JP2013236582A - フコイダン資化性乳酸菌によるフコイダン分解方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来から食品や医薬品等に利用されており、高い安全性が確認されている乳酸菌に着目し、フコイダンを資化することのできる乳酸菌を自然界から単離し、該フコイダン資化性乳酸菌を用いてフコイダンを分解する方法を提供することにある。
【解決手段】フコイダン資化性乳酸菌を用いたフコイダンの分解方法であって、フコイダン資化性乳酸菌の培養液、培養上清液、菌体又は菌体破砕液からなる群から選択される少なくとも一種とフコイダンとを反応させる工程を有するフコイダン分解方法によって解決する。
【選択図】図1
【解決手段】フコイダン資化性乳酸菌を用いたフコイダンの分解方法であって、フコイダン資化性乳酸菌の培養液、培養上清液、菌体又は菌体破砕液からなる群から選択される少なくとも一種とフコイダンとを反応させる工程を有するフコイダン分解方法によって解決する。
【選択図】図1
Description
本発明は、乳酸菌を用いたフコイダンの分解方法に関する。
モズクやコンブなどの褐藻類に含まれるフコイダンは、硫酸化フコースを構成単位とする分子量が約十数万の高分子多糖類の一種であり、抗ガン作用、抗インフルエンザ作用、血圧降下作用、血液凝固抑制作用、毛髪生育作用など様々な生理作用を示すことが知られている。
しかし、フコイダンは、水に溶解すると高粘性を示すため、フコイダンを食品や医薬品等の素材として加工することが非常に困難であるといった問題がある。
また、フコイダンの分子量は非常に大きいため、フコイダンを摂取しても体内にはほとんど吸収されないという問題もある。
そのため、フコイダンを分解する方法として、フコイダンを酸によって加水分解する方法(特許文献1)が用いられるが、フコイダンを酸加水分解した場合、酸によってフコイダンがランダムに分解されるため、目的に適う生理活性を有したフコイダン分解物を安定して生産することができないという欠点がある。
一方、フコイダンをバクテリアが生産する酵素によって分解する方法として、特開2004−339228号公報には、フラボバクテリウム属(Flavobacterium sp.)細菌SA−0082株(寄託番号:FERM BP−5402)の生産するエンド型フコイダン分解酵素によってフコイダンを分解する方法が開示されている(特許文献2)。
微生物由来の酵素剤を用いて食品や医薬品を生産する場合において、微生物由来の酵素剤の安全性の確保が強く求められているが、その安全性を確認することは容易ではない。
そこで、本発明の目的は、従来から食品や医薬品等に利用されており、高い安全性が確認されている乳酸菌に着目し、フコイダンを資化することのできる乳酸菌を自然界から単離し、該フコイダン資化性乳酸菌を用いてフコイダンを分解する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の乳酸菌がフコイダンを分解できることをことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、フコイダン資化性乳酸菌を用いたフコイダンの分解方法であって、フコイダン資化性乳酸菌の培養液、培養上清液、菌体又は菌体破砕液からなる群から選択される少なくとも一種とフコイダンとを反応させる工程を有するフコイダン分解方法を提供するものである。
本発明に係るフコイダン分解方法によれば、従来から食品等に利用されており、高い安全性を有するフコイダン資化性乳酸菌を用いてフコイダンを分解することが可能となる。
本発明のフコイダン分解方法は、フコイダン資化性乳酸菌を用いたフコイダンの分解方法であって、フコイダン資化性乳酸菌の培養液、培養上清液、菌体又は菌体破砕液からなる群から選択される少なくとも一種とフコイダンとを反応させる工程を有する。
本実施形態において使用されるフコイダンは、特に限定されず、例えば、コンブ、ワカメ、モズク等の褐藻類から抽出したフコイダンなどを挙げることができる。
