JP2013232505A - 冷媒配管の取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒配管の取付不具合を低減する。
【解決手段】伝熱部材(62)の裏面側は、電装品室(49)内の側面部(46)に固定された基板(51)に実装された発熱部品(53)と裏面側で熱的に接触している。伝熱部材(62)の表面側には、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)がそれぞれ嵌め込まれる一対の溝(61,61)が形成されている。押さえ部材(64)は、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)を伝熱部材の一対の溝(61,61)に押さえつけている。保持部材(100)は、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)の間隔を一定に保持している。
【選択図】図4

Description

この発明は、電装品室内における冷媒配管の取付構造に関する。
従来より、冷媒配管内を流れる冷媒によってパワーモジュールなどの発熱部品を冷却する冷却構造が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の冷却構造では、冷媒配管を冷却ジャケット(伝熱部材)に固定した後に、その冷媒ジャケットを、構造部材(パワーモジュールが実装されたプリント基板に面接合している部材)に固定された別の伝熱板に取り付けている。
特開2011−99577号公報
また、特許文献1とは異なる冷却構造として、伝熱部材の裏面側に発熱部品(パワーモジュールなど)を熱的に接触させ、U字型の冷媒配管の一対の直管部を嵌め込むための一対の溝を伝熱部材の表面側に形成し、押さえ板によって冷媒配管の一対の直管部を伝熱部材の一対の溝に押さえつける冷却構造が考えられる。このような冷却構造では、伝熱部材を冷媒配管に嵌め込んだ後に、押さえ板によって伝熱部材の溝に嵌め込まれた冷媒配管を押さえつけて保持することになる。
しかしながら、上記のような構造では、冷媒配管の歪みによって冷媒配管の一対の直管部と伝熱部材の一対の溝との間にずれが生じてしまう可能性がある。特に、冷媒配管の直管部を伝熱部材の溝に嵌め込む際に、冷媒配管の一対の直管部と伝熱部材の一対の溝との間にずれが生じていると、冷媒配管の直管部を伝熱部材の溝に正確に嵌め込むことが困難になる。このような冷媒配管の取付不具合が発生すると、冷却性能が劣化してしまうおそれがある。
そこで、この発明は、冷媒配管の取付不具合を低減することができる冷媒配管の取付構造を提供することを目的とする。
第1の発明は、電装品室(49)内におけるU字型の冷媒配管(15)の取付構造であって、上記電装品室(49)内の側面部(46)に固定された基板(51)に実装された発熱部品(53)と裏面側で熱的に接触し、上記冷媒配管(15)の一対の直管部(16)がそれぞれ嵌め込まれる一対の溝(61)が表面側に形成された伝熱部材(62)と、上記冷媒配管(15)の一対の直管部(16)を上記伝熱部材(62)の一対の溝(61)に押さえつけて保持する押さえ部材(64)と、上記冷媒配管(15)の一対の直管部(16)の間隔を一定に保持する保持部材(100)とを備えていることを特徴とする冷媒配管の取付構造である。
上記第1の発明では、保持部材(100)によって冷媒配管(15)の一対の直管部(16)の間隔を一定に保持することができるので、冷媒配管(15)の直管部(16)と伝熱部材(62)の溝(61)とのずれを抑制することができる。特に、冷媒配管(15)の一対の直管部(16)の間隔を一定にすることにより、冷却管(15)の直管部(16)を伝熱板(62)の溝(61)に正確に嵌め込むことができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記冷媒配管(15)が、上記一対の直管部(16)を連結する曲管部(17)が該一対の直管部(16)よりも鉛直方向の上方に配置されるように延び、上記伝熱部材(62)の一対の溝(61)には、熱伝導グリス(79)が塗布され、上記保持部材(100)が、上記冷媒配管(15)の一対の直管部(16)の外周面のうち少なくとも上記伝熱部材(62)の一対の溝(61)の鉛直方向の下方に対応する部分を覆うように構成されていることを特徴とする冷媒配管の取付構造である。
上記第2の発明では、経年劣化などによって伝熱部材(62)に塗布された熱伝導グリス(79)が冷媒配管(15)を伝って鉛直方向の下方に垂れてきたとしても、グリス垂れを保持部材(100)で留めることができる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記保持部材(100)は、上記電装品室(49)内の側面部(46)または上記基板(51)に取り付けられていることを特徴とする冷媒配管の取付構造である。
上記第3の発明では、保持部材(100)を電装品室(49)内の側面部(46)または基板(51)に固定することにより、冷媒配管(15)の歪みの伝達を保持部材(100)で留めることができるので、冷媒配管(101)の歪みの伝達による押さえ部材(64)の押さえつけ力の低下を防止することができる。
第1の発明によれば、冷媒配管(15)の直管部(16)と伝熱部材(62)の溝(61)とのずれを抑制することができるので、冷媒配管(15)の取付不具合を低減することができる。したがって、冷媒配管(15)の取付不具合による冷却性能の劣化を抑制することができる。
第2の発明によれば、グリス垂れを保持部材(100)で留めることができるので、グリス垂れによる外観の劣化を抑制することができる。
第3の発明によれば、冷媒配管(101)の歪みの伝達による押さえ部材(64)の押さえつけ力の低下を防止することができるので、冷媒配管(15)の取付不具合をさらに低減することができる。
図1は、実施形態1に係る空気調和機の概略構成を示す冷媒回路図である。 図2は、実施形態1に係る室外ユニットの平面図である。 図3は、実施形態1に係る室外ユニットの正面図である。 図4は、実施形態1に係る冷却管の取付構造を示す斜視図である。 図5は、実施形態1に係る電装品ユニットの正面図である。 図6は、図5のVI−VI方向断面図である。 図7は、実施形態1に係る押さえ板を外した状態の冷却器の正面図である。 図8(A)及び(B)は、実施形態1に係る伝熱板を示す図面であり、図8(A)は正面図であり、図8(B)は、下方から視た図である。 図9(A)〜(D)は、実施形態1に係る支持部材を示す図面であり、図9(A)は正面図であり、図9(B)は下方から視た図であり、図9(C)は左方から視た図であり、図9(D)は右方から視た図である。 図10(A)〜(D)は、実施形態1に係る押さえ板を示す図面であり、図10(A)は正面から視た図であり、図10(B)は下方から視た図であり、図10(C)は左方から視た図であり、図8(D)は右方から視た図である。 図11は、配管クリップを示す図であり、図11(A)は正面から視た図であり、図11(B)は下方から視た図であり、図11(C)は右方から視た図である。 図12は、伝熱板の溝内に塗布された熱伝導グリスを示す模式図である。 図13は、組立完了後、取付前の電装品ユニットを示す平面図である。 図14は、実施形態2に係る冷却管の取付構造を示す斜視図である。 図15は、実施形態3に係る冷却管の取付構造を示す斜視図である。 図16は、保持固定具を示す図であり、図16(A)は正面から視た図であり、図16(B)は下方から視た図であり、図16(C)は右方から視た図である。 図17は、保持固定具の取付について説明するための斜視図である。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
〔実施形態1〕
図1は、この発明の実施形態1に係る空気調和機(1)の構成例を示している。空気調和機(1)は、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を有し、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うように構成されている。具体的には、空気調和機(1)は、室内に設置される室内ユニット(20)と、室外に設置される室外ユニット(30)とを有している。室内ユニット(20)と室外ユニット(30)とが、2本の連絡配管(11,12)によって互いに接続されることで、閉回路となる冷媒回路(10)が構成される。
〈室内ユニット〉
