JP2013238095A - 鉄筋コンクリート造躯体の構築工法及びrc造構造躯体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の単位スパンを隔てて構築した主柱10、10の間に、長大スパンの大梁20を架設して構築される鉄筋コンクリート造躯体の構築工法において、主柱10の構築を予定階高まで進め、同主柱10、10間のスパンを2以上の単位スパンに区分した各位置に、大梁鉄筋篭2との接合位置に梁用主筋3aを備えた小径の中間柱3を建てる段階と、地上や工場等で先組みした大梁鉄筋篭2を吊り上げて、主柱10、10の間へ吊り込み架設して、小径柱3との間で主筋接合を行う段階と、梁型枠6を組み立て、支保した上で、コンクリート打設を行って鉄筋コンクリート造躯体の構築を行う段階とから成る。
【選択図】図1
Description
建築費用を低廉化するには、他の構造形式に比して、主要構造躯体に鉄筋コンクリート造を採用することが望ましい。しかし、RC造で構築する場合には、工期が長引くという問題がある。
そこで鉄筋コンクリート造躯体を構築する場合には、工期を短縮するために施工性を高め、且つ高い品質を確保することが要請される。しかし、在来工法には、前記の各要請に応え得る適応技術を見聞できない。
しかし、PCa柱を採用する点は注目できるが、構造体の実体は鉄骨造でしかなく、PCa柱は、梁接合部に、梁の成と等しい梁取付用の鉄骨材を埋め込んで問題点を解決したと説明しているにすぎない。
また、上記特許文献2に開示された構造体は、鉄骨梁をPCa柱と接合する構成を示した内容でしかない。大梁等の主要躯体を鉄筋コンクリート造として施工する本発明の先行技術にはさして参考にならない。
ところで、建築計画の設計自由度を高め、或いは将来のレイアウト変更に柔軟に対応するために、大梁スパンを長大化する設計の場合には、必然的に大梁の成も大きくなる。このため建物の居室に求められる天井高さ、或いは床から大梁下端までの高さを確保しようとすれば、階高をその分だけ割り増しする必要が生じ、結果的に建物全体の軒高が高くなり、建築条件及び経済的な面が不利になる。
更に言えば、施工性を高めるため、大梁鉄筋篭は現場サイトの地上で、或いは工場等で先組みすることにより作業性と安全性を高める。そして、主柱間へ吊り込んだ大梁鉄筋篭は、その長大スパンを複数に等分した位置に既成の小径中間柱を建てて支持させることによって作業性を高め、安全性を確保すると共に構造的強度を確保したRC造躯体の構築工法と、及び前記工法により構築したRC造躯体を提供することである。
本発明の次の目的は、中間柱として高品質、高強度で、しかも大梁の断面内を貫通する程度に小径の既製品である、例えばプレキャストコンクリート柱を使用して、大梁鉄筋篭及びRC造梁を支持させる構成としたRC造躯体の構築工法と、及び前記工法により構築したRC造躯体を提供することである。
本発明の更なる目的は、既成品である中間柱は、大梁鉄筋篭の主筋と接合するカンザシ状の梁用主筋を備えた構成とし、これを吊り込んで大梁鉄筋篭の断面内を貫通する配置に建てた上で、前記カンザシ状の梁用主筋と大梁鉄筋篭の主筋とをスリーブ継手等で接合することにより応力の伝達が明解に一体化させる構成としたRC造躯体の構築工法と、及び前記工法により構築したRC造躯体を提供することである。
複数の単位スパンを隔てて構築した主柱10、10の間に、長大スパンの大梁20を架設して構築される鉄筋コンクリート造躯体の構築工法において、
前記主柱10の構築を予定階高まで進め、同主柱10、10間のスパンを2以上の単位スパンに区分した各位置に、大梁鉄筋篭2との接合位置に梁用主筋3aを備えた小径の中間柱3を建てる段階と、
地上や工場等で先組みした大梁鉄筋篭2を吊り上げて、前記主柱10、10の間へ吊り込み架設して、前記小径柱3との間で主筋接合を行う段階と、
梁型枠6を組み立て、支保した上で、コンクリート打設を行って鉄筋コンクリート造躯体の構築を行う段階とから成ることを特徴とする。
小径の中間柱3は、外径が大梁鉄筋篭2の横断面における少なくとも外側主筋2aの間を貫通可能な程度に小径の既製品であり、大梁鉄筋篭2との接合位置にカンザシ状に柱体を貫通した梁用主筋3aを備えており、大梁鉄筋篭2の内側主筋2bと前記梁用主筋3aとを接合して、コンクリートを打設し当該大梁20と主柱10を含む鉄筋コンクリート造躯体の構築を行うことを特徴とする。
小径の中間柱3は、鉄骨柱又はプレキャストコンクリート柱、若しくはコンクリート充填鋼管柱のいずれかの既製品であることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれかに記載した鉄筋コンクリート造躯体の構築工法において、
