JP2013232371A - コネクタ - Google Patents

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JP2013232371A JP2012104753A JP2012104753A JP2013232371A JP 2013232371 A JP2013232371 A JP 2013232371A JP 2012104753 A JP2012104753 A JP 2012104753A JP 2012104753 A JP2012104753 A JP 2012104753A JP 2013232371 A JP2013232371 A JP 2013232371A
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徹 鈴木
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Abstract

【課題】板状端子とメス端子との位置ずれを吸収してリアコネクタとフロントコネクタとの組み付けを容易に行うことができ、電線の振動がメス端子に伝達されることのないコネクタを提供する。
【解決手段】電線11の端末に接続された板状端子3と、板状端子3が収容されるリヤコネクタ4と、リヤコネクタ4に組み付けられ板状端子3と接続されると共に電気機器側の相手端子と接続される箱状のメス端子12が収納されるフロントコネクタ5とを備える。板状端子3とメス端子12とを、板状端子3とメス端子12の位置ずれ及び板状端子3の振動を吸収可能な軟質材からなる接続端子25で接続する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等に用いられるコネクタに関する。
自動車等に用いられるコネクタにおいては、負荷側に電流を供給する電線に中継端子を取り付け、この中継端子を介して電源に接続されるメス端子と接続する構造が用いられる。そして中継端子をリヤコネクタに収容する一方、メス端子をフロントコネクタに収容しており、フロントコネクタをリヤコネクタに組み付けることによりコネクタとしている(例えば、特許文献1参照)。このコネクタのフロントコネクタに対して相手コネクタを嵌合させて相手コネクタの相手端子とメス端子とを接触させることによりコネクタ同士の電気的な導通を行っている。
特開2004−253163号公報
しかしながら、フロントコネクタとリヤコネクタとの間に公差がある状態でこれらを組み付けると、相手コネクタの相手端子に対するメス端子の位置がずれるため、メス端子が相手端子と接触しない不都合が生じる。特に、モールドによって成形されたリヤコネクタにおいては、中継端子がリヤコネクタに埋設されて動かないため、メス端子の位置ずれによる非接触が発生し易いものとなる。
また、自動車においては、走行中の振動が電線に伝達されて中継端子を介してメス端子に伝達され、メス端子が振動する。この振動により、メス端子と相手端子とが摩擦して電流が発生して本来の電流の伝達される場合の阻害要因となる。
以上のことからコネクタにおいては、公差を吸収でき、しかも電線からの振動がメス端子に伝達されないことが望ましい。
そこで、本発明は、公差を吸収でき、振動がメス端子に伝達されることのないコネクタを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、電力制御用の電気機器と、電線の端末とを接続するコネクタであって、前記電線の端末に接続された板状端子と、この板状端子が収容されるリヤハウジングを有するリヤコネクタと、このリヤコネクタに組み付けられ前記板状端子と接続されると共に前記電気機器側の相手端子と接続される箱状のメス端子が収納されるフロントハウジングを有するフロントコネクタとを備え、前記板状端子と前記メス端子とを、板状端子とメス端子の位置ずれ及び板状端子の振動を吸収可能な軟質材からなる接続端子で接続したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコネクタであって、前記電線の周囲からの水の侵入を防止する成形防水部を少なくとも前記電線の周囲に一体成形し、この成形防水部を含む前記電線を前記リヤハウジングと一体成形したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のコネクタであって、前記成形防水部には、前記リヤハウジングとの相対移動を規制する規制係合部が形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコネクタであって、前記接続端子は、編組線からなることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、板状端子とメス端子とを、板状端子とメス端子の位置ずれ及び板状端子の振動を吸収可能な軟質材からなる接続端子で接続しているため、リヤコネクタとフロントコネクタとの間に公差があっても、公差に応じたメス端子と板状端子との位置ずれを吸収することができ、メス端子をフロントコネクタの定位置に固定することができる。