JP2007002995A - 真空断熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】芯材にガラス短繊維のウェブの積層体を用いた優れた断熱性能を有する真空断熱材を提供する。
【解決手段】積層体を構成するガラス短繊維は、外被材3による真空包装後、大気圧による芯材2の圧縮により応力が作用した場合でも破断しにくく、より少ない接触点数で大気圧に対抗して芯材2形状を保持し、芯材2の空隙を保持しながら厚み方向の伝熱経路数を低減できる程度に低脆性で繊維強度が強い短繊維であり、積層体を1013hPaまで圧縮後、速やかに圧縮を解放する操作を繰り返す場合において、1回目の圧縮時に圧縮強度が300hPaとなる時の積層体の厚みを基準厚みとし、2回目の圧縮時の前記基準厚みにおける圧縮強度と、300hPaとの比が0.65以上となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、芯材を外被材で覆って内部を減圧密閉した真空断熱材に関するものである。
真空断熱材に使用する芯材は、素材の熱伝導率が小さく、ガス発生の少ない無機化合物が適している。特に、ガラス繊維の積層体を芯材とした真空断熱材は、優れた断熱性能を有していることが知られており、その真空断熱材を構成する芯材の一例として図5に示すものがある。
図5は、無機質細径繊維91aがその長さ方向を伝熱方向と垂直になるように且つこの無機質細径繊維91aの長さ方向が相互に交差するようにランダムに積層されて相互に点接触とされ、上記積層された細径繊維91aに伝熱方向と平行に打込まれて高密度の無機質細径繊維マット9を構成するペネトレーション繊維91bを備え、上記無機質細径繊維マット9を複数枚(N枚)重ね合わすことで芯材を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以上のように構成された従来の真空断熱材は、無機質細径繊維91aが、伝熱方向に対して垂直に、かつランダムに配置されているため、その繊維91a相互が点接触となることから、接触点での接触熱抵抗が大きく芯材厚み方向の伝熱量は小さくなる。
しかし、伝熱方向と垂直に配置された繊維91aのみでは伝熱方向に作用する大気圧に対する耐圧縮性が低下し、真空包装後に作用する大気圧により芯材が圧縮され厚みの確保が困難になる。
そこで、部分的に、伝熱方向と平行にペネトレーション繊維91bを配置している。しかしながら、ペネトレーション繊維91bにより、断熱性能が低下するため、無機質細径繊維マット9を複数枚(N枚)重ね合わすことで芯材を形成し、ペネトレーション繊維91bによる伝熱量を低減するものである。
特公平7−103955号公報
しかしながら、上記従来の構成では、無機質細径繊維マット9を複数枚(N枚)重ね合わすことで芯材を形成し、ペネトレーション繊維91bによる伝熱量を低減したとしても、伝熱方向に平行に配置したペネトレーション繊維91b、すなわち前記繊維91b自身が熱を直接伝える熱橋として作用するため、伝熱量を低減することは困難であった。また、伝熱方向に平行に配置した繊維91bはガラス材料に固有の熱伝導率で熱が伝導するため、伝熱量は伝熱方向に平行に配置した繊維数量に比例して増大する。
よって、伝熱方向に平行に配置したガラス繊維91bの数量に比例して真空断熱材の断熱性能が悪化するという課題があった。
一方、伝熱方向に対して略垂直に配置されたガラス繊維91aのみで構成された芯材では、次の理由から真空断熱材の断熱性能が悪化するという課題があった。
芯材を構成するガラス繊維に十分な強度を有していない場合には、大気圧により芯材を構成する繊維に屈曲や破断が生じる。繊維の屈曲が進行すると、繊維相互の絡みあいにより形成された芯材の空隙部分が押し潰され、繊維相互の接触点数が増大する。その結果、伝熱経路数が増大すると共に、部分的には繊維が点接触から線接触で接触する等で接触面積が増大することから接触熱抵抗が低下する。
また、繊維が破断した場合は、繊維の屈曲が進行した場合と同様に、繊維相互の絡みあいにより形成された芯材の空隙部分が押し潰され、繊維相互の接触点数が増大すると共に、部分的には繊維が線接触で接触する箇所が生じる等の接触面積が増大することから接触熱抵抗が低下する。更には、繊維相互の絡みあいにより形成された芯材の空隙部分が破断した繊維で充填され、芯材の空隙が一層低下すると共に、繊維の接触点数も増加する。
このような理由から伝熱量が増大し、真空断熱材の断熱性能が低下すると共に、芯材の厚みが確保できず芯材を構成する繊維状物質の使用量を増加する必要があることから、材料コストが増大するという課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、芯材を構成するガラス短繊維を低脆性で、かつ高強度とすることで、大気圧により圧縮されても繊維の屈曲や破断が生じにくく繊維の絡み合いにより形成される空隙が保持され、かつ繊維相互のより少ない接触点数で大気圧を保持することが可能となることから、一層断熱性能を改善すると共に、芯材の耐圧縮性を改善し、芯材にかかる材料コストを低減できる真空断熱材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の真空断熱材は、ガラス短繊維のウェブの積層体からなる芯材を外被材で覆って前記外被材内部を減圧してなる真空断熱材であって、前記積層体を構成するガラス短繊維は、前記外被材による真空包装後、大気圧による前記芯材の圧縮により応力が作用した場合でも破断しにくく、より少ない接触点数で大気圧に対抗して芯材形状を保持し、前記芯材の空隙を保持しながら厚み方向の伝熱経路数を低減できる程度に低脆性で繊維強度が強い短繊維であるものである。
