JP2013232520A - 有機電界発光素子とそれに用いることができる化合物および有機電界発光素子用材料、並びに該素子を用いた発光装置、表示装置及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、トリフェニレン骨格にインデン環が縮環した母核の両末端のベンゼン環にジフェニルアミノ基が置換し、母核に2つのフェニル基が置換した化合物が具体例として記載されている。このように母核にフェニル基をふたつ入れた化合物はスペクトルがブロードになってしまい、特許文献1の実施例では異性体の混合物ではあるが、色度が(0.41,0.55)(CIE1931表色系)と黄色〜黄緑色の発光を示しており、純青の発光ではない。また、特許文献1の[0019]には好ましい例として、この化合物を黄色から白色の発光材料に用いることが記載されており、青色発光材料として用いることは示唆されていない。
特許文献2には、トリフェニレン骨格にインドール環が縮環した母核を有する化合物が記載されており、実施例では緑燐光発光の有機電界発光素子用途のホスト材料として用いる例のみが示されており、青蛍光発光の有機電界発光素子に上記化合物を用いることの示唆は見受けられない。
特許文献3には、テトラベンゾ[a、cd、j、lm]ペリレン誘導体を有機電界発光素子の緑蛍光材料として用いる例が開示されている。
特許文献4には、アセトナフト[1,2−k]ベンゾ[e]アセフェナンスレン誘導体を有機電界発光素子の青蛍光材料として用いる例が開示されている。この文献の実施例からは上記化合物らの発光スペクトルは確かに青色であることが読みとれるが、求められる純青色には到達していない程度であった。
特許文献5には、トリフェニレン環とジフェニルアミノ基が、単結合、アリーレン基またはヘテロアリーレン基といった連結基を介して連結した構造の化合物が記載されており、緑燐光発光の有機電界発光素子のホスト材料として用いた実施例が記載されている。しかしながら、特許文献5には上記の連結基がトリフェニレン環と縮合環を形成した例は記載されておらず、また、少なくとも実施例では青蛍光発光の有機電界発光素子に上記化合物を用いられてはいなかった。
特許文献6には、特許文献5の化合物と類似した構造の化合物が開示されており、具体的にはトリフェニレン環とジフェニルアミノ基が、アリーレン基またはヘテロアリーレン基のみを介して結合した例が挙げられており(単結合は挙げてられていない)、青蛍光発光の有機電界発光素子に用いた実施例が記載されている。しかしながら、求められる純青色には到達していない程度であった。
本発明が解決しようとする課題は、発光効率が高く、スペクトルがシャープで青色純度が優れる有機電界発光素子を提供することである。
[2] [1]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)中、X1〜X12がいずれも炭素原子であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
[4] [3]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(2)中、X1〜X9およびX12〜X16がいずれも炭素原子であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物の分子量が1200以下であることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物を含む少なくとも一層の有機層が前記発光層であることが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物が発光材料であることが好ましい。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の有機電界発光素子は、前記有機層の少なくとも一層に下記一般式(An−1)で表される化合物を含むことが好ましい。
[10] [9]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(An−1)で表される化合物が、下記一般式(An−2)で表される化合物であることが好ましい。
[11] [9]または[10]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(An−1)で表される化合物を含む少なくとも一層の有機層が前記発光層であることが好ましい。
[12] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた発光装置。
[13] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。
[14] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
[15] 下記一般式(3)で表されることを特徴とする化合物。
[16] [15]に記載の化合物からなる有機電界発光素子用材料。
[17] [16]に記載の有機電界発光素子用材料は、発光材料であることが好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、基板と、該基板上に配置され、陽極および陰極からなる一対の電極と、該電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層とを有し、前記少なくとも一層の有機層のいずれかに下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする。
スペクトルをシャープ化させることができる理由についてはよくわかっていないが、以下のように考えている。母核部位を縮環構造にすることで、構造が剛直になったことで分子の回転できる部位が制限され、その結果、副遷移が抑えられたことに起因していると考えられる。
発光効率に優れる理由についてもよくわかっていないが、以下のように考えている。例えば、J.Org.Chem.,2011,76(4),1054−1061に記載のフェナントロフェナントレン構造を有する化合物では、遷移に主に関わるHOMOとLUMOの分布様式が同じ原子上にのっておらず、異なっているため、遷移双極子が小さくなり、結果、振動子強度が小さくなったことで発光効率が低下したと考えられる。一方、本発明の一般式(1)で表される化合物は遷移に主に関わるHOMOとLUMOの分布様式が2つのアミノ基に挟まれるフェニレン部位の同じ原子上に主に乗っているため、遷移双極子が大きくなり、結果、振動子強度が大きくなったことで発光効率が向上したと考えられる。
以下において、まず、前記一般式(1)で表される化合物について詳細に説明する。
本発明において、前記一般式(1)の説明における水素原子は同位体(重水素原子等)も含み、またさらに置換基を構成する原子は、その同位体も含んでいることを表す。
