JP2013234987A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒータレスのガスセンサにおいて、比較的短時間でガス濃度の検出を開始することのできるガスセンサを提供する。
【解決手段】軸線方向に伸びる有底筒状の固体電解質体からなる素子本体と、素子本体の内側及び外側に設けられた内側電極及び外側電極とを備えたガス検出素子と、ガス検出素子を先端部が突出した状態で、軸線方向に貫通する孔内に保持する筒状のケーシングと、ケーシングに配設され、ガス検出素子の先端部の周囲を囲むプロテクタを具備し、加熱用ヒータを具備しないガスセンサであって、プロテクタは、側壁部及び底部を有する一重の筒状体からなり、筒状体の側壁部には、軸線方向先端側であり、且つ周方向に沿って複数個配設された先端側開口と、先端側開口よりも軸線方向後端側であり、且つ周方向に沿って複数個配設された後端側開口を具備し、後端側開口は、先端側開口のそれぞれの開口面積よりも開口面積が大きい第1後端側開口を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば自動二輪車(オートバイ)等に搭載されて、その内燃機関(エンジン)から排出される排気ガス中の特定ガス、例えば酸素ガス等の濃度を検出するガスセンサに関する。
従来から、例えば自動二輪車(オートバイ)等に搭載されて、その内燃機関(エンジン)から排出される排気ガス中の特定ガス、例えば酸素ガス等の濃度を検出するガスセンサが知られている。このようなガスセンサでは、ガス濃度を検出するためのガスセンサ素子に、例えば、Y又はCaOを固溶させたZrO等からなる固体電解質体を用いており、ガス濃度を検出するためには、ガスセンサ素子を所定温度以上に加熱する必要がある。このため、ガスセンサ素子を加熱する加熱用ヒータを用いたものが多いが、コスト削減のために加熱用ヒータを具備せず、排気ガスによって検出可能温度となるまでガスセンサ素子を加熱するヒータレスのガスセンサも用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1にも記載されているように、ガスセンサは、ガスセンサ素子のガス検知部位(先端側)を突出した状態で、ガスセンサ素子を保持するケーシングと、ケーシングに固定され、ガスセンサ素子のガス検知部位をプロテクタで覆う構造とすることが一般的である。
特開2010−261880号公報
上記のように、加熱用ヒータを具備しないヒータレスのガスセンサでは、内燃機関(エンジン)から排出される排気ガスの熱によってガスセンサ素子を加熱するため、加熱用ヒータを具備するガスセンサに比べて、ガス濃度を検知可能となるまでに比較的長い時間がかかり、この時間を短縮することが望まれている。
本発明は、上記従来の事情に対処してなされたものであり、ヒータレスのガスセンサにおいて、比較的短時間でガス濃度の検出を開始することのできるガスセンサを提供することを目的とする。
本発明のガスセンサの一態様は、軸線方向に伸びると共に、先端側が閉塞された有底筒状の固体電解質体からなる素子本体と、該素子本体の内側及び外側に設けられた内側電極及び外側電極と、を備えたガス検出素子と、前記ガス検出素子を、当該ガス検出素子の先端部が突出した状態で、前記軸線方向に貫通する貫通孔内に保持する筒状のケーシングと、前記ケーシングに配設され、前記ガス検出素子の先端部の周囲を囲むプロテクタを具備し、加熱用ヒータを具備しないガスセンサであって、前記プロテクタは、側壁部及び底部を有する一重の筒状体からなり、当該筒状体の前記側壁部には、軸線方向先端側であり、且つ周方向に沿って複数個配設された先端側開口と、当該先端側開口よりも軸線方向後端側であり、且つ周方向に沿って複数個配設された後端側開口を具備し、前記後端側開口は、前記先端側開口のそれぞれの開口面積よりも開口面積が大きい第1後端側開口を有することを特徴とする。
本発明のガスセンサは、有底筒状のガス検出素子の周囲を囲むプロテクタの側壁部に設けられた後端側開口に、先端側開口のそれぞれの開口面積よりも開口面積が大きい第1後端側開口を有した構成とされている。プロテクタの軸線方向先端側に設けられた先端側開口を通過する排気ガスと、先端側開口よりも軸線方向後端側に設けられた後端側開口を通過する排気ガスとでは、先端側開口を通過する排気ガスの方が、温度が高い。これは、排気ガスが流れる流路に対して、ガスセンサの先端側を内部に配置するように取り付けるため、流路の内側を通る排気ガスが先端側開口を通過するからである。これに対し、後端側開口に開口面積が相対的に大きい第1後端側開口を設けることで、ガス検出素子にさらされる排気ガスの容量を増加させることができる。その結果、第1後端側開口を通過する排気ガスの温度が低くても、ガス検出素子に加わる熱量を増やすことができ、ガス検出素子を良好に加熱することができる。
また、有底筒状のガス検出素子は、後端側開口に対向する部位(以下、後端側部位とする)の体積が、先端側開口に対向する部位の体積よりも大きいことが多い。そのため、後端側開口に第1後端側開口を設けることで、第1後端側開口を通過する排気ガスの容量を増加させることができ、ガス検出素子の後端側部位に接触する排気ガスの容量を増加させることができる。よって、体積が大きいガス検出素子の後端側部位であっても、ガス検出素子に加わる熱量を増やすことができ、ガス検出素子を良好に加熱することができる。
なお、プロテクタを設けずに、ガス検出素子の先端部全体を外部に露出させることで、ガス検出素子がプロテクタにより覆われている場合に比べて、よりガス検出素子への熱量を増やすことができ、ガス検出素子を良好に加熱できると一見すると思われる。しかしながら、排気ガスの流れる流路は、一定方向に排気ガスが流れている(つまり、上流側から下流側に向かって流れている)。このため、先端部全体を外部に露出したガス検出素子の場合、上流側を向く部位では、ガス検出素子に排気ガスを曝すことができ、排気ガスの熱量を増やすことができるものの、下流側を向く部位では、ガス検出素子に排気ガスを曝すことができず、殆どの排気ガスの熱量を得ることができない。そのため、ガス検出素子全体の熱量としては、増加させることが困難である。これに対し、ガス検出素子の先端側をプロテクタで覆うと共に、側壁部に周方向に沿って複数個、先端側開口、及び後端側開口を配設することで、上流側からプロテクタ内に入り込んだ排気ガスが、プロテクタ内において下流側にまで廻り込み、ガス検出素子の検出部を周方向から全体的に排気ガスによって加熱することが可能となる。この結果、より短時間でガス検出素子の検出部の温度を排気ガスによって上昇させることができ、より短時間でガス濃度の検出を開始することができる。
