以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
また、画像表示装置5の下方には、演出装置200が設けられている。また、画像表示装置5の上方には、伸縮装置300が設けられている。演出装置200及び伸縮装置300は、遊技の進行に伴い、所定の演出を実行する。なお、演出装置200及び伸縮装置300の詳細については、後述する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、駆動モータ201、駆動モータ257、駆動モータ301、装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部、駆動モータ201、駆動モータ257、及び駆動モータ301における動作/非動作といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線、及び検出センサ215、検出センサ268、及び検出センサ308の検出信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」や「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。また、数字や記号として特定の意味を有する点灯パターンの特別図柄を大当り図柄やハズレ図柄とするものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおける任意の点灯パターンの特別図柄を、大当り図柄やハズレ図柄としてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰り返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」または「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。なお、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される大当り種別(例えば「突確」など)を設けてもよい。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作、あるいは演出用模型の所定動作などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどといった、パチンコ遊技機1において実行される遊技の有利度を、遊技者に予め告知(示唆)するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、「ボタン予告」や「ウィンドウ予告」といった複数種類の予告演出が実行可能に設定されている。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間に変化が生じないものであればよい。
「ボタン予告」となる予告演出が実行される場合には、全図柄変動が開始されてから、2つ以上の飾り図柄表示部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rなど)にて飾り図柄が導出表示されるより前に、操作有効期間中演出となる所定の演出動作が行われる。操作有効期間中演出は、例えば画像表示装置5の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作を促す演出動作であればよい。このように、遊技者による所定の操作(例えばプッシュボタン31Bの押下操作など)を促す操作有効期間中演出は、操作促進演出ともいう。
遊技者による所定の操作を促す演出動作としては、画像表示装置5に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカ8L、8Rから所定の音声を出力させるもの、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、遊技領域内あるいは遊技領域外に設けられた演出用模型が備える可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらのいずれかを組み合わせたものであってもよい。
操作有効期間中演出が行われるときには、遊技者によるプッシュボタン31Bなどの操作を有効に検出する操作有効期間となる。そして、操作有効期間内に遊技者によるプッシュボタン31Bの押下操作などが検出されると、その操作が検出されたタイミングにて、操作有効期間中演出の実行を停止するとともに、ボタン操作時演出となる所定の演出動作が行われる。ボタン操作時演出は、例えば画像表示装置5の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを認識可能に予告する演出動作であればよい。こうして、プッシュボタン31Bに対する押下操作といった所定の操作が、操作有効期間内に検出されたときに、操作有効期間中演出をボタン操作時演出に切り替えることなどにより、演出態様を変化させることができればよい。
「ウィンドウ予告」となる予告演出では、例えば「ボタン予告」となる予告演出に対応して操作有効期間が開始されるよりも後の所定タイミングにて、予め用意された複数種類のキャラクタなどを示す演出画像のうち、いずれかの演出画像を画像表示装置5の表示画面にてウィンドウ内に出現させるように表示させるなどの演出動作が実行される。なお、キャラクタなどを示す演出画像の表示とともに、そのキャラクタからのメッセージを報知するメッセージ画像を表示させたり、メッセージを報知する所定の音声をスピーカ8L、8Rから出力させるといった、各種の演出動作が行われてもよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある(非リーチ)。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある(リーチハズレ)。
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機1に設けられた演出装置200の構造詳細について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた演出装置を前方からみた斜視図である。また、図4は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた演出装置を後方からみた斜視図である。また、図5は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた演出装置を前方からみた分解斜視図である。また、図6は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた演出装置を後方から見た分解斜視図である。なお、以下の説明においては、図3、4に示すように、遊技者が位置する側をパチンコ遊技機1の前方とし、その反対の方向を後方とする。また、パチンコ遊技機1の前方に位置する遊技者からみて上下左右の方向を、そのままパチンコ遊技機1の上下左右の方向と定義して説明する。
演出装置200は、ベース部210と、ベース部210の前面に回動可能に取り付けられた移動手段270と、移動手段270に接続された可動役物250とで概略構成されている。
ベース部210は、演出装置200の各構成部品が取り付けられるとともに、演出装置200をパチンコ遊技機1に取り付けるためのベース部材として機能する。
移動手段270は、ベース部210に回動可能に取り付けられている。移動手段270は、ベース部210の後面に、駆動モータ取付板202を介して取り付けられた駆動モータ201から駆動力を受けて回動する。
