JP2013238631A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
横置きもしくは縦置きのいずれの姿勢で設置されても画像形成が可能なプリンター1であって、定着ローラー31を加圧ローラー32で押圧してなる定着ニップに記録シートSを通紙してトナー像を熱定着する定着部30と、定着ローラー31の表面温度を検出する温度センサー34と、定着ローラー31を加熱するヒーター33と、上記表面温度の検出結果に基づき、定着ローラー31を温調制御する制御部50とを備え、温度センサー34は、横置きもしくは縦置きのいずれの姿勢においても、鉛直方向において、定着ローラー31の回転軸よりも上方となる位置に配設されている。
【選択図】図1
Description
しかし、例えば、一般家庭で使用するような場合には、設置スペースにそれほど余裕がないため、画像形成装置を縦置きにして使用できれば便利である。
一般に、加熱回転体の周面の温度は、当該周面を傷つけないように非接触状態で、かつ、周面に近接配置されたサーミスターなどの温度センサーによって検出されており、その検出結果に基づいて加熱回転体用のヒーターをON・OFF制御することにより、当該加熱回転体周面が所定の温度に維持されるようになっている。
そのため、横置き姿勢において、温度センサーの検出結果に基づいて的確に加熱回転体の温度制御を行うように設計しても、縦置き姿勢にすると、必ずしも望ましい温度に制御することができないという問題が生じてしまう。
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたものであって、設置姿勢が変更可能な画像形成装置において、設置姿勢が変更されても、定着器における加熱回転体の表面温度を精度よく検出し、的確な温度制御が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
もしくは、前記温度検出手段は、装置が第1の姿勢にあるときと、第2の姿勢にあるときとで、前記加熱回転体の表面温度の検出誤差が所定の範囲内となるように、第1と第2の姿勢の変更に応じて加熱回転体に対する前記測定位置を第1と第2の位置に変更する変更手段を備えることが望ましい。
また、前記移動手段は、前記温度センサーを、第1の位置から第2の位置まで移動可能に保持する保持部材と、筺体の側面であって、第2の姿勢に変更したときに床面に対向する側面から、外方に進退可能に突出する突出部材と、装置を第2の姿勢に姿勢変更する際に、前記突出部材が床面に当接して前記筺体内に後退するときの移動を、前記温度センサーが第1の位置から第2の位置に移動する動作に変換して前記保持機構に伝達するリンク機構とを備えることが望ましい。
もしくは、第1の姿勢に対応する第1の補正テーブルと第2の姿勢に対応する第2の補正テーブルとを記憶する記憶手段と、現在の設置姿勢が第1と第2のいずれの姿勢であるかに関する情報を取得する取得手段とを備え、前記制御手段は、第1および第2の補正テーブルのうち現状の姿勢に対応するもの選択し、当該選択された補正テーブルと前記温度検出手段の検出結果とにもとづいて、前記加熱回転体の表面温度を推定することが望ましい。
もしくは、装置本体の設置姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、前記取得手段は、前記姿勢検出手段の検出結果を、現在の設置姿勢が第1と第2のいずれの姿勢であるかに関する情報として取得することが望ましい。
これにより、温度検出手段により検出される温度は、加熱回転体の温度がより反映されたものとなるので、加熱回転体定着ローラーの表面温度を精度よく検出することができる。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。
(1−1)画像形成装置の構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターの構成を説明するための概略断面図である。
プリンター1は、矢印Aで示す方向に回転駆動される円筒状の感光体ドラム12を有している。
この感光体ドラム12の周囲には、電子写真方式によってトナー画像を記録シート上に形成するための帯電器14、光学部15、現像器16、転写ローラー17が、感光体ドラム12の回転方向(同図の反時計回り)に沿って、この順番で設けられている。
