JP2013232520A - 有機電界発光素子とそれに用いることができる化合物および有機電界発光素子用材料、並びに該素子を用いた発光装置、表示装置及び照明装置 - Google Patents

有機電界発光素子とそれに用いることができる化合物および有機電界発光素子用材料、並びに該素子を用いた発光装置、表示装置及び照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発光効率が高く、スペクトルがシャープで青色純度が優れる有機電界発光素子の提供。
【解決手段】基板と、陽極及び陰極からなる一対の電極と、電極間に配置され、発光層を含む有機層とを有し、前記有機層に下記式で表される化合物を含む有機電界発光素子(R1〜R12は水素原子又は置換基を表す。R4とR5又はR8とR9の一方の組は共同して式a〜eで表される2価の置換基のいずれかを表し、環を形成する。R101〜R109はアルキル基、アリール基、及びX〜X12は炭素原子又は窒素原子を表す。*印はX4とX5又はX8とX9との結合部位を表す)。
Figure 2013232520

【選択図】なし

Description

本発明は、有機電界発光素子とそれに用いることができる化合物および有機電界発光素子用材料に関する。また本発明は、前記有機電界発光素子を用いた発光装置、表示装置または照明装置にも関する。
有機電界発光素子(以下、「素子」、「有機EL素子」ともいう)は、低電圧駆動で高輝度の発光が得られることから活発に研究開発が行われている。有機電界発光素子は、一対の電極間に有機層を有し、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが有機層において再結合し、生成した励起子のエネルギーを発光に利用するものである。有機電界発光素子は、様々な発光波長を有する素子として提供することが可能であり、応答速度が速くて、比較的薄くて軽量であることから、広汎な用途へ応用されることが期待されている。なかでも、青色純度が高くて、発光効率が高い有機電界発光素子の開発は、フルカラーディスプレイへの応用等において重要であり、これまでにも種々の開発研究成果が報告されている。
例えば、非特許文献1には、ベンゼン環5つが縮合した母核の両末端のベンゼン環にジフェニルアミノ基が置換した化合物により、スペクトルがシャープな純青の発光が得られることが記載されている。
特許文献1には、トリフェニレン骨格にインデン環が縮環した母核の両末端のベンゼン環にジフェニルアミノ基が置換し、母核に2つのフェニル基が置換した化合物が具体例として記載されている。このように母核にフェニル基をふたつ入れた化合物はスペクトルがブロードになってしまい、特許文献1の実施例では異性体の混合物ではあるが、色度が(0.41,0.55)(CIE1931表色系)と黄色〜黄緑色の発光を示しており、純青の発光ではない。また、特許文献1の[0019]には好ましい例として、この化合物を黄色から白色の発光材料に用いることが記載されており、青色発光材料として用いることは示唆されていない。
特許文献2には、トリフェニレン骨格にインドール環が縮環した母核を有する化合物が記載されており、実施例では緑燐光発光の有機電界発光素子用途のホスト材料として用いる例のみが示されており、青蛍光発光の有機電界発光素子に上記化合物を用いることの示唆は見受けられない。
特許文献3には、テトラベンゾ[a、cd、j、lm]ペリレン誘導体を有機電界発光素子の緑蛍光材料として用いる例が開示されている。
特許文献4には、アセトナフト[1,2−k]ベンゾ[e]アセフェナンスレン誘導体を有機電界発光素子の青蛍光材料として用いる例が開示されている。この文献の実施例からは上記化合物らの発光スペクトルは確かに青色であることが読みとれるが、求められる純青色には到達していない程度であった。
特許文献5には、トリフェニレン環とジフェニルアミノ基が、単結合、アリーレン基またはヘテロアリーレン基といった連結基を介して連結した構造の化合物が記載されており、緑燐光発光の有機電界発光素子のホスト材料として用いた実施例が記載されている。しかしながら、特許文献5には上記の連結基がトリフェニレン環と縮合環を形成した例は記載されておらず、また、少なくとも実施例では青蛍光発光の有機電界発光素子に上記化合物を用いられてはいなかった。
特許文献6には、特許文献5の化合物と類似した構造の化合物が開示されており、具体的にはトリフェニレン環とジフェニルアミノ基が、アリーレン基またはヘテロアリーレン基のみを介して結合した例が挙げられており(単結合は挙げてられていない)、青蛍光発光の有機電界発光素子に用いた実施例が記載されている。しかしながら、求められる純青色には到達していない程度であった。
EP2308945号公報 KR2011123106号公報 特開2002−319490号公報 特開2010−270103号公報 国際公開WO2011/139129号公報 特開2009−292760号公報
Balagopal Shainamma Shaibu et al., J.Org.Chem.,2011,76(4),1054−1061
しかしながら、本発明者が検討したところ、上記非特許文献1に記載の化合物を用いた有機電界発光素子は発光効率に不満が残ることがわかった。一方、特許文献1、3、4および6に記載の化合物を用いた有機電界発光素子は、求められる純青色には到達しておらず、青色純度に不満が残ることがわかった。
本発明が解決しようとする課題は、発光効率が高く、スペクトルがシャープで青色純度が優れる有機電界発光素子を提供することである。
そこで本発明者は、発光効率が高く、スペクトルがシャープで青色純度が優れる有機電界発光素子を提供することを目的として鋭意検討を進めた。その結果、特定の構造を有する化合物を用いれば、上記の課題を解決することができることを見出して、以下に記載される本発明を提供するに至った。
[1] 基板と、該基板上に配置され、陽極および陰極からなる一対の電極と、該電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層とを有し、前記少なくとも一層の有機層のいずれかに下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
Figure 2013232520
(一般式(1)中、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R10とR11は共同して環を形成してもよいが、R11とR12は共同して環を形成しない。R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して下記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。また、R4とR5が共同して下記一般式aで表される2価の置換基を表す場合、R3とR9は無置換のフェニル基以外の置換基または水素原子を表す。R101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。X1〜X12はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表し、X1〜X12が窒素原子を表す場合は該窒素原子に結合するR1〜R12は存在しない。)
Figure 2013232520
(一般式a〜e中、*印はX4とX5との結合部位、または、X8とX9との結合部位を表す。R105〜R109はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
[2] [1]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)中、X1〜X12がいずれも炭素原子であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013232520
(一般式(2)中、R1〜R9およびR12〜R16はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して前記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。また、R4とR5が共同して前記一般式aで表される2価の置換基を表す場合、R3とR9は無置換のフェニル基以外の置換基または水素原子を表す。さらに、R4とR5が共同して前記一般式cで表される2価の置換基を表す場合、R15はアリール基、ヘテロアリール基、アリールアミノ基以外の置換基または水素原子を表す。R101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。X1〜X9およびX12〜X16はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表し、X1〜X9およびX12〜X16が窒素原子を表す場合は該窒素原子に結合するR1〜R9およびR12〜R16は存在しない。)
[4] [3]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(2)中、X1〜X9およびX12〜X16がいずれも炭素原子であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013232520
(一般式(3)中、R1〜R9およびR12〜R16はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはフッ素原子を表す。R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して前記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。R101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物の分子量が1200以下であることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物を含む少なくとも一層の有機層が前記発光層であることが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物が発光材料であることが好ましい。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の有機電界発光素子は、前記有機層の少なくとも一層に下記一般式(An−1)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 2013232520
(一般式(An−1)中、Ar1、Ar2はそれぞれ独立にアリール基またはヘテロアリール基を表し、R301〜R308はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R301とR302、R302とR303、R303とR304、R305とR306、R306とR307及びR307とR308は互いに結合して環を形成してもよい。)
[10] [9]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(An−1)で表される化合物が、下記一般式(An−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013232520
(一般式(An−2)中、R301〜R318はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R301とR302、R302とR303、R303とR304、R305とR306、R306とR307、R307とR308、R309とR310、R310とR311、R311とR312、R312とR313、R314とR315、R315とR316、R316とR317及びR317とR318は互いに結合して環を形成してもよい。)
[11] [9]または[10]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(An−1)で表される化合物を含む少なくとも一層の有機層が前記発光層であることが好ましい。
[12] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた発光装置。
[13] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。
[14] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
[15] 下記一般式(3)で表されることを特徴とする化合物。
Figure 2013232520
(一般式(3)中、R1〜R9およびR12〜R16はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはフッ素原子を表す。R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して下記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。R101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
Figure 2013232520
(一般式a〜e中、*印はX4とX5との結合部位、または、X8とX9との結合部位を表す。R105〜R109はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
[16] [15]に記載の化合物からなる有機電界発光素子用材料。
[17] [16]に記載の有機電界発光素子用材料は、発光材料であることが好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、発光効率が高く、スペクトルがシャープで青色純度が優れる。また、本発明の化合物を用いれば、このような優れた有機電界発光素子を容易に製造することができる。さらに、本発明の発光装置、表示装置及び照明装置は、消費電力が小さく、青色純度が優れるという有利な効果を有する。
本発明に係る有機電界発光素子の構成の一例を示す概略図である。 本発明に係る発光装置の一例を示す概略図である。 本発明に係る照明装置の一例を示す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[有機電界発光素子]
本発明の有機電界発光素子は、基板と、該基板上に配置され、陽極および陰極からなる一対の電極と、該電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層とを有し、前記少なくとも一層の有機層のいずれかに下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする。
Figure 2013232520
(一般式(1)中、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R10とR11は共同して環を形成してもよいが、R11とR12は共同して環を形成しない。R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して下記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。また、R4とR5が共同して下記一般式aで表される2価の置換基を表す場合、R3とR9は無置換のフェニル基以外の置換基または水素原子を表す。R101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。X1〜X12はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表し、X1〜X12が窒素原子を表す場合は該窒素原子に結合するR1〜R12は存在しない。)
Figure 2013232520
(一般式a〜e中、*印はX4とX5との結合部位、または、X8とX9との結合部位を表す。R105〜R109はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
本発明の有機電界発光素子は、有機層の少なくとも一層に前記一般式(1)で表される化合物を含有することにより、発光スペクトルがシャープ化して青色純度が良好になるという特徴を有する。青色純度を良好にするためには、発光波長を短くすることも有用であることが知られている。しかしながら、発光材料の発光波長を短くすると、発光材料のS1(最低励起一重項エネルギー準位)が大きくなるため、発光材料のS1とホスト材料のS1との差が小さくなるか、あるいは発光材料のS1よりもホスト材料のS1が大きくなってしまう。このため発光効率が低下するとともに、ホスト材料の副発光が混じって青色純度が低下するという問題も生じる。これに対して、本発明にしたがって一般式(1)で表される化合物を用いれば、高い発光効率を実現させながら、スペクトルをシャープ化させることができて、青色純度を向上させることができる。
