以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下の縁上)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口90や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口91を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
遊技盤2における遊技領域の中央よりやや右上側には、画像表示装置5を囲むように内側フレーム40が取り付けられており、内側フレーム40の右側には、遊技の際に動作する演出可動機構50が設けられている。内側フレーム40は、この実施の形態では、遊技領域における遊技球が打ち込まれる遊技面から前面側(遊技者側)に突出して形成されており、遊技球は、内側フレーム40の左右両外側を流下する。なお、内側フレーム40には、内側フレーム40の内部や画像表示装置5の裏面側を通って遊技球を下方に流下させるワープが形成されていてもよい。また、内側フレーム40は、遊技面から突出して形成されるものに限定されるものではなく、遊技面と同一平面上に形成されてもよい。
内側フレーム40の所定位置(図1に示す例では、右側方)には、演出可動機構50が取り付けられている。図2(A)及び図2(B)は、演出可動機構50を内側フレーム40から取り外して示す図であり、図3(A)及び図3(B)は、演出可動機構50の上面図及び下面図である。演出可動機構50は、ベース体51(ベース)51と、第1シンボル部(第1部材)60と、第2シンボル部(第2部材)64と、ガイド部材(方向変更手段)70と、リンク機構76と、駆動部80と、を備える。演出可動機構50では、第1シンボル部60と第2シンボル部64とが可動し、図2(A)に示すように第2シンボル部64の前方を第1シンボル部60で覆った状態(初期状態)や、図2(B)に示すように第1シンボル部60が左側に移動するとともに第2シンボル部64が前方(遊技者側)に移動した状態とすることができる。図4〜図7は、演出可動機構50の構成を説明するための図である。具体的には、図4は、演出可動機構50の第1シンボル部60を装飾する装飾部材60aや駆動部80の取付関係を説明するための図であり、図5は、ガイド部材70やリンク機構76の構成を説明するための図であり、図6及び図7は、第1シンボル部60と第2シンボル部64とベース体51との取付関係を説明するための図である。なお、図5以降では、第1シンボル部60を装飾する装飾部材60aなどの図示を省略している。また、図5では、駆動部80の図示を省略しており、図6及び図7では、第1シンボル部60と第2シンボル部64とベース体51のみを図示している。
演出可動機構50は、この実施の形態では、ベース体51が内側フレーム40に取り付けられることによって遊技盤2に取り付けられる。ベース体51は、図6及び図7などに示すように、パチンコ遊技機1の遊技面と略平行に配置されるベース壁部52と、ベース壁部の上下左右の端部からそれぞれ前側に突出した上壁部53、下壁部54、左壁部55、右壁部56とを有し、前方に開口した箱状に形成されている。ベース体51のベース壁部52には、例えば配線を通すためなどの複数の貫通孔52aや、遊技盤2への取り付けのための複数のビス孔52b、ベース壁部52の剛性を確保するためのリブ52cなどが形成されている。
ベース体51の上壁部53の上面には、ガイド部材70を取り付けるための複数(例えば3つなど)のボス53aが形成されている。また、ベース体51の上壁部53には、後述するリンク機構76における第2リンク部材(リンク部材)78の第1ガイドピン(ピン)79aが挿通するベース上壁ガイド孔(ベース側ガイド孔)57が形成されている。ベース上壁ガイド孔57は、左右方向に沿った第1ガイド部57aと、第1ガイド部57aの左端から前方に伸びる第2ガイド部57bとが連通して形成されている。この実施の形態では、第1ガイド部57aや第2ガイド部57bは、図6などに示すように、実際にはやや湾曲して弓なり状に形成されている。
ベース体51の下壁部54には、左右方向に沿ったガイド孔であるベース下壁ガイド孔58が形成されている。ベース下壁ガイド孔58は、この実施の形態では、後述するガイド部材70の回動支点軸73を中心とする円弧状に形成されている。ベース下壁ガイド孔58には、第1シンボル部60の右側下方の第2突起62が挿通する。また、ベース体51の下壁部54には、ベース下壁ガイド孔58よりも後方に、左右方向に長い配線通し孔54aも形成されている(図5参照)。
ベース体51の左壁部55は、中央及び下側が切り欠かれており、上方の一部だけに配設されている。これにより、第1シンボル部60が移動するときに第1シンボル部60とベース体51とが干渉するのを防ぐことができる。ベース体51の左壁部55よりもやや内側には、前後方向に沿ったスリット59aが形成されたガイド壁59が設けられている。このガイド壁59は、左壁部55などと同様にベース体51のベース壁部52から前方に突出して形成されている。ガイド壁59は、スリット59aに第2シンボル部64の左上の凸部64cが挿通し、第2シンボル部64の移動をガイドする。