具体的には、積層体を1013hPaまで圧縮後、速やかに圧縮を解放する操作を繰り返す場合において、1回目の圧縮時に圧縮強度が300hPaとなる時の積層体の厚みを基準厚みとし、2回目の圧縮時の前記基準厚みにおける圧縮強度と、300hPaとの比が0.65以上となるものである。
このように、本発明では、繰り返し圧縮時のある基準厚みにおける圧縮強度の低下が小さい積層体を真空断熱材の芯材に適用することで、真空断熱材の断熱性能が改善することを見出したのである。
これによって、前記積層体を構成するガラス短繊維が、低脆性で、かつ繊維強度が強いことから、大気圧により圧縮されても繊維の屈曲や破断が生じにくく、繊維の絡み合いにより形成される空隙が保持される。また、繊維自身が破断しにくいことから、繊維製造時から元々の繊維長も長くなっている。
その結果、ガラス短繊維が伝熱方向に対して略垂直で且つランダムに配置されて芯材の厚み方向に積層されたウェブの積層体であっても、ガラス繊維が板バネと同様の作用から、繊維相互のより少ない接触点数で大気圧を保持することが可能となり、芯材厚み方向の伝熱経路数が低減する。
また、ガラス短繊維は伝熱方向に対して略垂直で且つランダムに配置されて芯材の厚み方向に積層されているが、このガラス短繊維の繊維長が従来品より長くなっていることから、より一層、積層状態が改善されると共に、芯材厚み方向の伝熱距離が増大することになる。
以上の理由から、芯材の厚み方向の伝熱量が低下するため、真空断熱材の断熱性能が改善する。更には、芯材の耐圧縮性が改善されることから芯材の空隙率を高められ、芯材の低密度化が可能となり、同時に芯材の低コスト化を実現する真空断熱材を提供することができる。
本発明の真空断熱材は、芯材の厚み方向の伝熱量が低下することから真空断熱材の断熱性能が改善する。更には、芯材の耐圧縮性が改善されることから芯材の空隙率が高められ、芯材の低密度化が可能となる。よって、高性能化と芯材の低コスト化を実現する真空断熱材を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、ガラス短繊維のウェブの積層体からなる芯材を外被材で覆って前記外被材内部を減圧してなる真空断熱材であって、前記積層体を構成するガラス短繊維は、前記外被材による真空包装後、大気圧による前記芯材の圧縮により応力が作用した場合でも破断しにくく、より少ない接触点数で大気圧に対抗して芯材形状を保持し、前記芯材の空隙を保持しながら厚み方向の伝熱経路数を低減できる程度に低脆性で繊維強度が強い短繊維である真空断熱材である。
一般に、ガラス組成物の破壊は、低温から常温において典型的な脆性破壊であり、臨界応力のもとで急激に破壊が生じる。このような脆性固体の破壊は、引張り応力によって原子間の結合が切られ、原子が分離することによって起こる。
しかし、実際はガラス表面や内部には大小のグリフィスフローと呼ばれる傷が存在するため、これらが応力集中源となって、理論値よりもはるかに低い負荷応力のもとで破壊に至る。このことが、ガラスの脆さの原因の一つとなっている。
ガラス短繊維の場合においても、繊維を強化すること、かつガラスそのものを低脆性とすることで、圧縮等の負荷応力に対して繊維の破断が起こりにくくなる。その結果、前記積層体は繰り返し圧縮時の基準厚みにおける圧縮強度の低下が小さくなる。
従って、ガラス短繊維のウェブの積層体からなる芯材を外被材で覆って内部を減圧してなる真空断熱材においても、真空包装後、大気圧による芯材の圧縮により、芯材を構成する繊維に引張り応力が作用した場合にも繊維が破断しにくく、繊維が絡み合って形成する芯材の空隙が保持される。このことは、より少ない繊維の接触点数で大気圧に対抗して芯材形状を保持することが可能となることを意味するものであり、芯材厚み方向の伝熱経路数が低減することになる。
このように、低脆性で繊維強度の大きいガラス短繊維を芯材に適用することで、芯材の厚み方向の伝熱量が低下することから真空断熱材の断熱性能が改善する。更には、芯材の耐圧縮性が改善されることから芯材の空隙率を高められ、同時に芯材の低密度化が可能となる。その結果、芯材の低コスト化を実現する真空断熱材を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、積層体を1013hPaまで圧縮後、速やかに圧縮を解放する操作を繰り返す場合において、1回目の圧縮時に圧縮強度が300hPaとなる時の積層体の厚みを基準厚みとし、2回目の圧縮時の前記基準厚みにおける圧縮強度と、300hPaとの比が0.65以上となる請求項1に記載の真空断熱材である。
この試験方法にて、ガラス短繊維の積層体を繰り返し圧縮した場合に、2回目の圧縮時の前記基準厚みにおける圧縮強度と、300hPaとの比が0.65以上となるようなガラス短繊維のウェブの積層体を真空断熱材の芯材とすることで、請求項1に記載の発明と同様の作用にて、芯材の厚み方向の伝熱量が低下することから真空断熱材の断熱性能が改善する。