スペクトルをシャープ化させることができる理由についてはよくわかっていないが、以下のように考えている。母核部位を縮環構造にすることで、構造が剛直になったことで分子の回転できる部位が制限され、その結果、副遷移が抑えられたことに起因していると考えられる。
発光効率に優れる理由についてもよくわかっていないが、以下のように考えている。例えば、J.Org.Chem.,2011,76(4),1054−1061に記載のフェナントロフェナントレン構造を有する化合物では、遷移に主に関わるHOMOとLUMOの分布様式が同じ原子上にのっておらず、異なっているため、遷移双極子が小さくなり、結果、振動子強度が小さくなったことで発光効率が低下したと考えられる。一方、本発明の一般式(1)で表される化合物は遷移に主に関わるHOMOとLUMOの分布様式が2つのアミノ基に挟まれるフェニレン部位の同じ原子上に主に乗っているため、遷移双極子が大きくなり、結果、振動子強度が大きくなったことで発光効率が向上したと考えられる。
<<一般式(1)で表される化合物>>
以下において、まず、前記一般式(1)で表される化合物について詳細に説明する。
本発明において、前記一般式(1)の説明における水素原子は同位体(重水素原子等)も含み、またさらに置換基を構成する原子は、その同位体も含んでいることを表す。
本発明において、「置換基」というとき、その置換基はさらに置換されていてもよい。例えば、本発明で「アルキル基」と言う時、フッ素原子で置換されたアルキル基(例えばトリフルオロメチル基)やアリール基で置換されたアルキル基(例えばトリフェニルメチル基)なども含むが、「炭素数1〜6のアルキル基」と言うとき、置換されたものも含めた全ての基として炭素数が1〜6であることを示す。
一般式(1)
Figure 2013232520
前記一般式(1)において、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R10とR11は共同して環を形成してもよいが、R11とR12は共同して環を形成しない。R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して下記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。
ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。また、R4とR5が共同して下記一般式aで表される2価の置換基を表す場合、R3とR9は無置換のフェニル基以外の置換基または水素原子を表す。
まず、R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して下記一般式a〜eで表される2価の置換基について説明する。
Figure 2013232520
前記一般式a〜e中、*印はX4とX5との結合部位、または、X8とX9との結合部位を表す。R105〜R109はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
前記一般式a〜eについて、前記一般式aから順に説明する。
前記一般式a中、R105またはR106(炭素原子上の置換基)として、以下の置換基群Aに含まれる置換基が挙げられる。
但し、R4とR5が共同して前記一般式aで表される2価の置換基を表す場合、スペクトルのシャープ化の観点からはR3とR9は無置換のフェニル基以外の置換基(好ましくはフェニル基以外の置換基、より好ましくはアリール基以外の置換基)または水素原子を表すことが必要である。なお、R8とR9が共同して前記一般式aで表される2価の置換基を表す場合はこのような制限はない。
《置換基群A》
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ナフチル、アントラニル、トリフェニレニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。また、置換基に置換した置換基は更に置換されてもよく、さらなる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。また、置換基に置換した置換基に置換した置換基は更に置換されてもよく、さらなる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
前記一般式a中、R105またはR106はそれぞれ独立にアリール基、アルキル基を表すことがより好ましく、フェニル基、炭素数1〜10の直鎖、分枝または環状のアルキル基であることが特に好ましく、炭素数1〜6の直鎖、分枝または環状のアルキル基であることがより特に好ましく、メチル基を表すことがより特に好ましい。
また、合成容易性の観点からは、R105およびR106が同じ置換基であることが好ましい。
前記一般式b中、R107またはR108(珪素原子上の置換基)の例と好ましい範囲は、前記R105またはR106(炭素原子上の置換基)の例と好ましい範囲と同様である。
前記一般式c中、前記R109(窒素原子上の置換基)として、前記置換基群Aを挙げることができる。
前記一般式c中、R109はアリール基を表すことがより好ましく、フェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ナフチル基がさらに好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。
4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して前記一般式a〜dで表される2価の置換基を表すことがスペクトルのシャープ化の観点から好ましく、さらに発光効率の観点からは前記一般式a、c、dで表される2価の置換基を表すことがより好ましい。
前記一般式(1)において、R4とR5またはR8とR9のうち、いずれの組が前記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。
その中でも、R4とR5が共同して前記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成することが、R8とR9が共同して環を形成するよりも発光効率の観点から好ましい。
次に、前記一般式(1)におけるR1〜R12中、R4とR5およびR8とR9のうち互いに共同して環を形成しない組の置換基と、R1〜R3、R6、R7およびR10〜R12について説明する。以下、これらの基を、「R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基」という。
前記一般式(1)において、R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基は水素原子または置換基を表す。
1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表す置換基としては前記置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができる。
1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表す置換基としては、前記置換基群Aの中でも、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン原子、シアノ基およびシリル基が好ましく、アルキル基、アリール基およびハロゲン原子がより好ましい。
1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロヘキシル基がより好ましく、
メチル基、tert−ブチル基が特に好ましい。R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては前記置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができ、その中でもハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すアリール基としては、炭素数6〜15のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すアリール基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては前記置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができ、その中でもアルキル基、アリール基、アミノ基およびフッ素原子が好ましく、メチル基、フェニル基、フッ素原子がより好ましく、メチル基、フッ素原子が特に好ましい。これらアリール基に置換する置換基の置換される位置は特に限定されない。
なお、R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すアリール基がアミノ基を有していてもよいが、発光スペクトルをシャープにして色純度を高める観点からは、R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すアリール基が無置換またはアルキル基置換、フッ素原子置換であることが好ましい。
1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すヘテロアリール基としては、環員数5〜10のヘテロアリール基であることが好ましく、環員数5または6のヘテロアリール基であることがより好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子は1〜3個であることが好ましく、1個であることがより好ましい。R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すヘテロアリール基は、ピリジル基、チオフェニル基が特に好ましく、2−ピリジル基がより特に好ましい。
1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基が表すシリル基としては、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基がより好ましい。
本発明の化合物は、前記一般式(1)中、R1〜R12の表す置換基がR4とR5またはR8とR9の一方の組が共同して表す前記一般式a〜eで表される2価の置換基(2個分に相当)を含めて2〜6個であることが好ましく、2〜4個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
前記一般式(1)のR1〜R12中、R1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外に置換基を有していてもよい位置は特に制限はないが、R6、R7、R10、R11であることが好ましく、R10、R11であることがより好ましい。
前記一般式(1)においてR10およびR11が共同して環を形成しても形成しなくてもよいが、共同して環を形成することが好ましい。
前記一般式(1)においてR10およびR11が共同して形成してもよい環は5または6員環であることが好ましく、6員環であることが好ましい。R10およびR11が共同して形成する環は芳香環であることが好ましく、炭化水素芳香環であることがより好ましい。
101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基のいずれかを表す。
101とR102、または、R103とR104が共同して環を形成してもよい。
101〜R104が表すアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基がより特に好ましい。
101〜R104が表すアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては前記置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができ、その中でもアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
101〜R104がアルキル基を表す場合にはR101とR102、または、R103とR104が共同して環を形成することも好ましく、この場合に形成される環は5または6員環であることが好ましく、6員環であることがより好ましく、ピペリジン環であることが特に好ましい。
101〜R104が表すアリール基としては、好ましくは炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜20のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントレニル基およびトリフェニレニル基)であり、特に好ましくは炭素数6〜15のアリール基であり、より特に好ましくはフェニル基、1−ナフチル基および2−ナフチル基であり、さらにより特に好ましくは、フェニル基および2−ナフチル基である。
101〜R104が表すアリール基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては前記置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができ、その中でもアルキル基(炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい)、アリール基(炭素数6〜10のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。該アリール基はさらに置換基を有していてもよいく、アルキル基、ハロゲン原子、アリール基およびシリル基(トリメチルシリル基またはトリフェニルシリル基が好ましい)が好ましく、アルキル基、アリール基、フッ素原子がより好ましい。
101〜R104がアリール基を表す場合には、R101とR102、または、R103とR104が共同して環を形成することも好ましく、この場合に形成される環は5または6員環であることが好ましい。R101とR102が共同して環を形成する場合(以下のR101とR102が共同して環を形成する関係は、R103とR104が共同して環を形成する関係でも同様である)には、R101とR102が単結合を介して環を形成する場合、R101がさらに有する置換基とR102が環を形成する場合、R102がさらに有する置換基とR101が環を形成する場合、および、R101がさらに有する置換基とR102がさらに有する置換基が環を形成する場合が含まれる。R101とR102が単結合を介して環を形成する以外の場合は、R101とR102は連結基Lを介して結合していることが好ましい。前記連結基Lとしては、CR112113、NR114、Si115116(R112、R113、R114、R115およびR116はそれぞれ独立に置換基を表し、フッ素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表すことが好ましい。)、O原子、S原子、であることが好ましく、CR112113、NR114、O原子またはS原子であることがより好ましく、CR112113、NR114またはO原子であることが特に好ましい。R112、R113、R115およびR116(炭素原子上の置換基および珪素原子上の置換基)としては、前記置換基群Aを挙げることができ、好ましい範囲は前記R105およびR106の好ましい範囲と同様である。
前記R114(窒素原子上の置換基)として、前記置換基群Bを挙げることができ、好ましい範囲は前記R109の好ましい範囲と同様である。
101〜R104が表すヘテロアリール基としては、好ましくは環員数5〜30のヘテロアリール基であり、より好ましくは環員数5〜10のヘテロアリール基であり、特に好ましくは環員数5または6のヘテロアリール基である。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子は1〜3個であることが好ましく、1個であることがより好ましい。R101〜R104が表すヘテロアリール基としてはピリジル基、フラニル基、チオフェニル基が特に好ましく、2−ピリジル基、2−フラニル基、2−チオフェニル基がより特に好ましい。
101〜R104が表すヘテロアリール基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては前記置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができ、その中でもアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