これによりメス端子が相手端子と良好に接触することができる。従ってフロントコネクタとリヤコネクタとの組み付けを円滑に行うことができる。
また、電線からの振動によって板状端子が振動した場合においても、軟質材からなる接続端子がこの振動を吸収するため、振動がメス端子に伝達することがない。このためメス端子と電気機器側の相手コネクタ部の相手端子との間に振動が伝達することを防止できる。これによりメス端子と相手端子との接続を確実に行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、電線端末の周囲に成形防水部を一体成形し、この成形防水部を含む電線をリヤハウジングと一体成形して防水構造とすることから、防水のための部品点数が多くなることがなく、コネクタが大型化することがない。しかも、成形防水部を電線と一体成形すると共に、リヤハウジングを一体成形するため、組み立て工程が少なくなり、製造が容易となる。
請求項3記載の発明によれば、リヤハウジングとの相対移動を規制する規制係合部が成形防水部に形成されているため、リヤハウジング成形の保圧時や冷却時における成形防水部のずれを防止することができる。これにより成形防水部がリヤハウジングと相対移動することを規制でき、電線の定位置からずれることがなくなるため、防水性が低下することを防止することができる。
請求項4記載の発明によれば、接続端子として編組線を用いるため、接続端子に良好な軟質性を付与することができる。
本発明の第一実施形態のコネクタを示す分解斜視図である。 成形防水部を一体成形する前の電線を示す斜視図である。 接続端子を介して板状端子とメス端子とを接続した状態を示す斜視図である。 成形防水部を形成した状態でリヤハウジングを成形した状態を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態における電線の斜視図である。 図5の正面図である。 図5の側面図である。 本発明の第3実施形態のコネクタを示す分解斜視図である。 第3実施形態の変形々態のコネクタを示す分解斜視図である。 本発明の第4実施形態のコネクタを示す分解斜視図である。
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。なお、各実施形態において、同一の部材は同一の符号を付して対応させてある。
[第1実施形態]
図1〜図4は本発明の第1実施形態のコネクタ2を示す。コネクタ2は電力制御用の電気機器(図示省略)と、電線11とを接続するものである。コネクタ2は板状端子3と、リヤコネクタ4と、フロントコネクタ5と、メス端子12と、成形防水部6とを備えて形成されている。
板状端子3は電源からの電線11の端末に接続される。この実施形態において電線11は2芯線によって形成されており、板状端子3はそれぞれの電線11の端末に接続される。図2に示すように板状端子3は板状の端子本体部3aと、端子本体部3aから直角状に屈曲され、電線11の内部導体の端末に加締め圧着によって接続される電線側接続部3bと、電線側接続部3bと反対側の端子本体部3aの端部に一体に形成され、メス端子12からの接続端子25を加締めまたは溶接することにより接続されるメス端子側接続部3cとによって形成されている。
リヤコネクタ4はリヤハウジング14を有し、このリヤハウジング14内に板状端子3及び板状端子3に接続される電線11の端末部分が収容される。リヤハウジング14はポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性樹脂によって形成される。このリヤハウジング14にはフロントコネクタ5が組み付けられる長円筒状の外形の取付部14aが前面側に一体に設けられており、この取付部14aの外面にフロントコネクタ5との組み付けを行うための係止凸部14bが形成されている。かかるリヤハウジング14はあらかじめ成形されるものではなく、コネクタ2の製造時に後述する成形防水部6とともにモールド型内で一体成形されるものであり、この一体成形によって図1に示す形状となる。