室内ユニット(20)は、室内熱交換器(21)と室内ファン(22)と室内膨張弁(23)とを有している。室内熱交換器(21)は、例えばクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成され、室内ファン(22)によって送風される。室内熱交換器(21)では、伝熱管の内部を流れる冷媒と、伝熱管の外部を通過する空気とが熱交換する。室内膨張弁(23)は、例えば電子膨張弁によって構成されている。
〈室外ユニット〉
室外ユニット(30)は、室外熱交換器(31)と室外ファン(32)と室外膨張弁(33)と圧縮機(34)と四方切換弁(35)とを有している。室外熱交換器(31)は、例えばクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成され、室外ファン(32)によって送風される。室外熱交換器(31)では、伝熱管の内部を流れる冷媒と、伝熱管の外部を通過する空気とが熱交換する。室外膨張弁(33)は、例えば電子膨張弁によって構成されている。圧縮機(34)は、例えばスクロール圧縮機等の回転式圧縮機によって構成されている。四方切換弁(35)は、第1から第4までの4つのポートを有し、冷媒回路(10)の冷媒の循環方向を切り換えるように構成されている。四方切換弁(35)は、冷房運転時に第1ポートと第2ポートを連通させ且つ第3ポートと第4ポートを連通させる状態(図1の実線で示す状態)となり、暖房運転時に第1ポートと第3ポートを連通させ且つ第2ポートと第4ポートとを連通させる状態(図1の破線で示す状態)となる。
〈室外ユニットの詳細〉
次に、図2および図3を参照して、室外ユニット(30)の具体的な構成について詳述する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図2の下側を「前」、上側を「後」、左側を「左」、右側を「右」、紙面直交方向の手前側を「上」、紙面直交方向の奥側を「下」として説明する。
室外ユニット(30)は、箱形のケーシング(40)を有している。ケーシング(40)は、前面パネル(41)、後面パネル(42)、左側面パネル(43)、右側面パネル(44)、及び上面パネル(410)を有している。前面パネル(41)は、室外ユニット(30)の前側に形成されている。前面パネル(41)には、室外空気が吹き出される吹出口(41a)が形成されている。前面パネル(41)は、ケーシング(40)の本体に対して着脱自在に構成されている。後面パネル(42)は、室外ユニット(30)の後側に形成されている。後面パネル(42)には、室外空気が吸い込まれる吸込口(42a)が形成されている。左側面パネル(43)は、室外ユニット(30)の左側に形成されている。左側面パネル(43)には、吸込口(43a)が形成されている。右側面パネル(44)は、室外ユニット(30)の右側に形成されている。上面パネル(410)は、室外ユニット(30)の上側に形成されている。
また、ケーシング(40)は、縦仕切板(45)と横仕切板(46)とを有している。ケーシング(40)の内部空間は、縦仕切板(45)によって左右方向に2つの空間に仕切られている。左右に並ぶ2つの空間のうち左側の空間は、熱交換器室(47)を構成している。一方、縦仕切板(45)の右側の空間の上方部は、横仕切板(46)によって更に前後に2つの空間に仕切られている。縦仕切板(45)の右側の空間のうち、横仕切板(46)の後方および下方の空間が圧縮機室(48)を構成し、横仕切板(46)の前側の空間が電装品室(49)を構成している。
〈電装品室内の構成機器〉
電装品室(49)内には、空気調和機(1)の各種構成機器を制御するための各種電装品を有する電装品ユニット(50)と、冷媒回路(10)の冷媒が流通する冷却管(15)とが収容されている。
《電装品ユニット》
図2に示すように、電装品ユニット(50)は、発熱部品であるパワーモジュール(53)を含む各種電子部品が実装されたプリント基板(51)と、プリント基板(51)に実装されたパワーモジュール(53)を冷却するための冷却器(60)とを備えている。パワーモジュール(53)は、例えばインバータ回路のスイッチング素子等であり、運転時に発熱して動作可能な温度(例えば90℃)を越えないように冷却器(60)によって冷却される。冷却器(60)は、プリント基板(51)に取り付けられている。また、プリント基板(51)の前面にパワーモジュール(53)と冷却器(60)とが取り付けられた電装品ユニット(50)は、固定部材(55)を介して横仕切板(46)に固定されている。なお、冷却器(60)の詳細な構成については後述する。
《冷却管》
図1に示すように、冷却管(15)は、冷媒回路(10)の冷却配管の一部を構成している。具体的には、本実施形態では、冷却管(15)は、冷媒回路(10)の室内膨張弁(23)と室外膨張弁(33)との間に接続され、液配管の一部を構成している。つまり、冷却管(15)には、室内熱交換器(21)又は室外熱交換器(31)で凝縮した後の高圧の液冷媒が流通する。
図3に示すように、冷却管(15)は、本実施形態では、U字管に形成され、2本の直管部(16,16)と、2本の直管部(16,16)の端部を連結するU字形状の曲管部(17)とを有している。2本の直管部(16,16)は、略平行に配置されている。冷却管(15)は、電装品室(49)内に、曲管部(17)が2本の直管部(16,16)の上方に位置する、即ち、正面から視て、逆U字形状となるように配設されている。より具体的には、冷却管(15)は、横仕切板(46)の下方の圧縮機室(48)から電装品室(49)内に延びている。
なお、冷却管(15)は、電装品ユニット(50)が設置される前に予めケーシング(40)の電装品室(49)に配設される。また、冷却管(15)は、電装品ユニット(50)が設置される前に、上方に向かう程、前側に位置するように前方に傾けられ、その後方に電装品ユニット(50)が設置された後に、弾性を利用して元の直立した状態(図2および図3参照)に戻される。
〈冷却管の取付構造〉
次に、図4を参照して、電装品室(49)内における冷却管(15)の取付構造について詳述する。プリント基板(51)は、固定部材(55)を介して横仕切板(46)(すなわち、電装品室(49)内の側面部)に固定されている。プリント基板(51)の前面には、パワーモジュール(53)と冷却器(60)とが取り付けられている。
冷却器(60)は、伝熱板(62)と、2つの支持部材(係合部材)(63,63)と、押さえ板(64)とを有している。伝熱板(62)は、プリント基板(51)に実装されたパワーモジュール(53)と裏面側で熱的に接触している。また、伝熱板(62)の表面側には、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)がそれぞれ嵌め込まれる一対の溝(61,61)が形成されている。2つの支持部材(係合部材)(63,63)は、伝熱板(62)をプリント基板(51)に取り付けている。押さえ板(64)は、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)を伝熱板(62)の一対の溝(61,61)にそれぞれ押さえつけて保持するための部材である。
さらに、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)には、保持部材(100)が取り付けられている。保持部材(100)は、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)の間隔(配管ピッチ)を一定に保持するための部材である。本実施形態では、保持部材(100)は、配管クリップ(101)によって構成されている。配管クリップ(101)は、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)に取り付けられている。より具体的には、配管クリップ(101)は、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)のうち伝熱板(62)の一対の溝(61,61)に嵌め込まれる部分よりも下方に取り付けられている。なお、配管クリップ(101)は、横仕切板(46)(すなわち、電装品室(48)の側面部)およびプリント基板(51)のいずれにも固定されていない。配管クリップ(101)の詳細な構成については後述する。
〈冷却器〉
次に、図5〜図10を参照して、冷却器(60)について説明する。
図5及び図6に示すように、冷却器(60)は、冷却管(15)が嵌め込まれる溝(61)が形成された伝熱板(62)と、伝熱板(62)をプリント基板(51)に取り付ける2つの支持部材(係合部材)(63,63)と、伝熱板(62)に冷却管(15)を押さえ付けるための押さえ板(64)とを有している。