本発明の化合物は、前記一般式(1)中、R101〜R104はそれぞれ独立にアリール基またはヘテロアリール基を表すことが発光効率の観点から好ましく、R101〜R104がいずれもアリール基であることが好ましく、無置換のフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ビフェニル基(好ましくはp−フェニルフェニル基)およびメチルフェニル基(好ましくはp−メチルフェニル基)のいずれかであることが発光効率の観点からより好ましい。
101〜R104がいずれもアリール基である場合、R101〜R104の組み合わせとしては特に制限はない。
本発明の化合物は、前記一般式(1)中、−NR101102で表される基と−NR103104で表される基の組み合わせとしては特に制限はないが、互いに同一であることが発光スペクトルの形状・合成容易性の観点から好ましい。
本発明の化合物は、前記一般式(1)中、X1〜X12はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。X1〜X12のうち、少なくともX10およびX11が炭素原子であることが好ましい。
前記一般式(1)中、X1〜X12のうち9個以上が炭素原子であることが好ましく、11個以上が炭素原子であることがより好ましく、X1〜X12がいずれもが炭素原子であることが特に好ましい。
本発明の化合物は、前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表されることが好ましい。
Figure 2013232520
一般式(2)中、R1〜R9およびR12〜R16はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して前記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。また、R4とR5が共同して前記一般式aで表される2価の置換基を表す場合、R3とR9は無置換のフェニル基以外の置換基または水素原子を表す。さらに、R4とR5が共同して前記一般式cで表される2価の置換基を表す場合、R15はアリール基、ヘテロアリール基、アリールアミノ基以外の置換基または水素原子を表す。R101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。X1〜X9およびX12〜X16はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表し、X1〜X9およびX12〜X16が窒素原子を表す場合は該窒素原子に結合するR1〜R9およびR12〜R16は存在しない。
前記一般式(2)におけるR1〜R9およびR12の説明と好ましい範囲は、前記一般式(1)におけるR1〜R9およびR12の説明と好ましい範囲と同じである。但し、一般式(2)では、R4とR5が共同して前記一般式cで表される2価の置換基を表す場合、後述するR15はアリール基、ヘテロアリール基、アリールアミノ基以外の置換基または水素原子を表す。
前記一般式(2)におけるR13〜R16が表す置換基の好ましい範囲は、前記一般式(1)におけるR1〜R12中の前記一般式a〜eで表される2価の置換基以外の基の好ましい範囲と同様である。
前記一般式(2)におけるR13〜R16中、置換基が0〜4個であることが好ましく、0〜3個であることがより好ましく、0〜2個であることが特に好ましく、0または1個であることがより特に好ましく、0個であることがさらにより特に好ましい。
前記一般式(2)におけるR101〜R104の説明と好ましい範囲は、前記一般式(1)におけるR101〜R104の説明と好ましい範囲と同じである。
前記一般式(2)におけるX1〜X9およびX12〜X16の説明と好ましい範囲は、前記一般式(1)におけるX1〜X12の説明と好ましい範囲と同じである。
本発明の化合物は、前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(3)で表されることが好ましい。
Figure 2013232520
一般式(3)中、R1〜R9およびR12〜R16はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはフッ素原子を表す。R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して前記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。R101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
前記一般式(3)におけるR1〜R9およびR12〜R16はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはフッ素原子を表す。R1〜R9およびR12〜R16がアルキル基の場合の説明と好ましい範囲は、前記一般式(1)におけるR1〜R9およびR12の説明と好ましい範囲と同じである。
前記一般式(3)におけるR101〜R104の説明と好ましい範囲は、前記一般式(1)におけるR101〜R104の説明と好ましい範囲と同じである。
前記一般式(1)で表される化合物を青色発光材料として用いるとき、有機電界発光素子の極大発光波長は通常460nm未満となる。好ましくは400nm以上460nm未満であり、より好ましくは420nm以上455nm未満であり、さらに好ましくは425nm以上455nm未満であり、色純度の高い青色発光が得られる観点から最も好ましくは430nm以上455nm未満である。前記一般式(1)で表される化合物の薄膜状態での極大発光波長が430nm以上455nm未満であると、特に色純度の高い青色発光が得られて好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物は、分子量が1200以下であることが好ましく、1100以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、950以下であることが特に好ましい。分子量を低くすることによって、昇華温度を低くすることができるため、蒸着時における化合物の熱分解を防ぐことができる。また、蒸着時間を短縮して、蒸着に必要なエネルギーを抑えることもできる。ここで、昇華温度の高い材料では長時間蒸着時に熱分解が起こり得るため、蒸着適性の観点では昇華温度は高過ぎない方がよい。前記一般式(1)で表される化合物の昇華温度(本明細書中、10質量%減少温度を意味する)は好ましくは425℃以下であり、より好ましくは400℃以下であり、さらに好ましくは375℃以下であり、最も好ましくは350℃以下である。
前記一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明で用いることができる一般式(1)で表される化合物は、これらの具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
Figure 2013232520
さらに、一般式(1)で表される化合物の中でも、一般式(3)について、R4とR5が共同して、一般式aで表される2価の置換基を表す場合、R4とR5が共同して、一般式cで表される2価の置換基を表す場合、R4とR5が共同して、一般式dで表される2価の置換基を表す場合について、さらに詳細な具体例を以下に示す。これらは例示した化合物以外の組み合わせについても同様に考えることができる。
Figure 2013232520
Figure 2013232520
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前記一般式(1)で表される化合物は、公知の反応を組み合わせることで合成することができる。例えば、J.Org.Chem.,2011,76(4),1054−1061や特開2008−50308を参考に合成できる。
下記に一般的な合成スキームを2通り示すが、下記の合成ルートは一例であり、別の公知の方法によっても合成することができる。これら以外の合成法については後述の実施例で示す。
Figure 2013232520
Synthetic route1において、Zは一般式a〜eの2価の置換基を表す。R1、R2、R3、R4はアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。Xは塩素、臭素またはヨウ素を表す。"Cu"は銅触媒(例えば、Cu、CuIなど)を表し、"Pd"はパラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウムやトリスジベンジリデンアセトンビスパラジウム、PdCl2(PPh3)2など)を表す。これらには公知の配位子(例えば、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン・テトラフルオロボレート塩、トリターシャーリーブチルホスフィンなどのりん配位子など)を加えることもできる。baseは塩基を表し、公知のもの(例えば、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaHCO3、K3PO4、NaOtBu、KOtBuなどの無機塩基のほかに、トリエチルアミン、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)などの有機塩基)を使用できる。Tfはトリフルオロメタンスルホニル基を表す。これらの反応溶媒は公知のもの(例えば、テトラヒドロフラン、1、2−ジメトキシエタン、トルエン、キシレン、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、1、2−ジクロロエタン、エタノール、メタノール、アセトンなど)から選択でき、反応温度も適宜異なる。最終生成物が異性体の混合物になる場合は、再結晶を繰り返すことで、収率は低くなるがどちらかを選択的に得ることができる。また、異性体の混合物を有機電界発光素子用の材料としても用いることができる。
Figure 2013232520
Synthetic route2において、Zは一般式a〜eの2価の置換基を表す。R5、R6、R7、R8はアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。"Cu"は銅触媒(例えば、Cu、CuIなど)を表し、"Pd"はパラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウムやトリスジベンジリデンアセトンビスパラジウム、PdCl2(PPh3)2など)を表す。これらには公知の配位子(例えば、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン・テトラフルオロボレート塩、トリターシャーリーブチルホスフィンなどのりん配位子など)を加えることもできる。baseは塩基を表し、公知のもの(例えば、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaHCO3、K3PO4、NaOtBu、KOtBuなどの無機塩基のほかに、トリエチルアミン、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)などの有機塩基)を使用できる。Tfはトリフルオロメタンスルホニル基を表す。これらの反応溶媒は公知のもの(例えば、テトラヒドロフラン、1、2−ジメトキシエタン、トルエン、キシレン、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、1、2−ジクロロエタン、エタノール、メタノール、アセトンなど)から選択でき、反応温度も適宜異なる。生成物が異性体の混合物になる場合は、再結晶を繰り返すことで、収率は低くなるがどちらかを選択的に得ることができる。また、異性体の混合物を有機電界発光素子用の材料としても用いることができる。
合成後、カラムクロマトグラフィー、再結晶等による精製を行った後、昇華精製により精製することが好ましい。昇華精製により、有機不純物を分離できるだけでなく、無機塩や残留溶媒等を効果的に取り除くことができる。
<<有機電界発光素子の構成>>
本発明の有機電界発光素子は、基板と、該基板上に配置され、陽極及び陰極を含む一対の電極と、該電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層とを有し、前記発光層のうち少なくとも一層に前記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする。
本発明の有機電界発光素子の構成は、特に制限されることはない。図1に、本発明の有機電界発光素子の構成の一例を示す。図1の有機電界発光素子10は、基板2上に、一対の電極(陽極3と陰極9)の間に有機層を有する。
有機電界発光素子の素子構成、基板、陰極及び陽極については、例えば、特開2008−270736号公報に詳述されており、該公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
以下、本発明の有機電界発光素子の好ましい態様について、基板、電極、有機層、保護層、封止容器、駆動方法、発光波長、用途の順で詳細に説明する。
<基板>
本発明の有機電界発光素子は、基板を有する。
本発明で使用する基板としては、有機層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
<電極>
本発明の有機電界発光素子は、前記基板上に配置され、陽極及び陰極を含む一対の電極を有する。
発光素子の性質上、一対の電極である陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明若しくは半透明であることが好ましい。
(陽極)
陽極は、通常、有機層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
(陰極)
陰極は、通常、有機層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
<有機層>
本発明の有機電界発光素子は、前記電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層を有し、前記発光層のうち少なくとも一層に前記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする。
前記有機層は、特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記透明電極上に又は前記半透明電極上に形成されるのが好ましい。この場合、有機層は、前記透明電極又は前記半透明電極上の全面又は一面に形成される。
有機層の形状、大きさ、及び厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以下、本発明の有機電界発光素子における、有機層の構成、有機層の形成方法、有機層を構成する各層の好ましい態様および各層に使用される材料について順に説明する。
(有機層の構成)
本発明の有機電界発光素子では、前記有機層が発光層を含む。前記有機層が、電荷輸送層を含むことが好ましい。前記電荷輸送層とは、有機電界発光素子に電圧を印加した際に電荷移動が起こる層をいう。具体的には正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層又は電子注入層が挙げられる。前記電荷輸送層が正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層又は発光層であれば、低コストかつ高効率な有機電界発光素子の製造が可能となる。
前記一般式(1)で表される化合物は、有機電界発光素子の前記電極間に配置される有機層中の発光層のうち、少なくとも一層に含有される。
但し、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、前記一般式(1)で表される化合物は本発明の有機電界発光素子のその他の有機層に含有されていてもよい。前記一般式(1)で表される化合物を含有してもよい発光層以外の有機層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、電荷ブロック層(正孔ブロック層、電子ブロック層など)などを挙げることができ、好ましくは、正孔注入層、正孔輸送層、励起子ブロック層、電荷ブロック層のいずれかであり、より好ましくは正孔輸送層、励起子ブロック層、電荷ブロック層である。