ベース体51の右壁部56の上方には、前後方向に沿って、右壁部56から内側(左側)に突出して端部が上方に曲げられた上方ガイド56aが形成されており、右壁部56の中央よりやや下方には、前後方向に沿って溝が形成されるように、右壁部56から内側(左側)に突出した下方ガイド56bが形成されている。上方ガイド56aには、第2シンボル部64の右上の凸部64aが掛けられ、下方ガイド56bには、溝に第2シンボル部64の右下の凸部64bが挿入され、それぞれ第2シンボル部64の移動をガイドする。
なお、ベース体51は、例えば前面に装飾部材が取り付けられて表面に装飾が施されてもよい。また、ベース体51には、ベース体51自体や第1シンボル部60、第2シンボル部64を発光させる発光機構などが備えられてもよい。
第1シンボル部60は、遊技者に視認可能な位置に配設され、ベース体51に対して左右方向に可動する。第1シンボル部60は、この実施の形態では、図4に示すように、前方に装飾部材60aが配設されて、表面に装飾が施されている。第1シンボル部60に施される装飾は、例えば、キャラクタ画像や、文字などの記号、模様を示すものなどとすることができる。また、装飾部材60aは、全体又は一部分が透光性を有する部材で形成され、その裏側(後方)には、装飾部材60aに光を照射するLEDなどの発光体60cを備えた発光基板60bが設けられている。発光体60cには、ベース体51の下壁部54に形成された配線通し孔54aを介して下方から図示しない配線が接続される。なお、第1シンボル部60は、発光基板60bを備えずに、ベース体51や第2シンボル部64から光が照射されるものとしたり、こうした光の照射が行われないものとしてもよい。また、ベース体51の下壁部54に形成された配線通し孔54aを介して発光体60cに配線が接続されるものに限定されず、例えばベース壁部52の貫通孔52aを介して後方から発光体60cに配線が接続されてもよい。
第1シンボル部60には、図5〜図7に示すように、上に凸となる第1突起61が右側上方に形成されるとともに、第1突起61と同軸となるように、下に凸となる第2突起62が右側下方に形成されている。また、第1シンボル部60の左側上方には、上に凸となる第3突起63が形成されている。第1シンボル部60の右側上方の第1突起61は、後述するガイド部材70の第1シンボルガイド孔71を挿通してリンク機構76の第1リンク部材77に接続され、右側下方の第2突起62は、ベース体51のベース下壁ガイド孔58に挿通する。また、第1シンボル部60の左側上方の第3突起63は、リンク機構76の第2リンク部材78に接続される。
第2シンボル部64は、初期状態(図2(A)参照)では第1シンボル部60の後方に位置し、第1シンボル部60の移動に伴って前後方向に可動する。この実施の形態では、第2シンボル部64には、第1シンボル部60と同様に、第2シンボル部64の表面を装飾する装飾部材や、装飾部材に光を照射する発光体が配設されている(図示せず)。第2シンボル部64に施される装飾は、例えば、キャラクタ画像や、文字などの記号、模様を示すものなどとすることができ、第1シンボル部60に施された装飾と関連した内容を示すようにしてもよい。第2シンボル部64の発光体には、ベース体51のベース壁部52に形成された貫通孔52aを介して後方から図示しない配線が接続される。なお、第2シンボル部材64は、発光体を備えずに、ベース体51から光が照射されるものとしたり、こうした光の照射が行われないものとしてもよい。
第2シンボル部64の上端には、後方に突出する天井部65が形成されており、この天井部65には、左右方向に沿った第2シンボル側ガイド孔(第2部材側ガイド孔)66が形成されている。第2シンボル側ガイド孔66は、上方から見て、ベース体51のベース上壁ガイド孔57の第1ガイド部57aと同一の形状に形成されており、実際にはやや湾曲して弓なり状に形成されている。第2シンボル部64の右側面には、図6に示すように、右側に突出して端部が下向きに曲げられた突起64aが上方に形成されるとともに、右側に突出する突起64bが下方に形成されている。また、第2シンボル部64の左側面には、図7に示すように、左側に突出して端部が下向きに曲げられた突起64cが下方に形成されている。突起64a、64b、64cは、ベース体51の上方ガイド56a、下方ガイド56b、ガイド壁59にそれぞれガイドされ、これにより、第2シンボル部64は、前後方向に滑らかに移動できる。なお、第2シンボル部64は、3つの突起64a、64b、64cが形成されて3箇所でベース体51にガイドされるものに限定されず、例えば右下の突起64bを設けないなど、1箇所や2箇所、又は4箇所以上でベース体51にガイドされるように構成されてもよい。
ガイド部材70は、図3や図5に示すように、水平な板面を有する板状に形成され、ベース体51の上面に取り付けられる。ガイド部材70の前側には、左右方向に沿ったガイド孔である第1シンボルガイド孔71が形成されている。第1シンボルガイド孔71は、この実施の形態では、ガイド部材70の回動支点軸73を中心とする円弧状に形成されている。第1シンボルガイド孔71は、鉛直方向に沿って見たときに、ベース体51のベース下壁ガイド孔58と同一形状に形成されている。第1シンボルガイド孔71には、第1シンボル部60の右側上方の第1突起61が挿通する。この第1シンボルガイド孔71より後方には、左右方向に沿ったガイド孔である方向変更ガイド孔72が形成されている。方向変更ガイド孔72は、実際にはやや湾曲した弓なり状に形成されており、第1シンボルガイド孔71の右側半分と略同一の形状に形成されている。