また、プロテクタの先端側開口と後端側開口とをつなげて単一の開口を設けることで、この開口を通過する排気ガスの容量を増加させることができ、ガス検出素子に加わる熱量をより増やすことができ、ガス検出素子を良好に加熱することができると一見すると思われる。しかしながら、このような開口を有するプロテクタであっても、プロテクタ内において下流側まで廻り込むことが困難となり、下流側を向く部位では、ガス検出素子に排気ガスを曝すことが困難となる。これに対し、プロテクタに先端側開口と後端側開口を分けて配設することで、上流側からプロテクタ内に入り込んだ排気ガスが、プロテクタ内において下流側にまで廻り込み、ガス検出素子の検出部を周方向から全体的に排気ガスによって加熱することが可能となる。この結果、より短時間でガス検出素子の検出部の温度を排気ガスによって上昇させることができ、より短時間でガス濃度の検出を開始することができる。
なお、先端側開口と後端側開口とは、先端側開口が後端側開口に比べて側壁部の軸線方向先端側に設けられており、後端側開口が先端側開口に比べて側壁部の軸線方向後端側に設けられていればよく、先端側開口及び後端側開口以外に側壁部に開口を有しても良い。また、第1後端側開口は、後端側開口のうち、1個でも複数個でも良いが、複数個設けられていることが好ましい。
また、プロテクタを軸線方向に垂直な径方向にて見たとき、ガス検出素子の先端部は、先端側開口及び第1後端側開口に露出していることが好ましい。これにより、先端側開口及び第1後端側開口のそれぞれを通過する排気ガスを、効率よくガス検出素子にさらすことができる。その結果、ガス検出素子に加わる熱量を効率良く増やすことができ、ガス検出素子を効率良く加熱することができる。
また、後端側開口の総開口面積は、先端側開口の総開口面積よりも大きいことが好ましい。これにより、ガス検出素子に加わる熱量をより増やすことができ、ガス検出素子をより良好に加熱することができる。
上記第1後端側開口は、例えば、軸線方向に沿う方向を長軸とする長穴状に形成されていることが好ましい。これにより、より多くの第1後端側開口を周方向に沿って形成することができ、ガスセンサの取付方向(周方向)の影響による、第1後端側開口を通過する排気ガスの容量のばらつきを抑制できる。
なお、第1後端側開口が、軸線方向に沿う方向を長軸とする長穴状に形成されている場合には、第1後端側開口の長軸長さは、ガス検出素子の先端部の軸線方向長さの50%以上であることが好ましい。これにより、第1後端側開口を通過し、ガス検出素子にさらされる排気ガスの容量を増加させることができる。その結果、第1後端側開口を通過する排気ガスの温度が低く、且つ、ガス検出素子の後端側部位の体積が大きくても、ガス検出素子に加わる熱量を増やすことができ、ガス検出素子を良好に加熱することができる。
また、上記第1後端側開口は、例えば、プロテクタの周方向に沿う方向を長軸とする長穴状に形成されていることが好ましい。これにより、第1後端側開口を流路の上流側に向けた際に、より多くの排気ガスが第1後端側開口を通過することが可能となる。その結果、ガス検出素子を良好に加熱することができる。
なお、第1後端側開口が、プロテクタの周方向に沿う方向を長軸とする長穴状に形成されている場合には、第1後端側開口の長軸長さは、第1後端側開口に対応するガス検出素子の部位の最大幅よりも大きいことが好ましい。これにより、第1後端側開口を通過し、ガス検出素子にさらされる排気ガスの容量を増加させることができる。その結果、第1後端側開口を通過する排気ガスの温度が低く、且つ、ガス検出素子の後端側部位の体積が大きくても、ガス検出素子に加わる熱量を増やすことができ、ガス検出素子を良好に加熱することができる。
また、上記先端側開口は、例えば、円形状等とすることができる。また、第1後端側開口は、プロテクタの周方向に沿って等間隔で複数配設した構成とすることが好ましい。これにより、プロテクタの周方向にわたって、ガス検出素子に接触する排気ガスの容量を増加させることができる。その結果、ガス検出素子への熱量をさらに増やすことができ、ガス検出素子をさらに良好に加熱することができる。
また、上記プロテクタは、貫通孔内にてケーシングと係合すると共に、ケーシングの先端側内面とガス検出素子の外周面との間を延出してなり、第1後端側開口の一部が、ケーシングの内部に入り込むように配設されることが好ましい。これによって、ケーシングから露出するガス検出素子全体を排気ガスに良好に曝すことができ、ガス検出素子をさらに良好に加熱することができる。
さらに、ガスセンサを流路に取り付けた際に、先端側開口及び第1後端側開口は、流路の上流側に向くプロテクタの側壁部の少なくとも一部に設けられていることが好ましい。これにより、流路を流れる排気ガスを、効率よく先端側開口及び第1後端側開口のそれぞれに通過させることができる。その結果、ガス検出素子に加わる熱量を効率良く増やすことができ、ガス検出素子を効率良く加熱することができる。なお、先端側開口及び第1後端側開口の一部が上流側に向くプロテクタの側壁部に設けられていても良く、先端側開口及び第1後端側開口の全体が上流側に向くプロテクタの側壁部に設けられていても良い、
本発明によれば、ヒータレスのガスセンサにおいて、比較的短時間でガス濃度の検出を開始することのできるガスセンサを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るガスセンサの縦断面構成を示す図。 図1のガスセンサのガス検出素子の構成を示す図。 図1のガスセンサの要部構成を示す図。 図1のガスセンサの要部構成を示す図。 本発明の第2実施形態に係るガスセンサの縦断面構成を示す図。 図5のガスセンサの要部構成を示す図。 図5のガスセンサの要部構成を示す図。 センサ出力波形の例を示すグラフ。 ライトオフタイムの測定結果を示すグラフ。 温度測定結果を示すグラフ。 温度測定箇所を説明するための図。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明では、軸線Oに沿う方向のうち、プロテクタ15の取り付けられる側を先端側とし、この逆側を後端側として説明する。