前記一般式(1)で表される化合物が発光層に含有される場合、一般式(1)で表される化合物は発光層の全質量に対して0.1〜100質量%含まれることが好ましく、1〜50質量%含まれることがより好ましく、2〜20質量%含まれることがより好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物が発光層以外の有機層に含有される場合、一般式(1)で表される化合物はその有機層の全質量に対して70〜100質量%含まれることが好ましく、80〜100質量%含まれることがより好ましく、90〜100質量%含まれることがさらに好ましい。
(有機層の形成方法)
本発明の有機電界発光素子において、各有機層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法、スピンコート法、バーコート法等の湿式製膜法(溶液塗布法)のいずれによっても好適に形成することができる。
本発明の有機電界発光素子は、前記一対の電極間に配置された有機層が、少なくとも一層の前記一般式(1)で表される化合物を含む組成物の蒸着により形成されていることが好ましい。
(発光層)
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。但し、本発明における前記発光層は、このようなメカニズムによる発光に必ずしも限定されるものではない。
本発明の有機電界発光素子における前記発光層は、前記発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と前記発光材料の混合層とした構成でもよい。前記発光材料の種類は一種であっても二種以上であってもよい。前記ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。前記ホスト材料は一種であっても二種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。更に、前記発光層は、電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。
また、発光層は一層であっても二層以上の多層であってもよく、それぞれの層に同じ発光材料やホスト材料を含んでもよいし、層毎に異なる材料を含んでもよい。発光層が複数の場合、それぞれの発光層が異なる発光色で発光してもよい。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、2nm〜500nmであるのが好ましく、中でも、外部量子効率の観点で、3nm〜200nmであるのがより好ましく、5nm〜100nmであるのが更に好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、前記発光層が前記一般式(1)で表される化合物を含有し、前記発光層の発光材料として前記一般式(1)で表される化合物を用いることがより好ましい態様である。ここで、本明細書中、ホスト材料とは、発光層において主に電荷の注入、輸送を担う化合物であり、また、それ自体は実質的に発光しない化合物のことである。ここで「実質的に発光しない」とは、該実質的に発光しない化合物からの発光量が好ましくは素子全体での全発光量の5%以下であり、より好ましくは3%以下であり、更に好ましくは1%以下であることを言う。前記一般式(1)で表される化合物は、発光層のホスト材料として用いてもよい。
(発光材料)
本発明の有機電界発光素子では、前記一般式(1)で表される化合物を発光材料とすることが好ましいが、その場合であっても前記一般式(1)で表される化合物とは別の発光材料を組み合わせて用いることが可能である。また、本発明の有機電界発光素子において、前記一般式(1)で表される化合物を発光層のホスト材料として使用する場合や、発光層以外の有機層に用いる場合にも、前記一般式(1)で表される化合物とは別の発光材料を発光層に用いる。
本発明において用いることができる発光材料は、燐光発光材料、蛍光発光材料等のいずれであってもよい。また、本発明における発光層は、色純度を向上させたり、発光波長領域を広げたりするために、2種類以上の発光材料を含有することができる。
本発明の有機電界発光素子に用いることができる蛍光発光材料や燐光発光材料については、例えば、特開2008−270736号公報の段落番号[0100]〜[0164]、特開2007−266458号公報の段落番号[0088]〜[0090]に詳述されており、これら公報の記載の事項を本発明に適用することができる。
本発明に使用できる燐光発光材料としては、例えば、米国特許第6303238号明細書、米国特許第6097147号明細書、WO00/57676号公報、WO00/70655号公報、WO01/08230号公報、WO01/39234号公報、WO01/41512号公報、WO02/02714号公報、WO02/15645号公報、WO02/44189号公報、WO05/19373号公報、特開2001−247859号公報、特開2002−302671号公報、特開2002−117978号公報、特開2003−133074号公報、特開2002−235076号公報、特開2003−123982号公報、特開2002−170684号公報、欧州特許公開第1211257号公報、特開2002−226495号公報、特開2002−234894号公報、特開2001−247859号公報、特開2001−298470号公報、特開2002−173674号公報、特開2002−203678号公報、特開2002−203679号公報、特開2004−357791号公報、特開2006−256999号公Ir報、特開2007−19462号公報、特開2007−84635号公報、特開2007−96259号公報等の特許文献に記載の燐光発光化合物などが挙げられ、中でも、更に好ましい発光材料としては、Ir錯体、Pt錯体、Cu錯体、Re錯体、W錯体、Rh錯体、Ru錯体、Pd錯体、Os錯体、Eu錯体、Tb錯体、Gd錯体、Dy錯体、及びCe錯体等の燐光発光性金属錯体化合物が挙げられる。特に好ましくは、Ir錯体、Pt錯体、又はRe錯体であり、中でも金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含むIr錯体、Pt錯体、又はRe錯体が好ましい。更に、発光効率、駆動耐久性、色度等の観点で、Ir錯体、Pt錯体が特に好ましく、Ir錯体が最も好ましい。
本発明に使用できる蛍光発光材料の種類は特に限定されるものではないが、前記一般式(1)で表される化合物の他、例えば、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、縮合多環芳香族化合物(アントラセン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、又はペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、及びこれらの誘導体などを挙げることができる。
その他に、特開2010−111620号公報の[0082]に記載される化合物を発光材料として用いることもできる。
本発明の有機電界発光素子における発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でもよい。発光材料の種類は一種であっても二種以上であっても良い。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は一種であっても二種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料と正孔輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。更に、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。
また、発光層は一層であっても二層以上の多層であってもよく、それぞれの層に同じ発光材料やホスト材料を含んでもよいし、層毎に異なる材料を含んでもよい。発光層が複数の場合、それぞれの発光層が異なる発光色で発光してもよい。
(ホスト材料)
ホスト材料とは、発光層において主に電荷の注入、輸送を担う化合物であり、また、それ自体は実質的に発光しない化合物のことである。ここで「実質的に発光しない」とは、該実質的に発光しない化合物からの発光量が好ましくは素子全体での全発光量の5%以下であり、より好ましくは3%以下であり、更に好ましくは1%以下であることを言う。
本発明の有機電界発光素子に用いることのできるホスト材料としては、前記一般式(1)で表される化合物の他、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
ピロール、インドール、カルバゾール、アザインドール、アザカルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ポルフィリン系化合物、縮環芳香族炭化水素化合物(フルオレン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン等)、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノ−ル誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾ−ルやベンゾチアゾ−ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体及びそれらの誘導体(置換基や縮環を有していてもよい)等を挙げることができる。その他に、特開2010−111620の[0081]や[0083]に記載される化合物を用いることもできる。
これらのうち、カルバゾール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、アリールアミン、縮環芳香族炭化水素化合物、金属錯体が好ましく、縮環芳香族炭化水素化合物が安定であるために特に好ましい。縮環芳香族炭化水素化合物としてはナフタレン系化合物、アントラセン系化合物、フェナントレン系化合物、トリフェニレン系化合物、ピレン系化合物が好ましく、アントラセン系化合物、ピレン系化合物がより好ましく、アントラセン系化合物が特に好ましい。
本発明の発光素子は、ホスト材料として下記一般式(An−1)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 2013232520
(一般式(An−1)中、Ar1、Ar2はそれぞれ独立にアリール基またはヘテロアリール基を表し、R301〜R308はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R301とR302、R302とR303、R303とR304、R305とR306、R306とR307及びR307とR308は互いに結合して環を形成してもよい。)
一般式(An−1)中、Ar1およびAr2が表すアリール基としては、炭素数6〜36のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜18のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜14のアリール基であることが特に好ましく、フェニル基またはナフチル基であることがより特に好ましい。
Ar1およびAr2が表すヘテロアリール基としては、環員数5〜20のヘテロアリール基であることが好ましく、環員数5〜13のヘテロアリール基であることがより好ましい。Ar1およびAr2が表すヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。Ar1およびAr2が表すヘテロアリール基中に含まれるヘテロ原子の数は、1〜3個であることが好ましく、1または2個であることがより好ましく、1個であることが特に好ましい。Ar1およびAr2が表すヘテロアリール基としては、ピリジル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチオフェニル基であることが特に好ましい。
Ar1およびAr2として好ましくはフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチオフェニル基、およびこれらを組み合わせてなる基である。Ar1およびAr2はその中でもフェニル基またはナフチル基であることがより好ましく、Ar1およびAr2のうち少なくとも一方が置換または無置換のフェニル基であることが特に好ましい。
Ar1、Ar2はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としてはアリール基、ヘテロアリール基、フッ素原子、アルキル基(炭素数1〜4であることが好ましい)、アルケニル基、シリル基、シアノ基を挙げることができる。
一般式(An−1)中、R301〜R308が表す置換基としては、アリール基、ヘテロアリール基、フッ素原子、アルキル基、シリル基、シアノ基およびこれらを組み合わせてなる基を挙げることができ、好ましくは、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチオフェニル基、フッ素原子、アルキル基、シリル基、シアノ基、およびこれらを組み合わせてなる基であり、フェニル基、ナフチル基、炭素数1〜5のアルキル基(tert−ブチル基であることが特に好ましい)であることがより好ましい。
一般式(An−1)中、R301〜R308はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としてはアリール基、ヘテロアリール基およびアルキル基を挙げることができ、アリール基およびヘテロアリール基が好ましく、炭素数6〜18のアリール基がより好ましい。
一般式(An−1)中、R301〜R308に含まれる置換基の数は0〜4個であることが好ましく、0または2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
一般式(An−1)中、R301〜R308に含まれる置換基の位置はR302、R303、R306またはR307であることが好ましく、R302およびR303のいずれか一方またはR306およびR307のいずれか一方であることがより好ましい。
一般式(An−1)中、R301とR302、R302とR303、R303とR304、R305とR306、R306とR307及びR307とR308は互いに結合して環を形成してもよいが、これらは互いに結合して環を形成しないことが好ましい。
前記一般式(An−1)で表される化合物は、下記(An−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013232520
(一般式(An−2)中、R301〜R318はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R301とR302、R302とR303、R303とR304、R305とR306、R306とR307、R307とR308、R309とR310、R310とR311、R311とR312、R312とR313、R314とR315、R315とR316、R316とR317及びR317とR318は互いに結合して環を形成してもよい。)
一般式(An−2)におけるR301〜R308の好ましい範囲は、前記一般式(An−1)におけるR301〜R308の好ましい範囲と同様である。
一般式(An−2)におけるR309〜R318が表す置換基としては、アリール基、ヘテロアリール基、フッ素原子、アルキル基、シリル基、シアノ基およびこれらを組み合わせてなる基を挙げることができ、好ましくは炭素数6〜18のアリール基、環員数5〜20のヘテロアリール基、フッ素原子、アルキル基、アルケニル基、シリル基、シアノ基およびこれらを組み合わせてなる基であり、より好ましくは、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチオフェニル基、フッ素原子、アルキル基、アルケニル基、シリル基、シアノ基、およびこれらを組み合わせてなる基であり、特に好ましくはフェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基である。
一般式(An−1)中、R309〜R318はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としてはアリール基、アルキル基、フッ素原子などを挙げることができ、該置換基どうしが互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(An−1)中、R309〜R318に含まれる置換基の数は0〜4個であることが好ましく、0または2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
一般式(An−1)中、R309〜R318に含まれる置換基の位置に特に制限はないが、置換基を有する場合はR311およびR316のうち少なくとも一方に有することが好ましい。