ガイド部材70の上面には、方向変更ガイド孔72よりも後方に、上側に凸となる回動支点軸73が形成されている。回動支点軸73には、リンク機構76の第1リンク部材77が取り付けられ、駆動部80からの動力が第1シンボル部60に伝達されるときの支点となる。また、ガイド部材70には、ベース体51との取り付けのための複数のビス孔70aがベース体51のボス53aに対応して形成されているとともに、駆動部80を取り付けるための複数(例えば2つなど)のボス70bが上面に形成されている。さらに、ガイド部材70には、駆動部80の位置検出センサ84を取り付けるための位置決め凸部やビス孔も形成されている。
リンク機構76は、図4や図5に示すように、駆動部80に接続される第1リンク部材77と、第1シンボル部60と第2シンボル部64とに接続される第2リンク部材(リンク部材)78とを有する。第1リンク部材77は、ガイド部材70の上側に配設され、駆動部80からの動力を第1シンボル部60に伝達する。第1リンク部材77は、長尺状に形成されており、一端に回動支点孔77aが形成され、他端に挿通孔77bが形成されている。第1リンク部材77は、回動支点孔77aにガイド部材70の回動支点軸73が挿通されて、回動支点軸73を中心に回動する。挿通孔77bは、長尺方向に沿ってやや長く形成されており、第1シンボル部60の右側上方の第1突起61が挿通される。また、第1リンク部材77の中央部には、駆動部80からの動力が伝達される動力伝達孔77cが形成されている。動力伝達孔77cは、長尺方向に沿って長く形成されており、駆動部80の動力伝達突起83aが挿通される(図4参照)。また、第1リンク部材77には、回転位置を検出するための位置検出突起77dも形成されている。
第2リンク部材78は、図5に示すように、ガイド部材70とベース体51との間に配設され、第1シンボル部60と第2シンボル部64とに接続される。第2リンク部材78は、長尺状に形成されており、一端に第1シンボル部60の左側上方の第3突起63が挿通される挿通孔78aが形成されており、他端に下方に突出する第1ガイドピン(ピン)79aが形成されている。第1ガイドピン79aは、ベース体51のベース上壁ガイド孔57と、第2シンボル部64の第2シンボル側ガイド孔66とに挿通する。第2リンク部材78には、上方に突出する第2ガイドピン79bが中央部に形成されており、この第2ガイドピン79bは、ガイド部材70の方向変更ガイド孔72に挿通する。
駆動部80は、図4に示すように、モータ支持部材81と、動力源としてのモータ82と、動力伝達部材83と、位置検出センサ84と、を有する。モータ82は、モータ支持部材81にビス止めなどで取り付けられ、モータ支持部材81を介してガイド部材70に取り付けられる。モータ支持部材81には、ガイド部材70との取り付けのための複数のビス孔81aがガイド部材70のボス70bに対応して形成されるとともに、モータ82を取り付けるための位置決め突起やビス孔などが形成されている。モータ82は、ステッピングモータや、同期電動機、誘導電動機など種々のものを用いることができる。モータ82は、この実施の形態では、ガイド部材70の上側に、出力軸が鉛直方向に沿うように縦置きに配設されている。このようにモータ82がガイド部材70の上側に配設されており、演出可動機構50の前後方向の長さを小さくして演出可動機構50を配設するために必要なスペースを低減することができる。また、演出可動機構50の大きさに対して第2シンボル部64の可動領域を大きく確保することができる。
モータ82の出力軸には、動力伝達部材83が接続される。動力伝達部材83は、水平な板面を有する板状に形成され、モータ82側とは反対側の面に動力伝達突起83aが設けられている。動力伝達突起83aは、モータ82の出力軸と離心して配設され、第1リンク部材77の動力伝達孔77cに挿通する。モータ82の出力軸が回転すると、出力軸回りに動力伝達突起83aが回動して、第1リンク部材77が回動支点軸73回りに回動する。
駆動部80の位置検出センサ84は、モータ82を制御するために設けられており、この実施の形態では、リンク機構76の第1リンク部材77に設けられた位置検出突起77dを検出する。位置検出センサ84は、例えばフォトインタラプタなどで構成され、この実施の形態では、第1リンク部材77が初期位置(図2(A)など参照)に位置するか否かを検出するように設けられている。なお、位置検出センサ84は、モータ82を制御するための位置検出が可能であればよく、例えば、モータ82の出力軸の回転位置を検出したり、第1シンボル部60や第2シンボル部64の所定の検出部位を検出するなどとしてもよい。また、位置検出センサ84は、第1リンク部材77が初期位置に位置するか否かを検出するものに限定されず、2つ以上の位置を検出するように構成してもよい。
