを適温(例えば、30℃内外)にまで冷却する。そして、第2オフガス冷却器24からのアノードオフガスは、SOFC10の酸化剤ガス系統へ送られる。
なお、第2オフガス冷却器24は、上記アノードオフガスを冷却できる機器であればいなかる構成でも構わない。第2オフガス冷却器24は、例えば、アノードオフガスの熱を外部に放熱するラジエータでもよい。
このようにして、SOFC10のアノードオフガスを上記適温(例えば、30℃内外)にまで冷却することにより、アノードオフガスから適量の水を回収できる。その結果、水インフラに寄らずにSOFCシステム100の水自立運転が可能になる。
ドレインタンク25は、上記アノードオフガスの冷却により、アノードオフガス中の水蒸気の凝縮に基づいて発生する凝縮水を回収し貯留する。回収水は、燃料予熱器21に入る前の燃料ガスに添加され、これにより、回収水を用いて、改質器20での燃料ガスのオートサーマル改質が行われる。
一方、SOFC10の酸化剤ガス系統は、図1に示す如く、アフターバーナ30と、酸化剤ガス予熱器31と、を備える。
アフターバーナ30は、SOFC10のカソードオフガスおよび上記冷却系統150を通過したアノードオフガスを燃焼する燃焼器である。本実施の形態では、図1に示すように、冷却系統150を用いて、アノードオフガス中の水を回収してから、アフターバーナ30でアノードオフガスが燃焼される。アフターバーナ30の高温の燃焼排ガスは、酸化剤ガス予熱器31に送られる。
酸化剤ガス予熱器31は、酸化剤ガス(ここでは、空気)と燃焼排ガスとの間で熱交換することを目的とした機器である。つまり、低温の酸化剤ガスが、酸化剤ガス予熱器31の受熱流体であり、高温の燃焼排ガスが、酸化剤ガス予熱器31の加熱流体である。これにより、酸化剤ガス供給器(図示せず)からの酸化剤ガスが、酸化剤ガス予熱器21を用いて、適温(例えば、700℃)にまで加熱され、その後、酸化剤ガスは、SOFC10のカソードに送られ、SOFC10の発電反応に用いられる。
このようにして、本実施の形態のSOFCシステム100は、上記構成により、冷却系統150において、アノードオフガス中の適量の水を回収できる。つまり、本実施の形態のSOFCシステム100では、SOFC10内の生成水は全てアノードオフガス中に含まれること、アノードオフガスの水蒸気分圧が極めて高いこと(アノードオフガスの露点は通常、80−90℃程度)、アノードオフガス量が、アフターバーナ30の燃焼排ガス量に比べて少量であること、等の理由により、アノードオフガス中の水蒸気を効率的に凝縮でき、効率的な水回収を行うことができる。
以上により、本実施の形態のSOFCシステム100において、S/C(スチームカーボン比)が2.0−3.0程度、O/C(酸素カーボン比)が0.3−0.8程度のオートサーマル改質が可能となる。その結果、本実施の形態のSOFCシステム100の寿命を、従来のリモート電源用のSOFCシステムに比べて長寿命化できる。
[動作]
以下、本実施の形態のSOFCシステム100の動作の一例を説明する。なお、以下の動作は、制御器40の制御によって行われる。
図示しない燃料供給源から、LPG等の燃料ガスが燃料予熱器21に供給される。このとき、図示しない空気供給器から燃料ガスに空気が添加され、ドレインタンク25から燃料ガスに水が添加される。燃料予熱器21において燃料ガスが加熱され、その後、燃料ガスは、改質器20に供給される。改質器20において、燃料ガスをオートサーマル改質して改質ガスが生成される。なお、SOFC10は、改質器20で生成された改質ガスを用いて発電する。
SOFC10のアノードオフガスは、冷却系統150において冷却される。このとき、冷却系統150の燃料予熱器21において、アノードオフガスの熱が、オートサーマル改質用の燃料ガスの加熱に利用される。
次いで、アノードオフガスは、第1オフガス冷却器22で冷却された後、冷却系統150の全熱交換器23において、アノードオフガスの熱および水が、オートサーマル改質用の空気の加熱および加湿に利用される。
次いで、アノードオフガスは、第2オフガス冷却器24で冷却される。
なお、冷却系統150のドレインタンク25において、アノードオフガス中の水が回収され、オートサーマル改質用の水として再利用される。
一方、図示しない酸化剤ガス供給源から、酸化剤ガス(空気)が酸化剤ガス予熱器31に供給される。酸化剤ガス予熱器31において、酸化剤ガスが加熱される。なお、SOFC10は、酸化剤ガス予熱器31で加熱された酸化剤ガスを用いて発電する。