一体成形されたリヤハウジング14はシールドシェル21に収容される。シールドシェル21はアルミニウム等の金属によりボックス形状に形成されており、収容したリヤコネクタ4に対する電磁波シールドを行う。シールドシェル21は、アッパーシェル41及びアンダーシェル42からなり、これらが挟持ブラケット49によって組み付けられることにより形成される。アッパーシェル41はリヤコネクタ4の外周を覆う外周シールド壁43を有しており、シールドシェル21内にリヤコネクタ4を収容することにより外部からの電磁波シールドが行われる。
フロントコネクタ5はフロントハウジング本体15(フロントハウジング)と、ハウジングフロント17とによって形成されている。
フロントハウジング本体15は一対のメス端子12を収容する。メス端子12は箱状に形成されており、板状端子3のそれぞれに接続された状態でフロントハウジング本体15に収容される。メス端子12を収容するため、フロントハウジング本体15には、端子収容室15cが形成されている。端子収容室15cは隔壁部15aによって区画されており、それぞれの端子収容室15cに挿入されたメス端子12の相互接触が防止されている。フロントハウジング本体15はリヤハウジング14の取付部14aに組み付けられるものであり、取付部14aの係止凸部14bと対応したフック部15bがリヤハウジング14に向かって突出している。かかるフロントハウジング本体15とリヤコネクタ4との間には、ゴム等からなるシールリング7が挟み込まれる。
ハウジングフロント17は電力制御用の電気機器の相手端子が差し込まれるものである。図5に示すようにハウジングフロント17は、ロアフロント部17aと、アッパーフロント部17bとを有し、これらが相互に組み付け可能となっている。ロアフロント部17aには電力制御用電気機器側からの板状の相手端子(図示省略)が差し込まれる矩形状の相手端子挿入口19が形成されている。相手端子挿入口19に差し込まれた相手端子は、フロントハウジング本体15の端子収容室15内に収容されている箱状のメス端子12と電気的に接続される。
メス端子12は箱状のメス箱接続部12aと、メス箱接続部12aから延びる薄板状の板状接続部12bとによって形成されており、板状接続部12bに接続端子25のメス端子側端部25a(図3及び図4参照)が溶接によって接続されている。接続端子25の他端は板状端子側端部25bとなっており(図3及び図4参照)、この板状端子側端部25bに対して板状端子3のメス端子側接続部3cを加締め圧着することによりメス端子12と板状端子3とが接続端子25を介して接続される。
接続端子25は、軟質材により薄い帯状に形成されており、上述したように長さ方向の一端がメス端子12と接続されるメス端子側端部25aとなっており、他端が板状端子3と接続される板状端子側端部25bとなっている。軟質材としては板状端子3とメス端子12の位置ずれを吸収でき、しかも電線11から伝達される板状端子3の振動を吸収できる特性を有したものが用いられる。この実施形態では、接続端子25として編組線が用いられている。編組線を用いることにより接続端子25に良好な軟質性を付与することができる。
このような軟質材からなる接続端子25によって板状端子3とメス端子12とを接続することにより、リヤコネクタ4とフロントコネクタ5との間に製造上の公差があっても、フロントコネクタ5をリヤコネクタ4に組み付ける際には、この公差に合わせてメス端子12及び板状端子3が相対的に位置ずれするため、公差を吸収することができる。このためフロントコネクタ5とリヤコネクタ4との組み付けを円滑に行うことができる。また、電線11からの振動によって板状端子3が振動した場合においても、軟質材からなる接続端子25がこの振動を吸収するため、振動がメス端子12に伝達することがない。このため電気機器側の相手コネクタ部の相手端子とメス端子12とが位置ずれすることがなく、メス端子12と相手端子との接続を確実に行うことができる。
成形防水部6は電線11の周囲に一体成形されるものである。成形防水部6は2芯線からなる電線11の周囲を囲むように設けられており、電線11の絶縁外皮11aを伝わって板状端子3側に移動する水を遮断する。これにより電線11の周囲からの水の侵入を防止することができる。
成形防水部6はあらかじめ成形されるものではなく、コネクタ2の製造時にモールド型内で一体成形される。図1は一体成形により成形される成形防水部の形状を示している。このように一体成形されることにより、成形防水部6は電線11と一体となるため、ゴム等のシールリングを単に電線1に巻き付けた場合に比べて電線11と強固に結合される。このため防水性が格段に向上する。