演出可動機構50を組み立てるときには、まず、ベース体51に対して、第2シンボル部64を取り付けてから、第2シンボル部64の前面に第1シンボル部60を取り付ける。具体的には、第2シンボル部64の突起64a、64b、64cのそれぞれが、ベース体51の上方ガイド56a、下方ガイド56b、ガイド壁59にガイドされるように、第2シンボル部64を前方からベース体51に取り付け、第1シンボル部60の右下の第2突起62がベース体51のベース下壁ガイド孔58に挿通するように、第1シンボル部60をベース体51に取り付ける(図5〜図7参照)。続いて、第2リンク部材78の第1ガイドピン79aが、ベース体51のベース上壁ガイド孔57と第2シンボル部64の第2シンボル側ガイド孔66とに挿通するとともに、第2リンク部材78の挿通孔78aに、第1シンボル部60の左側上方の第3突起63が挿通するように、第2リンク部材78を取り付ける(図5参照)。次に、第1シンボル部60の右側上方の第1突起61が第1シンボルガイド孔71を挿通するとともに、第2リンク部材78の第2ガイドピン79bが方向変更ガイド孔72に挿通するように、ガイド部材70をベース体51に取り付ける。続いて、回動支点孔77aにガイド部材70の回動支点軸73が挿通するとともに、挿通孔77bに第1シンボル部60の右側上方に第1突起61が挿通するように第1リンク部材77を取り付ける(図4参照)。そして、モータ82からの動力が第1リンク部材77に伝達されるように駆動部80をガイド部材70に取り付けることによって、演出可動機構50が構成される。駆動部80の取り付けは、具体的には、モータ支持部材81にモータ82を取り付けるとともにモータ82の出力軸に動力伝達部材83を取り付け、動力伝達部材83の動力伝達突起83aが第1リンク部材77の動力伝達孔77cに挿通するように、モータ支持部材81をガイド部材70に取り付ければよい。
次に、演出可動機構50の動作について説明する。図8〜図10は、演出可動機構50の動作を説明するための図である。なお、図9では、駆動部80の図示を省略して示しており、図10では、駆動部80とガイド部材70と第1リンク部材77との図示を省略して示している。演出可動機構50では、初期状態(図8〜図10の(A)参照)で、出力軸を右回りに回転させる向きにモータ82から動力が出力されると、動力伝達部材83の動力伝達突起83aから第1リンク部材77に動力が伝達されて第1リンク部材77が回動支点軸73回りに回動し、この第1リンク部材77の回動に伴って第1シンボル部60の右側上方の第1突起61が左側に移動する。ここで、第1シンボル部60は、左側上方の第3突起63が第2リンク部材78に接続されているので、右側上方の第1突起61が移動すると、第2リンク部材78による制約を受けて第1シンボル部60の左側上方の第3突起63も移動する。つまり、第1シンボル部60は、右側上方の第1突起61が移動することによって、全体が移動したり姿勢が変更されるが、その動作は、第2リンク部材78が可動可能な範囲で行われる。
この実施の形態では、第1リンク部材77の右側上方の第1突起61の移動をガイドするガイド部材70の第1シンボルガイド孔71は、左右方向に沿って形成されている。また、第2リンク部材78の第1ガイドピン79aが挿通するベース体51のベース上壁ガイド孔57の第1ガイド部57aと、第2リンク部材78の第2ガイドピン79bが挿通するガイド部材70の方向変更ガイド孔72も、左右方向に沿って形成されている。このため、図8〜図10の(A)、(B)に示すように、初期状態から第2リンク部材78の第1ガイドピン79aが第1ガイド部57aにガイドされて移動すると、第2リンク部材78がほとんど回動することなく左側に移動し、第1シンボル部60は、回動することなく左側に移動する。このときには、第2リンク部材78の第1ガイドピン79aは、第2シンボル部64の第2シンボル側ガイド孔66内で移動し、第2シンボル部64は移動しない。
モータ82から動力が出力されて第1リンク部材77がある程度回動すると、第1シンボル部60が左側に移動して、第2リンク部材78の第1ガイドピン79aがベース上壁ガイド孔57の第1ガイド部57aの端まで移動する。そして、更にモータ82から動力が出力されると、図8〜図10の(C)に示すように、第2リンク部材78の第1ガイドピン79aは、ベース上壁ガイド孔57における第1ガイド部57aから第2ガイド部57bに移動し、第2ガイド部57bにガイドされて前後方向に沿って移動する。このときには、第2リンク部材78の第2ガイドピン79bが方向変更ガイド孔72の左側の端部に当接し、第2リンク部材78は、第2ガイドピン79bを中心として回動する。これにより、第1シンボル部60の左側上方の第3突起63は、第2リンク部材78の回動に伴って後方に移動し、第1シンボル部60は、第1突起61と第3突起63とを軸として、上方から見て右回りに回動する。また、第2リンク部材78の第1ガイドピン79aが第2ガイド部57bに沿って前側に移動することによって、第2シンボル側ガイド孔66に第1ガイドピン79aが挿通された第2シンボル部64が前方に移動する(図8〜図10の(C)参照)。
一方、演出可動機構50では、図8〜図10の(C)に示すように、第1シンボル部60が右回りに回動しているとともに第2シンボル部64が前側に移動している状態で、出力軸を左回りに回転させる向きにモータ82から動力が出力されると、第1リンク部材77を介して第1シンボル部60の第1突起61に動力が伝達され、第1突起61が第1シンボルガイド孔71にガイドされて右側に移動する。また、第1シンボル部60の第1突起61が移動することに伴って、第2ガイド部材78の第1ガイドピン79aが第2ガイド部57bにガイドされて後方に移動する。これにより、第1シンボル部60の左側上方の第3突起63は前方に移動し、第1シンボル部60は、上方から見て左回りに回動する(図8〜図10の(B)参照)。また、第2リンク部材78の第1ガイドピン79aが第2ガイド部57bに沿って後方に移動することにより、第1ガイドピン79aが挿通された第2シンボル部64が後方に移動する。そして、更にモータ82から動力が出力されると、第2リンク部材78の第1ガイドピン79aは、左右方向に沿った第1ガイド部57aにガイドされて移動し、第1シンボル部60が右側に移動して、第2シンボル部64の前方が第1シンボル部60に覆われる(図8〜図10の(A)参照)。