本発明において、「置換基」というとき、その置換基はさらに置換されていてもよい。例えば、本発明で「アルキル基」と言う時、フッ素原子で置換されたアルキル基(例えばトリフルオロメチル基)やアリール基で置換されたアルキル基(例えばトリフェニルメチル基)なども含むが、「炭素数1〜6のアルキル基」と言うとき、置換されたものも含めた全ての基として炭素数が1〜6であることを示す。
ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。また、R4とR5が共同して下記一般式aで表される2価の置換基を表す場合、R3とR9は無置換のフェニル基以外の置換基または水素原子を表す。
前記一般式a〜eについて、前記一般式aから順に説明する。
但し、R4とR5が共同して前記一般式aで表される2価の置換基を表す場合、スペクトルのシャープ化の観点からはR3とR9は無置換のフェニル基以外の置換基(好ましくはフェニル基以外の置換基、より好ましくはアリール基以外の置換基)または水素原子を表すことが必要である。なお、R8とR9が共同して前記一般式aで表される2価の置換基を表す場合はこのような制限はない。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ナフチル、アントラニル、トリフェニレニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。また、置換基に置換した置換基は更に置換されてもよく、さらなる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。また、置換基に置換した置換基に置換した置換基は更に置換されてもよく、さらなる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
また、合成容易性の観点からは、R105およびR106が同じ置換基であることが好ましい。
その中でも、R4とR5が共同して前記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成することが、R8とR9が共同して環を形成するよりも発光効率の観点から好ましい。
前記一般式(1)において、R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基は水素原子または置換基を表す。
R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表す置換基としては前記置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができる。
メチル基、tert−ブチル基が特に好ましい。R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては前記置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができ、その中でもハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
なお、R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すアリール基がアミノ基を有していてもよいが、発光スペクトルをシャープにして色純度を高める観点からは、R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すアリール基が無置換またはアルキル基置換、フッ素原子置換であることが好ましい。
前記一般式(1)のR1〜R12中、R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外に置換基を有していてもよい位置は特に制限はないが、R6、R7、R10、R11であることが好ましく、R10、R11であることがより好ましい。
前記一般式(1)においてR10およびR11が共同して形成してもよい環は5または6員環であることが好ましく、6員環であることが好ましい。R10およびR11が共同して形成する環は芳香環であることが好ましく、炭化水素芳香環であることがより好ましい。
R101とR102、または、R103とR104が共同して環を形成してもよい。
R101〜R104が表すアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては前記置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができ、その中でもアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
R101〜R104が表すアリール基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては前記置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができ、その中でもアルキル基(炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい)、アリール基(炭素数6〜10のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。該アリール基はさらに置換基を有していてもよいく、アルキル基、ハロゲン原子、アリール基およびシリル基(トリメチルシリル基またはトリフェニルシリル基が好ましい)が好ましく、アルキル基、アリール基、フッ素原子がより好ましい。
R101〜R104が表すヘテロアリール基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては前記置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができ、その中でもアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
R101〜R104がいずれもアリール基である場合、R101〜R104の組み合わせとしては特に制限はない。
前記一般式(1)中、X1〜X12のうち9個以上が炭素原子であることが好ましく、11個以上が炭素原子であることがより好ましく、X1〜X12がいずれもが炭素原子であることが特に好ましい。
前記一般式(2)におけるR13〜R16中、置換基が0〜4個であることが好ましく、0〜3個であることがより好ましく、0〜2個であることが特に好ましく、0または1個であることがより特に好ましく、0個であることがさらにより特に好ましい。
下記に一般的な合成スキームを2通り示すが、下記の合成ルートは一例であり、別の公知の方法によっても合成することができる。これら以外の合成法については後述の実施例で示す。
本発明の有機電界発光素子は、基板と、該基板上に配置され、陽極及び陰極を含む一対の電極と、該電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層とを有し、前記発光層のうち少なくとも一層に前記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする。
