JP2013233880A - カーペットの接地構造 - Google Patents
カーペットの接地構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013233880A JP2013233880A JP2012108006A JP2012108006A JP2013233880A JP 2013233880 A JP2013233880 A JP 2013233880A JP 2012108006 A JP2012108006 A JP 2012108006A JP 2012108006 A JP2012108006 A JP 2012108006A JP 2013233880 A JP2013233880 A JP 2013233880A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carpet
- vehicle body
- shield layer
- conduction
- grounding structure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
- Passenger Equipment (AREA)
Abstract
【課題】電磁波の遮蔽とカーペットの接地とを容易かつ確実に実現することができるカーペットの接地構造を提供する。
【解決手段】本構造1は、車両用電池から発生する電磁波を遮蔽するシールド層8(8a)が備えられたカーペット5を車両ボデー2に接地するためのカーペットの接地構造である。カーペットには、シールド層と電気的に導通する第1導通部19が備えられ、車両ボデーには、第1導通部と電気的に導通するための第2導通部20が備えられ、第1導通部及び第2導通部のいずれか一方には、孔部19aが形成され、他方には、突部20aが形成されている。そして、孔部に突部が嵌め込まれていることにより、カーペットが車両ボデーに取り付けられているとともに、シールド層が車両ボデーに導通している。
【選択図】図3
【解決手段】本構造1は、車両用電池から発生する電磁波を遮蔽するシールド層8(8a)が備えられたカーペット5を車両ボデー2に接地するためのカーペットの接地構造である。カーペットには、シールド層と電気的に導通する第1導通部19が備えられ、車両ボデーには、第1導通部と電気的に導通するための第2導通部20が備えられ、第1導通部及び第2導通部のいずれか一方には、孔部19aが形成され、他方には、突部20aが形成されている。そして、孔部に突部が嵌め込まれていることにより、カーペットが車両ボデーに取り付けられているとともに、シールド層が車両ボデーに導通している。
【選択図】図3
Description
本発明は、カーペットの接地構造に関し、さらに詳しくは、簡易な構成により、電磁波の遮蔽とカーペットの接地とを容易かつ確実に実現することができるカーペットの接地構造に関する。
一般に、電気自動車、ハイブリッド車等では、複数の電池セルを積層してなる電池パック等の車両用電池が用いられている。この車両用電池の被覆構造としては、例えば、図14に示すように、車両用電池103を金属製のロアケース111及びアッパーケース112で被覆して電池組立品113をなし、金属製の各ケース111,112で車両用電池103を電磁波シールドする被覆構造101が一般に知られている。ここで、上記電池組立品113を車両の座席下に搭載する場合、車両ボデー102に電池組立品113及び金属製のシートフレーム114をボルト締めし、車両ボデー102にカーペット105をクリップ止めし、シートフレーム114にシートクッション110を装着し、電池組立品113を構成する金属製のロアケース111を車両ボデー102にボルト締結して接地することが考えられる。
また、他の従来の車両用電池の被覆構造として、車両用電池を樹脂製のロアケース及びアッパーケースで被覆して電池組立品をなし、この電池組立品を金属製のカバーで被覆して電磁波シールドするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、金属製のカバーを車両ボデーにボルト締結して接地することが開示されている。