更には、芯材の耐圧縮性が改善されることから芯材の空隙率を高められ、芯材の低密度化が可能となる。その結果、芯材の低コスト化を実現する真空断熱材を提供することができる。
また、ガラス短繊維の脆性に関する特性は、繊維の引張り強度で管理することが本質的である。しかしながら、実際には、積層体を構成するガラス短繊維はその繊維強度に幅広い分布を有するため、ガラス短繊維の全体像を把握するのに必要な測定には膨大な労力を要する。そのため、本発明で示しているように、ガラス短繊維の積層体における圧縮特性で代用することにより管理が容易に実施でき、また積層体の全体像をより具体的に把握しやすくなる。
要するに、本試験方法により得られる繰り返し圧縮強度比が、真空断熱材の熱伝導率と良好な相関関係を有していることを新たに見出したのである。
一方、繰り返し圧縮時の圧縮量を圧縮強度で1013hPaとするのは、積層体を真空包装した真空断熱材には、絶えず大気圧がかかることから設定したものであるが、多少前後することは問題ない。しかし、大気圧の2倍程度の強度で加圧すると低脆性、或いは高強度繊維の場合にも繊維の破断が進行するため、2回目の圧縮時の前記基準厚みにおける圧縮強度と、300hPaとの比が0.65未満となる場合があるため、繰り返し圧縮時の圧縮強度は1013hPaが望ましい。
また、繰り返し圧縮時にその基準厚みを300hPa時の積層体の厚さとしているのは、基準厚みとする圧縮強度に応じて、繰り返し圧縮時の圧縮強度比が変動するが、300hPa時の積層体の厚さを基準とした場合が、もっとも真空断熱材の断熱性能との相関が明確になるためである。
なお、繰り返し圧縮試験の圧縮強度比は、基準厚みにおける2回目の圧縮強度を基準厚みを設定する300hPaで割った値を適用する。
請求項3に記載の発明は、積層体を1013hPaまで圧縮後、速やかに圧縮を解放する操作を繰り返す場合において、1回目の圧縮時に圧縮強度が300hPaとなる時の積層体の厚みを基準厚みとし、2回目の圧縮時に圧縮強度が300hPaとなる時の積層体の厚みと、前記基準厚みとの比が0.9以上となる請求項1に記載の真空断熱材である。
この試験方法にて、ガラス短繊維の積層体を繰り返し圧縮した場合に、2回目の圧縮時に圧縮強度が300hPaとなる時の積層体の厚みと、前記基準厚みとの比が0.9以上となるようなガラス短繊維のウェブの積層体を真空断熱材の芯材とすることで、請求項1に記載の発明と同様の作用にて、芯材の厚み方向の伝熱量が低下することから真空断熱材の断熱性能が改善する。
更には、芯材の耐圧縮性が改善されることから芯材の空隙率を高められ、芯材の低密度化が可能となる。その結果、芯材の低コスト化を実現する真空断熱材を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明と同様に、ガラス短繊維の積層体における圧縮特性で代用することにより管理が容易に実施でき、また積層体の全体像をより具体的に把握しやすくなる。
請求項4に記載の発明は、ガラス短繊維のウェブの積層体をバインダー、或いは熱成形によりボード状に成形して芯材としている請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材である。
従って、バインダー、或いは熱成形によりボード状に成形した場合にも、請求項1から3に記載の発明と同様の作用により、芯材の厚み方向の伝熱量が低下することから真空断熱材の断熱性能が改善する。
また、芯材の耐圧縮性が改善されることから芯材の空隙率を高められ、芯材の低密度化が可能となる。その結果、芯材の低コスト化を実現する真空断熱材を提供することができる。
更に、ガラス短繊維のウェブの積層体をバインダー、或いは熱成形によりボード状に成形することで積層体の嵩高さを低減することが出来ると共に、ボードに剛性が付与されるため、ボードサイズが大きい場合にもその取り扱い性が大幅に改善する。
請求項5に記載の発明は、ガラス短繊維のウェブの積層体をボード状に成形することなく芯材としている請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材である。
従って、請求項1から3に記載の発明と同様の作用により芯材の厚み方向の伝熱量が低下することから真空断熱材の断熱性能が改善する。
また、芯材の耐圧縮性が改善されることから芯材の空隙率を高められ、芯材の低密度化が可能となる。その結果、芯材の低コスト化を実現する真空断熱材を提供することができる。
更には、ガラス短繊維のウェブの積層体をボード状に成形することなく芯材として適用しているため、積層体を構成するガラス短繊維に対する負荷応力がより小さくなり、ガラス短繊維の破断の進行を最も抑制することができるため、真空断熱材においてより優れた断熱性能を実現することができる。
このように、真空断熱材の芯材として適用するガラス短繊維は、低脆性でかつ繊維強度が大きいほど、真空断熱材の断熱性能を改善することができる。また、その繊維強度が大きいほど、真空断熱材の低密度化が実現できる。