本発明の有機電界発光素子の構成は、特に制限されることはない。図1に、本発明の有機電界発光素子の構成の一例を示す。図1の有機電界発光素子10は、基板2上に、一対の電極(陽極3と陰極9)の間に有機層を有する。
有機電界発光素子の素子構成、基板、陰極及び陽極については、例えば、特開2008−270736号公報に詳述されており、該公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
以下、本発明の有機電界発光素子の好ましい態様について、基板、電極、有機層、保護層、封止容器、駆動方法、発光波長、用途の順で詳細に説明する。
本発明の有機電界発光素子は、基板を有する。
本発明で使用する基板としては、有機層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、前記基板上に配置され、陽極及び陰極を含む一対の電極を有する。
発光素子の性質上、一対の電極である陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明若しくは半透明であることが好ましい。
陽極は、通常、有機層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陰極は、通常、有機層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
本発明の有機電界発光素子は、前記電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層を有し、前記発光層のうち少なくとも一層に前記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする。
前記有機層は、特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記透明電極上に又は前記半透明電極上に形成されるのが好ましい。この場合、有機層は、前記透明電極又は前記半透明電極上の全面又は一面に形成される。
有機層の形状、大きさ、及び厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以下、本発明の有機電界発光素子における、有機層の構成、有機層の形成方法、有機層を構成する各層の好ましい態様および各層に使用される材料について順に説明する。
本発明の有機電界発光素子では、前記有機層が発光層を含む。前記有機層が、電荷輸送層を含むことが好ましい。前記電荷輸送層とは、有機電界発光素子に電圧を印加した際に電荷移動が起こる層をいう。具体的には正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層又は電子注入層が挙げられる。前記電荷輸送層が正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層又は発光層であれば、低コストかつ高効率な有機電界発光素子の製造が可能となる。
但し、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、前記一般式(1)で表される化合物は本発明の有機電界発光素子のその他の有機層に含有されていてもよい。前記一般式(1)で表される化合物を含有してもよい発光層以外の有機層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、電荷ブロック層(正孔ブロック層、電子ブロック層など)などを挙げることができ、好ましくは、正孔注入層、正孔輸送層、励起子ブロック層、電荷ブロック層のいずれかであり、より好ましくは正孔輸送層、励起子ブロック層、電荷ブロック層である。
本発明の有機電界発光素子において、各有機層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法、スピンコート法、バーコート法等の湿式製膜法(溶液塗布法)のいずれによっても好適に形成することができる。
本発明の有機電界発光素子は、前記一対の電極間に配置された有機層が、少なくとも一層の前記一般式(1)で表される化合物を含む組成物の蒸着により形成されていることが好ましい。
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。但し、本発明における前記発光層は、このようなメカニズムによる発光に必ずしも限定されるものではない。
本発明の有機電界発光素子では、前記一般式(1)で表される化合物を発光材料とすることが好ましいが、その場合であっても前記一般式(1)で表される化合物とは別の発光材料を組み合わせて用いることが可能である。また、本発明の有機電界発光素子において、前記一般式(1)で表される化合物を発光層のホスト材料として使用する場合や、発光層以外の有機層に用いる場合にも、前記一般式(1)で表される化合物とは別の発光材料を発光層に用いる。
本発明において用いることができる発光材料は、燐光発光材料、蛍光発光材料等のいずれであってもよい。また、本発明における発光層は、色純度を向上させたり、発光波長領域を広げたりするために、2種類以上の発光材料を含有することができる。
本発明に使用できる燐光発光材料としては、例えば、米国特許第6303238号明細書、米国特許第6097147号明細書、WO00/57676号公報、WO00/70655号公報、WO01/08230号公報、WO01/39234号公報、WO01/41512号公報、WO02/02714号公報、WO02/15645号公報、WO02/44189号公報、WO05/19373号公報、特開2001−247859号公報、特開2002−302671号公報、特開2002−117978号公報、特開2003−133074号公報、特開2002−235076号公報、特開2003−123982号公報、特開2002−170684号公報、欧州特許公開第1211257号公報、特開2002−226495号公報、特開2002−234894号公報、特開2001−247859号公報、特開2001−298470号公報、特開2002−173674号公報、特開2002−203678号公報、特開2002−203679号公報、特開2004−357791号公報、特開2006−256999号公Ir報、特開2007−19462号公報、特開2007−84635号公報、特開2007−96259号公報等の特許文献に記載の燐光発光化合物などが挙げられ、中でも、更に好ましい発光材料としては、Ir錯体、Pt錯体、Cu錯体、Re錯体、W錯体、Rh錯体、Ru錯体、Pd錯体、Os錯体、Eu錯体、Tb錯体、Gd錯体、Dy錯体、及びCe錯体等の燐光発光性金属錯体化合物が挙げられる。特に好ましくは、Ir錯体、Pt錯体、又はRe錯体であり、中でも金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含むIr錯体、Pt錯体、又はRe錯体が好ましい。更に、発光効率、駆動耐久性、色度等の観点で、Ir錯体、Pt錯体が特に好ましく、Ir錯体が最も好ましい。