図1に示すように、第1実施形態のガスセンサ1は、ガス検出素子3、セパレータ5、閉塞部材7、端子金具9、リード線11を備えるとともに、それらの周囲を覆う様に、主体金具13、プロテクタ15、外筒17、保護外筒19等を備えている。なお、主体金具13及び外筒17からケーシング20が構成されている。
また、このガスセンサ1は、ガス検出素子3を加熱するためのヒータを備えていない、いわゆるヒータレスのセンサであり、排気ガスの熱を利用してガス検出素子3を活性化して酸素濃度を計測するものである。
図2に示すように、ガスセンサ1の構成のうち、ガス検出素子3は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質からなり、先端部25が閉塞された有底で、軸線O方向に延びる円筒状の素子本体21を有している。この素子本体21の外周には、径方向外向きに突出した鍔部23が周設されている。
素子本体21を構成する固体電解質としては、例えば、Y又はCaOを固溶させたZrOが代表的なものであるが、それ以外のアルカリ土類金属または希土類金属の酸化物とZrOとの固溶体を使用してもよい。さらには、これにHfOが含有されていてもよい。
このガス検出素子3の先端部25の一部には、素子本体21の外周面に外側電極27が形成されている。この外側電極27は、PtあるいはPt合金を多孔質に形成したものである。この外側電極27から軸線方向後端側に延在するように、Pt等からなる縦リード部29が形成されており、この縦リード部29は、鍔部23の下面側(図2中下方側)に環状に形成されたPt等からなる環状リード部31に接続されている。一方、素子本体21の内周面には、内側電極33が形成されている。この内側電極33も、PtあるいはPt合金を多孔質に形成したものである。
図1に戻り、セパレータ5は、電気絶縁性を有する例えばアルミナ等からなる円筒形状の部材であり、その軸中心には、リード線11が貫挿される貫通孔35が形成されている。
閉塞部材7は、例えばフッ素ゴム等からなる円筒形状のシール部材であり、その軸中心には、リード線11が貫挿される貫通孔37が形成されている。この閉塞部材7の先端面95は、セパレータ5の後端面97に密着するとともに、その後端側の外周は、外筒17の内周面や保護外筒19の内周面と密着し、ガスセンサ1の内部と外部とを分離している。即ち、閉塞部材7によって、ケーシング20の後端側が閉塞されている。
端子金具9は、例えばインコネル750(英インコネル社、商品名)等からなり、センサ出力を外部に取り出すための略筒状の部材である。この端子金具9は、リード線11に接続されるとともに、ガス検出素子3の内側電極33(図2参照)に接触するように構成されている。
主体金具13は、例えばSUS430等からなる円筒状の部材である。この主体金具13には、ガス検出素子3の鍔部23を支持するために、内周面から径方向内側に向かって段部39が突出するように周設されている。そして、この段部39にガス検出素子3の鍔部23を支持することで、ガス検出素子3の先端部25が主体金具13から先端側に突出することとなる。
また、主体金具13の先端側の外周面には、ガスセンサ1を排気管に取付けるためのネジ部41が形成されており、このネジ部41の後端側には、ネジ部41を排気管にネジ込むための取付工具を係合させる六角部43が周設されている。更に、この主体金具13の六角部43の後端側には、筒状部45が設けられている。
図1に示すように、主体金具13とガス検出素子3との間には、先端側より、滑石から形成されたセラミック粉末47と、アルミナからなるセラミックスリーブ49とが配置されている。更に、主体金具13の筒状部45の後端部51の内側には、例えばSUS430等からなる金属リング53を介して、例えばSUS304L等からなる外筒17の先端部55が配置されており、この先端部55が筒状部45の後端部51にてかしめられることにより、外筒17が主体金具13に固定されている。
また、外筒17の外周には、例えばPTFE等からなる筒状のフィルタ57が嵌められるとともに、フィルタ57の外周に例えばSUS304L等からなる保護外筒19が嵌められている。このフィルタ57は、通気は可能であるが水分の侵入は防止できるものである。
そして、保護外筒19の外周側から加締められることにより、外筒17とフィルタ57と保護外筒19とが一体に固定されている。なお、外筒17及び保護外筒19には、それぞれ通気孔59、61が設けてあるので、各通気孔59、61及びフィルタ57を介して、ガスセンサ1の内部と外部との通気が可能である。
端子金具9は、ガス検出素子3の内部空間63に嵌め込まれて内側電極33に接触するとともに、内部空間63にて、リード線11の先端が接続されて固定されている。なお、リード線11は芯線65とその芯線65の外周を覆う被覆部67とから構成されている。
図4に示すように、端子金具9は、1枚の金属板が加工されたものであり、内側電極33に密着する、軸線方向の垂直の断面が略C字状の電極接触部69と、電極接触部69の先端側に設けられてリード線11の被覆部67を外側から把持して固定する第1固定部71と、第1固定部71の先端側に設けられて芯線65を把持して固定する複数の第2固定部73とを備えている。また、端子金具9の後端側には、複数のフランジ片75が形成されており、ガス検出素子3の後端面に当接している。
次に、本発明の主要部であるプロテクタ15について説明する。プロテクタ15は、例えばSUS310S等の金属からなり、ガス検出素子3の先端側を覆う保護部材である。このプロテクタ15は、後端側に伸びて、その後端縁16が、ガス検出素子3の鍔部23と主体金具13の段部39との間に挟まれるようにして固定されている。