これにより、光学部15からは画像データに応じたレーザ光Lが感光体ドラム12の表面に照射される。
感光体ドラム12の下方には、給紙部20が設けられており、当該給紙部20は、用紙、OHPシート等の複数枚の記録シートS(図中の二点鎖線部分)が積載状態で収容される給紙トレイ21とピックアップローラー25などからなる。
なお、給紙トレイ21の昇降板22aは、カム機構などの不図示の駆動機構により昇降する構成となっており、記録シートSを搬送経路26に繰り出す際に上昇して、最上位の記録シートをピックアップローラー25に押し当てる。
記録シートSが転写ニップ27を通過する間に、転写ローラー17に印加された転写電圧によって発生する転写電界の作用により、感光体ドラム12上に担持されたトナー像が記録シートS上に転写される。
一方、トナー画像が転写された記録シートSは、定着部30へ搬送される。
定着部30は、並行配置された定着ローラー31および加圧ローラー32を有しており、定着ローラー31と加圧ローラー32間で定着ニップ部Nが形成される。
加圧ローラー32は、定着ローラー31が回転駆動されるのに伴い、矢印D方向に従動回転する。
さらに、定着部30には、定着ローラー31の長手方向(紙面奥行方向)の中央部に、当該定着ローラー31の表面温度を検出する温度センサー34が設けられている。
ここで、温度センサー34は、サーミスターや熱電対などの比較的安価な熱型の温度検出素子であって、定着ローラー31の表面を傷つけないように、当該表面から僅かに離れた位置に設けられており、対流する空気の熱伝導により定着ローラー31の表面温度を検出している。
記録シートSに転写された未定着のトナー像は、定着ニップ部Nを通過する間に、定着ローラー31によって所定の温度で加熱・加圧されて、記録シートSに定着される。
定着ニップ部Nを通過した記録シートSは、定着ローラー31および加圧ローラー32によって排紙ローラー40へ搬送され、排紙ローラー40によって排紙トレイ41上に排出される。
制御部50は、プリンター1の各部を統括的に制御してプリントジョブを円滑に実行させる。その制御の一環として、温度センサー34によって定着ローラー31の表面温度を計測しつつ、ヒーター33をON・OFFして、目標温度に近づける温調制御を実行する。
ユーザーは、プリンター1を縦置き姿勢で設置する際、支軸22を中心にして、給紙トレイ21を矢印E方向に揺動させる。
これにより、給紙トレイ21の載置面21aが、鉛直方向から少し傾斜してやや上向きとなり、記録シートSを給紙トレイ21に立て掛けるようにして載置することが可能となる。
ここで、ピックアップローラー25およびこれに連結された不図示の駆動源は、給紙トレイ21と一体となって揺動する構成となっており、プリンター1の設置姿勢が変更されても、ピックアップ時において、ピックアップローラー25が最上位の記録シートSに接触可能な構成となっている。
これにより、鉛直方向から少し傾いたやや上向きの載置面42aが形成されるため、排紙された記録シートSを積載していくことができる。なお、延長トレイ41aを、縦置きの際にも使用できるような形状に設計しておけば、別途延長トレイ42を備える必要がなくなり、備品のコストを低減することができる。
横置き姿勢における温度センサーの感熱部34a位置は、図1に示すように、定着ローラー31の回転中心を通って鉛直方向上方に伸びる直線に対して、横置きから縦置き姿勢するためにプリンター1を傾ける方向と反対方向に45[°]だけ傾いた位置に設けられている。
このD1の値は、組み付け誤差等に起因する感熱部34aと定着ローラー31の表面との接触を防止して、当該表面に傷などが生じないようにしつつ、定着ローラー31との表面温度を精度よく検出することができるように設定された値である。
すると、図1に示す横置き姿勢において、定着ローラー31の軸心方向の紙面手前側から奥側を見たとき、当該定着ローラー31の回転中心を通って鉛直方向上方に伸びる直線(以下、単に「鉛直線」ということもある。)に対して左側45[°]の位置にあった感熱部34aは、縦置き姿勢では、図2に示すように、同鉛直線の右側45[°]の位置に移動し、横置き姿勢における位置と当該鉛直線に対し対称の位置になる。
(1−2)制御部の構成
図3は、プリンター1における制御部50の構成と、これの制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。
