JP2007084971A - グラスウール成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バインダーを用いることなく、しかもバインダーによって成形した場合と同等のハンドリング性を有し、真空断熱材の芯材用途、建築材料用途、自動車用断熱材用途等、多分野への適用が可能なグラスウール成形体を提供する。
【解決手段】ガラス材を繊維化してグラスウールとし、このグラスウールを集綿してグラスウールマットを形成した後にプレス成型するグラスウール成形体の製造方法であって、前記グラスウールマットの含水率が0.1〜7.0質量%となるよう水を供給し、250〜450℃に温度を維持しながら前記プレス成型を行う。
【選択図】 図2

Description

本発明はグラスウール成形体の製造方法に関する。
グラスウール成形体は、軽量で断熱性、遮音性、吸音性等の機能を有するため、保温、保冷、遮熱、遮音等を目的として建築用断熱材、自動車用断熱材、冷蔵庫、冷凍庫等の多分野で広く用いられている。
一般にグラスウールの製造に使用される原料ガラスは、ソーダ・ライム単独、または、これに数パーセントのホウ酸を添加したアルカリ・ボロ・シリケートガラスである。
上記原料ガラスを使用してグラスウールを製造するには、例えば、側面に小孔を多数有するスピンナーを高速回転して熱溶融した原料ガラスを繊維状態で吹出し空冷してグラスウール化し、このグラスウールをフェルト状、ボード状あるいはパイプ状の成形体とする場合には繊維化直後に少量のバインダーを繊維表面に吹き付けて塗布している。一般に、グラスウール成形用のバインダーとしてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、スターチなどの有機バインダーや、水ガラス、ホウ酸、コロイダルシリカなどの無機バインダーが知られている。
たとえば冷蔵庫に使用される真空断熱材の製造においては、バインダーを添加することで芯材となるグラスウール成形体のハンドリング性や、真空断熱材表面の平滑性を向上させることができる。しかし、バインダーを使用するとバインダー材料費や製造工程が増えるため、設備投資費やエネルギー量が増加して製造コストがアップする。また、真空断熱材の場合には、有機バインダーを使用するとバインダーからの揮発成分により真空度が低下し、また、無機バインダーを使用すると、特に、ホウ酸を使用した場合には結合水の揮発により真空度が低下して断熱性能を維持できないという問題がある。このため、バインダーを使用する場合には、真空断熱材の性能を長期安定化させるため、ガス成分吸着剤の増量や高性能(すなわち高価格)吸着剤の充填が必要となり、これもコストアップの要因となっている。また、一般に、有機バインダーを使用した場合には、グラスウールの耐熱性は最大でも350℃であるという問題もある。
そこで、耐熱性を改善する手段としてバインダーを全く含ませないフェルト状製品も提案されている。これは400〜450℃の温度に耐え得る。しかし、たとえば真空断熱材を製造する場合、芯材となるグラスウールについては面密度が通常1500〜3500g/mあって高断熱性を有するが、上記の方法でバインダーを加えずに加圧圧縮しただけでは厚みが70〜100mmもあり、また、成形されていないためハンドリング性が極めて悪いという難点がある。
以上の理由から、バインダーを用いずハンドリング性も良いグラスウール成形体を製造する方法が種々開発されてきた。たとえば、特許文献1には、グラスウールの熱変形温度以上の温度で加圧成形し、ガラス繊維の集合体を加圧時の状態で塑性変形させることでその形状を保持する方法が記載されている。
また、特許文献2には、積層されたガラスホワイトウール(バインダーを含まないグラスウール)を、その変形点から20℃高い温度範囲内で成形する方法が記載されている。
さらに、特許文献3には、無機繊維同士がSi−OH基に起因する分子間相互作用により密着された芯材が記載されている。
特許第3580315号公報 特表2003−532845号公報 特許第3578172号公報
しかし、特許文献1および2においては、グラスウールの熱変形温度以上の温度で加圧成型するため、繊維表面の引っ張り応力が緩和されて繊維強度が著しく低下しグラスウールが粉末化し易くなる。その結果、製造工程でのハンドリング性低下や作業環境悪化の問題が憂慮される。また、真空断熱材回収リサイクル時の繊維粉末飛散による様々な問題も懸念される。
また、特許文献3の真空断熱材では、無機繊維同士の接着が不十分なため、圧縮後の戻りによるハンドリング性の低下が問題となる。