可動役物250は、図1に示すように、その一部が隠れた状態にある退避位置と、後述する遊技者が視認しやすい進出位置との間を往復する。このような可動役物250の移動は、移動手段270の回動により実現される。後述するように、可動役物250は、一部の構成部品が移動することで変形する。可動役物250が、進出位置で変形することで、遊技者に変形後の可動役物250を視認させることができ、遊技の興趣を高めた演出を実行することができる。
駆動モータ201は、例えばステッピングモータであり、演出制御基板12(図2)により動作/非動作が制御される。駆動モータ201は、駆動パルスに同期して回動するため、回動軸201a(図5)を所定の角度だけ回動させることができる。回動軸201aは、駆動ギヤ203に連結されている。
従動ギヤ205は、ベース部210の後面から突出した回動軸213(図6)に挿通され、摺動リング204を介して回動可能に取り付けられている。従動ギヤ205は、駆動ギヤ203に噛合しており、駆動ギヤ203の駆動力が伝達されて回動する。また、従動ギヤ205は、回動ギヤ206と噛合しており、駆動モータ201の駆動力を回動ギヤ206に伝達する。
回動ギヤ206は、ベース部210の前面に突出した回動軸212(図5)に挿通されて、ベース部210に回動可能に取り付けられている。ベース部210の回動軸212(図5)の近傍には、開口214が形成されている。この開口214から回動ギヤ206がベース部210の後方に露出して、従動ギヤ205と噛合している。これにより、回動ギヤ206は、従動ギヤ205の回動を受けて、回動軸212を中心に回動する。
図7は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた回動役物及び移動手段を前方からみた分解斜視図である。また、図8は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた回動役物及び移動手段を後方からみた分解斜視図である。
移動手段270は、前面移動手段275と後面移動手段276とが組み合わされて、その外観が概略構成されている。
前面移動手段275は、移動手段270の前面を構成する部材であり、その表面には装飾が施されている。前面移動手段275には、回動ギヤ206に形成された突出部207が挿通される開口275aと、可動役物250に形成された突出部251(図8)が挿通される開口275cと、ベース部210(図5)に形成された回動軸211が挿通される挿通孔275dと、が形成されている。
後面移動手段276は、移動手段270の後面を構成する部材である。後面移動手段276には、回動ギヤ206に形成された突出部207が挿通される開口276aと、可動役物250に形成された突出部251(図8)が挿通される開口276cとが形成されている。
前面移動手段275と後面移動手段276とが組み合わされることにより、開口275aと開口276aとが合わさって開口270a(図6)が構成されるとともに、開口275cと開口276cとが合わさって開口270c(図6)が構成される。そのため、図7、8においては、便宜上、開口275a及び開口276aに“(270a)”の符号を付加するとともに、開口275c及び開口276cに“(270c)”の符号を付加している。
移動手段270に形成された挿通孔275dには、ベース部210(図5)に形成された回転軸211(図5)が挿通されている。挿通孔275dと、回転軸211(図5)との間には、摺動リング272及び摺動リング273が介在している。これにより、移動手段270は、回転軸211(図5)を中心に回動可能となっている。なお、移動手段270とベース部210(図5)との間には、ねじりばね271が介在している。移動手段270は、このねじりばね271により、前方から見て反時計回りに付勢された状態にある。すなわち、移動手段270は、後述する初期位置に向けて付勢された状態にある。
回動ギヤ206は、前方から見て略扇型に形成されており、半径が交わる頂点近傍には、前方に向けて突出した突出部207が形成されている。この突出部207は、移動手段270に形成された開口270aに挿通されている。
開口270aと、突出部207との間には、摺動リング208及び摺動リング209が介在している。これにより、突出部207は、開口270aの形成方向にスライドすることが可能である。なお、開口270aは、形成方向に沿って略一定の曲率を有する、円弧状に形成された開口である。一方、突出部207は、開口270aの形成方向と直交する方向に、押圧力を作用させる。そのため、回動ギヤ206が回動すると、突出部207は、開口270a内をスライドするとともに、開口270aの形成方向と直交する方向に押圧力を作用させて移動手段270を回動させる。このように、ベース部210(図5、6)の後面に設けられた駆動モータ201(図5、6)を駆動させることにより、移動手段270を、回動軸211(図5)を中心に回動させることができる。
なお、ベース部210には、検出センサ215が取り付けられている。検出センサ215は、例えば、フォトセンサである。検出センサ215は、発光部から出射された光を、移動手段270に取り付けられた遮光板216が遮るのを受光部が検出することによって、遮光板216の有無を判定する。本実施形態においては、検出センサ215が遮光板216を検出する場合、図3に示すように、移動手段270が最も傾倒した状態にある。このとき、移動手段270がある位置を、初期位置と規定する。
移動手段270が初期位置にある状態から、駆動モータ201が駆動し、移動手段270が前方からみて時計回りに回動したとする。すると、検出センサ215は、遮光板216を検出しなくなる。このように、検出センサ215は、移動手段270が初期位置にある場合にのみ遮光板216を検出する。これにより、検出センサ215は、移動手段270が初期位置にあるか否かを判断するために用いられる。
可動役物250の後面には、後方に向けて突出した突出部251(図8)が形成されている。突出部251は、移動手段270に形成された開口270cに挿通され、摺動リング274を介して開口270c内に取り付けられている。これにより、突出部251は、開口270c内を移動することが可能であるとともに、回動する移動手段270から押圧されて可動役物250を移動させる。なお、開口270cは、一か所に屈曲点を有するように形成された開口であり、前方からみると略への字状に形成された開口である。
また、可動役物250の後面には、第1スライドレール252及び第2スライドレール253と、第1スライドレール252及び第2スライドレール253を並列に連結する連結板254とが取り付けられている。
図9は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた回動役物を前方からみた分解斜視図である。また、図10は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた回動役物を後方からみた分解斜視図である。
第1スライドレール252は、第1レール252a及び第2レール252bを有している。第1レール252aと第2レール252bとの間には、図示しない鋼球が介在しているとともに、潤滑油が塗布されている。これにより、第1レール252a及び第2レール252bは、互いに長手方向252cにスライド可能に接続されている。このように、第1レール252a及び第2レール252bは、長手方向252cに沿って互いの相対的位置関係を変化させることができる。なお、第1レール252aは、ベース部210(図5)に形成されたレール収容部217に収容され固定されている。一方、第2レール252bは、連結板254の後面に形成されたレール収容部254aに収容され、固定されている。
