JP2013237156A - 印刷装置、印刷方法、プログラム - Google Patents

印刷装置、印刷方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画質を劣化させることなく、熱溶融インクの隠蔽性を向上する。
【解決手段】周期的に並ぶ複数の細孔Hが存在するインクを有するインクリボン600を用いて印刷用紙Pに印刷を行う印刷装置100であって、インクを印刷用紙Pに少なくとも2回にわたって重ねて転写できる印刷部106と、印刷部106による1回目のインクの転写と2回目のインクの転写とで、印刷用紙Pに転写されるインクに存在する細孔Hの位置が異なるように、インクリボン600を印刷用紙Pに対して搬送するインクリボン搬送部806とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷装置、印刷方法、プログラムに関する。詳しくは、本発明は、インクを印刷用紙に転写することにより印刷を行う印刷装置と、インクを印刷用紙に転写することにより印刷を行う印刷方法と、この印刷方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
近年、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、スキャナなどといった高階調の画像を扱う機器の普及に伴い、画像のプリント手段としてサーマルプリンタ装置が注目されている。
サーマルプリンタには、熱転写記録方式がある。熱転写記録方式は、印刷用紙に重ねたインクリボンをサーマルヘッドにより加熱して、インクリボンに塗布されているインクを印刷用紙に転写する方式である。さらに、熱転写記録方式は、昇華転写方式と、熱溶融転写方式とに分類される。昇華転写方式は、サーマルヘッドの熱でインクを気化させて印刷用紙に転写する方式である。熱溶融転写方式は、サーマルヘッドの熱でインクを溶かして印刷用紙に転写する方式である。
昇華転写方式は、インクに加える熱量を調整することで、転写するインクの量を制御できる。したがって、自然画などの印刷において、高階調の印刷を実現できる。一方、熱溶融転写方式は、イエロー、マゼンダ、シアンなどの一般色のほかに、金属顔料を含有する金色や銀色などの特別色の印刷を行うことができる。
さらに、昇華転写方式と熱溶融転写方式の両方式に対応する印刷装置もある。両方式対応の印刷装置は、昇華転写方式により自然画などを印刷し、その後、熱溶融転写方式により、スタンプやフレームを自然画に重ねて印刷することができる。
ところで、一般的に、熱溶融転写方式に用いられるインクリボンのインクの膜には、所定の一定な間隔で細孔が存在する。これは、一般的に、熱溶融転写方式に用いられるインクリボンは、凹版印刷によって製造されるためである。すなわち、インクリボンの製造において、凹版の凹部に溜められたインクがインクリボンの表面に塗布されるが、凹部でない部分からはインクが塗布されない。このため凹部でない部分に対応する箇所が細孔になる。
そして、このようなインクリボンを用いて印刷を行うと、印刷用紙に転写されるインクにも、所定の一定な間隔で細孔が形成される。このため、熱溶融転写方式で印刷された画像は、下地が透けて見えることがある。たとえば、両方式対応の印刷装置を用い、昇華転写方式で自然画を印刷し、さらに熱溶融転写方式でスタンプやフレームを印刷する場合、スタンプやフレームに下地の自然画が透過して見えることがある。このように、熱溶融転写方式の印刷装置は、下地の隠蔽が十分ではないという問題がある。
下地が透けないようにする構成としては、たとえば特許文献1の構成がある。特許文献1に記載の構成は、昇華転写方式で印刷した後にさらに熱溶融転写方式で印刷する場合に、熱溶融転写方式でインクを転写する領域には、昇華転写方式でインクを転写しないようにする。このような構成によれば、熱溶融転写方式で転写された画像は、昇華転写方式で転写された画像の影響を受けないようにできる。
しかしながら、前記特許文献1の記載の構成では、昇華転写方式で転写されたインクによる画質の劣化が問題となることがある。すなわち、サーマルヘッドには電力で発熱する複数の発熱素子が主走査方向に直列に配列されており、印刷装置は、サーマルヘッドと印刷用紙とを副走査方向に相対的に移動させながら印刷を行う。特許文献1の構成では、昇華転写方式により印刷を行っている際に、サーマルヘッドが、熱溶融転写方式で印刷される画像との境界に差し掛かると、電流が流れる発熱素子の数が急激に変化する。このため、各発熱素子にかかる電圧が急激に変化し、これに伴って、各発熱素子の発熱量が急激に変化する。このため、熱溶融転写方式で印刷される画像の境界において、昇華転写方式により印刷される画像に急激な濃度差が生じる。このような急激の濃度差は、画質の劣化を招くおそれがある。
特開2008−188956号公報
前記実情に鑑み、本発明は、画質を劣化させることなく、熱溶融転写方式による画像の隠蔽性の向上を図ることである。
前記課題を解決するため、本発明は、周期的に並ぶ複数の細孔が存在するインクを有するインクリボンを用いて印刷用紙に印刷を行う印刷装置であって、前記インクを前記印刷用紙に少なくとも2回にわたって重ねて転写できる印刷部と、前記印刷部による1回目のインクの転写と2回目のインクの転写とで、前記印刷用紙に転写されるインクに存在する前記細孔の位置が異なるように、前記インクリボンを前記印刷用紙に対して搬送するインクリボン搬送部とを有することを特徴とする。