SOFC10のカソードオフガスは、アフターバーナ30において、冷却系統150を通過したアノードオフガスと混合され、混合ガスが燃焼される。アフターバーナ30の燃焼排ガスの熱は、酸化剤ガス予熱器31において、SOFC10の発電反応用の酸化剤ガスの加熱に利用される。
(変形例)
[装置構成]
図2は、実施の形態1の変形例のSOFCシステムの一例を示すブロック図である。
図2に示すように、SOFCシステム100Aは、SOFC10と、SOFC10の燃料系統と、SOFC10の酸化剤ガス(空気)系統と、制御器40と、を備える。SOFC10、SOFC10の酸化剤ガス系統および制御器40については、実施の形態1と同じなので説明を省略する。
SOFC10の燃料系統は、図2に示す如く、改質器20と、SOFC10のアノードオフガスを冷却する冷却系統150Aと、を備える。改質器20については、実施の形態1と同じなので説明を省略する。
冷却系統150Aは、燃料予熱器21と、水添脱硫器26と、全熱交換器23と、第2オフガス冷却器24と、ドレインタンク25と、を備える。燃料予熱器21、全熱交換器23、第2オフガス冷却器24およびトレインタンク25については、実施の形態1と同じなので説明を省略する。つまり、本例では、実施の形態1の第1オフガス冷却器22に代えて、水添脱硫器26が配されている。
水添脱硫器26は、LPG等の燃料ガス中の硫黄成分を除去する。つまり、水添脱硫器26の容器には、適宜の水添脱硫剤が充填されている。これにより、水添脱硫器26は、燃料ガス中の硫黄成分を硫化水素に転化する水添反応の機能と、硫化水素を吸着する吸着剤の機能と、を備える。
このとき、水添脱硫器26は、アノードオフガスの熱によって放熱を賄うように構成されている。よって、水添脱硫器26は、燃料予熱器21からのアノードオフガスの温度制御に基づいて、水添脱硫器26の水添反応に適した温度(例えば、250−300℃)に保たれる。つまり、水添脱硫器26による脱硫プロセス自体は、熱を消費しない反応であるが、水添脱硫器26の容器からの放熱を燃料予熱器21からのアノードオフガスの熱で賄い、アノードオフガス自体は冷却されて全熱交換器23に送られる。
このようにして、本変形例のSOFCシステム100Aは、水添脱硫器を水添反応に適した温度(例えば、250−300℃)に保つ熱機構を容易に構築することができる。
また、図2に示すように、冷却系統150Aを通過したアノードオフガスが、リターン経路27を介して水添脱硫器26に供給される。つまり、リターン経路27は、冷却系統150Aの第2オフガス冷却器24からのアノードオフガスの一部を水添脱硫器26よりも上流の燃料ガス経路に供給するための流路である。
このようにして、本変形例のSOFCシステム100Aでは、アノードオフガス中の水素を、水添脱硫器26の水添反応に用いている。また、本例では、冷却系統150Aを用いて、アノードオフガス中の水を十分に回収できるので、水添脱硫器26において、水との競合反応によって水添脱硫の効率が損なわれる問題、および、本競合反応によって硫化水素の吸着剤の交換容量が損なわれる問題を改善できる。更に、本例では、アノードオフガスを冷却系統150Aにおいて十分に冷却できるので、リターン経路27中の様々な機構部品(例えば、ポンプ等)の耐熱設計が容易になる。
また、本変形例のSOFCシステム100Aは、ドレインタンク25の回収水は、水添脱硫器26と燃料予熱器21(改質器20)との間の燃料ガス経路に供給される。これにより、水添脱硫器26において、オートサーマル改質用の水との競合反応によって水添脱硫の効率が損なわれる問題、および、本競合反応によって硫化水素の吸着剤の交換容量が損なわれなる問題を改善できる。
以上の結果、本変形例のSOFCシステム100Aにおいて、LPG等の燃料ガス中に含まれる様々な硫黄成分を一括して除去可能な水添脱硫法の適用が容易になる。
[動作]
以下、実施の形態1の変形例のSOFCシステム100Aの動作の一例を説明する。なお、以下の動作は、制御器40の制御によって行われる。
図示しない燃料供給源から、LPG等の燃料ガスが水添脱硫器26に供給される。このとき、リターン経路27を用いて、冷却系統150Aを通過したアノードオフガスの一部が、水添脱硫器26に供給される。また、水添脱硫器26は、アノードオフガスからの伝熱により適温(例えば、250−300℃)に保たれる。