ガラス短繊維の脆性に関する特性は、繊維の引張り強度で管理することが本質的である。しかしながら、実際には、ガラス短繊維はその繊維強度が広く分布しているため、ガラス短繊維の全体像を把握するのに必要な測定は膨大な労力を要する。そのため、本発明で示しているように、ガラス短繊維の積層体における圧縮特性で代用して管理することが望ましい。
このように、真空断熱材の熱伝導率を改善するには、ガラス短繊維のウェブの積層体を繰り返し圧縮解放する操作において、繰り返し圧縮時の基準厚みおける圧縮強度の低下が小さいものが望ましい。
以下、本発明の繰り返し圧縮強度比を得るための試験方法について具体的に説明する。
(1)試験試料の前処理として、真空包装や梱包等による試料の圧縮履歴を取り除くため、まず、試料を300hPaまで圧縮する。
(2)1回目圧縮として、試験試料を1013hPaまで圧縮し速やかに所定厚みまで解放する。この圧縮過程にて圧縮強度が300hPaとなる厚みを基準厚みとする。
(3)1回目圧縮時と同一個所を再度、1013hPaまで2回目の圧縮をする。この圧縮過程にて、基準厚みおける圧縮強度を測定する。
(4)以下の式より、繰り返し圧縮強度比を算出する。
繰り返し圧縮強度比=2回目圧縮時の基準厚みにおける圧縮強度/300hPa
この時、繰り返し圧縮試験装置は一般的なオートグラフが使用できる。試験条件の一例としては、圧縮速度は10mm/分、圧縮用治具は上下共に直径100mmの鉄製の円形型、試験試料はサイズが200mm×200mmで目付量が2500g/m2±15%とし、試料の中心部を圧縮して繰り返し圧縮強度試験を実施するものである。
なお、本発明で使用できるガラス短繊維は、公知の繊維が使用できるが、繊維径が細く、素材の熱伝導率が小さいものが望ましく、更には、繊維の引っ張り強度が0.5GPa以上であることがより望ましい。
また、ウェブは、ガラス短繊維を伝熱方向(厚み方向)に対して垂直となるようランダムに配置し、繊維相互が点接触となるように成形したものが望ましい。更に、このウェブを積層してなる積層体は、前記ウェブ間が積層体の一体性が保持できる必要最低限の繊維の交絡により結合され、厚み方向に均質に積層配列されたものがより好適である。このような積層体とすることで、芯材厚み方向の伝熱量は、ガラス組成物に固有の熱伝導率よりも繊維相互の接触熱抵抗が支配的になる。
一例としては、汎用ガラス組成物の常温での熱伝導率は1W/mK前後であるが、ガラス繊維を伝熱方向に対して略垂直に配置して積層した積層体、すなわちウェブを積層した積層体を芯材とする真空断熱材の場合には、積層体の固体成分に関するみかけの熱伝導率がガラス組成物自身の100分の1以下となる。
また、繊維径は、特に指定するものではないが、繊維径が微細なものはより優れた断熱性能が得られる。しかし、経済性の観点からは平均繊維径が3〜5μmのものを使用するのが望ましい。
一方、ガラス短繊維を低脆性、かつ高強度とする方法の一例は、以下に示すとおりである。
本発明に適用できるガラス短繊維は、ガラス組成の適正化や製造プロセスの適正化により、ガラス短繊維を低脆性、かつ高強度とすることができる。このうち、製造プロセスの適正化により、ガラス短繊維の強度を増大する方法としては、化学強化法またはイオン交換法と呼ばれる方法や、加熱急冷法または風冷強化法と呼ばれる方法がある。
化学強化法は、フッ化水素酸等でガラス表面を浸食する方法であり、これにより、ガラス表面に存在するグリフィスフローを除去することができるため、ガラス短繊維の脆性と強度を改善できる。
また、イオン交換法は、ガラス表面のナトリウムイオンを分子径の大きいカリウムイオンで置換することで、予めガラスの表面に高い圧縮応力層を付与する方法であり、同様にガラスの脆性と強度を改善できる。
しかしながら、工業的に最も利用されるのは加熱急冷法である。これは、加熱されたガラスに低温の空気を吹き付けることで処理され、予めガラスの表面に高い圧縮応力層を付与することにより、引張り応力に対する耐久性を向上させるものである。この方法は、ガラス繊維についても同様に実施することができ、繊維化直後の高温の繊維に対し冷却エアーを吹き付けることでガラス繊維が強化されるため効率的に処理できる。
以上、工業的に利用されるガラス強化方法を示したが、ガラス繊維の機械強度を強化する方法は、前述したものに限定するものではなく、公知の方法が適用できる。
一方、本発明で使用できる外被材を形成するラミネートフィルムは、高いガスバリア性を付与するために金属箔層、或いは蒸着層の少なくともいずれかを有するプラスチック製フィルムにて構成することがより望ましい。この時、金属箔層、及び蒸着層は公知の材料が利用でき、特に指定するものではない。
また、ラミネートフィルムの成形方法は、ドライラミネーション用の接着剤を用いて行うドライラミネーション方式がより望ましいが、ラミネートフィルムの一部にオレフィン系樹脂を用いて溶融押し出しするエクストルージョンラミネーション方式を適用してもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面模式図を示すものである。
図1において、真空断熱材1は、芯材2と吸着剤4とを外被材3に挿入し、内部を減圧して構成している。この時、真空断熱材は厚みが10mmとなるように芯材2を調整している。
真空断熱材1の作製は、芯材2を140℃の乾燥炉で20分間乾燥した後、ラミネートフィルムの三方を熱溶着によりシールして袋状に成形した外被材3に挿入し、減圧チャンバー内で外被材3の内部が10Pa以下になるように減圧し、開口部を熱溶着により密閉封止している。