しかし、上述の従来の車両用電池の被覆構造では、電磁波シールドのために金属製のアッパーケースやカバーを備える必要があるので、重量が非常に重くなる。また、部品点数が多く組付け作業に時間がかかる。さらに、金属製のケースやカバーを車両ボデーにボルト締結して接地しているので、ボルト締結箇所を複数設定する必要があり、接地のための部品点数が多く組付け作業に時間がかかる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、簡易な構成により、電磁波の遮蔽とカーペットの接地とを容易かつ確実に実現することができるカーペットの接地構造を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両用電池から発生する電磁波を遮蔽するシールド層が備えられたカーペットを車両ボデーに接地するためのカーペットの接地構造であって、前記カーペットには、前記シールド層と電気的に導通する第1導通部が備えられ、前記車両ボデーには、前記第1導通部と電気的に導通するための第2導通部が備えられ、前記第1導通部及び前記第2導通部のいずれか一方には、孔部が形成され、他方には、突部が形成されており、前記孔部に前記突部が嵌め込まれていることにより、前記カーペットが前記車両ボデーに取り付けられているとともに、前記シールド層が前記車両ボデーに導通していることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記第1導通部には、前記カーペットの前記車両ボデー側の面に配置された板状部が備えられ、前記板状部には前記孔部が形成されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載において、前記第1導通部は、前記板状部と、前記カーペットの車室側の面に配置されたフランジ部と、前記板状部と前記フランジ部とを接続するように前記カーペットを貫通する接続部と、を有することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記第1導通部には、前記カーペットの前記車両ボデー側の面に配置された板状部が備えられ、前記板状部には前記孔部が形成されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載において、前記第1導通部は、前記板状部と、前記カーペットの車室側の面に配置されたフランジ部と、前記板状部と前記フランジ部とを接続するように前記カーペットを貫通する接続部と、を有することを要旨とする。
本発明のカーペットの接地構造によると、カーペットには、車両用電池から発生する電磁波を遮蔽するシールド層が備えられている。カーペットには、シールド層と電気的に当導通する第1導通部が備えられており、車両ボデーには、第1導通部と電気的に導通するための第2導通部が備えられている。また、第1導通部及び第2導通部のいずれか一方には、孔部が形成され、他方には、突部が形成されている。そして、孔部に突部が嵌め込まれていることにより、カーペットが車両ボデーに取り付けられているとともに、シールド層が車両ボデーに導通している。このような構成により、容易かつ確実な電磁波の遮蔽及びカーペットの接地を実現することができる。
また、第1導通部には、カーペットの車両ボデー側の面に配置された板状部が備えられている場合は、板状部により車両ボデーとの接触面積を確保することができ、より確実なカーペットの接地を実現することができる。
さらに、第1導通部が、カーペットの車室側の面に配置されたフランジ部と、板状部とフランジ部とを接続するようにカーペットを貫通する接続部と、を有する場合は、第1導通部をカーペットに容易かつ確実に取り付けることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例に係るカーペットの接地構造の分解斜視図である。
実施例に係るカーペットの接地構造の縦断面図である。
実施例に係るカーペットの接地構造で使用されるカーペットの要部縦断面図である。
実施例に係る第1導通部を示す斜視図である。
実施例に係るカーペットの接地構造の組立方法を説明するための説明図である。
実施例に係るカーペットの接地構造の組立方法を説明するための説明図である。
実施例に係るカーペットの接地構造の組立方法を説明するための説明図である。
実施例に係るカーペットの接地構造の組立方法を説明するための説明図である。
他の実施形態に係るカーペットの接地構造を説明するための説明図である。
他の実施形態に係るカーペットの接地構造を説明するための説明図である。
他の実施形態に係るカーペットの接地構造を説明するための説明図である。
他の実施形態に係るカーペットの接地構造を説明するための説明図である。
他の実施形態に係るカーペットの接地構造を説明するための説明図である。