かかる成形防水部6の材料としては、熱硬化性エラストマーが使用される。熱硬化性エラストマーとしては、加硫ゴム、熱硬化性樹脂系エラストマーを使用することができ、熱硬化性樹脂系エラストマーとしては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を適宜選択することができる。
次に、この実施形態のコネクタ2の製造方法を図2〜図4により説明する。図2は成形防水部6の一体成形前の状態を示し、2芯線からなるそれぞれの電線11の端末に板状端子3が接続されている。
図3は成形防水部6を一体成形した後の状態を示す。板状端子3が取り付けられた電線11の端末部分をモールド型内にセットし、モールド型内に熱硬化性エラストマーを注入して熱硬化する。これにより電線11の端末部分の周囲に成形防水部6が一体成形される。
成形防水部6の一体成形の後、箱状のメス端子12をそれぞれの板状端子3に接続する。この接続は、接続端子25のメス端子側端部25aをメス端子12の板状接続部25bに溶接し、接続端子25の板状接続部25bを板状端子3のメス端子側接続部3cに接触させ、メス端子側接続部3cを加締め圧着することにより行われる。これにより板状端子3及びメス端子12が接続端子25を介して接続される。接続端子25が軟質材からなるため、接続状態においては板状端子3及びメス端子12が相互にずれることが可能となっている。
図4はリヤハウジング14を一体成形した状態を示す。図4に示す一体成形は、電線11の端末部分への成形防水部6の一体成形及び溶接による板状端子3とメス端子12との接続の後に行われるものである。
リヤハウジング14の一体成形にあっては、成形防水部6が形成されている電線11の端末部分及び電線11の端末部分に接続されている板状端子3をモールド型内にセットし、モールド型内に絶縁性樹脂を注入して硬化することにより行う。この成形により成形防水部6や成形防水部6が設けられている電線11の端末部分がリヤハウジング14に埋め込まれた状態となる。従って、成形防水部6がリヤハウジング14内で固定された状態となり、成形防水部6が電線11から離れることが阻止される。従って成形防水部6が電線11の周囲に密着した状態を保持することができるため、成形防水部6による水の侵入防止を確実に行うことができる。
成形防水部6を電線11の端末に一体成形し、リヤハウジング14を成形防水部6と一体成形した後においては、フロントハウジング本体15をリヤハウジング14に組み付ける。この場合、ハウジングフロント17を組み立ててフロントハウジング本体15内に挿入してフロントコネクタ5を形成する。
その後、メス端子12をフロントハウジング本体15の端子収容室15cに挿入しながら、フロントハウジング本体15をリヤハウジング14の取付部14aに組み付ける。この組み付けにおいては、メス端子12が軟質材からなる接続端子25を介して板状端子3と接続されているため、メス端子12をフロントハウジング本体15の端子収容室15cに容易に挿入することができる。
このような実施形態では、電線11端末の周囲に成形防水部6を一体成形し、この成形防水部6を含む電線11をリヤハウジング14と一体成形して防水構造とすることから、防水のための部品点数が多くなることがなく、コネクタ2が大型化することがない。しかも、成形防水部6を電線11と一体成形すると共に、リヤハウジング14を一体成形するため、組み立て工程が少なくなり、製造が容易となる。
また、この実施形態では、板状端子3とメス端子12とが軟質材からなる接続端子25によって接続されるため、リヤコネクタ4とフロントコネクタ5との間に公差があっても、公差に応じたメス端子12と板状端子3との位置ずれを吸収することができ、メス端子12をフロントコネクタ5の定位置に固定することができる。これによりメス端子12が相手端子と良好に接触することができる。従ってフロントコネクタ5とリヤコネクタ4との組み付けを円滑に行うことができる。また、電線11からの振動によって板状端子3が振動した場合においても、軟質材からなる接続端子25がこの振動を吸収するため、振動がメス端子12に伝達することがない。このためメス端子12と電気機器側の相手コネクタ部の相手端子との間に振動が伝達することを防止でき、メス端子と相手端子との接続を確実に行うことができる。
[第2実施形態]
図5〜図7は本発明の第2実施形態を示す。この実施形態では、電線11の端末部分の周囲に一体成形される成形防水部6に対し規制係合部23を形成するものである。規制係合部23は成形防水部6の外面に凹み状に形成された係合溝24から構成されている。
