JP2013238305A - 保温保冷吸音材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 厚さ5〜50mmの多孔質マット2の両面に熱硬化性樹脂を含浸した繊維シートからなる表皮材3を被着してなる原反1に、上記多孔質マット2の厚さdとすると√(2d2)以上の巾の折り曲げ予定箇所1Aを設定し、該折り曲げ予定箇所1Aを厚さ0.1〜1.5mmの厚さに加熱押圧圧縮するとともに、該熱硬化性樹脂を硬化させることによって折り曲げ部11を形成し、該折り曲げ部11を折り曲げることによって保温保冷吸音材10を枠状あるいは箱状に形成する。
【選択図】 図1
Description
また折り曲げ溝が弾性復元力によって浅くなってしまうのを防ぐためには、上記ガラス繊維マットに合成樹脂を含浸させ、押し込み加工形状を該合成樹脂によって固定する手段が考えられるが、ガラス繊維マットに合成樹脂を含浸させると、ガラス繊維マット内の空隙率が低下して断熱性や吸音性が劣化すると云う問題点がある。
上記課題を解決するための手段として本発明は、厚さ5〜50mmの多孔質マットの両面に熱硬化性樹脂を含浸した繊維シートからなる表皮材を被着してなる原反に、上記多孔質マットの厚さdとすると√(2d2)以上の巾の折り曲げ予定箇所を設定し、該折り曲げ予定箇所を厚さ0.1〜1.5mmの厚さに加熱押圧圧縮するとともに、該熱硬化性樹脂を硬化させることによって折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部を折り曲げることによって枠状あるいは箱状に形成し、その内側に保温又は保冷されるべき物品が収納されるようにした保温保冷吸音材を提供するものである。
上記熱硬化性樹脂は、繊維シート100質量部に対して5〜50質量部含浸されていることが望ましい。
また上記多孔質マットは、繊維マットであって、融点が180℃以下の低融点熱可塑性樹脂繊維および/または融点が190℃以上の熱可塑性樹脂を芯部分として融点が180℃以下の低融点熱可塑性樹脂を鞘部分とする芯鞘型複合繊維を少なくとも30質量%以上含むことが望ましい。
更に上記多孔質マットの密度は、30kg/m3〜70kg/m3であることが望ましい。
請求項1の発明の作用効果は以下である。
多孔質マット2の厚みは5mm以上に設定されるから、優れた保温・保冷および吸音性が確保される。また該多孔質マット2の厚みは、50mm以下に設定されるから、内部容積が過大とならずコンパクトになる。
上記多孔質マット2の両面には、熱硬化性樹脂を含浸した繊維シートからなる表皮材3,3が被着されている。表皮材3,3に含浸された熱硬化性樹脂は、折り曲げ予定箇所1Aを厚さ0.1〜1.5mmの厚さに加熱押圧圧縮する際に、一部が上記多孔質マット2内に移行し、含浸されて硬化するので、形成される折り曲げ部11の圧縮形状を固定し、弾性復元を防止する。但し、上記多孔質マット2の折り曲げ部11以外の箇所は、該折り曲げ部11のように大きく押圧圧縮されていないので、上記表皮材3,3から上記多孔質マット2内への熱硬化性樹脂の移行は極微量であり、上記多孔質マット2内の空隙率は十分に確保されるので、優れた保温・保冷および吸音性が保持される。
上記折り曲げ部11の厚さは0.1mm以上に設定されているから、充分な強度を有し、外力によって破断を生ずることはない。また上記折り曲げ部11の厚さは1.5mm以下に設定されているから、折り曲げは極めて容易になる。そして上記折り曲げ予定箇所1Aの巾は√(2d2)以上(ここにdは多孔質マット2の厚さ(5mm≦d≦50mm)である)に設定されることによって形成される折り曲げ部11は帯状になるので、この箇所には外力が集中せず、充分な強度が確保される。
請求項2の発明の作用効果は以下である。
上記熱硬化性樹脂は、上記繊維シート100質量部に対して5質量部以上含浸されているから、加熱押圧圧縮した際に該熱硬化性樹脂が上記多孔質マット2に移行・含浸されやすい。一方、上記熱硬化性樹脂は、上記繊維シート100質量部に対して50質量部以下の両で含浸されているから、加熱押圧圧縮しても繊維シートの柔軟性は維持され、折り曲げやすさが確保されている。
請求項3の発明の作用効果は以下である。
上記多孔質マット2が繊維マットであって、融点が180℃以下の低融点熱可塑性樹脂繊維が少なくとも30質量%以上含まれていると、折り曲げ予定箇所1Aを加熱押圧圧縮した時、該低融点熱可塑性樹脂繊維が溶融して上記繊維マットの繊維相互を結着し、上記繊維シートの熱硬化性樹脂の含浸量を少なくしても折り曲げ部11の厚みの弾性復元が阻止される。
請求項4の発明の作用効果は以下である。