本実施形態において使用されるフコイダン資化性乳酸菌は、フコイダンを資化できれば特に制限はないが、フコイダン資化能の観点から、ラクトバチルス カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)又はエンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)が好ましく、その中でもラクトバチルス カゼイ(Lactobacillus casei)NRIC0829株(以下「A3−3株」という。)、NRIC0830株(以下「B2−1株」という。)又はNRIC0831株(以下「B2−2株」という。)、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)NRIC0832株(以下「C1−2株」という。)、NRIC0834株(以下「D3−3株」という。)、NRIC0835株(以下「E0−1株」という。)、NRIC0836株(以下「E0−2株」という。)、NRIC0837株(以下「E0−7株」という。)、NRIC0838株(以下「E0−8株」という。)、NRIC0839株(以下「E0−9株」という。)又はNRIC0840株(以下「E0−10株」という。)若しくはエンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)NRIC0833株(以下「C3−1株」という。)が特に好ましい。なお、これら12菌株は、東京農業大学応用生物科学部菌株保存室で分譲が可能である。
前記フコイダン資化性乳酸菌を培養するための培地は、炭素源がフコイダンであり、かつ、該乳酸菌が増殖できればよく、例えば、「乳酸菌実験マニュアル−分離から同定まで」(小崎道雄監修;内村泰、岡田早苗著、朝倉書店、1992年)に記載されているGYP培地の炭素源をフコイダン3%(w/v)としたFYP培地(フコイダン3%(w/v)、酵母エキス1%(w/v)、ポリペプトン1%(w/v)、CH3COONa・3H2O 0.5%(w/v)、MgSO4・7H2O 0.02%(w/v)、FeSO4・7H2O 0.001%(w/v)、MnSO4・4H2O 0.001%(w/v)、NaCl 0.001%(w/v)、Tween80 0.05%(w/v))などを挙げることができる。
本実施形態において、フコイダンを分解する方法として、前記フコイダン資化性乳酸菌の培養液を用いる方法、該培養液の培養上清液を用いる方法、該乳酸菌の菌体を用いる方法、該乳酸菌の菌体破砕液を用いる方法が挙げられる。これら培養液、培養上清液、乳酸菌体及び乳酸菌体破砕液は、例えば、下記の方法で調製することができる。
前記培養液は、フコイダン資化性乳酸菌を前記培地に接種して培養することで調製することができる。このときの培養条件は、フコイダン資化性乳酸菌が増殖することができれば特に制限はない。
前記培養上清液は、前記培養液を遠心分離することで調製することができる。また、培養上清液はそのまま又は濃縮して用いることができる。
前記培養上清液の濃縮方法は、培養上清液に含まれるフコイダン分解酵素が失活しなければ特に限定はなく、例えば、限外ろ過や硫安沈殿法などを挙げることができる。
前記培養上清液は、カラムクロマトグラフィーによって精製することができる。また、この時に用いるカラムは、精製することができれば特に制限はないが、例えば、DEAE−セルロースなどの陰イオン交換カラムなどを挙げることができる。
前記乳酸菌体は、前記培養液を遠心分離することで調製することができる。また、乳酸菌体はそのまま又は水、生理食塩水や緩衝液などの溶液に懸濁して用いることができる。
前記乳酸菌体破砕液は、前記乳酸菌体を破砕することで調製することができる。また、菌体破砕液はそのまま又は濃縮して用いることができる。
前記乳酸菌体の破砕方法は、乳酸菌体に含まれるフコイダン分解酵素が失活しなければ特に制限はなく、例えば、超音波破砕、フレンチプレスやガラスビーズ式ホモジナイズなどの物理的方法、リゾチームなどの細胞溶解酵素、界面活性剤や有機溶剤などを用いる化学的方法などを挙げることができる。
前記乳酸菌体破砕液は、カラムクロマトグラフィーによって精製することができる。また、この時に用いるカラムは、精製することができれば特に制限はないが、例えば、DEAE−セルロースなどの陰イオン交換カラムなどを挙げることができる。
本実施形態において、前記フコイダン資化性乳酸菌の培養液、培養上清液、菌体又は菌体破砕液をフコイダン溶液に添加することでフコイダンを分解する。
前記フコイダン溶液の濃度はフコイダンが溶解できれば制限はないが、フコイダンの分解活性の観点から、1〜5%(w/v)が好ましい。
本実施形態において、前記フコイダン資化性乳酸菌の培養液、培養上清液、菌体又は菌体破砕液とフコイダンとを反応させる際、該反応温度及び反応pHはフコイダンが分解できれば制限はないが、フコイダンの分解活性の観点から、反応温度20〜60℃で反応pH4〜10が好ましい。
このように、安全性の高い乳酸菌を用いて低分子化したフコイダンの分解物は、食品、医薬品や化粧品などの原料として広く利用することができる。
1.フコイダン資化性乳酸菌の検索及び同定
(1)フコイダン資化性菌の分離