規制係合部23としての係合溝24は、電線11の長さ方向と交差する方向に形成されるものであり、この実施形態では電線11の長さ方向と直交するように成形防水部6の外面に形成されている。また、係合溝24は成形防水部6の長さ方向(図5〜図7における上下方向)の中間部分に形成されており、成形防水部6は係合溝24を挟んだ状態となっている。かかる係合溝24は、電線11の絶縁外皮11aに達するような深さに形成されている。
このような規制係合部23としての係合溝24を形成した成形防水部6を用いてリヤハウジング14を一体成形すると、リヤハウジング14成形の保圧時や冷却時における成形防水部6のずれを防止することができる。
すなわち成形防水部6のエラストマー(熱硬化性エラストマー)と、リヤハウジング14の樹脂とは材料が異なり、熱膨張率が異なるため、リヤハウジング14の成形の際の収縮率が異なっている。この収縮率の相違によって成形防水部6に応力が作用するため、リヤハウジング14の一体成形時に電線11に対して成形防水部6が位置ずれする場合がある。このような成形防水部6のずれが生じると、防水性が低下する。これに対し、この実施形態のように、成形防水部6に係合溝24を形成した場合においては、リヤハウジング14を成形する樹脂が係合溝24内に入り込み、樹脂の入り込み状態で硬化するため、成形防水部6が定位置に固定された状態となる。従って成形防水部6がリヤハウジング14との相対移動することが規制されて電線11の定位置からずれることがなくなるため、防水性が低下することを防止することができるものである。
なお、規制係合部23としては、溝24ではなく、突起を成形防水部6に形成するものであっても良い。
[第3実施形態]
図8は本発明の第3実施形態のコネクタ2を示す。この実施形態のコネクタ2においては、電線11として同芯線が用いられるものである。
同芯線からなる電線11は、内側導体31と、内側導体31の外周に絶縁内皮を介して外側導体32が配置され、外側導体32の外周に絶縁外皮33が被覆されることにより形成されている。この電線11においては、皮剥きされることにより内側導体31及び外側導体32が引き出されており、内側導体31及び外側導体32の端末に板状端子3がそれぞれ接続される。
このように内側導体31及び外側導体32の端末を含む部分に対して成形防水部6が一体成形される。内側導体31及び外側導体32は相互に離れる方向に引き出されているため、成形防水部6はこれらの周囲を囲む導体覆い部35と、電線11における内側導体31及び外側導体32の引き出し部分(端末)の周囲を囲む端末覆い部36が一体的に形成された形状に成形される。
かかる成形防水部6は、内側導体31及び外側導体32と、これらの引き出し部分(端末)と、板状端子3とをモールド型内にセットした状態で熱硬化性エラストマーを注入して硬化する一体成形することにより形成される。成形防水部6を成形した後において、第1実施形態と同様に、電線1における成形防水部6を含む部分に対してリヤハウジング14を一体成形する。
このような実施形態では、2芯線からなる電線11端末の周囲に成形防水部6を一体成形するため、成形防水部6が電線11に密着した一体状態となって強固に結合される。このため電線11を伝う水を成形防水部6が遮断して水の侵入を確実に防止することができる。また、成形防水部6を含む電線11をリヤハウジング14と一体成形するため、成形防水部6がリヤハウジング14と一体となって埋め込まれ、成形防水部6が電線11に密着した状態を保持することができ、成形防水部6による水の侵入防止力が増大する。
この実施形態においても、板状端子3とメス端子12とが軟質材からなる接続端子25によって接続されるものである。従ってリヤコネクタ4とフロントコネクタ5との間に公差があっても、公差に応じたメス端子12と板状端子3との位置ずれを吸収することができ、メス端子12をフロントコネクタ5の定位置に固定することができる。これによりメス端子12が相手端子と良好に接触することができ、フロントコネクタ5とリヤコネクタ4との組み付けを円滑に行うことができる。また、電線11からの振動によって板状端子3が振動した場合においても、軟質材からなる接続端子25がこの振動を吸収するため、振動がメス端子12に伝達することがない。このためメス端子12と電気機器側の相手コネクタ部の相手端子との間に振動が伝達することを防止でき、メス端子と相手端子との接続を確実に行うことができる。
なお、この実施形態においても、第2実施形態の規制係合部23を成形防水部6に形成しても良く、これにより成形防水部6のずれを防止できるため、防水性の低下を防止することができる。