本発明の有機電界発光素子における発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でもよい。発光材料の種類は一種であっても二種以上であっても良い。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は一種であっても二種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料と正孔輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。更に、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。
また、発光層は一層であっても二層以上の多層であってもよく、それぞれの層に同じ発光材料やホスト材料を含んでもよいし、層毎に異なる材料を含んでもよい。発光層が複数の場合、それぞれの発光層が異なる発光色で発光してもよい。
ホスト材料とは、発光層において主に電荷の注入、輸送を担う化合物であり、また、それ自体は実質的に発光しない化合物のことである。ここで「実質的に発光しない」とは、該実質的に発光しない化合物からの発光量が好ましくは素子全体での全発光量の5%以下であり、より好ましくは3%以下であり、更に好ましくは1%以下であることを言う。
ピロール、インドール、カルバゾール、アザインドール、アザカルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ポルフィリン系化合物、縮環芳香族炭化水素化合物(フルオレン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン等)、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノ−ル誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾ−ルやベンゾチアゾ−ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体及びそれらの誘導体(置換基や縮環を有していてもよい)等を挙げることができる。その他に、特開2010−111620の[0081]や[0083]に記載される化合物を用いることもできる。
これらのうち、カルバゾール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、アリールアミン、縮環芳香族炭化水素化合物、金属錯体が好ましく、縮環芳香族炭化水素化合物が安定であるために特に好ましい。縮環芳香族炭化水素化合物としてはナフタレン系化合物、アントラセン系化合物、フェナントレン系化合物、トリフェニレン系化合物、ピレン系化合物が好ましく、アントラセン系化合物、ピレン系化合物がより好ましく、アントラセン系化合物が特に好ましい。
Ar1およびAr2が表すヘテロアリール基としては、環員数5〜20のヘテロアリール基であることが好ましく、環員数5〜13のヘテロアリール基であることがより好ましい。Ar1およびAr2が表すヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。Ar1およびAr2が表すヘテロアリール基中に含まれるヘテロ原子の数は、1〜3個であることが好ましく、1または2個であることがより好ましく、1個であることが特に好ましい。Ar1およびAr2が表すヘテロアリール基としては、ピリジル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチオフェニル基であることが特に好ましい。
Ar1およびAr2として好ましくはフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチオフェニル基、およびこれらを組み合わせてなる基である。Ar1およびAr2はその中でもフェニル基またはナフチル基であることがより好ましく、Ar1およびAr2のうち少なくとも一方が置換または無置換のフェニル基であることが特に好ましい。
Ar1、Ar2はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としてはアリール基、ヘテロアリール基、フッ素原子、アルキル基(炭素数1〜4であることが好ましい)、アルケニル基、シリル基、シアノ基を挙げることができる。
一般式(An−1)中、R301〜R308はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としてはアリール基、ヘテロアリール基およびアルキル基を挙げることができ、アリール基およびヘテロアリール基が好ましく、炭素数6〜18のアリール基がより好ましい。
一般式(An−1)中、R301〜R308に含まれる置換基の数は0〜4個であることが好ましく、0または2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
一般式(An−1)中、R301〜R308に含まれる置換基の位置はR302、R303、R306またはR307であることが好ましく、R302およびR303のいずれか一方またはR306およびR307のいずれか一方であることがより好ましい。
一般式(An−1)中、R301とR302、R302とR303、R303とR304、R305とR306、R306とR307及びR307とR308は互いに結合して環を形成してもよいが、これらは互いに結合して環を形成しないことが好ましい。
一般式(An−1)中、R309〜R318はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としてはアリール基、アルキル基、フッ素原子などを挙げることができ、該置換基どうしが互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(An−1)中、R309〜R318に含まれる置換基の数は0〜4個であることが好ましく、0または2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
一般式(An−1)中、R309〜R318に含まれる置換基の位置に特に制限はないが、置換基を有する場合はR311およびR316のうち少なくとも一方に有することが好ましい。
一般式(An−1)中、R309とR310、R310とR311、R311とR312、R312とR313、R314とR315、R315とR316、R316とR317及びR317とR318は互いに結合して環を形成してもよく、形成される環は5または6員環であることが好ましく、5員環であることがより好ましい。
ホスト材料の膜状態でのS1が発光材料のS1より小さいと発光を消光してしまうためホスト材料には発光材料より大きなS1が求められる。また、ホスト材料のS1が発光材料より大きい場合でも、両者のS1差が小さい場合には一部、発光材料からホスト材料への逆エネルギー移動が起こるため、効率低下や色純度低下、耐久性低下の原因となる。従って、S1が十分に大きく、化学的安定性及びキャリア注入・輸送性の高いホスト材料が求められる。
本発明の有機電界発光素子は、前記発光層以外のその他の層を有していてもよい。