本発明は、画質を劣化させることなく、熱溶融転写方式による画像の隠蔽性の向上を図ることができる。
図1は、本発明の実施形態にかかる印刷装置のブロック図である。 図2は、本発明の実施形態にかかる印刷装置の構成を模式的に示す外観斜視図である。 図3は、印刷装置に用いられるインクカートリッジのインクリボンの構成を模式的に示す図である。 図4(a)〜(c)は、印刷部とインクリボンとの状態を模式的に示す図である。 図5(a)〜(g)は、印刷装置が印刷する画像の例を模式的に示す図である。 図6は、印刷装置の印刷に関する処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、図6のステップS205の「重ね印刷」の処理の詳細な内容を示すフローチャートである。 図8(a)は、昇華インクを用いて印刷された画像の例を模式的に示す図であり、図8(b)は、「重ね印刷」の1回目の印刷が終了した状態を模式的に示す図であり、図8(c)は、「重ね印刷」の2回目の印刷が終了した状態を模式的に示す図である。 図9(a)〜(e)は、指標Xの値と、1回目の印刷と2回目の印刷における細孔Hの重なりの状態を模式的に示す図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態にかかる印刷装置100は、熱溶融転写方式と昇華転写方式の両方の方式で印刷を行うことできる両方式対応の印刷装置である。
まず、本発明の実施形態にかかる印刷装置100の構成について、図1と図2を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる印刷装置100のブロック図である。図2は、本発明の実施形態にかかる印刷装置100の構成を模式的に示す外観斜視図である。なお、以下、本発明の実施形態にかかる印刷装置100を、単に「印刷装置100」と称する。
図1と図2に示すように、印刷装置100は、制御部101と、表示部102と、操作部103と、記憶媒体読取部104と、印刷部106とを有する。
操作部103は、使用者からの様々な指示が入力される部分である。操作部103には、印刷装置100の電源のON/OFF操作を行うための電源ボタンや、印刷装置100の設定や印刷する画像を選択するための十字キーなどが設けられる。使用者により入力された指示は、制御部101に送信される。
表示部102は、印刷装置100の状態や、印刷装置100を操作するためのメニューや、印刷装置100の設定を行うためのメニューや、印刷を行う画像データなどを表示する。表示部102は、液晶表示パネルなどの表示デバイスを有する。
記憶媒体読取部104は、SDカード、CFカード、MSカードなどの記憶媒体に記録される画像データを読取ることができる。記憶媒体読取部104には、たとえば前記記憶媒体に対応するカードリーダが適用される。
印刷部106は、記憶媒体読取部104を介して記憶媒体から読み取った画像データを用いて印刷を行う。なお、印刷装置100が外部の機器と通信を行う通信部をさらに有し、印刷部106は、当該通信部を通じて受信した画像データを用いて印刷を行う構成であってもよい。印刷部106は、印刷用紙Pを搬送するための機構(印刷用紙搬送部805)と、インクリボン600の繰り出しや巻取りや頭出し(位置決め)を行うための機構(インクリボン搬送部806)とを有する。なお、印刷部106の構成と動作については後述する。
制御部101は、印刷装置100の全体の制御および各部の制御を行う。制御部101は、所定の演算を行うCPUと、プログラム(ソフトウェア)や所定のデータを記憶できる記憶装置とを有するコンピュータである。そして、CPUが記憶装置に記憶されるプログラム読み出して実行することによって、印刷装置100の全体の制御および各部の制御が実行される。また、制御部101は、重ね印刷(後述)を行う際に、印刷用紙Pの搬送の制御や、インクリボン送りの制御なども行う。さらに制御部101は、熱溶融インクを指定部分に重ね印刷することが可能か否かの判断も行う(後述)。
図2に示すように、印刷装置100は、インクカートリッジ511を着脱可能である。ここで、インクカートリッジ511の構成について、図3を参照して説明する。図3は、印刷装置100に用いられるインクカートリッジ511のインクリボン600の構成を模式的に示す図である。なお、図3(a)は、インクリボン600がインクカートリッジ511に収容されている状態を示す図であり、図3(b)は、インクリボン600が展開されている状態を示す図である。
インクカートリッジ511には、印刷用紙Pとインクリボン600とが設けられる。図3(b)に示すように、インクリボン600には、イエローのインク面601、マゼンダのインク面602、シアンのインク面603、オーバーコートのインク面604、金色のインク面605が、長手方向(搬送方向)に並べられるように形成される。イエロー、マゼンダ、シアン、オーバーコートの各色のインク面601〜604は、昇華転写方式の印刷において用いられるインクからなるインク面である。金色のインク面605は、熱溶融転写方式の印刷において用いられるインクからなるインク面である。説明の便宜上、昇華転写方式の印刷において用いられるインクを「昇華インク」と称し、熱溶融転写方式の印刷において用いられるインクを「熱溶融インク」と称する。図3(b)に示す例では、イエローのインク面601、マゼンダのインク面602、シアンのインク面603、オーバーコートのインク面604が、昇華インクにより形成される。また、金色のインク面605は熱溶融インクにより形成される。このように、インクリボン600には、昇華インクのインク面と、熱溶融インクのインク面とが直列に並べて形成される。なお、インクリボン600の熱溶融インクには、所定の間隔をおいて周期的に並ぶ複数の細孔Hが存在する。
