JP2013236000A - 液浸部材、露光装置、露光方法、デバイス製造方法、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents

液浸部材、露光装置、露光方法、デバイス製造方法、プログラム、及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】露光不良の発生を抑制できる液浸部材を提供する。
【解決手段】液浸部材は、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する。液浸部材は、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有し、第1部材に対して可動な第2部材と、を備える。第2部材が、第1部材から離れるように移動可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、液浸部材、露光装置、露光方法、デバイス製造方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば下記特許文献に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。
米国特許出願公開第2009/0046261号
液浸露光装置において、例えば液体中の異物により、露光不良が発生する可能性がある。その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる液浸部材、露光装置、及び露光方法を提供することを目的とする。また、本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有し、第1部材に対して可動な第2部材と、を備え、第2部材が、第1部材から離れるように移動可能である液浸部材が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有し、第1部材に対して可動な第2部材と、を備え、液浸空間が形成されている状態で物体が光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、第2部材が物体の移動方向とは逆方向に移動可能である液浸部材が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有し、第1部材に対して可動な第2部材と、を備え、液浸空間が形成されている状態で物体が光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、第2部材が傾斜可能である液浸部材が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材と、第2下面に配置され、液体を供給する第1供給口と、を備える液浸部材が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材と、を備え、第2下面は、第1領域と、光路に対して第1領域の外側の第2領域とを含み、第1領域は、第2領域よりも高い位置に配置される液浸部材が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有し、第1部材に対して可動な第2部材と、を備え、第2下面は、第1領域と、光路に対して第1領域の外側の第2領域とを含み、第2領域は、第1領域よりも高い位置に配置されている液浸部材が提供される。
本発明の第7の態様に従えば、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材と、を備え、第2部材は、第2上面側の空間と第2下面側の空間とを結ぶ開口を有する液浸部材が提供される。
本発明の第8の態様に従えば、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材と、第2部材の少なくとも一部をリリース可能に保持する保持機構と、を備える液浸部材が提供される。
本発明の第9の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、第1〜第8のいずれか一つの態様の液浸部材を備える露光装置が提供される。
本発明の第10の態様に従えば、第9の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、 露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第11の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、第1部材から離れるように移動することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第12の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、液浸空間が形成されている状態で物体が光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、物体の移動方向とは逆方向に移動することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第13の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、液浸空間が形成されている状態で物体が光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、傾斜させることと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第14の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材の第2下面に配置された第1供給口から液体を供給することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第15の態様に従えば、第11〜第14のいずれか一つの態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第16の態様に従えば、コンピュータに、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、第1部材から離れるように移動することと、を実行させるプログラムが提供される。
本発明の第17の態様に従えば、コンピュータに、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、液浸空間が形成されている状態で物体が光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、物体の移動方向とは逆方向に移動することと、を実行させるプログラムが提供される。
本発明の第18の態様に従えば、コンピュータに、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、液浸空間が形成されている状態で物体が光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、傾斜させることと、を実行させるプログラムが提供される。
本発明の第19の態様に従えば、コンピュータに、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材の第2下面に配置された第1供給口から液体を供給することと、を実行させるプログラムが提供される。
本発明の第20の態様に従えば、第16〜第19のいずれか一つの態様のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制できる。また本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
第1実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第1実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。 比較例に係る液浸部材の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る液浸部材の動作の一例を説明するための図である。 第2実施形態に係る液浸部材の動作の一例を説明するための図である。 第3実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第4実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第5実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第6実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第7実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第8実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第9実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第10実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 基板ステージの一例を示す図である。 液浸部材に対する基板ステージの動作の一例を示す図である。 デバイス製造方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、基板Pに照射される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。液浸空間とは、液体で満たされた部分(空間、領域)をいう。基板Pは、液浸空間LSの液体LQを介して露光光ELで露光される。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
また、本実施形態の露光装置EXは、例えば米国特許第6897963号、及び欧州特許出願公開第1713113号等に開示されているような、基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置である。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材(計測器)Cを搭載して移動可能な計測ステージ3と、マスクステージ1、基板ステージ2、及び計測ステージ3の位置を計測する計測システム4と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、液浸空間LSを形成する液浸部材5と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置6と、制御装置6に接続され、露光に関する各種の情報を記憶する記憶装置7とを備えている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。基板Pが、感光膜に加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRを含むベース部材8のガイド面8G上を移動可能である。本実施形態において、ガイド面8GとXY平面とは実質的に平行である。マスクステージ1は、例えば米国特許第6452292号に開示されているような平面モータを含む駆動システムの作動により移動する。本実施形態において、マスクステージ1は、その駆動システムの作動により、ガイド面8G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態において、投影光学系PLの光軸は、Z軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