図7及び図8に示すように、伝熱板(62)は、アルミニウム等の熱伝導率の高い金属材料で構成され、長板状に形成されている。伝熱板(62)の前面(図8(B)の上面)には、長手方向の一端から他端まで延びる3つの凸部(65,66,65)が形成され、3つの凸部(65,66,65)の間には、2つの凹部(67,67)が形成されている。3つの凸部(65,66,65)のうち両端の外側凸部(65,65)は、真中の内側凸部(66)よりも幅広に且つ突出高さが低くなるように形成されている。
2つの外側凸部(65,65)のそれぞれには、上述の冷却管(15)の2本の直管部(16,16)を嵌め込む溝(61)が形成されている。溝(61)は、伝熱板(62)の長手方向に延びて冷却管(15)の直管部(16)が嵌まり込む断面形状に形成されている。冷却管(15)と溝(61)との間には、熱伝導グリス(79)が介設されている(図6参照)。熱伝導グリス(79)は、冷却管(15)と溝(61)との間の微小な隙間を埋めることで冷却管(15)と伝熱板(62)の溝(61)内面との接触熱抵抗を低減させ、冷却管(15)と伝熱板(62)との間の伝熱を促進させる。
内側凸部(66)は、頂上部が平坦に形成され、後述する押さえ板(64)の第2凸部(72)の頂上部(72a)が当接する(図6参照)。また、内側凸部(66)には、押さえ板(64)を固定するためのビス(91)を締結するためのビス孔(66a)が2つ形成されている。2つのビス孔(66a)は、内側凸部(66)の長手方向の一端から他端に向かって4分の1の長さ位置と4分の3の長さ位置とに形成されている。
2つの凹部(67)は、底面が伝熱板(62)の長手方向の一端から他端に亘って直線状に延びる平坦面に形成されている。各凹部(67)の底面には、押さえ板(64)の後述する爪部(63g)が当接している(図6参照)。
長板状の伝熱板(62)の後面には、長手方向の一端から他端まで延びる幅広の凸部(68)が形成されている。凸部(68)は、頂上部が平坦に形成され、長手方向の両端部に後述する支持部材(63)を固定するためのビス(69)(図7,図13参照)を締結するためのビス孔(68a)が貫通するように形成されている。また、凸部(68)には、パワーモジュール(53)を固定するためのビス(92)を締結するためのビス孔(68b)が複数(本実施形態では7つ)形成されている。複数のビス孔(68b)は、伝熱板(62)を上下に貫通するように形成され、後面の凸部(68)の頂上部から前面の内側凸部(66)の頂上部又は前面の凹部(67)の底面まで延びている。パワーモジュール(53)は、凸部(68)の扁平な頂上部に放熱面が当接された状態でビス(92)をビス孔(68b)に締結することによって伝熱板(62)に熱的に接触するように取り付けられている。
図7及び図9に示すように、2つの支持部材(63)は、錫メッキが施された金属板を折り曲げて加工することによって形成され、同一形状に形成されている。具体的には、支持部材(63)は、胴部(63a)と、2つの湾曲部(係合部)(63b,63c)と、底部(63d)と、2つの支持部(63e,63e)と、2つの折り返し部(63f,63f)と、2つの爪部(63g,63g)とを有している。なお、2つの支持部材(63)は同一形状に形成されているため、以下では、図7の下側に設けられた支持部材(63)についてのみ、図9(A)〜図9(D)を用いて詳細な構成を説明する。
図9(A)及び図9(B)に示すように、胴部(63a)は、コ字状に形成された金属片によって形成されている。具体的には、胴部(63a)は、伝熱板(62)の溝長さ方向の端面(上端面、下端面)に沿って溝幅方向(左右方向)に延びる胴本体と、胴本体の両端から伝熱板(62)に沿って折り返されて伝熱板(62)の両側面に沿う2つの側部とを有している。
図9(C)及び図9(D)に示すように、2つの湾曲部(63b,63c)は、胴部(63a)の2つの側部に連続して伝熱板(62)の側面に沿って延びている。2つの湾曲部(63b,63c)は、胴部(63a)の2つの側部よりも前後方向(図9(B)〜図9(D)では上下方向)の長さが長く、前端部が伝熱板(62)の前端よりも前方に位置するように形成されている(図6参照)。また、2つの湾曲部(63b,63c)の前端部は、前方に向かう程、伝熱板(62)から離れるように湾曲している。
図9(C)に示すように、2つの湾曲部(63b,63c)のうち一方の第1湾曲部(63b)には、前端部(図9(C)では上端部)に第1孔部(63h)が形成されている。第1孔部(63h)は、矩形の本体孔部(63h1)と、本体孔部(63h1)の前端部から上方向(図9(C)では左方)へ細長く延びる細孔部(63h2)とによって構成されている。一方、図9(D)に示すように、他方の第2湾曲部(63c)には、前端部(図9(D)では上端部)に矩形の第2孔部(63i)が形成されると共に、第2孔部(63i)の後方(図9(D)では下方)に第2孔部(63i)よりも小さい矩形の第3孔部(63k)が形成されている。第2孔部(63i)は、第1孔部(63h)に対応する位置に形成されている。
なお、詳細については後述するが、第1孔部(63h)及び第2孔部(63i)は、それぞれ押さえ板(64)に形成されたT字状の突出片(74)及びL字状の突出片(75)が挿入可能に構成されている。そして、第1湾曲部(63b)及び第2湾曲部(63c)は、T字状の突出片(74)と係合すると、突出片(74)を回動自在に支持する回動支持部として機能する一方、L字状の突出片(75)と係合すると、押さえ板(64)の回動を阻止する回動阻止部として機能する係合部に構成されている。
図9(A)及び図9(B)に示すように、底部(63d)は、胴部(63a)の胴本体の後端(図9(B)では下端)から伝熱板(62)に向かって延び、伝熱板(62)の後面に沿うように形成されている。底部(63d)の中央部には、ビス(69)が挿通される挿通孔(63l)が形成されている。
図9(B)〜図9(D)に示すように、2つの支持部(63e,63e)は、底部(63d)の幅方向の両端からそれぞれ後方(図9(B)では下方)に延びるように形成されている。また、2つの支持部(63e,63e)は、略矩形状に形成され、先端部(図9(B)では下端部)が二叉に分かれて細長い2つの爪を形成している。詳細については後述するが、この2つの支持部(63e,63e)の爪がプリント基板(51)に形成された孔に挿入されることにより、冷却器(60)がプリント基板(51)に仮留めされる。
折り返し部(63f)は、胴部(63a)の胴本体の両端部から伝熱板(62)の長手方向の端面(上端面、下端面)に向かって延びるように形成されている。
2つの爪部(63g,63g)は、2つの折り返し部(63f,63f)の内側において、胴部(63a)の胴本体から伝熱板(62)に向かって延び、伝熱板(62)の2つの凹部(67,67)の平坦な後面に沿うように形成されている(図6参照)。
このような構成により、2つの支持部材(63)は、2つの爪部(63g,63g)と底部(63d)とによって伝熱板(62)を挟み込んだ状態で、ビス(69)を底部(63d)の挿通孔(63l)に挿通させて伝熱板(62)のビス孔(68a)に締結することによって伝熱板(62)に固定される。このように2つの支持部材(63)が伝熱板(62)の溝長さ方向の両端部にそれぞれ取り付けられると、図7に示すように、伝熱板(62)の左側には、上方の支持部材(63)の第2湾曲部(63c)と下方の支持部材(63)の第1湾曲部(63b)とが上下に配置され、伝熱板(62)の右側には、上方の支持部材(63)の第1湾曲部(63b)と、下方の支持部材(63)の第2湾曲部(63c)とが上下に配置されることとなる。なお、2つの支持部材(63)は、同一形状に形成されているため、伝熱板(62)に対する取付位置を逆転させても、同じ取付状態となる。
図10に示すように、押さえ板(64)は、亜鉛メッキが施された矩形の金属板を折り曲げることによって形成されている。図6に示すように、押さえ板(64)は、伝熱板(62)の前側に設けられ、後述するヒンジ機構(77)を介して伝熱板(62)に開閉自在に取り付けられている。また、押さえ板(64)は、伝熱板(62)の外形に略等しい形状に形成され、閉状態において伝熱板(62)に対向して2つの溝(61,61)を覆うように形成されている。また、押さえ板(64)は、後述するロック機構(78)により、閉状態が保持されるように構成されている。
具体的には、図10に示すように、押さえ板(64)は、矩形の金属板を折り曲げることにより、長手方向の一端から他端まで延びる3つの凸部(71,72,73)が形成されている。3つの凸部(71,72,73)のうち左側の第1凸部(71)及び右側の第3凸部(73)は、真中の第2凸部(72)よりも幅広に且つ突出高さが高くなるように形成されている。また、3つの凸部(71,72,73)は、それぞれ頂上部(71a,72a,73a)と、頂上部(71a,72a,73a)の左側に連続する左側部(71b,72b,73b)と、頂上部(71a,72a,73a)の右側に連続する右側部(71c,72c,73c)とを有している。押さえ板(64)は、第1凸部(71)の右側部(71c)と第2凸部(72)の左側部(72b)とが連続し、第2凸部(72)の右側部(72c)と第3凸部(73)の左側部(73b)とが連続するように形成されている。