小径の中間柱3には、大梁20の負荷に耐える程度に高強度、高品質な構成の既製品を使用することを特徴とする。
複数の単位スパンを隔てて構築された主柱10、10の間に長大スパンの大梁鉄筋篭2が架設され、
前記主柱10、10間を2以上の単位スパンに区分した各位置に、大梁鉄筋篭2との接合位置に梁用主筋3aを備えた小径の中間柱3が建てられ、
地上や工場等で先組みした大梁鉄筋篭2を吊り上げて、前記主柱10、10の間へ吊り込み架設して、前記小径柱3の梁用主筋3aを利用して大梁鉄筋篭2との間で主筋接合が行なわれ、
梁型枠6を組み立て支保した上で、コンクリート打設を行って構築されていることを特徴とする。
大梁鉄筋篭2は、現場サイトの地上又は工場等で先組みするから、組み立て作業を能率良く、地上作業として安全に行うことができる。同大梁鉄筋篭2は現場で吊り上げ、主柱10、10間へ吊り込み架設して、前記小径柱3との主筋接合も行うから、大梁鉄筋篭2の組み立て作業の効率が良く、工期の短縮が図れるし、作業の安全性を高められる。
そして、長大スパンの大梁鉄筋篭2は、2以上の単位スパンに区分した各位置に中間柱3を建てて支持させるから、大梁20及び大梁鉄筋篭2の強度設計上、梁成を小さく設計して施工できる。よって、天井高さや、床から梁下端までの高さの確保に有利であり、建物全体の軒高を下げることができる。その上、建築の施工計画における自由度が高く、経済性の高い構造躯体となる。
小径の中間柱3は、大梁鉄筋篭2との接合位置に、柱体をカンザシ状に貫通した梁用主筋3aを備え、同大梁鉄筋篭2の横断面における外側主筋2a、2aの間を貫通させて建て、内側主筋2bと前記梁用主筋3aとを接合するから、応力の伝達が明解な梁、柱の接合が行える。そして、小径の中間柱3は室内空間に占める存在感が小さいので、室内空間の意匠設計の自由度が高い建築施工を行うことができる。
また、長大スパンの大梁20は、その長大スパンを2以上の単位スパンに区分した各位置に建てた高強度の小径中間柱3と梁主筋相互の接合を行い、応力の伝達が明快な構成で支持させるから、大梁20と中間柱3の接合強度と信頼性が高いRC造躯体を構成することができる。
前記主柱10の構築を予定階高まで進め、同主柱10、10間のスパンを2以上に区分した各位置に、大梁鉄筋篭2との接合位置に梁用主筋3aを備えた小径の中間柱3を建てる。
次に、現場サイトの地上や工場等で先組みした大梁鉄筋篭2を吊り上げて、前記主柱10、10の間へ吊り込み架設して、前記小径柱3との間で主筋相互の接合を行う。
そして、梁型枠6を組み立て、支保工7で支保した上でコンクリート打設を行い鉄筋コンクリート造躯体の構築を行う。
小径の中間柱3は、鉄骨柱又はプレキャストコンクリート柱、若しくはコンクリート充填鋼管柱のいずれかの既製品とし、積み重ね状態に建てる。
先ず図1は、本発明に係る鉄筋コンクリート造躯体の構築工法の初期段階として、左右2本(但し、建物の架構として2本の限りではないことは当然。)の主柱10、10と、その間に架け渡した地上1階相当の大梁20、並びに前記左右2本の主柱10、10が合計3単位のスパンに及ぶ長大スパンで建築されていることに対応して、各1単位のスパン毎に割り付けた各位置に合計2本の中間柱3、3を建てて支持させた構造が、およそ地上1階分相当まで構築工程が進んだ段階を示している。
因みに本実施例で言う上記1単位のスパンの大きさは、一例として7.8mである。従って、本実施例における上記2本の主柱10、10間が長大スパンであるとは、前記3単位分のスパンであるから、23.4mである場合を意味している。
もっとも左右2本の主柱10、10間の単位スパン数、及び各単位スパンの大きさは、上記実施例の数値には限らない。2単位のスパン、或いは4単位以上のスパンでも良く、建築設計に応じて決定される事項である。
因みに図示例の中間柱3は、高強度で、高品質の鉄筋コンクリート造プレキャスト柱(PCa柱)であることを示している。該中間柱3の外径は、一例としてφ350mm程度の小径に製作されており、上部には後述する大梁鉄筋篭の主筋と接合するための梁用主筋3aが、柱体をカンザシ状に貫通した配置にて具備する例を示している。
因みに、鉄筋コンクリート造プレキャスト柱(PCa柱)を用いた中間柱3の建て込みは、同中間柱3の長さを建物の階高相当とし、各節の端部を周知の慣用技術であるスリーブ継手で接合し、或いは溶接又はボルト接合等して建て方が行われる。
図2では、引き続き建築工程が進んで、右側の中間柱3の建て込みも完成した段階を示している。