従来のカーペットの接地構造の縦断面図である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本実施形態に係るカーペットの接地構造(1)は、車両用電池(3)から発生する電磁波を遮蔽するシールド層(8)が備えられたカーペット(5)を車両ボデー(2)に接地するためのカーペットの接地構造(1)であって、カーペットには、シールド層と電気的に導通する第1導通部(19)が備えられている。車両ボデーには、第1導通部と電気的に導通するための第2導通部(20)が備えられている。第1導通部及び前記第2導通部のいずれか一方には、孔部(19a,20b)が形成され、他方には、突部(20a,19b)が形成されている。そして、孔部に突部が嵌め込まれていることにより、カーペットが車両ボデーに取り付けられているとともに、シールド層が車両ボデーに導通していることを特徴とする(例えば、図3、図9、図10及び図11等参照)。
上記カーペットは、通常、車両ボデーに敷設される。また、上記シートフレームは、通常、車両ボデーに固定され、シートクッションを支持する機能を有する。なお、上記車両用電池としては、例えば、蓄電池、燃料電池等を挙げることができる。
上記「第1導通部」の構成、個数等は特に問わない。この第1導通部は、通常、金属や導電性樹脂等の導電性材料からなる。
上記「第2導通部」の構成、個数等は特に問わない。この第2導通部は、通常、上記第1導通部と同様に、金属や導電性樹脂等の導電性材料からなる。
上記「孔部」及び上記「突部」の形状、大きさ、形成方法、嵌合形態等は特に問わない。
上記「第2導通部」の構成、個数等は特に問わない。この第2導通部は、通常、上記第1導通部と同様に、金属や導電性樹脂等の導電性材料からなる。
上記「孔部」及び上記「突部」の形状、大きさ、形成方法、嵌合形態等は特に問わない。
上記第1導通部には、例えば、カーペットの車両ボデー側の面に配置された板状部(21)が備えられていることができる(例えば、図3、図9、図10及び図11等参照)。この板状部の平面形状としては、例えば、略円形状(例えば、図4等参照)、略楕円形状、略長円形状、略方形状、略矩形状等を挙げることができる。
また、上記第1導通部は、例えば、カーペットの車室側の面に配置されたフランジ部(22)と、板状部とフランジ部とを接続するようにカーペットを貫通する接続部(23)と、が備えられていることができる(例えば、図3、図4、図9、図10及び図11等参照)。
また、上記第1導通部は、例えば、カーペットの車室側の面に配置されたフランジ部(22)と、板状部とフランジ部とを接続するようにカーペットを貫通する接続部(23)と、が備えられていることができる(例えば、図3、図4、図9、図10及び図11等参照)。
本実施形態に係るカーペットの接地構造としては、例えば、上記カーペットは、表皮層(6)と、表皮層の裏面側に積層されるバッキング層(7)と、バッキング層の裏面側に積層される上記シールド層(8)と、を有し、シールド層は、複数の孔を有するシート材(8a)からなる形態(例えば、図3等参照)を挙げることができる。これにより、シート材の複数の孔を介してバッキング層とシールド層とが接着固定され、表皮層、バッキング層及びシールド層の三者を強固に一体化することができる。
上記シート材(シールド層)としては、例えば、金属メッシュ、発泡金属、導電性繊維を用いてなる布(例えば、不織布、織物、編物等)などを挙げることができる。これらのうち、金属メッシュ、発泡金属等の金属部材である場合は、シールド性(電磁波遮蔽性)及びカーペットの保形性を高めることができる。この金属部材は、フレキシブル性に優れたた材質であることが好ましい。また、上記布である場合は、加工性を高めることができる。
上述の形態では、例えば、上記カーペットは、成形型(12a、12b)内に、表皮層になる表皮材(6a)と、バッキング層になるバッキング材(7a)と、シールド層になるシート材(8a)と、をこの順にセットし、これらセット物を、少なくともバッキング材を加熱した状態でプレス成形(圧縮成形)して得られることができる(例えば、図6等参照)。これにより、表示層、バッキング層及びシールド層の三者を更に強固に一体化することができる。
本実施形態に係るカーペットの接地構造としては、例えば、上記車両ボデー(2)には、車両用電池を被覆する立上げ壁(2a)が形成されている形態(例えば、図3等参照)を挙げることができる。車両用電池を被覆するための壁を車両ボデーの一部と共用することにより、更なる軽量化を図ることができるからである。
本実施形態に係るカーペットの接地構造としては、例えば、上記シールド層は、カーペットの裏面側に露出するように設けられていることができる。これにより、シールド層を車両ボデーに直接接触させ、カーペットを接地させることができるからである。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)カーペットの接地構造の構成