一方、芯材2に適用しているガラス短繊維は、平均繊維径3.5μmのグラスウールである。但し、前記グラスウールは、汎用的なソーダ石灰ガラス組成物を適用しているが、繊維化直後に、冷却空気を吹き付ける事で急冷して繊維を強化している。
芯材2の作製は、ガラス短繊維のウェブからなるグラスウールを所定厚みになるまで積層し、ウェブ間が交絡により結合された積層体を成形する。その後、ガラス短繊維の積層体を、ガラスの歪点よりも低い450℃で5分間加熱プレスにて熱成形することでボード状の芯材を成形している。
なお、上記方法以外に、加熱プレス時にバインダーを適用することでより剛性の高いボード状の芯材を成形することができる。これらは、求められる真空断熱材の品質や生産性を考慮して決定することができる。
外被材3は、最外層にポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)、中間層にアルミ箔(6μm)、熱溶着層に直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(50μm)を適用したプラスチックラミネートフィルムから構成している。
吸着剤4は、水分吸着剤として酸化カルシウムを適用している。
このようして作製した真空断熱材1について、その熱伝導率を英弘精機製のオートラムダにて測定した。その結果、真空断熱材1の熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0015W/mKと優れた断熱性能を有しており、積層体の繰り返し圧縮試験における圧縮強度比は0.8であった。
これは、繰り返し圧縮試験における圧縮強度比が0.65未満の従来のガラス短繊維の積層体から芯材を成形した真空断熱材と比較して、熱伝導率は0.0004W/mK低減することが判った。
また同様に、真空断熱材1を10mm厚みとするために必要な芯材密度は、従来、250kg/m3であったものが、本実施の形態では240kg/m3であった。
このような結果を得られた理由は、積層体の繰り返し圧縮試験における圧縮強度比が0.8であることから、従来品と比較して大気圧により芯材が圧縮されても繊維の屈曲や破断が生じにくく、繊維の絡み合いにより形成される空隙が保持され、より少ない繊維の接触点数で大気圧を保持することが可能となったためと考える。
その結果、芯材の厚み方向の伝熱量が低下することから真空断熱材の断熱性能が改善する。更には、芯材の耐圧縮性が改善されていることから芯材の空隙率を高められ、芯材の低密度化が可能となる。よって、本実施の形態では、グラスウールの使用量が4%低減可能となることから、原材料費の低減も実現できる。
なお、本実施の形態では、芯材を形成するガラス短繊維としては、汎用工業材料であるグラスウールを適用し、積層体の繰り返し圧縮試験における圧縮強度比が0.65以上になるよう加熱急冷法にて繊維を強化して適用している。
しかしながら、芯材に適用できるガラス短繊維は、低脆性で、かつ高強度のガラス短繊維であれば特に問題なく適用できる。しかし、望ましくは、積層体の繰り返し圧縮試験における圧縮強度比が0.65以上となるガラス短繊維の積層体、より望ましくは、圧縮強度比が0.70以上となるガラス短繊維の積層体、更に望ましくは、圧縮強度比が0.75以上となるガラス短繊維の積層体である。
なお、圧縮強度比は0.65を境にして熱伝導率が大きく低下するが、圧縮強度比が0.75を超えると熱伝導率の更なる低下は確認できない。よって、圧縮強度比が0.65か0.75の範囲においては、圧縮強度比が大きくなるに従い熱伝導率が低下する傾向にある。
なお、繰り返し圧縮試験は、島津製作所製のオートグラフを使用して、直径100mmの鉄製の円形治具を使用して実施した。この時、圧縮速度は10mm/分とした。また、供試材料の圧縮負荷履歴を統一し、試験バラツキを抑制するため、予め前処理として圧縮強度が300hPaとなるまで一度圧縮処理を実施後、本試験を実施した。なお、圧縮強度比はそれぞれn=3の平均で示している。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における真空断熱材の断面模式図を示すものである。
図2において、真空断熱材11は、芯材12と吸着剤14とを外被材13に挿入し、内部を減圧して構成している。この時、真空断熱材は厚みが10mmとなるように芯材12を調整している。
芯材2の作製は、ガラス短繊維のウェブからなるグラスウールを所定厚みになるまで積層し、ウェブ間が交絡により結合された積層体を成形した。この時、芯材12は、バインダー、或いは熱成形等により積層体をボード状に成形することなく芯材として使用している。
なお、本実施の形態2における真空断熱材11は、芯材12の製造方法が異なる以外は、実施の形態1における材料構成、及び作製方法と同様である。
芯材12に適用しているガラス短繊維は、平均繊維径3.5μmのグラスウールであり、積層体の繰り返し圧縮試験での圧縮強度比は0.80であった。