上記多孔質マット2の密度が30kg/m3〜70kg/m3に設定されていると、空隙率が十分確保され、優れた保温・保冷および吸音性が保証されるとともに、上記多孔質マット2の強度も充分確保される。
〔保温保冷吸音材〕
図1(a)に示すように、保温保冷吸音材10は、多孔質マット2及び表裏一対の表皮材3,3からなる原反1に、折り曲げ部11を形成して構成されたものである。上記保温保冷吸音材10は、図1(b)に示すように上記折り曲げ部11の何れかの箇所(図中では鎖線で示した中央)を折り曲げることにより、枠状あるいは箱状に形成して使用される。そして枠状あるいは箱状に形成された上記保温保冷吸音材10の内側には、保温又は保冷されるべき物品が収納される。
上記保温保冷吸音材10において上記折り曲げ部11は、折り曲げ時における破断や割れ等といった不具合を好適に抑制しつつ、折り曲げを容易にするという観点から、厚さが0.1mm〜1.5mmの範囲内になるように設定される。厚さが0.1mmに満たない場合、折り曲げ部11を折り曲げたとき(特に折り曲げ部11を90°以上の角度に折り曲げたとき)に破断や割れ等といった不具合が発生してしまう。厚さが1.5mmを超える場合、折り曲げ部11を折り曲げにくくなり(特に折り曲げ部11を90°以上の角度に折り曲げるとき)、また折り曲げた折り曲げ部11が弾性復元してしまうことで、保温保冷吸音材10を枠状あるいは箱状に形成することが出来なくなってしまう。
上記原反1の所定箇所には、折り曲げ予定箇所1Aが設定される。上記折り曲げ予定箇所1Aの巾wは、上記多孔質マット2の厚さをdとすると、w≧√(2d2)に設定されている。wを上記のように設定すれば、上記折り曲げ予定箇所1Aを加熱押圧圧縮することによって上記折り曲げ部11を厚さ0.1〜1.5mmに形成した場合に、該折り曲げ部11を略90°に折り曲げることが可能になる。
上記加熱プレス機4は、上型5と下型6とからなり、上型5の型面からは押圧突条7が突設されている。上記加熱プレス機4にあっては、上型5と下型6との間で上記原反1の全体をプレスしつつ、上記押圧突条7で上記原反1の折り曲げ予定箇所1Aを加熱押圧圧縮して折り曲げ部11を形成することにより、保温保冷吸音材10が得られる。
上記折り曲げ部11の形成に際して加熱温度は、上記表皮材3に含浸された熱硬化性樹脂の硬化温度以上に設定する。更に上記多孔質マット2に低融点熱可塑性樹脂繊維が混合されている場合には、該低融点熱可塑性樹脂繊維の融点以上、かつ熱硬化性樹脂の硬化温度以上に設定する。
〔多孔質マット〕
上記原反1に使用する多孔質マット2としては、例えばポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維等の合成繊維、とうもろこしやサトウキビ等の植物から抽出された澱粉からなる生分解繊維(ポリ乳酸繊維)、パルプ、木綿、ヤシ繊維、麻繊維、竹繊維、ケナフ繊維等の天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、石綿繊維等の無機繊維、あるいはこれらの繊維を使用した繊維製品のスクラップを解繊して得られた再生繊維の1種または2種以上の混合繊維や、融点180℃以下のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリエステル共重合体繊維、ポリアミド繊維、ポリアミド共重合体繊維等の低融点熱可塑性樹脂繊維、更には融点が190℃以上の熱可塑性樹脂を芯部分とし、該低融点熱可塑性樹脂繊維の材料樹脂である融点180℃以下の低融点熱可塑性樹脂を鞘とする芯鞘型複合繊維、あるいはこれら繊維の2種以上の混合繊維を材料としたフェルト、不織布等の繊維マット、あるいは通気性ポリウレタン発泡体、通気性ポリエチレン発泡体、通気性ポリプロピレン発泡体、通気性ポリスチレン発泡体、通気性フェノール樹脂発泡体、通気性メラミン樹脂発泡体等の通気性プラスチック発泡体からなるマットが用いられる。
上記多孔質マット2には、通気性プラスチック発泡体からなるマット、あるいは繊維マットの何れを使用してもよく、繊維マットを使用する場合は、上記低融点熱可塑性樹脂繊維および/または上記芯鞘型複合繊維を少なくとも30質量%以上含む繊維マット(上記低融点熱可塑性樹脂繊維および/または上記芯鞘型複合繊維のみからなる繊維マットを含む)が望ましい。
また上記多孔質マット2としては、保温保冷吸音材10に要請される保温・保冷性、吸音性を発揮するための十分な空隙率を確保しつつ、保温保冷吸音材10に要請される十分な強度を確保するという観点から、密度が30kg/m3〜70kg/m3に設定されているものが望ましい。密度が30kg/m3に満たない場合、十分な強度を発揮することができず、また密度が70kg/m3を超える場合、空隙率が不十分となって保温・保冷性、吸音性が低下してしまうおそれがある。