よって、水添脱硫器26において、適宜の水添脱硫剤(例えば、CuZn系触媒)を用いて、燃料ガス中の硫黄成分が硫化水素に転化され、硫化水素が吸着される。なお、水添脱硫剤は、CuZn系触媒に限定されるものではない。例えば、水添脱硫剤は、燃料ガス中の硫黄成分を硫化水素に転化するCoMo系触媒と、CoMo系触媒の下流に設けられる、硫化水素を吸着除去するZnO系触媒またはCuZn系触媒であってもよい。
水添脱硫器26からの燃料ガスは、燃料予熱器21を経て改質器20へ供給され、水添脱硫器26からのアノードオフガスは、全熱交換器23へ供給される。
本変形例のSOFCシステム100Aの動作は、上記の点以外は、実施の形態1と同様の動作であってもよい。
(実施の形態2)
[装置構成]
図3は、実施の形態2のSOFCシステムの一例を示すブロック図である。
図3に示すように、SOFCシステム200は、SOFC10と、SOFC10の燃料系統と、SOFC10の酸化剤ガス(空気)系統と、制御器40と、を備える。SOFC10、SOFC10の酸化剤ガス系統および制御器40については、実施の形態1と同じなので説明を省略する。
SOFC10の燃料系統は、図3に示す如く、改質器220と、SOFC10のアノードオフガスを冷却する冷却系統250と、を備える。
改質器220は、燃料ガスを改質して、水素含有ガスである改質ガスを生成する。具体的には、改質器220において、LPG等の燃料ガスの改質反応が行われ、改質ガスが生成される。改質反応は、本例では、水蒸気改質反応が例示されている。
冷却系統250は、燃料予熱器21と、第3オフガス冷却器28と、ドレインタンク25と、を備える。燃料予熱器21およびトレインタンク25については、実施の形態1と同じなので説明を省略する。つまり、本例のSOFCシステム200の燃料系統では、実施の形態1の第1オフガス冷却器22、全熱交換器23および第2オフガス冷却器24に代えて、第3オフガス冷却器28が配されている。
第3オフガス冷却器28は、燃料予熱器21からのアノードオフガスを適温(例えば、30℃内外)にまで冷却する。第3オフガス冷却器28からのアノードオフガスは、SOFC10の酸化剤ガス系統へ送られる。
なお、第3オフガス冷却器28は、上記アノードオフガスを冷却できる機器であればいなかる構成でも構わない。第3オフガス冷却器28は、例えば、アノードオフガスの熱を外部に放熱するラジエータでもよい。但し、本例では、第3オフガス冷却器28の冷却性能を、燃料予熱器21からのアノードオフガスを上記適温にまで冷却できるよう、実施の形態1の第1オフガス冷却器22、全熱交換器23および第2オフガス冷却器24のそれぞれの冷却性能を発揮できるレベルにまで格段に向上させる必要がある。
このようにして、本実施の形態のSOFCシステム200は、上記構成により、冷却系統250において、アノードオフガス中の適量の水を回収できる。よって、本実施の形態のSOFCシステム200では、SOFC10内の生成水は全てアノードオフガス中に含まれること、アノードオフガスの水蒸気分圧が極めて高いこと(アノードオフガスの露点は通常、80−90℃程度)、アノードオフガス量がアフターバーナ30での燃焼排ガス量に比べて少量であること、等の理由により、アノードオフガス中の水蒸気を効率的に凝縮でき、効率的な水回収を行うことができる。
以上により、本実施の形態のSOFCシステム200において、S/C(スチームカーボン比)が2.0−3.0程度の水蒸気改質が可能となる。その結果、本実施の形態のSOFCシステム200の寿命を、従来のリモート電源用のSOFCシステムに比べて長寿命化できる。
[動作]
以下、本実施の形態のSOFCシステム200の動作の一例を説明する。なお、以下の動作は、制御器40の制御によって行われる。
図示しない燃料供給源から、LPG等の燃料ガスが燃料予熱器21に供給される。このとき、ドレインタンク25から燃料ガスに水が添加される。燃料予熱器21において燃料ガスは加熱された後、改質器220に供給される。改質器220において、燃料ガスを水蒸気改質して改質ガスが生成される。
SOFC10のアノードオフガスは、冷却系統250において冷却される。このとき、冷却系統250の燃料予熱器21において、アノードオフガスの熱が、水蒸気改質用の燃料ガスの加熱に利用される。
