JP2013234025A - ブーム連結用連結ピン - Google Patents

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徳夫 村手
Takayoshi Okumura
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Abstract

【課題】ラチスブームを分解する際の連結ピンの抜き取り作業を容易かつ安全に行うことができる構造を有するブーム連結用連結ピンを提供する。
【解決手段】ラチスブームを構成する継ブーム17などの継手部21に設けた連結孔に挿通して継ブームを連結する連結ピン20を、連結孔の内径に対応した外径を有する円柱状の挿通軸部と、挿通軸部の一端に設けられた円盤状頭部と、円盤状頭部及び挿通軸部の少なくともいずれか1箇所に設けた工具係合部とで形成する。連結孔から連結ピンを抜き取る際に、工具係合部に工具を係合させて回転力を与えながら一方の継ブームの位置調整を行い、連結ピンが回動可能になったときに連結ピンを抜け方向に押動することにより、連結ピンを連結孔から容易に抜き取ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブーム連結用連結ピンに関し、詳しくは、クローラクレーンなどのラチスブームを形成する複数の継ブーム(中間ブーム)を連結するために用いるブーム連結用連結ピンに関する。
例えば、建築工事で使用される大型クローラクレーンに用いられる長尺のラチスブームは、両端の基本ブームの間に複数の継ブームを着脱可能な連結ピンで連結して形成されており、連結ピンを取り外して輸送可能な大きさに分解した継ブームを個々に輸送して工事現場で組み立てるようにしている。一般に、継ブームは、4本のブーム主材をトラス構造の連結材で連結して断面四角形状に形成したものであって、各ブーム主材の両端に、連結ピンを挿通するための連結孔を有する継手部をそれぞれ設けている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−332193号公報
継ブームを連結してラチスブームを組み立てる際には、ブーム主材が水平方向を向くようにして地面に継ブームを対向配置し、一方の継ブームを小型のクレーンなどで移動させて両継手部の連結孔の位置合わせを行いながら、連結ピンを連結孔に挿通するようにしている。ラチスブームを分解する際には、組立時と同様に、ブーム主材が水平方向を向くようにラチスブームを寝かせた状態で連結ピンを連結孔から抜き取る作業を行うが、地面の凹凸などによって連結された両側の継ブームが傾斜したりしている場合には、両継手部にずれる方向の力が作用し、連結ピンが両連結孔に挟まれた状態になって抜き取り難くなることがあった。
このような場合、一方の継ブームを小型のクレーンなどで移動させながら大型のハンマーで連結ピンを叩き出すようにすることがあるが、高所作業も加わって作業性が悪いだけでなく、両連結孔の位置が合致したときにハンマーなどで強く叩かれた連結ピンが急に抜け出して離れた位置に落下することがあり、大型のラチスブームで上方の連結ピンの場合は、連結ピンが高所から落下することになるため、危険性に配慮する必要があった。特に、長尺のラチスブームで、多数の継ブームを連結している場合には、連結ピンの本数が多いため、作業者にとって大きな負担となっていた。
そこで本発明は、ラチスブームを分解する際の連結ピンの抜き取り作業を容易かつ安全に行うことができる構造を備えたブーム連結用連結ピンを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のブーム連結用連結ピンは、ラチスブームの継手部に設けた連結孔に挿通することによって前記継手部を連結する連結ピンにおいて、該連結ピンは、前記連結孔の内径に対応した外径を有する円柱状の挿通軸部と、該挿通軸部の一端に設けられた前記挿通軸部より大径の円盤状頭部とを有するとともに、該円盤状頭部及び前記挿通軸部の少なくとも1箇所に、前記連結孔に挿通された状態の連結ピンを回動させるための工具を係合させる工具係合部を設けたことを特徴としている。
さらに、本発明のブーム連結用連結ピンにおける前記係合部は、前記円盤状頭部の外周面における対向する位置に形成された少なくとも一対の平面部、前記円盤状頭部の外面に凹設した多角形状の凹部、前記挿通軸部の先端面に突設した多角形状の突部の少なくともいずれか一つであることを特徴としている。また、本発明は、前記ブーム連結用連結ピンによって連結されているラチスブームも含んでいる。