上記原反1に使用する表皮材3としては、上記多孔質マット2の材料として使用されている繊維(低融点熱可塑性樹脂繊維を含む)と同様な繊維の編織物、あるいは不織布等の繊維シートである。
上記不織布としては、ニードルパンチ法によって繊維相互を絡合した不織布、熱可塑性樹脂繊維を溶融させつつ連続した長繊維状に吐出して形成するスパンボンド法による不織布、上記低融点熱可塑性樹脂繊維を含有する繊維のウェブを加熱して繊維相互を溶融結着したサーマルボンド法による不織布、バインダー樹脂を含浸あるいは混合して繊維相互を結着するケミカルボンド法による不織布、あるいはスパンレース法やステッチボンド法やスチームジェット法等の方法で繊維相互を結着する不織布、さらにはこれら方法の2種以上を組み合わせて得られる不織布等が使用される。
上記繊維シートに含浸せしめられる熱硬化性樹脂としては、例えばウレタン樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型ポリエステル等が使用されるが、該合成樹脂を生成するウレタン樹脂プレポリマー、尿素樹脂プレポリマー(初期縮合体)、フェノール樹脂プレポリマー(初期縮合体)、ジアリルフタレートプレポリマー、アクリルオリゴマー、多価イソシアナート、メタクリルエステルモノマー、ジアリルフタレートモノマー等のプレポリマー、オリゴマー、モノマー等の合成樹脂前駆体が使用されてもよい。該熱硬化性樹脂も取り扱いが容易な点から、水溶液、水性エマルジョン、水性ディスパーションの形のものを使用することが好ましいが、有機溶剤溶液の形のものを使用してもよい。
上記熱硬化性樹脂あるいは合成樹脂前駆体は二種以上混合使用されてもよい。
また、特に本発明で使用される樹脂として望ましいのは、フェノール系樹脂である。該フェノール系樹脂は、フェノール系化合物とホルムアルデヒドおよび/またはホルムアルデヒド供与体とを縮合させることによって得られる。
上記フェノール系樹脂に使用されるフェノール系化合物としては、一価フェノールであってもよいし、多価フェノールであってもよいし、一価フェノールと多価フェノールとの混合物であってもよいが、一価フェノールのみを使用した場合、硬化時および硬化後にホルムアルデヒドが放出され易いため、好ましくは多価フェノールまたは一価フェノールと多価フェノールとの混合物を使用する。上記フェノール系樹脂は、耐酸性を有するから、箱に収納される物品から酸性液が滴瀝あるいは滲出する場合には有利に使用される。
更に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、雲母、珪藻土、ドロマイト、石膏、タルク、クレー、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、ガラス粉、石粉、高炉スラグ、フライアッシュ、セメント、ジルコニア粉等の無機充填材;天然ゴムまたはその誘導体;スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレンゴム、イソプレン−イソブチレンゴム等の合成ゴム;ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、澱粉、澱粉誘導体、ニカワ、ゼラチン、血粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子や天然ガム類;木粉、クルミ粉、ヤシガラ粉、小麦粉、米粉等の有機充填材;ステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ブチリルステアレート、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸のエステル類;脂肪酸アミド類;カルナバワックス等の天然ワックス類、合成ワックス類;パラフィン類、パラフィン油、シリコンオイル、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、グリス等の離型剤;アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビス−2,2’−(2−メチルグロピオニトリル)等の有機発泡剤;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム等の無機発泡剤;シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