印刷装置100の全体的な印刷の動作は、次のとおりである。使用者は、画像データが保存された記憶媒体105を、印刷装置100の記憶媒体読取部104に挿入する。記憶媒体読取部104は、挿入された記憶媒体105に保存される画像データを読取る。制御部101は、読取った画像データを、表示部102による表示に適した形式に変換し、表示部102に表示させる。たとえば、記憶媒体105に記憶される画像データの形式は、JPEG形式であることが多い。そこで、制御部101は、読取った画像データをYUV形式に変換し、表示部102に送信する。表示部102は、制御部101から送信された画像データを表示する。
使用者は、表示部102に表示される画像データを確認しながら、操作部103を操作して印刷対象の画像データを指定する。さらに使用者は、指定した画像データにスタンプやフレームを追加する場合には、操作部103を操作して、追加したいスタンプやフレームなどを選択して配置する。そして、使用者は、操作部103を操作して印刷命令を入力する。
操作部103に入力された印刷命令は、制御部101に送信される。制御部101は、入力された印刷命令にしたがって、指定された画像データを記憶媒体読取部104から読取り、印刷部106による印刷に適合した形式に画像データを変換し、変換した画像データを印刷部106に送信する。ここで、制御部101は、操作者によって画像データにスタンプやフレームが追加された場合には、当該画像データにスタンプやフレームを追加して配置する。印刷部106は、制御部101から送信された画像データを用いて、印刷を実行する。すなわち、印刷部106は、イエロー、マゼンダ、シアン、オーバーコートの各色のインクを昇華転写方式によって印刷用紙Pに転写する。さらに、印刷部106は、金色のインクを熱溶融転写方式によって印刷用紙Pに転写する。これによって、追加されたスタンプやフレームが印刷される。なお、インクリボン600の熱溶融インクには、所定の間隔をおいて周期的に並ぶ複数の細孔Hが存在する。このため、熱溶融インクにより印刷されたスタンプやフレーム(印刷用紙Pに転写された熱溶融インク)にも、複数の細孔Hが所定の間隔をおいて周期的に並ぶことになる。
ここで、印刷部106の構成と動作について、図4を参照して説明する。図4(a)〜(c)は、印刷部106とインクリボン600との状態を模式的に示す図である。それぞれ、図4(a)は印刷開始前の状態、(b)は印刷中の状態、(c)は印刷終了後の状態を示す斜視図である。なお、図4中の矢印は、印刷用紙Pの搬送方向(順方向)と、インクリボン600の巻取り方向を示す。
図4(a)〜(c)に示すように、印刷部106は、サーマルヘッド802と、プラテンローラ803とを有する。サーマルヘッド802には、複数の発熱体(発熱素子)が主走査方向に直列に並べられるように設けられる。そして、制御部101は、サーマルヘッド802の複数の発熱体に選択的に電流を流して発熱させる。プラテンローラ803は、制御部101の制御によって、サーマルヘッド802に接触する方向と離れる方向とに移動できる。そしてプラテンローラ803は、サーマルヘッド802に接触する方向に移動することによって、印刷用紙Pとインクリボン600とをサーマルヘッド802に押し付ける。このほか、印刷部106は、印刷用紙Pを搬送するための機構(印刷用紙搬送部805)と、インクリボン600の繰り出しや巻取りや頭出し(位置決め)を行うための機構(インクリボン搬送部806)とを有する。
印刷用紙搬送部805は、印刷用紙Pを挟持して搬送するグリップロータおよびピンチローラと、これらグリップローラおよびピンチローラを駆動するステッピングモータとを有する。そして、ステッピングモータの回転動力によってグリップローラとピンチローラとが回転し、印刷用紙Pを副走査方向に搬送する。このように、印刷用紙Pの搬送は、ステッピングモータのステップ駆動により行われる。したがって、印刷装置100は、印刷用紙Pの順方向への搬送や逆方向への搬送を、高精度に行うことができる。なお、印刷時においてインクを転写する際の搬送方向を順方向とする。また、順方向とは反対方向へ印刷用紙Pを搬送する動作を、「印刷用紙Pのリターン」と称する。ステッピングモータのステップ数や回転方向(搬送方向)は、制御部101により制御される。
インクリボン搬送部806は、インクリボン600を挟持して搬送するローラ(以下、インクリボン搬送ローラと称する)と、インクリボン搬送ローラを駆動するモータ(以下、インクリボン駆動モータと称する)とを有する。印刷中におけるインクリボン600の巻取りや繰り出しや位置決め(頭出し)は、制御部101がインクリボン駆動モータを駆動することによって実行される。
なお、サーマルヘッド802、プラテンローラ803、印刷用紙搬送部805、インクリボン搬送部806は、従来公知の構成が適用できる。したがって、詳細な説明は省略する。
図4(a)に示すように、印刷開始前においては、インクリボン600は、サーマルヘッド802と印刷用紙Pの間に位置する。印刷装置100の制御部101は、印刷を開始すると、印刷部106のプラテンローラ803をサーマルヘッド802の側に移動させ、印刷用紙Pとインクリボン600とをサーマルヘッド802とプラテンローラ803とによって挟んで加圧する。