図9は電線11として同芯線を用いた場合の変形々態を示す。図9においては、外側導体32に接続される板状端子3に筒状の接続端37が一体形成されている。この接続端37を皮剥きされて露出した外側導体32に外挿し、加締めや超音波接合して接続端37を外側導体32に接続する。これにより内側導体31と外側導体32とが略同方向に引き出される。この電線11の端末の周囲を囲む成形防水部6は端末覆い部36が接続端37を囲むような大径となって形成される。
[第4実施形態]
図10は本発明の第3実施形態のコネクタ2を示す。
この実施形態のコネクタ2は、成形防水部6を一体成形するものではなく、リヤコネクタ4を予め成形しており、成形されたリヤコネクタ4の内部に電線11、板状端子3を組み付け状態で配置するものである。また、このコネクタに対しては、2芯線からなる電線11が用いられる。
リヤコネクタ4のリヤハウジング14には、2芯線からなる電線11及び電線11の端末に接続された板状端子3を収容する電線挿入筒74が形成されている。また、リヤハウジング14には、メス端子12を収容するための端子収容室73が形成されている。端子収容室73はハウジングフロント17の相手端子挿入口19と連通する。
さらに、2芯線からなる電線11の外周には、防水栓72が取り付けられることにより防水性が付与されている。そして防水栓72及び電線11の端末が挿入される筒状のシールド部材71が用いられ、このシールド部材71がリヤハウジング14の電線挿入筒74内に挿入される。
この実施形態においても、板状端子3とメス端子12とが軟質材からなる接続端子25により接続されるものである。すなわち、接続端子25のメス端子側端部25aがメス端子12の板状接続部12bに溶接され、接続端子25が板状端子側端部25bが板状端子3のメス端子側接続部3cに加締め圧着されて板状端子3とメス端子12とが接続される。この場合、接続端子25は比較的長い帯状が使用されており、板状端子3に対するメス端子12の位置ずれを良好に吸収することができる。
このように板状端子3とメス端子12とが軟質材からなる接続端子25によって接続されることにより、リヤコネクタ4とフロントコネクタ5との間に公差があっても、公差に応じたメス端子12と板状端子3との位置ずれを吸収することができ、メス端子12をフロントコネクタ5の定位置に固定することができる。これによりメス端子12が相手端子と良好に接触することができ、フロントコネクタ5とリヤコネクタ4との組み付けを円滑に行うことができる。また、電線11からの振動によって板状端子3が振動した場合においても、軟質材からなる接続端子25がこの振動を吸収するため、振動がメス端子12に伝達することがない。このためメス端子12と電気機器側の相手コネクタ部の相手端子との間に振動が伝達することを防止でき、メス端子と相手端子との接続を確実に行うことができる。
2 コネクタ
3 板状端子
4 リヤコネクタ
5 フロントコネクタ
11 電線
12 メス端子
14 リヤハウジング
15 フロントハウジング本体(フロントハウジング)
17 ハウジングフロント
23 規制係合部
25 接続端子

Claims (4)

  1. 電力制御用の電気機器と、電線の端末とを接続するコネクタであって、
    前記電線の端末に接続された板状端子と、この板状端子が収容されるリヤハウジングを有するリヤコネクタと、このリヤコネクタに組み付けられ前記板状端子と接続されると共に前記電気機器側の相手端子と接続される箱状のメス端子が収納されるフロントハウジングを有するフロントコネクタとを備え、
    前記板状端子と前記メス端子とを、板状端子とメス端子の位置ずれ及び板状端子の振動を吸収可能な軟質材からなる接続端子で接続したことを特徴とするコネクタ。
  2. 請求項1記載のコネクタであって、
    前記電線の周囲からの水の侵入を防止する成形防水部を少なくとも前記電線の周囲に一体成形し、この成形防水部を含む前記電線を前記リヤハウジングと一体成形したことを特徴とするコネクタ。
  3. 請求項2記載のコネクタであって、
    前記成形防水部には、前記リヤハウジングとの相対移動を規制する規制係合部が形成されていることを特徴とするコネクタ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコネクタであって、
    前記接続端子は、編組線からなることを特徴とするコネクタ。
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