通信I/F部151は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
ROM(Read Only Memory)153には、プリントの実行に関連する制御を行うための制御プログラムなどが格納されている。
EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)154は、不揮発性のメモリーであって、CPU150のデータ保存エリアとなる。
CPU(Central Processing Unit)150は、ROM153に格納されている制御プログラムを実行することにより、ウォーミングアップやプリントの実行などを実施する。
その際、CPU150は、定着部30の温度センサー34から出力される信号にもとづき、定着ローラー31内に設けられたヒーター33をON・OFFして、定着ローラー31の表面温度を目標の温度に調整する以下のような温調制御を実施する。
以下、第1の実施の形態に係る、制御部50における定着ローラー31の温調制御について説明する。
CPU150は、ウォーミングアップやプリントの実行時など、温度センサー34の検出結果を用いて定着ローラー31の表面温度を取得し、当該定着ローラー31の温調制御を実行する。
上述のように温度センサー34は、非接触型であるため、実際の定着ローラー31の表面温度そのものを検出しているのではなく、実際には、自然対流により感熱部34aへと運ばれる空気の温度を検出している。
その結果、温度センサー34の検出値に定着ローラー31の表面温度が反映され難くなる一方、雰囲気温度の影響が大きくなる。
その結果、定着ローラー31の表面温度が変化しても、温度センサー34の検出結果があまり変化しなかったり、反対に表面温度が同じであっても、雰囲気温度の影響により温度センサー34の検出結果が大きく変化するような事態も発生し、とても補正テーブルでは補正しきれなくなる。
そこで、発明者らは、感熱部34aと定着ローラー31表面との最小距離D1を維持しつつ、上記配置角度を順次変化させながら、実際の定着ローラー31の表面温度と温度センサー34の検出値との相関を調べる試験を実施して、補正テーブルにより上記表面温度の推定が可能な範囲を特定した。
この点、第1の実施形態における感熱部34aの位置、即ち、定着ローラー31の回転中心を通って鉛直方向上方に伸びる直線に対して45[°]傾いた位置では、検出誤差を定着品質の維持に必要な検出誤差範囲内に収めることができた。
これにより、各姿勢における感熱部34a周辺では、対流状況などを含めた熱伝導条件が略等しくなっているため、各姿勢共通の補正テーブルを用いて、定着ローラー31の表面温度を精度よく推定することができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)画像形成装置の構成
以下、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターについて、図面を参照しながら説明する。
図4は、第2の実施の形態に係るプリンター200を横置き姿勢で設置した状態の概略断面図である。
同図に示すように、プリンター200は、設置姿勢を検出する姿勢検出部51を備えている。
また、定着部130の温度センサー34は、横置き姿勢時において、図4に示すように、定着ローラー31の幅方向の中央部において、これの回転中心を通って鉛直方向上方に伸びる直線に対して、同図の反時計方向にθ1[°]傾いた位置に温度センサー34の感熱部34aが位置し、また、縦置き姿勢において、図5に示すように、定着ローラー31の幅方向の中央部において、これの回転中心を通って鉛直方向上方に伸びる直線に対して、上記回転中心から同図の時計方向にθ2[°]傾いた方向に温度センサー34の感熱部34aが位置するように設けられている。
また、上述のように、定着ローラー31の表面温度を精度よく検出するためには、横置き姿勢および縦置き姿勢のいずれにおいても、感熱部34aを定着ローラー31の回転中心を通る水平面よりも上方に配置する必要がある。
なお、第2の実施形態では、θ1[°]の値は、θ2[°]の値よりも大きいものとする。