本実施例1に係るカーペットの接地構造1は、図1及び図2に示すように、金属製の車両ボデー2に搭載された車両用電池3を被覆するカーペット5を備えている。このカーペット5は、車両用電池3から発生する電磁波を遮蔽するシールド層8を有している。
(1)カーペットの接地構造の構成
本実施例1に係るカーペットの接地構造1は、図1及び図2に示すように、金属製の車両ボデー2に搭載された車両用電池3を被覆するカーペット5を備えている。このカーペット5は、車両用電池3から発生する電磁波を遮蔽するシールド層8を有している。
車両ボデー2には、車両用電池3の下方に位置するように金属製で縦断面略U字状のロアケース11が配設されている。また、車両ボデー2には、シートクッション10を支持するシートフレーム15が配設されている。このシートフレーム15は、車両前後方向に延びる金属製で略L字状の左右のフレーム16a,16bと、これら左右のフレーム16a,16bの間に架設され且つ車両幅方向に延びる金属製で略棒状の前後のフレーム17a,17bと、を有している。これら左右のフレーム16a,16bのそれぞれは、その一端側がロアケース11に固定され、その他端側が車両ボデー2に形成された立ち上げ壁2aの頂上部に固定されている。また、左右のフレーム16a、16b及び前フレーム17aの間には、カーペット5を介してシートクッション10を実質的に支持する金属製のクッションプレート18が固定されている。
カーペット5は、図3に示すように、車室内装面を形成する表皮層6と、この表皮層6の裏面側に積層される熱可塑性樹脂製のバッキング層7と、このバッキング層7の裏面側に積層されるシールド層8と、を有している。表皮層6は、1層又は2層以上の基布にパイル糸をタフティングしてなるタフト布である。また、バッキング層7は、カーペット5を形状保持する機能と、車室外側からの音を遮蔽する機能と、を有している。また、シールド層8は、複数の孔14を有するシート材8aからなっている。このシート材8aは、金網、エキスパンドメタル、パンチングメタル等の金属からなる。また、シールド層8の表面は、バッキング層7の裏面側から露出している。
また、図1〜図3に示すように、カーペット5には、シールド層8と電気的に導通する第1導通部19が備えられている。一方、車両ボデー2には、この第1導通部19と電気的に導通するための第2導通部20が備えられている。本実施例において、第1導通部19には孔部19aが形成されており、第2導通部20には突部20aが形成されている。そして、孔部19aに突部20aが嵌め込まれることにより、カーペット5が車両ボデー2に取り付けられるとともに、シールド層8が車両ボデー2に導通する。
図4に示すように、第1導通部19は、板状部21と、フランジ部22と、接続部23と、を有している。板状部21は、カーペット5の車両ボデー側の面に配置されており、孔部19aに突部20aが嵌め込まれたときには、その下面が車両ボデー2に接触するようになっている。フランジ部22は、カーペット5の車室側の面に配置されている。また、接続部23は、板状部21とフランジ部22とを接続するようにカーペット5を貫通して設けられている。第1導通部19は、これら板状部21、フランジ部22及び接続部23を貫通して孔部19aが形成されているいわゆるハトメ構造とされている。
(2)カーペットの接地構造の組立方法
次に、上記構成のカーペットの接地構造1の組立方法について説明する。先ず、カーペット5は、図5に示すように、成形型12a,12b内に、表皮層6になる表皮材6aと、バッキング層7になる加熱処理されたバッキング材7aと、シールド層8になるシート材8aと、をこの順にセットし、これらセット物をプレス成形して得られる。そして、カーペット5の第1導通部19が取り付けられる箇所に孔を形成する。
その後、カーペット5に第1導通部19を取り付ける。具体的には、図6に示すように、最初に、カーペット5に形成した孔に、板状部21と一体に設けられている接続部23をカーペット5の裏面(図6のシールド層8側の面)から挿入する。次に、図7に示すように、カーペット5を貫通した接続部23の先端にフランジ部22を被せる。最後に、図8に示すように、接続部23の先端をかしめて一体化する。
なお、車両ボデー2に形成される突部20aは、車両ボデー2のプレス成形時に形成するようにしてもよいし、溶接等により取り付けるようにしてもよい。
次に、上記構成のカーペットの接地構造1の組立方法について説明する。先ず、カーペット5は、図5に示すように、成形型12a,12b内に、表皮層6になる表皮材6aと、バッキング層7になる加熱処理されたバッキング材7aと、シールド層8になるシート材8aと、をこの順にセットし、これらセット物をプレス成形して得られる。そして、カーペット5の第1導通部19が取り付けられる箇所に孔を形成する。