、発泡ガラス、中空セラミックス等の中空粒体;発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン等のプラスチック発泡体や発泡粒;顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶化促進剤、燐系化合物、窒素系化合物、硫黄系化合物、ホウ素系化合物、臭素系化合物、グアニジン系化合物、燐酸塩系化合物、燐酸エステル系化合物、アミノ系樹脂等の難燃剤、難燃剤、防炎剤、撥水剤、撥油剤、防虫剤、防腐剤、ワックス類、界面活性剤、滑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤;DBP、DOP、ジシクロヘキシルフタレートのようなフタル酸エステル系可塑剤やその他のトリクレジルホスフェート等の可塑剤等を添加、混合してもよい。
また、撥水撥油剤としては、天然ワックス、合成ワックス、フッ素樹脂、シリコン系樹脂等がある。
上記熱硬化性樹脂、あるいは上記熱硬化性樹脂とその他の成分との混合物を上記繊維シートに含浸させて表皮材3とするには、一般に上記繊維シートを上記熱硬化性樹脂あるいは上記熱硬化性樹脂と他の成分との混合物の水溶液、水分散液、あるいは有機溶剤溶液等の加工液を充填した浸漬槽に導入して、上記加工液を上記繊維シートに含浸せしめる方法、上記加工液を上記繊維シートにスプレー塗布、ロールコーター塗布、ナイフコーター塗布、フローコーター塗布等の塗工機による塗布によって塗布含浸せしめる方法等が採用されている。
上記加工液の上記繊維シートに対する塗布含浸量は、上記熱硬化性樹脂の含浸量が、上記繊維シート100質量部に対して通常5〜50質量部となるように調節することが望ましい。上記加工液の塗布含浸量の調節は、一般には上記加工液を上記繊維シートに塗布含浸した後、絞りロールやプレス盤によって絞ることにより行われる。
上記熱硬化性樹脂含浸繊維シートからなる表皮材3は、一対が上記多孔質マット2の表裏両面に重合され、図3に示される加熱プレス機4を使用して加熱押圧することによって、上記多孔質マット2と接着する。
上記表皮材3,3と上記多孔質マット2との接着は、上記表皮材3,3に含浸されている熱硬化性樹脂が、上記加熱プレス機4による加熱押圧時に該表皮材3,3から滲出し、接着剤として機能することにより行われるが、ホットメルト接着剤、通常の合成樹脂接着剤等を補足して使用してもよい。
上記加熱押圧の際には、上記表皮材3,3が上記多孔質マット2に接着されるとともに、前記したように加熱プレス機4による上型5の押圧突条7で加熱押圧圧縮されることで、折り曲げ部11が形成される。
本発明の保温保冷吸音材10は、例えば生野菜、果物等を寒冷地において凍結を防止するため、あるいは蓄電池、発電機等の電源を保温して起電力の低下を防ぐため、あるいは冷凍食品、冷凍臓器等の保冷、あるいは箱周囲の騒音吸収・低減等に使用される。
上記保温保冷吸音材10においては、上記表皮材3,3の表面(外面)にアルミニウム等の金属からなる薄膜を蒸着してもよく、この場合には保温保冷吸音材10が遮熱性の効果を奏する。
図4(a)に示すように、展開状態の保温保冷吸音材10は、長方形状に形成されている。該保温保冷吸音材10には、3箇所の折り曲げ部11が形成されている。また該保温保冷吸音材10において、一端縁(図中で左側縁)からは、複数の(本実施例では2つ)の差込片21が横方向へ差し出されており、他側縁部(図中で右側縁部)には、複数の(本実施例では2つ)の差込スリット22が形成されている。図4(b)に示すように、上記保温保冷吸音材10は、各折り曲げ部11を介してそれぞれ90°折り曲げたうえで(詳しくは、図中に鎖線で示した各折り曲げ部11の中央を90°谷折りして)、各差込片21をそれぞれ差込スリット22に差し込んで上記一端縁と上記他側縁部とを繋げることで、四角枠状に形成される。
図5(a)に示すように、展開状態の保温保冷吸音材10は、十字形状に形成されている。該保温保冷吸音材10には、4箇所の折り曲げ部11が形成されている。また該保温保冷吸音材10において、上部及び下部の左右両側縁からは、複数の(本実施例では上部及び下部でそれぞれ左右2つずつの計8つ)の差込片21が横方向へ差し出されており、左部及び右部の上下両縁部には、複数の(本実施例では計8つ)の差込スリット22が形成されている。図5(b)に示すように、上記保温保冷吸音材10は、各折り曲げ部11を介してそれぞれ90°折り曲げたうえで(詳しくは、図中に鎖線で示した各折り曲げ部11の中央を90°谷折りして)、各差込片21をそれぞれ差込スリット22に差し込んで上記一端縁と上記他側縁部とを繋げることで、有底四角箱状に形成される。