第2凸部(72)は、頂上部(72a)と左側部(72b)と右側部(72c)とによって断面が略台形状となるように形成されている。また、第2凸部(72)の頂上部(72a)には、押さえ板(64)を伝熱板(62)に固定するためのビス(91)が挿通される挿通孔(72d)が2つ形成されている。2つの挿通孔(72d)は、第2凸部(72)の長手方向の一端から他端に向かって4分の1の長さ位置と4分の3の長さ位置とに形成され、伝熱板(62)の内側凸部(66)の2つのビス孔(66a)に対応している。
一方、第1凸部(71)及び第3凸部(73)は、第2凸部(72)を挟んで略対称形状に形成されている。即ち、第1凸部(71)の右側部(71c)と第3凸部(73)の左側部(73b)とが対称に形成され、第1凸部(71)の頂上部(71a)と第3凸部(73)の頂上部(73a)とが対称に形成され、第1凸部(71)の左側部(71b)と第3凸部(73)の右側部(73c)とが対称に形成されている。
第1凸部(71)の右側部(71c)は、連続する第2凸部(72)の左側部(72b)とV字を形成する方向に延びるように構成されている。一方、第3凸部(73)の左側部(73b)は、連続する第2凸部(72)の右側部(72c)とV字を形成する方向に延びるように構成されている。
また、第1凸部(71)の頂上部(71a)は、幅方向の左端部に向かう程、後方(図10(B)では下方)に傾斜するように構成されている。一方、第3凸部(73)の頂上部(73a)は、幅方向の右端部に向かう程、後方に傾斜するように形成されている。
第1凸部(71)の左側部(71b)は、頂上部(71a)に連続して後方(図10(B)では下方)に向かう程、左側へ傾斜する傾斜部(71d)と、傾斜部(71d)に連続して後方に向かって真っ直ぐ延びる非傾斜部(71e)とを有している。一方、第3凸部(73)の右側部(73c)は、頂上部(73a)に連続して後方に向かう程、右側へ傾斜する傾斜部(73d)と、傾斜部(73d)に連続して後方に向かって真っ直ぐ延びる非傾斜部(73e)とを有している。
第1凸部(71)の左側部(71b)には、上下方向の両端部に左側へ突出するT字状の突出片(74)が形成されている。2つの突出片(74,74)は、左側部(71b)に一端部のみが繋がるT字状の切り込み片が形成され、切り込み片の一端部を基点にしてその他の部分を左側へ回動させて折り曲げることによって形成されている。2つの突出片(74,74)は、それぞれ左側部(71b)から左側へ突出する突出部(74a)と、突出部(74a)の先端から上下方向に延びる延伸部(74b)とを有している。2つの突出片(74,74)の延伸部(74b)の上下方向の長さは、支持部材(63)の第1孔部(63h)の本体孔部(63h1)と第2孔部(63i)の上下方向の長さよりも長く且つ第1孔部(63h)の前端部分(本体孔部(63h1)の前端部と細孔部(63h2)とからなる部分)の上下方向の長さよりも短く形成されている。また、詳細については後述するが、2つの突出片(74,74)は、押さえ板(64)が閉状態と開状態とに切り換わるように押さえ板(64)を伝熱板(62)に回動自在に取り付けるヒンジ機構(開閉機構)(77)の回動用突起片を構成する。
一方、第3凸部(73)の右側部(73c)には、上下方向の両端部に右側へ突出するL字状の突出片(75)が形成されている。2つの突出片(75,75)は、右側部(73c)に一端部のみが繋がるL字状の切り込み片が形成され、切り込み片の一端部を基点にしてその他の部分を右側へ回動させて折り曲げることによって形成されている。2つの突出片(75,75)は、それぞれ右側部(73c)から右側へ突出する突出部(75a)と、突出部(75a)の先端から下方に延びる延伸部(75b)とを有している。2つの突出片(75,75)の延伸部(75b)の上下方向の長さは、支持部材(63)の第1孔部(63h)の本体孔部(63h1)と第2孔部(63i)の上下方向の長さよりも短く形成されている。また、2つの突出片(75,75)は、2つのT字状の突出片(74,74)に対応する位置に形成されている。詳細については後述するが、2つの突出片(75,75)は、押さえ板(64)の回動を阻止して押さえ板(64)を閉状態に保持するロック機構(78)のロック用突出片を構成する。
また、第3凸部(73)の右側部(73c)の非傾斜部(73e)には、下端側の突出片(75)付近に板バネ部(76)が形成されている。板バネ部(76)は、第3凸部(73)の右側部(73c)の非傾斜部(73e)の一部が上下方向に延びる短冊状に切り込まれ、上端部のみが非傾斜部(73e)に連続し、他の部分が非傾斜部(73e)から切り離されている。また、板バネ部(76)は、下端部に右側へ突出するように折り曲げられた折り曲げ部(76a)を有している。折り曲げ部(76a)は、閉状態の押さえ板(64)を下方へスライドさせた際に、支持部材(63)の第3孔部(63k)と係合して押さえ板(64)の上方へのスライドを抑制するように構成されている。
押さえ板(64)は、上述のように金属板を折り曲げて形成されることにより、長手方向に直線上に延びる複数の折返し部が形成される。これらの折返し部は、押さえ板(64)の長手方向の剛性を増大させるための補強リブとして機能する。これにより、押さえ板(64)では、幅方向の剛性よりも長手方向の剛性が大きくなる。なお、折り返し部を、例えば略U字状の折り返し形状としてもよい。
このような構成により、押さえ板(64)が伝熱板(62)にビス(91)によって固定されると、第2凸部(72)の頂上部(72a)は、伝熱板(62)の内側凸部(66)の平坦な頂上部に当接する。このとき、第2凸部(72)は、弾性変形して伝熱板(62)側、即ち、後方(図10(B)では下方)に沈み込む。これにより、第1凸部(71)の右側部(71c)及び第3凸部(73)の左側部(73b)も後方に沈み込む。その結果、第1凸部(71)及び第3凸部(73)の頂上部(71a,73a)が、前後方向に傾斜しなくなり、それぞれ冷却管(15)の2つの直管部(16,16)に当接して2つの直管部(16,16)を伝熱板(62)の2つの溝(61,61)にそれぞれ押し付ける(図6参照)。
《ヒンジ機構》
図6に示すように、冷却器(60)は、押さえ板(64)が溝(61)を覆う閉状態と、溝(61)を露出させる開状態とに切り換わるように、押さえ板(64)を伝熱板(62)に回動自在に取り付けるヒンジ機構(77)を備えている。本実施形態では、ヒンジ機構(77)は、押さえ板(64)に形成された2つのT字状の突出片(74,74)と、2つの支持部材(63)の伝熱板(62)の左側に配置された2つの湾曲部(63c,63b)、即ち、上方の支持部材(63)の第2湾曲部(63c)と下方の支持部材(63)の第1湾曲部(63b)とによって構成されている。
上述のように、第1湾曲部(63b)には矩形の本体孔部(63h1)と細孔部(63h2)とからなる第1孔部(63h)が形成され、第2湾曲部(63c)には矩形の第2孔部(63i)が形成されている。第1孔部(63h)は、矩形の本体孔部(63h1)の上下方向の長さが突出片(74)の延伸部(74b)(図10参照)の上下方向の長さ(T字の横幅)よりも短く、前端部分(本体孔部(63h1)の前端部と細孔部(63h2)とからなる部分)の上下方向の長さが突出片(74)の延伸部(74b)の上下方向の長さよりも長くなるように形成されている。一方、矩形の第2孔部(63i)は、上下方向の長さが突出片(74)の延伸部(74b)(図10参照)の上下方向の長さ(T字の横幅)よりも短くなるように形成されている。このような構成により、上方の支持部材(63)の第2孔部(63i)に押さえ板(64)の上部に設けられた突出片(74)を挿入した後、押さえ板(64)の下部に設けられた突出片(74)を下方の支持部材(63)の第1孔部(63h)の本体孔部(63h1)に細孔部(63h2)を利用しながら挿入すると、各突出片(74,74)が上方の支持部材(63)の第1孔部(63h)の本体孔部(63h1)及び下方の支持部材(63)の第2孔部(63i)のそれぞれから抜けなくなる。つまり、上方の支持部材(63)の第2湾曲部(63c)と下方の支持部材(63)の第1湾曲部(63b)とのそれぞれに押さえ板(64)に設けられた各突出片(74,74)が係合する。