一般式(An−1)中、R309とR310、R310とR311、R311とR312、R312とR313、R314とR315、R315とR316、R316とR317及びR317とR318は互いに結合して環を形成してもよく、形成される環は5または6員環であることが好ましく、5員環であることがより好ましい。
前記一般式(An−1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明で用いることができる一般式(An−1)で表される化合物は、これらの具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
本発明の有機電界発光素子における発光層において用いることができるホスト材料としては、正孔輸送性ホスト材料であっても、電子輸送性ホスト材料であってもよい。
発光層において、前記ホスト材料の膜状態での一重項最低励起エネルギー(S1エネルギー)が、前記発光材料のS1エネルギーより高いことが色純度、発光効率、駆動耐久性の点で好ましい。ホスト材料のS1が発光材料のS1より0.1eV以上大きいことが好ましく、0.2eV以上大きいことがより好ましく、0.3eV以上大きいことが更に好ましい。
ホスト材料の膜状態でのS1が発光材料のS1より小さいと発光を消光してしまうためホスト材料には発光材料より大きなS1が求められる。また、ホスト材料のS1が発光材料より大きい場合でも、両者のS1差が小さい場合には一部、発光材料からホスト材料への逆エネルギー移動が起こるため、効率低下や色純度低下、耐久性低下の原因となる。従って、S1が十分に大きく、化学的安定性及びキャリア注入・輸送性の高いホスト材料が求められる。
また、本発明の有機電界発光素子における発光層におけるホスト化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、発光効率、駆動電圧の観点から、発光層を形成する全化合物質量に対して15〜99質量%であることが好ましい。発光層に、一般式(An−1)で表される化合物を含む複数種類のホスト化合物を含む場合、一般式(An−1)で表される化合物は全ホスト化合物中50〜99質量%以下であることが好ましい。
(その他の層)
本発明の有機電界発光素子は、前記発光層以外のその他の層を有していてもよい。
前記有機層が有していてもよい前記発光層以外のその他の有機層として、正孔注入層、正孔輸送層、ブロック層(正孔ブロック層、励起子ブロック層など)、電子輸送層などが挙げられる。前記具体的な層構成として、下記が挙げられるが本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ブロック層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
本発明の有機電界発光素子は、(A)前記陽極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層を少なくとも一層含むことが好ましい。前記(A)前記陽極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層としては、陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層を挙げることができる。
本発明の有機電界発光素子は、(B)前記陰極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層少なくとも一層含むことが好ましい。前記(B)前記陰極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層としては、陰極側から電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層を挙げることができる。
具体的には、本発明の有機電界発光素子の好ましい態様の一例は、図1に記載される態様であり、前記有機層として、陽極3側から正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、正孔ブロック層7及び電子輸送層8がこの順に積層されている態様である。
以下、これら本発明の有機電界発光素子が有していてもよい前記発光層以外のその他の層について、説明する。
(A)陽極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層
まず、(A)前記陽極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層について説明する。
(A−1)正孔注入層、正孔輸送層
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。
本発明の発光素子は、発光層と陽極の間に少なくとも一層の有機層を含むことが好ましく、該有機層に、下記一般式(Sa−1)、一般式(Sb−1)、一般式(Sc−1)で表される化合物の内、少なくとも一種の化合物を含有することが好ましい。
Figure 2013232520
(式中、Xは、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキレン基、置換または無置換の炭素数2〜30のアルケニレン基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリーレン基、置換または無置換の炭素数2〜30のヘテロアリーレン基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環基、あるいは、これらの基を組み合わせてなる基を表す。RS1、RS2、RS3は、各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、ヒドロキシ基、シアノ基、あるいは、置換または無置換のアミノ基を表す。隣接するRS1、RS2、RS3同士が互いに結合し、飽和炭素環または不飽和炭素環を形成してもよい。ArS1、ArS2は、各々独立に、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、あるいは、置換または無置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基を表す。)
Figure 2013232520
(式中、RS4、RS5、RS6およびRS7は、各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、ヒドロキシ基、シアノ基、あるいは、置換または無置換のアミノ基を表す。隣接するRS4、RS5、RS6およびRS7同士が互いに結合し、飽和炭素環または不飽和炭素環を形成してもよい。ArS3は、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、あるいは、置換または無置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基を表す。)
Figure 2013232520
(式中、RS8およびRS9は各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環基、あるいは、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基を表す。RS10は置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環基、あるいは、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基を表す。RS11およびRS12は、各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、ヒドロキシ基、シアノ基、あるいは、置換または無置換のアミノ基を表す。隣接するRS11およびRS12同士が互いに結合し、飽和炭素環または不飽和炭素環を形成してもよい。ArS4は、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基または置換、あるいは、無置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基を表す。YS1、YS2は各々独立に、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキレン基、あるいは、置換または無置換の炭素数6〜30のアリーレン基を表す。nおよびmは各々独立に0〜5の整数を表す。)
前記一般式(Sa−1)について説明する。
前記一般式(Sa−1)中、Xは、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキレン基、置換または無置換の炭素数2〜30のアルケニレン基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリーレン基、置換または無置換の炭素数2〜30のヘテロアリーレン基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環基、あるいは、これらの基を組み合わせてなる基を表す。Xとして好ましくは、置換または無置換の炭素数6〜30のアリーレン基であり、より好ましくは、置換または無置換のフェニレン、置換または無置換のビフェニレン、および、置換または無置換のナフチレンであり、さらに好ましくは置換または無置換のビフェニレンである。
S1、RS2、RS3は、各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、ヒドロキシ基、シアノ基、あるいは、置換または無置換のアミノ基を表す。隣接するRS1、RS2、RS3同士が互いに結合し、飽和炭素環または不飽和炭素環を形成してもよい。前記飽和炭素環または当該不飽和炭素環の例としては、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フルオレン、フェナレンなどがある。RS1、RS2、RS3として好ましくは、水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、および、シアノ基であり、より好ましくは水素原子である。
ArS1、ArS2は、各々独立に、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、あるいは、置換または無置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基を表す。ArS1、ArS2として好ましくは、置換または無置換のフェニル基である。
次に前記一般式(Sb−1)について説明する。
前記一般式(Sb−1)中、RS4、RS5、RS6およびRS7は、各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環、または置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、ヒドロキシ基、シアノ基、あるいは、置換または無置換のアミノ基を表す。隣接するRS4、RS5、RS6およびRS7同士が互いに結合し、飽和炭素環または不飽和炭素環を形成してもよい。前記飽和炭素環または当該不飽和炭素環の例としては、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フルオレン、フェナレンなどがある。RS4、RS5、RS6およびRS7として好ましくは、水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、および、シアノ基であり、より好ましくは水素原子である。
ArS3は、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、あるいは、置換または無置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基を表す。ArS3として好ましくは、置換または無置換のフェニル基である。
次に前記一般式(Sc−1)について説明する。
前記一般式(Sc−1)中、RS8およびRS9は各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環基、あるいは、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基を表す。RS8およびRS9として好ましくは、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、および、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは、メチル基およびフェニル基である。RS10は置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環基、あるいは、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基を表す。RS10として好ましくは置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。RS11およびRS12は、各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、ヒドロキシ基、シアノ基、あるいは、置換または無置換のアミノ基を表す。隣接するRS11およびRS12同士が互いに結合し、飽和炭素環または不飽和炭素環を形成してもよい。前記飽和炭素環または当該不飽和炭素環の例としては、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フルオレン、フェナレンなどがある。RS11およびRS12として好ましくは、水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、および、シアノ基であり、より好ましくは水素原子である。ArS4は、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、あるいは、置換または無置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基を表す。YS1、YS2は置換または無置換の炭素数1〜30のアルキレン、あるいは、置換または無置換の炭素数6〜30のアリーレンを表す。YS1、YS2として好ましくは、置換または無置換の炭素数6〜30のアリーレンであり、より好ましくは置換または無置換のフェニレンである。nは0〜5の整数であり、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、さらに好ましくは0である。mは0〜5の整数であり、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、さらに好ましくは1である。
前記一般式(Sa−1)は、好ましくは下記一般式(Sa−2)で表される化合物である。
Figure 2013232520
(式中、RS1、RS2、RS3は、各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、ヒドロキシ基、シアノ基、あるいは、置換または無置換のアミノ基を表す。隣接するRS1、RS2、RS3同士が互いに結合し、飽和炭素環または不飽和炭素環を形成してもよい。QSaは各々独立に、水素原子、シアノ基、フッ素原子、炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または非置換の炭素数2〜30の複素環、あるいは、置換または非置換のアミノ基を表す。)
前記一般式(Sa−2)について説明する。RS1、RS2、RS3は一般式(Sa−1)中のそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。QSaは各々独立に、水素原子、シアノ基、フッ素原子、炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または非置換の炭素数2〜30の複素環、あるいは、置換または非置換のアミノ基を表す。QSaとして好ましくは、水素原子、シアノ基、フッ素原子、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、および、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは水素原子、および、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
前記一般式(Sb−1)は、好ましくは下記一般式(Sb−2)で表される化合物である。
Figure 2013232520