図4(b)に示すように、印刷中においては、制御部101は印刷用紙搬送部805とインクリボン搬送部806とを制御し、印刷用紙Pとインクリボン600とを同じ方向(順方向)に搬送する。そして、印刷装置100の制御部101は、サーマルヘッド802の発熱体に選択的に電圧を印加して発熱させる。インクリボン600のうちの発熱体に加熱された部分のインクが、印刷用紙Pに転写される。このように、印刷中においては、インクリボン600は、印刷用紙Pに押し付けられて接触した状態で、印刷用紙Pと一体に順方向に搬送される。このため、インクリボン600の搬送距離は、印刷用紙搬用モータのステップに依存する。たとえば、サーマルヘッド802の1ラインの距離が85μmであり、1ラインのステップ数が3ステップであるとすると、印刷用紙Pとインクリボン600は、1ステップで28μm搬送される。
図4(c)に示すように、印刷が終了すると、制御部101は、プラテンローラ803をサーマルヘッド802から離れる方向に移動させる。これにより、印刷用紙Pとインクリボン600への加圧力がなくなる。そして、制御部101は、印刷用紙搬用モータを制御して、印刷用紙Pをリターンし、印刷開始前の位置に搬送する(図4(a)参照)。
ここで、印刷装置100が印刷する画像について、図5を参照して説明する。図5(a)〜(g)は、印刷装置100が印刷する画像の例を模式的に示す図である。図5(a)は、印刷対象の画像データGの内容の例を示す模式図である。本実施形態では、印刷対象の画像データGの例として、人物画像の画像データGを示す。前記のとおり、印刷対象の画像データGは、記憶媒体読取部104が記憶媒体105から読み取る。図5(b)(d)(f)は、印刷対象の画像データGに追加されて配置される部分を模式的に示す図である。説明の便宜上、これらの部分を「特色部分」と称する。図5(b)は、特色部分の例としてスタンプS1を示し、図5(d)は、特色部分の例としてフレームFを示し、図5(f)は、特色部分の例として2つのスタンプS2を示す。これらの特色部分(スタンプS1、フレームF、スタンプS2)のデータは、制御部101の記憶装置に格納されている。
使用者は、操作部103を操作して、印刷対象の画像データGを選択するとともに、特色部分S1,S2,Fを選択し、印刷対象の画像データGに配置する。印刷装置100は、図5(a)に示す人物画像を、昇華インクを用いて印刷する。その後、印刷装置100は、使用者により選択された特色部分S1,S2,Fを、熱溶融インクを用いて図5(a)に示す人物画像に重ねて印刷する。したがって、図5(b)に示すスタンプS1が選択された場合には、印刷装置100は、最終的に図5(c)に示す画像を印刷する。図5(d)に示すフレームFが選択された場合には、印刷装置100は、最終的に図5(e)に示す画像を印刷する。図5(f)に示すスタンプS2が選択された場合には、印刷装置100は、最終的に図5(g)に示す画像を印刷する。
次いで、印刷装置100の処理および動作について、図5〜図7などを参照して説明する。図6は、印刷装置100の印刷に関する処理の流れを示すフローチャートである。図7は、図6のステップS205の「重ね印刷」の処理(後述)の詳細な内容を示すフローチャートである。
これらのステップを実行するためのプログラム(ソフトウェア)は、制御部101の記憶装置に格納されている。そして、制御部101のCPUが記憶装置からこのプログラムを読み出して実行することにより、これらのステップが実行される。
ステップS201において、制御部101は、使用者による操作部103の操作に応じて、印刷対象の画像データGを選択する。
ステップS202において、制御部101は、使用者による操作部103の操作に応じて、特色部分S1,S2,Fを選択し、印刷対象の画像データGに特色部分S1,S2,Fを追加する。たとえば、ステップS201において、印刷対象の画像データGとして、図5(a)に示す人物画像が選択されたとする。この場合、ステップS202において、制御部101は、使用者による操作部103の操作に応じて、図5(b)(d)(f)に示すスタンプS1,S2とフレームFのいずれかまたはこれらの組み合わせを、特色部分として選択する。そして、制御部101は、選択した特色部分S1,S2,Fを印刷対象の画像データGに追加して配置する。
ステップS203においては、制御部101は、熱溶融インクを用いて「重ね印刷」が可能であるか否かを判定する。
ここで、「重ね印刷」について、図8を参照して説明する。「重ね印刷」は、下地の隠蔽のために、特色部分を2回にわたって印刷を行う処理である。図8(a)は、昇華インクを用いて印刷された画像(すなわち、下地)の例を模式的に示す図である。図8(b)は、「重ね印刷」の1回目の印刷が終了した状態を模式的に示す図である。図8(c)は、「重ね印刷」の2回目の印刷が終了した状態を模式的に示す図である。
インクリボン600の熱溶融インクには、所定の間隔Tをおいて周期的に並ぶ複数の細孔Hが存在する。このため、印刷用紙Pに転写される熱溶融インクにも、複数の細孔Hが所定の間隔Tをおいて周期的に並ぶ。そうすると、図8(b)に示すように、特色部分S1,S2,Fには、細孔Hを通じて下地(図8(a))が透けて見えることがある。そこで、図8(c)に示すように、印刷部106は、熱溶融インクを用いる印刷を2回にわたって行い、1回目の印刷で転写された熱溶融インクの細孔Hを、2回目の印刷で転写される熱溶融インクで塞ぐ。これにより、特色部分S1,S2,Fにおいて下地が透けて見えないようにする。「重ね印刷」が可能か否かの判定には、下記の判定式(1)を用いる。なお、図中の符号Uは、細孔Hの搬送方向寸法を示す。