また、上述したように、各支持部材(63)の第1湾曲部(63b)及び第2湾曲部(63c)は、第1孔部(63h)及び第2孔部(63i)が形成された前端部が、前方に向かう程、伝熱板(62)から離れるように湾曲している(図6参照)。具体的には、各湾曲部(63c,63b)は、押さえ板(64)が開状態に切り換わるように各突出片(74,74)と共に押さえ板(64)を回動させる際に、押さえ板(64)の回動を阻害しない湾曲形状に形成されている。
以上のような構成により、伝熱板(62)の左側において上下に並ぶ上方の支持部材(63)の第2湾曲部(63c)と下方の支持部材(63)の第1湾曲部(63b)とは、それぞれの孔部(63i,63h)に押さえ板(64)の回動用突出片を構成する突出片(74)が挿入された状態で、各突出片(74)を回動自在に支持する回動支持部となる。そして、このようなヒンジ機構(77)により、閉状態と開状態とに切り換わるように押さえ板(64)が伝熱板(62)に回動自在に取り付けられる。
《ロック機構》
冷却器(60)は、押さえ板(64)の回動を阻止して押さえ板(64)を閉状態に保持するロック機構(78)を備えている。本実施形態では、ロック機構(78)は、押さえ板(64)に形成された2つのL字状の突出片(75,75)と、2つの支持部材(63)の伝熱板(62)の右側に配置された2つの湾曲部(63b,63c)、即ち、上方の支持部材(63)の第1湾曲部(63b)と下方の支持部材(63)の第2湾曲部(63c)とによって構成されている。
上述のように、第1湾曲部(63b)の第1孔部(63h)の本体孔部(63h1)及び第2湾曲部(63c)の第2孔部(63i)は、上下方向の長さが突出片(75)の延伸部(75b)(図10参照)の上下方向の長さよりも長くなるように形成されている。各支持部材(63)において、第1孔部(63h)と第2孔部(63i)は、対応する位置に形成されている。また、2つのL字の突出片(75,75)は、2つのT字状の突出片(74,74)に対応する位置に形成されている。このような構成により、ヒンジ機構(77)によって押さえ板(64)が回動して閉状態となると、2つのL字の突出片(75,75)は、上方の支持部材(63)の第1湾曲部(63b)の第1孔部(63h)の本体孔部(63h1)と、下方の支持部材(63)の第2湾曲部(63c)の第2孔部(63i)に嵌り込む。そして、この状態において、押さえ板(64)を下方にスライドさせると、L字状の突出片(75,75)が第1孔部(63h)及び第2孔部(63i)の周壁に噛み込む(係合する)ことによって押さえ板(64)の回動が阻止されたロック状態となる。ロック状態では、押さえ板(64)を回動させようとしても、L字状の突出片(75,75)の延伸部(75b,75b)が、第1孔部(63h)及び第2孔部(63i)の周壁にひっかかり、押さえ板(64)が回動できなくなる。一方、ロック状態において押さえ板(64)を上方にスライドさせると、L字状の突出片(75,75)が第1孔部(63h)及び第2孔部(63i)の周壁から離れて押さえ板(64)の回動を許容するアンロック状態となる。
以上のような構成により、伝熱板(62)の右側において上下に並ぶ上方の支持部材(63)の第1湾曲部(63b)と下方の支持部材(63)の第2湾曲部(63c)とは、閉状態の押さえ板(64)を伝熱板(62)の溝長さ方向の一方側にスライドさせると、ロック用突出片を構成する突出片(75)と係合して押さえ板(64)の回動を阻止する回動阻止部となる。そして、このようなロック機構(78)により、押さえ板(64)の回動が阻止されて押さえ板(64)が閉状態に保持される。
《スライド抑制機構》
冷却器(60)は、振動等によってロック機構(78)によるロック状態が解除されないように、閉状態の押さえ板(64)の上方(図5において上方)へのスライドを抑制するスライド抑制機構(80)を備えている。本実施形態では、スライド抑制機構(80)は、下方の支持部材(63)の第2湾曲部(63c)と、押さえ板(64)に形成された板バネ部(76)とによって構成されている。具体的には、板バネ部(76)は、ロック機構(78)によってロック状態となる際に、折り曲げ部(76a)が第3孔部(63k)に陥入するように構成されている。このように、板バネ部(76)の折り曲げ部(76a)が第3孔部(63k)に陥入することにより、振動等によって押さえ板(64)に上向き(図5の上向き)の力が作用しても、折り曲げ部(76a)が第3孔部(63k)の周壁に当接し、押さえ板(64)の上方へのスライドを阻止する。一方、作業者が押さえ板(64)を上方にスライドさせるべく力を加えた場合には、板バネ部(76)は、折り曲げ部(76a)が第3孔部(63k)の周壁に及ぼす力の反作用によって撓み、折り曲げ部(76a)が第3孔部(63k)から脱落して周壁に乗り上げる。これにより、ロック機構(78)のロック状態が解除される。
〈配管クリップ〉
次に、図11を参照して、配管クリップ(101)について説明する。配管クリップ(101)は、一対の湾曲部(901,901)と、連結部(902)と、一対の押さえ部(903,903)とを有している。
湾曲部(901)の横断面形状(下方から視た形状)は、冷却管(15)の直管部(16)の横断面に対応した形状(すなわち、円弧状)に形成されている。湾曲部(901)の長さ(弧長)は、冷却管(15)の直管部(16)の外周面の半周よりも長くなっている。このように、一対の湾曲部(901,901)の内周面によって、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)をそれぞれ収容可能な一対の凹部(900,900)が構成されている。
連結部(902)は、一対の湾曲部(901,901)の一端部を連結している。ここでは、連結部(902)は、直方形状に形成されている。一対の押さえ部(903,903)は、一対の湾曲部(901,901)の他端部にそれぞれ形成されている。押さえ部(903)は、湾曲部(901)の内周面の径方向内方に突出している部分を有している。ここでは、押さえ部(903)の横断面形状は、円形状に形成されている。
さらに、一対の湾曲部(901,901)の外周面および連結部(902)の裏面には、凸条部(904)が形成されている。凸条部(904)は、一方の押さえ部(903)から他方の押さえ部(903)まで延びている。凸条部(904)を形成することにより、配管クリップ(101)の剛性を強化することができる。
《配管クリップの取付動作》
ここで、配管クリップ(101)を冷却管(15)の一対の直管部(16,16)に取り付ける動作について説明する。まず、冷却管(15)の直管部(16)を凹部(900)の開口端(すなわち、押さえ部(903)と湾曲部(901)の他端部との間)に押し当てることによって、凹部(900)の開口端を変形させて、凹部(900)の開口端を広げる。そして、冷却管(15)の直管部(16)をさらに押し当てて、冷却管(15)の直管部(16)を凹部(900)(すなわち、湾曲部(901)の内周面)の内部に収容させる。このとき、湾曲部(901)の弾性により、押さえ部(903)を冷却管(15)の直管部(16)(凹部(900)内に収容された直管部(16))に押しつけることができる。これにより、冷却管(15)の直管部(16)を凹部(900)内に保持することができる。
また、一対の湾曲部(901,901)の外周面および連結部(902)の裏面に凸条部(904)を形成することにより、配管クリップ(101)の保持力(すなわち、湾曲部(901)の弾性)を高めることができる。これにより、冷却管(15)の直管部(16)と凹部(900)との間の密着性を向上させることができる。
なお、冷却管(15)に配管クリップ(101)を取り付ける動作は、冷却管(15)の直管部(16)を冷却器(60)の伝熱板(62)の溝(61)に嵌め込む前に行われる。例えば、冷却管(15)の直管部(16)に配管クリップ(101)を取り付ける動作は、冷却管(15)を含む冷却配管ユニット(配管ASSY)が組み立てられた際に行われても良いし、冷却管(15)と圧縮機(34)とがロウ付けなどで連結される前に行われても良い。
〈運転動作〉
次に、図1を参照して、空気調和機(1)の運転動作について説明する。空気調和機(1)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。
《冷房運転》
冷房運転では、圧縮機(34)で圧縮された冷媒が、室外熱交換器(31)で凝縮する。凝縮した冷媒は、例えば全開状態の室外膨張弁(33)を通過し、冷却管(15)を流れる。
圧縮機(34)の運転時には、パワーモジュール(53)が発熱する。そのため、パワーモジュール(53)の熱は、伝熱板(62)、熱伝導グリス(79)、冷却管(15)を順に伝わり、冷却管(15)内の冷媒に放出される。その結果、パワーモジュール(53)が冷却され、パワーモジュール(53)が動作可能な所定温度に維持される。