また上記保温保冷吸音材10において、各折り曲げ部11や周縁部10aに囲まれてなるクッション部分10bは、上記多孔質マット2によって適度に膨らみ、所定の厚みを保持している。このため該クッション部分10bは、その内部に含まれる空気により、適度な保温・保冷性能と、騒音吸収・低減性能を発揮するとともに、内部に収納された物品へ加わる衝撃を緩和するというクッション性能を発揮する。
更に図4及び図5に示した上記保温保冷吸音材10は、展開状態における形状が長方形状あるいは十字形状と簡易な形状であるため、例えばプレス刃を使用したプレス加工によって容易に大量生産することが可能であり、また更に図3に示した加熱プレス機4にプレス刃を取り付けることで、加熱押圧圧縮とプレス切断とを一工程で行うことができるので、安価に大量生産することが可能である。
図4に示した四角枠状に形成された上記保温保冷吸音材10は、主として該保温保冷吸音材10とは別途用意された箱体等に収容したうえで、その内側に保温又は保冷されるべき物品を収納して使用する。一方、図5に示した有底四角箱状に形成された上記保温保冷吸音材10は、このまま使用してもよく、あるいは別途用意された箱体等に収容したうえで使用してもよい。
他に冷蔵庫等において、コンプレッサーを内部に収納するように配置することで、該コンプレッサーから発生する騒音を吸音するとともに、該コンプレッサーを保温する保温吸音材として使用することが可能である。
また他に、搬送用の折畳みコンテナボックスの内側に収容し、保温保冷吸音材10の内部に搬送物品を収納するとともに、搬送後はコンテナボックスを折畳み、かつ保温保冷吸音材10を展開して折畳むことで、省スペースで運搬、保管等することが可能である。
なお上記のように差込片21を差込スリット22に差し込んでなる上記保温保冷吸音材10の突き合わせ部分は、例えば差込片21を差込スリット22に差し込んだ状態で、該差込片21を保温保冷吸音材10の外面上に接着テープやタッカー等で止着してもよく、あるいは差込片21や差込スリット22を省略して突き合わせ部分を接着剤や接着テープやタッカー等で止着してもよい。
また保温保冷吸音材は、図4又は図5に示した形態のものに限定されるものではなく、用途に応じた種々の形態に変更してもよい。例えば展開状態を長方形状とし、折り曲げ部を中央に1箇所設け、該折り曲げ部で2つ折りにすることで、厚みを有するボード状にして使用してもよい。
更に、上記保温保冷吸音材は、上に挙げた用途の他にも、保温・保冷性能や吸音性能が要求されるものであれば、何れの用途に使用してもよい。例えば、家屋やビルディング等といった建築物において、断熱性や遮音性が要求される壁材や床材や屋根材等といった建材として使用してもよい。また電化製品において、モーターやファン等のカバー材や被覆材などとして、振動音等を吸音するために使用してもよい。また自動車において、トリム部材やパネル部材等の内装材あるいはフェンダーライナー等の外装材に使用してもよい。
1A 折り曲げ予定箇所
2 多孔質マット
3 表皮材
10 保温保冷吸音材
11 折り曲げ部
Claims (4)
- 厚さ5〜50mmの多孔質マットの両面に熱硬化性樹脂を含浸した繊維シートからなる表皮材を被着してなる原反に、上記多孔質マットの厚さdとすると√(2d2)以上の巾の折り曲げ予定箇所を設定し、該折り曲げ予定箇所を厚さ0.1〜1.5mmの厚さに加熱押圧圧縮するとともに、該熱硬化性樹脂を硬化させることによって折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部を折り曲げることによって枠状あるいは箱状に形成し、
その内側に保温又は保冷されるべき物品が収納されるようにした
ことを特徴とする保温保冷吸音材。 - 上記熱硬化性樹脂は、繊維シート100質量部に対して5〜50質量部含浸されている
請求項1に記載の保温保冷吸音材。 - 上記多孔質マットは、繊維マットであって、融点が180℃以下の低融点熱可塑性樹脂繊維および/または融点が190℃以上の熱可塑性樹脂を芯部分として融点が180℃以下の低融点熱可塑性樹脂を鞘部分とする芯鞘型複合繊維を少なくとも30質量%以上含む
請求項1又は請求項2に記載の保温保冷吸音材。 - 上記多孔質マットの密度は、30kg/m3〜70kg/m3である
請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の保温保冷吸音材。
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