(熱溶融インクの印刷長さ)×2≦(1枚の熱溶融インクのインク面の長さ) (判定式(1))

なお、特に断らない限りは、「長さ」とは、印刷用紙Pおよびインクリボン600の搬送方向の長さ(副走査方向の長さ)をいうものとする。また、「熱溶融インクの印刷長さ」とは、特色部分S1,S2,F(熱溶融インクにより印刷される部分)の最大長さをいう。印刷対象の画像データGに複数の特色部分S1,S2,Fが配置される場合には、これらの複数の特色部分S1,S2,Fが印刷される範囲の最大長さをいう。また、印刷対象の画像データGの長さLは、1枚の熱溶融インクのインク面の長さを超えないものとする。
印刷装置100は、「重ね印刷」の処理において、1枚の熱溶融インクのインク面(図3の例では金色のインク面605)を用いて、2回にわたって印刷(インクの転写)を行う。このため、判定式(1)を充足していない場合には、重ね印刷を行うことができない。たとえば、図5(b)に示す例では、スタンプS1の長さLa1(熱溶融インクの印刷長さ)の2倍が、印刷対象の画像データGの長さL(1枚の熱溶融インクのインク面の長さ)よりも短いため、重ね印刷が可能である。これに対して、図5(d)示す例では、フレームFの長さLa2(熱溶融インクの印刷長さ)の2倍の長さは、印刷対象の画像データGの長さLよりも長いため、重ね印刷が不可能である。図5(f)に示す例では、2個のスタンプS2が配置される領域の長さLa3(熱溶融インクの印刷長さ)の2倍の長さが、印刷対象の画像データGの長さLよりも大きいため、重ね印刷が不可能である。このように、熱溶融インクの印刷長さは、特色部分S1,S2,Fの寸法に依存する。また、複数の特色部分S1,S2,Fが配置される場合には、熱溶融インクの印刷長さは、複数の特色部分S1,S2,Fの数、長さ、位置に依存する。したがって、制御部101は、特色部分(スタンプS1,S2やフレームF)の寸法、位置、数とから、熱溶融インクの印刷長さLa1,La2,La3を算出する。なお、前記のとおり、各特色部分S1,S2,Fの寸法は、制御部101の記憶装置に格納されている。そして、制御部101は、重ね印刷が可能であるか否かを、算出した熱溶融インクの印刷長さと判定式(1)とを用いて判定する。
判定式(1)を充足する場合にはステップS204に進み、充足しない場合には、ステップS206に進む。
ステップS204においては、制御部101は、「重ね印刷」を選択するか否かの確認メッセージを表示部102に表示させるとともに、使用者による操作部103の操作を判定する。そして、使用者が「重ね印刷」を選択する操作を行った場合には、ステップS205に進み、選択する操作を行わなかった場合には、ステップS206に進む。
ステップS205においては、制御部101は「重ね印刷」を実行する。「重ね印刷」の終了後、ステップS207に進む。
一方、ステップS206においては、制御部101は通常印刷を実行する(「重ね印刷」を行わない)。通常印刷の終了後、ステップS207に進む。
ステップS207においては、制御部101は、印刷に関する処理を終了する。
次に、ステップS205の「重ね印刷」の処理について、図7を参照して説明する。
ステップS301において、制御部101は「重ね印刷」の処理を開始する。
ステップS302において、制御部101は、インクリボン駆動モータを駆動し、インクリボン600を昇華インクの初期位置(印刷開始位置)に搬送する。昇華インクの初期位置(印刷開始位置)とは、これから印刷する昇華インク(未印刷の昇華インクのうちのいずれか1色)のインク面の一端が、サーマルヘッド802と印刷用紙Pとの間にある位置をいう。図3に示す例では、イエロー、マゼンダ、シアン、オーバーコートのうちのいずれか未印刷の1色のインク面の端部が、サーマルヘッド802と印刷用紙Pとの間にある位置である。
ステップS303では、制御部101は、インクリボン600が昇華インクの初期位置にあるか否かを判断する。インクリボン600が昇華インクの初期位置にない場合には、インクリボン600が昇華インクの初期位置に達するまで待機する。インクリボン600が昇華インクの初期位置にある場合には、ステップS304に進む。
ステップS304では、印刷部106は制御部101の制御によってプラテンローラ803を駆動し、プラテンローラ803とサーマルヘッド802とによって、印刷用紙Pとインクリボン600とを所定の圧力をもって挟む。これにより、インクリボン600が印刷用紙Pに押し付けられる(図4(a)参照)。
ステップS305においては、印刷部106は、制御部101の制御によって、昇華インクのある1色を用いて印刷を開始する。このステップS305においては、印刷用紙Pは、ステッピングモータの駆動力によって、ステップ搬送される。そして、制御部101は、サーマルヘッド802の発熱体に選択的に電圧を印加して発熱させ、昇華インクを印刷用紙に転写する。なお、インクリボン600は、印刷用紙Pに押し付けられているため、印刷用紙Pと一体となって搬送される(図4(b)参照)。
ステップS306においては、ある1色の昇華インクの印刷の終了後、制御部101は印刷部106を制御し、印刷用紙Pとインクリボン600に加えていた圧力を除く。
ステップS307においては、印刷部106は、制御部101の制御によって、印刷用紙Pをリターンする(図4(c)参照)。
ステップS308においては、制御部101は、全ての種類の昇華インク(イエロー、シアン、マゼンダ、オーバーコート)の印刷が完了したか否かを判定する。全ての種類の昇華インクの印刷が完了していない場合には、ステップS302に進み、未印刷の昇華インクについて、ステップS302〜S307の工程を行う。図3の例では、印刷装置100は、イエロー、シアン、マゼンダ、オーバーコートのインクを印刷するため、ステップS302〜S307を合計4回にわたって実行する。全て種類の昇華インクの印刷が完了した場合には、ステップS309に進む。