第2スライドレール253は、第3レール253a及び第4レール253bを有している。第3レール253aと第4レール253bとの間には、図示しない鋼球が介在しているとともに、潤滑油が塗布されている。これにより、第3レール253a及び第4レール253bは、互いに長手方向253cにスライド可能に接続されている。このように、第3レール253a及び第4レール253bは、長手方向253cに沿って互いの相対的位置関係を変化させることができる。なお、第3レール253aは、連結板254aの前面に形成されたレール収容部254bに収容され、固定されている。また、第4レール253bは、ベース板255に形成されたレール収容部255a(図10)に収容され、固定されている。
このような構成により、ベース部210(図5)に固定された第1レール252aに対して、第2レール252bが長手方向252cに沿ってスライドすることにより、可動役物250は、ベース部210(図5)に対して長手方向252cに沿って移動する。さらに、連結板254に固定された第3レール253aに対して、第4レール253bが長手方向253cにスライドすることにより、可動役物250は、ベース部210(図5)に対して長手方向253cに沿って移動する。
本実施形態においては、連結板254は、第1スライドレール252と第2スライドレール253とが互いに平行になるように並列に連結している。そのため、第1スライドレール252の長手方向252cと、第2スライドレール253の長手方向253cとは平行である。これにより、第1スライドレール252及び第2スライドレール253がスライド動作することにより、可動役物250は一方向に沿って移動する。
このように、第1スライドレール252及び第2スライドレール253は、可動役物250の移動経路を規定して、この移動経路に導くガイド部として機能する。
また、連結板254は、第1スライドレール252と第2スライドレール253とを並列に連結することで、前後方向におおよそ同一の位置で保持することができる。そのため、演出装置自体の厚みを薄くすることができ、コンパクトな構成とすることができる。
また、連結板254の後面には、後方に突出した突出部254cが形成されている。この突出部254cには、表面の摩擦係数が小さい材料から形成された摺動リング256が取り付けられている。後述するように、この摺動リング256には、移動手段270の一端面である当接部270b(図6)が当接することで、連結板254のベース部210(図5)に対する移動を制限することが可能である。
ベース板255は、可動役物250の種々の部品が取り付けられるとともに、可動役物250の後方を覆って内部を保護する。ベース板255の後面には、種々の配線を収容するための窪みである配線収容部255b(図10)が形成されている。この配線収容部255b(図10)は、レール収容部255aが形成された領域にまで形成されている。これにより、配線を第2スライドレールと接触させずに通すことができ、配線が第2スライドレール253に絡みつくのを防止することができる。なお、ベース板255の後面には、配線収容部255bを覆う配線カバー258が取り付けられている。これにより、配線収容部255bに収容された配線を保護することができるとともに、配線が絡まるという不具合を低減することができる。
また、ベース板255には、駆動モータ257が取り付けられている。駆動モータ257は、例えばステッピングモータであり、演出制御基板12(図2)により動作/非動作が制御される。駆動モータ257は、駆動パルスに同期して回動するため、回動軸257aを所定の角度だけ回動させることができる。回動軸257aは、図10に示すように、駆動ギヤ259に連結されている。また、ベース板255には、駆動ギヤ259に噛み合った従動ギヤ260と、従動ギヤ260に噛み合った回動ギヤ261が回動可能に取り付けられている。これにより、駆動モータ257の駆動力が、回動ギヤ261に伝達される。
図11は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた回動役物の一部を前方からみた分解斜視図である。また、図12は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた回動役物の一部を後方からみた分解斜視図である。
可動役物250は、第1移動ベース262及び第2移動ベース263を有している。第1移動ベース262は、長孔状の開口262aが形成されているとともに、歯型が平行に複数形成された歯型部262bが形成されている。第1移動ベース262に形成された開口262aには、ベース板255(図9)の前面に形成された2つの移動制限突起255c(図9)が挿入されている。これにより、第1移動ベース262の移動は、移動制限突起255c(図9)が開口262a内を移動できる方向、すなわち、矢印218及び矢印221に沿った方向に制限される。
また、第2移動ベース263も、長孔状の開口263aが形成されているとともに、歯型が平行に複数形成された歯型部263bが形成されている。第2移動ベース263に形成された開口263aには、ベース板255(図9)の前面に形成された2つの移動制限突起255d(図9)が挿入されている。これにより、第2移動ベース263の移動は、移動制限突起255d(図9)が開口263a内を移動できる方向、すなわち、矢印219及び矢印222に沿った方向に制限される。
なお、第1移動ベース262及び第2移動ベース263は、それぞれの歯型部262b及び歯型部263bが離間するように設けられている。離間した歯型部262bと歯型部263bとの間には、回動ギヤ261が配されており、歯型部262b及び歯型部263bに噛合している。これにより、回動ギヤ261が回動することにより、第1移動ベース262及び第2移動ベース263は、所定の方向に沿って移動する。なお、第1移動ベース262及び第2移動ベース263は、回動ギヤ261を挟みこむように設けられている。そのため、回動ギヤ261が回動することによって生じる第1移動ベース262が移動する方向は、第2移動ベース263が移動する方向とは反対の方向となる。
ベース板255(図9)には、検出センサ268が設けられている。検出センサ268が、第1移動ベース262に形成された検出片を検出することによって、第1移動ベース262の位置を把握することができる。なお、第1移動ベース262及び第2移動ベース263は、同一の回動ギヤ261に噛合し移動するため、両者は連動する。そのため、検出センサ268の検出結果により、第2移動ベース263の位置も判断することが可能である。
第1移動ベース262には、透光性を有する合成樹脂から構成された第1装飾カバー264が取り付けられている。また、第1装飾カバー264には、複数のLEDが設けられたLED基板265が後方から取り付けられている。このような構成により、第1装飾カバー264は、LEDからの光を出射するとともに、第1移動ベース262の移動とともに、略左右方向に移動する。
第2移動ベース266にも、透光性を有する合成樹脂から構成された第2装飾カバー266が取り付けられている。また、第2装飾カバー266には、複数のLEDが設けられたLED基板267が後方から取り付けられている。このような構成により、第2装飾カバー266は、LEDからの光を出射するとともに、第2移動ベース263の移動とともに、略左右方向に移動する。
可動役物250は、可動ベース230と、移動演出体231と、第4装飾カバー232と、LED基板233と、第3装飾カバー234とを備えている。