投影光学系PLは、露光光ELが射出される射出面12を有する終端光学素子13を含む。射出面12は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する。終端光学素子13は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い光学素子である。投影領域PRは、射出面12から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面12は、−Z方向を向いており、XY平面と平行である。なお、−Z方向を向いている射出面12は、平面でもよいし、凸面でもよいし、凹面でもよい。なお、射出面12は、XY平面に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。本実施形態において、終端光学素子13の光軸は、Z軸と平行である。本実施形態において、射出面12から射出される露光光ELは、−Z方向に進行する。
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、射出面12からの露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)を含むXY平面内を移動可能である。計測ステージ3は、計測部材(計測器)Cを搭載した状態で、射出面12からの露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)を含むXY平面内を移動可能である。基板ステージ2及び計測ステージ3のそれぞれは、ベース部材9のガイド面9G上を移動可能である。本実施形態において、ガイド面9GとXY平面とは実質的に平行である。
基板ステージ2及び計測ステージ3は、例えば米国特許第6452292号に開示されているような平面モータを含む駆動システム10の作動により移動する。駆動システム10は、基板ステージ2に配置された可動子2Cと、計測ステージ3に配置された可動子3Cと、ベース部材9に配置された固定子9Mとを有する。基板ステージ2及び計測ステージ3のそれぞれは、駆動システム10の作動により、ガイド面9G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。なお、駆動システム10は、平面モータを含まなくてもよい。例えば、駆動システム10が、リニアモータを含んでもよい。
基板ステージ2は、例えば米国特許出願公開第2007/0177125号、米国特許出願公開第2008/0049209号等に開示されているような、基板Pをリリース可能に保持する第1保持部14と、第1保持部14の周囲に配置され、カバー部材Tをリリース可能に保持する第2保持部15とを有する。カバー部材Tは、第1保持部14に保持された基板Pの周囲に配置される。第1保持部14は、基板Pの表面(上面)とXY平面とが実質的に平行となるように、基板Pを保持する。本実施形態において、第1保持部14に保持された基板Pの上面と、第2保持部15に保持されたカバー部材Tの上面とは、実質的に同一平面内に配置される。なお、第1保持部14に保持された基板Pの上面と、第2保持部15に保持されたカバー部材Tの上面とは、同一平面内に配置されなくてもよい。なお、基板Pの上面に対してカバー部材Tの上面が傾斜してもよいし、カバー部材Tの上面が曲面を含んでもよい。
計測システム4は、干渉計システムを含む。干渉計システムは、マスクステージ1の計測ミラーに計測光を照射して、そのマスクステージ1の位置を計測するユニットと、基板ステージ2の計測ミラー及び計測ステージ3の計測ミラーに計測光を照射して、その基板ステージ2及び計測ステージ3の位置を計測するユニットとを含む。
なお、計測システム4が、例えば米国特許出願公開第2007/0288121号に開示されているようなエンコーダシステムを含んでもよい。また、基板ステージ2が、エンコーダシステムで計測されるスケール(格子、計測部材)を有してもよい。
基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置6は、計測システム4の計測結果に基づいて、マスクステージ1(マスクM)、基板ステージ2(基板P)、及び計測ステージ3(計測部材C)の位置制御を実行する。
次に、本実施形態に係る液浸部材5について説明する。図2は、本実施形態に係る液浸部材5の一例を示すYZ平面と平行な側断面図、図3は、図2の一部を拡大した図、図4は、液浸部材5を下側(−Z側)から見た図である。
本実施形態において、液浸部材5は、終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置される。液浸部材5は、終端光学素子13の射出面12から射出される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液体LQの液浸空間LSを形成する。
液浸部材5は、終端光学素子13の下方で移動可能な物体上に液浸空間LSを形成可能である。終端光学素子13の下方で移動可能な物体は、射出面12と対向する位置を含むXY平面内を移動可能な物体を含む。その物体は、射出面12と対向可能であり、投影領域PRに配置可能である。本実施形態において、その物体は、基板ステージ2(カバー部材T)、基板ステージ2(第1保持部14)に保持された基板P、及び計測ステージ3(計測部材C)の少なくとも一つを含む。
以下の説明においては、終端光学素子13の下方で移動可能な物体が、基板P及びカバー部材Tの少なくとも一方であることとする。なお、上述のように、終端光学素子13の下方で移動可能な物体は、計測ステージ3でもよいし、基板P、基板ステージ2(カバー部材T)、及び計測ステージ3とは別の物体でもよい。また、カバー部材Tと基板Pとを跨ぐように液浸空間LSが形成される場合もあるし、基板ステージ2と計測ステージ3とを跨ぐように液浸空間LSが形成される場合もある。
本実施形態において、液浸部材5は、第1部材21と、第2部材22とを有する。
第1部材21は、終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置される。第1部材21は、上面21A及び下面21Bを有する。本実施形態において、上面21Aの少なくとも一部は、間隙Gaを介して射出面12と対向する。なお、上面21Aの一部が射出面12と対向していなくてもよいし、第1部材21は、射出面12と対向する上面21Aを有しなくてもよい。本実施形態において、第1部材21は、環状の部材である。本実施形態において、第1部材21の一部は、終端光学素子13の周囲に配置される。また、本実施形態において、第1部材21の一部は、終端光学素子13の射出面12から射出される露光光ELの光路Kの周囲に配置される。すなわち、第1部材21の下面21Bは、射出面12よりも下方に配置されている。なお、第1部材21の下面21Bが、射出面12とほぼ同じ高さ(Z軸方向の位置が同じ)であってもよいし、第1部材21の下面21Bが、射出面12よりも上方に配置されてもよい。
第2部材22は、第1部材21の下方に配置される。第2部材22は、射出面12から射出される露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置される。第2部材22は、下面21Bと間隙Gbを介して対向する上面22Aと、基板P(物体)が対向可能な下面22Bとを有する。下面22Bは、間隙Gcを介して基板P(物体)と対向する。本実施形態において、第2部材22は、環状の部材である。図4に示すように、第2部材22の外形は円形である。本実施形態において、第2部材22は、終端光学素子13の射出面12から射出される露光光ELの光路Kの周囲に配置される。
なお、第1部材21は、環状の部材でなくてもよい。例えば、第1部材21が、終端光学素子13及び光路Kの周囲の一部に配置されてもよい。なお、第1部材21が、終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置されなくてもよい。例えば、第1部材21が、射出面12と基板Pとの間の光路Kの周囲の少なくとも一部に配置され、終端光学素子13の周囲に配置されなくてもよい。また、第1部材21が、光路Kの周囲の少なくとも一部に配置されなくてもよい。例えば、第1部材21が、終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置され、光路Kの周囲に配置されなくてもよい。
なお、第2部材22は、環状の部材でなくてもよい。例えば、第2部材22が、光路Kの周囲の一部に配置されてもよい。
終端光学素子13は、基板Pと間で液体LQを保持可能である。射出面12は、対向する基板Pとの間で液体LQを保持可能である。また、液浸部材5は、基板Pとの間で液体LQを保持可能である。下面21B及び下面22Bは、対向する基板Pとの間で液体LQを保持可能である。液浸空間LSは、終端光学素子13及び液浸部材5と基板Pとの間に保持される液体LQによって形成される。一方側の終端光学素子13及び液浸部材5と、他方側の基板P(物体)との間に液体LQが保持されることによって、終端光学素子13と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
例えば、基板Pの露光において、基板Pに照射される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域だけが液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態において、液浸空間LSの液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LG1が、第1部材21と基板P(物体)との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。液浸空間LSの外側(界面LG1の外側)は、気体空間である。なお、界面LG1の少なくとも一部が、第2部材22と基板Pとの間に形成されてもよい。
また、液体LQの界面LG2は、終端光学素子13と第1部材21との間に形成される。
第1部材21は、射出面12からの露光光ELが通過可能な開口(孔)23を有する。第2部材22は、射出面12からの露光光ELが通過可能な開口(孔)24を有する。射出面12からの露光光ELは、開口23及び開口24を通過して、基板P(物体)に照射可能である。上面21Aは、開口23の上端の周囲に配置される。下面21Bは、開口23の下端の周囲に配置される。上面22Aは、開口24の上端の周囲に配置される。下面22Bは、開口24の下端の周囲に配置される。
本実施形態において、開口24は、開口23よりも小さい。本実施形態において、開口24の周囲の上面22Aの内縁領域と射出面12とが対向する。本実施形態において、XY平面内において、開口23の中心と終端光学素子13の光軸とは一致する。なお、XY平面内において、開口24の中心と終端光学素子13の光軸とが一致してもよいし、一致しなくてもよい。
本実施形態において、上面21Aの少なくとも一部は、実質的にXY平面と平行である。下面21Bの少なくとも一部は、実質的にXY平面と平行である。上面22Aの少なくとも一部は、実質的にXY平面と平行である。下面22Bの少なくとも一部は、実質的にXY平面と平行である。
なお、上面21Aの少なくとも一部が、XY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。下面21Bの少なくとも一部が、XY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。上面22Aの少なくとも一部が、XY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。下面22Bの少なくとも一部が、XY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。
本実施形態において、終端光学素子13及び第1部材21は、実質的に移動しない。すなわち、終端光学素子13と第1部材21との相対位置は変化しない。
本実施形態において、第2部材22は、第1部材21に対して可動である。すなわち、第1部材21と第2部材22との相対位置は変化可能である。また、終端光学素子13と第2部材22との相対位置は変化可能である。第2部材22は、Z軸方向に移動可能である。第2部材22は、間隙Gbが大きくなるように、すなわち第1部材21から離れるように移動可能である。また、第2部材22は、間隙Gbが小さくなるように、すなわち第1部材21に近づくように移動可能である。
本実施形態において、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、第1部材21に対して移動可能である。