前記有機層が有していてもよい前記発光層以外のその他の有機層として、正孔注入層、正孔輸送層、ブロック層(正孔ブロック層、励起子ブロック層など)、電子輸送層などが挙げられる。前記具体的な層構成として、下記が挙げられるが本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ブロック層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
本発明の有機電界発光素子は、(A)前記陽極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層を少なくとも一層含むことが好ましい。前記(A)前記陽極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層としては、陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層を挙げることができる。
本発明の有機電界発光素子は、(B)前記陰極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層少なくとも一層含むことが好ましい。前記(B)前記陰極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層としては、陰極側から電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層を挙げることができる。
具体的には、本発明の有機電界発光素子の好ましい態様の一例は、図1に記載される態様であり、前記有機層として、陽極3側から正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、正孔ブロック層7及び電子輸送層8がこの順に積層されている態様である。
以下、これら本発明の有機電界発光素子が有していてもよい前記発光層以外のその他の層について、説明する。
まず、(A)前記陽極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層について説明する。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。
前記一般式(Sa−1)中、Xは、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキレン基、置換または無置換の炭素数2〜30のアルケニレン基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリーレン基、置換または無置換の炭素数2〜30のヘテロアリーレン基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環基、あるいは、これらの基を組み合わせてなる基を表す。Xとして好ましくは、置換または無置換の炭素数6〜30のアリーレン基であり、より好ましくは、置換または無置換のフェニレン、置換または無置換のビフェニレン、および、置換または無置換のナフチレンであり、さらに好ましくは置換または無置換のビフェニレンである。
RS1、RS2、RS3は、各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、ヒドロキシ基、シアノ基、あるいは、置換または無置換のアミノ基を表す。隣接するRS1、RS2、RS3同士が互いに結合し、飽和炭素環または不飽和炭素環を形成してもよい。前記飽和炭素環または当該不飽和炭素環の例としては、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フルオレン、フェナレンなどがある。RS1、RS2、RS3として好ましくは、水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、および、シアノ基であり、より好ましくは水素原子である。
ArS1、ArS2は、各々独立に、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、あるいは、置換または無置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基を表す。ArS1、ArS2として好ましくは、置換または無置換のフェニル基である。
前記一般式(Sb−1)中、RS4、RS5、RS6およびRS7は、各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環、または置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、ヒドロキシ基、シアノ基、あるいは、置換または無置換のアミノ基を表す。隣接するRS4、RS5、RS6およびRS7同士が互いに結合し、飽和炭素環または不飽和炭素環を形成してもよい。前記飽和炭素環または当該不飽和炭素環の例としては、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フルオレン、フェナレンなどがある。RS4、RS5、RS6およびRS7として好ましくは、水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、および、シアノ基であり、より好ましくは水素原子である。
ArS3は、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、あるいは、置換または無置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基を表す。ArS3として好ましくは、置換または無置換のフェニル基である。
前記一般式(Sc−1)中、RS8およびRS9は各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環基、あるいは、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基を表す。RS8およびRS9として好ましくは、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、および、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは、メチル基およびフェニル基である。RS10は置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環基、あるいは、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基を表す。RS10として好ましくは置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。RS11およびRS12は、各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、ヒドロキシ基、シアノ基、あるいは、置換または無置換のアミノ基を表す。