可動ベース230は、ベース板255(図9)に取り付けられ、第1移動ベース262等の各部材をベース板255(図9)との間に収容する。可動ベース230には、回動ギヤ261を通すことが可能な回動ギヤ挿通孔230aが形成されている。回動ギヤ261は、突起部261aが可動ベース230の前方に位置するように、回動ギヤ挿通孔230aが形成された箇所に配置される。これにより、回動ギヤ261が回動することにより、突起部261aは可動ベース230の前方を回動する。また、可動ベース230には、上下方向に互いに平行に形成されたガイド溝230b及びガイド溝230cが形成されている。なお、可動ベース体230には、後方からLED基板297が取り付けられている。LED基板297には、複数のLED(不図示)が取り付けられており、可動ベース体230の側面から光を出射する。この光は、後述する伸縮装置300に取り付けられた伸縮アーム310(図18)に光を照射する。
移動演出体231は、前方から見て、略コの字状をなしており、両端端部は先細の形状をなしている。移動演出体231の後面には、後方に向けて突出した突起部231b及び突起部231c(図12)が形成されている。突起部231bは、可動ベース230に形成されたガイド溝230bに挿入されているとともに、突起部231cは、可動ベース230に形成されたガイド溝230cに挿入されている。これにより、移動演出体231の移動は、ガイド溝230b及びガイド溝230cが形成された方向のみに制限される。
また、移動演出体231には、長穴状の開口231aが形成されている。この開口231aには、回動ギヤ261に形成された突起部261aが挿入されている。これにより、回動ギヤ261が回動することにより、移動演出体231は、突起部261aから押圧力を受け、ガイド溝230b及びガイド溝230cの形成方向に沿って移動する。
第4装飾カバー232は、移動演出体231の前方に位置し、可動ベース230に取り付けられている。この第4装飾カバー232には、第3装飾カバー234が取り付けられる。第3装飾カバー234は、例えば、透光性を有する合成樹脂から構成されている。第3装飾カバー234には、複数のLEDが設けられたLED基板233が後方から取り付けられている。また、第3装飾カバー234には、複数のLEDが設けられたLED基板298が後方から取り付けられている。このように、移動演出体231の前方には、第3装飾カバー234と第4装飾カバー232とが配されている。そのため、通常時、移動演出体231は、第3装飾カバー234等の後方に隠れ、視認することはできない。このような状態から、回動ギヤ261が回動し、移動演出体231がガイド溝230b及びガイド溝230cの形成方向に沿って移動する。すると、移動演出体231は第3装飾カバー234及び第4装飾カバー232から突出する。これにより、遊技者は突出した移動演出体231の一部を視認することができる。また、LED基板298は、下方を向くように傾けて取り付けられている。LED基板298に設けられた複数のLEDは、第3装飾カバー234の側方に向けて光を出射する。これにより、第3装飾カバー234等から突出した移動演出体231に光を照射することができる。
なお、可動ベース230に取り付けられたLED基板297、及び第4装飾カバー232に取り付けられたLED基板298に搭載されたLEDから出射された光は、可動役物250の側面から光を出射することにより、後方に向けて光が出射される。第2スライドレール253は、正面視して、LED基板297及びLED基板298と重ならない、可動役物250の中央部に取り付けられている(図17)。これにより、第2スライドレール253に光が照射されるのを防止することができ、第2スライドレール253が目立つのを防止することができる。
次に、演出装置200の動作について、図13〜図17を用いて説明する。図13〜図17は、演出装置200が演出動作する様子を、その動作順に示している。図13〜図16は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた演出装置を示す図であり、(a)は演出装置を前方からみた正面図、(b)は演出装置の一部を後方から見た図である。また、図17は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた演出装置を前方からみた正面図である。なお、図13〜図16の(b)図に関しては、ベース部210の図示は省略して、演出装置200が演出動作する際の各構成部材が動く様子を理解できるようにしている。
図13は、移動手段270が初期位置にあり最も傾倒した状態にある演出装置200を示している。このように、移動手段270が初期位置にある場合、可動役物250は最も下方に位置し、遊技者に視認されづらい位置にある。このように、遊技者に視認されづらく、最も下方にある可動役物250の位置を、退避位置と規定する。
移動手段270が初期位置にあり、可動役物250が退避位置にある場合、検出センサ215は遮光板216を検出する。このように、検出センサ215が遮光板216を検出することにより、移動手段270が初期位置にあると判断される。また、移動手段270の先端に形成された当接部270bは、連結板254に取り付けられた摺動リング256に当接した状態にある。
図13に示す演出装置200から、駆動モータ201(図5)を駆動させ、回動ギヤ206を後方からみて反時計回りに、回動中心C1を中心に回動させた演出装置200を図14に示す。回動ギヤ206の回動により、突出部207は回動中心C1を中心とした円弧上を移動する。図13に示す状態から、突出部207が移動し始める方向は、開口270aが形成された方向に近い。そのため、突出部207は、移動手段270を押し上げる方向に移動するよりも、開口270a内を移動する。そのため、図13に示す状態から図14に示す状態に移行する間、回動ギヤ206の回動量に比べて、移動手段270の回動量は小さなものとなる。
このように、回動ギヤ206の回動中心C1を基準とした回動により、移動手段270は回動中心C2を中心に後方から見て反時計回りに回動する。この移動手段270の回動により、突出部251は、開口270c内を移動するとともに、開口270cの内壁によって押圧される。これにより、回動役物250は、第1スライドレール252及び第2スライドレール253のスライド方向(右上方向)に沿って移動する。なお、図14(b)においては、移動手段270の動きが理解できるように、初期位置にある移動手段270’を、二点鎖線を用いて図示している。
なお、移動手段270に形成された当接部270bの外形は、移動手段270の回動中心C2を中心とした円弧と一致する。そのため、移動手段270が、図13に示す状態から回動中心C2を中心に回動して図14に示す状態にまで移動する間、当接部270bは摺動リング256に当接した状態で保持される。これにより、摺動リング256が取り付けられた連結板254は、移動することができない。これにより、第1スライドレール252のスライド動作は制限され、専ら、第2スライドレール253によるスライド動作によって、可動役物250が移動する。そのため、図14に示すように、第2スライドレール253を構成する、第3レール253aと第4レール254aとの間にはずれが生じることになる。一方、第1スライドレール252を構成する第1レール252aと第2レール252b(図9)との間には、ずれが生じない。
図14(b)に示す演出装置においては、摺動リング256は、当接部270bの端部に、ぎりぎり当接した状態にある。そのため、これ以上、移動手段270が回動すると、当接部270bと摺動リング256とは離間することになり、第1スライドレール252のスライド動作の制限が解除される。すなわち、可動役物250が退避位置にある図13に示す位置(図14においては移動手段270’の位置)から、図14に示す移動手段270の位置までの第1移動区間295を移動手段270が移動する間、第1スライドレール252のスライド動作が制限され、第2スライドレール253のスライド動作は許容される。また、後述するように、図14に示す移動手段270の位置から可動役物250が進出位置にある図16に示す移動手段270の位置までの第2移動区間296(図16)を移動手段270が移動する間、第1スライドレール252及び第2スライドレール253のスライド動作が許容される。