このように、この実施の形態の演出可動機構50では、一つのモータ82によって、第1シンボル部60を左右方向に移動させることができるとともに、第2シンボル部64を前後方向に移動させることができる。また、この実施の形態の演出可動機構50では、第1ガイドピン79aが第2ガイド部57bにガイドされるときには、第2ガイドピン79bが方向変更ガイド孔72の端部に当接し、第2ガイドピン79bを回動中心として第2リンク部材78が回動するように構成されているので、第1シンボル部60や第2シンボル部64を滑らかに動作させることができる。しかも、この実施の形態の演出可動機構50では、初期状態で第1シンボル部60の後方に第2シンボル部64が位置し、第1シンボル部60が左側に移動するとともに第2シンボル部64が前方に移動するように構成されているので、第1シンボル部60や第2シンボル部64を配置するために前後方向に必要なスペースを低減することができ、演出可動機構50やパチンコ遊技機1の前後方向の大きさを小さくすることができる。
また、この実施の形態の演出可動機構50は、動力源としてのモータ82を含む駆動部80が第1シンボル部60や第2シンボル部64の上方に配置されているので、駆動部80が第1シンボル部60や第2シンボル部64の後方に配置されるものに比して、演出可動機構50の前後方向の大きさを小さくしたり、第2シンボル部64の可動域を大きく確保することができる。また、演出可動機構50は、画像表示装置5の右側に配設され、第1シンボル部60は、左側の端部が後方に移動するように回動するので、第1シンボル部60によって画像表示装置5が覆われるスペースを小さくすることができる。また、これにより、画像表示装置5の傍に演出可動機構50を配置することができるので、遊技球が流下する遊技領域を広く確保することができる。
また、この実施の形態の演出可動機構50では、第1シンボル部60は、右側上方の第1突起61と下方の第2突起62とがガイド部材70の第1シンボルガイド孔71とベース体51のベース下壁ガイド孔58とにそれぞれ挿通して、上下両側からガイドされるので、第1シンボル部60を滑らかに移動させることができる。さらに、この実施の形態では、ベース体51の下壁部54に、左右方向に沿った配線通し孔54aが形成されて、この配線通し孔54aを介して第1シンボル部60の発光体60cに図示しない配線が接続されるので、配線の接続を容易にすることができるとともに、第1シンボル部60や第2シンボル部64の動作に伴って、配線が絡まるのを抑制することができる。
図1に戻って、遊技盤2における遊技領域の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口90を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図示しないソレノイドによって開閉駆動される入賞口扉103を備え、その入賞口扉103によって開放状態と閉鎖状態とに変化する始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口91を形成する(図11参照)。この実施の形態では、第1始動入賞口90は、透光性を有するように形成され、遊技盤2に設けられたLEDなどの図示しない発光体から第1始動入賞口90に光が照射されることによって、第1始動入賞口90が発光するように構成されている。図11及び図12は、第1始動入賞口90と第2始動入賞口91を拡大して示す図であり、図13及び図14は、第1始動入賞口90を分解して示す図である。
この実施の形態の第1始動入賞口90は、図11〜図14に示すように、遊技盤2に取り付けられる入賞口フレーム体100に対して、前方から前方装飾部材101が取り付けられるとともに、後方から樋状部材102が取り付けられることによって構成されている。入賞口フレーム体100には、前方に突出する樋状の突出部100aが形成されており、この突出部100aの前面に前方装飾部材101が取り付けられる。入賞口フレーム体100の突出部100aの内側には、前方装飾部材101との取り付けのための貫通孔100bが形成されており、この貫通孔100bの上側には、上に凸となるリブ100cが形成されている。前方装飾部材101は、表面にローレット状やクロスカット状の装飾が施されている。前方装飾部材101の裏面には、後方に突出して雌ネジ部101aが形成され、この雌ネジ部101aの上側には上に凸となるリブ101bが形成されている。前方装飾部材101は、入賞口フレーム体100の後方から貫通孔100bを介して雌ネジ部101aに図示しない雄ネジが螺合されることによって、入賞口フレーム体100に取り付けられる。
入賞口フレーム体100と前方装飾部材101とのネジによる取付部の後方には、樋状部材102が取り付けられる。樋状部材102には、入賞口フレーム体100の突出部100aと同一形状で後方に突出する樋状部102aが形成されており、樋状部102aの内側には、前方装飾部材101のネジ止め部に重なるように、上側に凸となるリブ102bが形成されている。また、樋状部材102には、樋状部102aの外側に入賞口フレーム体100との取り付けのための貫通孔が形成されたネジ止め部102cが形成されている。入賞口フレーム体100には、樋状部材102のネジ止め部102cに対応する位置に雌ネジ部100dが形成されており、樋状部材102は、後方からネジ止め部102cの貫通孔を介して入賞口フレーム体100の雌ネジ部100dに図示しない雄ネジが螺合されることによって、入賞口フレーム体100に取り付けられる。