冷却管(15)を流れた冷媒は、室内膨張弁(23)で減圧された後、室内熱交換器(21)で蒸発する。これにより、室内空気が冷却される。蒸発した冷媒は、圧縮機(34)に吸入されて圧縮される。
《暖房運転》
暖房運転では、圧縮機(34)で圧縮された冷媒が、室内熱交換器(21)で凝縮する。これにより、室内空気が加熱される。凝縮した冷媒は、例えば全開状態の室内膨張弁(23)を通過し、冷却管(15)を流れる。冷却管(15)を流れる冷媒は、上記冷房運転と同様にして、パワーモジュール(53)から吸熱し、パワーモジュール(53)を冷却する。冷却管(15)を流れた冷媒は、室外膨張弁(33)で減圧された後、室外熱交換器(31)で蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機(34)に吸入されて圧縮される。
〈電装品ユニットの組立動作〉
次に、電装品ユニットの組立動作について説明する。まず、伝熱板(62)、2つの支持部材(63)、押さえ板(64)をそれぞれ製作する。次に、伝熱板(62)の上下方向の両端部に、それぞれ支持部材(63)を固定する(図7参照)。各支持部材(63)は、2つの爪部(63g,63g)と底部(63d)とによって伝熱板(62)を挟み込んだ状態で、ビス(69)を底部(63d)の挿通孔(63l)に挿通させて伝熱板(62)のビス孔(68a)に締結することによって伝熱板(62)に固定される。また、パワーモジュール(53)を伝熱板(62)に取り付ける。パワーモジュール(53)は、伝熱板(62)の後面の凸部(68)の扁平な頂上部に放熱面が当接された状態でビス(92)をビス孔(68b)に締結することによって伝熱板(62)に熱的に接触するように取り付けられる(図6参照)。
次に、支持部材(63)とパワーモジュール(53)とが取り付けられた伝熱板(62)をプリント基板(51)に仮止めする。具体的には、パワーモジュール(53)のリード線と各支持部材(63)の支持部(63e,63e)とをプリント基板(51)に形成された貫通孔に挿入する。ここで、各支持部(63e)の先端部は、二叉に分かれて細長い2つの爪を形成している。一方、プリント基板(51)の貫通孔は、各支持部(63e)の先端部の幅よりも僅かに広く形成されている。これにより、各支持部(63e)の先端部を貫通孔に通過させた後、各支持部(63e)の先端部をねじるように変形させることによって貫通孔から抜けなくなる。このように各支持部(63e)の先端部がプリント基板(51)に係合することによって、支持部材(63)とパワーモジュール(53)とが取り付けられた伝熱板(62)がプリント基板(51)に仮止めされる。
上記仮止めの後、パワーモジュール(53)のリード線と各支持部材(63)の支持部(63e,63e)とを半田付けによってプリント基板(51)に固定する。これらの部品の半田付けは、プリント基板(51)を、フロー炉を通すことによって行われる。具体的には、フロー炉の半田槽にプリント基板(51)の後面を浸し、プリント基板(51)の後面側から各支持部(63e)の先端部及びパワーモジュール(53)のリード線のそれぞれが挿入された貫通孔に溶解半田が浸入させることによって行う。
上記半田付けの後、伝熱板(62)の2つの溝(61)に熱伝導グリス(79)を塗布する。その際、図12に示すように、各溝(61)において、溝幅方向の中央部に溝長さ方向に延びるように熱伝導グリス(79)を塗布する。また、熱伝導グリス(79)は、塗布量を管理できるシリンジ等を用いて塗布される。また、熱伝導グリス(79)は、溝(61)に冷却管(15)の直管部(16)が押し付けられた際に、直管部(16)と溝(61)内面との間の隙間が埋まる量だけ塗布される。
熱伝導グリス(79)が溝(61)に塗布された後、伝熱板(62)に押さえ板(64)を取り付ける。具体的には、まず、上方の支持部材(63)の第2孔部(63i)に押さえ板(64)の上部に設けられた突出片(74)を挿入する。その後、押さえ板(64)の下部に設けられた突出片(74)を下方の支持部材(63)の第1孔部(63h)の本体孔部(63h1)に細孔部(63h2)を利用しながら挿入する。これにより、上方の支持部材(63)の第2湾曲部(63c)と下方の支持部材(63)の第1湾曲部(63b)とのそれぞれに押さえ板(64)に設けられた突出片(74,74)が係合する。
伝熱板(62)に押さえ板(64)を取り付けた後、ヒンジ機構(77)によって、押さえ板(64)を回動させて溝(61)を覆う閉状態とする(図13参照)。具体的には、2つの支持部材(63)の湾曲部(63c,63b)に突出片(74,74)を係合させた状態で、各突出片(74)と共に押さえ板(64)を回動させることによって押さえ板(64)を開状態とする。
押さえ板(64)を閉状態とした後、ロック機構(78)によって押さえ板(64)の閉状態を保持させる。具体的には、閉状態の押さえ板(64)を下方にスライドさせ、L字状の突出片(75,75)を上側の支持部材(63)の第1孔部(63h)の周壁と下側の支持部材(63)の第2孔部(63i)の周壁とに噛み込ませる。これにより、押さえ板(64)の回動が阻止され、押さえ板(64)が閉状態に保持される。
このようにして組み立てられた電装品ユニット(50)は、ロック機構(78)によって押さえ板(64)の閉状態が保持された状態で、設置現場に搬送される(図13参照)。なお、本実施形態では、冷却器(60)は、スライド抑制機構(80)を備えている。そのため、振動等によって押さえ板(64)に上向きの力が作用しても、支持部材(63)の第3孔部(63k)に陥入した板バネ部(76)の折り曲げ部(76a)が第3孔部(63k)の周壁に当接することにより、押さえ板(64)の上方へのスライドが阻止される。よって、搬送中に生じる振動等によって、ロック機構(78)によるロック状態が解除されず、押さえ板(64)の閉状態が保持される。
〈電装品ユニットの取付動作〉
次に、電装品ユニットの取付動作について説明する。まず、ケーシング(40)内の電装品室(49)の冷却管(15)の後方位置に電装品ユニット(50)を挿入する。このとき、予め配設された冷却管(15)は、上述のように前方に傾けられ、ケーシング(40)との間の隙間が拡大されている。この拡大された隙間から電装品ユニット(50)を冷却管(15)と当接しないように挿入し、冷却管(15)の後方位置において、固定部材(55)を介して横仕切板(46)に固定する(図2、図3参照)。
電装品ユニット(50)をケーシング(40)に固定した後、冷却管(15)の直管部(16)を冷却器(60)の伝熱板(62)の溝(61)に嵌め込む。具体的には、まず、ロック状態の冷却器(60)の押さえ板(64)を、伝熱板(62)に対して上方にスライドさせる。これにより、ロック機構(78)の2つのL字状の突出片(75,75)が第1孔部(63h)及び第2孔部(63i)の周壁から離れ、押さえ板(64)の回動が許容されるアンロック状態となる。このアンロック状態において、押さえ板(64)を回動させて、2つの溝(61)を露出させる開状態にする。その後、前方に傾けられた冷却管(15)を、その弾性を利用して元の直立した状態に戻すと共に、2つの直管部(16)を2つの溝(61)に嵌め込む。
なお、冷却管(15)の直管部(16)を伝熱板(62)の溝に嵌め込む前に、冷却管(15)の直管部(16)に配管クリップ(101)が取り付けられている。そのため、冷却管(15)の直管部(16)を伝熱板(62)の溝に嵌め込む際、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)の間隔(配管ピッチ)は、配管クリップ(101)によって一定に保持されていることになる。したがって、冷却管(15)の歪みによって冷却管(15)の配管ピッチが伝熱板(62)の一対の溝(61,61)の間隔(溝ピッチ)に一致しなくなることを防止することができる。すなわち、配管ピッチが溝ピッチよりも狭くなったり広くなったりすることを防止することができる。このように、冷却管(15)の直管部(16)と伝熱板(62)溝(61)とのずれを抑制することができるので、冷却管(15)の直管部(16)を伝熱板(62)の溝(61)に正確に嵌め込むことができる。
伝熱板(62)の溝(61)に冷却管(15)を嵌め込んだ後、押さえ板(64)を回動させて閉状態にする。そして、閉状態の押さえ板(64)を下方にスライドさせて、押さえ板(64)をロック状態にする。これにより、押さえ板(64)によって冷却管(15)が伝熱板(62)の溝(61)内面に押し付けられると共に、押さえ板(64)が伝熱板(62)にビス(91)によって本固定する前に仮固定される。