(式中、RS4、RS5、RS6およびRS7は、各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、ヒドロキシ基、シアノ基、あるいは、置換または無置換のアミノ基を表す。隣接するRS4、RS5、RS6およびRS7同士が互いに結合し、飽和炭素環または不飽和炭素環を形成してもよい。QSbは、水素原子、シアノ基、フッ素原子、炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または非置換の炭素数2〜30の複素環、あるいは、置換または非置換のアミノ基を表す。)
前記一般式(Sb−2)について説明する。RS4、RS5、RS6およびRS7は一般式(Sb−1)中のそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。QSaは、水素原子、シアノ基、フッ素原子、炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または非置換の炭素数2〜30の複素環、あるいは、置換または非置換のアミノ基を表す。QSaとして好ましくは、水素原子、シアノ基、フッ素原子、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、および、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは水素原子、および、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
前記一般式(Sc−1)は、好ましくは下記一般式(Sc−2)で表される化合物である。
Figure 2013232520
(式中、RS8およびRS9は各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環基、あるいは、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基を表す。RS10は置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環基、あるいは、置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基を表す。RS11およびRS12は、各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または無置換の炭素数2〜30の複素環、または置換または無置換の炭素数5〜30の縮合多環基、ヒドロキシ基、シアノ基、あるいは、置換または無置換のアミノ基を表す。隣接するRS11およびRS12同士が互いに結合し、飽和炭素環または不飽和炭素環を形成してもよい。QScは、水素原子、シアノ基、フッ素原子、炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または非置換の炭素数2〜30の複素環、あるいは、置換または非置換のアミノ基を表す。)
前記一般式(Sc−2)について説明する。RS8、RS9、RS10、RS11およびRS12は一般式(Sc−1)中のそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。QScは、水素原子、シアノ基、フッ素原子、炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または非置換の炭素数2〜30の複素環、または置換または非置換のアミノ基を表す。QScとして好ましくは、水素原子、シアノ基、フッ素原子、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは水素原子、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、さらに好ましくはフェニル基である。
前記一般式(Sa−1)、(Sb−1)および(Sc−1)で表される化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。但し、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
前記一般式(Sa−1)、(Sb−1)または(Sc−1)で表される化合物は、特開2007−318101号公報に記載の方法で合成可能である。合成後、カラムクロマトグラフィー、再結晶、再沈殿などによる精製を行った後、昇華精製により精製することが好ましい。昇華精製により有機不純物を分離できるだけではなく、無機塩や残留溶媒、水分等を効果的に取り除くことが可能である。
本発明の発光素子において、前記一般式(Sa−1)、(Sb−1)または(Sc−1)で表される化合物は、前記発光層と前記陽極との間の有機層に含有されることが好ましく、その中でも発光層に隣接する陽極側の層に含有されることがより好ましく、正孔輸送層に含有される正孔輸送材料であることが特に好ましい。
前記一般式(Sa−1)、(Sb−1)または(Sc−1)で表される化合物は、添加する有機層の全質量に対して70〜100質量%含まれることが好ましく、85〜100質量%含まれることがより好ましい。
〔一般式(M−3)で表される化合物〕
本発明の有機電界発光素子は、前記(A)陽極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層に特に好ましく用いられる材料として、少なくとも一種の下記一般式(M−3)で表される化合物を挙げることができる。
前記一般式(M−3)で表される化合物は発光層と陽極の間の発光層に隣接する有機層に含有されることがより好ましいが、その用途が限定されることはなく、有機層内のいずれの層に更に含有されてもよい。前記一般式(M−3)で表される化合物の導入層としては、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷ブロック層のいずれか、若しくは複数に含有することができる。
前記一般式(M−3)で表される化合物が含有される、発光層と陽極の間の発光層に隣接する有機層は、電子ブロック層又は正孔輸送層であることがより好ましい。
Figure 2013232520
前記一般式(M−3)中、RS1〜RS5はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−CN、ペルフルオロアルキル基、トリフルオロビニル基、−CO2R、−C(O)R、−NR2、−NO2、−OR、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。複数のRS1〜RS5が存在するとき、それらは互いに結合して環を形成してもよく、更に置換基Zを有していてもよい。
aは0〜4の整数を表し、複数のRS1が存在するとき、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。b〜eはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、それぞれ複数のRS2〜RS5が存在するとき、それらは同一でも異なっていてもよく、任意の2つが結合し環を形成してもよい。
qは1〜5の整数であり、qが2以上のとき複数のRS1は同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
アルキル基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基Zを挙げることができる。RS1〜RS5で表されるアルキル基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜6のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、i−プロピ
ル基、シクロヘキシル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基Zを挙げることができる。RS1〜RS5で表されるシクロアルキル基として、好ましくは環員数4〜7のシクロアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数5〜6のシクロアルキル基であり、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
S1〜RS5で表されるアルケニル基としては好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、1−プロペニル、1−イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。
S1〜RS5で表されるアルキニル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばエチニル、プロパルギル、1−プロピニル、3−ペンチニルなどが挙げられる。
S1〜RS5で表されるペルフルオロアルキル基は、前述のアルキル基の全ての水素原子がフッ素原子に置き換えられたものが挙げられる。
S1〜RS5で表されるアリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられる。
S1〜RS5で表されるヘテロアリール基としては、好ましくは、炭素数5〜8のヘテロアリール基であり、より好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換のヘテロアリール基であり、例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ピロリル基、インドリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、チアジアゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンズイソオキサゾリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、イミダゾリジニル基、チアゾリニル基、スルホラニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、ピリドインドリル基などが挙げられる。好ましい例としては、ピリジル基、ピリミジニル基、イミダゾリル基、チエニル基であり、より好ましくは、ピリジル基、ピリミジニル基である。
S1〜RS5として好ましくは、水素原子、アルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロアルキル基、ジアルキルアミノ基、フルオロ基、アリール基、ヘテロアリール基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロ基、アリール基であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基である。置換基Zとしては、アルキル基、アルコキシ基、フルオロ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基が好ましく、水素原子、アルキル基がより好ましい。
S1〜RS5は任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に置換基Zを有していてもよい。形成されるシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールの定義及び好ましい範囲はRS1〜RS5で定義したシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基と同じである。
前記一般式(M−3)で表される化合物を、正孔輸送層中で用いる場合は、前記一般式(M−3)で表される化合物は50〜100質量%含まれることが好ましく、80〜100質量%含まれることが好ましく、95〜100質量%含まれることが特に好ましい。
また、前記一般式(M−3)で表される化合物を、複数の有機層に用いる場合はそれぞれの層において、上記の範囲で含有することが好ましい。
前記一般式(M−3)で表される化合物を含む正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、3nm〜200nmであるのがより好ましく、5nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、該正孔輸送層は発光層に接して設けられている事が好ましい。
以下に、前記一般式(M−3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されることはない。
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
その他、正孔注入層および正孔輸送層については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0165〕〜〔0167〕に記載の事項を本発明に適用することもできる。また、特開2011−71452号公報の〔0250〕〜〔0339〕に記載の事項を本発明の正孔注入層および正孔輸送層について適用することもできる。前記一般式(1)で表される化合物を正孔注入層および正孔輸送層に適用することも好ましい。
前記正孔注入層には電子受容性ドーパントを含有することが好ましい。正孔注入層に電子受容性ドーパントを含有することにより、正孔注入性が向上し、駆動電圧が低下する、効率が向上するなどの効果がある。電子受容性ドーパントとは、ドープされる材料から電子を引き抜き、ラジカルカチオンを発生させることが可能な材料であれば有機材料、無機材料のうちいかなるものでもよいが、
例えば、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)などのTCNQ化合物、ヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン(HAT−CN)などのヘキサアザトリフェニレン化合物、酸化モリブデンなどが挙げられる。
前記正孔注入層中の電子受容性ドーパントは、正孔注入層を形成する全化合物質量に対して、0.01〜50質量%含有されることが好ましく、0.1〜40質量%含有されることがより好ましく、0.2〜30質量%含有されることがより好ましい。
(A−2)電子ブロック層
電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が、陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陽極側で隣接する有機層として、電子ブロック層を設けることができる。
電子ブロック層を構成する有機化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが適用できる。
電子ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、3nm〜100nmであるのがより好ましく、5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子ブロック層に用いる材料は、前記発光材料のS1エネルギーより高いことが色純度、発光効率、駆動耐久性の点で好ましい。電子ブロック層に用いる材料の膜状態でのS1が発光材料のS1より0.1eV以上大きいことが好ましく、0.2eV以上大きいことがより好ましく、0.3eV以上大きいことが更に好ましい。
(B)陰極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層
次に、前記(B)陰極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層について説明する。
(B−1)電子注入層、電子輸送層
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いる電子注入材料、電子輸送材料は低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
電子輸送材料としては、例えば前記一般式(1)で表される化合物を用いることができる。その他の電子輸送材料としては、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、フタラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、シロールに代表される有機シラン誘導体、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン等の縮環炭化水素化合物等をから選ばれることが好ましく、ピリジン誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体、金属錯体、縮環炭化水素化合物のいずれかであることがより好ましい。