このようして作製した真空断熱材11について、その熱伝導率を英弘精機製のオートラムダにて測定した。その結果、真空断熱材11の熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0014W/mKと優れた断熱性能を有しており、繰り返し圧縮試験における圧縮強度比が0.65未満の従来のガラス短繊維の積層体から芯材を成形した真空断熱材と比較して、熱伝導率は0.0005W/mK低減することが判った。
また、ガラス短繊維の積層体を熱成形によりボード状に成形して使用した実施の形態1の場合と比較して、積層体の繰り返し圧縮試験での圧縮強度比が同等にも関わらず真空断熱材の断熱性能はより向上した。
また同様に、真空断熱材11を10mm厚みとするために必要な芯材密度は、従来、250kg/m3であったものが、本実施の形態では235kg/m3であった。
このような結果を得られた理由は、積層体の繰り返し圧縮試験での圧縮強度比が0.80であることから、従来品と比較して大気圧により圧縮されても繊維の屈曲や破断が生じにくく、繊維の絡み合いにより形成される空隙が保持され、より少ない繊維の接触点数で大気圧を保持することが可能となったためと考える。
その結果、芯材の厚み方向の伝熱量が低下することから真空断熱材の断熱性能が改善する。更には、芯材の耐圧縮性が改善されていることから芯材の空隙率を高められ、芯材の低密度化が可能となる。よって、本実施の形態では、グラスウールの使用量が6%低減可能となることから、原材料費の低減も実現できる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における真空断熱材の平面模式図を示すものである。また、図4は、図3のA−A‘線における真空断熱材の断面模式図を示す。
図3において、真空断熱材31は、複数の芯材32をガスバリア性の外被材33で減圧密封されており、網掛けした熱溶着部34により芯材32がそれぞれの独立した真空空間に保持されている。
真空断熱材31の作製方法は、まず、真空チャンバー内に相対する上下一対のラミネートフィルムを設置する。この時、下部ラミネートフィルムの上側面には140℃で20分間乾燥した複数の芯材32を予め熱溶着する等、公知の方法で固定する。その後、芯材32周囲が10Pa以下になるように減圧し、予め加熱しておいた前記上下ラミネートフィルムを芯材32部も含めて熱溶着させることで、複数の芯材32がそれぞれの芯材32の周辺部近傍まで相対するラミネートフィルムが熱溶着され熱溶着部34を形成し、前記芯材32がそれぞれ独立した真空空間に保持される。
なお、本実施の形態3における真空断熱材31は、真空断熱材31の製造方法が異なる以外は、実施の形態1で説明した材料構成と同様である。但し、真空断熱材31には、水分吸着剤は使用しておらす、真空断熱材31の芯材32部厚みは5mmとなるように調整している。
芯材32に適用しているガラス短繊維は、平均繊維径3.5μmのグラスウールであり、積層体の繰り返し圧縮試験での圧縮強度比は0.76であった。
このようして作製した真空断熱材31について、その芯材部熱伝導率を英弘精機製のオートラムダにて測定した。その結果、真空断熱材31の芯材部熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0015W/mKと優れた断熱性能を有しており、繰り返し圧縮試験における圧縮強度比が0.65未満の従来のガラス短繊維の積層体から芯材を成形した真空断熱材と比較して、熱伝導率は0.0004W/mK低減することが判った。
また同様に、真空断熱材31を5mm厚みとするために必要な芯材密度は、従来、250kg/m3であったものが、本実施の形態では240kg/m3であった。
このような結果を得られた理由は、積層体の繰り返し圧縮試験での圧縮強度比が0.76であることから、従来品と比較して大気圧により圧縮されても繊維の屈曲や破断が生じにくく、繊維の絡み合いにより形成される空隙が保持され、より少ない繊維の接触点数で大気圧を保持することが可能となったためと考える。
その結果、芯材32の厚み方向の伝熱量が低下することから真空断熱材31の断熱性能が改善する。更には、芯材32の耐圧縮性が改善されていることから、芯材32の空隙率を高められ、芯材32の低密度化が可能となる。よって、本実施の形態では、グラスウールの使用量が4%低減可能となることから、原材料費の低減も実現できる。
以下、実施例、及び比較例を用いて、本発明の真空断熱材の芯材を構成するガラス短繊維の繰り返し圧縮試験における特性ついて具体的に説明するが、本発明は本実施例のみに限定されるものではない。
(表1)に芯材に使用するガラス短繊維のガラス強化方法、及びガラス組成を種々変更した場合において、繰り返し圧縮試験における圧縮強度比、及び厚さ比と、真空断熱材の熱伝導率と密度との関係について、実施例1〜6、及び比較例1または2に示した。
Figure 2007002995
真空断熱材は、基本的に、実施の形態1と同様の方法で作製しているが、真空断熱材1の芯材2を構成するガラス短繊維のガラス強化方法を種々変化させて作製している。
また、ガラス組成は、A〜Cの3組成で評価しており、Aはソーダ石灰ガラス(Cガラス)、Bは無アルカリガラス(Eガラス)、Cはソーダ石灰ガラスにおいてアルカリ含有率を2倍にする共に、酸化バリウムを5mol%添加した。なお、Cはアルカリと酸化バリウムの増加量分だけ酸化ケイ素量を低減している。