次いで、燃料予熱器21からのアノードオフガスは、第3オフガス冷却器28で冷却される。
なお、冷却系統250のドレインタンク25において、アノードオフガス中の水が回収され、水蒸気改質用の水として再利用される。
本実施の形態のSOFCシステム200の動作は、上記の点以外は、実施の形態1と同様の動作であってもよい。
(変形例)
[装置構成]
図4は、実施の形態2の変形例のSOFCシステムの一例を示すブロック図である。
図4に示すように、SOFCシステム200Aは、SOFC10と、SOFC10の燃料系統と、SOFC10の酸化剤ガス(空気)系統と、制御器40と、を備える。SOFC10、SOFC10の酸化剤ガス系統および制御器40については、実施の形態1の変形例と同じなので説明を省略する。
SOFC10の燃料系統は、図4に示す如く、改質器220と、SOFC10のアノードオフガスを冷却する冷却系統250Aと、を備える。改質器220については、実施の形態2と同じなので説明を省略する。
冷却系統250Aは、燃料予熱器21と、水添脱硫器26と、第4オフガス冷却器29と、ドレインタンク25と、を備える。燃料予熱器21、水添脱硫器26およびトレインタンク25については、実施の形態1の変形例と同じなので説明を省略する。つまり、本例のSOFCシステム200Aの燃料系統では、実施の形態1の変形例の全熱交換器23および第2オフガス冷却器24に代えて、第4オフガス冷却器29が配されている。
第4オフガス冷却器29は、水添脱硫器26からのアノードオフガスを適温(例えば、30℃内外)にまで冷却する。第4オフガス冷却器29からのアノードオフガスは、SOFC10の酸化剤ガス系統へ送られる。
なお、第4オフガス冷却器29は、上記アノードオフガスを冷却できる機器であればいなかる構成でも構わない。第4オフガス冷却器29は、例えば、アノードオフガスの熱を外部に放熱するラジエータでもよい。但し、本例では、第4オフガス冷却器29の冷却性能は、水添脱硫器26からのアノードオフガスを上記適温にまで冷却できるよう、実施の形態1の変形例の全熱交換器23および第2オフガス冷却器24のそれぞれの冷却性能を発揮できるレベルにまで向上させる必要がある。
このようにして、本変形例のSOFCシステム200Aでは、アノードオフガス中の水素を水添脱硫器26の水添反応に用いている。また、本例では、冷却系統250Aを用いて、アノードオフガス中の水を十分に回収できるので、水添脱硫器26において、水との競合反応によって水添脱硫の効率が損なわれる問題、および、本競合反応によって硫化水素の吸着剤の交換容量が損なわれる問題を改善できる。更に、本例では、アノードオフガスを冷却系統250Aにおいて十分に冷却できるので、リターン経路27中の様々な機構部品(例えば、ポンプ等)の耐熱設計が容易になる。
また、本変形例のSOFCシステム200Aは、ドレインタンク25の回収水は、水添脱硫器26と燃料予熱器21(改質器20)との間の燃料ガス経路に供給される。これにより、水添脱硫器26において、水蒸気改質用の水との競合反応によって水添脱硫の効率が損なわれる問題、および、本競合反応によって硫化水素の吸着剤の交換容量が損なわれる問題を改善できる。
以上の結果、本変形例のSOFCシステム200Aにおいて、LPG等の燃料ガス中に含まれる様々な硫黄成分を一括して除去可能な水添脱硫法の適用が容易になる。
[動作]
以下、本実施の形態の変形例のSOFCシステム200Aの動作の一例を説明する。なお、以下の動作は、制御器40の制御によって行われる。
図示しない燃料供給源から、LPG等の燃料ガスが水添脱硫器26に供給される。このとき、リターン経路27を用いて、冷却系統250Aを通過したアノードオフガスの一部が、水添脱硫器26に供給される。また、水添脱硫器26は、アノードオフガスからの伝熱により適温(例えば、250−300℃)に保たれる。よって、水添脱硫器26において、適宜の水添脱硫剤(例えば、CuZn系触媒)を用いて、燃料ガス中の硫黄成分が硫化水素に転化され、硫化水素が吸着される。なお、水添脱硫剤は、上記のとおり、CuZn系触媒に限定されるものではない。
水添脱硫器26からの燃料ガスは、燃料予熱器21を経て改質器220へ供給され、水添脱硫器26からのアノードオフガスは、第4オフガス冷却器29へ供給される。そして、アノードオフガスは、第4オフガス冷却器29で冷却される。
なお、冷却系統250Aのドレインタンク25において、アノードオフガス中の水が回収され、水蒸気改質用の水として再利用される。