図3に示すように、プロテクタ15は、側壁部150及び底部151を有する一重の筒状体からなり、側壁部150には、軸線O方向先端側であり、プロテクタ15の周方向に沿って配設された複数の先端側開口152(本実施形態では6個)と、当該先端側開口152より軸線O方向後端側であり、プロテクタ15の周方向に沿って配設された複数の後端側開口153(本実施形態では6個)を具備している。また、本実施形態では、先端側開口152の開口面積を約3mm、後端側開口153の開口面積を約7mmとしているため、後端側開口153のすべてが、先端側開口152のそれぞれの開口面積よりも開口面積が大きくされている。つまり、本実施形態では、後端側開口153のすべてが第1後端側開口153となっている。第1実施形態では、先端側開口152は円形状とされており、後端側開口153は、軸線O方向に沿う方向を長軸とする長穴状とされている。また、後端側開口153は、その後端側の一部が、主体金具13(ケーシング20)の内側にまで入り込むように、すなわち、後端側開口153の後端が主体金具13(ケーシング20)の先端より後端側に位置するように形成されている。
上記構成のプロテクタ15を用いることで、第1後端側開口153に対応するガス検出素子の後端側部位にさらされる排気ガスの容量を増加させることができる。その結果、第1後端側開口153を通過する排気ガスの温度が低くても、ガス検出素子3に加わる熱量を増やすことができ、ガス検出素子3を良好に加熱することができる。
また、上記構成のプロテクタ15を用いることで、第1後端側開口153を通過する排気ガスの容量を増加させることができ、第1後端側開口153に対応するガス検出素子3の後端側部位に接触する排気ガスの容量を増加させることができる。よって、先端側部位よりも体積が大きいガス検出素子3の後端側部位であっても、ガス検出素子3に加わる熱量を増やすことができ、ガス検出素子3を良好に加熱することができる。
さらに、上記構成のプロテクタ15を用いることによって、上流側からプロテクタ15内に入り込んだ排気ガスが、プロテクタ15内において下流側にまで廻り込み、ガス検出素子3の検出部を周方向から全体的に排気ガスによって加熱することが可能となる。この結果、より短時間でガス検出素子3の検出部の温度を排気ガスによって上昇させることができ、より短時間でガス濃度の検出を開始することができる。
また、第1後端側開口153の一部が、主体金具13(ケーシング20)の内部に入り込むように配設された構成とすることによって、ケーシングから露出するガス検出素子全体を排気ガスに良好に曝すことができ、ガス検出素子3をさらに良好に加熱することができる。
また、図3に示すように、ガス検出素子3の先端部25は、先端側開口152及び第1後端側開口153に露出している。これは、言い換えると、先端側開口152及び第1後端側開口153の開口内を視認した時に、ガス検出素子3の先端部25を見ることができることを指す。これにより、先端側開口152及び第1後端側開口153のそれぞれを通過する排気ガスを、効率よくガス検出素子3にさらすことができる。その結果、ガス検出素子3に加わる熱量を効率良く増やすことができ、ガス検出素子3を効率良く加熱することができる。
また、第1後端側開口153の総開口面積は42mm(約7mm×6個)であり、先端側開口152の総開口面積約18mm(約3mm×6個)よりも大きいことが好ましい。これにより、ガス検出素子3に加わる熱量をより増やすことができ、ガス検出素子3をより良好に加熱することができる。
また、第1後端側開口153が軸線方向に沿う方向を長軸とする長穴状に形成されていることにより、第1後端側開口153を周方向に沿って容易に形成することができ、ガスセンサ1の取付方向(周方向)の影響による、第1後端側開口153を通過する排気ガスの容量のばらつきを抑制できる。
また、図3に示すように、第1後端側開口153の長軸長さL1は、ガス検出素子3の先端部25の軸線方向長さL2の70%であり、50%以上となっている。これにより、第1後端側開口153を通過し、ガス検出素子3にさらされる排気ガスの容量を増加させることができる。その結果、第1後端側開口153を通過する排気ガスの温度が低く、且つ、ガス検出素子3の後端側部位の体積が大きくても、ガス検出素子3に加わる熱量を増やすことができ、ガス検出素子3を良好に加熱することができる。
また、先端側開口152及び第1後端側開口153は、それぞれプロテクタ15の周方向に沿って等間隔に配置されている。よって、ガスセンサ1を排気管に取り付けた際に、先端側開口152及び第1後端側開口153は、排気管の上流側に向くプロテクタ15の側壁部150に設けられている。これにより、排気管を流れる排気ガスを、効率よく先端側開口152及び第1後端側開口153のそれぞれに通過させることができる。その結果、ガス検出素子3に加わる熱量を効率良く増やすことができ、ガス検出素子3を効率良く加熱することができる。
なお、プロテクタ15においては、複数の後端側開口153のうち、少なくとも一部の後端側開口153が、先端側開口152よりも開口面積が大きくされている第1後端側開口153を有していればよく、その形状は図3に示す形状以外のものであってもよい。また、プロテクタ15の底部151は、底面全てを覆うものである必要はなく、底面に開口部を有する構成のものであってもよい。
次に、第1実施形態のガスセンサ1の製造手順について簡単に説明する。図1に示すように、同図の上方から、主体金具13の貫通孔87内に、プロテクタ15を押し入れる。
次に、主体金具13の貫通孔87内に、ガス検出素子3を挿入する。
次に、主体金具13とガス検出素子3との間の空間に、セラミック粉末47とセラミッ
クスリーブ49とを配置する。
次に、その上に、先端側が径方向に広がった外筒17の先端部55を配置し、外筒17の先端部55の上に金属リング53を嵌める。この状態で、主体金具13の後端部51をかしめて、金属リング53を介して外筒17を固定する。その後、外筒17の外周にフィルタ57を嵌める。
これとは別に、図4に示すように、セパレータ5の貫通孔35と閉塞部材7の貫通孔37と保護外筒19の貫通孔89にリード線11を通し、そのリード線11の先端に端子金具9を固定して、複合部材91を作成する。