その後、カーペット5に第1導通部19を取り付ける。具体的には、図6に示すように、最初に、カーペット5に形成した孔に、板状部21と一体に設けられている接続部23をカーペット5の裏面(図6のシールド層8側の面)から挿入する。次に、図7に示すように、カーペット5を貫通した接続部23の先端にフランジ部22を被せる。最後に、図8に示すように、接続部23の先端をかしめて一体化する。
なお、車両ボデー2に形成される突部20aは、車両ボデー2のプレス成形時に形成するようにしてもよいし、溶接等により取り付けるようにしてもよい。
そして、車両ボデー2に対してロアケース11、車両用電池3及びその制御部3a(図1参照)、並びにシートフレーム15を組み付ける。次に、それらの上方からカーペット5を被せて、シールド層8で車両用電池3及び制御部3aを被覆する。最後に、図1に示すように、第1導通部19と第2導通部20とを、孔部19aに突部20aを嵌め込むことにより係合させる。なお、その後、カーペット5上にはシートクッション10が配設される。
(3)カーペットの接地構造の作用
次に、上記構成のカーペットの接地構造1の作用について説明する。図2に示すように、シールド層8により、車両用電池3の上面及び車両前方側の前面が被覆され、ロアケース11により、車両用電池3の下面及び車両幅方向の両側面が被覆され、車両ボデー2に形成された立ち上げ壁2aにより、車両用電池3の車両後方側の後面が被覆されている。よって、カーペット5のシールド層8、ロアケース11及び車両ボデー2の立ち上げ壁2aにより車両用電池3は電磁波シールドされる。
次に、上記構成のカーペットの接地構造1の作用について説明する。図2に示すように、シールド層8により、車両用電池3の上面及び車両前方側の前面が被覆され、ロアケース11により、車両用電池3の下面及び車両幅方向の両側面が被覆され、車両ボデー2に形成された立ち上げ壁2aにより、車両用電池3の車両後方側の後面が被覆されている。よって、カーペット5のシールド層8、ロアケース11及び車両ボデー2の立ち上げ壁2aにより車両用電池3は電磁波シールドされる。
また、シールド層8と導通している第1導通部19の孔部19aと、車両ボデー2に設けられた第2導通部20の突部20aとが嵌合していることにより、カーペット5が車両ボデー2に取り付けられているとともに、シールド層8が車両ボデー2に導通している。その結果、カーペット5は車両ボデー2に接地される。
(4)実施例の効果
以上より、本実施例のカーペットの接地構造1によると、カーペット5には、車両用電池3から発生する電磁波を遮蔽するシールド層8が備えられている。また、カーペット5には、シールド層8と電気的に導通する第1導通部19が備えられており、車両ボデー2には、第1導通部19と電気的に導通するための第2導通部20が備えられている。第1導通部19には孔部19aが形成され、第2導通部20には突部20aが形成されている。そして、孔部19aに突部20aが嵌め込まれていることにより、カーペット5が車両ボデー2に取り付けられているとともに、シールド層8が車両ボデー2に導通している。このような構成により、容易かつ確実な電磁波の遮蔽及びカーペットの接地を実現することができる。
以上より、本実施例のカーペットの接地構造1によると、カーペット5には、車両用電池3から発生する電磁波を遮蔽するシールド層8が備えられている。また、カーペット5には、シールド層8と電気的に導通する第1導通部19が備えられており、車両ボデー2には、第1導通部19と電気的に導通するための第2導通部20が備えられている。第1導通部19には孔部19aが形成され、第2導通部20には突部20aが形成されている。そして、孔部19aに突部20aが嵌め込まれていることにより、カーペット5が車両ボデー2に取り付けられているとともに、シールド層8が車両ボデー2に導通している。このような構成により、容易かつ確実な電磁波の遮蔽及びカーペットの接地を実現することができる。
また、本実施例では、第1導通部19には、カーペット5の車両ボデー2側の面に配置された板状部21が備えられているので、車両ボデー2と第1導通部19との接触面積を確保することができ、より確実にカーペット5を接地させることができる。
また、本実施例では、第1導通部19が、板状部21と、カーペット5の車室側の面に配置されたフランジ部22と、板状部21とフランジ部22とを接続するようにカーペット5を貫通する接続部23と、が備えられているので、第1導通部19をカーペット5に容易かつ確実に取り付けることができる。