図14に示す状態から、駆動モータ201(図5)を駆動させて、回動ギヤ206をさらに回動させた演出装置を図15に示す。この回動ギヤ206の回動により、移動手段270は、回動中心C2を中心に後方からみて反時計回りに回動する。
図14に示す状態から、回動ギヤ206が回動することにより、突出部207は回動中心C1を中心とした円弧上を移動する。このとき、突出部207が移動し始める方向は、開口270aの形成方向と大きく異なり、開口270aの形成方向に直交する方向に近い。そのため、突出部207は、開口270a内をほとんど移動することなく、移動手段270を回動中心C2を中心に大きく回動させる。また、回動する移動手段270は、突出部251に、開口270cの形成方向と直交する方向に大きな力を作用させる。これにより、回動役物250を右上方向に素早く移動させることができる。このように、図14に示す状態から図15に示す状態へ移行する場合、図13に示す状態から図14に示す状態へ移行する場合と比べて、可動役物250を素早く右上方向に移動させることができる。
図15(b)に示すように、摺動リング256と当接部270bとは離間した状態にある。そのため、連結板254の動きを制限するものがなくなり、連結板254はベース部210に対して移動することが可能となる。これにより、移動手段270が回動して可動役物250が右上方向に移動する際、第2スライドレール253だけでなく、第1スライドレール252もスライド動作をする。そのため、第1レール252aと第2レール252bとの間にスライド方向にずれが生じ、可動役物250をさらに右上に位置させる。
図15に示す状態から、駆動モータ201(図5)を駆動させて、回動ギヤ206をさらに回動させた演出装置を図16に示す。なお、図16(b)においては、移動手段270の動きが理解できるように、初期位置にある移動手段270’、及び図14に示す位置にある移動手段270’’を、二点鎖線を用いて図示している。この回動ギヤ206の回動により、移動手段270は、回動中心C2を中心に後方からみて反時計回りに回動する。この移動手段270の回動により、可動役物250は、さらに右上方向に移動する。
図15に示す状態から、回動ギヤ206が回動することによって突出部207が移動する軌跡は、概ね開口270aが形成された領域に沿うように構成されている。そのため、回動ギヤ206が回動することによって、突出部207は、開口270aの形成方向に沿って移動する。そのため、図15に示す状態から図16に示す状態に移行するまでの間に、移動手段270が回動する量は小さい。また、移動手段270の回動中心C2を中心とした回動により、回動役物250に形成された突出部251は、開口270cに押圧されるが、その押圧量は小さく、略への字状に形成された開口270c内を大きく移動する。そのため、回動ギヤ206が同様のスピードで回動したとしても、回転役物250はゆっくりと右上方向に向かって移動する。
そして、可動役物250は、これ以上、右上方向に移動することができない限界位置に達する。本実施形態においては、可動役物250が、最も右上にある位置のことを進出位置と規定する。このように、可動役物250が進出位置に移動すると、可動役物250は、図1に示すようなその一部が隠れた状態から、全体が視認可能な状態となる。これにより、遊技者は、可動役物250を視認することが容易になる。
上述のように、可動役物250を退避位置から進出位置まで移動させる場合、まず、移動手段295が第1移動区間295を移動する間に、第1スライドレール252のスライド動作を規制して第2スライドレール253のスライド動作を許容する。そして、第2スライドレール253のスライド動作をさせた後、移動手段が第1移動区間295に隣接する第2移動区間296を移動する間、第1スライドレール252及び第2スライドレール253のスライド動作を許容する。これにより、演出装置200の動作順序が常に一定となる。そのため、演出装置200の動きを安定させることができるとともに、遊技者に安定した演出動作を見せることができる。
また、上述のように、可動役物250を移動させるにあたり、回動ギヤ206に形成された突出部207を開口270aに挿通させるとともに、回動役物250に形成された突出部251を開口270cに挿通させる構成を採用している。これにより、同一の速度で回動ギヤ206を回動させたとしても、可動役物250が移動する速度に変化をつけることが、可動役物250の動きにメリハリをつけることができる。これにより、遊技の興趣を高めた遊技機を提供することができる。
また、開口270aを円弧状に形成するとともに、開口270cを略への字状に形成することにより、図15に示す状態から図16に示す状態に移行する場合で説明したように、可動役物250の移動を小さく、ゆっくりしたものとすることができる。そのため、進出位置に到達する直前の可動役物250の動きを丁寧なものとすることができ、遊技者に雑な動きによる演出を見せることを防止することができる。また、図16(b)に示すように、可動役物250が進出位置にある場合、突出部251は屈曲部を有する開口270cの上端に、突出部207は円弧状の開口270aの下端に位置している。このため、移動手段270に予期しない力が作用したとしても、突出部207及び突出部251の位置は変化することなく、図16に示す状態が保持される。そのため、可動役物250が進出位置にある演出装置200にがたつき等が発生することを防止することができる。
また、第1スライドレール252のスライド動作を規制する手段は、連結板254に形成された摺動リング256、及び、この摺動リング256に当接する当接部270bを有する移動手段270だけである。そのため、演出装置200の構成を簡単なものとすることができる。
また、連結板254は、第2スライドレール253を可動役物250の進出位置側に、第1スライドレール252を可動役物250の退避位置側に保持している。そのため、第1スライドレール252を構成する第1レール252aは、遊技者が視認困難な位置に設けられており、可動役物250が進出位置まで移動したとしても、視認困難な位置から動くことはない。そのため、可動役物250が進出位置に移動したとしても、第1スライドレール252を目立ちにくくすることができる。
このように、可動役物250が進出位置まで移動すると、可動役物250に取り付けられた駆動モータ257を駆動させる。図11、図12に示すように、駆動モータ257の駆動力は、回動ギヤ261に伝達される。駆動モータ257の駆動により、回動ギヤ261が前方から見て反時計回りに回動すると、回動ギヤ261に噛合した第1移動ベース262は、第1装飾カバー264及びLED基板265とともに、矢印218の方向に移動する。また、回動ギヤ262に噛合した第2移動ベース263は、第2装飾カバー266及びLED基板267とともに、矢印219の方向に移動する。
また、回動ギヤ261の突起部261aが、可動ベース230の前方で回動することにより、移動演出体231はガイド溝230b及びガイド溝230cの形成方向、すなわち矢印220の方向に移動する。
このように、可動役物250に取り付けられた駆動モータ257を駆動することにより、図17に示すように、第1装飾カバー264、第2装飾カバー266、及び移動演出体231を、可動役物250の外側に向けて移動させることができる。これにより、第1装飾カバー264及び第2装飾カバー266に覆われて視認できなかった第4装飾カバー232が視認できるようになるとともに、移動演出体231を第4装飾カバー232から突出させることができる。以下においては、可動役物250の変形前の状態である図16に示す状態を第1状態と記載し、可動役物250の変形後の状態である図17に示す状態を第2状態と記載するものとする。