隣接するRS11およびRS12同士が互いに結合し、飽和炭素環または不飽和炭素環を形成してもよい。前記飽和炭素環または当該不飽和炭素環の例としては、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フルオレン、フェナレンなどがある。RS11およびRS12として好ましくは、水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、および、シアノ基であり、より好ましくは水素原子である。ArS4は、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、あるいは、置換または無置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基を表す。YS1、YS2は置換または無置換の炭素数1〜30のアルキレン、あるいは、置換または無置換の炭素数6〜30のアリーレンを表す。YS1、YS2として好ましくは、置換または無置換の炭素数6〜30のアリーレンであり、より好ましくは置換または無置換のフェニレンである。nは0〜5の整数であり、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、さらに好ましくは0である。mは0〜5の整数であり、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、さらに好ましくは1である。
前記一般式(Sa−1)、(Sb−1)または(Sc−1)で表される化合物は、添加する有機層の全質量に対して70〜100質量%含まれることが好ましく、85〜100質量%含まれることがより好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、前記(A)陽極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層に特に好ましく用いられる材料として、少なくとも一種の下記一般式(M−3)で表される化合物を挙げることができる。
前記一般式(M−3)で表される化合物が含有される、発光層と陽極の間の発光層に隣接する有機層は、電子ブロック層又は正孔輸送層であることがより好ましい。
aは0〜4の整数を表し、複数のRS1が存在するとき、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。b〜eはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、それぞれ複数のRS2〜RS5が存在するとき、それらは同一でも異なっていてもよく、任意の2つが結合し環を形成してもよい。
qは1〜5の整数であり、qが2以上のとき複数のRS1は同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
ル基、シクロヘキシル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基Zを挙げることができる。RS1〜RS5で表されるシクロアルキル基として、好ましくは環員数4〜7のシクロアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数5〜6のシクロアルキル基であり、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
RS1〜RS5で表されるアルケニル基としては好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、1−プロペニル、1−イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。
RS1〜RS5で表されるアルキニル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばエチニル、プロパルギル、1−プロピニル、3−ペンチニルなどが挙げられる。
また、前記一般式(M−3)で表される化合物を、複数の有機層に用いる場合はそれぞれの層において、上記の範囲で含有することが好ましい。
例えば、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)などのTCNQ化合物、ヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン(HAT−CN)などのヘキサアザトリフェニレン化合物、酸化モリブデンなどが挙げられる。
電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が、陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陽極側で隣接する有機層として、電子ブロック層を設けることができる。
電子ブロック層を構成する有機化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが適用できる。
電子ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、3nm〜100nmであるのがより好ましく、5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子ブロック層に用いる材料は、前記発光材料のS1エネルギーより高いことが色純度、発光効率、駆動耐久性の点で好ましい。電子ブロック層に用いる材料の膜状態でのS1が発光材料のS1より0.1eV以上大きいことが好ましく、0.2eV以上大きいことがより好ましく、0.3eV以上大きいことが更に好ましい。
次に、前記(B)陰極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層について説明する。
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いる電子注入材料、電子輸送材料は低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
電子輸送材料としては、例えば前記一般式(1)で表される化合物を用いることができる。その他の電子輸送材料としては、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、フタラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、シロールに代表される有機シラン誘導体、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン等の縮環炭化水素化合物等をから選ばれることが好ましく、ピリジン誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体、金属錯体、縮環炭化水素化合物のいずれかであることがより好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の膜状態でのS1エネルギーは、発光層で生成する励起子のエネルギー移動を防止し、発光効率を低下させないために、発光材料のS1エネルギーよりも高いことが好ましい。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、例えば前記一般式(1)で表される化合物を用いることができる。