そして、図1に示すように、この複合部材91の端子金具9の先端を、ガス検出素子3の内部空間63に挿入し、端子金具9と内側電極33とを接触させる。このとき、端子金具9の後端側に形成された複数のフランジ片75がガス検出素子3の後端面に当接することにより、端子金具9の位置決めがなされる。
同時に、セパレータ5及び閉塞部材7及び保護外筒19を先端側に押圧し、セパレータ5及び閉塞部材7の一部を外筒17内に配置するとともに、保護外筒19をフィルタ57の外周側に嵌め込む。
その後、保護外筒19の外周側よりかしめることにより、保護外筒19と外筒17とを一体に固定する。これによって、ガスセンサ1が完成する。
次に、第2実施形態に係るガスセンサについて、図5〜7を参照して説明する。図5に示すように、ガスセンサユニット300は自動車の排気経路Hに取り付けられて使用されるものである。以下、軸線O方向において、ガスセンサユニット300の排気経路H内に挿入される側(図5中下側)を、ガスセンサユニット300の先端側とし、これと反対方向に向かう側(図5中上側)を後端側として説明する。
図5に示すように、ガスセンサユニット300は、ガスセンサ本体100と、ガスセンサ本体100の後端側に、ガスセンサ本体100に着脱可能に装着されるセンサキャップ200とからなる。ガスセンサ本体100は、排気ガスに晒されて、排気ガス中の酸素濃度に応じた検出信号を出力するガス検出素子110を内蔵する。センサキャップ200は、ガスセンサ本体100に取り付けられ、自身の備えるキャップ端子210がガス検出素子110に電気的に接続されて、ガス検出素子110から出力された出力信号を、外部装置(例えば、エンジンコントロールユニット(ECU))に伝送する。
はじめに、ガスセンサ本体100の構造について、図6を参照して説明する。ガスセンサ本体100は、先端側が閉じられた筒状のガス検出素子110をハウジング162内に配置した構造を有する。ガス検出素子110の後端の内側には、このガス検出素子110の出力する信号を取り出すための接続端子171がはめ込まれている。そして、接続端子171の外周部を取り囲むように、円筒状のセラミック包囲体164が設けられている。セラミック包囲体164は、ガス検出素子110の後端側の外周部ごと接続端子171を取り囲んでいる。接続端子171には、後述するキャップ端子210(図5参照)が接続される。
ハウジング162は、主体金具121、及びプロテクタ122を有している。主体金具121は、例えばSUS430等からなり、略円筒状に形成されている。この主体金具121の先端部の外周面には、ガスセンサ本体100を排気経路Hに取り付けるためのねじ部124が形成されている。ねじ部124の後端側には、ねじ部124を排気経路Hに螺合するための取り付工具を係合させる取付部129が設けられている。
また、主体金具121の筒孔は、3段の段違い形状をなしており、先端側の部位が、最小の内径を有する先端筒孔128として形成されている。そして、筒孔の後端側の部位は、最大の内径を有する後端筒孔125として形成され、先端筒孔128と後端筒孔125との間に、両者の中間の内径を有する中間筒孔127が形成されている。
後端筒孔125は、セラミック包囲体164の先端部141の外周を取り囲む位置に配置されている。また、後端筒孔125と中間筒孔127との間の段部は、充填材受け部126として構成され、この充填材受け部126と後端筒孔125にかけての筒孔の内周と、ガス検出素子110の外周との間隙に、充填材102が充填される。
中間筒孔127は、ガス検出素子110の後述する鍔部112が配置される位置に形成されている。そして、中間筒孔127と先端筒孔128との間の段部は、鍔受け部123として構成されている。この鍔受け部123によって、ガス検出素子110の鍔部112が支持される。また、先端筒孔128は、ガス検出素子110を囲う位置に形成されている。
主体金具121の先端には、プロテクタ122が取り付けられている。プロテクタ122は、有底筒状とされ、主体金具121から露出するガス検出素子110の後述する検出部111(特許請求の範囲の先端部に相当)を覆って保護している。プロテクタ122は、排気経路H内の排気ガスをプロテクタ122の内部に導入させ、ガス検出素子110と接触させるための開口を有している。
図6に示すように、ハウジング162の内部に保持されているガス検出素子110は、先端が閉じられた有底筒状をなしており、ジルコニアを主成分とする固体電解質を基体113とする。このガス検出素子110の外周には、径方向外向きに突出した鍔部112が設けられている。ガス検出素子110は、この鍔部112の先端側を向く面(以下、「先端向き面」という)と、主体金具121の鍔受け部123との間に、金属製のパッキン101を介した状態で、主体金具121内に配置されている。
ガス検出素子110の鍔部112よりも先端側には検出部111が配置され、鍔部112よりも後端側は後端部115として構成されている。検出部111は、主体金具121から露出し、排気ガスに晒されて、排気ガス中の酸素濃度を検出する。後端部115は、略同一の外径で筒状に延びている。検出部111の外周面には、Pt、あるいはPt合金をメッキすることにより形成された検知電極(外側電極)151が設けられている。検知電極151は、鍔部112の先端向き面に電気的に接続しており、さらに、金属製のパッキン101を介して、主体金具121に電気的に接続されている。よって、検知電極151の電位は、主体金具121から取り出すことができる。検出部111の表面は、耐熱性セラミックスからなる多孔質状の電極保護層(図示省略)で覆われている。
基体113の内周側には、内周面を被覆するように基準電極(内側電極)155が設けられている。基準電極155は、ガス検出素子110の内周面全体を、Pt、あるいはPt合金でメッキすることによって形成されている。この基準電極155と検知電極151とは、固体電解質体である基体113を挟んで互いに対応する位置に配置されており、この部分が、排気ガス中の酸素濃度を検知するガス検知部として機能する。
また、セラミック粉末からなる充填材102が、ガス検出素子110の後端部115の外周面と、主体金具121の、充填材受け部126から後端筒孔125にかけての内周面との間に充填されている。