本発明のブーム連結用連結ピンは、連結した継手部の連結孔から連結ピンを抜き取る際に、工具係合部にレンチ、スパナといった締結用に用いられる一般的な工具を係合させて連結ピンに回転力を与えた状態で一方の継ブームを小型のクレーンなどで吊り上げて位置調整を行うと、両連結孔の位置が合致したときに連結ピンを回動させることができる状態になるので、その位置で連結ピンを抜け方向に押動することにより、連結ピンを連結孔から容易に抜き取ることができる。したがって、大型のハンマーなどを必要とせず、連結ピンが飛び出して高所から落下するおそれもなくなり、ラチスブームを分解する際の連結ピンの抜き取り作業を容易かつ安全に行うことができる。
本発明のブーム連結用連結ピンを用いて継ブームを連結した状態の一形態例を示す平面図である。 同じく要部の平面図である。 同じく要部の背面図である。 同じく要部の正面図である。 ブーム連結用連結ピンの斜視図である。 長尺ラチスブームを使用した大型クローラクレーンの一例を示す正面図である。
図6に示すクローラクレーン11は、左右一対のクローラを備えた下部走行体12の上部に、運転席を備えた上部旋回体13を旋回可能に設けるとともに、上部旋回体13の前方にラチスブーム14を起伏可能に設けている。ラチスブーム14は、4本のブーム主材14aと、トラス連結材14bとで断面四角形状に形成されたものであって、上部旋回体13に装着される下部基本ブーム15と、ブーム先端部に配置される先端基本ブーム16と、両基本ブーム15,16の間に連結される継ブーム(中間ブーム)17とで形成されており、本形態例では、7本の継ブーム17を挿入して長尺のラチスブーム14を形成している。
上部旋回体13には複数のウインチ(図示せず)が搭載されており、吊り上げ用ウインチから繰り出された吊り上げ用ワイヤーロープ18が先端基本ブーム16に設けられたトップシーブ16aを介してブーム前面に垂下しており、該吊り上げ用ワイヤーロープ18の先端には吊り上げ用のフックブロック18aが設けられている。また、起伏用ウインチから繰り出された起伏用ワイヤーロープ19は、上部旋回体13の後方に立設したAフレーム13aからペンダントロープ19aを介して先端基本ブーム16の背面部に連結されている。
図1及び図2に示すように、下部基本ブーム15、先端基本ブーム16及び継ブーム17におけるブーム主材14aの端部には、各ブーム15,16,17を連結ピン20で着脱可能に連結するための継手部21が設けられている。この継手部21は、互いに雄雌連結可能な雄側連結部22と雌側連結部23とで形成されるとともに、両連結部22,23には、同一の内径を有する連結孔22a,23aがそれぞれ設けられている。
連結ピン20は、両連結孔22a,23aに挿通される円柱状の挿通軸部20aと、該挿通軸部20aの一端に設けられた大径の円盤状頭部20bとを有するもので、挿通軸部20aの外径は、ブーム連結時のガタつきを防止するため、連結孔22a,23aの内径より僅かに小さな寸法に設定され、円盤状頭部20bは、挿通軸部20aの外径より大きな外径に形成されている。また、挿通軸部20aの長さは、雄側連結部22と雌側連結部23とを重ねた寸法より長く形成され、挿通軸部20aの先端部には先端側が細くなった円錐面20cと、抜止用のβピン24を取り付ける抜止ピン取付孔20dとが形成されている。
さらに、本形態例に示す連結ピン20は、図2乃至図4に示すように、円盤状頭部20bの外周面の対向する位置を平面状に加工した一対の平面部31aからなる第1工具係合部31と、円盤状頭部20bの外面中心部に凹設した断面4角形状の凹部32aからなる第2工具係合部32と、挿通軸部20aの先端面に突設した断面6角形状の突部33aからなる第3工具係合部33とが設けられている。各工具係合部31,32,33は、レンチ、スパナといったボルトなどの締結用に一般的に用いられている各種工具を係合可能な形状を有していればよく、これらの大きさは、連結ピン20の大きさに応じて適宜設定することができる。また、各工具係合部31,32,33は、1本の連結ピン20に全てを設ける必要ななく、いずれか一つの工具係合部を設けるだけでもよい。さらに、円盤状頭部20bの外面中央部に突部を設けてもよく、挿通軸部20aの先端面に凹部を設けてもよく、第1工具係合部31の一対の平面部31aを2組以上設けてもよい。