前記一般式(1)で表される化合物以外の、正孔ブロック層を構成するその他の有機化合物の例としては、アルミニウム(iii)ビス(2−メチル−8−キノリナト)4−フ
ェニルフェノレート(Aluminum (iii)bis(2−methyl−8−q
uinolinato)4−phenylphenolate(BAlqと略記する))
等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(2,9−Dimethyl−4,7−diphenyl−
1,10−phenanthroline(BCPと略記する))等のフェナントロリン
誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、3nm〜100nmであるのがより好ましく、5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔ブロック層に用いる材料は、前記発光材料のS1エネルギーより高いことが色純度、発光効率、駆動耐久性の点で好ましい。正孔ブロック層に用いる材料の膜状態でのS1が発光材料のS1より0.1eV以上大きいことが好ましく、0.2eV以上大きいことがより好ましく、0.3eV以上大きいことが更に好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、前記(B)陰極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層の材料に特に好ましく用いられる材料として、前記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(P−1)で表される化合物および下記一般式(O−1)で表される化合物を挙げることができる。
以下、前記一般式(O−1)で表される化合物と、前記一般式(P−1)で表される化合物について説明する。
一般式(O−1)で表される化合物は、添加する有機層の全質量に対して70〜100質量%含まれることが好ましく、85〜100質量%含まれることがより好ましい。
RP1〜RP5、R’P1〜R’P3、R’P5、R”P3として、好ましくはアリール基、ヘテロアリール基のいずれかであり、より好ましくはアリール基であり、更に好ましくはフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基のいずれかであり、最も好ましくはフェニル基である。
LP1〜LP5として、好ましくは単結合、アリール環からなる二価の連結基のいずれかであり、より好ましくは単結合、フェニレン、ビフェニレン、ターフェニレン、ナフチレンのいずれかであり、更に好ましくは単結合、フェニレン、ナフチレンのいずれかである。
一般式(P)で表される化合物は、添加する有機層の全質量に対して70〜100質量%含まれることが好ましく、85〜100質量%含まれることがより好ましい。
本発明において、有機電界素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0169〕〜〔0170〕に記載の事項を本発明に適用することができる。なお、保護層の材料は無機物であっても、有機物であってもよい。
本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
封止容器については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0171〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明の有機電界発光素子は、その発光波長に制限はないが、青色または白色の発光に用いるのが好ましい。その中でも、本発明の有機電界発光素子では、前記一般式(1)で表される化合物を発光材料として用いて発光させることが好ましく、特に青色発光させることが好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、又は光通信等に好適に利用できる。特に、発光装置、照明装置、表示装置等の発光輝度が高い領域で駆動されるデバイスに好ましく用いられる。
本発明の発光装置は、本発明の有機電界発光素子を含むことを特徴とする。
次に、図2を参照して本発明の発光装置について説明する。
本発明の発光装置は、前記有機電界発光素子を用いてなる。
図2は、本発明の発光装置の一例を概略的に示した断面図である。図2の発光装置20は、透明基板(支持基板)2、有機電界発光素子10、封止容器16等により構成されている。
ここで、接着層14としては、エポキシ樹脂等の光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤を用いることができ、例えば熱硬化性の接着シートを用いることもできる。
本発明の照明装置は、本発明の有機電界発光素子を含むことを特徴とする。
次に、図3を参照して本発明の照明装置について説明する。
図3は、本発明の照明装置の一例を概略的に示した断面図である。本発明の照明装置40は、図3に示すように、前述した有機EL素子10と、光散乱部材30とを備えている。より具体的には、照明装置40は、有機EL素子10の基板2と光散乱部材30とが接触するように構成されている。
光散乱部材30は、光を散乱できるものであれば特に制限されないが、図3においては、透明基板31に微粒子32が分散した部材とされている。透明基板31としては、例えば、ガラス基板を好適に挙げることができる。微粒子32としては、透明樹脂微粒子を好適に挙げることができる。ガラス基板及び透明樹脂微粒子としては、いずれも、公知のものを使用できる。このような照明装置40は、有機電界発光素子10からの発光が散乱部材30の光入射面30Aに入射されると、入射光を光散乱部材30により散乱させ、散乱光を光出射面30Bから照明光として出射するものである。
本発明の表示装置は、本発明の有機電界発光素子を含むことを特徴とする。
本発明の表示装置としては、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子ペーパ等の表示装置とすることなどを挙げることができる。
以下に記載の方法で、化合物3を合成した。なお、中間体aはJournal of Materials Chemistry,2011,21(13),4918−4926に記載の方法を参考にして合成した。
<材料物性評価>