このように、進出位置にある可動役物250を変形させることで、遊技者に予期しない変化を視認させることができ、演出効果を高めることができる。また、第1装飾カバー264、第2装飾カバー266、及び移動演出体231の移動を、可動役物250に取り付けられた1つの駆動モータ257の駆動によって実現することができる。これにより、演出装置200の構成を簡単なものとすることができる。
また、可動役物250の外側に向けて移動した第1装飾カバー264を前方から見ると(演出装置200を正面からみると)、第2スライドレール253を構成する第3レール253aと重なり合う。このように、第1装飾カバー264の移動経路に第2スライドレール253(第3レール253a)を配置することにより、第2スライドレール253(第3レール253a)を目立ちにくくすることができる。
また、図17に示すように、第3レール253aを有する第2スライドレール253は、可動役物250を前方から見ると、LED基板297及びLED基板298を避けた位置(可動役物250の中央部)に取り付けられている。これにより、可動役物250の側面から、後方に出射された光によって、第2スライドレール253が照射されるのを防止することができ、第2スライドレール253が目立つのを防止することができる。
なお、可動役物250の移動と、可動役物250の変形は、図11に示すLED基板265、LED基板267、及びLED基板233に搭載されたLEDの発光を伴いながら実行される。LEDの発光態様は点灯や点滅する態様であってもよいし、発光させるLEDを時間の経過とともに異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技の興趣をより高めることができる演出を実現することができる。
図17に示す演出装置の状態から、図13に示す演出装置の状態に復帰するためには、駆動モータ257及び駆動モータ201(図5)を上述した方向とは反対の方向に駆動させればよい。
まず、図17に示す第2状態にある可動役物250を、図16に示す第1状態とするために、駆動モータ257を上述した方向とは反対の方向に駆動させる。駆動モータ257の駆動により、図11に示すように、第1移動ベース262は矢印221の方向に、第2移動ベース263は矢印222の方向に、移動演出体231は矢印223の方向に移動し、可動役物250を第1状態に復帰させることができる。
続いて、駆動モータ201(図5)を上述した方向とは反対の方向に駆動させる。これにより、進出位置にある図16に示す可動役物250を、退避位置(図13に示す可動役物250の位置)に移動させることができる。演出装置200は、可動役物250を進出位置から退避位置まで移動させる場合に、第1スライドレール252及び第2スライドレール253のスライド動作を規制する手段を有していない。したがって、2つのスライドレールの動作順序は規定されていない。しかしながら、可動役物250の進出位置から退避位置への移動は、通常、演出装置200による演出が終了した後に行われる。そのため、遊技者は可動役物200に注目しておらず、演出装置200の動作順序をあまり考慮する必要はない。
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機1に設けられた伸縮装置300の構造詳細について説明する。図18は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた伸縮装置を前方からみた斜視図である。図19は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた伸縮装置を後方からみた斜視図である。
伸縮装置300は、伸縮装置300のベース部を構成する後方ベース板302及び前方ベース板305と、後方ベース板302に取り付けられた駆動モータ301と、前方ベース板305に取り付けられた伸縮アーム310とで、外観が概略構成されている。駆動モータ301が駆動することにより、伸縮アーム310が伸縮方向319に沿って伸長する。伸長した伸縮アーム310は、画像表示装置5(図1)に飛び出し、遊技者は飛び出した伸縮アーム310を視認することができる。
図20は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた伸縮装置を前方からみた分解斜視図である。また、図21は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた伸縮装置を後方からみた分解斜視図である。
駆動モータ301は、後方ベース板302の後面に設けられている。駆動モータ301は、例えばステッピングモータであり、演出制御基板12(図2)により動作/非動作が制御される。駆動モータ301は、駆動パルスに同期して回動するため、回動軸301a(図20)を所定の角度だけ回動させることができる。
後方ベース板302及び前方ベース板305は、互いに組み合わされて、伸縮装置300のベース部を構成する。後方ベース板302と前方ベース板305との間には、駆動ギヤ303と、従動ギヤ304と、第1回動片306及び第2回動片307と、検出センサ308とが収容されている。
駆動ギヤ303は、駆動モータ301に形成された駆動軸301aに接続されている。駆動ギヤ303は駆動モータ301の駆動により回動する。
従動ギヤ304は、前方ベース板305に形成された回動軸305a(図21)に回動可能に軸支されている。従動ギヤ304は、駆動ギヤ303に噛合しており、駆動ギヤ303の回動を受けて回動軸305a(図21)を中心に回動する。従動ギヤ304の外縁には、検出センサ308により検出される遮光片304cが形成されている。
検出センサ308は、例えば、フォトセンサである。検出センサ308は、発光部から出射された光を、従動ギヤ304に形成された遮光片304cが遮るのを受光部が検出することによって、遮光片304cの有無を判定する。本実施形態においては、検出センサ308が遮光片304cを検出する場合、伸縮アーム310は縮んだ状態にある。
従動ギヤ304の前面には、前方に向けて突出した第1突出部304a、及び第2突出部304bが形成されている。第1突出部304aは、第2回動片307に形成された挿通孔307aに挿通されている。また、第2突出部304bは、第1回動片306に形成された挿通孔306aに挿通されている。
挿通孔306aが形成された第1回動片306は、前面から突出した第1係合ピン306bを有している。第1係合ピン306bは、前方ベース板305に形成された第1長穴305bに挿通されている。これにより、第1係合ピン306bは、第1長穴305bの長軸方向に沿って移動可能である。
挿通孔307aが形成された第2回動片307は、前面から突出した第2係合ピン307bを有している。第2係合ピン307bは、前方ベース板305に形成された第2長穴305cに挿通されている。これにより、第2係合ピン307bは、第2長穴305cの長軸方向に沿って移動可能である。
図20に示す伸縮装置300においては、第1係合ピン306b及び第2係合ピン307bは、挿通された長穴の端部に位置しており、互いの距離が最も離れた状態にある。この状態から、駆動モータ301を駆動させて、従動ギヤ304を回動させると、第1回動片306及び第2回動片307は、従動ギヤ304により引っ張られて移動する。これにより、第1係合ピン306bは第1長穴305b内を矢印331の方向に、第2係合ピン307bは第2長穴305c内を矢印330の方向に移動する。このように、第1係合ピン306bと第2係合ピン307bとの距離が近づくことにより、伸縮アーム310は伸長する。一方、第1係合ピン306bと第2係合ピン307bとの距離が離れることにより、伸縮アーム310は縮むことになる。