制御部50の構成は、基本的に上記第1の実施の形態に係るプリンター1と共通するが、横置き姿勢と縦置き姿勢とで、定着ローラー31の回転中心を通って鉛直方向上方に伸びる直線に対する感熱部34aの位置が異なっていることから、補正テーブル記憶部155に、第1補正テーブルおよび第2補正テーブルの2つを記憶している点が、第1の実施の形態と異なる。
以下、第2の実施の形態に係る、制御部50における定着ローラー31の温調制御について、図6のフローチャートに基づき説明する。
CPU150は、定着ローラー31を温調の開始のタイミングとなるまで待機し(ステップS11:NO)、プリンター200の電源投入直後や、プリントジョブを受け付けた場合などに、温調開始のタイミングであると判定して(ステップS11:YES)、姿勢検出部51の出力信号を現在のプリンター200の設置姿勢に関する情報として取得する(ステップS12)。
また、プリンター200の設置状態が縦置き姿勢となっている場合(ステップS13:NO)、第2補正テーブルを温度換算用の補正テーブルとして選択し(ステップS15)、温度センサーの検出値を取得する(ステップS16)。
ここで、第1補正テーブルと第2補正テーブルについて説明する。
第1補正テーブルは、横置き姿勢時において、温度センサー34の検出値を定着ローラー31の表面温度に換算するために、以下のように最適化されたテーブルであり、また、第2補正テーブルは、設置姿勢が縦置き姿勢において、温度センサー34の検出値を定着ローラー31の表面温度に換算するために、以下のように最適化されたテーブルである。
反対に横置き姿勢の場合には、上述とは逆の傾向となり、温度センサー34による検出結果は、縦置き姿勢のときよりも、より雰囲気温度による影響を受け易い。
続いて、CPU150は、上記補正テーブルにより推定された定着ローラー31の表面温度t1が、目標温度t0より低い場合には(ステップS18:YES)、ヒーター33をONにして定着ローラー31を加熱し(ステップS19)、表面温度t1が、目標温度t0より高い場合には(ステップS18:NO)、ヒーター33をOFF(ステップS20)にする。
温調終了ではないと判定された場合には(ステップS21:NO)、上記ステップS16〜S21までの動作が繰り返し実行される。
以上のように、第2の実施の形態では、プリンター200の設置姿勢に応じて、定着ローラー31の回転中心を通って鉛直方向上方に伸びる直線に対する感熱部34aの位置が変わったとしても、第1補正テーブルと第2補正テーブルとを使い分けることにより、定着ローラー31の表面温度を精度よく検出することができる。
(3−1)画像形成装置の構成
以下、本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターについて、図面を参照しながら説明する。
第3の実施の形態に係るプリンターの構成は、基本的に上記第2の実施の形態に係るプリンター200と共通するが、第3の実施の形態に係るプリンター300では、定着ローラー31の温調制御に用いる温度センサーが2つ設けられており、これらの検出値が制御部50に出力される点、および、制御部50により実行される制御の内容が第2の実施の形態における制御の内容から若干変更されている点で、第2の実施の形態とは異なる。
以下では、共通の構成部分には第2の実施の形態と同じ符号を付して、その説明は省略するか簡略するにとどめ、相違する点を中心に説明する。
図7に示すように、プリンター300は、定着部30において、定着ローラー31の表面温度を検出する第1温度センサー134と第2温度センサー135とを備えている。
横置き姿勢において、感熱部134aは、図7に示すように、定着ローラー31の幅方向の中央部において、これの回転中心を通る鉛直線上であって、かつ、定着ローラー31の真上の位置(以下、単に、「ローラー中央真上の位置」という。)に配されている。
なお、第1の実施の形態における温度センサー34と同様に理由により、感熱部134aから定着ローラー31表面までの最小距離D2と、感熱部135aから定着ローラー31表面までの最小距離D3が、いずれも2.3[mm]±0.3[mm]となるように設定されている(図7参照)。
以下、第3の実施の形態に係る、制御部50における定着ローラー31の温調制御について、図9のフローチャートに基づき説明する。