ステップS309においては、制御部101は印刷部106を制御し、印刷部106のインクリボン駆動モータを駆動して、熱溶融インクのインク面が初期位置(印刷開始位置)に位置するようにインクリボン600を送る。熱溶融インクのインク面の初期位置(印刷開始位置)とは、インクリボン600に形成される熱溶融インクのインク面の一端が、サーマルヘッド802と印刷用紙Pとの間にある位置をいう。
ステップS310においては、制御部101は、熱溶融インクのインク面が初期位置に位置するか否かを判定する。そして、制御部101は、熱溶融インクのインク面が初期位置に位置すると判定されるまで待機する。熱溶融インクのインク面が初期位置に位置すると判定された場合には、ステップS311に進む。
ステップS311においては、制御部101は印刷部106を制御し、印刷用紙Pの特色部分の長さ方向(搬送方向)の一端がサーマルヘッド802の発熱体の位置に位置するように、印刷用紙Pを搬送する。前記のとおり、印刷用紙Pは、ステッピングモータの駆動力によってステップ駆動により搬送される。なお、プラテンローラ803は、サーマルヘッド802から離れた状態に維持される。そして、制御部101は、印刷用紙搬送部805のみを駆動して印刷用紙Pのみを搬送し、インクリボン600は搬送しない。
ステップS312においては、制御部101は印刷部106を制御してプラテンローラ803を駆動し、インクリボン600を印刷用紙Pに押し付ける。これにより、プラテンローラ803とサーマルヘッド802とによって印刷用紙Pとインクリボン600を所定の圧力をもって挟む。したがって、インクリボン600が印刷用紙Pに所定の圧力をもって接触する。
ステップS313においては、制御部101は印刷部106を制御し、熱溶融インクを用いて特色部分S1,S2,Fの1回目の印刷(熱溶融インクの転写)を行う。特色部分S1,S2,Fの1回目の印刷が終了すると、印刷用紙Pの所定の範囲には、転写された熱溶融インクの膜が形成される。前記のとおり、インクリボン600に形成される熱溶融インクには、所定の間隔をおいて形成される周期的な複数の細孔Hが存在する。このため、印刷用紙Pに転写された熱溶融インクにも、周期的な複数の細孔Hが存在する。特色部分S1,S2,Fの1回目の印刷が終了した後、ステップS314に進む。
ステップS314においては、制御部101は、インクリボン600の位置が、特色部分S1,S2,Fの2回目の印刷に適した位置にあるか否かを判定する。2回目の印刷に適した位置とは、2回目の印刷において転写される熱溶融インクに存在する細孔Hの位置が、1回目の印刷において転写された熱溶融インクに存在する細孔Hの位置と一致しない位置をいうものとする。詳細は後述する。インクリボン600の位置が適正でないと判定された場合には(「NO」の場合には)、ステップS315に進む。一方、インクリボン600の位置が適正であると判定された場合(「YES」の場合)には、ステップS315を経ずにステップS316に進む。
ステップS315において、制御部101は印刷部106を制御し、インクリボン600を適正な位置に搬送する。具体的には、1回目の印刷により転写された熱溶融インクの細孔Hの位置と、2回目の印刷で転写される熱溶融インクの細孔Hの位置とが一致しないように、インクリボン600を細孔Hの間隔(周期)Tの略半分の距離を搬送する。このステップS315では、インクリボン600を搬送するため、印刷用紙Pを搬送する。インクリボン600は印刷用紙Pに圧着しているため、インクリボン600と一体となって搬送される。
ステップS316においては、制御部101は印刷部106のプラテンローラ803を制御し、印刷用紙Pのサーマルヘッド802への押し付けを解除する。
ステップS317においては、制御部101は印刷部106を制御し、印刷用紙PをステップS311と同じ位置に搬送する。なお、このステップS317においては、制御部101は、印刷用紙Pのみを搬送し、インクリボン600は搬送しない。ステップS317を経ると、印刷用紙Pに対するインクリボン600の熱溶融インクとの位置が、ステップS311と相違する。
ステップS318においては、プラテンローラ803により印刷用紙Pをインクリボン600に押し付ける。
ステップS319においては、制御部101は印刷部106を制御し、特色部分の2回目の印刷を行う。印刷の動作は、特色部分の1回目の印刷と同じである。
ステップS320においては、制御部101は、印刷部106のプラテンローラ803を制御し、印刷用紙Pのインクリボン600への押し付けを解除する。
ステップS321においては、印刷した印刷用紙Pを排紙する。
ここで、ステップS314におけるインクリボン600の位置が適正であるか否かの判定と、ステップS315におけるインクリボン600の位置の調整について、図5〜図9などを参照して説明する。
ステップS314において、まず、制御部101は、熱溶融インクの印刷長さ(図5(b)の例では、スタンプS1の長さLa1)を計算する。次いで、制御部101は、計算した熱溶融インクの印刷長さと熱溶融インクの細孔Hの間隔T(ピッチ)とを比較する。そして、制御部101は、熱溶融インクの印刷長さと熱溶融インクの細孔Hの間隔Tとが整数倍であるか否か、または整数倍に近い値であるか否かを判定する。
すなわち、制御部101は、熱溶融インクの印刷長さを熱溶融インクの細孔Hの間隔Tで除算し、その剰余をNとする。