図22は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた伸縮アームを後方からみた分解斜視図である。伸縮アーム310は、略平行に配された第1格子材311、第2格子材312、第3格子材313、及び第4格子材314と、略平行に配された第5格子材315、第6格子材316、第7格子材317、及び第8格子材318とが接合されて構成されている。
第1格子材311には、後方に突出した突出部311b、311cが形成されている。同様に、第2格子材312には、後方に突出した突出部312a、312b、312cが形成されている。同様に、第3格子材313には、後方に突出した突出部313a、313b、313cが形成されている。同様に、第4格子材314には、後方に突出した突出部314a、314bが形成されている。
また、第5格子材315には、突出部311bが挿通されるとともに、摺動リング332、333を収容する挿通孔315bが形成されている。また、第5格子材315には、突出部312aが挿通されるとともに、摺動リング332、333を収容する挿通孔315cが形成されている。同様に、第6格子材316には、挿通孔316a、316b、316cが形成されている。同様に、第7格子材317には、挿通孔317a、317b、317cが形成されている。同様に、第8格子材318には、挿通孔318a、318bが形成されている。
このように、各格子材の接合部は、突出部を2つの摺動リングを介在させた状態で挿通孔に挿通することによって構成されている。これにより、各接合部において、交差した格子材の交差角度を自在に変化させることが可能である。
なお、第1回動片306に形成された第1係合ピン306b(図20)は、第1格子材311に形成された挿通孔311aに挿入されている。また、第2回動片307に形成された第2係合ピン307b(図20)は、第5格子材315に形成された挿通孔315aに挿入されている。駆動モータ301aが駆動することにより、挿通孔311aと挿通孔315aとの間隔が変化する。これにより、各接合部における格子材の交差角度が変化し、伸縮アーム310が伸縮する。
図23は、本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた伸縮アームを後方からみた図である。伸縮アーム310においては、10箇所にピン接合部341〜350が設けられている。このうち、接合部345、346、347においては、挿通孔に対して突出部が偏心した位置にある。より具体的に説明すると、以下の通りである。例えば、ピン接合部345は、第6格子材316に形成された挿通孔316bに、第2格子材312に形成された突出部312b(図22)が挿入されている。そして、挿通孔316bの中心と突出部312b(図22)の中心がずれるように、挿通孔316bと突出部312bとが形成されている。そのため、図23に示すように、両者の間に介在する摺動リング333も、挿通孔316bに対してずれた状態で取り付けられている。
同様に、ピン接合部346は、第7格子材317に形成された挿通孔317bに、第3格子材313に形成された突出部313b(図22)が挿入されており、挿通孔317bの中心と、突出部313bの中心とはずれが生じている。
同様に、ピン接合部347は、第8格子材318に形成された挿通孔318bに、第4格子材314に形成された突出部314b(図22)が挿入されており、挿通孔318bの中心と、突出部314bの中心とはずれが生じている。
なお、その他のピン接合部341〜344、348〜350は、挿通孔の中心と、突出部の中心とが一致するように構成されている。
通常、突出部の径は、挿通孔の径よりも若干小さく、挿通孔と突出部との間に隙間が存在する。このような隙間が、伸縮アーム310の全てのピン結合の箇所に存在した場合、各格子材ががたつくという問題が生じる。このようながたつきは、例えば、伸縮アーム310を縮めて上方に引き上げた場合に、伸縮アームの垂れ下がりを引き起こしたり、振動が発生させたりするという問題が生じる。
一方、伸縮アーム310においては、挿通孔の中心と突出部の中心とがずれているため、挿通孔の内壁と突出部の外周壁とを密着した状態とすることができる。そのため、伸縮アーム310の各格子材にがたつきが生じにくく、伸縮アームの垂れ下がりが防止され、振動の発生を抑制することができる。
なお、挿通孔に対して突出部をずらす方向は、重力が作用する方向を考慮して決定するのがよい。例えば、図23においては、重力が作用する方向は下方である。そこで、突出部が挿通孔に対して上方側にずれるようにして(図では、摺動リング333が上方にずれている)、突出部の上部を挿通孔に密着させている。
なお、伸縮アーム310の全てのピン結合の箇所で、挿通孔の中心と突出部の中心とをずらしてしまうと、伸縮アーム310の組み立てが困難となる。そこで、本実施形態における適用箇所は、伸縮アーム310の伸縮方向に並んだ、中央の列のピン結合箇所のみとしている。これにより、左右のピン結合箇所の接合を容易に行うことができる。
本実施形態に係る遊技機においては、画像表示装置5(図1)を挟んで、上方に伸縮装置300、下方に演出装置200を配置している。そして、演出装置200の可動役物250が右上に移動して進出位置まで移動するのに合わせて、伸縮装置300の伸縮アーム310を伸長させる。これにより、画像表示装置5(図1)に可動役物250と伸縮アーム310とを出現させることができ、より効果的な演出を実行することが可能である。
なお、可動役物250の移動と、伸縮アーム310の伸縮動作とを同時に実行してもよいし、一方の動作を停止させた後に他方の動作を開始するようにしてもよい。また、可動役物250を、退避位置と、進出位置との間で往復するように動作をさせてもよいし、移動方向を小刻みに変更させるようにして動作させてもよい。また、可動役物250に設けられたLED基板265、267、233に搭載されたLEDから光を出射させながら、可動役物250や伸縮アーム310を動作させてもよい。
なお、演出装置200の可動役物250や、伸縮装置300の伸縮アーム310を動作させるタイミングとしては、リーチ演出時や、遊技が行われておらず、パチンコ遊技機1がデモンストレーション状態時である場合等である。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されている。リーチ演出時に、演出装置200を動作させるタイミングとしては、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合である。これらのリーチ演出が実行させると、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、リーチ演出におけるチャンスアップ予告の際にも、演出装置200や伸縮装置300による演出を行ってもよい。このように、リーチ演出に、演出装置200や伸縮装置300による演出が加わることにより、遊技者を魅了する演出が可能となる。
その他、演出装置200及び伸縮装置300は、擬似連の場合や、大当たり確定の場合に動作させるようにしてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して演出装置200及び伸縮装置300を動作させてもよい。また、遊技媒体が遊技領域に向けて発射されている間、演出装置200及び伸縮装置300を動作させ続けてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源をONしてから、電源をOFFするまでの間、演出装置200及び伸縮装置300を動作させ続けてもよい。