8月上旬に網走港で水揚げされたナマコ5体の腸管を分離源として、フコイダン資化性乳酸菌の検索を行った。すなわち、上記ナマコの腸管を3つの部位(口・胃〜下降性前小腸、上昇性前小腸及び後小腸〜肛門)に切断し、これら部位を生理食塩水30mLに懸濁した。これら懸濁液100μLをGYP液体培地(グルコース1%(w/v)、酵母エキス1%(w/v)、ポリペプトン1%(w/v)、CH3COONa・3H2O 0.5%(w/v)、MgSO4・7H2O 0.02%(w/v)、FeSO4・7H2O 0.001%(w/v)、MnSO4・4H2O 0.001%(w/v)、NaCl 0.001%(w/v)、Tween80 0.05%(w/v))5mLに添加し、37℃で静置培養した後、炭酸カルシウム0.5%(w/v)、アジ化ナトリウム0.003%(w/v)及びシクロヘキシミド0.003%(w/v)を含むGYP寒天培地(寒天濃度1.2%(w/v))に上記各培養液100μLをそれぞれ加え、37℃で混釈培養を行った。
(1)フコイダン資化性菌の分離
8月上旬に網走港で水揚げされたナマコ5体の腸管を分離源として、フコイダン資化性乳酸菌の検索を行った。すなわち、上記ナマコの腸管を3つの部位(口・胃〜下降性前小腸、上昇性前小腸及び後小腸〜肛門)に切断し、これら部位を生理食塩水30mLに懸濁した。これら懸濁液100μLをGYP液体培地(グルコース1%(w/v)、酵母エキス1%(w/v)、ポリペプトン1%(w/v)、CH3COONa・3H2O 0.5%(w/v)、MgSO4・7H2O 0.02%(w/v)、FeSO4・7H2O 0.001%(w/v)、MnSO4・4H2O 0.001%(w/v)、NaCl 0.001%(w/v)、Tween80 0.05%(w/v))5mLに添加し、37℃で静置培養した後、炭酸カルシウム0.5%(w/v)、アジ化ナトリウム0.003%(w/v)及びシクロヘキシミド0.003%(w/v)を含むGYP寒天培地(寒天濃度1.2%(w/v))に上記各培養液100μLをそれぞれ加え、37℃で混釈培養を行った。
混釈培養後、GYP寒天培地にクリアゾ−ンを形成したコロニーを白金線で採取し、再度、GYP液体培地にそれぞれ植菌し、37℃で静置培養した。これらの培養液をFYP寒天培地(フコイダン1%(w/v)、酵母エキス1%(w/v)、ポリペプトン1%(w/v)、CH3COONa・3H2O 0.5%(w/v)、MgSO4・7H2O 0.02%(w/v)、FeSO4・7H2O 0.001%(w/v)、MnSO4・4H2O 0.001%(w/v)、NaCl 0.001%(w/v)、Tween80 0.05%(w/v)、寒天1%(w/v))に画線し、嫌気ジャーの中にアネロパック(商標;三菱瓦斯化学株式会社製)を入れて脱気した嫌気条件下において37℃で培養を行うことでフコイダン資化性菌32株を単離した。
(2)フコイダン資化性乳酸菌の選抜及び同定
分離したフコイダン資化性菌32株からフコイダン資化性乳酸菌を選抜することを目的に、分離菌32株の菌学的性質を調べた。すなわち、分離菌32株のグラム染色及びカタラーゼ試験を常法に従って行った(表1)。なお、乳酸菌に分類される細菌は、グラム陽性及びカタラーゼ陰性の性質を有する。
分離したフコイダン資化性菌32株からフコイダン資化性乳酸菌を選抜することを目的に、分離菌32株の菌学的性質を調べた。すなわち、分離菌32株のグラム染色及びカタラーゼ試験を常法に従って行った(表1)。なお、乳酸菌に分類される細菌は、グラム陽性及びカタラーゼ陰性の性質を有する。
表1に示したように、グラム陽性及びカタラーゼ陰性菌はA3−3株、B2−1株、B2−2株、C1−2株、C3−1株、D3−3株、E0−1株、E0−2株、E0−7株、E0−8株、E0−9株、E0−10株の計12株であった。
また、これら12菌株の16SrDNA配列を常法に従って調べたところ、表2〜13に示したように、16SrDNAのN末端(9F primer)及びC末端(1541R primer)塩基配列の相同性から、A3−3株、B2−1株及びB2−2株はラクトバチルス カゼイ(Lactobacillus casei)、C1−2株、D3−3株、E0−1株、E0−2株、E0−7株、E0−8株、E0−9株及びE0−10株はラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、C3−1株はエンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)と同定した。
(3)フコイダン資化性乳酸菌の増殖の様相