電子注入層、電子輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層には電子供与性ドーパントを含有することが好ましい。電子注入層に電子供与性ドーパントを含有させることにより、電子注入性が向上し、駆動電圧が低下する、効率が向上するなどの効果がある。電子供与性ドーパントとは、ドープされる材料に電子を与え、ラジカルアニオンを発生させることが可能な材料であれば有機材料、無機材料のうちいかなるものでもよいが、例えば、テトラチアフルバレン(TTF)、テトラチアナフタセン(TTT)、ビス−[1,3 ジエチル−2−メチル−1,2−ジヒドロベンズイミダゾリル]などのジヒドロイミダゾール化合物、リチウム、セシウムなどが挙げられる。
電子注入層中の電子供与性ドーパントは、電子注入層を形成する全化合物質量に対して、0.01質量%〜50質量%含有されることが好ましく、0.1質量%〜40質量%含有されることがより好ましく、0.5質量%〜30質量%含有されることがより好ましい。
(B−2)正孔ブロック層
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の膜状態でのS1エネルギーは、発光層で生成する励起子のエネルギー移動を防止し、発光効率を低下させないために、発光材料のS1エネルギーよりも高いことが好ましい。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、例えば前記一般式(1)で表される化合物を用いることができる。
前記一般式(1)で表される化合物以外の、正孔ブロック層を構成するその他の有機化合物の例としては、アルミニウム(iii)ビス(2−メチル−8−キノリナト)4−フ
ェニルフェノレート(Aluminum (iii)bis(2−methyl−8−q
uinolinato)4−phenylphenolate(BAlqと略記する))
等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(2,9−Dimethyl−4,7−diphenyl−
1,10−phenanthroline(BCPと略記する))等のフェナントロリン
誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、3nm〜100nmであるのがより好ましく、5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔ブロック層に用いる材料は、前記発光材料のS1エネルギーより高いことが色純度、発光効率、駆動耐久性の点で好ましい。正孔ブロック層に用いる材料の膜状態でのS1が発光材料のS1より0.1eV以上大きいことが好ましく、0.2eV以上大きいことがより好ましく、0.3eV以上大きいことが更に好ましい。
(B−3)陰極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層に特に好ましく用いられる材料
本発明の有機電界発光素子は、前記(B)陰極と前記発光層との間に好ましく配置される有機層の材料に特に好ましく用いられる材料として、前記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(P−1)で表される化合物および下記一般式(O−1)で表される化合物を挙げることができる。
以下、前記一般式(O−1)で表される化合物と、前記一般式(P−1)で表される化合物について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、発光層と陰極との間に少なくとも一層の有機層を含むことが好ましく、該有機層に少なくとも一種の下記一般式(O−1)で表される化合物を含有することが素子の効率や駆動電圧の観点から好ましい。以下に、一般式(O−1)について説明する。
Figure 2013232520
(一般式(O−1)中、RO1は、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。AO1〜AO4はそれぞれ独立に、C−RA又は窒素原子を表す。RAは水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、複数のRAは同じでも異なっていても良い。LO1は、アリール環又はヘテロアリール環からなる二価〜六価の連結基を表す。nO1は2〜6の整数を表す。)
O1は、アルキル基(好ましくは炭素数1〜8)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30)、又はヘテロアリール基(好ましくは炭素数4〜12)を表し、これらは前述の置換基群Aから選ばれる置換基を有していても良い。RO1として好ましくはアリール基、又はヘテロアリール基であり、より好ましくはアリール基である。RO1のアリール基が置換基を有する場合の好ましい置換基としては、アルキル基、アリール基又はシアノ基が挙げられ、アルキル基又はアリール基がより好ましく、アリール基が更に好ましい。RO1のアリール基が複数の置換基を有する場合、該複数の置換基は互いに結合して5又は6員環を形成していても良い。RO1のアリール基は、好ましくは置換基群Aから選ばれる置換基を有していても良いフェニル基であり、より好ましくはアルキル基又はアリール基が置換していてもよいフェニル基であり、更に好ましくは無置換のフェニル基又は2−フェニルフェニル基である。
O1〜AO4はそれぞれ独立に、C−RA又は窒素原子を表す。AO1〜AO4のうち、0〜2つが窒素原子であるのが好ましく、0又は1つが窒素原子であるのがより好ましい。AO1〜AO4の全てがC−RAであるか、又はAO1が窒素原子で、AO2〜AO4がC−RAであるのが好ましく、AO1が窒素原子で、AO2〜AO4がC−RAであるのがより好ましく、AO1が窒素原子で、AO2〜AO4がC−RAであり、RAが全て水素原子であるのが更に好ましい。
Aは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜8)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30)、又はヘテロアリール基(好ましくは炭素数4〜12)を表し、これらは前述の置換基群Aから選ばれる置換基を有していても良い。また複数のRAは同じでも異なっていても良い。RAとして好ましくは水素原子又はアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
O1は、アリール環(好ましくは炭素数6〜30)又はヘテロアリール環(好ましくは炭素数4〜12)からなる二価〜六価の連結基を表す。LO1として好ましくは、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アリールトリイル基、又はヘテロアリールトリイル基であり、より好ましくはフェニレン基、ビフェニレン基、又はベンゼントリイル基であり、更に好ましくはビフェニレン基、又はベンゼントリイル基である。LO1は前述の置換基群Aから選ばれる置換基を有していても良く、置換基を有する場合の置換基としてはアルキル基、アリール基、又はシアノ基が好ましい。LO1の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2013232520
O1は2〜6の整数を表し、好ましくは2〜4の整数であり、より好ましくは2又は3である。nO1は、素子効率の観点では最も好ましくは3であり、素子の耐久性の観点では最も好ましくは2である。
前記一般式(O−1)で表される化合物は、高温保存時の安定性、高温駆動時、駆動時の発熱に対して安定して動作させる観点から、ガラス転移温度(Tg)は100℃〜300℃であることが好ましく、120℃〜300℃であることがより好ましく、140℃〜300℃であることが更に好ましい。
一般式(O−1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明で用いることができる一般式(O−1)で表される化合物はこれらの具体例によって限定的に解釈されることはない。
Figure 2013232520
Figure 2013232520
前記一般式(O−1)で表される化合物は、特開2001−335776号に記載の方法で合成可能である。合成後、カラムクロマトグラフィー、再結晶、再沈殿などによる精製を行った後、昇華精製により精製することが好ましい。昇華精製により有機不純物を分離できるだけではなく、無機塩や残留溶媒、水分等を効果的に取り除くことが可能である。
本発明の有機電界発光素子において、一般式(O−1)で表される化合物は発光層と陰極との間の有機層に含有されることが好ましいが、発光層に隣接する陰極側の層に含有されることがより好ましい。
一般式(O−1)で表される化合物は、添加する有機層の全質量に対して70〜100質量%含まれることが好ましく、85〜100質量%含まれることがより好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、発光層と陰極との間に少なくとも一層の有機層を含むことが好ましく、該有機層に少なくとも一種の下記一般式(P)で表される化合物を含有することが素子の効率や駆動電圧の観点から好ましい。以下に、一般式(P)について説明する。
Figure 2013232520
(一般式(P)中、RPは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜8)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30)、又はヘテロアリール基(好ましくは炭素数4〜12)を表し、これらは前述の置換基群Aから選ばれる置換基を有していても良い。nPは1〜10の整数を表し、RPが複数の場合、それらは同一でも異なっていてもよい。RPのうち少なくとも一つは、下記一般式(P−1)〜(P−5)で表される置換基である。
Figure 2013232520
一般式(P−4)は、以下の一般式(P−4’)であることがさらに好ましい。
Figure 2013232520
一般式(P−5)は、以下の一般式(P−5’)であることがさらに好ましい。
Figure 2013232520
(一般式(P−1)〜(P−5)中、RP1〜RP5、R’P1〜R’P3、R’P5、R”P3はそれぞれアルキル基(好ましくは炭素数1〜8)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30)、又はヘテロアリール基(好ましくは炭素数4〜12)を表し、これらは前述の置換基群Aから選ばれる置換基を有していても良い。nP1、nP2、nP4、nP5は0〜4の整数を表し、nP3、nP5は0〜2の整数を表し、RP1〜RP5、R’P1〜R’P3、R’P5、R”P3が複数の場合、それらは同一でも異なっていてもよい。LP1〜LP5は、単結合、アリール環又はヘテロアリール環からなる二価の連結基のいずれかを表す。*は一般式(P)のアントラセン環との結合位を表す。)
Pとして、(P−1)〜(P−5)で表される置換基以外の好ましい置換基はアリール基であり、より好ましくはフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基のいずれかであり、更に好ましくはナフチル基である。
P1〜RP5、R’P1〜R’P3、R’P5、R”P3として、好ましくはアリール基、ヘテロアリール基のいずれかであり、より好ましくはアリール基であり、更に好ましくはフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基のいずれかであり、最も好ましくはフェニル基である。
P1〜LP5として、好ましくは単結合、アリール環からなる二価の連結基のいずれかであり、より好ましくは単結合、フェニレン、ビフェニレン、ターフェニレン、ナフチレンのいずれかであり、更に好ましくは単結合、フェニレン、ナフチレンのいずれかである。
一般式(P)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明で用いることができる一般式(P)で表される化合物はこれらの具体例によって限定的に解釈されることはない。
Figure 2013232520
Figure 2013232520
Figure 2013232520
前記一般式(P)で表される化合物は、WO2003/060956号公報、WO2004/080975号公報等に記載の方法で合成可能である。合成後、カラムクロマトグラフィー、再結晶、再沈殿などによる精製を行った後、昇華精製により精製することが好ましい。昇華精製により有機不純物を分離できるだけではなく、無機塩や残留溶媒、水分等を効果的に取り除くことが可能である。
本発明の有機電界発光素子において、一般式(P)で表される化合物は発光層と陰極との間の有機層に含有されることが好ましいが、陰極に隣接する層に含有されることがより好ましい。
一般式(P)で表される化合物は、添加する有機層の全質量に対して70〜100質量%含まれることが好ましく、85〜100質量%含まれることがより好ましい。
本発明の有機電界発光素子において、電子注入層、電子輸送層に用いられるその他の好ましい材料としては、例えば特開平9−194487号公報等に記載のシロール化合物、特開2006−73581号公報等に記載のホスフィンオキサイド化合物、特開2005−276801号公報、特開2006−225320号公報、WO2005/085387号公報等に記載の含窒素芳香族ヘテロ六員環化合物、WO2003/080760号公報、WO2005/085387号公報等に記載の含窒素芳香族ヘテロ六員構造とカルバゾール構造を有するもの、US2009/0009065号公報、WO2010/134350号公報、特表2010−535806号公報等に記載の芳香族炭化水素化合物(ナフタレン化合物、アントラセン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物、ピレン化合物、フルオランテン化合物、等)、等を挙げることができる。
<保護層>
本発明において、有機電界素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0169〕〜〔0170〕に記載の事項を本発明に適用することができる。なお、保護層の材料は無機物であっても、有機物であってもよい。
<封止容器>
本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
封止容器については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0171〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
<駆動方法>
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明の有機電界発光素子の外部量子効率としては、5%以上が好ましく、6%以上がより好ましく、7%以上が更に好ましい。外部量子効率の数値は20℃で素子を駆動したときの外部量子効率の最大値、若しくは、20℃で素子を駆動したときの300〜400cd/m2付近での外部量子効率の値を用いることができる。
本発明の有機電界発光素子の内部量子効率は、30%以上であることが好ましく、50%以上が更に好ましく、70%以上が更に好ましい。素子の内部量子効率は、外部量子効率を光取り出し効率で除して算出される。通常の有機EL素子では光取り出し効率は約20%であるが、基板の形状、電極の形状、有機層の膜厚、無機層の膜厚、有機層の屈折率、無機層の屈折率等を工夫することにより、光取り出し効率を20%以上にすることが可能である。
<発光波長>
本発明の有機電界発光素子は、その発光波長に制限はないが、青色または白色の発光に用いるのが好ましい。その中でも、本発明の有機電界発光素子では、前記一般式(1)で表される化合物を発光材料として用いて発光させることが好ましく、特に青色発光させることが好ましい。
<本発明の有機電界発光素子の用途>
本発明の有機電界発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、又は光通信等に好適に利用できる。特に、発光装置、照明装置、表示装置等の発光輝度が高い領域で駆動されるデバイスに好ましく用いられる。
[発光装置]
本発明の発光装置は、本発明の有機電界発光素子を含むことを特徴とする。
次に、図2を参照して本発明の発光装置について説明する。
本発明の発光装置は、前記有機電界発光素子を用いてなる。
図2は、本発明の発光装置の一例を概略的に示した断面図である。図2の発光装置20は、透明基板(支持基板)2、有機電界発光素子10、封止容器16等により構成されている。