先ず、CPU150は、定着ローラー31を温調の開始のタイミングとなるまで待機し(ステップS31:NO)、プリンター300の電源投入直後や、プリントジョブを受け付けた場合などに、温調開始のタイミングであると判定して(ステップS31:YES)、姿勢検出部51の出力信号を現在のプリンター300の設置姿勢に関する情報として取得する(ステップS32)。
そして、CPU150は、選択された第1温度センサー134の検出値と選択された第3補正テーブルとを用いて、定着ローラー31の表面温度を推定する(ステップS36)。
しかし、本実施の形態ではさらに表面温度の推定精度を高めるため、以下の要因を考慮して第3、第4の補正テーブルを作成している。
そこで、横置き姿勢と縦置き姿勢のそれぞれについて最適な補正テーブルを求めて、第3と第4の補正テーブルとしているのである。
温調終了ではないと判定された場合には(ステップS40:NO)、上記ステップS36〜S40までの動作が繰り返し実行される。
以上のように、第3の実施の形態では、第3および第4補正テーブルは、それぞれ第1温度センサー134および第2温度センサー135と定着ニップ部Nとの相対的位置の違いに起因する温度変動分を見込んで、定着ニップ部Nを通過する直前の定着ローラー31の表面温度を推定できるように作成されている。
このため、定着ローラー31の表面温度のより高精度な検出が可能となる。
(4)第4の実施の形態
(4−1)画像形成装置の構成
以下、本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターについて、図面を参照しながら説明する。
以下では、共通の構成部分には第1の実施の形態と同じ符号を付して、その説明は省略するか簡略するにとどめ、相違する点を中心に説明する。
同図に示すように、定着ローラー31の温調制御用の温度センサーとして、温度センサー36が1つのみ設けられている。
図11は、温度センサー36の支持機構230構造を説明する斜視図である。
同図に示すように、支持機構230は、定着ローラー31と並行に配された支持板231を、その両端部を90[°]折り曲げてなる側板部231a、231bを介して、定着ローラー31の回転軸31aに回転自在に軸支されている。
そして、側板部231aの上記軸支位置から少し離れた位置に突設されたピン231cを介してロッド232の端部が軸支され、ロッド232と支持板231とでリンク機構が構成される。
さらに、ロッド232と筐体2の面2b側との間に、引張ばね233が留め掛けられており、これによりロッド232は、貫通孔2cから外方に突出するように付勢される。
ロッド232の途中には、鍔状のストッパー部232bが設けられており、当該ストッパー部232bが、筐体2の内側に当接することにより、ロッド232の外側の端部232aの突出量が規制される。
ここで、プリンター400の設置姿勢を横置きから図12に示すように縦置きに変更すると、面2b側が筐体2の底面となるため、ロッド232の面2bから外側の端部232aが設置面に当接し、引張ばね233の付勢力に抗して矢印Fで示す方向に押し込まれる。
そして、プリンター400を縦置き姿勢で設置した状態で、温度センサー36の感熱部36aが、ローラー中央真上の位置に移動するように、支持機構230の各部材の寸法、軸支位置が設定されている。
なお、プリンター400を縦置き姿勢から横置き姿勢に戻した場合、ロッド232は、設置面から離れて装置内部に押し込まれる力が解除され、引張ばね233の作用によって筐体2から飛び出す。
以上のように、第4の実施の形態に係るプリンター400では、1つの温度センサー36の感熱部36aが、設置姿勢に応じて、定着ローラー31により熱せられた上昇気流の主流の通過するローラー中央真上の位置へと移動するので、第3の実施の形態に係るプリンター300のように、温度センサーを2つ設ける必要もなく、また、温度サンサーを選択する必要もない。
本実施の形態でも、第3の実施の形態に係るプリンター300と同様、各設置姿勢において定着ローラー31の表面温度をより高精度に検出することが可能となる。
<変形例>
本発明は、上述のような実施の形態に限られるものではなく、次のような変形例も実施することができる。
図13(a)および図13(b)は、このようなプリンターの構成であって、それぞれ横置き姿勢および縦置き姿勢で設置されている状態を示す概略部分断面図である。
ここで、定着ローラー31の回転軸方向から見て、筐体2の面2aと面2bとが直交せずに、角度θ3で交差しているものとする。