ここで、伝熱板(62)の2つの溝(61)には、溝幅方向の中央部に溝長さ方向に延びるように熱伝導グリス(79)が塗布されている。そのため、冷却管(15)の2つの直管部(16)を伝熱板(62)の溝(61)内面に押し付けると、熱伝導グリス(79)が薄く延ばされて溝幅方向へ拡がる。これにより、冷却管(15)と溝(61)との間の微小な隙間が熱伝導グリス(79)によって埋められ、冷却管(15)と伝熱板(62)の溝(61)内面との接触熱抵抗が低減され、冷却管(15)と伝熱板(62)との間の伝熱が促進される。
ロック機構(78)によって押さえ板(64)を伝熱板(62)に仮固定した後、ビス(91)によって本固定する。本固定は、ビス(91)を押さえ板(64)の挿通孔(72d)に挿通させて伝熱板(62)のビス孔(66a)に締結することによって行われる。このとき、押さえ板(64)が伝熱板(62)に仮固定されているため、作業者が押さえ板(64)を押さえ付けなくても、押さえ板(64)によって冷却管(15)が伝熱板(62)の溝(61)内面に押し付けられている。そのため、作業者は、押さえ板(64)を支えることなくビス(91)の締結作業を行うことができる。
また、押さえ板(64)が伝熱板(62)にビス(91)によって固定される際、第2凸部(72)は、弾性変形して伝熱板(62)側に沈み込む。これにより、第1凸部(71)の右側部(71c)及び第3凸部(73)の左側部(73b)も伝熱板(62)側に沈み込む。その結果、第1凸部(71)及び第3凸部(73)の頂上部(71a,73a)が、それぞれ冷却管(15)の2つの直管部(16,16)に当接する。これにより、2つの直管部(16,16)が伝熱板(62)の2つの溝(61,61)にそれぞれ押し付けられる(図6参照)。
以上により、電装品ユニット(50)がケーシング(40)内に設置され、冷却器(60)に冷却管(15)が取り付けられる。
〈実施形態1による効果〉
以上のように、配管クリップ(101)(保持部材(100))によって冷却管(15)の直管部(16)の間隔(配線ピッチ)を一定に保持することができるので、冷却管(15)の直管部(16)と伝熱板(62)の溝(61)とのずれを抑制することができる。特に、冷却管(15)の直管部(16)の間隔を一定にすることにより、冷却管(15)の直管部(16)を伝熱板(62)の溝(61)に正確に嵌め込むことができる。このように、冷却管(15)の取付不具合を低減することができるので、冷却管(15)の取付不具合による冷却性能の劣化を抑制することができる。
〈保持部材の形状〉
なお、配管クリップ(101)は、冷却管(15)の直管部(16)が凹部(900)内に収容されている場合に(より具体的には、冷却管(15)を伝熱板(62)に取り付けた後に)、湾曲部(901)の内周面が直管部(16)の外周面のうち少なくとも伝熱板(62)の溝(61)の鉛直方向の下方に対応する部分(ここでは、下方から視て伝熱板(62)の溝(61)に重複している部分)に接触するように形成されていることが好ましい。
すなわち、保持部材(100)は、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)の外周面のうち少なくとも伝熱板(62)の一対の溝(61,61)の鉛直方向の下方に対応する部分(ここでは、下方から視て伝熱板(62)の一対の溝(61,61)に重複している部分)を覆うように形成されていることが好ましい。
以上のように構成することにより、経年劣化などによって伝熱板(62)に塗布された熱伝導グリス(79)が冷却管(15)を伝って下方に垂れてきたとしても、グリス垂れを配管クリップ(101)(保持部材(100))で留めることができる。これにより、グリス垂れによる外観の劣化を抑制することができる。
〈押さえ板の変形例〉
なお、押さえ板(64)は、伝熱板(62)から取り外し可能であっても良い。例えば、押さえ板(64)は、固定ねじによって伝熱板(62)に固定されるように構成されていても良い。
〔実施形態2〕
この発明の実施形態2に係る空気調和機(1)は、実施形態1に係る空気調和機(1)と同様の構成を有しているが、電装品室(49)内における冷却管(15)の取付構造が異なっている。
〈冷却管の取付構造〉
図14のように、実施形態2に係る冷却管(15)の取付構造では、配管クリップ(101)(保持部材(100))は、横仕切板(46)(すなわち、電装品室(49)内の側面部)に固定されている。より具体的には、横仕切板(46)の表面(前面)のうち配管クリップ(101)の取付位置に対応する部分(ここでは、正面から視て配管クリップ(101)と重複している部分)には、取付部(46a)が形成されている。取付部(46a)は、横仕切板(46)の表面(前面)から前に突出している。また、取付部(46a)および配管クリップ(101)の連結部(902)には、固定ねじ(101a)が締結されるねじ穴が形成されている。そして、配管クリップ(101)は、固定ねじ(101a)によって取付部(46a)に固定されている。その他の構成は、図4と同様である。
〈配管クリップの固定動作〉
配管クリップ(101)を横仕切板(46)に固定する動作は、冷却管(15)の直管部(16)が伝熱板(62)の溝(61)に嵌め込まれる前までの間に行われても良いし、冷却管(15)の直管部(16)が伝熱板(62)の溝(61)に嵌め込まれた後に行われても良い。
〈第2の実施形態による効果〉
以上のように、配管クリップ(101)を横仕切板(46)に固定することにより、冷却管(101)のうち配管クリップ(101)よりも下方に延びている部分において、外力(例えば、冷却管(15)に取り付けられた閉鎖弁などの部品の重み)による冷却管(101)の歪みが生じたとしても、冷却管(15)の歪みの伝達を配管クリップ(101)で留めることができる。
ところで、配管クリップ(101)を横仕切板(46)に固定していない場合、冷却管(101)の歪みが伝熱板(62)の溝に嵌め込まれた冷却管(15)に伝達されて、押さえ板(64)を外そうとする力が作用する可能性がある。この場合、押さえ板(64)が外れやすくなってしまう。
一方、配管クリップ(101)を横仕切板(46)に固定することにより、冷却管(15)の歪みの伝達を配管クリップ(101)で留めることができるので、冷却管(15)の歪みの伝達による押さえ板(64)の押さえつけ力の低下を防止することができる。また、冷却管(15)自体の重みで冷却管(15)が前後左右に倒れようとする力を低減することができるので、押さえ板(64)の押さえつけ力の低下をさらに防止することができる。したがって、冷却管(15)の取付不具合をさらに低減することができる。
また、冷却管(15)の直管部(16)が伝熱板(62)の溝(61)に嵌め込まれる前に、配管クリップ(101)を横仕切板(46)に固定することにより、冷却管(15)の位置決めを補助することができる。これにより、冷却管(15)の直管部(16)を伝熱板(62)の溝(61)に正確に嵌め込むことができるので、冷却管(15)の取付不具合をさらに低減することができる。
なお、配管クリップ(101)は、プリント基板(51)に固定されるように構成されていても良い。
〔実施形態3〕
この発明の実施形態2に係る空気調和機(1)は、実施形態1に係る空気調和機(1)と同様の構成を有しているが、電装品室(49)内における冷却管(15)の取付構造が異なっている。
図15のように、実施形態2に係る冷却管(15)の取付構造では、保持部材(100)は、保持固定具(102)によって構成されている。保持固定具(102)は、横仕切板(46)(すなわち、電装品室(49)内の側面部)に固定されている。より具体的には、保持固定具(102)は、横仕切板(46)に形成された差込口(46b)に差し込まれて固定されている。その他の構成は、図4と同様である。
〈保持固定具〉
図16は、保持固定具(102)の構成例を示している。保持固定具(102)は、矩形板状に形成されている。保持固定具(102)には、一対の保持穴(911,911)と、一対の挿入口(912,912)とが形成されている。一対の保持穴(911,911)は、冷却管(15)の横断面に対応した形状(すなわち、円形状)に形成されている。一対の挿入口(912,912)は、保持固定具(102)の表面(前面)から一対の保持穴(911,911)にそれぞれ延びている。ここでは、挿入口(912)は、挿入方向に開口幅が次第に狭くなっている導入口部(912a)と、導入口部(912a)と保持穴(912b)とを連通する開口幅が一定な連通口部(912b)とによって構成されている。このように、一対の保持穴(911,911)および一対の挿入口(912,912)によって、冷却管(15)の一対の直管部(16,16)をそれぞれ収容可能な一対の凹部(900,900)が構成されている。