このような工具係合部を有する連結ピン20を使用し、両基本ブーム15,16の間に継ブーム17を連結して長尺のラチスブーム14を組み立てる作業は、従来と同様に、上部旋回体13に取り付けられている下部基本ブーム15を水平方向に倒して地面の上などに寝かせた状態とし、連結する継ブーム17を所定の方向に向けて小型クレーンで吊り上げて移動させ、下部基本ブーム15と一直線状になるように配置して継手部21の雄側連結部22と雌側連結部23とを連結状態とし、両連結孔22a,23aが合致したときに連結ピン20を両連結孔22a,23aに挿通し、連結孔22a,23aから突出した挿通軸部20aの抜止ピン取付孔20dにβピン24を取り付けることによって行うことができる。一つの継ブーム17の連結作業で4箇所の継手部21に連結ピン20をそれぞれ挿通することから、図6に示した長尺のラチスブーム14を組み立てるには、合計で32箇所の継手部21に連結ピン20をそれぞれ挿入することになる。
一方、ラチスブーム14を分解する際には、組立時と同様にラチスブーム14を寝かせた状態とし、先端基本ブーム16から各継ブーム17を順番に分解していく。まず、抜止ピン取付孔20dからβピン24を取り外した後、各工具係合部31,32,33のいずれか一つの工具係合部にレンチなどの工具を係合させて連結ピン20に回転力を加えながら、分解する先端基本ブーム16又は継ブーム17を小型クレーンで吊り上げて位置調整を行う。この位置調整によって両連結孔22a,23aが合致すると、挿通軸部20aの外周面に作用している連結孔22a,23aからの押圧力がなくなり、工具によって連結ピン20を軽く回動できる状態になるので、この状態で連結ピン20を抜け方向に押動することにより、両連結孔22a,23aから連結ピン20を容易に抜き取ることができる。また、ハンマで連結ピン20を叩き出す場合も、小型のハンマで軽く叩いてゆっくりと連結ピン20を抜き取ることができるので、抜き取った連結ピン20を手で支持することができ、連結ピン20が高所から落下することもなくなる。
これにより、地面に凹凸がある場合でも、継手部21から連結ピン20を抜き取る際に大型のハンマなどの特別な工具を使用する必要がなくなり、一般的なレンチを使用するだけでよく、前述のように、32箇所の継手部21にそれぞれ取り付けられている連結ピン20を一つずつ抜き取っていく際の作業性や安全性を向上させることができ、作業者の負担を軽減できるとともに、分解に要する時間の短縮も図れる。
なお、本発明のブーム連結用連結ピンは、クローラクレーンのラチスブームに限らず、各種作業機に用いられているラチスブームの連結に用いることができる。また、継手部に設けた一対の連結孔を重ね合わせた状態で連結ピンを挿通する構造であれば、継手部の形状は任意である。
11…クローラクレーン、12…下部走行体、13…上部旋回体、13a…Aフレーム、14…ラチスブーム、14a…ブーム主材、14b…トラス連結材、15…下部基本ブーム、16…先端基本ブーム、16a…トップシーブ、17…継ブーム、18…吊り上げ用ワイヤーロープ、18a…フックブロック、19…起伏用ワイヤーロープ、19a…ペンダントロープ、20…連結ピン、20a…挿通軸部、20b…円盤状頭部、20c…円錐面、20d…抜止ピン取付孔、21…継手部、22…雄側連結部、23…雌側連結部、22a,23a…連結孔、24…βピン、31…第1工具係合部、31a…平面部、32…第2工具係合部、32a…凹部、33…第3工具係合部、33a…突部

Claims (5)

  1. ラチスブームの継手部に設けた連結孔に挿通することによって前記継手部を連結する連結ピンにおいて、該連結ピンは、前記連結孔の内径に対応した外径を有する円柱状の挿通軸部と、該挿通軸部の一端に設けられた前記挿通軸部より大径の円盤状頭部とを有するとともに、該円盤状頭部及び前記挿通軸部の少なくともいずれか1箇所に、前記連結孔に挿通された状態の連結ピンを回動させるための工具を係合させる工具係合部を設けたことを特徴とするブーム連結用連結ピン。
  2. 前記係合部は、前記円盤状頭部の外周面における対向する位置に形成された少なくとも一対の平面部であることを特徴とする請求項1記載のブーム連結用連結ピン。
  3. 前記係合部は、前記円盤状頭部の外面に凹設した多角形状の凹部であることを特徴とする請求項1又は2記載のブーム連結用連結ピン。
  4. 前記係合部は、前記挿通軸部の先端面に突設した多角形状の突部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のブーム連結用連結ピン。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項記載のブーム連結用連結ピンによって連結されていることを特徴とするラチスブーム。
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