このような位置に温度センサー34を設けることで、縦置き姿勢においては、図13(b)に示すように、定着ローラー31の軸心方向から見たときに、定着ローラー31の回転中心を通って鉛直方向上方に伸びる直線に対して、横置き姿勢のおける位置とは反対側の90[°]−θ3 /2[°]の位置に感熱部34aを配することができる。
これにより、1つの補正テーブルを用いるだけで、各設置姿勢における定着ローラー31の表面温度の推定が可能となり、補正テーブルを格納する補正テーブル記憶部155の記憶容量の節約が可能となる。
例えば、感熱部36aが、ローラー中央真上の位置になくても、第2の実施の形態のように、それぞれの姿勢および位置に応じた補正テーブルを用いることで、定着ローラー31の表面温度の推定が可能となる。
(3)上記実施の形態では、横姿勢の場合における温度センサーの出力から実際の定着ローラー31の表面温度を推定するための補正係数を格納した補正テーブルを補正テーブル記憶部155内に格納していた。
厳密に言えば、温度センサーは、定着ローラー31の表面から対流などの熱伝導より伝わる熱と、定着部30のハウジング内の温度(以下、「雰囲気温度」という。)の双方に影響されて検出値を出力する。
つまり、雰囲気温度が低いと、温度センサーは、定着ローラー31の表面温度を反映しやすいが、雰囲気温度が高くなるとその温度の温度センサーの検出値に対する影響も大きくなり、補正係数の修正が必要となる。
(4)上記第2の実施の形態では、プリンター200の設置姿勢を取得する取得手段として、姿勢検出部51を用いたが、これに限られない。
近年、定着ローラー内にヒーターを内蔵させるのではなく、ローラーの外径よりも僅かに内径が大きい発熱層を含む無端状の定着ベルトに当該ローラーを遊嵌し、当該定着ベルトの発熱層を誘導加熱する所謂ゆるばめ式の定着装置が考えられている。
当該ゆるばめ式の定着装置では、温度検出の対象は、定着ローラーではなく定着ベルトとなる。このように、温度検出の対象は、様々なものが考えられるため、加熱回転体であれば、どのようなものであっても構わない。
例えば、加圧ローラーの代わりに、表面が低摩擦材料などで覆われた加圧パッドなどを定着ローラーに圧接させる構成としてもよく、要するに、定着ローラーを加圧する加圧部材としては、表面に適当な摺動性を有して加圧できるものであれば、どのようなものであってもよい。
また、上記実施の形態および上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
12 感光体ドラム
14 帯電器
15 光学部
16 現像器
17 転写ローラー
20 給紙部
21 給紙トレイ
21a 載置面
21b ガイド板
22 支軸
22a 昇降板
25 ピックアップローラー
27 転写ニップ
30 、130 、330 定着部
31 定着ローラー
31a 回転軸
32 加圧ローラー
33 ヒーター
34 、 36 温度センサー
34a、 36a、134a、135a 感熱部
40 排紙ローラー
41 排紙トレイ
42a 載置面
50 制御部
51 姿勢検出部
51a アクチュエーター
134 第1温度センサー
135 第2温度センサー
150 CPU
151 通信I/F部
155 補正テーブル記憶部
230 支持機構
231 支持板
232 ロッド
231a 側板部
231c ピン
232a 端部
Claims (11)
- 装置が第1の姿勢で設置された場合と、第1の姿勢と水平方向に対する傾きが異なる第2の姿勢で設置された場合のいずれの場合でも画像形成が可能な画像形成装置であって、
加熱回転体の周面に加圧部材を押圧して定着ニップを形成し、当該定着ニップに通紙される記録シート上のトナー像を熱定着する定着手段と、
前記加熱回転体の表面温度を非接触で検出する温度検出手段と、
前記加熱回転体を加熱する加熱手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づき、加熱手段を制御して加熱回転体の温度を制御する制御手段とを備え、
装置が第1の姿勢および第2の姿勢のいずれにあるときも、前記温度検出手段による測定位置が、鉛直方向において、前記加熱回転体の回転中心よりも上方となっていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記温度検出手段は、