本実施形態において、第2部材22は、下面22Bの法線方向に移動可能である。本実施形態において、第2部材22は、Z軸方向に移動可能である。
第2部材22は、基板P(物体)と下面22Bとの距離が小さくなるように移動可能である。すなわち、第2部材22は、間隙Gcの寸法が小さくなるように移動可能である。換言すれば、第2部材22は、間隙Gbの寸法が大きくなるように移動可能である。また、第2部材22は、基板P(物体)と下面22Bとの距離が大きくなるように移動可能である。すなわち、第2部材22は、間隙Gcの寸法が大きくなるように(間隙Gbの寸法が小さくなるように)移動可能である。
本実施形態において、第1部材21と第2部材22とは、移動機構25を介して接続される。移動機構25は、第1部材21に接続される第1接続部材26と、第2部材22に接続される第2接続部材27と、第1接続部材26に対して第2接続部材27を移動するアクチュエータ28とを含む。第2接続部材27は、ロッド状の部材である。第1接続部材26は、第2接続部材27が移動可能な空間を有する。第1接続部材26は、例えば筒状である。本実施形態においては、アクチュエータ28が第2接続部材27をZ軸方向に移動することにより、第2部材22がZ軸方向に移動する。
なお、移動機構25により、第2部材22が、Z軸方向だけでなく、X軸、Y軸、θX、θY、及びθZのうちの少なくとも1つの方向に移動可能であってもよい。
液浸部材5は、液浸空間LSを形成するための液体LQを供給する供給口31と、液浸空間LSの液体LQの少なくとも一部を回収する回収口32を含む液体回収部32Pとを備えている。本実施形態において、供給口31は、第1部材21に配置される。回収口32(液体回収部32P)は、第1部材21に配置される。
本実施形態において、第2部材22は、液体LQを供給する供給口を有しない。また、第2部材22は、液体LQを回収する回収口を有しない。
供給口31は、光路Kに面するように配置される。供給口31は、第1部材21の内部に形成された供給流路を介して、液体LQを供給可能な液体供給装置と接続される。供給口31は、液体供給装置からの液体LQを射出面12側の光路Kに供給する。
回収口32は、基板P(物体)と対向するように配置される。回収口32は、第1部材21の内部に形成された回収流路を介して、液体LQを回収(吸引)可能な液体回収装置と接続される。回収口32は、第1部材21と基板Pとの間の空間の液体LQの少なくとも一部を回収(吸引)する。
本実施形態において、液浸部材5は、多孔部材33を備える。多孔部材33は、液体LQが流通可能な複数の孔(openingsあるいはpores)を有する。多孔部材33は、例えばメッシュフィルタを含む。メッシュフィルタは、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材である。
本実施形態において、多孔部材33は、プレート状の部材である。多孔部材33は、基板Pが対向可能な下面33Bと、第1部材21に形成された回収流路に面する上面33Aと、上面33Aと下面33Bとを結ぶように形成された複数の孔とを有する。本実施形態において、回収口32は、多孔部材33の孔を含む。多孔部材33の孔(回収口32)を介して回収された液体LQは、回収流路を流れる。
本実施形態においては、多孔部材33を介して実質的に液体LQのみが回収され、気体の回収が制限されている。制御装置6は、基板P(物体)上の液体LQが多孔部材33の孔を通過して回収流路に流入し、気体は通過しないように、多孔部材33の下面33B側の圧力(下面33Bと基板Pの上面との間の空間の圧力)と上面33A側の圧力(回収流路の圧力)との差を調整する。なお、多孔部材を介して液体のみを回収する技術の一例が、例えば米国特許第7292313号等に開示されている。
なお、多孔部材33を介して液体LQ及び気体の両方が回収(吸引)されてもよい。
本実施形態においては、供給口31からの液体LQの供給と並行して、回収口32からの液体LQの回収が行われることによって、一方側の終端光学素子13及び液浸部材5と、他方側の基板Pとの間に液体LQで液浸空間LSが形成される。本実施形態において、液浸空間LSは、供給口31から供給された液体LQによって形成される。
本実施形態において、液体回収部32P(下面33B)は、光路Kに対して下面21Bの外側に配置される。本実施形態において、液体回収部32P(下面33B)は、下面21Bよりも上方に配置される。下面33Bと基板P(物体)の上面との間隙Gdの寸法は、間隙Gbの寸法、間隙Gcの寸法、及びZ軸方向における上面22Aと下面22Bとの距離の和よりも大きい。図2及び図3に示す例において、界面LG1は、下面33Bと基板Pの上面との間に形成される。なお、液体回収部32Pが、下面21Bと同じであってもよいし、上面22Aよりも上方であって、下面21Bよりも下方に配置されてもよい。すなわち、間隙Gdの寸法は、間隙Gbの寸法、間隙Gcの寸法、及びZ軸方向における上面22Aと下面22Bとの距離の和と同じであってもよいし、間隙Gdの寸法が、間隙Gbの寸法、間隙Gcの寸法、及びZ軸方向における上面22Aと下面22Bとの距離の和より小さくてもよい。
本実施形態において、下面33B(液体回収部32P)の一部と上面22Aとが対向している。換言すれば、光路Kに対する放射方向に関して、上面22A(第2部材22)の外縁は、下面33B(液体回収部32P)の内縁よりも外側に配置される。また、上面22A(第2部材22)の外縁は、下面33B(液体回収部32P)の内縁よりも外側に配置される。
図2及び図3に示す例において、第2部材22の全部が、液浸空間LS内に配置される。すなわち、第2部材22の全部が、液浸空間LSの液体LQに浸かる。液体回収部32P(回収口32)は、上面22A側の空間SP1及び下面22B側の空間SP2の少なくとも一方から液浸空間LSの液体LQを回収可能である。なお、第2部材22の一部、例えば外縁部が、液浸空間LSの外側にあってもよい。
なお、本実施形態において、回収口32が多孔部材33の孔でなくてもよい。多孔部材33は省略されてもよい。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
液浸部材5から離れた基板交換位置において、露光前の基板Pを基板ステージ2(第1保持部)に搬入(ロード)する処理が行われる。また、基板ステージ2が液浸部材5から離れている期間の少なくとも一部において、計測ステージ3が終端光学素子13及び液浸部材5と対向するように配置される。制御装置6は、供給口31からの液体LQの供給と回収口32からの液体LQの回収とを行って、計測ステージ3上に液浸空間LSを形成する。
露光前の基板Pが基板ステージ2にロードされ、計測ステージ3を用いる計測処理が終了した後、制御装置6は、終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)とが対向するように、基板ステージ2を移動する。終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)とが対向する状態で、供給口31からの液体LQの供給と並行して回収口32からの液体LQの回収が行われることによって、射出面12側の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように、終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LSが形成される。
制御装置6は、基板Pの露光処理を開始する。制御装置6は、基板P上に液浸空間LSが形成されている状態で、照明系ILから露光光ELを射出する。照明系ILはマスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PL及び射出面12と基板Pとの間の液浸空間LSの液体LQを介して基板Pに照射される。これにより、基板Pは、液浸空間LSの液体LQを介して射出面12から射出された露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置6は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。
図5は、基板ステージ2に保持された基板Pの一例を示す図である。本実施形態において、基板ステージ2の第1保持部14に保持された基板Pと第2保持部15に保持されたカバー部材Tとの間に、間隙Gpが形成される。
また、本実施形態において、基板Pの表面(上面)は、感光膜が形成された有効領域Caと、有効領域Caの外側の非有効領域Cbとを含む。有効領域Caは、感光膜を含み、露光によってパターンが形成可能(露光可能)な領域である。非有効領域Cbは、感光膜を含まず、パターンが形成不可能(露光不可能)な領域である。有効領域Caは、基板Pの上面の中心を含む基板Pの上面の殆どの領域を占める。非有効領域Cbは、有効領域Caのエッジと基板Pの上面のエッジとの間の、例えば幅3mm程度の周縁領域である。本実施形態において、基板Pの表面のエッジは、基板Pの基材(半導体ウエハなど)の表面のエッジである。
本実施形態においては、基板Pに露光対象領域であるショット領域Sがマトリクス状に複数配置されている。制御装置6は、基板ステージ2(第1保持部14)に保持されている基板Pの複数のショット領域Sを液浸空間LSの液体LQを介して露光光ELで順次露光する。複数のショット領域Sのそれぞれは、露光光EL(投影領域PR)に対して基板PをY軸方向に移動しながら露光される。
例えば基板Pの第1のショット領域Sを露光するために、制御装置6は、液浸空間LSが形成された状態で、基板P(第1のショット領域S)を投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して第1のショット領域Sに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pの第1のショット領域Sに投影され、その第1のショット領域Sが射出面12から射出された露光光ELで露光される。第1のショット領域Sの露光が終了した後、制御装置6は、次の第2のショット領域Sの露光を開始するために、液浸空間LSが形成されている状態で、基板PをXY平面内においてX軸と交差する方向(例えばX軸方向、あるいはXY平面内においてX軸及びY軸方向に対して傾斜する方向等)に移動し、第2のショット領域Sを露光開始位置に移動する。その後、制御装置6は、第2のショット領域Sの露光を開始する。
制御装置6は、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、射出面12からの露光光ELが照射される位置(投影領域PR)に対してショット領域をY軸方向に移動しながらそのショット領域を露光する動作と、そのショット領域の露光後、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成された状態で、次のショット領域が露光開始位置に配置されるように、XY平面内においてY軸方向と交差する方向(例えばX軸方向、あるいはXY平面内においてX軸及びY軸方向に対して傾斜する方向等)に基板Pを移動する動作とを繰り返しながら、基板Pの複数のショット領域を順次露光する。
以下の説明において、ショット領域を露光するために、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、射出面12からの露光光ELが照射される位置(投影領域PR)に対して基板P(ショット領域)をY軸方向に移動する動作を適宜、スキャン移動動作、と称する。また、あるショット領域の露光後、次のショット領域を露光するために、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、次のショット領域が露光開始位置に配置されるように、XY平面内においてY軸方向と交差する方向に基板Pを移動する動作を適宜、ステップ移動動作、と称する。スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、基板Pの複数のショット領域Sが順次露光される。なお、スキャン移動動作は、専らY軸方向の等速移動である。またステップ移動動作は、加減速度移動を含む。例えば、X軸方向に隣接する2つのショット領域間のステップ移動動作は、Y軸方向の加減速移動、及びX軸方向の加減速移動を含む。