なお、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、第1導通部19に孔部19aを形成し、第2導通部20に突部20aを形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、図9に示すように、第1導通部19に突部19bを形成し、第2導通部20に孔部20bを形成するようにしてもよい。
また、上記実施例では、孔部19aに突部20aを嵌め込んで第1導通部19と第2導通部20とを接続するようにしたが、これに限定されず、例えば、孔部から突部が抜けてしまうのを防ぐ抜止部を設けるようにしてもよい。この抜止部としては、例えば、図10に示すように、突部20aをその先端側で拡径させた抜止部24としたり、孔部の一部を縮径させた抜止部としたり、これら拡径した突部と縮径した孔部とを組み合わせた形態の抜止部としたりすることができる。また、図10に示すような抜止部24の場合には、突部20aの基端から抜止部24までの長さL1を、孔部19aの深さL2よりも小さくすることができる。このような構成により、突部20aを孔部19aに圧入して嵌め込むことで、突部20aと孔部19aとの係合をより確実なものとすることができるとともに、第1導通部19の車両ボデー2への接圧を高めることができる。
また、上記実施例では、第1導通部19として、カーペット5の車両ボデー2側の面に配置された板状部21と、カーペット5の車室側の面に配置されたフランジ部22と、板状部21とフランジ部22とを接続するようにカーペット5を貫通する接続部23と、を有する第1導通部を例示したが、これに限定されず、例えば、図11に示すように、板状部21のみを備える第1導通部19としてもよい。この場合、より簡易な構成の第1導通部とすることができる。また、カーペット5の車室内側の面に第1導通部が露出しないので、意匠性に優れたカーペットの接地構造とすることができる。
また、上記実施例では、金属メッシュからなるシールド層8を例示したが、これに限定されず、例えば、金属板、金属箔、金属フィルム又は金属コーティング層からなるシールド層8を採用してもよい。また、発泡金属、又は導電性繊維を用いてなる布(例えば、不織布、織物、編物等)などからなるシールド層8を採用してもよい。
また、上記実施例では、タフト布からなる表皮層6を例示したが、これに限定されず、例えば、不織布、織物、編物等からなる表皮層6を採用してもよい。また、上記実施例では、1層のみからなるバッキング層7を例示したが、これに限定されず、例えば、複数層からなるバッキング層7を採用してもよい。また、上記実施例では、樹脂製のバッキング層7を例示したが、エラストマー又はゴム等からなるバッキング層7を採用してもよい。
なお、バッキング層7をなす樹脂としては熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂及びポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでもポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレンがより好ましく、低密度ポリエチレンが特に好ましい。十分な強度及び柔軟性並びに加工性を有しつつ、優れた遮音性を発揮できる。また、上記バッキング層7をなすエラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に、上記バッキング層7をなすゴムとしては、ブダジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム及びクロロプレンゴム等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、上記実施例では、表皮層6の裏面側にバッキング層7を直接的に積層するようにしたが、これに限定されず、例えば、表皮層6の裏面側に他の部材(例えば、防音材、吸音材、接着層等)を介してバッキング層7を間接的に積層するようにしてもよい。さらに、上記実施例では、バッキング層7の裏面側にシールド層8を直接的に積層するようにしたが、これに限定されず、例えば、バッキング層7の裏面側に他の部材(例えば、防音材、吸音材、接着層等)を介してシールド層8を間接的に積層するようにしてもよい。
また、上記実施例では、ロアケース11で車両用電池3の車幅方向の側面を被覆する形態を例示したが、これに限定されず、ロアケースに替えて又は加えて、カーペット5のシールド層8で車両用電池3の車幅方向の側面を被覆するようにしてもよい。