N=(熱溶融インクの印刷長さ)%(熱溶融インクの細孔Hの間隔)

そして、制御部101は、剰余Nを熱溶融インクの細孔Hの間隔で除算した値をXとする。

X=N/(熱溶融インクの細孔Hの間隔)

このようにして算出された値Xは、1回目の印刷と2回目の印刷において、細孔Hが転写される位置のずれの程度を示す指標となる。以下、この値Xを、指標Xと称する。
指標Xと重ね印刷における特色部分の1回目と2回目の印刷における細孔Hの重なり状態との関係について、図9(a)〜(e)を参照して説明する。図9(a)〜(e)は、指標Xの値と、1回目の印刷と2回目の印刷における細孔Hの重なりの状態を模式的に示す図である。
図9(a)に示すように、指標X=0である場合には、1回目の印刷において転写される熱溶融インクA1と、2回目の印刷において転写される熱溶融インクA2とで、細孔Hの位置が一致する。このため、細孔Hを通じて下地が透けて見えるため、下地の色が完全に隠蔽されない状態となる。
図9(b)に示すように、指標Xの値が増加していくと、1回目の印刷と2回目の印刷とで転写される熱溶融インクA1,A2の細孔Hの位置がずれていく。
そして、図9(c)に示すように、指標X=0.5となると、1回目の印刷と2回目の印刷とで、転写されるインクA1,A2の細孔Hの位置とが、細孔Hの間隔Tの略半分ずれる。この状態では、1回目の印刷と2回目の印刷とにおいて転写される熱溶融インクA1,A2の細孔Hが重ならない(または重なる量が最も少なくなる)。このため、重ね印刷による下地の隠蔽の効果が最も大きくなる。
図9(d)に示すように、指標Xが0.5を超えて1に近づいていくと、1回目の印刷と2回目の印刷とにおいて転写されるインクA1,A2の細孔Hの位置が接近していく。
そして、図9(e)に示すように、指標Xが1に近づいてX=0.99となると、指標X=0である場合とほぼ同様に、1回目の印刷と2回目の印刷において転写されるインクA1,A2の細孔Hの位置がほぼ一致する。この状態では、指標X=0の場合とほぼ同様に、重ね印刷による下地の隠蔽の効果が小さい。
制御部101は、指標Xの値と細孔Hの搬送方向の間隔と細孔Hの搬送方向の大きさUとの関係が、次に示す判定式(2)を充足するか否かを判定する。

((細孔Hの大きさU)/(細孔Hの間隔T))<X<(1−((細孔Hの大きさU)/(細孔Hの間隔T)) 判定式(2)

制御部101は、判定式(2)を充足すると判定した場合には、図9(c)に示すように、1回目の印刷と2回目の印刷とで細孔Hの位置が一致せず、制御部101は、重ね印刷による下地の隠蔽の効果が高いと判定する。
一方、制御部101は、前記判定式(2)を充足しないと判定した場合には、制御部101は、1回目の印刷と2回目の印刷において転写される熱溶融インクA1,A2の細孔Hの位置が一致しているかまたは近いと判定する(図9(a)(b)(d)(e)参照)。すなわち、制御部101は、重ね印刷による下地の隠蔽の効果がないか、または効果が低いと判定する。
たとえば、細孔Hの間隔Tが約100μmであり、細孔Hの大きさUが約10μmである場合には、判定式(2)は、

0.1<X<0.9

で示される。ここで、熱溶融インクの印刷長さが20498μmであり、細孔Hの間隔Tが100μmの例を示して説明する。この場合には、剰余N=98となり、指標X=0.98となる。したがって、前記判定式(2)を充足しない。すなわち、この例では、ステップS314において、制御部101は、インクリボン600の位置が「2回目の印刷に適さない」と判定する。この状態では、図9(e)に示すように、1回目の印刷と2回目の印刷とで転写される熱溶融インクの細孔Hの位置がほぼ一致している状態であり、重なった細孔Hを通じて下地が露出する。
そこで、この場合には、ステップS315に移行する。ステップS315においては、制御部101は、印刷用紙搬送部805を制御し、印刷用紙Pを、細孔Hの間隔T(100μm)の略半分の距離である50μの距離を搬送する。そうすると、