本実施形態においては、第2部材22が設けられているので、液浸空間LSが形成されている状態で基板P(基板ステージ2)が終端光学素子13の光軸に垂直なXY平面内で移動した場合において、液浸部材5と基板Pとの間の空間の外側に液体LQが流出すること、及び基板P上に液体LQ(膜、滴等)が残留することが抑制される。
図6は、比較例に係る液浸部材5jと基板Pとの間に液浸空間LSjが形成されている状態で、基板Pが−Y方向に移動した場合における液体LQの状態の一例を示す模式図である。図7は、本実施形態に係る液浸部材5と基板Pとの間に液浸空間LSが形成されている状態で、基板Pが−Y方向に移動した場合における液体LQの状態の一例を示す模式図である。液浸部材5jは、第2部材を有していない。
図6及び図7において、液浸空間LSj、LSが形成されている状態で基板Pが移動した場合、例えば液体LQの粘性の作用等により、液浸空間LSの液体LQに矢印Fj、Fsで示すような速度分布を有する液体LQの流れが生成される。図6及び図7において、Z軸方向に関する第2部材22の下面22Bと基板Pの上面との距離は、射出面12と基板Pの上面との距離よりも小さい。図7に示す液体LQの速度勾配は、図6に示す液体LQの速度勾配よりも大きい。図7に示す液体LQの速度勾配とは、第2部材22の下面22Bと基板Pの上面との間における液体LQの速度勾配である。図6に示す液体LQの速度勾配とは、射出面12と基板Pの上面との間における液体LQの速度勾配である。
液体LQの運動量は、液体LQの質量(体積)と液体LQの速度(流速)との積である。したがって、図6及び図7のそれぞれに示す例において、基板Pの移動に基づく液浸空間LSの液体LQの運動量は、面積Aj、Asに相当する
すなわち、第2部材22が配置されることによって、基板Pの移動に基づく液浸空間LSの液体LQの運動量が大きくなることが抑制される。換言すれば、第2部材22が配置されることによって、移動する基板Pの影響を受ける液体LQの質量(体積)が抑制される。
図6に示す例においては、光路Kに対して−Y側の界面LGjに作用する液体LQの運動量は大きい。その結果、界面LGjにおける液体LQの表面張力によって液浸空間LSjを維持することが困難となり、液体LQが流出する可能性が高くなる。
一方、図7に示す例においては、光路Kに対して−Y側の界面LGsに作用する液体LQの運動量は小さい。そのため、界面LGsにおける液体LQの表面張力によって液浸空間LSが維持される。
また、本実施形態においては、液浸空間LSの液体LQの一部は空間SP1を流れ、液体LQの一部は空間SP2を流れる。これにより、圧損が高まることが抑制される。
また、本実施形態においては、液浸空間LSが形成されている状態で基板P(基板ステージ2)が終端光学素子13の光軸に垂直なXY平面内で移動する期間の少なくとも一部において、第2部材22が第1部材21から離れるように移動する。これにより、例えば液浸空間LSの液体LQ中に異物(気泡など)が存在しても、その異物に起因する露光不良の発生を抑制できる。
すなわち、第2部材22が第1部材21から離れるように移動し、下面22Bと基板P(物体)との距離が小さくなると、空間SP2における液体LQの速度勾配は、大きくなる。これにより、空間SP2の液体LQ中の異物(気泡など)に対して、下向きの力が作用する。すなわち、液浸空間LSが形成されている状態で、XY平面内において物体(基板Pなど)が移動すると、空間SP2の液体LQ中の異物は、物体に近づくように移動する。また、液体LQ中の異物の少なくとも一部は、物体に付着する。これにより、液体LQにおいて異物(気泡など)が浮遊し続けることが抑制される。また、基板Pの有効領域Caとは異なる、露光(デバイス製造)に寄与しない物体(物体の一部)に異物が付着することにより、基板Pの有効領域Caに異物(気泡など)が付着することが抑制される。したがって、露光不良の発生が抑制される。
例えば、XY平面内における一方向への物体の移動によって、物体上の所定領域が第1部材21及び第2部材22の少なくとも一方の下方で移動する場合、その物体がその一方向へ移動する期間の少なくとも一部において、第2部材22が第1部材21から離れるように移動してもよい。
所定領域は、液浸空間LSが形成されている状態で液浸部材5の下方で物体が移動した場合における、異物が発生する可能性が高い領域を含む。また、所定領域は、液浸空間LSが形成されている状態で液浸部材5の下方で物体が移動した場合における、気泡が発生する可能性が高い領域を含む。XY平面内における一方向への物体の移動によって、物体上の所定領域は、液浸空間LSの液体LQと接触しない非接触状態から液浸空間LSの液体LQと接触する接触状態に変化する可能性がある。その一方向への物体の移動によって、物体上の所定領域から異物(気泡を含む)が発生し、液浸空間LSの液体LQ中に混入する可能性がある。
制御装置6は、物体上の所定領域が液浸部材5の下方で移動する期間の少なくとも一部において、第1部材21から離れるように第2部材22を移動する。これにより、空間SP2における液体LQの速度勾配が大きくなり、所定領域から発生した異物(気泡など)は、物体に近づくように移動する。そのため、液体LQにおいて異物(気泡など)が浮遊し続けることが抑制される。基板Pの有効領域Ca以外の物体(物体の一部)に異物を付着させることにより、基板Pの有効領域Caに異物(気泡など)が付着することが抑制される。
図8は、本実施形態に係る露光装置EXの動作の一例を示す図である。図8は、物体の所定領域が基板Pとカバー部材Tとの間隙Gpを含む場合を示す。図8に示すように、例えば基板Pの露光において、液浸空間LSが形成されている状態で液浸部材5の下方で間隙Gpが移動する可能性がある。すなわち、基板Pを保持した基板ステージ2がXY平面内における一方向へ移動することによって、間隙Gpが第1部材21及び第2部材22の少なくとも一方の下方で移動する可能性がある。本実施形態においては、制御装置6は、間隙Gpが第1部材21及び第2部材22の少なくとも一方の下方で移動する期間の少なくとも一部において、第2部材22が第1部材21から離れるように第2部材22を移動する。
液浸空間LSが間隙Gp上を通過するように基板ステージ2が移動すると、その間隙Gpにより液浸空間LSの液体LQ中に気泡が発生する可能性がある。本実施形態においては、制御装置6は、間隙Gpが第1部材21及び第2部材22の少なくとも一方の下方で移動する期間の少なくとも一部において、第2部材22が第1部材21から離れるように第2部材22を移動する。これにより、間隙Gpにより液体LQ中に発生した気泡が液体LQにおいて浮遊し続けることが抑制される。
例えば図8に示すように、液浸空間LSがカバー部材T上に形成されている状態から基板P上に形成される状態へ変化するように基板ステージ2が−Y方向へ移動する場合、本実施形態においては、その移動の期間の少なくとも一部において、第2部材22が第1部材21から離れるように移動する。
図8に示す例では、液浸空間LSがカバー部材T上に形成されている状態から基板P上に形成される状態へ変化するように基板ステージ2が−Y方向へ移動する場合、その−Y方向への基板ステージ2の移動によって、Y軸方向に関する液浸空間LSの後側の気液界面LG1bが基板ステージ2上の間隙Gpを通過する。また、その−Y方向への基板ステージ2の移動によって、間隙Gpが液浸空間LSの液体LQと接触しない非接触状態(液浸空間LSがカバー部材T上に形成されている状態)から、液浸空間LSの液体LQと接触する接触状態(液浸空間LSが間隙Gp上に形成されている状態)に変化する。制御装置6は、その基板ステージ2が−Y方向へ移動する期間の少なくとも一部において、第2部材22が第1部材21から離れるように、その第2部材22を移動する。
これにより、液体LQの気泡は、カバー部材Tに近づくように移動する。また、液体LQの気泡は、基板Pの非有効領域Cbに近づくように移動する。また、気泡がカバー部材T及び基板Pの非有効領域Cbの少なくとも一方に付着した状態で、基板Pの有効領域Caに露光光ELが照射されることにより、有効領域Caにおける露光不良の発生が抑制される。
以上説明したように、本実施形態によれば、第2部材22が第1部材21から離れるように移動可能なので、異物(気泡を含む)が液体LQ中を浮遊し続けること、及び異物(気泡を含む)が基板Pの有効領域Caに付着することが抑制される。すなわち、第2部材22によって、液体LQ中の異物(気泡を含む)の位置が制御される。これにより、露光不良の発生及び不良デバイスの発生が抑制される。
また、本実施形態においては、終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材21は実質的に移動せず、第2部材22が移動する。これにより、終端光学素子13に作用する圧力が変動することが抑制される。
なお、図8では、基板ステージ2がY軸方向へ移動する場合を例として説明したが、基板ステージ2がY軸以外の方向(例えば、X軸方向、あるいはX軸とY軸と交差する方向)に移動する場合に、第2部材22を第1部材21から離れるように移動してもよいし、基板ステージ2が所定の方向(例えば、Y軸方向)に移動する場合だけ、第2部材22を第1部材21から離れるように移動してもよい。
なお、第2部材22がチルト可能(θX及びθY方向の少なくとも一方に移動可能)である場合には、第2部材22をチルトさせてもよい。例えば、図8において、間隙Gpに近い第2部材22のエッジ部分が第1部材21から離れるように、第2部材22をチルトさせてもよい。第2部材22がチルト可能である場合には、第2部材22がZ軸方向に移動可能でなくてもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図9は、本実施形態に係る露光装置EXの動作の一例を示す図である。本実施形態において、第2部材22は、例えば下面22Bと平行な面内において移動可能である。本実施形態において、第2部材22は、XY平面内において移動可能である。
本実施形態においては、液浸空間LSが形成されている状態で基板ステージ2が移動する期間の少なくとも一部において、第2部材22が基板ステージ2の移動方向とは逆方向へ移動可能である。
図9においては、基板ステージ2が−Y方向へ移動する期間の少なくとも一部において、第2部材22は+Y方向へ移動する。なお、第2部材22は、基板ステージ2の移動方向とは逆方向の成分を含む方向へ移動してもよい。すなわち、基板ステージ2が−Y方向へ移動する場合において、第2部材22は、+Y方向へ移動しつつ+X方向へ移動してもよいし、+Y方向へ移動しつつ−X方向へ移動してもよい。換言すれば、基板ステージ2がY軸と平行な方向へ移動する場合、第2部材22は、Y軸と交差する方向へ移動してもよい。
−Y方向への基板ステージ2の移動によって、基板ステージ2上の間隙Gpが第1部材21及び第2部材22の少なくとも一方の下方で移動する。−Y方向への基板ステージ2の移動によって、Y軸方向に関する液浸空間LSの後側の気液界面LG1bが間隙Gpを通過する。−Y方向への基板ステージ2の移動によって、基板ステージ2上の間隙Gpが液浸空間LSの液体LQと接触しない非接触状態から液浸空間LSの液体LQと接触する接触状態に変化する。制御装置6は、基板ステージ2−Y方向へ移動する期間の少なくとも一部において、基板ステージ2の移動方向とは逆方向に第2部材22を移動する。
基板ステージ2の移動方向とは逆方向に第2部材22が移動することによって、空間SP2における液体LQの速度勾配が大きくなる。これにより、異物(気泡を含む)が液体LQ中を浮遊し続けること、及び異物(気泡を含む)が基板Pの有効領域Caに付着することが抑制される。したがって、露光不良の発生及び不良デバイスの発生が抑制される。
なお、図9では、基板ステージ2がY軸方向へ移動する場合を例として説明したが、基板ステージ2がY軸以外の方向(例えば、X軸方向、あるいはX軸とY軸と交差する方向)に移動する場合に、第2部材22を基板ステージ2と逆の方向へ移動してもよい。
また、第2部材22がXY平面内の一つの方向(例えばY軸方向、あるいはX軸方向)だけに移動可能であってもよい。
また、本実施形態においても、第2部材22が、XY平面内だけでなく、Z軸方向、θX、θY、及びθZのうちの少なくとも1つの方向に移動可能であってもよい。