また、上記実施例では、表皮層6、バッキング層7及びシールド層8を一体成形してなるカーペット5を例示したが、これに限定されず、例えば、各層を接着剤等で接合してなるカーペットを採用してもよい。
また、上記実施例では、成形型12a,12b内に、表皮層6になる表皮材6aと、バッキング層7になる加熱処理されたバッキング材7aと、を別々にセットするようにしたが、これに限定されず、例えば、成形型12a,12b内に、表皮層6の裏面側にバッキング層7を一体成形してなる一体物をセットするようにしてもよい。
また、上記実施例では、バッキング層7の裏面側に露出するシールド層8を例示したが、これに限定されず、例えば、図12に示すように、バッキング層7の裏面側に埋設されたシールド層8としてもよい。
また、上記実施例では、バッキング層7の裏面側にシールド層8を配設するようにしたが、これに限定されず、例えば、図13に示すように、バッキング層7の表面側にシールド層8を配設したり、バッキング層7の表裏方向の中央側にシールド層8を配設したりしてもよい。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
車両用電池を被覆する技術として広く利用される。特に、乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などで使用される車両用電池の被覆構造として好適に利用される。
1;カーペットの接地構造、2,102;車両ボデー、2a;立ち上げ壁、3,103;車両用電池、3a;制御部、5,105;カーペット、6;表皮層、6a;表皮材、7;バッキング層、7a;バッキング材、8;シールド層、8a;シート材、10,110;シートクッション、11,111;ロアケース、12a,12b;成形型、14;シールド層の孔、15,114;シートフレーム、16a,16b;左右のフレーム、17a,17b;前後のフレーム、18;クッションプレート、19;第1導通部、19a;孔部、19b;突部、20;第2導通部、20a;突部、20b;孔部、21;板状部、22;フランジ部、23;接続部、24;抜止部、101;車両用電池の被覆構造、112;アッパーケース、113;電池組立品。
Claims (3)
- 車両用電池から発生する電磁波を遮蔽するシールド層が備えられたカーペットを車両ボデーに接地するためのカーペットの接地構造であって、
前記カーペットには、前記シールド層と電気的に導通する第1導通部が備えられ、
前記車両ボデーには、前記第1導通部と電気的に導通するための第2導通部が備えられ、
前記第1導通部及び前記第2導通部のいずれか一方には、孔部が形成され、他方には、突部が形成されており、
前記孔部に前記突部が嵌め込まれていることにより、前記カーペットが前記車両ボデーに取り付けられているとともに、前記シールド層が前記車両ボデーに導通していることを特徴とするカーペットの接地構造。 - 前記第1導通部には、前記カーペットの前記車両ボデー側の面に配置された板状部が備えられている請求項1記載のカーペットの接地構造。
- 前記第1導通部は、前記カーペットの車室側の面に配置されたフランジ部と、前記板状部と前記フランジ部とを接続するように前記カーペットを貫通する接続部と、が備えられている請求項2記載のカーペットの接地構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012108006A JP2013233880A (ja) | 2012-05-09 | 2012-05-09 | カーペットの接地構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012108006A JP2013233880A (ja) | 2012-05-09 | 2012-05-09 | カーペットの接地構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013233880A true JP2013233880A (ja) | 2013-11-21 |
Family
ID=49760351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012108006A Pending JP2013233880A (ja) | 2012-05-09 | 2012-05-09 | カーペットの接地構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013233880A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019107919A (ja) * | 2017-12-15 | 2019-07-04 | 日産自動車株式会社 | 車両用フロアカーペットの敷設構造及び敷設方法 |