(搬送後の熱溶融インクの印刷探さ)=20498μm+50μm=20548μm
剰余N=48
指標X=0.48

となる。このように、指標Xの値は、前記判定式(2)を充足する。したがって、図9(c)に示すように、1回目の印刷と2回目の印刷とで、細孔Hの位置が相違する。この結果、細孔Hどうしが重ならない(または重なる量が少なくなる)から、重ね印刷による下地の隠蔽の効果が大きくなる。なお、判定式(2)やインクリボン600の搬送距離は、細孔Hの大きさU、細孔Hの間隔T(周期)、ステップ駆動の搬送距離などにより異なり、前記例に限定されない。
本発明の実施形態によれば、「重ね印刷」によって、特色部分において下地が透けることを防止または抑制できる。したがって、特に特色部分の画質の向上を図ることができる。さらに、本発明の実施形態によれば、特色部分以外の下地の画像(自然画など)の画質の低下を防止できる。すなわち、下地の画像の印刷において、従来技術のように印刷範囲が急激に変化することがない。したがって、下地の画像に急激な濃度差が生じない。このように、本発明の実施形態によれば、下地の画像の画質を劣化させることなく、熱溶融転写方式による画像の隠蔽性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、前記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
たとえば、前記実施形態においては、イエロー、マゼンダ、シアン、オーバーコートを昇華転写方式により印刷し、スタンプやフレームを熱溶融転写方式により印刷する構成を示したが、本発明は、この構成に限定されない。たとえば、インクの色の種類や数は一例であり、前記実施形態に限定されない。また、印刷装置が、イエロー、マゼンダ、シアン、オーバーコートを、熱溶融転写方式により印刷する構成であってもよい。すなわち、本発明は、熱溶融転写方式により印刷できる構成であれば適用できる。このため、昇華転写方式以外の方式と熱溶融転写方式との両方式対応であってもよい。
また、前記実施形態の機能を実現するプログラムを、記憶媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステムまたは装置に供給して実行する構成も、本発明に含まれる。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、当該コンピュータに供給されてインストールされるプログラムコード自体も、本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのプログラム自体も本発明に含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW等が適用できる。また、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリも適用できる。
本発明は、インクを印刷用紙に転写することにより印刷を行う印刷装置と、この印刷装置を用いた印刷方法と、この印刷方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに好適である。そして、本発明によれば、画質を劣化させることなく、熱溶融転写方式による画像の隠蔽性の向上を図ることができる。

Claims (4)

  1. 周期的に並ぶ複数の細孔が存在するインクを有するインクリボンを用いて印刷用紙に印刷を行う印刷装置であって、
    前記インクを前記印刷用紙に少なくとも2回にわたって重ねて転写できる印刷部と、
    前記印刷部による1回目のインクの転写と2回目のインクの転写とで、前記印刷用紙に転写されるインクに存在する前記細孔の位置が異なるように、前記インクリボンを前記印刷用紙に対して搬送するインクリボン搬送部と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記インクリボン搬送部は、前記1回目のインクの転写の後、前記2回目のインクの転写の前に、前記インクリボンを前記細孔の周期の略半分の距離を搬送することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 周期的な細孔が存在するインクを有するインクリボンを用いて印刷用紙に印刷を行う印刷方法であって、
    前記インクリボンに設けられる前記インクを前記印刷用紙に転写する1回目の転写のステップと、
    前記1回目の転写のステップの後、前記インクリボンを前記印刷用紙に対して、前記1回目の転写により転写されたインクに存在する細孔の位置と、2回目のインクの転写において転写されるインクに存在する細孔の位置とが異なるように前記インクリボンを前記印刷用紙に対して搬送するステップと、
    前記印刷用紙を搬送するステップの後、前記インクリボンに設けられる前記インクを、前記1回目の転写のステップにより転写されたインクに重ねて転写する2回目の転写のステップと、
    を有することを特徴とする印刷方法。
  4. 周期的な細孔が存在するインクからなるインク面を有するインクリボンを用いて印刷用紙に印刷を行う印刷装置のコンピュータに、
    周期的な細孔が存在するインクを有するインクリボンを用いて印刷用紙に印刷を行う印刷装置のコンピュータに、
    前記インクリボンに設けられる前記インクを前記印刷用紙に転写する1回目の転写のステップと、
    前記1回目の転写のステップの後、前記インクリボンを前記印刷用紙に対して、前記1回目の転写により転写されたインクに存在する細孔の位置と、2回目のインクの転写において転写されるインクに存在する細孔の位置とが異なるように前記インクリボンを前記印刷用紙に対して搬送するステップと、
    前記印刷用紙を搬送するステップの後、前記インクリボンに設けられる前記インクを、前記1回目の転写のステップにより転写されたインクに重ねて転写する2回目の転写のステップと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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