例えば、第2部材22がXY平面内での移動に加えて、Z軸方向に移動可能な場合には、第2部材22が、上述のように、XY平面内で移動している期間の少なくとも一部において、第2部材22を第1部材21から離れるようにZ軸方向に移動してもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図10は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。本実施形態において、液浸部材5Cは、第2部材22Cの下面22Bcに配置され、液体LQを供給する供給口34を有する。
供給口34は、空間SP2に面する。供給口34の周囲の少なくとも一部に下面22Bcが配置される。供給口34は、液浸空間LSが形成されている状態で、下面22Bc側の空間SP2に液体LQを供給可能である。
本実施形態において、供給口34は、下面22Bcと基板P(物体)との間に液浸空間LSの一部を形成している液体LQ中に、液体LQを供給する。供給口34は、液浸空間LSの液体LQで覆われている状態で、空間SP2に液体LQを供給する。すなわち、供給口34は、液浸空間LSの液体LQに浸かっている状態で、液体LQを供給可能である。換言すれば、供給口34は、液浸空間LSの内側に位置している状態で、液体LQを供給可能である。
本実施形態においては、液浸空間LSが形成されている状態で基板ステージ2が−Y方向へ移動する期間の少なくとも一部において、供給口34から液体LQが供給される。
−Y方向への基板ステージ2の移動によって、基板ステージ2上の間隙Gpが第1部材21及び第2部材22の少なくとも一方の下方で移動する。−Y方向への基板ステージ2の移動によって、Y軸方向に関する液浸空間LSの後側の気液界面LG1bが間隙Gpを通過する。−Y方向への基板ステージ2の移動によって、基板ステージ2上の間隙Gpが液浸空間LSの液体LQと接触しない非接触状態から液浸空間LSの液体LQと接触する接触状態に変化する。制御装置6は、基板ステージ2−Y方向へ移動する期間の少なくとも一部において、供給口34から液体LQを供給する。
なお、供給口34から常時液体を供給してもよい。
供給口34から空間SP2に液体LQが供給されることによって、空間SP2における液体LQの速度勾配が大きくなる。これにより、異物(気泡を含む)が液体LQ中を浮遊し続けること、及び異物(気泡を含む)が基板Pの有効領域Caに付着することが抑制される。したがって、露光不良の発生及び不良デバイスの発生が抑制される。
なお、図10では、基板ステージ2がY軸方向へ移動する場合を例として説明したが、基板ステージ2がY軸以外の方向(例えば、X軸方向、あるいはX軸とY軸と交差する方向)に移動する場合に、供給口34から液体LQを供給してもよいし、基板ステージ2が所定の方向(例えば、Y軸方向)に移動する場合だけ、供給口34から液体LQを供給してもよい。したがって、供給口24は、開口24を囲むように環状(ループ状)に配置されてもよいし、開口24の周囲の一部だけ(例えば、Y軸方向における開口24の両側だけ)に配置されてもよい。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図11は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。本実施形態において、液浸部材5Dは、第1部材21と第2部材22Dとを備える。本実施形態において、第2部材22Dの下面22Bdは、非平坦部を含む。本実施形態において、下面22Bdの非平坦部は、複数の凸部を含む。本実施形態において、凸部の表面は、曲面を含む。なお、凸部の表面の少なくとも一部が、平坦でもよい。なお、凸部が角部を有してもよい。
本実施形態において、下面22Bdは、光路Kに対する放射方向に関して複数の凸部を有する。なお、凸部は、光路Kに対する放射方向に関して1つだけ配置されてもよい。また、凸部は、開口24を囲むように配置されてもよい。また、凸部が、開口24の周囲において同心円状に配置されてもよい。
なお、下面22Bdの非平坦部が、凹部を含んでもよい。凹部は、光路Kに対する放射方向に関して複数配置されてもよいし、1つだけ配置されてもよい。また、凹部が開口24を囲むように配置されてもよい。また、凹部が、開口24の周囲において同心円状に配置されてもよい。
下面22Bdが非平坦部を含むことにより、例えば下面22Bdと物体の上面との距離が短い空間SP2の一部において、液体LQの速度勾配が大きくなる。これにより、異物(気泡を含む)が液体LQ中を浮遊し続けること、及び異物(気泡を含む)が基板Pの有効領域Caに付着することを抑制することができる。したがって、露光不良の発生及び不良デバイスの発生が抑制される。
なお、上述の第1〜第4実施形態の第2部材22の下面を、第5実施形態のような非平坦部にしてもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図12は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。本実施形態において、液浸部材5Eは、第1部材21と第2部材22Eとを備える。本実施形態において、第2部材22Eの下面22Beは、第1領域221eと、光路Kに対して第1領域221eの外側の第2領域222eとを含む。第1領域221eは、第2領域222eよりも高い位置に配置される。すなわち、第1領域221eは、第2領域222eよりも基板P(物体)から離れている。換言すれば、第1領域221eは、第2領域222eよりも+Z側に配置される。Z軸方向に関して、第1領域221eは、第2領域222eよりも終端光学素子13に近い。第1領域221eは、第2領域222eよりも、投影光学系PLの物体面側(マスクステージ1側)に配置される。
すなわち、第1領域221eと物体(基板Pなど)の上面との間隙の寸法は、第2領域222eと物体(基板Pなど)の上面との間隙の寸法よりも大きい。
本実施形態において、下面22Beの第1領域221eは、光路Kに対する放射方向に関して外側に向かって下方に傾斜する。第2領域222eは、実質的にXY平面と平行である。
本実施形態によれば、第1領域221eが第2領域222eよりも高い位置に配置されているので、光路Kを含む空間から下面22Be側の空間SP2に流入する液体LQの流速を高めることができる。すなわち、光路Kを含む空間から、第1領域221eと基板Pの上面との間に流入した液体LQの流速は、第2領域222eと基板Pの上面との間において高められる。そのため、間隙Gpなどで発生した気泡が、空間SP2の液体LQに混入しても、その気泡が光路K上に移動することが抑制される。
なお、本実施形態の第2部材22Eを、上述の第1、第2実施形態のように動かしてもよい。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図13は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。本実施形態において、液浸部材5Fは、第1部材21と第2部材22Fとを備える。本実施形態において、第2部材22Fの下面22Bfは、第1領域221fと、光路Kに対して第1領域221fの外側の第2領域222fとを含む。第2領域222fは、第1領域221fよりも高い位置に配置される。すなわち、第2領域222fは、第1領域221fよりも基板P(物体)から離れている。換言すれば、第2領域222fは、第1領域221fよりも+Z側に配置される。Z軸方向に関して、第2領域222fは、第1領域221fよりも終端光学素子13に近い。第2領域222fは、第1領域221fよりも、投影光学系PLの物体面側(マスクステージ1側)に配置される。
すなわち、第1領域221fと物体(基板Pなど)の上面との間隙の寸法は、第2領域222fと物体(基板Pなど)の上面との間隙の寸法よりも小さい。
本実施形態において、下面22Bfの第1領域221f及び第2領域222fは、実質的にXY平面と平行である。なお、第1領域221f及び第2領域222fの少なくとも一方が、XY平面に対して傾斜してもよい。
本実施形態によれば、第1領域221fが第2領域222fよりも低い位置に配置されているので、例えば図13に示す例において、基板ステージ2(基板P)が−Y方向に高速で移動しても、光路Kを液体LQで満たし続けることができる。すなわち、第1領域221fと物体の上面との間隙の寸法が小さいので、基板ステージ2(基板P)が−Y方向に高速で移動しても、射出面12と物体の上面との間の空間に気体部分が形成されることが抑制される。
なお、本実施形態の第2部材22Fを、上述の第1、第2実施形態のように動かしてもよい。
<第7実施形態>
次に、第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図14は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。図14において、液浸部材5Gは、第1部材21と第2部材22Gとを備えている。第2部材22Gは、上面22Ag側の空間SP1と下面22Bg側の空間SP2とを結ぶ開口35を有する。
開口35は、液体LQが通過可能である。開口35は、露光光ELが通過可能な開口24の周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、第2部材22Gは、第1部分と、光路Kに対して第1部分の外側の第2部分とを含む。開口35は、第1部分に配置される。
空間SP1の液体LQの少なくとも一部は、開口35を介して、空間SP2に流入する。これにより、空間SP2における液体LQの速度勾配が大きくなる。そのため、異物(気泡を含む)が液体LQ中を浮遊し続けること、及び異物(気泡を含む)が基板Pの有効領域Caに付着することが抑制される。したがって、露光不良の発生及び不良デバイスの発生が抑制される。
なお、本実施形態の第2部材22Gを、上述の第1、第2実施形態のように動かしてもよい。
<第8実施形態>
次に、第8実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図15は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。図15において、液浸部材5Hは、第1部材21Hと第2部材22とを備えている。
本実施形態において、第1部材21Hは、光路Kに対して液体回収部32Pの内側において空間SP1に面するように配置され、空間SP1の液体LQを回収可能な液体回収部36Pを有する。液体回収部36Pは、空間SP1に面する回収口36と回収口36から回収された液体LQが流れる流路を含む。回収口36は、第2部材22の上面22Aに対向するように配置される。回収口36は、空間SP1の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。なお、回収口36が、多孔部材の孔を含んでもよい。
液体回収部36Pは、基板Pの露光処理において、液浸空間LSの液体LQの少なくとも一部を回収可能である。液体回収部36Pは、計測部材Cを用いる計測処理において、液浸空間LSの液体LQの少なくとも一部を回収可能である。制御装置6は、供給口31からの液体LQの供給と並行して、液体回収部32Pからの液体LQの回収、及び液体回収部36Pからの液体LQの回収を実行可能である。
本実施形態においては、液体回収部36Pは、基板Pの露光処理において、液体LQを回収しない。また、液体回収部36Pは、計測部材Cを用いる計測処理において、液体LQを回収しない。制御装置6は、供給口31からの液体LQの供給を停止した状態で、液体回収部36Pからの液体LQの回収を実行する。
例えば、メンテナンス処理において、液浸空間LSの液体LQの全部を回収する場合、制御装置6は、供給口31からの液体LQの供給を停止した状態で、液体回収部36Pからの液体LQの回収を実行する。これにより、空間SP1の液体LQが液体回収部36Pから回収される。したがって、例えば空間SP1に液体LQが残留することに起因する生菌の発生を抑制することができる。また、液浸部材5の汚染を抑制することができる。
なお、本実施形態の第1部材21Hを、上述の第1〜第7実施形態に適用してもよい。
<第9実施形態>