EP3675617A1 (en) * | 2018-12-25 | 2020-07-01 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle lower portion structure |
CN112895655A (zh) * | 2019-12-03 | 2021-06-04 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 带有电磁屏蔽和消音改进的地板地毯 |
-
2012
- 2012-05-09 JP JP2012108006A patent/JP2013233880A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019107919A (ja) * | 2017-12-15 | 2019-07-04 | 日産自動車株式会社 | 車両用フロアカーペットの敷設構造及び敷設方法 |
JP7119364B2 (ja) | 2017-12-15 | 2022-08-17 | 日産自動車株式会社 | 車両用フロアカーペットの敷設構造及び敷設方法 |
EP3675617A1 (en) * | 2018-12-25 | 2020-07-01 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle lower portion structure |
CN111376995A (zh) * | 2018-12-25 | 2020-07-07 | 丰田自动车株式会社 | 车辆下部构造 |
CN111376995B (zh) * | 2018-12-25 | 2022-06-07 | 丰田自动车株式会社 | 车辆下部构造 |
CN112895655A (zh) * | 2019-12-03 | 2021-06-04 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 带有电磁屏蔽和消音改进的地板地毯 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6396960B2 (ja) | 電池パック | |
JP6935820B2 (ja) | 車両用フロアカーペットの開口部構造 | |
JP5609972B2 (ja) | 自動車のダッシュパネル構造 | |
US10160407B2 (en) | Noise insulation structure of automotive vehicle | |
JP2013233880A (ja) | カーペットの接地構造 | |
JP5644561B2 (ja) | 車両用電池の被覆構造及びカーペット | |
JP5522519B2 (ja) | 車両用内装品 | |
JP5870829B2 (ja) | 車両フロア構造 | |
WO2016111094A1 (ja) | 車両用複合内装部品 | |
JP2012162158A (ja) | カーペットの接地構造 | |
JP5934607B2 (ja) | 吸気ダクト | |
JP2012162157A (ja) | カーペットの接地構造 | |
JP2012162156A (ja) | カーペットの接地構造 | |
CN111376995B (zh) | 车辆下部构造 | |
JPS63176757A (ja) | 車輌用ワイヤハ−ネスの組付構造 | |
JP6598055B2 (ja) | インシュレータの取付構造 | |
JP2014193653A (ja) | カウルサイドトリムの取付構造 | |
JP6513051B2 (ja) | 車両用ドアトリム | |
JP2020011645A (ja) | 車両用内装材、及び、車両用スピーカーグリル | |
JP6172527B2 (ja) | 車両用内装材 | |
JP5796358B2 (ja) | カウルサイドトリム、及びカウルサイドトリムの組付構造 | |
JPH09188178A (ja) | 自動車用シート | |
JP2016111825A (ja) | 車両用アース部材及び車両用アース部材を備える自動車 | |
JP7287288B2 (ja) | 乗物用内装材の製造方法 | |
JP5384379B2 (ja) | 車両用内装部品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20140620 |