更に、ソーダ石灰ガラスについては、加熱急冷法、フッ化水素酸処理、及びイオン交換法によりガラスを強化している。
一方、繰り返し圧縮試験における圧縮強度比と厚さ比については、島津製作所製のオートグラフを用いて、それぞれn=3の平均値で示している。この時、圧縮強度比は基準厚みにおける2回目の圧縮強度を圧縮強度300hPaで割った値を適用し、厚さ比は2回目圧縮時における300hPaでの厚みを1回目圧縮時における300hPaでの厚み(基準厚み)で割った値を適用している。また、熱伝導率は英弘精機製のオートラムダにて平均温度24℃にて測定した。
(実施例1)
芯材に適用する積層体を構成するガラス短繊維は、汎用的なガラスカレットを主成分とするソーダ石灰ガラスを適用している。しかしながら、ガラス短繊維は加熱急冷法にて強化されているため、高強度で、かつ低脆性となっている。
なお、この時、急冷時の空気温度を30℃として作製した。
前記ガラス短繊維の積層体において、繰り返し圧縮試験を実施したときの圧縮強度比は0.65であり、同様に厚さ比は0.905であった。
この時、真空断熱材の熱伝導率は、0.0016W/mKと従来品と比較して0.0003W/mK改善していた。また、同様に、真空断熱材の芯材密度は245kg/m3と、従来、250kg/m3と比較して2%低減していた。
このような結果が得られた理由は、芯材を構成する積層体が繰り返し圧縮試験を実施したときの圧縮強度比が0.65、同様に厚さ比が0.905であることから、従来品と比較して大気圧により圧縮された場合にも繊維の屈曲や破断が生じにくく、繊維の絡み合いにより形成される空隙が保持され、より少ない繊維の接触点数で大気圧を保持することが可能となったためと考える。
その結果、芯材の厚み方向の伝熱量が低下することから真空断熱材の断熱性能が改善する。更には、芯材の耐圧縮性が改善されていることから芯材の空隙率を高められ、芯材の低密度化が可能となる。
(実施例2)
芯材に適用する積層体を構成するガラス短繊維は、汎用的なガラスカレットを主成分とするソーダ石灰ガラスを適用している。しかしながら、ガラス短繊維は加熱急冷法にて強化されているため、高強度で、かつ低脆性となっている。
なお、この時、急冷時の空気温度を30℃として作製した。
前記ガラス短繊維の積層体において、繰り返し圧縮試験を実施したときの圧縮強度比は0.75であり、同様に厚さ比は0.915であった。
この時、真空断熱材の熱伝導率は、0.0015W/mKと従来品と比較して0.0004W/mK改善していた。また、同様に、真空断熱材の芯材密度は240kg/m3と、従来、250kg/m3と比較して4%低減していた。
このような結果が得られた理由は、芯材を構成する積層体が繰り返し圧縮試験を実施したときの圧縮強度比が0.75、同様に厚さ比が0.915であることから、従来品と比較して大気圧により圧縮された場合にも繊維の屈曲や破断が生じにくく、繊維の絡み合いにより形成される空隙が保持され、より少ない繊維の接触点数で大気圧を保持することが可能となったためと考える。
その結果、芯材の厚み方向の伝熱量が低下することから真空断熱材の断熱性能が改善する。更には、芯材の耐圧縮性が改善されていることから芯材の空隙率を高められ、芯材の低密度化が可能となる。
(実施例3)
芯材に適用する積層体を構成するガラス短繊維は、汎用的なガラスカレットを主成分とするソーダ石灰ガラスを適用している。しかしながら、ガラス短繊維は加熱急冷法にて強化されているため、高強度で、かつ低脆性となっている。
なお、この時、急冷時の空気温度を30℃から10℃まで低下させて作製した。
前記ガラス短繊維の積層体において、繰り返し圧縮試験を実施したときの圧縮強度比は0.84であり、同様に厚さ比は0.930であった。このように、圧縮強度比、及び厚さ比が増大した理由は、急冷時の空気温度を30℃から10℃と低下させたことで、焼き入れ効果がより顕著に作用したためと考える。
この時、真空断熱材の熱伝導率は、0.0015W/mKと従来品と比較して0.0004W/mK改善していた。また、同様に、真空断熱材の芯材密度は240kg/m3と、従来、250kg/m3と比較して4%低減していた。
以上の結果は、実施例1と同様の作用により改善されたものと考える。
(実施例4)
芯材に適用する積層体を構成するガラス短繊維は、汎用的なガラスカレットを主成分とするソーダ石灰ガラスを適用している。しかしながら、ガラス短繊維はフッ化水素酸処理にて強化しているため、高強度で、かつ低脆性となっている。
前記ガラス短繊維の積層体において、繰り返し圧縮試験を実施したときの圧縮強度比は0.85であり、同様に厚さ比は0.931であった。これらの値は、加熱急冷法における空気温度10℃での急冷時とほぼ同様の結果となった。
この時、真空断熱材の熱伝導率は、0.0014W/mKと従来品と比較して0.0005W/mK改善していた。また、同様に、真空断熱材の芯材密度は240kg/m3と、従来、250kg/m3と比較して4%低減していた。
以上の結果は、実施例1と同様の作用により改善されたものと考える。
(実施例5)
芯材に適用する積層体を構成するガラス短繊維は、汎用的なガラスカレットを主成分とするソーダ石灰ガラスを適用している。しかしながら、ガラス短繊維はイオン交換処理にて強化しているため、高強度で、かつ低脆性となっている。