有機電界発光素子10は、基板2上に、陽極(第一電極)3、有機層11、陰極(第二電極)9が順次積層されて構成されている。また、陰極9上には、保護層12が積層されており、更に、保護層12上には接着層14を介して封止容器16が設けられている。なお、各電極3、9の一部、隔壁、絶縁層等は省略されている。
ここで、接着層14としては、エポキシ樹脂等の光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤を用いることができ、例えば熱硬化性の接着シートを用いることもできる。
本発明の発光装置の用途は特に制限されるものではなく、例えば、照明装置のほか、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子ペーパ等の表示装置とすることができる。
[照明装置]
本発明の照明装置は、本発明の有機電界発光素子を含むことを特徴とする。
次に、図3を参照して本発明の照明装置について説明する。
図3は、本発明の照明装置の一例を概略的に示した断面図である。本発明の照明装置40は、図3に示すように、前述した有機EL素子10と、光散乱部材30とを備えている。より具体的には、照明装置40は、有機EL素子10の基板2と光散乱部材30とが接触するように構成されている。
光散乱部材30は、光を散乱できるものであれば特に制限されないが、図3においては、透明基板31に微粒子32が分散した部材とされている。透明基板31としては、例えば、ガラス基板を好適に挙げることができる。微粒子32としては、透明樹脂微粒子を好適に挙げることができる。ガラス基板及び透明樹脂微粒子としては、いずれも、公知のものを使用できる。このような照明装置40は、有機電界発光素子10からの発光が散乱部材30の光入射面30Aに入射されると、入射光を光散乱部材30により散乱させ、散乱光を光出射面30Bから照明光として出射するものである。
[表示装置]
本発明の表示装置は、本発明の有機電界発光素子を含むことを特徴とする。
本発明の表示装置としては、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子ペーパ等の表示装置とすることなどを挙げることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<実施例で用いた化合物1の合成例>
以下に記載の方法で、化合物1を合成した。
Figure 2013232520
<実施例で用いた化合物3の合成例>
以下に記載の方法で、化合物3を合成した。なお、中間体aはJournal of Materials Chemistry,2011,21(13),4918−4926に記載の方法を参考にして合成した。
Figure 2013232520
<実施例で用いた化合物5の合成例>
以下に記載の方法で、化合物5を合成した。
Figure 2013232520
<実施例で用いた化合物6の合成例>
以下に記載の方法で、化合物6を合成した。
Figure 2013232520
上記にて得られた各化合物は1H NMR、MS−スペクトルにより同定した。
その他の化合物2、4、7、8、9についても、上記化合物の合成に準じた方法で合成し、確認した。
実施例および比較例で用いた化合物の構造式を以下にまとめて示す。
Figure 2013232520
Figure 2013232520
比較化合物1および2はJ.Org.Chem.,2011,76(4),1054−1061に記載の化合物であり、比較化合物3はEP2308945号公報に記載の化合物であり、比較化合物4は国際公開WO2011/139129号公報および特開2009−292760号公報に記載の化合物であり、比較化合物5はKR2011123106号公報に記載の化合物であり、比較化合物6は特開2002−319490号公報に記載の化合物であり、比較化合物7は特開2010−270103号公報に記載の化合物である。
Figure 2013232520
[実施例2]
<材料物性評価>
厚み0.7mm、2.5cm角の石英ガラス基板上に、真空蒸着法にて、H−1と下記表1に記載の各発光材料を質量比(95:5)となるように蒸着して膜厚50nmの薄膜を形成した。得られた膜に350nmのUV光を照射し、発光させたときの発光スペクトルを、蛍光分光光度計(日本分光製FP−6300)を用いて測定し、発光極大波長(nm)とスペクトル半値幅(発光極大値を1としたとき、0.5となる短波長と長波長のエネルギー差(eV))を求めた。このとき、発光極大波長を、以下の基準で3段階で評価し、スペクトル半値幅を以下の基準で2段階で評価した。また、発光スペクトルから色度(x、y)を求めた(CIE1931表色系)。このときのy値を以下の基準で、3段階で評価した。さらに、発光量子収率を、浜松ホトニクス製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。下記表1には比較例2の発光量子収率の値を1.0として、以下の基準で、3段階で評価した結果を記載した。
(発光波長)
○:425nm以上455nm未満
△:425nm未満
×:455nm以上
(スペクトル半値幅)
○:0.35eV未満
×:0.35eV以上
(色純度)
○:0.10未満
△:0.10以上0.15未満
×:0.15以上
(発光効率)
○:1.5以上
△:1.0より大きく1.5未満
×:1.0以下
Figure 2013232520
[実施例3]
<素子作製・評価>
素子作製に用いた材料は全て昇華精製を行った。
厚み0.5mm、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極(iTO膜)上に真空蒸着法にて以下の有機化合物層を順次蒸着した。
第1層:HAT−CN:膜厚10nm
第2層:HT−1:膜厚30nm
第3層:H−2および下記表2中に記載の発光材料(質量比95:5):膜厚30nm
第4層:ET−1:膜厚30nm
この上に、フッ化リチウム1nm及び金属アルミニウム100nmをこの順に蒸着し陰極とした。
得られた積層体を、大気に触れさせることなく、窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れ、ガラス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、発光部分が2mm×2mmの正方形である比較例8〜14、実施例B1〜B9の有機電界発光素子を得た。これらの得られた各有機電界発光素子について、以下の試験を行った。色純度、発光効率の観点で評価した結果を下記表2に示す。
(a)色純度
各有機電界発光素子を輝度が1000cd/m2となるように発光させたときの発光スペクトルから色度(x、y)を求めた(CIE1931表色系)。このときのy値を以下の基準で、3段階で評価した。
○:0.10未満
△:0.10以上0.15未満
×:0.15以上
(b)発光効率
東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加して発光させ、その輝度を輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。発光スペクトルと発光波長は浜松ホトニクス製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。これらを元に輝度が1000cd/m2付近の外部量子効率(η)を輝度換算法により算出した。下記表2では比較例9の外部量子効率の値を1.0として、以下の基準で、3段階で評価した。
○:1.5以上
△:1.0より大きく1.5未満
×:1.0以下
Figure 2013232520
[実施例4]
層構成を以下に示すものに変えた以外は実施例3と同様にして有機電界発光素子を作製し、実施例3と同様の評価を行った。結果を下記表3に示す。なお、下記表3の発光効率は、比較例16の外部量子効率を1.0としたときの相対値で表示している。
第1層:HI−1:膜厚50nm
第2層:HT−2:膜厚45nm
第3層:H−3及び下記表3中に記載の発光材料(質量比95:5):膜厚25nm
第4層:ET−2:膜厚5nm
第5層:ET−3:膜厚20nm
Figure 2013232520
上記表1〜表3より、各本発明の化合物を発光材料として用いた有機電界発光素子はいずれも青色純度が高く、スペクトルがシャープであり、発光効率も良好であることがわかった。
一方、比較化合物1〜7を発光材料として用いた有機電界発光素子は青色純度または発光効率に劣るものであることがわかった。
2・・・基板
3・・・陽極
4・・・正孔注入層
5・・・正孔輸送層
6・・・発光層
7・・・正孔ブロック層
8・・・電子輸送層
9・・・陰極
10・・・有機電界発光素子
11・・・有機層
12・・・保護層
14・・・接着層
16・・・封止容器
20・・・発光装置
30・・・光散乱部材
31・・・透明基板
30A・・光入射面
30B・・光出射面
32・・・微粒子
40・・・照明装置

Claims (17)

  1. 基板と、
    該基板上に配置され、陽極および陰極からなる一対の電極と、
    該電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層とを有し、
    前記少なくとも一層の有機層のいずれかに下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 2013232520
    (一般式(1)中、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R10とR11は共同して環を形成してもよいが、R11とR12は共同して環を形成しない。R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して下記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。また、R4とR5が共同して下記一般式aで表される2価の置換基を表す場合、R3とR9は無置換のフェニル基以外の置換基または水素原子を表す。
    101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
    1〜X12はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表し、X1〜X12が窒素原子を表す場合は該窒素原子に結合するR1〜R12は存在しない。)
    Figure 2013232520
    (一般式a〜e中、*印はX4とX5との結合部位、または、X8とX9との結合部位を表す。R105〜R109はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
  2. 前記一般式(1)中、X1〜X12がいずれも炭素原子であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2013232520
    (一般式(2)中、R1〜R9およびR12〜R16はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して前記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。また、R4とR5が共同して下記一般式aで表される2価の置換基を表す場合、R3とR9は無置換のフェニル基以外の置換基または水素原子を表す。さらに、R4とR5が共同して前記一般式cで表される2価の置換基を表す場合、R15はアリール基、ヘテロアリール基、アリールアミノ基以外の置換基または水素原子を表す。
    101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
    1〜X9およびX12〜X16はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表し、X1〜X9およびX12〜X16が窒素原子を表す場合は該窒素原子に結合するR1〜R9およびR12〜R16は存在しない。)
  4. 前記一般式(2)中、X1〜X9およびX12〜X16がいずれも炭素原子であることを特徴とする請求項3に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2013232520
    (一般式(3)中、R1〜R9およびR12〜R16はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはフッ素原子を表す。R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して前記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。
    101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
  6. 前記一般式(1)で表される化合物の分子量が1200以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記一般式(1)で表される化合物を含む少なくとも一層の有機層が前記発光層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  8. 前記一般式(1)で表される化合物が発光材料であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  9. 前記有機層の少なくとも一層に下記一般式(An−1)で表される化合物を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
    Figure 2013232520
    (一般式(An−1)中、Ar1、Ar2はそれぞれ独立にアリール基またはヘテロアリール基を表し、R301〜R308はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R301とR302、R302とR303、R303とR304、R305とR306、R306とR307及びR307とR308は互いに結合して環を形成してもよい。)
  10. 前記一般式(An−1)で表される化合物が、下記一般式(An−2)で表される化合物であることを特徴とする請求項9に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2013232520
    (一般式(An−2)中、R301〜R318はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R301とR302、R302とR303、R303とR304、R305とR306、R306とR307、R307とR308、R309とR310、R310とR311、R311とR312、R312とR313、R314とR315、R315とR316、R316とR317及びR317とR318は互いに結合して環を形成してもよい。)
  11. 前記一般式(An−1)で表される化合物を含む少なくとも一層の有機層が前記発光層であることを特徴とする請求項9または10に記載の有機電界発光素子。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた発光装置。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。
  14. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
  15. 下記一般式(3)で表されることを特徴とする化合物。
    Figure 2013232520
    (一般式(3)中、R1〜R9およびR12〜R16はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはフッ素原子を表す。R4とR5またはR8とR9の一方の組は共同して下記一般式a〜eで表される2価の置換基のいずれか1つを表し、環を形成する。ただし、R4とR5、および、R8とR9の両方の組が共同して環を形成することはない。
    101〜R104はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
    Figure 2013232520
    (一般式a〜e中、*印はX4とX5との結合部位、または、X8とX9との結合部位を表す。R105〜R109はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
  16. 請求項15に記載の化合物からなる有機電界発光素子用材料。
  17. 発光材料であることを特徴とする請求項16に記載の有機電界発光素子用材料。
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