そして、その充填材102の後端側には、前述したセラミック包囲体164が配置されている。セラミック包囲体164は、絶縁性のセラミックから筒状に形成されたものであり、セラミック包囲体164の先端部141は、径方向外側に突出している。先端部141は、ガス検出素子110の後端部115の外周面と、後端筒孔125の内周面との間で、充填材102の後端の位置に介在するように配置されている。先端部141の後端向き面には、パッキン104が配置され、主体金具121の後端に形成されたかしめ部131が先端に向かってかしめられることにより、パッキン104を介して先端部141が充填材102に対し押し付けられる。これにより、主体金具121の内周面と、ガス検出素子110の外周面との間隙が、充填材102によって、気密に埋められている。このようにして、ガス検出素子110は、鍔受け部123とかしめ部131との間に挟まれた各部材を介し、主体金具121の内部に保持されている。
また、ガス検出素子110の筒孔内の後端側には、接続端子171が挿入されている。接続端子171は、略筒状をなし、先端側に基準電極155と接続する電極接触部172が設けられ、後端側にキャップ端子210(後述)と接続するキャップ接続部173が形成されている。
次に、本発明の主要部であるプロテクタ122について説明する。図7に示すように、プロテクタ122は、側壁部450及び底部451を有する一重の筒状体からなり、側壁部450には、軸線O方向先端側であり、プロテクタ122の周方向に沿って配設された複数の先端側開口452(本実施形態では6個)と、当該先端側開口452より軸線O方向後端側であり、プロテクタ122の周方向に沿って配設された複数の後端側開口453(本実施形態では3個)を具備している。また、本実施形態では、先端側開口452の開口面積を約3mm、後端側開口453の開口面積を約9mmとしているため、後端側開口453のすべてが、先端側開口452のそれぞれの開口面積よりも開口面積が大きくされている。つまり、本実施形態では、後端側開口453のすべてが第1後端側開口453となっている。第2実施形態では、先端側開口452は円形状とされており、後端側開口453は、軸線O方向と直交する周方向に沿う方向を長軸とする長穴状とされている。また、底部451には、開口454を有している。
上記構成のプロテクタ122を用いることで、第1後端側開口453に対応するガス検出素子の後端側部位にさらされる排気ガスの容量を増加させることができる。その結果、第1後端側開口453を通過する排気ガスの温度が低くても、ガス検出素子110に加わる熱量を増やすことができ、ガス検出素子110を良好に加熱することができる。
また、上記構成のプロテクタ122を用いることで、第1後端側開口453を通過する排気ガスの容量を増加させることができ、第1後端側開口453に対応するガス検出素子110の後端側部位に接触する排気ガスの容量を増加させることができる。よって、先端側部位よりも体積が大きいガス検出素子110の後端側部位であっても、ガス検出素子110に加わる熱量を増やすことができ、ガス検出素子110を良好に加熱することができる。
さらに、上記構成のプロテクタ122を用いることによって、上流側からプロテクタ122内に入り込んだ排気ガスが、プロテクタ122内において下流側にまで廻り込み、ガス検出素子110の検出部を周方向から全体的に排気ガスによって加熱することが可能となる。この結果、より短時間でガス検出素子110の検出部の温度を排気ガスによって上昇させることができ、より短時間でガス濃度の検出を開始することができる。
また、図7に示すように、ガス検出素子110の検出部111は、先端側開口452及び第1後端側開口453に露出している。これは、言い換えると、先端側開口452及び第1後端側開口453の開口内を視認した時に、ガス検出素子110の検出部111を見ることができることを指す。これにより、先端側開口452及び第1後端側開口453のそれぞれを通過する排気ガスを、効率よくガス検出素子110にさらすことができる。その結果、ガス検出素子110に加わる熱量を効率良く増やすことができ、ガス検出素子110を効率良く加熱することができる。
また、第1後端側開口453の総開口面積は約27mm(約9mm×3個)であり、先端側開口452の総開口面積約18mm(約3mm×6個)よりも大きいことが好ましい。これにより、ガス検出素子110に加わる熱量をより増やすことができ、ガス検出素子110をより良好に加熱することができる。
また、第1後端側開口453が軸線方向に直行する方向を長軸とする長穴状に形成されていることにより、第1後端側開口453を排気経路Hの上流側に向けた際に、より多くの排気ガスが第1後端側開口453を通過することが可能となる。その結果、ガス検出素子110を良好に加熱することができる。
また、図7に示すように、第1後端側開口453の長軸長さL3は、第1後端側開口453に対応するガス検出素子110の検出部111の部位の最大幅L4よりも大きくなっている。つまり、図7に示すように、第1後端側開口453の開口内を視認した時に、第1後端側開口453に検出部111の幅方向の全部位が視認できることを指す。これにより、第1後端側開口453を通過し、ガス検出素子110にさらされる排気ガスの容量を増加させることができる。その結果、第1後端側開口453を通過する排気ガスの温度が低く、且つ、ガス検出素子110の後端側部位の体積が大きくても、ガス検出素子110に加わる熱量を増やすことができ、ガス検出素子110を良好に加熱することができる。
また、先端側開口452及び第1後端側開口453は、それぞれプロテクタ122の周方向に沿って等間隔に配置されている。よって、ガスセンサユニット300を排気経路Hに取り付けた際に、先端側開口452及び第1後端側開口453は、排気経路Hの上流側に向くプロテクタ122の側壁部450に設けられている。これにより、排気経路Hを流れる排気ガスを、効率よく先端側開口452及び第1後端側開口453のそれぞれに通過させることができる。その結果、ガス検出素子110に加わる熱量を効率良く増やすことができ、ガス検出素子110を効率良く加熱することができる。