選抜したフコイダン資化性乳酸菌12株をGYP液体培地5mLに接種し、37℃でそれぞれ静置培養した(前培養)。これら前培養液を遠心分離(6000rpm、10min)して菌体を回収し、菌体濃度(OD660nm値)が0.1となるように炭素源をフコイダン3%(w/v)としたFYP培地5mLに接種し、37℃でそれぞれ静置培養した(本培養)。また、経時的に本培養液中の菌体濃度(OD660nm値)を測定した(図1)。なお、菌体濃度(OD660nm値)は吸光度計を用いて測定した。
選抜したフコイダン資化性乳酸菌12株をGYP液体培地5mLに接種し、37℃でそれぞれ静置培養した(前培養)。これら前培養液を遠心分離(6000rpm、10min)して菌体を回収し、菌体濃度(OD660nm値)が0.1となるように炭素源をフコイダン3%(w/v)としたFYP培地5mLに接種し、37℃でそれぞれ静置培養した(本培養)。また、経時的に本培養液中の菌体濃度(OD660nm値)を測定した(図1)。なお、菌体濃度(OD660nm値)は吸光度計を用いて測定した。
図1に示したように、試験したすべての菌株で増殖が認められ、培養24時間後には菌体濃度(OD660nm値)が1.0以上を示した。また、これら12菌株のうち、最も高い菌体濃度(OD660nm値)を示した菌株はC3−1株であり、培養48時間後に菌体濃度(OD660nm値)1.5を示した。
2.エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)NRIC0833株(C3−1株)を用いたフコイダンの分解
(1)C3−1株の培養
エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)NRIC0833株(C3−1株)をGYP液体培地50mLに接種し、37℃で12時間振とう培養した(前培養)。この前培養液を遠心分離(6000rpm、10min)して菌体を回収し、菌体を生理食塩水で洗浄した後、この洗浄菌体をフコイダン3%(w/v)を炭素源としたFYP培地100mLに接種し、37℃で3〜6時間振とう培養した(本培養)。
(1)C3−1株の培養
エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)NRIC0833株(C3−1株)をGYP液体培地50mLに接種し、37℃で12時間振とう培養した(前培養)。この前培養液を遠心分離(6000rpm、10min)して菌体を回収し、菌体を生理食塩水で洗浄した後、この洗浄菌体をフコイダン3%(w/v)を炭素源としたFYP培地100mLに接種し、37℃で3〜6時間振とう培養した(本培養)。
(2)粗酵素液の調製
上記2.(1)で調製した本培養液を遠心分離(8000rpm、10min、4℃)し、得られた培養上清液を60%飽和硫安分画することで沈殿画分を得た。この沈殿画分を50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)400μLに溶解し、セルロースチューブに入れた後、50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)を用いて一晩透析を行い、この透析内液を培養上清濃縮液(菌体外粗酵素液)とした。
上記2.(1)で調製した本培養液を遠心分離(8000rpm、10min、4℃)し、得られた培養上清液を60%飽和硫安分画することで沈殿画分を得た。この沈殿画分を50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)400μLに溶解し、セルロースチューブに入れた後、50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)を用いて一晩透析を行い、この透析内液を培養上清濃縮液(菌体外粗酵素液)とした。
一方、上記2.(1)で調製した本培養液を遠心分離(8000rpm、10min、4℃)し、回収した菌体を50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)1.2mLに懸濁した。この菌体懸濁液1mLと直径0.1mmのガラスビーズ0.1gとをねじ巻きエッペンチューブに入れ、細胞破砕器(MINIBEAD BEATER;BIOSPEC PRODUCTS社製)を用いて20秒破砕した後、氷中に2分間入れて冷却した。また、この操作を9回繰り返した後、この破砕液を遠心分離(15000rpm、10min、4℃)し、得られた上清液を菌体破砕液(菌体内粗酵素液)とした。
(3)フコイダンの分解