さらに、保持固定具(102)の後方部分の左右側面には、一対のスリット(913,913)がそれぞれ形成されている。一対のスリット(913,913)の対向距離(W)(すなわち、保持固定具(102)の一対のスリット(913,913)が形成されている部分の左右幅)は、横仕切板(46)の差込口(46b)の左右幅よりも狭いか同等の幅になっている(図17参照)。また、保持固定具(102)に一対のスリット(913,913)を形成することにより、保持固定具(102)の後方部分の左右側面(スリット(913)よりも後方の部分)に一対の係止片(914,914)が構成されている。一対の係止片(914,914)は、保持固定具(102)を横仕切板(46)の差込口(46b)から抜けにくくするための部分である。
《保持固定具の取付動作》
次に、保持固定具(102)を冷却管(15)の一対の直管部(16,16)に取り付ける動作について説明する。まず、冷却管(15)の直管部(16)を凹部(900)の開口端(すなわち、挿入口(912))に押し当てることによって、凹部(900)の開口端を変形させて、凹部(900)の開口端を広げる。そして、冷却管(15)の直管部(16)をさらに押し当てて、冷却管(15)の直管部(16)を凹部(900)(すなわち、保持穴(911))の内部に収容させる。このとき、挿入口(912)の弾性により、凹部(900)の開口幅が元に戻る。これにより、冷却管(15)の直管部(16)を凹部(900)内に保持することができる。
なお、冷却管(15)に保持固定具(102)を取り付ける動作は、冷却管(15)の直管部(16)を冷却器(60)の伝熱板(62)の溝(61)に嵌め込む前に行われる。例えば、冷却管(15)に保持固定具(102)を取り付ける動作は、冷却管(15)を含む冷却配管ユニット(配管ASSY)が組み立てられた際に行われても良いし、冷却管(15)と圧縮機(34)とがロウ付けなどで連結される前に行われても良い。
《保持固定具の固定動作》
次に、保持固定具(102)を横仕切板(46)の差込口(46)に差し込んで固定する動作について説明する。まず、一方の係止片(914)が差込口(46b)を通過するように保持固定具(102)を差込口(46b)に挿入し、他方の係止片(914)を差込口(46b)に押し当てることによって、他方の係止片(914)を変形させる。そして、他方の係止片(914)をさらに押し当てて差込口(46b)を通過させる。このようにして、保持固定具(102)が差込口(46b)に差し込まれる。保持固定具(102)が差込口(46b)に差し込まれた後、他方の係止片(914)の弾性により、他方の係止片(914)の形状が元に戻る。これにより、保持固定具(102)を横仕切板(46)に固定することができる。
なお、保持固定具(102)を横仕切板(46)に固定する動作は、冷却管(15)の直管部(16)が伝熱板(62)の溝(61)に嵌め込まれる前までの間に行われても良いし、冷却管(15)の直管部(16)が伝熱板(62)の溝(61)に嵌め込まれた後に行われても良い。
〈実施形態3による効果〉
以上のように構成した場合も、保持固定具(102)によって冷却管(15)の直管部(16)の間隔を一定に保持することができるので、冷却管(15)の直管部(16)と伝熱板(62)の溝(61)とのずれを抑制することができる。これにより、冷却管(15)の取付不具合を低減することができる。
また、保持固定具(102)を横仕切板(46)に固定することにより、冷却管(15)の歪みの伝達を保持固定具(102)で留めることができるので、冷却管(101)の歪みの伝達による押さえ板(64)の押さえつけ力の低下を防止することができる。これにより、冷却管(15)の取付不具合をさらに低減することができる。
また、冷却管(15)の直管部(16)が伝熱板(62)の溝(61)に嵌め込まれる前に、保持固定具(102)を横仕切板(46)に固定することにより、冷却管(15)の位置決めを補助することができる。これにより、冷却管(15)の直管部(16)を伝熱板(62)の溝(61)に正確に嵌め込むことができるので、冷却管(15)の取付不具合をさらに低減することができる。
なお、保持固定具(102)は、プリント基板(51)に固定されるように構成されていても良い。
〈保持固定具の形状〉
また、保持固定具(102)は、冷却管(15)の直管部(16)が凹部(900)内に収容されている場合に(より具体的には、冷却管(15)を伝熱板(62)に取り付けた後に)、保持穴(911)の内周面が直管部(16)の外周面のうち少なくとも伝熱板(62)の溝(61)の鉛直方向の下方に対応する部分(ここでは、下方から視て伝熱板(62)の溝(61)に重複している部分)に接触するように形成されていることが好ましい。
以上のように構成することにより、経年劣化などによって伝熱板(62)に塗布された熱伝導グリス(79)が冷却管(15)を伝って下方に垂れてきたとしても、グリス垂れを保持固定具(102)(保持部材(100))で留めることができる。これにより、グリス垂れによる外観の劣化を抑制することができる。
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、本発明に係る押さえ部材を構成する押さえ板(64)が、伝熱部材を構成する伝熱板(62)の外形に略等しい形状の金属板によって構成されていた。しかし、押さえ部材は、上記実施形態のような板状体に限られない。例えば、押さえ部材は、板状体でなく格子状部材によって構成されていてもよい。このような格子状部材であっても、閉状態として溝(61)を覆うことにより、溝(61)に塗布された熱伝導グリス(79)を保護して接触による剥がれを防止することができる。
上記実施形態では、冷却器(60)は、冷媒回路(10)の室外熱交換器(31)と室外膨張弁(33)との間に接続されていたが、冷却器(60)の接続位置はこれに限られない。冷媒回路(10)の液配管(15)であればいずれの箇所に設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、冷凍サイクルを行う冷凍装置の一例として空気調和機(1)について説明している。しかしながら、冷凍装置として、例えば、ヒートポンプ式のチラーユニットや、給湯器、冷蔵庫や冷凍庫の庫内を冷却する冷却装置等を用いるようにしてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、この発明は、空気調和機の室外ユニットなどに設けられた電装品室における冷却管の取付構造として有用である。
1 空気調和機(冷凍装置)
10 冷媒回路
15 冷却管(冷媒配管、液配管)
50 電装品ユニット
51 プリント基板(基板)
53 パワーモジュール(発熱部品)
60 冷却器
61 溝
62 伝熱板(伝熱部材)
63 支持部材(係合部材)
63b 第1湾曲部(係合部)
63c 第2湾曲部(係合部)
64 押さえ板(押さえ部材)
74 突出片(回動用突出片)
75 突出片(ロック用突出片)
77 ヒンジ機構(開閉機構)
78 ロック機構
79 熱伝導グリス
80 スライド抑制機構
100 保持部材
101 配管クリップ
102 保持固定部

Claims (3)

  1. 電装品室(49)内におけるU字型の冷媒配管(15)の取付構造であって、
    上記電装品室(49)内の側面部(46)に固定された基板(51)に実装された発熱部品(53)と裏面側で熱的に接触し、上記冷媒配管(15)の一対の直管部(16)がそれぞれ嵌め込まれる一対の溝(61)が表面側に形成された伝熱部材(62)と、
    上記冷媒配管(15)の一対の直管部(16)を上記伝熱部材(62)の一対の溝(61)に押さえつけて保持する押さえ部材(64)と、
    上記冷媒配管(15)の一対の直管部(16)の間隔を一定に保持する保持部材(100)とを備えている
    ことを特徴とする冷媒配管の取付構造。
  2. 請求項1において、
    上記冷媒配管(15)は、上記一対の直管部(16)を連結する曲管部(17)が該一対の直管部(16)よりも鉛直方向の上方に配置されるように延び、
    上記伝熱部材(62)の一対の溝(61)には、熱伝導グリス(79)が塗布され、
    上記保持部材(100)は、上記冷媒配管(15)の一対の直管部(16)の外周面のうち少なくとも上記伝熱部材(62)の一対の溝(61)の鉛直方向の下方に対応する部分を覆うように構成されている
    ことを特徴とする冷媒配管の取付構造。
  3. 請求項1または2において、
    上記保持部材(100)は、上記電装品室(49)内の側面部(46)または上記基板(51)に取り付けられている
    ことを特徴とする冷媒配管の取付構造。
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