なお、プロテクタ122においては、複数の後端側開口453のうち、少なくとも一部の後端側開口453が、先端側開口452よりも開口面積が大きくされている第1後端側開口453を有していればよく、その形状は図7に示す形状以外のものであってもよい。また、プロテクタ122の底部451は、底面全てを覆うものであっても、図6に示すように底面に開口454を有する構成のものであってもよい。
次に、センサキャップ200の構造について、図5を参照して説明する。センサキャップ200は、ガスセンサ本体100の後端側を包囲する包囲部材220とガスセンサ本体100に電気的に接続されるキャップ端子210と、キャップ端子210にかしめ固定されるリード線260と、フィルタ部材250とを備える。
まず、包囲部材220について説明する。包囲部材220は、絶縁性のフッ素系ゴムを中空状に形成したものである。包囲部材220は、後端側(図中、上側)が閉じられた有底筒状のセンサ包囲部221と、センサ包囲部221の後端側から径方向に突出するフィルタ包囲部222と、センサ包囲部221の後端側からフィルタ包囲部222とは反対側に突出するリード線包囲部223とを有する。
センサ包囲部221は、センサキャップ200がガスセンサ本体100に取り付けられた状態において、ガスセンサ本体100の後端側を包囲する。センサ包囲部221は略筒状に形成されている。センサ包囲部221の内壁227には、センサキャップ200をガスセンサ本体100に取り付ける際に、ガスセンサ本体100の後端を自身の筒孔の中央に案内するためのテーパ状の段差が設けられている。
また、センサ包囲部221内には、ガスセンサ本体100の接続端子171を介してガス検出素子110の基準電極155との導通を図るキャップ端子210が配置されている。キャップ端子210は、センサ包囲部221内で、センサ包囲部221の筒孔の底部側(図中、上側)から開放部側(図中、下側)へ向けて突出するセンサ接続部256を有する。このセンサ接続部256が、接続端子171のキャップ接続部173内に挿入され、接続端子171との間で電気的な接続をなす。センサ接続部256は筒状に形成されており、センサ包囲部221内において、自身の筒孔216を介した通気が可能となっている。
また、キャップ端子210には、自身をセンサ包囲部221の内壁227に位置決め保持させるための位置決め部255が、センサ接続部256の根本付近に設けられている。位置決め部255は、センサ接続部256の根本から内壁227に向けて環状に形成された環状部211と、環状部211の外縁から、センサ接続部256と同じ側に向けて突出する円筒状に形成された把持部212とを有する。
なお、センサ包囲部221の底部(図中、上側)には、キャップ端子210をセンサ包囲部221に装着した状態で、センサ接続部256の筒孔216と後述するフィルタ包囲部222との間で通気が行えるように、溝部299が形成されている。したがって、フィルタ包囲部222から溝部299およびキャップ端子210の筒孔216内を介してセンサ包囲部221の開放部側へ通気可能となっている。
キャップ端子210と接続されているリード線260は、リード線包囲部223に開口されたリード線挿通孔261からセンサキャップ200の外部に引き出されている。なお、リード線挿通孔261の開口径は、リード線260の径よりも若干小さく形成されている。これにより、リード線挿通孔261とリード線260とが密着し、リード線挿通孔261から空気や水が導入されることを防止できる。
フィルタ包囲部222は、センサ包囲部221の後端側から径方向外側に突出し、略円筒状に形成されている。フィルタ包囲部222は、連通孔230を内部に備える。連通孔230は、センサ包囲部221と包囲部材220の外部とを連通させる。連通孔230内にはフィルタ部材250が配設されている。連通孔230の外側開口部近傍には、径方向内側に向かって突出し、周方向に環状につながるフィルタ押え部235が形成されている。
フィルタ押え部235は、フィルタ部材250が外部に抜け落ちることを防止する。フィルタ部材250は、微細気孔が連続する多孔質構造のPTFEから円柱状に形成されており、水密性及び通気性を有する。
センサキャップ200をガスセンサ本体100に取り付けた状態では、キャップ端子210のセンサ接続部256が接続端子171の内側に挿入され、接続端子171に当接して、キャップ端子210と接続端子171とが電気的に導通する。
また、把持部212とセンサ接続部256との間の隙間に、セラミック包囲体164の後端側が挿入され、セラミック包囲体164の後端面が環状部211に当接する。そして、包囲部材220の内壁227が、セラミック包囲体164の外周面に密着して、セラミック包囲体164を保持する。内壁227とセラミック包囲体164の外周面とが密着することにより、センサキャップ200の下方からセンサキャップ200の内部に大気が導入されることが防止される。これにより、基準電極155は、連通孔230を介して外部から導入された空気とのみ接触する。
次に、上記第2実施形態に係るガスセンサ300を、実施例1として実際に製作し、ライトオフタイムを計測した結果について説明する。ライトオフタイムとは、所定ガス温度を有する排気ガスを排気管内に流し、リッチ雰囲気とリーン雰囲気とを所定周期で交番させた状態において、ガスセンサを排気管内に取付けた時点から、所定のセンサ出力が検出されるまでの時間のことを示している。
例えば、縦軸をセンサ出力、横軸を時間とした図8のグラフにセンサ出力の波形の例を示す。図8の場合、ガスセンサを排気管内に取付けた時点から、例えば、450mVのセンサ出力が検出されるまでの時間がライトオフタイム(T)となる。
上記のライトタイムを、実施例1及び比較例1〜3について、夫々5つの試料を測定した結果を、縦軸をライトオフタイムとした図9のグラフに示す。比較例1は、先端側開口と後端側開口の開口面積が等しく、その形状も同一なプロテクタを有する従来のガスセンサについての測定結果である。比較例2は、プロテクタ無しとしたガスセンサについての測定結果である。比較例3は、実施例とは逆に、後端側開口の開口面積より先端側開口の開口面積が大きいプロテクタを有するガスセンサについての測定結果である。なお、図9中にプロテクタの形状を模式的に示してある。