上記課題を解決すべく本発明に係るグラスウール成形体の製造方法は、ガラス材を繊維化してグラスウールとし、このグラスウールを集綿してグラスウールマットとし、このグラスウールマットをプレス成形するグラスウール成形体の製造方法であって、前記グラスウールマットの状態での含水率が0.05〜10.0質量%(ただし0.1〜7.0質量%を除く)となるよう水を供給し、150〜550℃(ただし250〜450℃を除く)に温度を維持しながら前記プレス成形を行うようにした。
前記の水の供給は、ガラス材を繊維化してグラスウールとした直後かプレス成形前、またはグラスウールとした直後とプレス成形前の両方に行うことができる。また、本発明のグラスウール成形体は、上記の製造方法によって得られるものであり、真空断熱材の芯材として好適に使用することができる。
本発明によれば、バインダーを使用することなく繊維同士を密着させることができるためプレス圧縮後にも戻りがなく、製造された本発明のグラスウール成形体はハンドリング性が良い。また、真空断熱材の芯材として使用した場合には、真空下においてバインダー由来のガスを発生させることがないため真空度を保つことができる。
本発明のグラスウール成形体の製造方法は、プレス成形時のグラスウールの含水率を特定の範囲内に調整するところに最大の特徴がある。本発明者等は、バインダーを含まないフェルト状製品を製造する際に、集綿工程でのグラスウールの舞い上がりを抑えるために水をスプレーしてグラスウールの重量を水の付着分だけ重くすることを試みたところ、スプレーする水量が過多となると、圧縮梱包したグラスウールが保管中に元に戻らないという知見を得た。この知見、つまりある程度以上の水を加えることで圧縮時の密度のままボード状に維持されることに着目して本発明を完成させたものである。
本発明において、バインダーを使用しなくてもグラスウールがボード形状を保つことができる理由は次のメカニズムのためと考えられる。すなわち、グラスウール表面に付着した水はグラスウールを形成するガラス中に含まれる酸化ナトリウムを溶出させる。溶出した酸化ナトリウムは周囲の付着水に溶けて水酸化ナトリウムを生成する。水酸化ナトリウムはグラスウールの主成分である二酸化珪素と容易に反応して珪酸ナトリウムを生成する。この珪酸ナトリウムは無機バインダーとしてよく知られる水ガラスである。したがって、本発明のグラスウール成形体は、バインダーを添加することなく自身の一部がバインダーとなって繊維同士が結合されるため成形体の形状を長期にわたって保持することができる。
上記水酸化ナトリウムと二酸化珪素との反応を迅速にさせるため、成型時に加圧・加熱処理を行うが、このときの加熱温度はグラスウールの熱変形温度以下で十分である。
本発明で使用するグラスウールは従来公知のものであればどのようなタイプでも使用可能であるが、繊維径は2〜8μm、さらには3〜5μmの範囲にあることが好ましい。繊維径が2μm未満では繊維化に要するエネルギー原単位が著しく悪化し、8μmを超えると繊維化したときの熱伝導率が低下して断熱性能が悪くなる。
本発明のグラスウール成形体の製造方法は、既述のガラス原料を使用し、公知の方法でガラス原料を繊維化してグラスウールとし、このグラスウールを集綿してグラスウールマットを形成する。グラスウールマットの含水率は、集綿時にグラスウールの舞い上がりを抑えるために散水する水量と比較するとかなり多いが、0.05〜10.0質量%、好ましくは0.1〜7.0質量%、更に好ましくは0.3〜3.0質量%である。
水の供給時期は、繊維化直後にグラスウールへ付与するのが好ましいが、プレス成形前にグラスウールマットに付与してもよい。また、両者を併用することも好ましい。グラスウールマットの含水率が0.05質量%未満では珪酸ナトリウムの生成量が極めて少なくなり良好な成形品を得ることができない。一方、10.0質量%を超えるとマット中で多量の水が移動して偏在する形となり、安定した品質のボード成形品を得ることができなくなるとともに、多量の水分を蒸発させるためのエネルギーが必要となる。
加熱温度については、少なくともグラスウールマットをプレス成形する間は維持する必要があり、さらには、グラスウールへの水が供給された後プレス成形が終了するまでは維持されることが好ましい。この加熱温度は150〜550℃、好ましくは250〜450℃、更に好ましくは300〜400℃である。加熱温度が150℃未満では水とグラスウールの表面反応に多大な時間を要し生産性が極端に低下する。一方、加熱温度が550℃を超えると、成形性は良好となるものの、加熱によりグラスウールの応力が緩和されて極めて脆弱なボードとなるためハンドリング性が低下する。