第1始動入賞口90を組み立てるときには、まず、入賞口フレーム体100の前方に前方装飾体101を配置し、後方から、入賞口フレーム体100の貫通孔100bを介して前方装飾体101の雌ネジ101aに図示しない雄ネジを螺合させることによって、入賞口フレーム体100に前方装飾体101を取り付ける。そして、入賞口フレーム体100と前方装飾体101とのネジ止め部に樋状部材102のリブ102bが重なるように、入賞口フレーム体100の後方に樋状部材102を配置し、後方から、樋状部材102のネジ止め部102cを介して入賞口フレーム体100の雌ネジ部100dに図示しない雄ネジを螺合させることによって、入賞口フレーム体100に樋状部材102を取り付ける。このように、入賞口フレーム体100と前方装飾体101とを取り付けてから、そのネジ止め部を後方から覆うように樋状部材102を入賞口フレーム体100に取り付けることによって、第1始動入賞口90を発光させるときに、入賞口フレーム体100と前方装飾部材101とのネジによる取付部が目立つのを抑制することができる。
この実施の形態の第1始動入賞口90では、前面に装飾部材101が取り付けられるので第1始動入賞口90の装飾性を向上させることができる。また、前方装飾部材101は、入賞口フレーム体100の突出部100aの内側でネジ止めされるので、装飾部材101を小さくすることができる。しかも、入賞口フレーム体100の後方には樋状部材102を取り付け、この樋状部材102のリブ102bによって入賞口フレーム体100と前方装飾部材101とのネジによる取付部が後方から覆われるので、第1始動入賞口90を発光させるときに、入賞口フレーム体100と前方装飾部材101とのネジによる取付部が目立つのを抑制することができる。さらに、前方装飾部材101は、ローレット状やクロスカット状の装飾が施されるものとしたので、入賞口フレーム体100と前方装飾部材101との取付部が目立つのを更に抑制することができる。なお、前方装飾部材101は、裏面がローレット状やクロスカット状に形成されていてもよい。
また、この実施の形態の第1始動入賞口90では、前方装飾部材101のリブ101bと、入賞口フレーム体100のリブ100cと、樋状部材102のリブ102bとによって、第1始動入賞口90に入賞した遊技球の移動をガイドして滑らかに移動させることができる。しかも、この実施の形態の第1始動入賞口90では、図12に示すように、リブ101b、100c、102bの順に高さが低くなる段差を有するように設計するものとした。これにより、各部品の製造誤差や組み付け誤差に影響されずに、遊技球を滑らかに移動させることができる。
第2始動入賞口91では、図示しない入賞口扉用のソレノイドがオフ状態であるときに、入賞口扉103が閉鎖位置となり、遊技球が第2始動入賞口91を通過(進入)しない閉鎖状態となる。その一方で、入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときに、入賞口扉103が開放位置となり、遊技球が第2始動入賞口91を通過(進入)できる開放状態となる(図示せず)。なお、普通可変入賞球装置6Bは、入賞口扉用のソレノイドがオフ状態のときには、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口90や普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口91を通過(進入)した遊技球は、例えば図示しない第1始動口スイッチや第2始動口スイッチによってそれぞれ検出される。第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
図1に戻り、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図示しない大入賞口扉用となるソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図示しないカウントスイッチによって検出される。カウントスイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口90や第2始動入賞口91といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート26を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口90、第2始動入賞口91及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、内側フレーム40等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。