次に、第9実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図16は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。図16において、液浸部材5Iは、第1部材21と、第2部材22と、第2部材22の少なくとも一部をリリース可能に保持する保持機構40とを備える。本実施形態において、保持機構40は、第1部材21の下面21Bに配置される。また、保持機構40は、第2部材22を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つのうちの少なくとも一つの方向に移動可能である。
本実施形態において、保持機構40は、下面41と、下面41に配置され、流体を吸引可能な吸引口42とを有する。下面41と第2部材22の上面22Aとが接触した状態で、吸引口42の吸引動作が実行されることによって、第2部材22が下面41に吸着保持される。また、吸引口42の吸引動作が解除されることによって、第2部材22は、下面41からリリースされる。
本実施形態によれば、第2部材22を交換可能である。また、保持機構40を用いて、第2部材22とは異なる部材を第1部材21に接続することができる。
なお、第2部材22の保持は、吸引(バキューム)に限られず、磁力(電磁力含む)を用いて第2部材22を保持してもよい。 なお、上述の第1〜第9実施形態の第2部材(22など)を、本実施形態のように、交換可能に保持してもよい。
<第10実施形態>
次に、第10実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図17は、本実施形態に係る液浸部材5Kの一例を模式的に示す図である。本実施形態において、液浸部材5Kは、支持部材SKと、支持部材SKに対して可動な第1部材21Kとを有する。本実施形態においては、液浸空間LSが形成されている状態で物体(基板Pなど)が終端光学素子13の光軸に垂直なXY平面内で移動する期間の少なくとも一部において、第1部材21Kは傾斜可能である。
第1部材21Kは、下面21Bkを有する。本実施形態においては、液浸部材5Kは、上述の実施形態のように第2部材を備えていない。また、液浸部材5Kは、第1部材21Kを移動可能な移動機構25Kを有する。移動機構25Kは、第1部材21Kの下面21BkがXY平面に対して傾斜するように、第1部材21Kを移動可能である。
例えば、−Y方向への基板ステージ2の移動によって、基板ステージ2上の間隙Gpが第1部材21Kの下方で移動する。−Y方向への基板ステージ2の移動によって、Y軸方向に関する液浸空間LSの後側の気液界面LG1bが間隙Gpを通過する。−Y方向への基板ステージ2の移動によって、基板ステージ2上の間隙Gpが液浸空間LSの液体LQと接触しない非接触状態から液浸空間LSの液体LQと接触する接触状態に変化する。制御装置6は、基板ステージ2−Y方向へ移動する期間の少なくとも一部において、第1部材21Kを傾斜させる。
本実施形態においては、例えば基板ステージ2(物体)が−Y方向へ移動するとき、制御装置6は、下面21Bkのうち光路Kに対して+Y側の領域が−Y側の領域よりも支持部材SKから離れるように、第1部材21Kを傾斜させる。これにより、光路Kに対して+Y側の空間SP2における液体LQの速度勾配が、−Y側の空間SP2における液体LQの速度勾配よりも大きくなる。また、基板ステージ2(物体)が+Y方向へ移動するとき、制御装置6は、下面21Bkのうち光路Kに対して−Y側の領域が+Y側の領域よりも支持部材SKから離れるように、第1部材21Kを傾斜させる。これにより、光路Kに対して−Y側の空間SP2における液体LQの速度勾配が、+Y側の空間SP2における液体LQの速度勾配よりも大きくなる。
すなわち、本実施形態においては、第1部材21Kは、終端光学素子13の光軸に垂直なXY平面内における物体の移動方向において、下面21Bkの前側部分の物体との距離が下面21Bkの後側部分と物体との距離よりも大きくなるように傾斜する。
本実施形態においては、第1部材21Kが傾斜することによって、空間SP2における液体LQの速度勾配が大きくなる。これにより、異物(気泡を含む)が液体LQ中を浮遊し続けること、及び異物(気泡を含む)が基板Pの有効領域Caに付着することを抑制することができる。したがって、露光不良の発生及び不良デバイスの発生が抑制される。
なお、第10実施形態の液浸部材5Kが第2部材22を備えて、第1部材21Kとともに、傾斜してもよい。
また、上述の各実施形態において、第2部材(22など)の外形は、円形であるが、多角形、あるいは楕円形などの他の形状であってもよい。
また、上述の各実施形態においては、第2部材(22など)の上面(22Aなど)の外縁のすべてが下面33B(液体回収部32P)の一部と対向しているが、第2部材(22など)の上面(22Aなど)の外縁の一部だけが、下面33B(液体回収部32P)の一部と対向していてもよいし、第2部材(22など)の上面(22Aなど)が下面33B(液体回収部32P)と対向しなくてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、液浸空間LSの界面LG1bがカバー部材T上から間隙Gpを超えて、基板P上に移動する場合を例にとって説明したが、これに限られないことは言うまでもない。例えば、図19に示すように、液浸空間LSの界面LG1bが基板P上から、間隙Gpを超えて、カバー部材T上に移動する場合に、上述の各実施形態を適用できる。
また、基板Pの周囲の間隙Gpに限られず、他の間隙が液浸空間LSに対して移動する場合にも、上述の各実施形態を適用できる。
また、間隙に限らず、異物(気泡を含む)を誘発するような部分が液浸空間LSに対して移動する場合にも、上述の各実施形態を適用できる。
なお、上述したように、制御装置6は、CPU等を含むコンピュータシステムを含む。また、制御装置6は、コンピュータシステムと外部装置との通信を実行可能なインターフェースを含む。記憶装置7は、例えばRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記録媒体を含む。記憶装置7には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされ、露光装置EXを制御するためのプログラムが記憶されている。
なお、制御装置6に、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいは外部装置からのデータを入力可能な通信装置等を含む。また、液晶表示ディスプレイ等の表示装置が設けられていてもよい。
記憶装置7に記録されているプログラムを含む各種情報は、制御装置(コンピュータシステム)6が読み取り可能である。記憶装置7には、制御装置6に、露光光が射出される光学部材の射出面と基板との間の露光光の光路に満たされた第1液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置の制御を実行させるプログラムが記録されている。
記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、 光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、第1部材から離れるように移動することと、を実行させてもよい。
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、液浸空間が形成されている状態で物体が光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、物体の移動方向とは逆方向に移動することと、を実行させてもよい。
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、液浸空間が形成されている状態で物体が光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、傾斜させることと、を実行させてもよい。
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面と間隙を介して対向する第2上面と物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材の第2下面に配置された第1供給口から液体を供給することと、を実行させてもよい。
記憶装置7に記憶されているプログラムが制御装置6に読み込まれることにより、基板ステージ2、計測ステージ3、及び液浸部材5等、露光装置EXの各種の装置が協働して、液浸空間LS1、LS2が形成された状態で、基板Pの液浸露光等、各種の処理を実行する。
なお、上述の第1〜第10実施形態を適宜組み合わせることができる。例えば、基板ステージ2が−Y方向へ移動する期間の少なくとも一部において、第2部材22が第1部材21から離れるように−Z方向に移動しつつ、+Y方向に移動してもよい。また、第2部材22が傾斜しつつ、+Y方向に移動してもよい。また、供給口34を有する第2部材22Cが、第1部材21から離れるように移動してもよいし、傾斜してもよいし、物体の移動方向(−Y方向)とは逆方向(+Y方向)に移動してもよい。また、非平坦部を有する第2部材22Dが、第1部材21から離れるように移動してもよいし、傾斜してもよいし、物体の移動方向とは逆方向に移動してもよい。また、非平坦部を有する第2部材22Dが液体LQを供給する供給口34を有してもよい。また、供給口34及び非平坦部の少なくとも一方を有する第2部材が、第1領域と、光路Kに対して第1領域の外側に配置され、第1領域よりも低い位置に配置される第2領域とを含む下面を有してもよい。また、供給口34及び非平坦部の少なくとも一方を有する第2部材が、第1領域と、光路Kに対して第1領域の外側に配置され、第1領域よりも高い位置に配置される第2領域とを含む下面を有してもよい。また、上述の第2部材が、空間SP1と空間SP2とを結ぶ開口35を有してもよい。また、上述の第2部材が、第1部材に対してリリース可能に保持されてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子13の射出面12側(像面側)の光路Kが液体LQで満たされているが、投影光学系PLが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているような、終端光学素子13の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、液体LQが水であることとしたが、水以外の液体でもよい。液体LQは、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)等の膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQが、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等のフッ素系液体でもよい。また、液体LQが、種々の流体、例えば、超臨界流体でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、基板Pが、半導体デバイス製造用の半導体ウエハを含むこととしたが、例えばディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等を含んでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、露光装置EXが、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)であることとしたが、例えばマスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)でもよい。
また、露光装置EXが、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光する露光装置(スティッチ方式の一括露光装置)でもよい。また、スティッチ方式の露光装置が、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置でもよい。
また、露光装置EXが、例えば米国特許第6611316号に開示されているような、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置でもよい。また、露光装置EXが、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナー等でもよい。