また、画像表示装置5による演出画像の表示と、演出装置200及び伸縮装置300による動作とを連動させることにより演出の向上を図ってもよい。例えば、演出装置200及び伸縮装置300による演出と連動させて、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させてもよい。さらに、演出装置200による演出時に、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、通常の動作態様と異なる動作態様としてもよい。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る遊技機においては、可動役物250を退避位置から進出位置まで移動させる場合、まず、第1スライドレール252のスライド動作を制限して第2スライドレール253のスライド動作を許容する。そして、第2スライドレール253のスライド動作をさせた後、第1スライドレール252及び第2スライドレール253のスライド動作を許容する。これにより、演出装置200の動作順序が常に一定となる。そのため、演出装置200の動きを安定させることができるとともに、遊技者に安定した演出動作を見せることができる。
また、連結板254は、第1スライドレール252と第2スライドレール253とを並列に連結しているため、前後方向において、おおよそ同一の位置に配置することことができる。そのため、装置自体の厚みを薄くすることができ、演出装置200をコンパクトな構成とすることができる。
また、連結板254は、第2スライドレール253を可動役物250の進出位置側に、第1スライドレール252を可動役物250の退避位置側に保持している。そのため、第1スライドレール252を構成する第1レール252aは、遊技者が視認困難な位置に設けられており、可動役物250が進出位置まで移動したとしても、視認困難な位置から動くことはない。そのため、可動役物250が進出位置に移動したとしても、第1スライドレール252を目立ちにくくすることができる。
また、第1スライドレール252のスライド動作を規制する手段は、連結板254に形成された摺動リング256と、この摺動リング256に当接する当接部270bを有する移動手段270だけである。そのため、演出装置200の構成を簡単なものとすることができる。
また、可動役物250の外側に向けて移動した第1装飾カバー264を前方から見ると(演出装置200を正面からみると)、第2スライドレール253を構成する第3レール253aと重なり合う。このように、第1装飾カバー264の移動経路に第2スライドレール253(第3レール253a)を配置することにより、第2スライドレール253(第3レール253a)を目立ちにくくすることができる。
また、ベース板255の後面には、種々の配線を収容するための窪みである配線収容部255b(図10)が形成されている。この配線収容部255b(図10)は、レール収容部255aが形成された領域にまで形成されている。これにより、配線を第2スライドレールと接触させずに通すことができ、配線が第2スライドレール253に絡みつくのを防止することができる。なお、ベース板255の後面には、配線収容部255bを覆う配線カバー258が取り付けられている。これにより、配線収容部255bに収容された配線を保護することができるとともに、配線が絡まるという不具合を低減することができる。
また、進出位置にある可動役物250を変形させることで、遊技者に予期しない変化を視認させることができ、演出効果を高めることができる。また、第1装飾カバー264、第2装飾カバー266、及び移動演出体231の移動を、可動役物250に取り付けられた1つの駆動モータ257の駆動によって実現することができる。これにより、演出装置200の構成を簡単なものとすることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記の実施形態においては、可動役物250を退避位置と進出位置と間の移動経路に導くガイド部材として、第1スライドレール252及び第2スライドレール253を例に挙げて説明したが、他の構造を有するスライドレールを採用してもよいし、他のガイド部材を採用してもよい。他のガイド部材としては、直線状に延びる溝に装着したランナ部が溝に沿って移動するガイド部材であってもよい。このように、可動役物250を、モータ等の駆動力を受けて所定の移動経路に導く態様のものであれば種々のガイド部材を採用することができる。
また、上記実施の形態では、移動手段270に形成された当接部270bを、連結板254に形成された摺動リング256に当接させることで、第1スライドレール252のスライド動作を制限して第2スライドレール253のスライド動作を許容していた。しかしながら、第2スライドレール253を第1スライドレール252よりも先に動作させる手段については、他の態様のものを採用してもよい。
例えば、第1スライドレール252に、第2スライドレール253の摩擦係数よりも高い摩擦係数を有するスライドレールを用いることで、第2スライドレール253を先にスライド動作させるようにしてもよい。すなわち、第1スライドレール252をスライド動作しづらくすることにより、第2スライドレール253のスライド動作を促進させることができる。
あるいは、第1スライドレール252にゴム片を接触させることで、スライド動作をしにくくし、第2スライドレール253を先にスライドさせるようにしてもよい。第1スライドレール252は、第2スライドレール253のスライド動作が完了した後に、ゴム片を押しのけてスライドさせるようにしてもよい。
あるいは、ソレノイド等のアクチュエータで、第1スライドレール252のスライド動作を、プランジャを当接させることで止めておき、駆動モータが所定量の回転をしたことを条件にプランジャの当接状態を解除するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、第1スライドレール252と第2スライドレール253とのスライド(ガイド)方向は平行であり、可動役物250は直線状に移動すると説明した。しかしながら、複数のガイド部材のガイド方向は異なる方向を向いていてもよい。
また、上記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、上記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
上記実施の形態では、演出装置200による演出は、予告演出や大当り中演出等の各種演出として実行可能とされていたが、スロットマシンの場合、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス等)の付与、遊技者にとって有利な押し順が報知されるアシストタイム(以下、ATと略称する)の付与、ATの継続率引き上げやATのストック数上乗せといったより有利なATの付与、ATに移行しやすい状態の付与、特定役の付与などが決定された可能性を示唆する示唆演出として、演出装置200による演出を実行してもよい。
尚、このような場合、ゲームの進行を制御する遊技制御手段から出力された制御情報に基づいて演出の制御を行う演出制御手段は、内部抽選結果がボーナスである場合やATの付与が決定されている場合、ハズレの場合やATの付与が決定されていない場合よりも高い割合(例えば、100%の割合も含む)で前記第1演出パターンを決定し、内部抽選結果がハズレである場合やATの付与が決定されていない場合、ボーナスである場合やATの付与が決定されている場合よりも高い割合(例えば、100%の割合も含む)で前記第2演出パターンを決定するようにしてもよい。