参考のため、図1に加熱温度とグラスウール(繊維径4μm)の繊維強度の関係を表すグラフを掲示する。本図によれば、加熱温度が450℃を超えると繊維強度は10kgf以下となり、常温時の繊維強度45kgfに比較して大幅な強度低下となることが分かる。しかし、加熱温度450℃であっても、特許文献1および2で使用されるグラスウールの熱変形温度よりは100℃以上低い。
図2は、本発明のグラスウール成形体を使用した真空断熱材の一例を示す断面図である。真空断熱材1は、剛性また可撓性のプラスチックシート、金属箔或いは金属膜を蒸着したフィルム等から形成された外皮材2で芯材3を被覆することによって構成されている。芯材3として、本発明のグラスウール成形体を使用する。グラスウール成形体の密度は150〜300kg/mが適当である。また、芯材3部分は、真空断熱材1を減圧中で製造するか、または、成型後に減圧することにより真空または高度の減圧状態に保持されている。このような真空断熱材1は、冷蔵庫や冷凍庫の断熱材として利用され、その他、断熱用、遮熱用として建築被覆材料、自動車ボディ材料等に利用可能である。
(実施例)
以下に、さらに詳細な実施例を示す。
一般的なソーダ・ライムからなるガラスを、溶融・遠心法によって繊維径4μmに繊維化してグラスウールとし、この繊維化直後に圧縮空気を利用してグラスウールに水をスプレー塗布し、コンベア上に集綿してマットとした。このときのグラスウールマットの含水率は1.5質量%、嵩密度は1300g/mであった。
次に、上記の集綿したグラスウールの両端部をスリッターで1600mm長さに裁断し、さらにチョッパーで1600mm幅に裁断して1600mm四方のグラスウール片を作成した。続いて、このグラスウール片を25μm厚のポリエチレンシート合紙上に8枚積層しロールアップマシーンで圧縮梱包した。
そして、この圧縮梱包グラスウールマットを2枚重ねして350℃で10分間加熱プレス成形し、除重後に冷却して目的のグラスウールボードを製造した。このグラスウールボードの密度は125kg/m、厚さは20mmであった。なお、上記加熱プレス直前の圧縮梱包グラスウールマットの含水率は1.4質量%であり、上記集綿後からほとんど減少していなかった。
本実施例によって製造したグラスウールボードは、24時間放置後においても125kg/mの密度を保っていて、成形後の戻りがなく、また、人手によって千切って見たところ繊維の粉末化はなく劣化は生じていないことが確認された。
本発明のグラスウール成形体の製造方法は、バインダーを使用することなく良好な断熱性、遮音性、吸音性等の機能と形状保持性とを併せ持つため、建築用断熱材、自動車用断熱材、冷蔵庫、冷凍庫用断熱材等の多分野において広く利用することができる。
加熱温度とグラスウール(繊維径4μm)の繊維強度の関係を表すグラフ。 本発明のグラスウール成形体を使用した真空断熱材の一例を示す断面図。
符号の説明
1…真空断熱材、2…外皮材、3…芯材。

Claims (1)

  1. ガラス材を繊維化してグラスウールとし、このグラスウールを集綿してグラスウールマットとし、このグラスウールマットをプレス成形するグラスウール成形体の製造方法であって、前記グラスウールマットの状態での含水率が0.05〜10.0質量%(ただし0.1〜7.0質量%を除く)となるよう水を供給し、150〜550℃(ただし250〜450℃を除く)に温度を維持しながら前記プレス成形を行うことを特徴とするグラスウール成形体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013153416A1 (en) * 2012-04-13 2013-10-17 Mag-Isover K.K. Glass wool compact production method, glass wool compact, and vaccumed heat insulator
JP2014074452A (ja) * 2012-10-04 2014-04-24 Air Water Plant & Engineering Inc 低温用真空断熱容器
JP2014210995A (ja) * 2013-04-18 2014-11-13 マグ・イゾベール株式会社 グラスウール成形体の製造方法
JP2017106636A (ja) * 2017-03-24 2017-06-15 エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社 低温用真空断熱容器

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