なお、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bは、遊技者による操作が検出された場合、画像表示装置5における表示演出が変更されたり、演出可動機構50における動作やスピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが行われる演出(例えば予告演出やリーチ演出)などにおいて使用されればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート26を通過した遊技球が図示しないゲートスイッチによって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口90を通過(進入)した遊技球が図示しない第1始動口スイッチによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口91を通過(進入)した遊技球が図示しない第2始動口スイッチによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図ゲームが行われるごとに設定される特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)、演出可動機構50における動作などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
この実施の形態では、リーチ演出が行われるときに、特図変動時演出制御パターンに従って演出可動機構50による演出動作が行われる。演出可動機構50による演出動作としては、モータ82を駆動制御することにより、第1シンボル部60によって第2シンボル部64が覆われた状態としたり(図2(A)参照)、第1シンボル部60が左側に移動するとともに第2シンボル部64が前方に移動した状態としたりする(図2(B)参照)。
リーチ演出における演出可動機構50を用いた演出動作では、大当り期待度が高いリーチ演出のときほど、演出効果の高い演出動作が行われるように予め演出パターンを定めておいてもよい。例えば、リーチ演出が行われない初期状態では、第1シンボル部60によって第2シンボル部64が覆われた状態とし(図8〜図10の(A)参照)、ノーマルリーチ演出が行われるときには、第2シンボル部64が前方に移動しない範囲で第1シンボル部60を第2シンボル部64の前方から移動させるものとし(図8〜図10の(B)参照)、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高いスーパーリーチ演出が行われるときには、第1シンボル部60を第2シンボル部64の前方から移動させるとともに、第2シンボル部64を前方に移動させるように(図8〜図10の(C)参照)、演出動作が行われてもよい。このように演出可動機構50の演出動作によって第1シンボル部60が移動するときに、第2シンボル部64が移動するときと移動しないときとを設けて、第2シンボル部64が移動するときには大当り期待度を高くすることによって、演出可動機構50による演出動作が行われるときに、第2シンボル部64が移動するか否かに対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、この場合には、図8〜図10の(B)に示す状態で第2シンボル部64を振動させることにより、第2シンボル部64が移動するか否かに対して遊技者の期待感を煽ることができる。さらに、こうした演出可動機構50を用いた演出動作に関連させて、画像表示装置5による演出表示が行われるようにしてもよい。
なお、演出可動機構50を用いた演出動作については、これらの例に限定されるものではなく、モータ82を駆動することによって実現できる種々の演出動作が採用されればよい。また、リーチ演出以外の演出において、演出可動機構50を用いた演出動作が行われてもよい。例えば、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出において、演出可動機構50を用いた演出動作が行われてもよいし、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出において、演出可動機構50を用いた演出動作が行われてもよいし、大当り演出において、演出可動機構50を用いた演出動作が行われてもよい。また、演出可動機構50を用いた演出動作では、モータ82の回転速度が演出動作ごとに変更されてもよい。
以上説明したように、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、第2リンク部材78の第1ガイドピン79aがベース上壁ガイド孔57の第1ガイド部57aにガイドされて移動することにより第1シンボル部60が左右に移動し、第1ガイドピン79aがベース上壁ガイド孔57の第2ガイド部57bにガイドされて移動することにより第2シンボル部64が前後に移動するので、一つのモータ82によって第1シンボル部60を左右に移動させるとともに第2シンボル部64を前後に移動させることができる。また、第1シンボル部60や第2シンボル部64を配置するために前後方向に必要なスペースを低減することができ、演出可動機構50やパチンコ遊技機1の前後方向の大きさを小さくすることができる。また、第2リンク部材78の第1ガイドピン79aが第2ガイド部57bにガイドされるときには、第2ガイドピン79bが方向変更ガイド孔72の端部に当接し、第2ガイドピン79bを回動中心として第2リンク部材78が回動するように構成されているので、第1ガイドピン79aの第1ガイド部57aと第2ガイド部57bとの移動を滑らかにすることができ、第1シンボル部60や第2シンボル部64を滑らかに動作させることができる。