本変形例のSOFCシステム200Aの動作は、上記の点以外は、実施の形態2と同様の動作であってもよい。
(実施の形態3)
[装置構成]
図5は、実施の形態3のSOFCシステムの一例を示すブロック図である。
図5に示すように、SOFCシステム300は、SOFC10と、SOFC10の燃料系統と、SOFC10の酸化剤ガス(空気)系統と、制御器40と、を備える。SOFC10および制御器40については、実施の形態1と同じなので説明を省略する。
SOFC10の燃料系統は、図5に示す如く、改質器20と、SOFC10のアノードオフガスを冷却する冷却系統350と、を備える。改質器20については、実施の形態1の変形例と同じなので説明を省略する。
冷却系統350は、燃料予熱器21と、水添脱硫器26と、全熱交換器23と、第2オフガス冷却器24と、ドレインタンク25と、吸収式冷凍サイクル32の蒸発器32Aと、を備える。燃料予熱器21、水添脱硫器26、全熱交換器23、第2オフガス冷却器24およびトレインタンク25については、実施の形態1の変形例と同じなので説明を省略する。
一方、SOFC10の酸化剤ガス系統は、アフターバーナ30と、酸化剤ガス予熱器31と、吸収式冷凍サイクル32の再生器32Bと、を備える。アフターバーナ30および酸化剤ガス予熱器31については、実施の形態1の変形例と同じなので説明を省略する。
このように、図5では、実施の形態1の変形例(図2)において、吸収式冷凍サイクル32が組み込まれた例が示されている。なお、かかる吸収式冷凍サイクルを、実施の形態1(図1)、実施の形態2(図3)および実施の形態2の変形例(図4)のいずれかに組み込んでも構わない。
吸収式冷凍サイクル32の蒸発器32Aは、適宜の冷媒(例えば、アンモニア)が蒸発(気化)することにより、第2オフガス冷却器24からのアノードオフガスを冷却する。これにより、アノードオフガスを外気温に関係なく、強制的に適温(例えば、30℃内外)まで冷却できる。
吸収式冷凍サイクル32の再生器32Bは、アフターバーナ30の燃焼排ガスの熱を用いて駆動され、これにより、アンモニア液が再生される。よって、アフターバーナ30の燃焼排ガスの熱を、アンモニア液の再生に有効に利用できる。
つまり、吸収式冷凍サイクル32は、上記の蒸発器32Aおよび再生器32B以外にも様々な機器(例えば、凝縮器や吸収器)を備え、蒸発器32Aの中でアンモニアが蒸発(気化)するときの気化熱を上手く利用して、アノードオフガスを冷却する。但し、このような吸収式冷凍サイクルの構成自体は周知なので、ここでは、詳細な図示および説明は省略する。
このようにして、本実施の形態のSOFCシステム300は、上記構成により、外気温に関係なく、吸収式冷凍サイクル32を用いて、アノードオフガスを強制的に適温(例えば、30℃内外)にまで冷却できる。つまり、外気温が高温故、第2オフガス冷却器24を用いてアノードオフガスを十分に冷却できないような場合に、本実施の形態は有益である。
以上により、本実施の形態のSOFCシステム300は、外気温が高温の環境においても、アノードオフガスから適量の水を回収できる。その結果、外気温が高温の環境において、水インフラに寄らずにSOFCシステム300の水自立運転が可能となる。
[動作]
以下、本実施の形態のSOFCシステム300の動作の一例を説明する。なお、以下の動作は、制御器40の制御によって行われる。また、吸収式冷凍サイクル32の冷媒にアンモニアを用い、アンモニアの吸収液に水を用いる場合を例説する。
吸収式冷凍サイクル32の蒸発器32Aにおいて、アンモニアの蒸発(気化)により、第2オフガス冷却器24からのアノードオフガスの熱が奪われる。つまり、アノードオフガスが冷却される。このとき、アンモニアの蒸気は水に吸収され、この溶液が、吸収式冷凍サイクル32の再生器32Bに送られる。
吸収式冷凍サイクル32の再生器32Bにおいて、酸化剤ガス予熱器31からの高温(例えば、200−300℃)の燃焼排ガスの熱によりアンモニアおよび水を含む上記の溶液が加熱され、これにより、アンモニアが分留される。そして、アンモニア液が蒸発器32Aに送られる。
本実施の形態のSOFCシステム300の動作は、上記の点以外は、実施の形態1および実施の形態2のいずれかと同様の動作であってもよい。