厚み0.7mm、2.5cm角の石英ガラス基板上に、真空蒸着法にて、H−1と下記表1に記載の各発光材料を質量比(95:5)となるように蒸着して膜厚50nmの薄膜を形成した。得られた膜に350nmのUV光を照射し、発光させたときの発光スペクトルを、蛍光分光光度計(日本分光製FP−6300)を用いて測定し、発光極大波長(nm)とスペクトル半値幅(発光極大値を1としたとき、0.5となる短波長と長波長のエネルギー差(eV))を求めた。このとき、発光極大波長を、以下の基準で3段階で評価し、スペクトル半値幅を以下の基準で2段階で評価した。また、発光スペクトルから色度(x、y)を求めた(CIE1931表色系)。このときのy値を以下の基準で、3段階で評価した。さらに、発光量子収率を、浜松ホトニクス製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。下記表1には比較例2の発光量子収率の値を1.0として、以下の基準で、3段階で評価した結果を記載した。
○:425nm以上455nm未満
△:425nm未満
×:455nm以上
○:0.35eV未満
×:0.35eV以上
○:0.10未満
△:0.10以上0.15未満
×:0.15以上
○:1.5以上
△:1.0より大きく1.5未満
×:1.0以下
<素子作製・評価>
素子作製に用いた材料は全て昇華精製を行った。
第1層:HAT−CN:膜厚10nm
第2層:HT−1:膜厚30nm
第3層:H−2および下記表2中に記載の発光材料(質量比95:5):膜厚30nm
第4層:ET−1:膜厚30nm
この上に、フッ化リチウム1nm及び金属アルミニウム100nmをこの順に蒸着し陰極とした。
得られた積層体を、大気に触れさせることなく、窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れ、ガラス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、発光部分が2mm×2mmの正方形である比較例8〜14、実施例B1〜B9の有機電界発光素子を得た。これらの得られた各有機電界発光素子について、以下の試験を行った。色純度、発光効率の観点で評価した結果を下記表2に示す。
各有機電界発光素子を輝度が1000cd/m2となるように発光させたときの発光スペクトルから色度(x、y)を求めた(CIE1931表色系)。このときのy値を以下の基準で、3段階で評価した。
○:0.10未満
△:0.10以上0.15未満
×:0.15以上
東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加して発光させ、その輝度を輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。発光スペクトルと発光波長は浜松ホトニクス製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。これらを元に輝度が1000cd/m2付近の外部量子効率(η)を輝度換算法により算出した。下記表2では比較例9の外部量子効率の値を1.0として、以下の基準で、3段階で評価した。
○:1.5以上
△:1.0より大きく1.5未満
×:1.0以下
層構成を以下に示すものに変えた以外は実施例3と同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例3と同様の評価を行った。結果を下記表3に示す。なお、下記表3の発光効率は、比較例16の外部量子効率を1.0としたときの相対値で表示している。
第1層:HI−1:膜厚50nm
第2層:HT−2:膜厚45nm
第3層:H−3及び下記表3中に記載の発光材料(質量比95:5):膜厚25nm
第4層:ET−2:膜厚5nm
第5層:ET−3:膜厚20nm
一方、比較化合物1〜7を発光材料として用いた有機電界発光素子は青色純度または発光効率に劣るものであることがわかった。
3・・・陽極
4・・・正孔注入層
5・・・正孔輸送層
6・・・発光層
7・・・正孔ブロック層
8・・・電子輸送層
9・・・陰極
10・・・有機電界発光素子
11・・・有機層
12・・・保護層
14・・・接着層
16・・・封止容器
20・・・発光装置
30・・・光散乱部材
31・・・透明基板
30A・・光入射面
30B・・光出射面
32・・・微粒子
40・・・照明装置
Claims (17)
- 基板と、
該基板上に配置され、陽極および陰極からなる一対の電極と、
該電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層とを有し、
前記少なくとも一層の有機層のいずれかに下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
R101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
X1〜X12はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表し、X1〜X12が窒素原子を表す場合は該窒素原子に結合するR1〜R12は存在しない。)
- 前記一般式(1)中、X1〜X12がいずれも炭素原子であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機電界発光素子。
R101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
X1〜X9およびX12〜X16はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表し、X1〜X9およびX12〜X16が窒素原子を表す場合は該窒素原子に結合するR1〜R9およびR12〜R16は存在しない。) - 前記一般式(2)中、X1〜X9およびX12〜X16がいずれも炭素原子であることを特徴とする請求項3に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)で表される化合物の分子量が1200以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)で表される化合物を含む少なくとも一層の有機層が前記発光層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)で表される化合物が発光材料であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(An−1)で表される化合物を含む少なくとも一層の有機層が前記発光層であることを特徴とする請求項9または10に記載の有機電界発光素子。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた発光装置。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
- 下記一般式(3)で表されることを特徴とする化合物。
R101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
- 請求項15に記載の化合物からなる有機電界発光素子用材料。
- 発光材料であることを特徴とする請求項16に記載の有機電界発光素子用材料。
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