しかも、この実施の形態の演出可動機構50は、動力源としてのモータ82を含む駆動部80が第1シンボル部60や第2シンボル部64の上方に配置されているので、駆動部80が第1シンボル部60や第2シンボル部64の後方に配置されるものに比して、演出可動機構50の前後方向の大きさを小さくしたり、第2シンボル部64の可動域を大きく確保することができる。また、演出可動機構50は、画像表示装置5の右側に配設されるとともに、第1シンボル部60は、第2シンボル部64の前方から左側に移動した後に左側の端部が後方に移動するように回動するので、第1シンボル部60によって画像表示装置5が覆われるのを抑制することができる。また、これにより、画像表示装置5の傍に演出可動機構50を配置することができるので、遊技球が流下する遊技領域を広く確保することもできる。
また、この実施の形態の演出可動機構50では、演出可動機構50の演出動作として第1シンボル部60が移動するときに、第2シンボル部64が移動するときと移動しないときとを設けて、第2シンボル部64が移動するときには大当り期待度を高くするように制御するので、演出可動機構50による演出動作が行われるときに、第2シンボル部64が移動するか否かに対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。例えば、上述した実施の形態では、モータ82は、第1シンボル部60や第2シンボル部64の上方に取り付けられるものとしたが、演出可動機構50における右側に配設されるなど、任意の場所に設けられればよい。また、上述した実施の形態では、演出可動機構50の動力源としてモータ82を備え、動力伝達部材83や第1リンク部材77を介して第1シンボル部60に動力が伝達されるものとしたが、第1シンボル部60を上下方向や左右方向に移動させることができればよく、上述した例に限定されるものではない。さらに、動力源として、モータ82に代えてまたは加えて、例えば伸縮して動力を出力する他のアクチュエータが用いられてもよい。
上述した実施の形態では、演出可動機構50は、第2リンク部材78の第1ガイドピン79aが前後方向に沿った第2ガイド部57bにガイドされて移動するときには、第1シンボル部60が回動するものとしたが、例えば、第1シンボル部60に前後方向に沿ったガイド孔が形成され、第1ガイドピン79aが第2ガイド部57bにガイドされて移動するときには第1シンボル部60が移動しないように構成してもよい。
上述した実施の形態では、初期状態において、第1シンボル部60の後方に第2シンボル部64が配置され、第1シンボル部60が第2シンボル部64の前方から移動して、第2シンボル部64が前方に移動するものとしたが、初期状態において、第1シンボル部60の前方に第2シンボル部64が配置され、第1シンボル部60が第2シンボル部64の後方から移動して、第2シンボル部64が後方に移動するように構成してもよい。また、第1シンボル部60は、左右方向に沿って移動するものに限定されず、上下方向に移動するなど、パチンコ遊技機1の遊技面に沿った方向に移動するものであれば如何なるものとしても構わない。
上述した実施の形態では、第1シンボル部60は、右側上方の第1突起61がガイド部材70の第1シンボルガイド孔71に挿通されるとともに、右側下方の第2突起62がベース体51のベース下壁ガイド孔58に挿通されて、ベース体51やガイド部材70に支持されるものとしたが、ベース体51とガイド部材70の一方だけに支持されるものとしたり、ベース体51やガイド部材70に支持されることなく可動するように構成されてもよい。また、上述した実施の形態では、第2シンボル部64は、突起64a、64b、64cがベース体51に支持されるものとしたが、ベース体51に代えて、または加えて、ガイド部材70に支持されてもよいし、ベース体51やガイド部材70に支持されることなく可動するように構成されてもよい。
上述した実施の形態では、演出可動機構50は、画像表示装置5の右側に配置されるものとしたが、パチンコ遊技機1における任意の場所に配設されればよい。また、上述した実施の形態では、演出可動機構50は、遊技盤2の内側フレーム40に取り付けられてパチンコ遊技機1に搭載されるものとしたが、例えば遊技機用枠3の所定位置に取り付けられてパチンコ遊技機1に搭載されてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、演出可動機構50の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。また、例えば、スロットマシンやゲーム機などに上述の演出可動機構50が搭載されるなど、他の遊技機に本発明を適用してもよい。
スロットマシンとは、例えば、所定の遊技媒体を1ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示装置による識別情報の可変表示を開始し、遊技者が各可変表示装置に対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の可変表示を停止し、全ての可変表示装置の可変表示を停止したときに導出表示された表示結果に従って入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払い出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態として所定の遊技価値を遊技者に与える状態にするように構成した遊技機である。