前記ガラス短繊維の積層体において、繰り返し圧縮試験を実施したときの圧縮強度比は0.90であり、同様に厚さ比は0.942であった。これらの値は、加熱急冷法と比較して増大しており、イオン交換処理の方がより効果的と考えられる。
この時、真空断熱材の熱伝導率は、0.0014W/mKと従来品と比較して0.0005W/mK改善していた。また、同様に、真空断熱材の芯材密度は240kg/m3と、従来、250kg/m3と比較して4%低減していた。
以上の結果は、実施例1と同様の作用により改善されたものと考える。
(実施例6)
芯材に適用する積層体を構成するガラス短繊維は、無アルカリガラスであるEガラスを適用している。Eガラスはガラス組成物自体のヤング率がソーダ石灰ガラスと比較して約10%大きい。その結果、繊維の引張り強度が増大している。
前記ガラス短繊維の積層体において、繰り返し圧縮試験を実施したときの圧縮強度比は0.80であり、同様に厚さ比は0.930であった。
この時、真空断熱材の熱伝導率は、0.0014W/mKと従来品と比較して0.0005W/mK改善していた。また、同様に、真空断熱材の芯材密度は235kg/m3と、従来、250kg/m3と比較して6%低減していた。
以上の結果は、実施例1と同様の作用により改善されたものと考えるが、ガラス組成を変更することでも、断熱性能を改善できることが判る。
(比較例1)
芯材に適用する繊維状物質のガラス短繊維を形成するガラス組成物には、ガラス短繊維としては一般的なソーダ石灰ガラスを適用している。また、同様に、ガラス繊維に特別な処理を施していないことから、汎用的な材料物性を有する従来ガラス短繊維である。
前記ガラス短繊維の積層体において、繰り返し圧縮試験を実施したときの圧縮強度比は0.63であり、同様に厚さ比は0.895であった。
この時、真空断熱材の熱伝導率は0.0019W/mK、真空断熱材の芯材密度は250kg/m3であった。
(比較例2)
芯材に適用する繊維状物質のガラス短繊維を形成するガラス組成物は、ソーダ石灰ガラスにおいてアルカリ含有率を2倍にする共に、酸化バリウムを5mol%添加したものを適用している。なお、アルカリと酸化バリウムの増加量分だけ酸化ケイ素量を低減している。
また、ガラス繊維には特別な処理を施さず、一般的な方法で繊維化を実施した。
前記ガラス短繊維の積層体において、繰り返し圧縮試験を実施したときの圧縮強度比は0.50であり、同様に厚さ比は0.880であった。
この時、真空断熱材の熱伝導率は、0.0022W/mKと従来品と比較して、0.0003W/mK悪化した。また、同様に、真空断熱材の芯材密度は280kg/m3と、従来、250kg/m3と比較して増大する結果となった。
以上のように、本発明にかかる真空断熱材は優れた断熱性能を有しているので、より薄い厚さで高い断熱性能が得られる。従って、冷蔵庫、クーラーボックスなどの用途に加えて、液晶プロジェクター、コピー機、ノートパソコン等のようにより狭い空間で高い断熱性能が必要とされる用途に適用可能である。
本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面模式図 本発明の実施の形態2における真空断熱材の断面模式図 本発明の実施の形態3における真空断熱材の平面模式図 図3におけるA−A‘線における真空断熱材の断面模式図 従来の真空断熱材の芯材の断面図
符号の説明
1,31 真空断熱材
2,32 芯材
3,33 外被材

Claims (5)

  1. ガラス短繊維のウェブの積層体からなる芯材を外被材で覆って前記外被材内部を減圧してなる真空断熱材であって、前記積層体を構成するガラス短繊維は、前記外被材による真空包装後、大気圧による前記芯材の圧縮により応力が作用した場合でも破断しにくく、より少ない接触点数で大気圧に対抗して芯材形状を保持し、前記芯材の空隙を保持しながら厚み方向の伝熱経路数を低減できる程度に低脆性で繊維強度が強い短繊維である真空断熱材。
  2. 積層体を1013hPaまで圧縮後、速やかに圧縮を解放する操作を繰り返す場合において、1回目の圧縮時に圧縮強度が300hPaとなる時の積層体の厚みを基準厚みとし、2回目の圧縮時の前記基準厚みにおける圧縮強度と、300hPaとの比が0.65以上となる請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 積層体を1013hPaまで圧縮後、速やかに圧縮を解放する操作を繰り返す場合において、1回目の圧縮時に圧縮強度が300hPaとなる時の積層体の厚みを基準厚みとし、2回目の圧縮時に圧縮強度が300hPaとなる時の積層体の厚みと、前記基準厚みとの比が0.9以上となる請求項1に記載の真空断熱材。
  4. ガラス短繊維のウェブの積層体をバインダー、或いは熱成形によりボード状に成形して芯材としている請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材。
  5. ガラス短繊維のウェブの積層体をボード状に成形することなく芯材としている請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材。
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