因みに、この大梁鉄筋篭2は、現場サイトの地上で先組みし、又は工場等で先組みして現場へ搬入されたものである。つまり、大梁鉄筋篭2の組み立ては、地上作業として安全に精度良く、そして、高所作業に比すれば格段の高能率に組み立てられており、現場ではクレーン作業として吊り込み架設するだけである。
主柱10の鉄筋篭11’と大梁鉄筋篭2との接合法及び接合構造に関しては、既往技術として行われるので、その内容についてことさら言及することは省略する。
一方、大梁鉄筋篭2と中間柱3の梁用主筋3aとの接合は、既に構築してある足場4を利用して、例えば図7A、Bのように行われる。
図示例の中間柱3は、高強度で、高品質の鉄筋コンクリート造プレキャスト柱(PCa柱)であることは既に説明した。そして、該中間柱3の外径は、上記した吊り込み方式の建て方を可能にするため、図7Aで明かなとおり、大梁鉄筋篭2を構成する外側主筋2a、2aの中間部位を貫通可能な外径であり、その一例が上記φ350mm程度の小径に製作されている。この中間柱3の上部には、大梁鉄筋篭2の内側主筋2b、2bと接合するための梁用主筋3aが、各々対応する内側主筋2b、2bと一直線状となる配置で、その柱体をカンザシ状に貫通した構造で設備されている。なお、大梁鉄筋篭2を構成するスターラップ筋2cに関しては、上記した中間柱3の吊り込み方式の建て方を可能にするため、中間柱3の前記梁用主筋3aと干渉を起こす虞のある範囲のものは、後付けで取り付ける構成とされている。
図7A、Bには、スリーブ継手による主筋接合の実施例を示している。即ち、大梁鉄筋篭2の内側主筋2b、2bと、中間柱3の前記梁用主筋3aとの相対応するもの同士を接近状態に相対峙させる。そして、予め大梁鉄筋篭2の内側主筋2bの方へ被せて用意し後方へ退けておいたスリーブ9を前進させて、中間柱3の前記梁用主筋3aの方へも嵌めて両者略等分の被り状態とし、隙間へグラウトを充填して一体的に固めることで主筋接合の目的を達成する。因みに、図7A、Bは、大梁鉄筋篭2の内側主筋2bと中間柱3の梁用主筋3aとのスリーブ9による主筋同士の接合状態を示している。
そして、図6は更に主柱10の鉄筋11の組み立てを地上3階分相当の高さまで組み立て、以下上記同様な工程を繰り返してRC造躯体の構築を進める状況を示している。
11 主柱主筋
11’ 主柱の鉄筋篭
20 大梁
3 中間柱
3a 梁用主筋
2 大梁鉄筋篭
2a 外側主筋
2b 内側主筋
Claims (5)
- 複数の単位スパンを隔てて構築した主柱の間に、長大スパンの大梁を架設して構築される鉄筋コンクリート造躯体の構築工法において、
前記主柱の構築を予定階高まで進め、同主柱間のスパンを2以上の単位スパンに区分した各位置に、大梁鉄筋篭との接合位置に梁用主筋を備えた小径の中間柱を建てる段階と、
地上や工場等で先組みした大梁鉄筋篭を吊り上げて、前記主柱の間へ吊り込み架設して、前記小径柱との間で主筋接合を行う段階と、
梁型枠を組み立て、コンクリート打設を行って鉄筋コンクリート造躯体の構築を行う段階とから成ることを特徴とする、鉄筋コンクリート造躯体の構築工法。 - 小径の中間柱は、外径が大梁鉄筋篭の横断面における少なくとも外側主筋の間を貫通可能な程度に小径の既製品であり、大梁鉄筋篭との接合位置にカンザシ状に柱体を貫通した梁用主筋を備えており、大梁鉄筋篭の内側主筋と前記梁用主筋とを接合して、コンクリートを打設し、当該大梁20と主柱10を含む鉄筋コンクリート造躯体の構築を行うことを特徴とする、請求項1に記載した鉄筋コンクリート造躯体の構築工法。
- 小径の中間柱は、鉄骨柱又はプレキャストコンクリート柱、若しくはコンクリート充填鋼管柱のいずれかの既製品であることを特徴とする、請求項1又は2に記載した鉄筋コンクリート造躯体の構築工法。
- 小径の中間柱には、大梁の負荷に耐える程度に高強度、高品質な構成の既製品を使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載した鉄筋コンクリート造躯体の構築工法。
- 上記請求項1〜4に記載した構築工法により構築される鉄筋コンクリート造躯体であって、
複数の単位スパンを隔てて構築された主柱の間に長大スパンの大梁鉄筋篭が架設され、
前記主柱間を2以上の単位スパンに区分した各位置に、大梁鉄筋篭との接合位置に梁用主筋を備えた小径の中間柱が建てられ、
地上や工場等で先組みした大梁鉄筋篭を吊り上げて、前記主柱の間へ吊り込み架設して、前記小径柱の梁用主筋を利用して大梁鉄筋篭との間で主筋接合が行なわれ、
梁型枠を組み立てた上で、コンクリート打設を行って構築されていることを特徴とする、鉄筋コンクリート造躯体。
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