なお、上記の各実施の形態1、2およびこれらの変形例、並びに実施の形態3では、アノードオフガスに含まれる水蒸気の凝縮による凝縮水を回収し貯留するドレインタンク25を用いる例を述べたが、これに限定されない。ドレインタンク25の配設は任意である。例えば、アノードオフガス中の凝縮水が適宜の配管内において回収され、このような回収水を、重力の作用により燃料ガスに適量、添加できるよう、SOFCシステムの配管を設計可能であれば、ドレインタンク25を設けなくても構わない。
また、上記の各実施の形態1、2およびこれらの変形例、並びに実施の形態3では、SOFC10のアノードオフガスを冷却する冷却系統として、様々な冷却器(熱交換器)が例示されているが、本冷却系統は、上記の具体的な構成に限定されない。
つまり、冷却系統は、アノードオフガスの温度を適温(例えば、30℃)にまで冷却できるものであれば、どのような構成であっても構わない。
更に、上記の各実施の形態1、2およびこれらの変形例、並びに実施の形態3は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせても構わない。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の一態様は、水自立運転が可能なSOFCシステム等として有用である。
10 固体酸化物形燃料電池(SOFC)
20、220 改質器
21 燃料予熱器
22 第1オフガス冷却器
23 全熱交換器
24 第2オフガス冷却器
25 ドレインタンク
26 水添脱硫器
27 リターン経路
28 第3オフガス冷却器
29 第4オフガス冷却器
30 アフターバーナ
31 酸化剤ガス予熱器
32 吸収式冷凍サイクル
32A 蒸発器
32B 再生器
40 制御器
150、150A、250、250A、350 冷却系統
100、100A、200、200A、300 固体酸化物形燃料電池(SOFCシステム)

Claims (8)

  1. 改質ガスを用いて発電する固体酸化物形燃料電池と、
    燃料ガスを改質して前記改質ガスを生成する改質器と、
    前記固体酸化物形燃料電池のアノードオフガスを冷却する冷却系統と、を備え、
    前記冷却系統において、前記アノードオフガス中の水が回収され、前記回収水を用いて、前記改質器での前記燃料ガスの改質が行われる、固体酸化物形燃料電池システム。
  2. 前記改質器に供給される空気を用いて、前記改質器での前記燃料ガスの改質が行われる、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  3. 前記冷却系統は、前記燃料ガス中の硫黄成分を除去する水添脱硫器を備え、
    前記水添脱硫器は、前記アノードオフガスの熱によって放熱を賄うように構成され、
    前記冷却系統を通過したアノードオフガスが、リターン経路を介して前記水添脱硫器に供給される、請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  4. 前記回収水は、前記水添脱硫器と前記改質器との間の経路に供給される、請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  5. 前記冷却系統は、前記アノードオフガスと前記空気との間で熱および水を同時に交換する全熱交換器を備える、請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  6. 前記固体酸化物形燃料電池のカソードオフガスおよび前記冷却系統を通過したアノードオフガスを燃焼する燃焼器を備える、請求項1−5のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  7. 前記冷却系統は、前記アノードオフガスを冷却する吸収式冷凍サイクルの蒸発器を備え、
    前記吸収式冷凍サイクルの再生器が、前記燃焼器の燃焼排ガスの熱を用いて駆動される、請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  8. 前記冷却系統は、前記燃料ガスと前記アノードオフガスとの間で熱交換する燃料予熱器を備える、請求項1−7のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。
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