1つの温度計測部を有し、
前記第2の姿勢の、第1の姿勢からの傾き角をθ[°]とすると、
第1の姿勢において、前記加熱回転体の回転軸方向からみたとき、前記加熱回転体の回転中心を通って鉛直方向上方に伸びる直線に対して、第1から第2の姿勢に傾ける方向と反対方向に90[°]−θ/2[°]だけ傾いた位置に、前記温度計測部の位置が決定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記θの大きさは、90[°]である
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記温度検出手段は、
装置が第1の姿勢にあるときと、第2の姿勢にあるときとで、前記加熱回転体の表面温度の検出誤差が所定の範囲内となるように、第1と第2の姿勢の変更に応じて加熱回転体に対する前記測定位置を第1と第2の位置に変更する変更手段を
備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記温度検出手段は、
第1の姿勢のときに加熱回転体に対して第1の位置にある非接触型の第1の温度センサーと、第2の姿勢のときに加熱回転体に対して第2の位置にある非接触型の第2の温度センサーと、
現在の設置姿勢が第1と第2のいずれの姿勢であるかに関する情報を取得する取得手段とを備え、
前記変更手段は、前記取得手段で取得した設置姿勢に関する情報に基づき、第1と第2の温度センサーのうち対応する位置にある温度センサーを選択することにより、前記測定位置を変更する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記温度検出手段は、非接触型の温度センサーであって、
前記変更手段は、
装置の第1の姿勢から第2の姿勢への変更に伴い、前記温度センサーを、前記第1の位置から、第2の位置まで移動する移動手段を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記移動手段は、
前記温度センサーを、第1の位置から第2の位置まで移動可能に保持する保持部材と、
筺体の側面であって、第2の姿勢に変更したときに床面に対向する側面から、外方に進退可能に突出する突出部材と、
装置を第2の姿勢に姿勢変更する際に、前記突出部材が床面に当接して前記筺体内に後退するときの移動を、前記温度センサーが第1の位置から第2の位置に移動する動作に変換して前記保持機構に伝達するリンク機構と
を備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 第1および第2の姿勢共通の補正テーブルを記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記補正テーブルと、前記温度検出手段の検出結果とにもとづいて、前記加熱回転体の表面温度を推定することを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。 - 第1の姿勢に対応する第1の補正テーブルと第2の姿勢に対応する第2の補正テーブルとを記憶する記憶手段と、
現在の設置姿勢が第1と第2のいずれの姿勢であるかに関する情報を取得する取得手段とを備え、
前記制御手段は、第1および第2の補正テーブルのうち現状の姿勢に対応するもの選択し、当該選択された補正テーブルと前記温度検出手段の検出結果とにもとづいて、前記加熱回転体の表面温度を推定することを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の画像形成装置。 - ユーザーから装置の設置姿勢についての入力を受け付ける受付手段を備え、
前記取得手段は、前記受付手段を介して、現在の設置姿勢が第1と第2のいずれの姿勢であるかに関する情報を取得する
ことを特徴とする請求項5または9に記載の画像形成装置。 - 装置本体の設置姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、
前記取得手段は、前記姿勢検出手段の検出結果を、現在の設置姿勢が第1と第2のいずれの姿勢であるかに関する情報として取得する
ことを特徴とする請求項5または9に記載の画像形成装置。
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