また、上述の各実施形態において、露光装置EXが、米国特許第6341007号、米国特許第6208407号、米国特許第6262796号等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置でもよい。例えば、図18に示すように、露光装置EXが2つの基板ステージ2001、2002を備えている場合、終端光学素子13の下方で移動可能な物体は、一方の基板ステージ、その一方の基板ステージの第1保持部に保持された基板、他方の基板ステージ、及びその他方の基板ステージの第1保持部に保持された基板の少なくとも一つを含む。
また、露光装置EXが、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置でもよい。
なお、露光装置EXが、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置でもよいし、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置でもよいし、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置でもよい。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているような、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしてもよい。
上述の各実施形態においては、露光装置EXが投影光学系PLを備えることとしたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に、上述の各実施形態で説明した構成要素を適用してもよい。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成し、その光学部材を介して、基板に露光光を照射する露光装置及び露光方法に、上述の各実施形態で説明した構成要素を適用してもよい。
また、露光装置EXが、例えば国際公開第2001/035168号に開示されているような、干渉縞を基板P上に形成することによって基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)でもよい。
上述の実施形態の露光装置EXは、上述の各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了した後、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図20に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、3…計測ステージ、5…液浸部材、6…制御装置、7…記憶装置、12…射出面、13…終端光学素子、21…第1部材、21A…上面、21B…下面、22…第2部材、22A…上面、22B…下面、23…開口、24…開口、31…供給口、32P…液体回収部、34…供給口、35…開口、36P…液体回収部、40…保持機構、EL…露光光、EX…露光装置、IL…照明系、K…光路、LQ…液体、P…基板、T…カバー部材。

Claims (61)

  1. 光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、前記光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、
    前記第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有し、前記第1部材に対して可動な第2部材と、を備え、
    前記第2部材が、前記第1部材から離れるように移動可能である液浸部材。
  2. 前記第2部材は、前記物体と前記第2下面との距離が小さくなるように移動可能である請求項1又は2に記載の液浸部材。
  3. 前記液浸空間が形成されている状態で前記物体が前記光学部材の光軸に垂直な第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が前記第1部材から離れるように移動する請求項1又は2に記載の液浸部材。
  4. 前記第1方向への前記物体の移動によって、前記物体上の所定領域が前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方の下方で移動し、
    前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が前記第1部材から離れるように移動する請求項3に記載の液浸部材。
  5. 前記第1方向への前記物体の移動によって、前記第1方向に関する前記液浸空間の後側の気液界面が前記物体上の前記所定領域を通過し、
    前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が前記第1部材から離れるように移動する請求項4に記載の液浸部材。
  6. 前記第1方向への前記物体の移動によって、前記物体上の前記所定領域が前記液浸空間の液体と接触しない非接触状態から前記液浸空間の液体と接触する接触状態に変化し、
    前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が前記第1部材から離れるように移動する請求項4又は5に記載の液浸部材。
  7. 前記所定領域は、前記物体の間隙を含む請求項4〜6のいずれか一項に記載の液浸部材。
  8. 前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が前記第1方向とは逆方向に移動可能である請求項3〜7のいずれか一項に記載の液浸部材。
  9. 光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、前記光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、
    前記第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有し、前記第1部材に対して可動な第2部材と、を備え、
    前記液浸空間が形成されている状態で前記物体が前記光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が前記物体の移動方向とは逆方向に移動可能である液浸部材。
  10. 前記光学部材の光軸に垂直な第1方向への前記物体の移動によって、前記物体上の所定領域が前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方の下方で移動し、
    前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が前記第1方向とは逆方向に移動する請求項8又は9に記載の液浸部材。
  11. 前記第1方向への前記物体の移動によって、前記第1方向に関する前記液浸空間の後側の気液界面が前記物体上の前記所定領域を通過し、
    前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が前記第1方向とは逆方向に移動する請求項10に記載の液浸部材。
  12. 前記第1方向への前記物体の移動によって、前記物体上の前記所定領域が前記液浸空間の液体と接触しない非接触状態から前記液浸空間の液体と接触する接触状態に変化し、
    前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が前記第1方向とは逆方向に移動する請求項10又は11に記載の液浸部材。
  13. 前記所定領域は、前記物体の間隙を含む請求項10〜12のいずれか一項に記載の液浸部材。
  14. 前記第1方向に前記物体が移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が傾斜可能である請求項10〜13のいずれか一項に記載の液浸部材
  15. 光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、前記光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、
    前記第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有し、前記第1部材に対して可動な第2部材と、を備え、
    前記液浸空間が形成されている状態で前記物体が前記光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が傾斜可能である液浸部材。
  16. 前記光学部材の光軸に垂直な第1方向への前記物体の移動によって、前記物体上の所定領域が前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方の下方で移動し、
    前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が傾斜する請求項14又は15に記載の液浸部材。
  17. 前記第1方向への前記物体の移動によって、前記第1方向に関する前記液浸空間の後側の気液界面が前記物体上の前記所定領域を通過し、
    前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が傾斜する請求項16に記載の液浸部材。
  18. 前記第1方向への前記物体の移動によって、前記物体上の前記所定領域が前記液浸空間の液体と接触しない非接触状態から前記液浸空間の液体と接触する接触状態に変化し、
    前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第2部材が傾斜する請求項16〜18のいずれか一項に記載の液浸部材。
  19. 前記光学部材の光軸に垂直な第1方向において、前記第2下面の前側部分の前記物体との距離が前記第2下面の後側部分と前記物体との距離よりも大きくなるように、前記第2部材が傾斜する請求項14〜18のいずれか一項に記載の液浸部材。
  20. 前記所定領域は、前記物体の間隙を含む請求項16〜19のいずれか一項に記載の液浸部材。
  21. 前記第2下面に配置され、液体を供給する第1供給口を有する請求項1〜20のいずれか一項に記載の液浸部材。
  22. 前記第2下面は、非平坦部を有する請求項1〜21のいずれか一項に記載の液浸部材。
  23. 前記第2下面は、前記第1領域と、前記光路に対して前記第1領域の外側の第2領域とを含み、
    前記第1領域は、前記第2領域よりも高い位置に配置される請求項1〜22のいずれか一項に記載の液浸部材。
  24. 前記第2下面は、前記第1領域と、前記光路に対して前記第1領域の外側の第2領域とを含み、
    前記第2領域は、前記第1領域よりも高い位置に配置される請求項1〜22のいずれか一項に記載の液浸部材。
  25. 前記第2部材は、前記第2上面側の空間と前記第2下面側の空間とを結ぶ開口を有する請求項1〜24のいずれか一項に記載の液浸部材。
  26. 前記第2部材の少なくとも一部をリリース可能に保持する保持機構を更に備える請求項1〜25のいずれか一項に記載の液浸部材。
  27. 光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、前記光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、
    前記第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材と、
    前記第2下面に配置され、液体を供給する第1供給口と、を備える液浸部材。
  28. 前記第1供給口は、前記液浸空間が形成されている状態で、前記第2下面側の空間に液体を供給可能である請求項27に記載の液浸部材。
  29. 前記第1供給口は、前記第2下面と前記物体との間に前記液浸空間の一部を形成している液体中に液体を供給する請求項28に記載の液浸部材。