5%(w/v)フコイダン溶液(50mM Tris−HCl緩衝液;pH7.6)480μLに上記2.(2)で調製した培養上清濃縮液又は菌体破砕液120μLを添加し、37℃で酵素反応を行った。また、経時的に酵素反応によってフコイダンが分解されて遊離する還元糖量を測定した。なお、還元糖量はDNS法によって測定した。
5%(w/v)フコイダン溶液(50mM Tris−HCl緩衝液;pH7.6)480μLに上記2.(2)で調製した培養上清濃縮液又は菌体破砕液120μLを添加し、37℃で酵素反応を行った。また、経時的に酵素反応によってフコイダンが分解されて遊離する還元糖量を測定した。なお、還元糖量はDNS法によって測定した。
図2に示したように、菌体破砕液(菌体内粗酵素液)を5%(w/v)フコイダン溶液(50mM Tris−HCl緩衝液;pH7.6)に作用させた場合、反応開始36時間後に0.17mg/mLの還元糖がフコイダンが分解することによって生成した。
一方、培養上清分画液(菌体外粗酵素液)を5%(w/v)フコイダン溶液(50mM Tris−HCl緩衝液;pH7.6)に作用させた場合についても、反応開始36時間後に0.06mg/mLの還元糖がフコイダンが分解することによって生成した。
このように、フコイダン資化性乳酸菌エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)NRIC0833株(C3−1株)の培養上清液又は菌体破砕液をフコイダンに作用させることでフコイダンを分解することができた。
Claims (6)
- フコイダン資化性乳酸菌を用いたフコイダンの分解方法であって、
フコイダン資化性乳酸菌の培養液、培養上清液、菌体又は菌体破砕液からなる群から選択される少なくとも一種とフコイダンとを反応させる工程を有する、
フコイダン分解方法。 - 前記培養液、培養上清液、菌体又は菌体破砕液からなる群から選択される少なくとも一種とフコイダンとを反応させる際、フコイダン濃度が1〜5%(w/v)である、
請求項1に記載のフコイダン分解方法。 - 前記フコイダン資化性乳酸菌がラクトバチルス カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)又はエンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)からなる群から選択される少なくとも一種である、
請求項1又は2に記載のフコイダン分解方法。 - 前記ラクトバチルス カゼイ(Lactobacillus casei)がラクトバチルス カゼイ(Lactobacillus casei)NRIC0829株、NRIC0830株又はNRIC0831株からなる群から選択される少なくとも一種である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のフコイダン分解方法。 - 前記ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)がラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)NRIC0832株、NRIC0834株、NRIC0835、NRIC0836株、NRIC0837株、NRIC0838株、NRIC0839株又はNRIC0840株からなる群から選択される少なくとも一種である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のフコイダン分解方法。 - 前記エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)がエンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)NRIC0833株である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のフコイダン分解方法。
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KR102510634B1 (ko) * | 2022-10-07 | 2023-03-21 | 한국콜마홀딩스 주식회사 | 후코이단 발효물 및 그의 피부 상태 개선 용도 |
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WO2024075937A1 (ko) * | 2022-10-07 | 2024-04-11 | 에이치케이이노엔 주식회사 | 후코이단 발효물 및 그의 피부 상태 개선 용도 |
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