その結果、図9のグラフに示されるように、実施例1では、比較例1〜3に比べて、明らかにライトオフタイムを短くすることができた。
次に、図11に示すように、ガス検出素子の先端内側部Aにおいて、温度を測定した結果を、縦軸を温度とした図10のグラフに示す。この温度測定では、所定ガス温度を有する排気ガス排気管内に流し、この排気管にガスセンサを取付けた時(0秒)から60秒後の温度を測定した。実施例1、比較例1〜3は、上記したライトオフタイムの計測の場合と同様であり、実施例2は、図1〜3に示した第1実施形態のガスセンサを実際に作成したものである。図10のグラフに示されるとおり、実施例1、実施例2では、比較例1〜3に比べてガス検出素子の先端内側部Aにおける温度も高くなっていた。
なお、本発明は、上述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、各種の変形が可能であることは勿論である。
たとえば、第1実施形態および第2実施形態の第1後端側開口153、453は、それぞれ軸線O方向に沿う方向、もしくは軸O方向に垂直な方向を長軸とした長穴状としたが、これに限られることなく、円形状、または楕円形状、さらには、多角形状であってもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態では、先端側開口152、452、および後端側開口153、453の2列の複数の開口を有していたが、これに限られることなく、3列以上の開口をプロテクタ15、122に有していてもよい。この場合、例えば、相対的に先端側に設けられ、周方向に沿う複数の開口を先端側開口とし、それよりも後端側に設けられた1つの列であって、周方向に沿う複数の開口を後端側開口とすればよい。
さらには、第1実施形態および第2実施形態では、後端側開口153、453のすべてが第1後端側開口153、453としていたが、これに限られることなく、後端側開口153、453の一部を第1後端側開口153、453としてもよい。この場合、側壁部150、450のうち流路(例えば、第2実施形態の排気経路H)の上流側に向く部位に設けられていることが、より多くの排気ガスをプロテクタ15、122内に取り込むことができ、好ましい。
1……ガスセンサ、3……ガス検出素子、5……セパレータ、7……閉塞部材、9……端子金具、11……リード線、13……主体金具、15……プロテクタ、17……外筒、19……保護外筒、20……ケーシング、150……側壁部、151……底部、152……先端側開口、153……後端側開口(第1後端側開口)。

Claims (11)

  1. 軸線方向に伸びると共に、先端側が閉塞された有底筒状の固体電解質体からなる素子本体と、該素子本体の内側及び外側に設けられた内側電極及び外側電極と、を備えたガス検出素子と、
    前記ガス検出素子を、当該ガス検出素子の先端部が突出した状態で、前記軸線方向に貫通する貫通孔内に保持する筒状のケーシングと、
    前記ケーシングに配設され、前記ガス検出素子の先端部の周囲を囲むプロテクタを具備し、
    加熱用ヒータを具備しないガスセンサであって、
    前記プロテクタは、側壁部及び底部を有する一重の筒状体からなり、当該筒状体の前記側壁部には、軸線方向先端側であり、且つ周方向に沿って複数個配設された先端側開口と、当該先端側開口よりも軸線方向後端側であり、且つ周方向に沿って複数個配設された後端側開口を具備し、
    前記後端側開口は、前記先端側開口のそれぞれの開口面積よりも開口面積が大きい第1後端側開口を有する
    ことを特徴とするガスセンサ。
  2. 請求項1記載のガスセンサであって、
    前記プロテクタを前記軸線方向に垂直な径方向にて見たときに、前記ガス検出素子の前記先端部は、前記先端側開口及び前記第1後端側開口に露出する
    ことを特徴とするガスセンサ。
  3. 請求項1又は請求項2記載のガスセンサであって、
    前記後端側開口の総開口面積は、前記先端側開口の総開口面積よりも大きい
    ことを特徴とするガスセンサ。
  4. 請求項1〜3いずれか1項記載のガスセンサであって、
    前記第1後端側開口は、前記軸線方向に沿う方向を長軸とする長穴状に形成されている
    ことを特徴とするガスセンサ。
  5. 請求項4記載のガスセンサであって、
    前記第1後端側開口の前記長軸長さは、前記ガス検出素子の前記先端部の前記軸線方向長さの50%以上である
    ことを特徴とするガスセンサ。
  6. 請求項1〜3いずれか1項記載のガスセンサであって、
    前記第1後端側開口は、前記プロテクタの周方向に沿う方向を長軸とする長穴状に形成されている
    ことを特徴とするガスセンサ。
  7. 請求項6記載のガスセンサであって、
    前記第1後端側開口の前記長軸長さは、前記第1後端側開口に対応する前記ガス検出素子の部位の最大幅よりも大きい
    ことを特徴とするガスセンサ。
  8. 請求項1〜7いずれか1項記載のガスセンサであって、
    前記先端側開口が、それぞれ円形状に形成されている
    ことを特徴とするガスセンサ。
  9. 請求項1〜8いずれか1項記載のガスセンサであって、
    前記第1後端側開口が、前記プロテクタの周方向に沿って等間隔で複数配設されている
    ことを特徴とするガスセンサ。
  10. 請求項1〜9いずれか1項記載のガスセンサであって、
    前記プロテクタは、前記貫通孔内にて前記ケーシングと係合すると共に、前記ケーシングの先端側内面と前記ガス検出素子の外周面との間を延出してなり、
    前記第1後端側開口の一部が、前記ケーシングの内部に入り込むように配設されている
    ことを特徴とするガスセンサ。
  11. 請求項1〜10いずれか1項記載のガスセンサであって、
    前記ガスセンサを流路に取り付けた際に、前記先端側開口及び前記第1後端側開口は、前記流路の上流側に向く前記プロテクタの前記側壁部に少なくとも一部が設けられてなる
    ことを特徴とするガスセンサ。
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