  30. 前記液浸空間が形成されている状態で前記物体が前記光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第1供給口から液体が供給される請求項21、27〜29のいずれか一項に記載の液浸部材。
  31. 前記光学部材の光軸に垂直な第1方向への前記物体の移動によって、前記物体上の所定領域が前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の下方で移動し、
    前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第1供給口から液体が供給される請求項30に記載の液浸部材。
  32. 前記第1方向への前記物体の移動によって、前記第1方向に関する前記液浸空間の後側の気液界面が前記物体上の前記所定領域を通過し、
    前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第1供給口から液体が供給される請求項31に記載の液浸部材。
  33. 前記第1方向への前記物体の移動によって、前記物体上の前記所定領域が前記液浸空間の液体と接触しない非接触状態から前記液浸空間の液体と接触する接触状態に変化し、
    前記物体が前記第1方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記第1供給口から液体が供給される請求項31又は32に記載の液浸部材。
  34. 前記所定領域は、前記物体の間隙を含む請求項31〜33のいずれか一項に記載の液浸部材。
  35. 前記第2下面は、非平坦部を有する請求項27〜34のいずれか一項に記載の液浸部材。
  36. 光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、前記光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、
    前記第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材と、を備え、
    前記第2下面は、非平坦部を含む液浸部材。
  37. 前記非平坦部は、複数の凸部を含む請求項22、35、36のいずれか一項に記載の液浸部材。
  38. 前記第2下面は、前記第1領域と、前記光路に対して前記第1領域の外側の第2領域とを含み、
    前記第1領域は、前記第2領域よりも高い位置に配置される請求項27〜37のいずれか一項に記載の液浸部材。
  39. 光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、前記光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、
    前記第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材と、を備え、
    前記第2下面は、前記第1領域と、前記光路に対して前記第1領域の外側の第2領域とを含み、
    前記第1領域は、前記第2領域よりも高い位置に配置される液浸部材。
  40. 光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、前記光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、
    前記第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有し、前記第1部材に対して可動な第2部材と、を備え、
    前記第2下面は、前記第1領域と、前記光路に対して前記第1領域の外側の第2領域とを含み、
    前記第2領域は、前記第1領域よりも高い位置に配置されている液浸部材。
  41. 前記第2部材は、前記第2上面側の空間と前記第2下面側の空間とを結ぶ開口を有する請求項27〜40のいずれか一項に記載の液浸部材。
  42. 光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、前記光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、
    前記第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材と、を備え、
    前記第2部材は、前記第2上面側の空間と前記第2下面側の空間とを結ぶ開口を有する液浸部材。
  43. 前記第2部材の少なくとも一部をリリース可能に保持する保持機構を有する請求項1〜42のいずれか一項に記載の液浸部材。
  44. 光学部材の射出面から射出される露光光の光路が液体で満たされるように、前記光学部材の下方で移動可能な物体上に液浸空間を形成する液浸部材であって、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材と、
    前記第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材と、
    前記第2部材の少なくとも一部をリリース可能に保持する保持機構と、を備える液浸部材。
  45. 前記液浸空間が形成されている状態で、前記第2部材は、前記第1部材に対して移動可能である請求項1〜44のいずれか一項に記載の液浸部材。
  46. 前記第1部材は、液体を供給する第2供給口を有する請求項1〜45のいずれか一項に記載の液浸部材。
  47. 前記第1部材は、前記光路に対して前記第1下面の外側に配置され、前記第2上面側の第1空間及び前記第2下面側の第2空間の少なくとも一方から前記液浸空間の液体を回収可能な第1液体回収部を有する請求項1〜46のいずれか一項に記載の液浸部材。
  48. 前記第1部材は、前記光路に対して前記第1液体回収部の内側において前記第1空間に面するように配置され、前記第1空間の液体を回収可能な第2液体回収部を有する請求項47に記載の液浸部材。
  49. 前記第2部材は、前記露光光が通過する開口を有する請求項1〜48のいずれか一項に記載の液浸部材。
  50. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    請求項1〜49のいずれか一項に記載の液浸部材を備える露光装置。
  51. 請求項50に記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  52. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    光学部材の射出面から射出される前記露光光の光路が前記液体で満たされるように液浸空間を形成することと、
    前記液浸空間の液体を介して前記射出面から射出される前記露光光で前記基板を露光することと、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、前記第1部材から離れるように移動することと、を含む露光方法。
  53. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    光学部材の射出面から射出される前記露光光の光路が前記液体で満たされるように液浸空間を形成することと、
    前記液浸空間の液体を介して前記射出面から射出される前記露光光で前記基板を露光することと、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、前記液浸空間が形成されている状態で前記物体が前記光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記物体の移動方向とは逆方向に移動することと、を含む露光方法。
  54. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    光学部材の射出面から射出される前記露光光の光路が前記液体で満たされるように液浸空間を形成することと、
    前記液浸空間の液体を介して前記射出面から射出される前記露光光で前記基板を露光することと、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、前記液浸空間が形成されている状態で前記物体が前記光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、傾斜させることと、を含む露光方法。
  55. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    光学部材の射出面から射出される前記露光光の光路が前記液体で満たされるように液浸空間を形成することと、
    前記液浸空間の液体を介して前記射出面から射出される前記露光光で前記基板を露光することと、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材の前記第2下面に配置された第1供給口から液体を供給することと、を含む露光方法。
  56. 請求項52〜55のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  57. コンピュータに、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、
    光学部材の射出面から射出される前記露光光の光路が前記液体で満たされるように液浸空間を形成することと、
    前記液浸空間の液体を介して前記射出面から射出される前記露光光で前記基板を露光することと、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、前記第1部材から離れるように移動することと、を実行させるプログラム。
  58. コンピュータに、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、
    光学部材の射出面から射出される前記露光光の光路が前記液体で満たされるように液浸空間を形成することと、
    前記液浸空間の液体を介して前記射出面から射出される前記露光光で前記基板を露光することと、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、前記液浸空間が形成されている状態で前記物体が前記光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、前記物体の移動方向とは逆方向に移動することと、を実行させるプログラム。
  59. コンピュータに、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、
    光学部材の射出面から射出される前記露光光の光路が前記液体で満たされるように液浸空間を形成することと、
    前記液浸空間の液体を介して前記射出面から射出される前記露光光で前記基板を露光することと、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材を、前記液浸空間が形成されている状態で前記物体が前記光学部材の光軸に垂直な方向へ移動する期間の少なくとも一部において、傾斜させることと、を実行させるプログラム。
  60. コンピュータに、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、
    光学部材の射出面から射出される前記露光光の光路が前記液体で満たされるように液浸空間を形成することと、
    前記液浸空間の液体を介して前記射出面から射出される前記露光光で前記基板を露光することと、
    前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、第1下面を有する第1部材の下方において前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1下面と間隙を介して対向する第2上面と前記物体が対向可能な第2下面とを有する第2部材の前記第2下面に配置された第1供給口から液体を供給することと、を実行させるプログラム。
  61. 請求項57〜60のいずれか一項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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